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技術 要素作業の難易度評価方法、要素作業の作業ミス影響度評価方法、要素作業の特質評価方法、要素作業の配分方法、要素作業の改善方法

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 松村義治金子昌也菊池修吉川武志
出願日 2005年4月20日 (15年2ヶ月経過) 出願番号 2005-122717
公開日 2006年11月24日 (13年7ヶ月経過) 公開番号 2006-317988
状態 未査定
技術分野 総合的工場管理 特定用途計算機
主要キーワード ミス発生率 作業改善 評価要因 習熟期間 作業強度 設備改善 非定常作業 作業難易度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年11月24日)のものです。
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図面 (20)

課題

社員外部作業者とが混在する生産ラインにおいて、要素作業が有する特質客観的、定量的に評価し、各作業者の適正な役割分担を明確にする。

解決手段

生産工程を作業ごとに分割した要素作業の特質は、その要素作業を習熟するまでの習熟期間に関する習熟要因と、作業ミスが及ぼす影響度に関するミス影響要因とを総合的に判断することにより評価する。習熟要因は、その要素作業の難易度と、発生頻度、作業時間に関する制約等に基づいて評価され、ミス影響要因は、その作業ミスが及ぼす品質コスト、安全、環境への影響に基づいて評価される。ミス影響度は、その要素作業の難易度に基づいて決定されるミス発生層係数により補正される。

概要

背景

従来、各種製品生産ラインでは、自動化設備を中心に従業者設備を操作し、トラブル発生時には適切な対応をとることで生産工程の生産性品質保証を行なってきた。しかし近年では、熟練従業者の減少や、コストダウンのためのアウトソーシング化により、生産ラインでは、自社の従業者(以下、社員と呼ぶ)に混じり、外部請負業者から派遣されてきた外部作業者が増えている。

生産ラインは、複数の生産工程から構成され、これらの生産工程は複数の要素作業から構成されている。従来、要素作業は、生産ラインを管理する管理者が長年の経験とによって難易度重要度、時間的な制約作業者技能等を判断し、各作業者に配分されている。この要素作業の配分は、外部作業者に対しても同様に行なわれるが、相対的に外部作業者には、難易度及び重要度が低く、時間的な制約が少ない作業が振り分けられる傾向がある。

しかし、従来の要素作業の配分は基準が明確でなく、管理者によって異なっていることが多かった。また、本来ならば社員に担当させるべきである作業が外部作業者に配分されたり、これとは逆に外部作業者に担当させるべき作業が社員によって担当されている場合もある。このような不適切な作業の配分は、人的資源の有効利用という点で工場生産性に影響を及ぼし、作業ミス発生率の上昇により品質に大きな影響を及ぼす可能性がある。

ところで、生産ラインの生産効率化を図るための作業配分最適化方法や、工程評価方法が発明されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらの発明では、要素作業の作業時間等から難易度や、作業に対する習熟度等を分析して作業配分に用いたり、その要素作業の肉体的及び精神的負担を考慮して工程評価を行なっている。これらの発明を社員と外部作業者との間の要素作業の配分に利用することも考えられる。
特開平10−261122号公報
特開2004−139515号公報

概要

社員と外部作業者とが混在する生産ラインにおいて、要素作業が有する特質客観的、定量的に評価し、各作業者の適正な役割分担を明確にする。生産工程を作業ごとに分割した要素作業の特質は、その要素作業を習熟するまでの習熟期間に関する習熟要因と、作業ミスが及ぼす影響度に関するミス影響要因とを総合的に判断することにより評価する。習熟要因は、その要素作業の難易度と、発生頻度、作業時間に関する制約等に基づいて評価され、ミス影響要因は、その作業ミスが及ぼす品質、コスト、安全、環境への影響に基づいて評価される。ミス影響度は、その要素作業の難易度に基づいて決定されるミス発生層係数により補正される。

目的

本発明は、上記課題を解決するために、社員と外部作業者とが混在する生産ラインにおいて、要素作業が有する特質を客観的、定量的に評価し、各作業者の適正な役割分担を明確にすることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

生産ラインを構成する複数の生産工程が作業ごとに分割された複数の要素作業であり、これらの要素作業の難易度を評価する方法において、前記要素作業が作業者に要求するレベル認知科学に基づき、少なくとも、外界情報知覚認知情報獲得能力を表すInput機能と、判断・意志決定能力を表すProcess機能と、行動動作機能を表すOutput機能とに分解し、各機能を評価する要素作業の内容に合せてランク分けし、上記ランク分けを総合的に判断することによって、要素作業の難易度を評価することを特徴とする要素作業の難易度評価方法

請求項2

前記Input機能、Process機能、Output機能は、該機能を機能させるために必要な複数の項目から構成されており、前記Input機能は、少なくとも、状態を正しく認知するために必要な知識の質と量を表す知識と、状態を正しく認知するために必要な五感の必要度合い、能力要求レベルを表す感覚とを有し、前記Process機能の項目は、少なくとも、判断を正しくするための知識の質と量とを表す知識と、意志決定手順の複雑さ、決定要因の多さを表す思考とを有し、前記Output機能の項目は、少なくとも、作業の持つ手段・方法の複雑さ、多さを表す方法・手段と、正しい作業を行なうための動作再現性の難しさを表す動作感覚とを有することを特徴とする請求項1記載の要素作業の難易度評価方法。

請求項3

生産ラインを構成する複数の生産工程が作業ごとに分割された複数の要素作業であり、これらの要素作業の作業ミスによる生産工程、及び生産ラインへの影響度を評価する方法において、前記作業ミスによる生産工程及び生産ラインへの影響を、少なくとも、品質ロスコスト、安全、環境の項目ごとにランク分けし、これらのランク分けを総合的に判断することにより、その要素作業での作業ミスが生産工程及び生産ラインに与える影響度を評価することを特徴とする要素作業の作業ミス影響度評価方法。

請求項4

前記品質は、想定される作業ミスの発生により製品の品質に影響を及ぼす度合いを表し、前記ロスコストは、想定される作業ミスの発生により生じる経済的な損失額を表し、前記安全は、想定される作業ミスにおける作業の危険度を表し、前記環境は、想定される作業ミスが及ぼす環境面での影響を表すことを特徴とする請求項3記載の要素作業の作業ミス影響度評価方法。

請求項5

生産ラインを構成する複数の生産工程が作業ごとに分割された複数の要素作業であり、この要素作業の特質を評価する評価方法において、前記要素作業を習得する際の困難さを表す習熟要因と、前記要素作業の作業ミスによる生産工程及び生産ラインへの影響を表すミス影響要因とを総合的に判断して、要素作業の特質を評価することを特徴とする要素作業の特質評価方法

請求項6

前記複数の要素作業は、生産工程全般以上に関する作業と、工程内の各設備に関する作業とに分類され、前記要素作業の特質評価は、工程内の各設備に関する作業に対して行なわれることを特徴とする請求項5記載の要素作業の特質評価方法。

請求項7

前記習熟要因は、要素作業の難易を表す難易度と、要素作業の発生頻度を表す頻度と、要素作業の遂行に必要な時間を表す時間制約とを総合的に判断して評価されることを請求項5または6記載の要素作業の特質評価方法。

請求項8

前記難易度は、前記要素作業が作業者に要求するレベルを認知科学に基づき、少なくとも、外界情報の知覚・認知情報獲得能力を表すInput機能と、判断・意志決定能力を表すProcess機能と、行動・動作機能を表すOutput機能とに分解し、各機能を評価する要素作業の内容に合せてランク分けし、上記ランク分けを総合的に判断することによって評価されることを特徴とする請求項7記載の要素作業の特質評価方法。

請求項9

前記Input機能、Process機能、Output機能は、該機能を機能させるために必要な複数の項目から構成されており、前記Input機能は、少なくとも、状態を正しく認知するために必要な知識の質と量とを表す知識と、状態を正しく認知するために必要な五感の必要度合い、能力要求レベルを表す感覚とを有し、前記Process機能の項目は、少なくとも、判断を正しくするための知識の質と量とを表す知識と、意志決定手順の複雑さ、決定要因の多さを表す思考とを有し、前記Output機能の項目は、少なくとも、作業の持つ手段・方法の複雑さ、多さを表す方法・手段と、正しい作業を行なうための動作再現性の難しさを表す動作感覚とを有することを特徴とする請求項8記載の要素作業の特質評価方法。

請求項10

前記ミス影響要因は、前記作業ミスによる生産工程及び生産ラインへの影響を、少なくとも、品質、ロスコスト、安全、環境の各項目ごとにランク分けし、これらのランク分けを総合的に判断することにより、その要素作業での作業ミスが生産工程及び生産ラインに与える影響度を評価することを特徴とする請求項5ないし9いずれか記載の要素作業の特質評価方法。

請求項11

前記品質は、想定される作業ミスの発生により製品の品質に影響を及ぼす度合いを表し、前記ロスコストは、想定される作業ミスの発生により生じる経済的な損失額を表し、前記安全は、想定される作業ミスにおける作業の危険度を表し、前記環境は、想定される作業ミスが及ぼす環境面での影響を表すことを特徴とする請求項10記載の要素作業の特質評価方法。

請求項12

前記ミス影響要因は、難易度に応じて決定されるミス発生層係数により補正されることを特徴とする請求項5ないし11いずれか記載の要素作業の特質評価方法。

請求項13

生産ラインを構成する複数の生産工程が作業ごとに分割された複数の要素作業であり、この要素作業に従事させる作業者を配分する方法において、前記作業者を生産ライン、生産工程、要素作業に対する責任義務高低に基づいて第1の作業者と、この第1の作業者よりも責任義務の低い第2の作業者とに分類し、前記請求項5ないし12記載の要素作業の特質評価方法の評価結果に基づいて、要素作業を第1の作業者と第2の作業者とに配分することを特徴とする要素作業の配分方法

請求項14

生産ラインを構成する複数の生産工程が作業ごとに分割された複数の要素作業であり、この要素作業の難易度や作業ミスによる影響度等を改善する方法において、前記請求項5ないし12記載の要素作業の特質評価方法に基づいて、該当する要素作業の特質を評価し、この評価結果に基づいて要素作業の難易度や作業ミスによる影響度等を改善し、再度要素作業の特質評価を行なって改善度合いを確認することを特徴とする要素作業の改善方法

技術分野

0001

本発明は、生産ラインを構成する生産工程が作業ごとに分割された要素作業に関し、更に詳しくは、この要素作業の難易度を評価する方法、作業ミスによる影響度を評価する方法、要素作業が有する特質を評価する方法、作業者に応じて要素作業を配分する方法、要素作業を改善する方法に関する。

背景技術

0002

従来、各種製品の生産ラインでは、自動化設備を中心に従業者設備を操作し、トラブル発生時には適切な対応をとることで生産工程の生産性品質保証を行なってきた。しかし近年では、熟練従業者の減少や、コストダウンのためのアウトソーシング化により、生産ラインでは、自社の従業者(以下、社員と呼ぶ)に混じり、外部請負業者から派遣されてきた外部作業者が増えている。

0003

生産ラインは、複数の生産工程から構成され、これらの生産工程は複数の要素作業から構成されている。従来、要素作業は、生産ラインを管理する管理者が長年の経験とによって難易度や重要度、時間的な制約、作業者の技能等を判断し、各作業者に配分されている。この要素作業の配分は、外部作業者に対しても同様に行なわれるが、相対的に外部作業者には、難易度及び重要度が低く、時間的な制約が少ない作業が振り分けられる傾向がある。

0004

しかし、従来の要素作業の配分は基準が明確でなく、管理者によって異なっていることが多かった。また、本来ならば社員に担当させるべきである作業が外部作業者に配分されたり、これとは逆に外部作業者に担当させるべき作業が社員によって担当されている場合もある。このような不適切な作業の配分は、人的資源の有効利用という点で工場生産性に影響を及ぼし、作業ミスの発生率の上昇により品質に大きな影響を及ぼす可能性がある。

0005

ところで、生産ラインの生産効率化を図るための作業配分最適化方法や、工程評価方法が発明されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらの発明では、要素作業の作業時間等から難易度や、作業に対する習熟度等を分析して作業配分に用いたり、その要素作業の肉体的及び精神的負担を考慮して工程評価を行なっている。これらの発明を社員と外部作業者との間の要素作業の配分に利用することも考えられる。
特開平10−261122号公報
特開2004−139515号公報

発明が解決しようとする課題

0006

装置系の生産工程では、設備の現況や生産される製品の品質の良否をその都度判断することが求められる。そのため、特許文献1記載の発明のように、作業時間を軸とした現状の捉え方では適切に対応することができなかった。また、特許文献2記載の発明では、作業者にかかる作業負担を評価することはできるものの、要素作業が有する特質を客観的、定量的に評価することはできなかった。

0007

本発明は、上記課題を解決するために、社員と外部作業者とが混在する生産ラインにおいて、要素作業が有する特質を客観的、定量的に評価し、各作業者の適正な役割分担を明確にすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、本発明の要素作業の難易度評価方法は、要素作業が作業者に要求するレベル認知科学に基づき、少なくとも、外界情報知覚認知情報獲得能力を表すInput機能と、判断・意志決定能力を表すProcess機能と、行動動作機能を表すOutput機能とに分解し、各機能を評価する要素作業の内容に合せてランク分けし、上記ランク分けを総合的に判断することによって、要素作業の難易度を評価する。

0009

また、Input機能、Process機能、Output機能は、該機能を機能させるために必要な複数の項目から構成し、Input機能は、少なくとも、状態を正しく認知するために必要な知識の質と量とを表す知識と、状態を正しく認知するために必要な五感の必要度合い、能力要求レベルを表す感覚とを有し、Process機能の項目は、少なくとも、判断を正しくするための知識の質と量とを表す知識と、意志決定手順の複雑さ、決定要因の多さを表す思考とを有し、Output機能の項目は、少なくとも、作業の持つ手段・方法の複雑さ、多さを表す方法・手段と、正しい作業を行なうための動作再現性の難しさを表す動作感覚とを有するようにしている。これにより、人間が有する機能に基づいて難易度を定量化することができ、作業時間等をベースにした難易度評価よりも精度のよい難易度評価を行なうことができる。

0010

また、本発明の要素作業の作業ミス影響度評価方法は、作業ミスによる生産工程及び生産ラインへの影響を、少なくとも、品質、ロスコスト、安全、環境の項目ごとにランク分けし、これらのランク分けを総合的に判断することにより、その要素作業での作業ミスが生産工程及び生産ラインに与える影響度を評価する。

0011

また、品質は、想定される作業ミスの発生により製品の品質に影響を及ぼす度合いを表し、ロスコストは、想定される作業ミスの発生により生じる経済的な損失額を表し、安全は、想定される作業ミスにおける作業の危険度を表し、環境は、想定される作業ミスが及ぼす環境面での影響を表すようにしている。これにより、作業ミスの影響度に基づいて、その要素作業の重要度も評価することができる。

0012

また、本発明の要素作業の特質評価方法は、要素作業を習得する際の困難さを表す習熟要因と、要素作業の作業ミスによる生産工程及び生産ラインへの影響を表すミス影響要因とを総合的に判断して、要素作業の特質を評価する。これにより、各要素作業が有する特質を明確に評価することができる。

0013

また、複数の要素作業は、生産工程全般以上に関する作業と、工程内の各設備に関する作業とに分類され、要素作業の特質評価は、工程内の各設備に関する作業に対して行なわれるようにしている。これにより、管理的な作業を予め特質評価の対象から除外することができるので、外部作業者への要素作業の配分などを行なう際には、無駄な特質評価を省略することができる。

0014

更に、習熟要因は、要素作業の難易を表す難易度と、要素作業の発生頻度を表す頻度と、要素作業の遂行時間に要求される制約を表す時間制約とを総合的に判断して評価している。これにより、要素作業の習熟要因をより正確に評価することができる。

0015

また、難易度は、要素作業が作業者に要求するレベルを認知科学に基づき、少なくとも、外界情報の知覚・認知情報獲得能力を表すInput機能と、判断・意志決定能力を表すProcess機能と、行動・動作機能を表すOutput機能とに分解し、各機能を評価する要素作業の内容に合せてランク分けし、上記ランク分けを総合的に判断することによって評価している。

0016

また、Input機能、Process機能、Output機能は、該機能を機能させるために必要な複数の項目から構成し、記Input機能は、少なくとも、状態を正しく認知するために必要な知識の質と量とを表す知識と、状態を正しく認知するために必要な五感の必要度合い、能力要求レベルを表す感覚とを有し、Process機能の項目は、少なくとも、判断を正しくするための知識の質と量とを表す知識と、意志決定手順の複雑さ、決定要因の多さを表す思考とを有し、Output機能の項目は、少なくとも、作業の持つ手段・方法の複雑さ、多さを表す方法・手段と、正しい作業を行なうための動作再現性の難しさを表す動作感覚とを有するようにしている。これにより、人間が有する機能に基づいて難易度を定量化することができ、作業時間等をベースにした難易度評価よりも精度のよい難易度評価を行なうことができる。

0017

ミス影響要因は、作業ミスによる生産工程及び生産ラインへの影響を、少なくとも、品質、ロスコスト、安全、環境の各項目ごとにランク分けし、これらのランク分けを総合的に判断することにより、その要素作業での作業ミスが生産工程及び生産ラインに与える影響度を評価している。

0018

品質は、想定される作業ミスの発生により製品の品質に影響を及ぼす度合いを表し、ロスコストは、想定される作業ミスの発生により生じる経済的な損失額を表し、安全は、想定される作業ミスにおける作業の危険度を表し、環境は、想定される作業ミスが及ぼす環境面での影響を表すようにしている。これにより、作業ミスの影響度に基づいて、その要素作業の重要度も評価することができる。

0019

また、ミス影響要因は、難易度に応じて決定されるミス発生層係数により補正されるようにしている。これにより、ミスの内容に応じた要素作業の特質評価を行なうことができる。

0020

また、本発明の要素作業の配分方法は、作業者を生産ライン、生産工程、要素作業に対する責任義務高低に基づいて第1の作業者と、この第1の作業者よりも責任義務の低い第2の作業者とに分類し、要素作業の特質評価方法の評価結果に基づいて、要素作業を第1の作業者と第2の作業者とに配分するようにしている。これによれば、社員と外部作業者との間での要素作業の配分基準を明確にすることができ、従来の管理者ごとによる配分バラツキ是正することができる。

0021

また、本発明の要素作業の改善方法は、要素作業の特質評価方法に基づいて該当する要素作業の特質を評価し、この評価結果に基づいて要素作業の難易度や作業ミスによる影響度等を改善し、再度要素作業の特質評価を行なって改善度合いを確認するようにしている。これによれば、その要素作業の特質に基づいて改善を行なうことができるため、生産ラインの生産性向上に資することができる。

発明の効果

0022

本発明によれば、要素作業の持つ特質を正確かつ客観的に、また定量的に把握することができ、以下のような効果を奏することができる。
(1)作業の質のデータに基づいた、客観的な作業内容組み替えができる。
(2)社員で継承していく必要性のある作業を特定することができる。
(3)新入社員や外部作業者の作業習熟優先順位を決めることができる。
(4)作業の質に関する問題作業、ネック作業の抽出や絞り込みができる。
(5)作業の質の観点で改善効果や結果を定量的に検討したり、表現することができる。(6)作業の質に関し、標準化された評価基準に基づいたデータベースをもつことができる。
(7)作業評価を実施する中で、作業の質に関する裏付けや理由を確認するので、作業に精通した担当者暗黙の知識を明白な知識とすることができる。
(8)複数の異なる工程間で、作業の質に関する基準を統一化することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、自社の従業員である社員と、外部委託業者から派遣されてきた外部作業者とが混在して作業を行なう生産ラインでの要素作業の特質評価について説明する。なお、要素作業とは、製品の生産ラインを構成する複数の生産工程を各作業ごとに分割した作業である。

0024

図1の表は、各種製品の材料を生産する材料系生産ライン、例えば、感光性フイルムの生産ラインが有する作業内容を示している。材料系生産ラインの要素作業は、大きく分けて実際に製品を生産する「加工」、製品や生産に必要な資材運搬及び管理である「運搬、仕掛」、完成した製品や不良品などを検査、管理する「検査」等からなる。また、これらの作業は、通常の生産工程の稼働時に発生する「定常作業」と、製品切換や、トラブルメンテナンス時等時に発生する「非定常作業」とに分類することができる。

0025

また、感光性フイルムの生産ラインの特徴を「1,作業環境」、「2,設備・生産システム」、「3,オペレーション」の観点から分析すると、以下のようになる。
1,作業環境
(1)感光材料生産のため、多くの工程が暗室
(2)逐次増設による複雑な配管系、設備レイアウト
2,設備・生産システム
(1)高精度設備の条件管理
(2)量産プラントによる試作
(3)多種原材料品質管理計量管理
(4)複雑多岐な長い系
3,オペレーション
(1)原材料、製品改良、生産性向上に伴う要因変更
(2)官能的な品質保証項目
(3)管制室におけるフロー・条件を見極めた判断作業、組作業

0026

上述したように、感光性フイルムの生産ライン等の材料系生産ラインは、一般的な製品の製造ラインに比べて専門性が高く、複雑であり、変更も多い。また、材料系生産ラインで生産された材料から多種の製品が生産されることから、基幹事業と言え、その成熟が求められている。更に、現在の生産環境は、作業者の高齢化による定年退職者の増加や、外部作業者の増加等の就労環境の変化に加え、商品サイクルの短さから、製品改良や製品移管、数量変動等の変化が大きい。以上の観点から、いわゆる工場改革ローコストオペレーションの追求が求められている。この工場改革、ローコストオペレーションを実現するために、例えば、自立型工程、多工程持ち化への挑戦や、固定人員分業制の見直し、工程・工場間での作業者のローテーション、外部作業者の活用等の観点から、作業難易度と作業者の組み合わせの最適化を図ることが試みられている。

0027

上述した作業難易度と作業者の組み合わせの最適化を図るには、要素作業の正確な評価が必要不可欠となる。要素作業を評価する方法としては、図2の表に示すように、「組立性評価」、「作業量負荷評価」、「作業の質評価」等が挙げられる。「組立性評価」は、部品や製品の形状、組立順序等、製品自体生産適性等が大きく影響するため、要素作業の評価として不適当である。また、「作業量・負荷評価」は、作業強度時間評価が大きく影響するが、自動化設備を中心とした生産ラインでは、要素作業の評価として不適当である。そこで、本発明では、要素作業の難易度から特質を評価する「作業の質評価」を採用することとした。

0028

図3は、本発明の要素作業の特質評価の手順を示すフローチャートである。この手順では、最初に特質評価を行なうべき要素作業であるか否かが判断される。例えば、生産ラインは、その内容に応じて複数の課に分けられており、各課は複数の係に分けられ、各生産工程は各係に属している。図4の表に示すように、生産ラインにおいて発生する要素作業は、上記課全般に関する作業と、係全般に関する作業と、工程全般に関する作業と、工程内の各設備に関する作業とに分類することができる。また、これらの作業は、実際に製品の生産に関連して行なう実作業と、この実作業を管理する管理的作業とに分類することができる。

0029

従来の生産ラインでは、図中斜線で示す領域内と、格子縞で示す領域内の要素作業が、社員と外部作業者との間で配分されていた。しかし、格子縞で示す領域の作業は当然のことながら、工程全般以上に関する作業は、(1)最終的な意思決定・指示・承認、(2)他部署との交渉、(3)機密設定、(法律遵守)等に関わる責任の重い作業であるため、本来的には外部作業者に配分するのは不適切である。そこで、本発明では、このような工程全般以上に関する作業(以下、管理スパン該当作業と呼ぶ)を予め特定しておき、管理スパン該当作業については社員が行なうようにし、管理スパンに該当しない要素作業については、社員と外部作業者との間で配分するようにしている。そのため、特質評価についても、管理スパン該当作業を除外して行なうようにしたので、無駄な特質評価を省略することができる。

0030

図5は、要素作業の特質評価に用いる項目と、この項目の相関を表す構造図である。本発明では、外部作業者は雇用期間が限定されているため、早期習熟、早期即戦力化が必要である点に着目し、習熟要因を用いて要素作業の特質を評価するようにしている。また、各要素作業において発生する作業ミスによる影響度は、その要素作業の重要度を表す目安ともなるため、本発明では、ミス影響要因も要素作業の特質評価に用いている。

0031

上記習熟要因の評価項目を抽出するために、習熟状況を表現する代表的な手法である習熟曲線を用いた。図6グラフに示すように、習熟曲線は、「難易度」、「頻度」、「時間」の観点から表されている。難易度は、作業そのものが持つ内容の難しさを表し、この難易度の高低により習熟するまでの期間が変化する。頻度は、作業の難しさとは別に、ある期間の中で作業を繰り返し実施する頻度であり、この頻度によっても習熟期間が変化する。例えば、難しい作業であっても短期間に多数回実施することで、作業者は比較的短期間に習熟することができる。これに対し、簡単な作業であっても、発生頻度が1回/年であれば、作業内容を忘却してしまう。目標作業時間は、作業を遂行する上で要求される作業遂行時間である。これは、同じ難易度の作業でも、他の作業への影響が大きく短時間での達成が要求される場合と、全く時間からの制約を受けない場合では習熟期間に差が発生する。

0032

習熟曲線(1)は、横軸トータルの作業従事期間を、縦軸に作業1回あたりの作業時間をとっており、作業従事期間が経過するにしたがって作業の習熟度が高まり、1回あたりの作業時間が短くなっていくことがわかる。この習熟曲線(1)に目標作業時間を設定し、目標作業時間で作業ができるようになったときを習熟期間(1)とする。習熟曲線(2)は、習熟曲線(1)の要素作業よりも難易度の低い要素作業に関するものである。この習熟曲線(2)の要素作業において、習熟曲線(1)と同じ目標作業時間で作業できるようになる習熟期間(2)は、習熟期間(1)よりも短くなる。

0033

習熟曲線(3)は、発生頻度の少ない要素作業を表し、習熟曲線(4)は同じ作業で発生頻度が多い場合を表している。これらの曲線からわかるように、頻度によっても習熟期間は変化する。

0034

本発明は、上記習熟曲線より、作業の難易度を以下のように捉えることとしている。また、特に評価方法が難しいと思われる作業難易度については、人間の認知情報処理モデルをベースに掘り下げて評価することとした。
1.作業難易度を作業そのものの特性として評価
2.作業難易度=習熟のし易さの主要因
習熟期間=難易度×作業頻度×1回あたりの時間
3.作業を認知工学の認知情報処理モデルInput−Process−Outputとして捉えモデル化
4.分解された作業要素について難易度をスコアでランク分け
5.工程間での基準の統一化

0035

図7は、認知科学に基づく人間の認知情報処理モデルである。人間は、外界情報を知覚し、認知情報を獲得する感覚器(いわゆる五感)と、判断・意志決定を行なう大脳と、行動・動作を行なう運動器とを備えており、これらは、コンピュータ等と同様にInput機能,Process機能,Output機能に置き換えることができる。

0036

上記認知情報処理モデルを基に、作業難易度評価要因を検討した結果を図8の表に示す。各プロセスでの習得の難しさが習熟に影響すると考えて、各プロセスでの構成要素と考えられる項目を列挙した。今回の要素作業の特質評価に用いる難易度は、作業者の資質を対象に評価するわけではなく、作業そのものが持つ難易度を対象に装置系の要素作業を実施する上で必要となる条件と到達レベルとを設定するものである。そのため、これらの項目のうち、上段に記載した作業者の資質等に関わる記憶力、正確、意欲などの項目は作業の難易度による習熟期間には影響しないため除外した。一方、作業に必要な要素として、下段に示す知識、感覚、思考、方法・手段などの項目を抽出した。

0037

図9の表に、難易度評価の各項目と頻度及び時間制約の定義,観点・尺度,改善の方向,改善案の例を示し、図10の表に、難易度評価の観点とその考え方を示す。Inputの「知識」は、状態を正しく認知するために必要な質と量を表し、「感覚」は、状態を正しく認知するために必要な五感の必要度合い、能力要求レベルを表している。Processの「知識」は、判断を正しくするための知識の質・量を表し、「思考」は、意志決定手順の複雑さ、決定要因の多さを表してている。Outputの「方法・手段」は、作業の持つ手段・方法の複雑さ、多さを表し、「動作感覚」は正しい作業を行なうための動作再現の難しさを表している。また、「頻度」は、作業の出現頻度、実施機会の多さを表し、「時間制約」は、作業の時間及びタイミングの制約のきつさを表している。このような項目に基づいて要素作業の難易度を評価することにより、客観的で正確な難易度評価を行なうことができる。

0038

また、図11の表に、難易度、頻度、時間制約の評価基準を示す。本発明では、難易度の各項目を習熟問題無し(0点),習熟容易(1点),習熟可能(2点),習熟配慮(3点),習熟懸念有り(4点),習熟難しい(5点)の6段階で評価している。また、頻度については、1回/1時間以上(0点),シフトに複数回〜1時間に1回未満(1点),シフトに1回のレベル(2点),週1回〜シフト1回未満のレベル(3点),月1回〜週1回のレベル(4点),月1回未満のレベル(5点)の6段階の評価を行なっている。更に時間制約については、作業遂行余裕が長時間ある場合(0点),遂行余裕が充分ある場合(1点),遂行余裕がある場合(2点),遂行余裕が少しある場合(3点),遂行余裕がほとんどない場合(4点),他の作業に優先して対応しなければならない場合(5点)の6段階に分けて評価している。これらの項目は、表に記載されている評価基準に基づいて判断されるため、客観的でかつ定量的な難易評価を行なうことができる。

0039

図12は、要素作業の作業ミスにより影響を受ける項目を示している。これらの項目のうち、作業に属する要因である品質、コスト、安全、環境の4つの項目を作業ミス影響度に用いることとした。図13の表に、ミス影響度の各項目の定義,観点・尺度,改善の方向,改善案を示す。品質は、想定される作業ミスやNG検出ミスの発生により影響を及ぼす範囲の広さを表している。コストは、想定される作業ミスやNG検出ミスの発生により生じる経済的な損失額を表している、安全は、想定される作業ミスにおける作業の危険度を表している。環境は、想定される作業ミスが及ぼす環境面での影響を表している。

0040

図14に、各項目の評価基準を示す。本発明では、ミスの影響が及ぶ範囲に応じて、問題無し(0点),工程内(1点),課内(2点),部内(3点),工場内(4点),社外(5点)の6段階で評価している。これらの項目は、表に記載されている評価基準に基づいて判断されるため、客観的でかつ定量的な難易評価を行なうことができる。

0041

また、作業ミスを要素作業の特質評価に用いる場合には、上記各ミスの影響度とは別に、ミスの発生確率も必要となる。図15は、社員と外部作業者とでのミスの発生確率の検証結果を示すグラフである。まず、ミスの種類を「ポカミス」と「ポカミス以外」とに分類した。「ポカミス」とは、「〜をしたつもり、〜のし忘れ」等の手順の抜けや不適切な手順によるうっかりミスである。また、「ポカミス以外」とは、上記「ポカミス」以外の要因によるミスをいい、具体的には、作業に必要な知識の不足や、複雑な状況下で感覚、思考(判断)の限界を超えた場合に生じるミスである。

0042

検証に用いた製造ラインでは、「ポカミス」が16件、「ポカミス以外」が11件発生している。ポカミスは、外部作業者の3件に対し、社員の13件と社員のほうが圧倒的に多いが、外部作業者と社員との総人数に対する比で見れば、ミス発生率には大きな差がないことがわかる。これに対し、ポカミス以外のミスは、外部作業者の発生確率は社員の7倍程度も高くなっている。これにより、作業に必要な知識、感覚、思考等を必要とする要素作業では、外部作業者による作業ミスの発生率が高いことがわかる。

0043

以上の作業ミスの発生確率を鑑みて、要素作業の難易度の高低に応じて、作業ミスの影響度を補正することとした。例えば、難易度評価が高い要素作業は、外部作業者が行なうには難しく、ミスをした場合に影響が大きいミス発生層の要素作業であると推測することができる。そこで、図16の表に示すように、難易度評価の6項目中に4点または5点の項目が1つでもある場合には、ミス発生層別係数を「1」とする。同様に、難易度評価に0〜2点しかない場合には、作業ミスが発生しにくい要素作業であり、ミスが発生しても影響が少ないものと推測してミス発生層別係数を「0」とした。更に、難易度評価に4点、5点がなく、3点が1つ以上ある場合には、中間の作業ミス発生確率であると判断して、ミス発生層別係数を「0.5」とした。これらのミス発生層別係数は、ミス影響度の各項目の点数乗算される。

0044

以上で説明した習熟要因、及びミス影響要因を総合的に判断することにより、要素作業の特質を評価するが、その評価方法が問題となる。評価方法として、図17の表に示す(1)総合点評価、(2)最高点評価、(3)マトリックス評価、(4)多変量解析手法による評価を候補として、それぞれのメリットデメリットとを検討した。検討結果として、本発明では、各項目の点数を加算していく総合点評価を用いることとした。その理由としては、(1)総合点評価を採点事例に適用してみると、現場での感覚と9割方一致している、(2)他の方法も試行してみたが、一長一短があり、精度的に大差が無い、(3)現場で使用するツールという点を重視すると、総合点評価が分かりやすさ、使いやすさ、即時性という観点で最も優れているためである。なお、この総合評価方法は、総合点評価に限定されるものではなく、各方式の長所などを組みあわせて新たな評価方法を用いることもできる。

0045

図18のフローチャートに示すように、以上のように総合的に評価された要素作業は、その評価内容に基づいて社員と外部作業者との間で配分する。しかし、要素作業のどの評価レベルで、社員と外部作業者との区分を行なうかが問題となる。上述した要素作業の特質評価によれば、非常に容易でミスによる影響度の無い要素作業は、総得点が「0点」となり、難易度が高く作業ミスによる影響度の大きな要素作業の総得点は「60点」となる。そこで、例えば、30点以上を社員に配分し、それ以下を外部作業者に配分してもよいし、0〜20点を外部作業者に、30〜60点を社員にそれぞれ配分し、20〜30点の範囲にある要素作業は管理者の判断によって配分を行なうようにすることでもきる。どのような配分を行なうにしても、要素作業の特質評価の点数に基づいて配分されるため、職場ごとのバラツキのない作業配分を行なうことができる。

0046

また、図19のフローチャートに示すように、要素作業の改善を目的として特性評価を行なう場合には、評価後にその評価内容に基づいて要素作業に改善策を施し、この改善策の実施後に再び特質評価を行なって、改善結果を確認するとよい。

0047

図20は、要素作業の特質評価に基づいて、短期習熟を可能にするための作業改善設備改善の具体的な観点を示す体系図である。短期習熟化を図るには、「作業の難易度を低くする」、または「作業の実施頻度を増やす」という2種類のアプローチが考えられる。作業の難易度低くするには、作業そのものを変えたり、作業のポイントを分かりやすくする他、作業エラー時の影響を最小化することも改善策となる。また、作業の実施頻度を増やす場合には、生産ライン内において実際に実施頻度を増やすこともできるし、シミュレータ等の作業習熟ツールを用いて擬似的な作業体験を増やすこともできる。このように、特質評価に基づいて改善を行なうことにより、必要な改善を効果的に行なうことができ、その効果も再度の特質評価によって客観的、かつ定量的に確認することができるので、改善効果を向上させることができる。

0048

図21は、要素作業の特質評価により得ることのできる効果を示す概念図である。本発明は、本来は作業者の整員体制柔構造化することを目的としているため、「現状工程前提での作業者構成改定」が可能となる。しかし、作業の質評価とその基準を作成することにより、「生産方式基本構造の見直し、再構築」、「新規設備設計時での簡易オペレーション、簡易異常対応の導入」、「設備・作業の再設計、標準化推進による改善アプローチ法の確立」等が可能となり、また、これらは相互に関連する項目となるため、相乗的な効果を奏することができる。

0049

次に、上記要素作業の特質評価をレンズ付きフイルムユニットの生産ラインに適用した実施例について説明する。図22は、本発明を実施した生産ラインで生産されるレンズ付きフイルムユニットの外観形状を示す斜視図である。レンズ付きフイルムユニット2は、各種撮影機構が組み込まれ、製造時にフイルムパトローネ装填されているユニット本体3と、ユニット本体3の外周に巻き付けられるように貼付されているラベル4とからなる。ラベル4には、ユニット本体3の各部を露呈させるための開口が設けられている。

0050

ユニット本体3の前面には、撮影レンズ5,ファインダ6,ストロボ発光部7,ストロボスイッチ8等が設けられている。ユニット本体3の上面には、シャッタタン9,カウンタ表示窓10等が設けられている。ユニット本体3の背面からは、撮影後のフイルム巻き上げに用いられる巻上げノブ12の一部が露呈されている。

0051

上記ユニット本体は、図23に示すように、撮影機構が組み込まれる本体基部15と、この本体基部15に装填されるフイルムパトローネ16と、本体基部15の前面及び背面に取り付けられる前カバー17及び後カバー18と、ストロボ装置19とからなる。このレンズ付きフイルムユニット2は、本体基部15に撮影機構を組み込み、ストロボ装置19を取り付け、本体基部15の前面に前カバー17を装着し、本体基部15の背面側からフイルムパトローネ16を装填し、後カバー18を取り付け、ラベル4を貼着することにより完成する。

0052

フイルムパトローネ16は、帯状写真フイルム22と、この写真フイルム22を収納するパトローネ23とからなる。パトローネ23は、略筒状の本体部23aと、この本体部23aの両端部に嵌着される円板形状のキャップ23bと、本体部23a内に回転自在に収納されて写真フイルム22が巻き付けられるスプール24とから構成されている。フイルムパトローネ16は、その生産時にはスプール24に写真フイルム22が巻き付けられてパトローネ23内に収納されている。そして、ユニット本体3への装填時に写真フイルム22がパトローネ23から引き出されてロール状に巻かれ、パトローネ23と別々に本体基部15内に収納される。

0053

[実施例1]
図24は、レンズ付きフイルムユニット2の生産ラインにおいて、本体基部15にフイルムパトローネ16を装填するフイルム巻込工程での、写真フイルムの生検査時の異常発生への対応、という要素作業の特質評価を示す表である。この要素作業の難易度は24点となり、頻度及び時間制約はそれぞれ5点となる。これらを総合した習熟要因に関する得点は34点となる。また、ミス影響要因に関する得点は9点となる。習熟要因とミス影響要因とを総合したときの得点は43点となる。例えば、30点以上の得点の要素作業が社員に配分される場合には、この要素作業は社員の担当となる。

0054

[実施例2]
図25は、レンズ付きフイルムユニット2の生産ラインのフイルム巻込工程での簡単な設備停止への対応、という要素作業の特質評価を示す表である。この要素作業の習熟要因に関する得点は25点となり、ミス影響要因に関する得点は1点となる。両者を総合したときの得点は26点となる。例えば、30点以下の得点の要素作業は外部作業者に配分される場合には、この要素作業は外部作業者の担当となる。しかし、20点から30点の範囲の要素作業が管理者の判断によって配分される場合には、社員と外部作業者とのいずれかに配分されることになる。

0055

[実施例3]
図26は、レンズ付きフイルムユニット2のフイルム巻込工程での稼働表記入と集計作業、という要素作業の特質評価を示す表である。この要素作業の習熟要因に関する得点は5点となり、ミス影響要因に関する得点は0点となる。両者を総合したときの得点は5点となる。例えば、30点以下の得点の要素作業は外部作業者に配分される場合には、この要素作業は外部作業者の担当となる。

0056

[実施例4]
図27は、図23に示すフイルムパトローネ16の生産ラインのパトローネ23内に写真フイルム22を装填するフイルム装填工程において、設備停止への対応という要素作業の評価結果を示す表である。

0057

フイルム装填工程は自動機からなり、設備は暗室内に設置されている。設備は、スプール24を巻込用インデックステーブルで保持し、規定量に切断されて供給された写真フイルムの先端をスプール24の係止穴に挿入する。巻込用インデックステーブルは、スプール24を回転させて写真フイルムを巻き取る。その後、写真フイルム22が巻き付けられたスプール24を本体部23aに挿入し、両端からキャップ23bを嵌着する。この工程には異常を検知するセンサが数十カ所に設置されている。作業者は、暗室内にはおらず、明室に設置されたコンソールの前で作業の状況を確認する。センサが異常を検知した場合には、その検知結果がコンソールに表示される。作業者は、異常の内容に応じて工程内に入る。

0058

評価結果から分かるように、この要素作業では、難易度、頻度、時間制約が高得点となっている。難易度が高得点になっているのは、コンソールに表示されたセンサの検知結果から異常の内容を把握するのが難しく、暗室内で作業を行なわなければならないためである。すなわち、Inputの「知識」の項目に記すように、異常を伝えるセンサの意味、及び暗室内のセンサの設置箇所の正確な事前知識がなければエラーの内容を把握することができず、また暗室内で迅速な作業を行なうことができない。

0059

この要素作業を短期習熟可能に改善するには、図20の体系図において、「作業の難易度を低くする」という項目の「システムが今どのような状態かを明示」及び「外界(記憶以外)に情報を持たせる」という改善項目を適用するとよい。具体的には、例えば、センサの検知結果が表示されるコンソールのディスプレイ上に、現在の暗室内の正常/異常状況と、発生箇所バーチャルに確認できるように表示すればよい。これによれば、作業者に必要な事前知識の質及び量が、工程に関しての幅広く正確な知識は必要なくなり、エラーの内容が大まかに理解できる最低限の事前知識でよくなるため、図28の表に示すように、Inputの「知識」の項目の得点を4点から2点まで下げることができる。

0060

また、上記Inputの「知識」の項目の改善に関連して、Processの「知識」、及びOutputの「動作感覚」の各項目の得点も下がるため、特質評価の得点を改善前の33点から28点に下げることができる。また、このような要素作業のケースには、作業習熟ツールを用いて擬似的な作業体験を増やすことも効果的であり、得点を更に下げることが可能である。このように、改善作業によって特質評価の得点が下がれば、社員だけでなく外部作業者に配分することも可能となるため、ローコストオペレーションの達成にも資することができる。

0061

本発明を実施することにより、作業難易度の基準を共有化することができる。また、個別の要素作業ごとの改善を具体化することができる。例えば、短期習熟を可能とするためのマニュアルを作成し、このマニュアルに基づいて作業者を育成することができる。また、設備改善による難易度の軽減も図ることができる。更に、該当する工程での作業者の要因構成を適切に改定することができる。また、本発明の応用としては、個別工程から部門、工場全体への展開が可能である。更に、短期習熟マニュアルや、作業習熟ツールなどの充実化と、設備改善の仕組み化を図ることができる。また、現場主導でローコストオペレーションを推進することができるため、推進結果すぐに確認することができる。

0062

なお、上記実施形態では、難易度を6項目、頻度、時間制約をそれぞれ1項目、ミス影響度を4項目で評価したが、これらの項目数は上記実施形態より多くても少なくてもよい。また、習熟要因とミス影響要因とを6段階で評価したが、この評価段階も多くても少なくてもよい。更に、要素作業の改善のための方向、及び改善策も本発明に記載したものに限定されるものではなく、要素作業の内容に応じて適宜選択することができる。また、レンズ付きフイルムユニット及びフイルムパトローネの生産ラインに限定されず、様々な製品の生産ラインにおいて、要素作業の特質評価に利用することができる。

0063

また、上述した要素作業の特質評価は、コンピュータで行なってもよい。コンピュータを使用する場合には、例えば、生産ライン、生産工程、要素作業の種類や、各要素作業の特質評価の内容、管理スパンとそれ以外の作業との分類、習熟要因を司る難易度、頻度、時間制約等の各項目と、ミス影響要因のミス発生層別係数や影響度の各項目の定義や評価基準、改善案の方向性、得点等をそれぞれテーブル化して記憶装置に記憶しておく。また、要素作業の内容を入力する機能や、入力された内容に基づいて各テーブルを参照して要素作業の特質を評価する機能、評価得点に基づいて社員と外部作業者との間で要素作業の配分を行なう機能、評価得点に基づいて要素作業の改善の方向性をリストアップする機能、どのような改善を行なえばどの程度の評価得点の減少を図ることができるかシミュレーションを行なう機能等をソフトウェア及びコンピュータによって形成するとよい。また、要素作業の特質評価とともに、作業者の作業レベルの評価等を行い、各作業者の要素作業への配分を決定する機能を持たせることもできる。

図面の簡単な説明

0064

感光性フイルムの生産ラインの作業内容例を示す表である。
作業評価方法の種類を示す表である。
本発明の要素作業の特質評価の手順を示すフローチャートである。
要素作業の分類を示す表である。
要素作業の特質評価の評価項目の構造図である。
要素作業の習熟曲線を表すグラフである。
人間の認知情報処理モデルを示すブロック図である。
習熟構成要素の項目を示す表である
習熟要因に関する評価項目の定義を示す表である。
難易度評価の評価項目の観点を示す表である。
習熟要因の評価基準を示す表である。
作業ミス影響に関する評価項目の構造図である。
作業ミス影響度の評価項目の定義を示す表である。
作業ミス影響度の評価基準を示す表である。
作業ミスの発生率を示す表である。
ミス発生層別係数を示す表である。
総合評価の方式を示す表である。
要素作業の配分手順を示すフローチャートである。
要素作業の改善手順を示すフローチャートである。
短期習熟化への作業改善の観点を示す体系図である。
作業の特質評価により得られる効果の相関関係を示す概念図である。
レンズ付きフイルムユニットの外観形状を示す斜視図である。
ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
実施例1の要素作業の特質評価を示す表である。
実施例2の要素作業の特質評価を示す表である。
実施例3の要素作業の特質評価を示す表である。
実施例4の要素作業の特質評価を示す表である。
実施例4の要素作業の改善後の特質評価を示す表である。

符号の説明

0065

2レンズ付きフイルムユニット
3ユニット本体
16 フイルムパトローネ

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