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技術 中空粒子の供給容器およびタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 大谷光司渡邊剛
出願日 2005年5月18日 (14年10ヶ月経過) 出願番号 2005-145705
公開日 2006年11月30日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 2006-321098
状態 未査定
技術分野 タイヤ一般 プラスチック等の特殊発泡成形、タイヤ成形 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし)
主要キーワード 規定体 リーク口 充填気体 海綿状構造 電動コンプレッサー 供給容器内 パンクタイヤ 密閉室内
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年11月30日)のものです。
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図面 (10)

課題

中空粒子タイヤ気室内に確実に供給するための持ち運びが可能で、供給方法が簡便な供給容器を提供する。

解決手段

イヤリムに装着したタイヤとリムとの組立体における該タイヤとリムとで区画されたタイヤ気室内に、樹脂による連続相独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を供給する際に用いる容器であって、前記タイヤの使用内圧以上の圧力に調整されたポリエチレンテレフタレート樹脂等からなる密閉室に中空粒子を封入した供給容器。

概要

背景

この種のタイヤリム組立体については、出願人の先の提案に係る特許文献1に、リムにタイヤを組み込んだタイヤとリムの組立体において、タイヤとリムとで区画された空間内へ、樹脂による連続相と、大気圧より高圧に保持された独立気泡とからなる中空粒子(特許文献1では気泡含有粒子と称する)を多数個封入してなるものが記載されている。

このタイヤとリムの組立体では、タイヤが受傷して内圧が低下し始めると、中空粒子が受傷部を封止し、急激な内圧低下が抑制される一方で、タイヤ内圧の低下に伴いタイヤの撓み量が増加し、タイヤ内容積が減少することによって、中空粒子そのものが直接的に荷重を負担することとなり、その後の走行に必要な最低限のタイヤ内圧を保持することとなる。また、受傷前のタイヤ内圧下で存在していた中空粒子の独立気泡中の気泡内圧力は、受傷後も上記のタイヤ内圧に準じた圧力を保ったまま、言い換えれば、受傷前の中空粒子総体積を保持したままタイヤ内に存在することになるため、タイヤがさらに転動することによって、中空粒子そのものが直接的に荷重を負担しつつ中空粒子同士が摩擦を引き起し自己発熱し、これにより、タイヤ内の中空粒子温度が急上昇して、該温度が中空粒子の連続相を形成する樹脂の軟化温度を超えると、中空粒子の独立気泡中の気泡内圧力が受傷前のタイヤ内圧に準じた圧力であるのに加え、前記中空粒子温度の急上昇によりさらに気泡内圧力が上昇するため、中空粒子が一気体積膨張し、タイヤ内圧は受傷前の状態に近い圧力まで復活することになる。

この種のタイヤとリムの組立体の安全タイヤとしての機能は、その内部に充填する中空粒子に負うものであり、所定量の中空粒子をタイヤ気室内に確実に供給することが重要である。

ところが、中空粒子は、たとえば粒径が10μm〜500μm程度の範囲で粒径分布を持った中空体、あるいは独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体であり、空気中で飛散し易く、その取り扱いが難しいところに、タイヤ気室内に供給する際の問題があった。

ここで、特許文献1には、この中空粒子をタイヤとリムとで区画されたタイヤ気室内に供給する方法についても記載されている。すなわち、高圧気体が充填された耐圧性貯蔵タンク内に中空粒子を貯蔵しておき、該貯蔵タンクから高圧気体とともに中空粒子をタイヤ気室内に移送する手法が記載されている。
特開2003−118312号公報

概要

中空粒子をタイヤ気室内に確実に供給するための持ち運びが可能で、供給方法が簡便な供給容器を提供する。タイヤをリムに装着したタイヤとリムとの組立体における該タイヤとリムとで区画されたタイヤ気室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を供給する際に用いる容器であって、前記タイヤの使用内圧以上の圧力に調整されたポリエチレンテレフタレート樹脂等からなる密閉室に中空粒子を封入した供給容器。

目的

そこで、本発明は、中空粒子をタイヤ気室内に確実に供給するための持ち運びが可能な供給容器を提供するとともに、この容器を用いた中空粒子の簡便な供給方法について提案することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

イヤリムに装着したタイヤとリムとの組立体における該タイヤとリムとで区画されたタイヤ気室内に、樹脂による連続相独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を供給する際に用いる容器であって、前記タイヤの使用内圧以上の圧力に調整された密閉室に中空粒子を封入して成る中空粒子の供給容器

請求項2

前記タイヤ気室気体充填するためのバルブとの連結手段を有する請求項1に記載の中空粒子の供給容器。

請求項3

前記連結手段は、密閉室から管状に延びる先端開口からバルブが密着挿入される連通口である請求項2に記載の中空粒子の供給容器。

請求項4

前記密閉室と連通口との境界に、密閉室の気密を保持する仮封止栓を有する請求項3に記載の中空粒子の供給容器。

請求項5

前記仮封止栓が、連通口の密閉室側開口に部分嵌入する球体である請求項3または4に記載の中空粒子の供給容器。

請求項6

前記仮封止栓が、連通口の密閉室側開口を塞ぐフィルムである請求項3または4に記載の中空粒子の供給容器。

請求項7

前記密閉室が、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる請求項1ないし6のいずれかに記載の中空粒子の供給容器。

請求項8

前記密閉室は、容積変化を伴う変形が可能である請求項1ないし7のいずれかに記載の中空粒子の供給容器。

請求項9

前記密閉室は、前記連通口とは別に、タイヤ気室内の気体を透過しつつ中空粒子の漏洩を防止するフィルター付リーク口を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の中空粒子の供給容器。

請求項10

タイヤをリムに装着したタイヤとリムの組立体の、タイヤとリムとで区画されたタイヤ気室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を供給するに当り、前記タイヤの使用内圧以上の圧力に調整された密閉室に中空粒子を封入して成る中空粒子の供給容器を用いて、該供給容器の密閉室内圧を前記タイヤ気室内に向けて開放する際の気流に乗せて、中空粒子をタイヤ気室内に供給するタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法

請求項11

前記供給容器は、密閉室から管状に延びる先端開口からタイヤ気室に気体を充填するためのバルブが密着挿入される連通口を有し、かつ該連通口と密閉室との境界に、密閉室の気密を保持する仮封止栓を有し、連通口をバルブに挿入してバルブにて仮封止栓を排除することによって、密閉室の内圧を連通口およびバルブを介してタイヤ気室内に開放する請求項10に記載のタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法。

請求項12

請求項10または11において、前記密閉室の内圧をタイヤ気室内に開放した後、密閉室内に残留する中空粒子を、密閉室に容積変化を伴う変形を与えて中空粒子を密閉室からタイヤ気室内へ押出し供給するタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法。

請求項13

請求項12において、前記中空粒子を密閉室からタイヤ気室内へ押出し供給するに先立ち、密閉室に連通口とは別に設けた、タイヤ気室内の気体を透過しつつ中空粒子の漏洩を防止するフィルター付のリーク口から、タイヤ気室内の高圧気体を排出するタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法。

技術分野

0001

本発明は、タイヤ外傷等を受けることによってパンク状態となってなお、必要とされる距離を安全に継続走行することができる他、受傷前の定常走行時における耐久性および乗心地性等にすぐれるタイヤとリム組立体を提供するために、該タイヤとリムの組立体の内部に中空粒子を供給する際に用いる容器、並びにこの容器を用いた中空粒子の供給方法に関するものである。

背景技術

0002

この種のタイヤとリムの組立体については、出願人の先の提案に係る特許文献1に、リムにタイヤを組み込んだタイヤとリムの組立体において、タイヤとリムとで区画された空間内へ、樹脂による連続相と、大気圧より高圧に保持された独立気泡とからなる中空粒子(特許文献1では気泡含有粒子と称する)を多数個封入してなるものが記載されている。

0003

このタイヤとリムの組立体では、タイヤが受傷して内圧が低下し始めると、中空粒子が受傷部を封止し、急激な内圧低下が抑制される一方で、タイヤ内圧の低下に伴いタイヤの撓み量が増加し、タイヤ内容積が減少することによって、中空粒子そのものが直接的に荷重を負担することとなり、その後の走行に必要な最低限のタイヤ内圧を保持することとなる。また、受傷前のタイヤ内圧下で存在していた中空粒子の独立気泡中の気泡内圧力は、受傷後も上記のタイヤ内圧に準じた圧力を保ったまま、言い換えれば、受傷前の中空粒子総体積を保持したままタイヤ内に存在することになるため、タイヤがさらに転動することによって、中空粒子そのものが直接的に荷重を負担しつつ中空粒子同士が摩擦を引き起し自己発熱し、これにより、タイヤ内の中空粒子温度が急上昇して、該温度が中空粒子の連続相を形成する樹脂の軟化温度を超えると、中空粒子の独立気泡中の気泡内圧力が受傷前のタイヤ内圧に準じた圧力であるのに加え、前記中空粒子温度の急上昇によりさらに気泡内圧力が上昇するため、中空粒子が一気体積膨張し、タイヤ内圧は受傷前の状態に近い圧力まで復活することになる。

0004

この種のタイヤとリムの組立体の安全タイヤとしての機能は、その内部に充填する中空粒子に負うものであり、所定量の中空粒子をタイヤ気室内に確実に供給することが重要である。

0005

ところが、中空粒子は、たとえば粒径が10μm〜500μm程度の範囲で粒径分布を持った中空体、あるいは独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体であり、空気中で飛散し易く、その取り扱いが難しいところに、タイヤ気室内に供給する際の問題があった。

0006

ここで、特許文献1には、この中空粒子をタイヤとリムとで区画されたタイヤ気室内に供給する方法についても記載されている。すなわち、高圧気体が充填された耐圧性貯蔵タンク内に中空粒子を貯蔵しておき、該貯蔵タンクから高圧気体とともに中空粒子をタイヤ気室内に移送する手法が記載されている。
特開2003−118312号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上記の手法では、中空粒子の供給が貯蔵タンクの設置場所に限定されるために、より簡便な供給手段が求められていた。なぜなら、所定量の中空粒子をタイヤ気室内に供給することによって、汎用のタイヤおよびリムの組み合わせにおいて安全タイヤとしての機能を付与することができるため、この中空粒子の供給を手軽に行うことができれば、タイヤの使用者をもってして通常タイヤから安全タイヤへの変更が可能になるからである。

0008

そこで、本発明は、中空粒子をタイヤ気室内に確実に供給するための持ち運びが可能な供給容器を提供するとともに、この容器を用いた中空粒子の簡便な供給方法について提案することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

発明者らは、上記の問題点を解決すべく、中空粒子をタイヤ気室内に確実に供給するための簡便な供給容器について鋭意検討した結果、いわゆるPETボトルなどの手軽な耐圧容器を利用することによって、持ち運びが可能な容器の提供が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)タイヤをリムに装着したタイヤとリムとの組立体における該タイヤとリムとで区画されたタイヤ気室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を供給する際に用いる容器であって、
前記タイヤの使用内圧以上の圧力に調整された密閉室に中空粒子を封入して成る中空粒子の供給容器。

0011

(2)前記タイヤ気室気体を充填するためのバルブとの連結手段を有する(1)に記載の中空粒子の供給容器。

0012

(3)前記連結手段は、密閉室から管状に延びる先端開口からバルブが密着挿入される連通口である(2)に記載の中空粒子の供給容器。

0013

(4)前記密閉室と連通口との境界に、密閉室の気密を保持する仮封止栓を有する(3)に記載の中空粒子の供給容器。

0014

(5)前記仮封止栓が、連通口の密閉室側開口に部分嵌入する球体である(3)または(4)に記載の中空粒子の供給容器。

0015

(6)前記仮封止栓が、連通口の密閉室側開口を塞ぐフィルムである(3)または(4)に記載の中空粒子の供給容器。

0016

(7)前記密閉室が、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる(1)ないし(6)のいずれかに記載の中空粒子の供給容器。

0017

(8)前記密閉室は、容積変化を伴う変形が可能である(1)ないし(7)のいずれかに記載の中空粒子の供給容器。

0018

(9)前記密閉室は、前記連通口とは別に、タイヤ気室内の気体を透過しつつ中空粒子の漏洩を防止するフィルター機能付のリーク口を有する(1)ないし(8)のいずれかに記載の中空粒子の供給容器。

0019

(10)タイヤをリムに装着したタイヤとリムの組立体の、タイヤとリムとで区画されたタイヤ気室内に、樹脂による連続相と独立気泡とからなる熱膨張可能な中空粒子を供給するに当り
前記タイヤの使用内圧以上の圧力に調整された密閉室に中空粒子を封入して成る中空粒子の供給容器を用いて、該供給容器の密閉室内圧を前記タイヤ気室内に向けて開放する際の気流に乗せて、中空粒子をタイヤ気室内に供給するタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法。

0020

(11)前記供給容器は、密閉室から管状に延びる先端開口からタイヤ気室に気体を充填するためのバルブが密着挿入される連通口を有し、かつ該連通口と密閉室との境界に、密閉室の気密を保持する仮封止栓を有し、連通口をバルブに挿入してバルブにて仮封止栓を排除することによって、密閉室の内圧を連通口およびバルブを介してタイヤ気室内に開放する(10)に記載のタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法。

0021

(12)前記(10)または(11)において、前記密閉室の内圧をタイヤ気室内に開放した後、密閉室内に残留する中空粒子を、密閉室に容積変化を伴う変形を与えて中空粒子を密閉室からタイヤ気室内へ押出し供給するタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法。

0022

(13)前記(12)において、前記中空粒子を密閉室からタイヤ気室内へ押出し供給するに先立ち、密閉室に連通口とは別に設けた、タイヤ気室内の気体を透過しつつ中空粒子の漏洩を防止するフィルター機能付のリーク口から、タイヤ気室内の高圧気体を排出するタイヤとリムの組立体への中空粒子の供給方法。

0023

ここで、上記『使用内圧』とは、『自動車メーカー各車両毎に指定した、装着位置ごとのタイヤ気室圧力値(ゲージ圧力値)』を指す。また、本文中で記載するタイヤ気室の圧力とは、特に記載しない場合はゲージ圧ゲージに示される圧力)を指す。

発明の効果

0024

本発明によって、中空粒子をタイヤ気室内に確実に供給するための持ち運びが可能な供給容器を提供することができる。従って、この供給容器を用いることによって、タイヤとリムの組立体のタイヤ気室内に中空粒子を簡便に供給する手法が確立されるため、汎用タイヤに更なる安全な機能を該タイヤの使用者によって付与することが可能になる。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下に、本発明の中空粒子の供給容器について、図1を参照して詳しく説明する。
この供給容器1には、耐圧性能を有する例えばPET(ポリエチレンテレフタレートボトル2を使用する。このPETボトル2の内部には密閉室3が区画され、この密閉室3内に、中空粒子4と空気や窒素などの気体5とを、高圧下、好ましくは中空粒子4の供給対象となるタイヤとリムの組立体における使用内圧以上の圧力下に封じ込めてなる。

0026

また、供給容器1は、中空粒子4の供給するタイヤとリムの組立体において、そのタイヤ気室に気体を充填するためのバルブのバルブステム10との連結手段を有する。具体的には、図1に示すように、密閉室3から管状に延びる連通口6が連結手段となり、その先端開口6aからバルブステム10が密着挿入される。

0027

さらに、この連通口6と密閉室3との境界に、密閉室3の気密を保持する仮封止栓を設けることによって、長期にわたり中空粒子4の漏洩を防止する。この仮封止栓には、連通口6の密閉室3側開口6bを塞ぐフィルム7が適している。
すなわち、フィルム7を溶融接着して密閉室3側の開口6bを塞ぐことによって、密閉室3の気密を確保する。この気密構造は、連通口6をタイヤのバルブステム10に密着挿入した際に、図2に示すように、バルブステム10の先端にてフィルム7が破壊されることによって、密閉室3とタイヤ気室との連通が図られる結果、中空粒子4および高圧気体5がタイヤ気室内に移送される。

0028

なお、仮封止栓は図1に示したフィルム7によるシール構造に限らず、例えば図3に示すように、連通口6の密閉室3側開口6bに球体、例えばガラス球8を部分嵌入することによって、密閉室3側開口6bを塞ぐことも可能である。このガラス球8は、密閉室3の内圧によって常時開口6b側に押さえ付けられる結果、密閉室3の気密が確保される。この気密構造においても、連通口6をタイヤのバルブステム10に密着挿入した際に、図4に示すように、バルブステム10の先端にてガラス球8が密閉室3側に押されて移動することによって、密閉室3とタイヤ気室との連通が図られる結果、中空粒子4および高圧気体5がタイヤ気室内に移送される。

0029

ここで、供給容器の密閉室3の気密保持方法については上記の2つの構造に限定されるものではなく、長期間にわたり高圧下に保持できることと、開口時に中空粒子および高圧気体が容器外漏れることなくタイヤ気室内に移送できる構造であればよい。

0030

さらに、前記密閉室3は、容積変化を伴う変形が可能であることが好ましい。すなわち、PETボトルであれば、図5点線で示すように、ボトルを潰す様に変形させることが可能であり、この変形に伴うボトルの容積変化によって、密閉室3内に残った中空粒子4の排出を可能とする。

0031

さらにまた、図5に示すように、供給容器1は、前記連通口6とは別に、タイヤ気室内の気体を透過しつつ中空粒子4の漏洩を防止するフィルター機能付のリーク口9を設けることが好ましい。このリーク口9には、中空粒子を密閉室3内に止め、かつ気体のみを密閉室3外に通過可能としたフィルターを備えるタイヤ用バルブ10Aを用いることができる。このバルブ10Aは、詳しくは後述する図9に詳細を示すタイヤ用バルブであり、図1および2に示したバルブステム10に嵌め合わせるバルブコア11に、例えば不織布によるフィルター12を備え、気体の選択排出を可能にしたものである。

0032

なお、リーク口9としては、図5に示したタイヤ用バルブ10Aによる手段に限らず、例えば図6に示すように、ボトル底部に形成した孔に例えば不織布によるフィルター9aを設け、このフィルター9a上に粘着フィルム9bを貼り付けることによって、密閉室3の気密を維持したリーク口9とすることも可能である。すなわち、この粘着フィルム9bを剥がすことによって、フィルター9aを介して密閉室3の気体を密閉室3の内圧が大気圧と平衡するまで逃すことができる。

0033

なお、供給容器1の密閉室3内に中空粒子4および高圧気体5を封入するには、前記の特開2003−118312号公報に記載された手法を、そのまま用いることが出来る。つまり、中空粒子を密閉室内に封入するに当って、高圧気体が充填された耐圧性の貯蔵タンク内に中空粒子を貯蔵しておき、該貯蔵タンクから高圧気体とともに中空粒子を密閉室内に移送することが出来る。

0034

ここでも、密閉室3内を所定の圧力に設定する為には、上記のフィルター12を備えたタイヤ用バルブ10Aを、上述のリーク口9に適用する手法が有効である。すなわち、バルブ10Aのバルブコア11を除去した状態で中空粒子を移送し、移送完了後にフィルター12付きのバルブコア11をバルブステム10に組み込み、次いで密閉容器3内に所定圧まで、例えば窒素や空気を充填すれば良い。

0035

次に、上記の供給容器1を用いて、タイヤとリムの組立体へ中空粒子を供給する要領について、図7を参照して説明する。
まず、図7(a)に示すように、中空粒子の供給対象であるタイヤとリムの組立体11は充填気体を抜いて内圧を大気圧にしておく。一方、供給容器1の密閉室3内には、中空粒子の供給対象であるタイヤの使用内圧以上の圧力、例えば200kPaの高圧気体5とともに中空粒子4を封入しておく。

0036

そして、図7(b)に示すように、タイヤとリムの組立体11のバルブ10に、上記供給容器1を嵌め合わせ、さらに図7(c)に示すように、手で容器1をバルブ10に対して押し込む。すると、図2または図4に示したように、仮封止栓であるフィルム7またはガラス球8がバルブ10の先端で押される結果、密閉室3の内部とタイヤの気室とが連通する。ここで、密閉室3の内部とタイヤ気室との間に差圧があるため、タイヤ気室側に高圧気体5が中空粒子4とともに流れ込むことになる。これは密閉室3とタイヤ気室との差圧が解消するまで続くことになる。

0037

また、密閉室3とタイヤ気室との圧力が平衡になった時点で密閉室3から気室内への気体5および中空粒子4の流動が停止するが、その際、密閉室3の内部に中空粒子4が残存し、かつ充填した中空粒子体積規定体積に満たない場合には、図7(d)に示すように、ボトルを潰す様に変形させ、ボトルの容積変化によって、密閉室3内に残った中空粒子4のタイヤ気室への排出を強制する。

0038

すなわち、ボトルの容積変化に伴い、タイヤ気室と密閉室3との間を気体が往復することとなり、この気流に乗せて密閉室3内に残留した中空粒子4をタイヤ気室内へと移送する。このとき、ボトル内に残留した中空粒子4が連通口6付近に存在し、なおかつ、既にタイヤ内に移送された中空粒子4が連通口6より低い位置に存在するように、ボトルとタイヤの位置を調整することが肝要である。つまり、密閉室3内に残留した中空粒子4は、タイヤに向かう気流に乗って移動するが、逆に、ボトルに向かう気流では、タイヤ気室内の中空粒子4が連通口6から充分離れている為、密閉室3内に逆流することは無い。

0039

以上の操作によって、所定量の中空粒子4をタイヤ気室内に供給したならば、図7(e)に示すように、バルブ10Aを開放してフィルター12を介して密閉室3内の気体のみを密閉室3の内圧が大気圧と平衡するまで逃す。その後、タイヤ側のバルブステム10から供給容器1を外す。もし、この段階でタイヤ気室内に供給した中空粒子4の量が不足している場合は、新たな供給容器1を使用して上述の手順を繰り返し行えばよい。

0040

なお、密閉室3内の気体のみを密閉室3の内圧が大気圧と平衡するまで逃す際も、供給容器1とタイヤとの位置関係を上述のように保つ必要が有る。つまり、内圧を逃がす際に、タイヤ気室内の中空粒子4がボトル内に逆流しないように、連通口6とタイヤ気室内の中空粒子4との距離を、充分に確保することが重要である。

0041

以上、図7に示した手順は、図5に示した供給容器1を用いた場合であり、図6に示した供給容器1を用いた場合の、タイヤとリムの組立体へ中空粒子を供給する要領は図8に示すとおりである。図8(a)ないし(d)に示す手順は図7(a)ないし(d)と同様であり、図8(e)に示すように、容器底部の粘着フィルム9bを剥がすことによって、フィルター9aを介して密閉室3内の気体のみを密閉室3の内圧が大気圧と平衡するまで逃す工程が異なるのみである。

0042

かようにタイヤ気室内に充填された中空粒子4は、略球形状の樹脂による連続相で囲まれた独立気泡を有する、平均粒径が20μm〜500μm程度の範囲で粒径分布を持った中空体、あるいは独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体である。すなわち、該中空粒子4は、外部と連通せずに密閉された独立気泡を内包する粒子であり、該独立気泡の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。ここで、『中空粒子群の独立気泡内部』を総称して『中空部』と表現する。また、この中空粒子が独立気泡を有することは、該粒子が独立気泡を密閉状態で内包するための『樹脂製の殻』を有することを指す。さらに、上記の樹脂による連続相とは、この『樹脂製の殻を構成する成分組成上の連続相』を指す。なお、この樹脂製の殻の組成は後述のとおりである。

0043

また、上記した中空粒子4をタイヤ気室に充填するに当たり、下記式(I)に従う中空粒子の充填率を5vol%以上100vol%以下とすることが好ましい。

中空粒子の充填率=(粒子体積値/タイヤ気室容積値)×100 ---(I)
ここで、粒子体積値は、タイヤ気室に配置した全中空粒子の大気圧下での合計体積と粒子周囲の空隙体積との合計量(cm3)である。

0044

また、タイヤ気室容積値は、タイヤとリムとの組立体に空気のみを充填して使用内圧(kPa)に調整した後、充填空気を内圧が大気圧になるまで排出した際の充填空気排出量(cm3)を用いて、次式(II)から求めた値(cm3)である。
タイヤ気室容積値=(充填空気排出量)/(使用内圧/大気圧)---(II)
なお式(II)において使用内圧はゲージ圧値(kPa)を、大気圧値気圧計による絶対値(kPa)を用いる。すなわち、大気圧はゲージ圧で0[kPa]で表されるが、大気圧値自体は日々刻々と変動するものであるため、その時点での気圧計から観測される絶対値を用いる。よって、例えばある時の大気圧が1013hPaであった場合は、大気圧絶対値として101.3kPaを式(II)に用いる。

0045

かように算出される中空粒子の充填率を5vol%以上とするのは、まず5vol%未満であると受傷部の閉塞は問題なく行えるが、中空粒子の絶対量が不足しているために、サイド部が接地しない圧力レベルまでの充分な復活内圧を得ることが難しくなる。充分な復活内圧が得られず走行を継続した場合は、サイド部が路面とによって磨耗し、早期に故障してしまうため好ましくない。
一方、100vol%以下であれば、本発明の方法によってタイヤ気室内への充填が可能であるが、100vol%を超えると、充填自体が難しく、更に高い圧力にて中空粒子を圧縮させることが必要となる。そのためには、電動コンプレッサー等の機器が必要となり煩雑となる。

0046

なお、中空粒子をタイヤ気室内に所定充填率で充填するには、次の手法が適している。すなわち、対象となるタイヤ内容積を明確にした上で、体積が既知の中空粒子を収容した透明な容器から、タイヤ気室内に中空粒子を充填し、充填後に容器内に残存する中空粒子体積からタイヤ気室内に充填された中空粒子量を確認する手法が適合する。

0047

ところで、タイヤは、サイズおよびリムとの組合せによってその容積が異なる。また、パンクにより内圧が低下した場合、サイド部が路面に接地する内圧値もタイヤによって異なる。本発明では、パンク受傷後もタイヤを圧力容器として活用する狙いがあること、サイド部が路面に接地する内圧値以下の低内圧走行では、圧力容器であるタイヤが故障してしまうことを鑑み、以下の前提条件が必須となる。

0048

すなわち、既知であるタイヤ/リム組立体の内容積に対し、サイド部が路面に接地しなくなる内圧値以上まで復活内圧を得るに必要な中空粒子体積をあらかじめ求めておき、求めた規定体積以上の中空粒子を充填することである。
本発明では、簡易的作業によって迅速且つ確実に規定体積以上の中空粒子と高圧気体をタイヤ内に充填することが肝要であり、規定体積以上の中空粒子が充填されていれば、容器内に中空粒子が残存したとしても、本発明の効果を充分に発揮することができる。

0049

ここで、タイヤ気室内に充填した中空粒子は使用内圧以上の高圧下で一定期間供給容器内に収容されていたため、その中空部の圧力も周囲と同様に使用内圧以上になっている。かように保管されていた中空粒子は、大気圧となったタイヤ気室に供給された段階では中空部の内圧が中空部内に保持されているが、タイヤ修理後走行開始とともに、気室内圧の上昇に寄与することになり、高圧気体と協働して内圧を上昇させることになる。したがって、中空粒子による傷口の閉塞と同時に内圧の上昇もはかられる結果、パンクタイヤ復元が瞬時に完了することになる。以上の中空部の内圧放出のメカニズムについて以下に詳述する。

0050

まず、供給容器1内に中空粒子4および高圧気体5を収容することの意義から説明する。
すなわち、中空粒子4はPETボトルなどの容器の内部に高圧気体とともに収容されているが、容器内に高圧気体とともに収容した当初は、中空粒子の中空部内の圧力(独立気泡内の圧力)が大気圧とほぼ等しく容器内の圧力より小さいために、粒子は体積減少する。この時点での中空粒子の形状は略球形状ではなく、球形状から扁平化して歪んだ形状となっている。この粒子形状が扁平化して歪んだ状態のままの中空粒子をタイヤ内に充填すると、中空部内の圧力(独立気泡内の圧力)が大気圧とほぼ等しい中空粒子であるために、パンク発生時の傷口の閉塞能力が低いレベルに留まることになる。すなわち、閉塞できる傷口の大きさは、小さい場合に限定されてしまう。また、中空粒子がタイヤ外部に噴出することはないにしても、中空粒子が扁平化して歪んだ形状であるためにミクロ通路が多く、よってタイヤ気室内の気体が漏洩することもある。更に、その後の走行により中空粒子は、球形状の場合と比べて粒子同士の衝突やタイヤおよびリム内面との衝突により、破壊しやすくなる。すなわち、中空粒子が扁平化して歪んだ形状では、衝突による入力を均一に分散させることができず、耐久性面で大きな不利をもたらすことになる。よって、タイヤが受傷したときには、中空粒子がその受傷部の閉塞と内圧復活を果たせなくなる、おそれがある。

0051

一方、扁平化して歪んだ中空粒子は、その中空部内の圧力と容器内の圧力との差により体積減少した状態であるわけだが、一定期間にわたり耐圧容器内の圧力を保ち続けることによって、中空粒子の中空部内の圧力、言い換えれば該粒子内の独立気泡内の圧力を、耐圧容器の圧力程度に高めることができる。すなわち、扁平化した中空粒子は変形させられているため、その殻の部分には元の略球形状に戻ろうとする力が働いている。また、扁平化した中空粒子の中空部内の圧力は、耐圧容器内圧力よりも低いことから、その圧力差を解消するために、耐圧容器内の気体の分子が樹脂による連続相の殻を通過して粒子の中空部内に浸透する。さらに、中空粒子の中空部は独立気泡であり、その中の気体は発泡剤に起因するガスで満たされているため、耐圧容器内(粒子周囲の空隙部)の気体とは異なる場合がある。この場合は、上述の単なる圧力差だけではなく気体の分圧差に従いながら、その分圧差を解消するまで耐圧容器内の高圧気体が粒子中空部内へ浸透していく。このように、耐圧容器内の高圧気体は、時間と共に中空粒子の中空部内へ浸透していくため、この中空部内に浸透した分だけ、耐圧容器内の圧力が低下することとなる。よって、中空粒子の中空部内に浸透した分を補うために、高圧気体を充填した上で所望の圧力をかけ続けることにより、所望の使用内圧に調整した内容物を有する耐圧容器を早期に得ることができる。

0052

かように、中空粒子の中空部内の圧力は、耐圧容器内(粒子周囲の空隙部)の圧力に近づきながら、一旦減少した粒子体積を回復していき、粒子形状は扁平化されて歪んだ形状から元の略球形状へと回復していく。この形状を回復していく過程の中で、中空粒子中空部内の圧力が耐圧容器内の圧力に対して少なくとも70%にまで増加することにより、粒子形状は扁平化した状態から略球形へ回復することが出来、これによって上述した粒子の耐久性を保証することが出来る。

0053

かように、中空粒子をタイヤとは別の耐圧容器内に配置し、粒子周囲の空隙圧力を少なくとも所望のタイヤ気室内の使用圧力に対して70%以上まで高めた状態に保持し、この圧力をかけ続けたまま該耐圧容器内にて適切な時間保管したうえで、中空粒子の中空部内の圧力が増加した状態の粒子をその周囲の雰囲気と共にタイヤ気室内に供給することによって、上述の粒子体積を回復した中空粒子においては、粒子形状が略球形に回復するため、修理後の走行においてタイヤ転動時の繰り返し変形に伴って粒子に加わる疲労や破壊も大幅に低減できる結果、中空粒子の耐久性が損なわれることはない。中空粒子の耐久性が損われない範囲は、タイヤ気室内の圧力が、装着する車両指定内圧等の所望する高圧下環境のなかで中空粒子の中空部の圧力が所望のタイヤ気室内の圧力に対して少なくとも70%であることが好ましい。さらには、80%以上、90%以上、そして100%以上と高く設定することが推奨される。

0054

なお、上述の適切な保持時間は、中空粒子の殻の部分、すなわち粒子の連続相に対する空隙気体の透過性と、粒子中空部内の気体と空隙気体との分圧差とを考慮して、設定すればよい。

0055

以上の機構と粒子の形状、体積の変化過程に則り、供給容器内(粒子周囲の空隙部)に充填する気体の種類と圧力とを適宜に選択、そして調節することによって、中空粒子の中空部内の圧力を所望の範囲に設定できる。

0056

かように耐圧容器内で調整された中空粒子は、タイヤ気室内へ供給された段階では、その中空部内の圧力(独立気泡中の気泡内圧力)は、上記使用内圧に準じた高い圧力を保ったまま、言い換えれば、粒子体積と中空部圧力を保持したままタイヤ気室内に存在する。従って、パンク時の内圧低下にも対処する内圧復活機能をも付与することができる。そのためには、上述した中空粒子の充填率を5vol%以上とすることが好ましい。

0057

次に、上記した中空粒子の充填率を5vol%以上として充填したタイヤにおいて、受傷した場合の中空粒子の挙動について説明する。
さて、上述した中空粒子群をタイヤ気室内に配置したタイヤとリムとの組立体にあっては、該タイヤが受傷すると、中空粒子4相互間の空隙に存在するタイヤ気室内の高圧気体がタイヤの外側に漏れ出る結果、タイヤ気室の圧力は大気圧と同程度の圧力にまで低下する。そして、このタイヤ気室圧力低下の過程において、以下の事がタイヤ気室内で起こる。

0058

まず、タイヤが受傷しタイヤ気室の圧力が低下し始めると、中空粒子の多数が受傷部を閉塞し、急激な気室圧力の低下を抑制する。その一方、気室圧力の低下に伴いタイヤの撓み量は増加し、タイヤ気室容積が減少する。さらに、気室圧力が低下するとタイヤが大きく撓み、タイヤ気室内に配置した中空粒子は、タイヤ内面とリム内面との間に挟まれながら、圧縮とせん断の入力を受けることとなる。

0059

一方、上述の使用内圧下で存在していた中空粒子の中空部内の圧力(独立気泡中の気泡内圧力)は、受傷後も上記使用内圧に準じた高い圧力を保ったまま、言い換えれば、受傷前の粒子体積と中空部圧力を保持したままタイヤ気室内に存在する事となる。よって、さらにタイヤが転動する事により、中空粒子そのものが直接的に荷重を負担しつつ中空粒子同士が摩擦を引き起こし自己発熱するために、タイヤ気室内の中空粒子の温度が急上昇する。そして、該温度が、中空粒子の熱膨張開始温度(Ts2:該樹脂のガラス転移温度に相当する)を超えると、該粒子の殻は軟化し始める。このとき、中空粒子の中空部内の圧力が使用内圧に準じた高い圧力であるのに加え、中空粒子温度の急上昇によりさらに中空部内圧力が上昇しているために、中空粒子が一気に体積膨張し粒子周囲の空隙気体を圧縮する事になるため、タイヤ気室の圧力を少なくともタイヤのサイド部が接地しなくなるタイヤ気室圧力まで回復させる事ができるのである。

0060

上記の機構によって中空粒子の中空部内の圧力を大気圧以上の高い圧力に設定すれば、内圧復活機能を発現させることができる。
すなわち、前述のサイド部が接地しないタイヤ内圧までタイヤ気室の圧力を復活させるには、前述の中空部内の圧力が使用内圧の少なくとも70%である中空粒子を、5vol%以上の充填率の下にタイヤ気室内に配置しておくことが肝要であるのは、上述の通りである。

0061

また、前述した内圧復活機能を確実に発現させるためには、該内圧復活機能が発現する前に、受傷部を確実に閉塞する事が肝要である。すなわち、受傷部の閉塞が不完全であると、復活したはずの圧力が受傷部から漏洩してしまう結果、内圧復活機能により得られた圧力がその後の走行能力に一時的にしか貢献できないために、受傷後の走行性能を保証できなくなる恐れがあるからである。該中空粒子は、中空構造による低比重かつ弾力性に富んだ粒子であるために、タイヤが受傷し受傷部から中空粒子周囲の空隙気体が漏洩し始めると、空隙気体の漏洩による流れに乗って即座に受傷部に密集し、受傷部の傷口を瞬時に閉塞する。以上述べたように、中空粒子による受傷部の閉塞機能は、本発明の内圧復活機能を支える必須機能である。

0062

以上述べたように、中空粒子を充填したタイヤとリムとの組立体では、パンク後の内圧低下に伴うタイヤ気室容積の減少とタイヤの撓み量の増大に伴うタイヤ発熱に加え、中空粒子間の摩擦を引き起こすことで粒子の急激な温度上昇とともに粒子の膨張による内圧復活を果たし、受傷後の安全走行を実現できる。

0063

また、発明者らは中空粒子の発熱と膨張の実態について鋭意検討し、中空粒子の適正な範囲を見出した。さて、中空粒子はその原料である『膨張性樹脂粒子』を加熱膨張することにより得られ、この膨張性樹脂粒子には膨張開始温度Ts1が存在する。更に、加熱膨張によって得られた中空粒子を室温から再度加熱すると、中空粒子は更なる膨張を開始し、ここに中空粒子の再膨張開始温度Ts2が存在する。発明者らは、これまで多くの膨張性樹脂粒子から中空粒子を製造し検討を重ねてきた結果、Ts1を膨張特性指標としてきたが、中空粒子の膨張特性の指標としてはTs2が適切であることを見出すに到った。

0064

まず、膨張性樹脂粒子を加熱膨張させる場合における膨張挙動を観察した。膨張性樹脂粒子は膨張する前の段階にあるため、中空粒子の状態に比して粒径が極端に小さく、樹脂製の殻部の厚さが極端に厚い。よって、マイクロカプセルとしての剛性が高い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で樹脂製の殻部の連続相がガラス転移点を越えても、更なる加熱により殻部がある程度柔らかくなるまでは、内部ガス拡張力が殻部の剛性にうち勝つことが出来ない。よって、Ts1は実際の殻部のガラス移転よりも高い値を示す。
一方で、中空粒子を再度加熱膨張させる場合では、中空粒子の殻部の厚さが極端に薄く、中空体としての剛性が低い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で殻部の連続相がガラス転移点を越えると同時に膨張を開始するため、Ts2はTs1より低い位置づけとなる。

0065

本発明では、いったん膨張させた中空粒子の更なる膨張特性を活用する場合と、上記に加えて膨張性樹脂粒子の膨張特性をさらに活用する場合があるため、本発明のタイヤにおける内圧復活を議論するには、従来のTs1とTs2とを夫々の場合に応じて使い分けることが肝要である。
すなわち、中空粒子のTs2および膨張性樹脂粒子のTs1は、40℃以上200℃以下であることが肝要である。なぜなら、中空粒子のTs2および膨張性樹脂粒子のTs1が40℃未満では、車両内での耐圧容器の保管温度を鑑みると保管環境下にて膨張する可能性があるからである。
一方200℃を超えると、受傷後のランフラット走行において、中空粒子の摩擦発熱に起因する急激な温度上昇が起こっても、Ts2およびTs1に達することが出来ない場合があり、よって目的とする『内圧復活機能』を十分に発現させることが出来なくなる場合がある。

0066

よって、Ts2およびTs1の範囲は40℃以上200℃以下であり、好ましくは150℃以下、更に好ましくは120℃以下であり、もっとも好ましくは100℃以下の範囲である。

0067

以上のように、上記した上限値および下限値に従う再膨張開始温度Ts2を有する中空粒子または、該中空粒子に更に上記した上限値および下限値に従う再膨張開始温度Ts1を有する膨張性樹脂粒子を添加したものを配置することにより、内圧復活機能を確実に発現させる一方、常用保管での『内圧復活機能保持』が達成される。

0068

この内圧復活機能を強化するために、上記の膨張性樹脂粒子を中空粒子に混在させてタイヤ気室内に充填する場合の膨張性樹脂粒子の混合率は、中空粒子体積の5vol%〜100vol%の範囲である。すなわち、5vol%未満であると膨張性樹脂粒子を添加した効果が明確に得られない。また、100vol%を超えると膨張性樹脂粒子の吸熱量が大きくなるために、内圧復活時の増圧速度緩慢になることがある。その結果、サイド部が路面に接地している時間が長くなる分、圧力容器であるタイヤ自体が故障してしまう懸念があるため好ましくない。

0069

次に、中空粒子の中空部(独立気泡)を構成する気体としては、窒素、空気、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
R1−O−R2---- (III)
(式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。また、タイヤ気室内に充填する気体は空気でも良いが、上記粒子中の気体がフルオロ化物でない場合には、安全性の面から酸素を含まない気体、たとえば窒素や不活性ガス等が好ましい。

0070

尚、独立気泡を有する中空粒子を得る方法は特に限定されないが、発泡剤を用いて『膨張性樹脂粒子』を作製し、これを加熱膨張させる方法が一般的である。この発泡剤としては、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用する手法、熱分解によって気体を発生する熱分解性発泡剤を活用する手法などを挙げることができる。

0071

後者の熱分解性発泡剤には窒素を発生させる特徴のあるものが多く、これらによる発泡によって得られる膨張性樹脂粒子の反応を適宜制御することによって得た粒子は気泡内に主に窒素を有するものとなる。この熱分解性発泡剤としては特に限定されないがジニトロソペンタメチレンテトラミンアゾジカルボンアミドパラトルエンスルフォニルヒドラジンおよびその誘導体、そしてオキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジンを好適に挙げることができる。

0072

次に、前者の高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用して中空粒子となる『膨張性樹脂粒子』を得る手法を説明する。
中空粒子を形成する前記樹脂による連続相を重合する際、炭素数2から8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルオロ化物、炭素数2から8の脂環式炭化水素およびそのフルオロ化物、そして次の一般式(III):
R1−O−R2---- (III)
(式中のR1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が1から5の一価の炭化水素基であり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表されるエーテル化合物、からなる群の中から選ばれた少なくとも1種を発泡剤として高圧下で液化させ、反応溶媒中に分散させつつ、乳化重合させる手法である。これにより上記に示されるガス成分を液体状態の発泡剤として前述の樹脂連続相にて封じ込めた『膨張性樹脂粒子』を得ることができ、これを加熱膨張させる事によって、所望の中空粒子を得る事が出来る。

0073

また、前記『膨張性樹脂粒子』の表面に、シリカ粒子等のアンチブロッキング剤カーボンブラック微粉帯電防止剤界面活性剤油剤等をコーティングした上で加熱膨張させることにより、目的の中空粒子を得ることができる。

0074

また、受傷によりタイヤ気室圧力が低下した状態において、該中空粒子によって必要最低限の内圧を付与するには、中空粒子の中空部内に所定圧力で封入された気体が、粒子外部へ漏れ出ないこと、換言すると、中空粒子の殻の部分に相当する樹脂による連続相が気体を透過し難い性質を有することが肝要である。すなわち、連続相を構成する樹脂はガス透過性の低い材質によること、具体的には、アクリロニトリル系共重合体アクリル系共重合体塩化ビニリデン系共重合体のいずれか少なくとも1種から成ることが肝要である。これらの材料は、タイヤ変形による入力に対して中空粒子としての柔軟性を有するため、本発明に特に有効である。

0075

とりわけ、中空粒子の連続相には、アクリロニトリル系重合体アクリル系重合体および塩化ビニリデン系重合体のいずれかを適用することが好ましい。さらに詳しくは、重合体を構成するモノマーが、アクリロニトリルメタアクリロニトリル、メチルメタクリレートメタクリル酸塩化ビニリデンから選択される重合体であり、好ましくはアクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メチルメタクリレート3元共重合体、アクリロニトリル/メタアクリロニトリル/メタクリル酸3元共重合体から選ばれた少なくとも1種がそれぞれ有利に適合する。これらの材料は、いずれもガス透過係数が小さくて気体が透過し難いために、中空粒子の中空部内の気体が外部に漏れ難く、中空部内の圧力を適切に保持することができる。

0076

さらに、中空粒子の連続相は、30℃におけるガス透過係数が300×10-12 (cc・cm/cm2 ・s・cmHg)以下、好ましくは30℃におけるガス透過係数が20×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下、さらに好ましくは30℃におけるガス透過係数が2×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下であることが推奨される。なぜなら、通常の空気入りタイヤにおけるインナーライナー層のガス透過係数は300×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下のレベルにあって十分な内圧保持機能を有している実績を鑑み、粒子の連続相についても、30℃におけるガス透過係数を300×10-12(cc・cm/cm2 ・s・cmHg)以下とした。ただし、このガス透過係数のレベルでは、3〜6カ月に1度程度の内圧補充が必要であるから、そのメンテナンス性の点からも、20×10-12 (cc・cm/cm2 ・s・cmHg)以下、さらに好ましくは2×10-12(cc・cm/cm2・s・cmHg)以下とすることが推奨される。

0077

また、上記バルブ10としては、中空粒子および気体の充填に併用するタイヤ用バルブとすることが好ましい。このタイヤ用バルブは、中空粒子をタイヤ気室内に堰止め、かつ気体のみをタイヤ気室外に通過可能としたフィルターを備えることを特徴とするものである。かようなタイヤ用バルブを取り付けることによって、本発明のタイヤとリムの組立体を製造する際、1つのバルブのみにて中空粒子をタイヤ気室内に配置する事が可能となるため、1つのバルブ穴しか持たない汎用リムをそのまま使用することが出来る。加えて、常用走行におけるタイヤ気室圧力の自然低下に対し、『気体補充作業における中空粒子の漏洩』を防ぐ事が出来、簡便にタイヤ気室圧力をメンテナンスする事を実現できる。
かようなタイヤ用バルブとしては、図9に例示する構造のものを用いることができる。ここで、符号11が上記バルブステム10に嵌め合わせるバルブコアであり、このバルブコア11に、例えば不織布による上記フィルター12を備えるものである。

図面の簡単な説明

0078

本発明の供給容器を示す断面図である。
本発明の供給容器における仮封止栓の開放を示す断面図である。
本発明の供給容器における仮封止栓の別の例を示す断面図である。
本発明の供給容器における別の仮封止栓の開放を示す断面図である。
本発明の供給容器における変形挙動およびリーク口を示す断面図である。
本発明の供給容器における別のリーク口を示す断面図である。
本発明の供給容器を用いた中空粒子の供給要領を示す図である。
本発明の供給容器を用いた中空粒子の供給要領を示す図である。
中空粒子および気体の充填に併用する『フィルターを備えたタイヤ用バルブ』の一例を示す図である。

符号の説明

0079

1供給容器
2PETボトル
3密閉室
4中空粒子
5気体
6 連通口
6a 先端開口
6b 密閉室側開口
7フィルム
8ガラス球
9リーク口
9aフィルター
9b フィルム
10バルブステム
10A バルブ

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