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技術 シールド掘削機による半地下トンネル及びトンネルの構築方法、並びにシールド掘削機

出願人 前田建設工業株式会社
発明者 宮澤昌弘徳丸敦川本伸司
出願日 2005年5月12日 (15年9ヶ月経過) 出願番号 2005-139706
公開日 2006年11月24日 (14年3ヶ月経過) 公開番号 2006-316494
状態 特許登録済
技術分野 立坑・トンネルの掘削技術
主要キーワード 伸縮板 伸縮壁 区画域 作業用穴 埋設地点 水平移動用 昇降用油圧ジャッキ モルタル柱
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図面 (20)

課題

これまでにないアンダーパス工法であって、効率性に優れ、もって工期の短縮化が可能な立体交差構築技術を提供すること。

解決手段

シールド掘削機1の方向及び勾配修正しながら、シールド掘削機により地表面より直接掘削して地中内を進行し、これにより既存又は構築予定相手方路線17と地下道形式で立体交差し、当該交差後もシールド掘削機1の進行方向における発進側と反対側に位置する到着側の地表面に向けて地中内を掘削し、シールド掘削機1が地中内を掘削している場合と、地上部分に臨む領域を掘削している場合とで、シールド掘削機1の形体を変化させ、地上部分に臨む領域を掘削している間は、シールド掘削機の形体を土留め作業に適したものとし、地中内で掘削している間は、前記土留め作業に適した形体からシールド掘削機本来の地中掘削に適した形体に変化させる。

概要

背景

都市部では、環境や景観に配慮し、道路鉄道その他の路線を地下に構築する場合が少なくない。地下に路線を構築する工法として、例えば、既存の道路や鉄道その他の路線に対し、新たな路線を地下に立体交差させて構築するアンダーパス工法が周知である。

ところでアンダーパス工法では、下水管ガス管地下ケーブルその他の地下埋設物があることや施工上の制約工事が長期化する傾向にある。工事の長期化は、交通渋滞を招来し、経済活動への影響も否定できない。
そこで、短期間で実現可能なアンダーパス工法の開発が望まれていた。

これまで、アンダーパス工法により路線を構築する場合、新たに構築予定の路線箇所を土留め壁で囲い、囲われた地山掘削する開削工法が周知である(特許文献1参照)。

土留め壁は、掘削した地山の土砂くずれや流水の浸入を防ぐために、地中内に、H型鋼を挿入した場所打ちモルタル柱鋼矢板などを連続して設けるものであり、作業場所を広く取る必要があること、手間と時間が掛かることなどの問題がある。このため開削工法で長い路線を構築するのは、都市部ではあまり向いていない。
長い路線を構築するための工法としてシールド工法がある。

シールド工法では、新たに構築予定の路線上において、対向する一対の立坑を設け、一方の立坑内シールド掘削機を組み立てた後、当該立坑を起点に他方の立坑に向けてシールド掘削機を発進させることにより、既存路線と交差するシールド坑を設けて新たな路線を構築する(特許文献2参照)。なお、前記一対の立坑のうち発進側の立坑及び到着側の立坑をそれぞれ発進側立坑及び到着側立坑ということにする。

シールド掘削機を用いる場合、シールド掘削機の組立に時間を要する割に発進側立坑と到着側立坑との間の距離が短いため、シールド掘削機の走行距離が短くなってしまい、この結果、効率性の点で問題がある。

一方、シールド掘削機を用いて、地中の路線(本線)に対して合流又は分流する支線としてのランプトンネルを構築する場合がある。この場合もシールド掘削機の走行距離がやはり短いため、効率性の点で問題があった。

また、特許文献3は、アンダーパス工法にパイプルーフ工法を適用した場合の一例を示す。
パイプルーフ工法とは、立坑構築後、地中内に構築予定の本体構造部(新たに構築されるトンネルのこと)の外郭線形成予定ラインに沿ってパイプ鋼管)をアーチ状又は柱列状に水平に打設又は牽引により並列することで、地中内にパイプにより画成した区画域を形成し、当該区画内をショベルカーその他の掘削機械で掘削して本体構造部を構築するという工法である。

ルーフ屋根という意味であり、パイプを屋根や壁のように並列することで前記区画域
を形成するため、このような名称になっている。なお、画成とは、区切る又は仕切る(間を断つ)ことにより、特定のものを形成するという意味である。この場合、パイプを地中に多数並列することで前記区画領域が形成される。

パイプルーフ工法が適用される場合は、パイプルーフを地下内で打設又は牽引するための装置及び作業が別途必要となるが、これに起因して工事の長期化とコストの増大を招来していた。
特開2002−21098公報
特開2005−16120公報
特開2002−242582公報

概要

これまでにないアンダーパス工法であって、効率性に優れ、もって工期の短縮化が可能な立体交差部構築技術を提供すること。シールド掘削機1の方向及び勾配修正しながら、シールド掘削機により地表面より直接掘削して地中内を進行し、これにより既存又は構築予定の相手方路線17と地下道形式で立体交差し、当該交差後もシールド掘削機1の進行方向における発進側と反対側に位置する到着側の地表面に向けて地中内を掘削し、シールド掘削機1が地中内を掘削している場合と、地上部分に臨む領域を掘削している場合とで、シールド掘削機1の形体を変化させ、地上部分に臨む領域を掘削している間は、シールド掘削機の形体を土留め作業に適したものとし、地中内で掘削している間は、前記土留め作業に適した形体からシールド掘削機本来の地中掘削に適した形体に変化させる。

目的

本発明はこのような実情に鑑みて為されたものであり、その解決しようとする課題は、作業効率に優れると共に工期の短縮化が可能なトンネルを構築する技術を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

シールド掘削機により発進側地表面より掘削して地中内を進行し、前記シールド掘削機が、地上部分に臨む領域を掘削している場合と地中内を掘削している場合とで、シールド掘削機の形体を変化させ、シールド掘削機が、地上部分に臨む領域を掘削している間は、シールド掘削機の形体を土留め作業に適したものとし、その状態でシールド掘削機を進行させて地表に開放する溝型半地下トンネル構築し、シールド掘削機が、地中内を掘削している間は、前記土留め作業に適した形体からシールド掘削機本来の機能形体である地中掘削に適した形体に変化させてトンネルを構築することを特徴とする、シールド掘削機による半地下トンネル及びトンネルの構築方法

請求項2

請求項1に記載の半地下トンネルとトンネルの構築方法で用いられるシールド掘削機であって、このシールド掘削機には、前記半地下トンネルを構築する場合に使用される装置であって当該半地下トンネルに土留めを形成するための土留め形成装置装備され、当該土留め形成装置は、シールド掘削機が前記半地下トンネルを構築するに当たり土留め形成を要する場合にはシールド掘削機本体から出されるが、シールド掘削機が地中を掘削することによりトンネルを形成している間は、シールド掘削機の本体に収納されることを特徴とするシールド掘削機。

請求項3

前記土留め形成装置は、前記半地下トンネルの両側面にそれぞれ対向して設けられることにより土留めとなる左右一対側板部を有し、この側板部はシールド掘削機の本体に対して出入りすることを特徴とする請求項2に記載のシールド掘削機。

請求項4

前記側板部は、前記シールド掘削機の進行方向において伸縮する伸縮板を有し、この伸縮板は前記側板部に対して出入りすることを特徴とする請求項3に記載のシールド掘削機。

請求項5

前記シールド掘削機は、当該シールド掘削機が前記トンネルを構築している間において地表との間の距離が所定寸法未満の場合には進行方向側に突出するが、地表との間の距離が前記所定寸法以上の場合には収納されるフードを有することを特徴とする請求項4に記載のシールド掘削機。

請求項6

シールド掘削機は、前記半地下トンネル又は前記トンネルを覆工するためのセグメントを組み立てる組立装置を備え、この組立装置によってセグメントが覆工される前記半地下トンネル又はトンネルは、その形が相違し、前記半地下トンネルはその横断面が地上に開口したU字形であるのに対し、前記トンネルは、その横断面が矩形状をした閉塞形であることを特徴とする請求項5に記載のシールド掘削機。

請求項7

前記土留め形成装置が機能している場合において、前記側板部の一部が前記半地下トンネルを構築するために覆工されたセグメントに対して又はセグメントが未だ覆工されていない状態にある半地下トンネルのセグメント覆工予定箇所に対してオーバーラップできるように、前記側板部は、前記半地下トンネルに対しシールド掘削機の幅方向で外側に位置すると共に、シールド掘削機本体の後方に延在されていることを特徴とする請求項6に記載のシールド掘削機。

技術分野

0001

本発明は、トンネル構築技術、詳しくはシールド掘削機による半地下トンネル及びトンネルの構築方法、並びにシールド掘削機に関する。

背景技術

0002

都市部では、環境や景観に配慮し、道路鉄道その他の路線を地下に構築する場合が少なくない。地下に路線を構築する工法として、例えば、既存の道路や鉄道その他の路線に対し、新たな路線を地下に立体交差させて構築するアンダーパス工法が周知である。

0003

ところでアンダーパス工法では、下水管ガス管地下ケーブルその他の地下埋設物があることや施工上の制約工事が長期化する傾向にある。工事の長期化は、交通渋滞を招来し、経済活動への影響も否定できない。
そこで、短期間で実現可能なアンダーパス工法の開発が望まれていた。

0004

これまで、アンダーパス工法により路線を構築する場合、新たに構築予定の路線箇所を土留め壁で囲い、囲われた地山掘削する開削工法が周知である(特許文献1参照)。

0005

土留め壁は、掘削した地山の土砂くずれや流水の浸入を防ぐために、地中内に、H型鋼を挿入した場所打ちモルタル柱鋼矢板などを連続して設けるものであり、作業場所を広く取る必要があること、手間と時間が掛かることなどの問題がある。このため開削工法で長い路線を構築するのは、都市部ではあまり向いていない。
長い路線を構築するための工法としてシールド工法がある。

0006

シールド工法では、新たに構築予定の路線上において、対向する一対の立坑を設け、一方の立坑内でシールド掘削機を組み立てた後、当該立坑を起点に他方の立坑に向けてシールド掘削機を発進させることにより、既存路線と交差するシールド坑を設けて新たな路線を構築する(特許文献2参照)。なお、前記一対の立坑のうち発進側の立坑及び到着側の立坑をそれぞれ発進側立坑及び到着側立坑ということにする。

0007

シールド掘削機を用いる場合、シールド掘削機の組立に時間を要する割に発進側立坑と到着側立坑との間の距離が短いため、シールド掘削機の走行距離が短くなってしまい、この結果、効率性の点で問題がある。

0008

一方、シールド掘削機を用いて、地中の路線(本線)に対して合流又は分流する支線としてのランプトンネルを構築する場合がある。この場合もシールド掘削機の走行距離がやはり短いため、効率性の点で問題があった。

0009

また、特許文献3は、アンダーパス工法にパイプルーフ工法を適用した場合の一例を示す。
パイプルーフ工法とは、立坑構築後、地中内に構築予定の本体構造部(新たに構築されるトンネルのこと)の外郭線形成予定ラインに沿ってパイプ鋼管)をアーチ状又は柱列状に水平に打設又は牽引により並列することで、地中内にパイプにより画成した区画域を形成し、当該区画内をショベルカーその他の掘削機械で掘削して本体構造部を構築するという工法である。

0010

ルーフ屋根という意味であり、パイプを屋根や壁のように並列することで前記区画域
を形成するため、このような名称になっている。なお、画成とは、区切る又は仕切る(間を断つ)ことにより、特定のものを形成するという意味である。この場合、パイプを地中に多数並列することで前記区画領域が形成される。

0011

パイプルーフ工法が適用される場合は、パイプルーフを地下内で打設又は牽引するための装置及び作業が別途必要となるが、これに起因して工事の長期化とコストの増大を招来していた。
特開2002−21098公報
特開2005−16120公報
特開2002−242582公報

発明が解決しようとする課題

0012

本発明はこのような実情に鑑みて為されたものであり、その解決しようとする課題は、作業効率に優れると共に工期の短縮化が可能なトンネルを構築する技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

前記した課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
すなわち、本発明はシールド掘削機による半地下トンネル及びトンネルの構築方法であり、シールド掘削機により発進側の地表面より掘削して地中内を進行し、前記シールド掘削機が、地上部分に臨む領域を掘削している場合と地中内を掘削している場合とで、シールド掘削機の形体を変化させ、シールド掘削機が、地上部分に臨む領域を掘削している間は、シールド掘削機の形体を土留め作業に適したものとし、その状態でシールド掘削機を進行させて地表に開放する溝型の半地下トンネルを構築し、シールド掘削機が、地中内を掘削している間は、前記土留め作業に適した形体からシールド掘削機本来の機能形体である地中掘削に適した形体に変化させてトンネルを構築することを特徴とする。
ここで、半地下トンネルとは、シールド掘削機が地上部分に臨む領域を掘削するに連れてその後方に構築され地表に開放された溝型の形成路をいうことにし、トンネルとはシールド掘削機が、地中を掘削して形成されたをいうことにする。

0014

また本発明は、この半地下トンネルとトンネルの構築方法で用いられるシールド掘削機である。このシールド掘削機には、前記半地下トンネルを構築する場合に使用される装置であって当該半地下トンネルに土留めを形成するための土留め形成装置装備され、当該土留め形成装置は、シールド掘削機が前記半地下トンネルを構築するに当たり土留め形成を要する場合にはシールド掘削機本体から出されるが、シールド掘削機が地中を掘削することによりトンネルを形成している間は、シールド掘削機の本体に収納されることを特徴とする。

0015

前記土留め形成装置は、前記半地下トンネルの両側面にそれぞれ対向して設けられることにより土留めとなる左右一対側板部を有する。この側板部はシールド掘削機の本体に対して出入りする。
前記側板部は、前記シールド掘削機の進行方向において伸縮する伸縮板を有する。そして、この伸縮板は前記側板部に対して出入りする。

0016

前記シールド掘削機は、当該シールド掘削機が前記トンネルを構築している間において地表との間の距離が所定寸法未満の場合には進行方向側に突出するが、地表との間の距離が前記所定寸法以上の場合には収納されるフードを有する。

0017

シールド掘削機は、前記半地下トンネル又は前記トンネルを覆工するためのセグメント
を組み立てる組立装置を備える。この組立装置によってセグメントが覆工される前記半地下トンネル又はトンネルは、その形が相違する。前記半地下トンネルはその横断面が地上に開口したU字形であるのに対し、前記トンネルは、その横断面が矩形状をした閉塞形である。

0018

前記土留め形成装置が機能している場合において、前記側板部の一部が前記半地下トンネルを構築するために覆工されたセグメントに対して又はセグメントが未だ覆工されていない状態にある半地下トンネルのセグメント覆工予定箇所に対してオーバーラップできるように、前記側板部は、前記半地下トンネルに対しシールド掘削機の幅方向で外側に位置すると共に、シールド掘削機本体の後方に延在されている。

0019

本発明は、シールド掘削機が地表から地中に入った後は、シールド掘削機を地中内で進行させた後、シールド掘削機が地表から地中に入った手順の逆順で地表に出せばよいので、シールド掘削機の発進側立坑及び到着側立坑を構築する必要がない。また、立坑間のみをシールド掘削機が進行するでわけではないので、シールド掘削機を長期に亘って使用することができる。

0020

またシールド掘削機は、シールド掘削機が地上部分に臨む領域を掘削して、半地下トンネルを構築する間は、シールド掘削機の形体が土留め作業に適したものとなる。そのためにシールド掘削機には半地下トンネルの両側面にそれぞれ対向する土留め装置が装備され、この土留め装置には、シールド掘削機の本体に対して昇降する左右一対の側板部を有しているので、半地下トンネルを構築する場合には左右一対の側板部をシールド掘削機の本体から上昇させることで、シールド掘削機で掘削を行うのとほぼ同時にシールド掘削機本体に対する土留めができる。したがって、シールド掘削機を進行させることでできた半地下トンネルのうち、少なくともシールド掘削機の両側面に対向する地盤の変状を容易に抑制できるため、シールド掘削機本体に土砂が崩れるのを抑制できる。また、側板部はシールド掘削機の本体に対して出入りするから土留めの長さ調整も簡単である。

0021

シールド掘削機でトンネルを構築できるので、パイプルーフ工法を適用する必要もない。

発明の効果

0022

本発明によれば、作業の効率性に優れ、もって工期の短縮化が可能なトンネルの構築技術を提供できる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態)を添付した図面を参照して説明する。
まず、図1図3を用いて本発明に係るシールド掘削機1を説明する。

0024

本実施形態に係るシールド掘削機1によるアンダーパス工法が、これまでのものと相違する点は、シールド掘削機1にはその発進側立坑及び到着側立坑を設けず、シールド掘削機1により発進側の地表面より直接掘削して地中内を進行し、これにより既存又は構築予定の相手方路線と地下道形式で立体交差させ、当該交差後も前記シールド掘削機1を到着側の地表面に向けて地中内を掘削させて地中から地表面に出るようにしている点にある。また、シールド掘削機1も改良し、シールド掘削機1が地中を掘削する場合と、地上部分に臨む領域を掘削する場合とで、その形体を変化できるようになっている。

0025

シールド掘削機1が地上部分に臨む領域を掘削している間、シールド掘削機1は土留め作業に適するように形体変化し、地中内で掘削している間、シールド掘削機はシールド掘削機本来の地中掘削に適した形体に変化する。そのためシールド掘削機1には、土留め形
成装置3が備えられている。なお、シールド掘削機1が地上部分に臨む領域を掘削するに連れてその後方に構築され地表に開放された溝型の形成路を半地下トンネルということにし、シールド掘削機1が、地中を掘削して形成された坑をトンネルということにし、それぞれ符号2及び2Aで示す。

0026

なお、シールド掘削機1はその本来の装備に関しては周知事項であるため、当該周知事項については簡単に述べる。

0027

シールド掘削機1は、直方体形状をしており、その前面部にカッター機構10を備えている(図1参照)。また、シールド掘削機1には図示しないジャイロコンパスその他シールド掘削機1の進行方向や勾配を検知するための装置、進行方向や勾配を調整する装置、掘削したばかりの半地下トンネルやトンネルに覆工するためのセグメントを組み立てるための装置であるエレクターその他の装置を装備する。

0028

次に土留め形成装置3について、各図を参照して述べる。
土留め形成装置3は、シールド掘削機1の本体11の両側部に設けられており、いずれも構造は同じである。

0029

土留め形成装置3は、本体11の内部両側にそれぞれ配置されている(図1及び図2参照)。詳しくは、土留め形成装置3は、シールド掘削機1が半地下トンネル2の左右両側面2R・2L(図6参照)にそれぞれ対向する左側板部31L及び右側板部31Rを有し、これら左右の側板部31L・31Rは、本体11内に設けられた図示しない特定のガイドに案内されながら複数(この実施形態では4本)の昇降用油圧ジャッキ31vによって昇降される(図1図2図4,図7,図8及び図14,図15参照)。左右の側板部31L・31Rが上昇した位置にあるときに側板部31L・31Rによって土留めが形成される。

0030

また、土留め形成装置3は、昇降ばかりかシールド掘削機1の進行方向にも伸縮するようになっており、土留め形成装置3の側板部31L・31Rの内部に配置された複数(この実施形態では3本)の水平移動用油圧ジャッキ31hによって伸縮壁311が、側板部内の図示しない特定のガイドに案内されて側板部31L・31Rに対して出入りする(図1図2及び図4等参照)。なお、伸縮壁311が左右側板部31L・31Rから出ている・いないに拘わらず、昇降用油圧ジャッキ31vによって左右側板部31L・31Rが上昇された状態にある場合をシールド掘削機が土留め作業に適した形体にあるという。反対に、昇降用油圧ジャッキ31vによって左右側板部31L・31Rが降下された状態にある場合を地中掘削に適した形体にあるという。なお、シールド掘削機の進行具合によっては、次に述べるフード7が延びている状態も含めることができる。

0031

さらに、シールド掘削機1は、その本体11の天井部111にシールド掘削機1が地中を掘削している間においてシールド掘削機1の先端と地表との間の距離L(図10(b),図12(b)参照)が所定寸法未満の場合に、進行方向側に突出するが、地表との間の距離がL以上の場合には収納されるフード7を有する(図1及び図2参照)。

0032

フード7は、シールド掘削機1による掘削深度余り深くない場合にシールド掘削機1と地表との間にある土や砂礫崩落するのを防止するためのものであり、シールド掘削機の進行方向側に伸縮自在に突出する(図1図2,図10及び図12参照)。フード7は、シールド掘削機1の天井部111の内部に配置された複数(この実施形態では8本)のフード用油圧ジャッキ31c(図1及び図2参照)によって、天井部内の図示しない特定のガイドに案内されながら天井部111に対して出入りする。

0033

また、シールド掘削機1は、これが掘削するに連れてその後方に形成される半地下トンネル2(又はトンネル2A)を掘削し、掘削面を覆工するためのセグメントを組み立てるセグメント組立装置であるエレクター9を備える。

0034

当該覆工により永久構造物としての擁壁12が構築される。擁壁12が構築された状態の、半地下トンネル2とトンネル2Aとではそれらの形が相違する(図1及び図2参照)。

0035

このようにセグメントにより半地下トンネル2又はトンネル2Aが覆工されることで、シールド掘削機1によって掘削された掘削面は土留めがされた状態となる。また、当該土留めがされた状態で、半地下トンネル2はその横断面が地上に開口したU字形であるのに対し、トンネル2Aは、その横断面が矩形状をした閉塞形である。なお、半地下トンネル2又はトンネル2において、セグメントが未だ覆工されていない状態にある箇所をセグメント覆工予定箇所という。

0036

そして、半地下トンネル2に適用されるセグメントによって構築された土留めを擁壁12というのに対し、トンネル2Aを形成する場合に適用されるセグメントは地中に配置されるので当該セグメントによって構築された土留めを、便宜上、地中内擁壁といい符号12Aで示す。

0037

セグメントそのものやエレクター9については、周知の事項であるからここでは説明を省略する。

0038

次にこのようなシールド掘削機1を用いて既存又は構築予定の相手方路線17に対して、地下道形式で立体交差する新たな路線55の構築方法について説明する。
(1)シールド掘削機1の進行方向及び進行時の勾配を調整しながらシールド掘削機1により地表面を直接掘削して半地下トンネル2を構築する(図5のS1,図6(a)及び図6(b)参照)。

0039

このとき所定領域までは、ショベルカー(バックホウその他の油圧ショベル)やダンプカーその他の建設機械19により主たる掘削作業を行う。そしてシールド掘削機1による掘削を補助的に行う。これらショベルカー(バックホウその他の油圧ショベル)やダンプカーその他の建設機械19によって掘削した土は、建設汚泥として産業廃棄処分される土(以下、廃土)としての取扱いが為されない。このため、環境保全に好適といえる。

0040

(2)掘削の進行に合わせて半地下トンネル2には、エレクター9によって半地下トンネル2に擁壁12が構築されて行く(図5のS2,図7(a)及び図7(b)参照)。そして、地中へ向けての進行が進み、掘削深度が大きくなるに連れ、擁壁12の高さ寸法は次第に大きくされる(図5のS3,図8(a)及び図8(b)参照)。

0041

(3)掘削深度が大きくなるに連れ、昇降用油圧ジャッキ31vを作動して本体11内の土留め形成装置3を上昇させ、その後、水平移動用油圧ジャッキ31hによって伸縮壁311を側板部31L・31Rから出す(図2図5のS3,図4,図8(a)及び図8(b)参照)。なお、所定深度に至るまで掘削した場合には、擁壁12には、剛性部材としてのストラット121が組み込まれる。

0042

(4)シールド掘削機1による掘削深度が所定の深度(例えばシールド掘削機1の大部分が地中内にある状態にまで掘進した場合の深度)に至ると、擁壁12の高さ寸法を増大し、擁壁12と地中内擁壁12Aとの境界壁である妻壁12Bを構築する(図5のS4,図9(a)及び図9(b)参照)。そして、ショベルカー等の建設機械19により掘削した土を
妻壁12Bに埋め戻し土23として埋め戻す(図9(b)参照)。

0043

また、掘削深度が大きくなるに連れ擁壁の高さ寸法を増大する。エレクター9だけで擁壁を構築するのは、環境その他の理由により必ずしも効率の良いものとはいえない。このため、地上からも組み付けられるように、妻壁12Bを構築後、又はその前後における擁壁を形成する段において、前記左右の側板部31L・31Rの一部が、擁壁12にオーバーラップするようにこれらの側板部31L・31Rは、擁壁12に対しシールド掘削機の幅方向で外側に位置するようにされている。なお、オーバーラップが実行されるのは、セグメントが未だ覆工されていない状態にある半地下トンネルのセグメント覆工予定箇所であってもよい。

0044

また、側板部31L・31Rは、相対的にシールド掘削機本体11よりも後方に延在された状態にある。このようにすることで、シールド掘削機1の天井部111には、例えば図1図3等に示すような作業用穴部111aが形成される。作業用穴部111aを介して、擁壁を構成するブロックBが地上からクレーン車によって組み立てられる(図2図3参照)。なお、作業用穴部111aを介して構成される擁壁は主として地中内擁壁12Aである。

0045

(5)さらに掘削深度が大きくなると、水平移動用油圧ジャッキ31hによって伸縮壁311を側板部31L・31Rに収納し、その後昇降用油圧ジャッキ31vを作動して本体11に土留め形成装置3を降下して収納する(図5のS5,図10(a)及び図10(b)参照)。なお、図5のS4の後、所定深度に至るまでは天井部111からフード用油圧ジャッキ31cによりフード7を出した状態にしておく。

0046

(6)シールド掘削機1が十分な深度にまで至り、シールド掘削機1と地表との間の土が崩落しなくなった時点でフード7を天井部111に収納する(図5のS6,図11(a)及び図11(b)参照)。その状態で、さらに進行して相手方路線17を地下で立体交差する。その後、シールド掘削機1は所定距離を地中内で進行する。シールド掘削機1が完全に地中内にある間は、エレクター9のみにより地中内擁壁12Aをトンネル2Aに構築する。

0047

(7)シールド掘削機1が相手方路線17を交差した後、シールド掘削機1は地表に向けて進行する。掘削深度が次第に小さくなり、シールド掘削機1と地表との間にある土や砂礫がシールド掘削機1による掘削中に崩落する虞がある深度にまで達すると(距離Lが所定寸法未満の場合)、天井部111からフード用油圧ジャッキ31cにより再びフード7を出す(図2図5のS7,図12(a)及び図12(b)参照)。

0048

(8)シールド掘削機1による掘削深度がさらに小さくなり、所定の深度(例えばシールド掘削機1の先端部が地表に突出する状態にすぐに至る程度にまでシールド掘削機1が地上に向けて進行した場合の深度)に至ると、シールド掘削機1の地表面への到達地点は予め予測できているので、シールド掘削機1の進行方向における発進側と反対側に位置する到着側の地表面をショベルカーその他の建設機械19により予め掘削しておく(図5のS8,図13(a),(b)参照)。

0049

シールド掘削機1の先端部が地表に出る寸前にまで達したら、到達側でも擁壁12と地中内擁壁12Aとの境界壁である妻壁12Bを構築する(図13(c)参照)。そして、ショベルカー等の建設機械19により掘削した土を妻壁12Bに埋め戻し土23として埋め戻す。妻壁12Bの構築を境にその後は、既述したようにシールド掘削機1の天井部111と左右の側板部31L・31Rとの間の前記(4)で述べたような作業用穴部111aを介して、地上からも擁壁を構成するセグメントを組み立てる(図2,図13(b)参照)

0050

このときも前記左右の側板部31L・31Rの一部が、擁壁12にオーバーラップするようにこれらの側板部31L・31Rは、擁壁12に対しシールド掘削機1の幅方向で外側に位置すると共に、相対的にシールド掘削機本体11よりも後方に延在されている(図5のS8,図13(a)及び図13(b),(c)参照)。

0051

(9)そして、地表へ向けての進行が進み、掘削深度がさらに小さくなるに連れ、擁壁12の高さ寸法は次第に小さくされる(図5のS9,図14(a)及び図14(b)参照)。

0052

(10)さらにシールド掘削機1による掘削の進行に合わせて半地下トンネル2には、エレクター9によって半地下トンネル2に擁壁12が構築されて行く(図5のS10,図15(a)及び図15(b)参照)。

0053

(11)シールド掘削機1が到達地点に至りシールド掘削機1及びショベルカーその他の建設機械19による半地下トンネル2の構築が終了する(図5のS11,図16(a)及び図16(b)参照)。

0054

次に本実施形態の作用効果について説明する。
シールド掘削機1は、シールド掘削機が地表から地中に入りその後地表面に出るので立坑を構築する必要がない。
また土留め装置3によってシールド掘削機1で掘削を行うのとほぼ同時に土留めが左右の側板によってできるので、地盤変状の抑制が容易にできる。

0055

シールド掘削機1でトンネルを構築できるので、パイプルーフ工法を適用する必要もない。
シールド掘削機1が地中内を進行するときは、土留め形成装置3は、シールド掘削機本体11内に収納されるので、シールド掘削機1はコンパクト化される。このため、シールド掘削機1が地中内を進行する際に回避しなければならない、下水管,ガス管,地下ケーブルその他の既存の地下埋設物の埋設地点を通過するに当たり、大きな勾配で掘進する必要がない。

0056

また、シールド掘削機1による掘削深度が余り深くない場合には、フード7により、シールド掘削機1と地表との間にある土が崩落するのを防止するので、地中内掘削中に土砂の崩落に起因したシールド掘削機1の進行が阻害されることはない。
さらに土留め形成装置3は、その左右の側板部31L及び31Rが、シールド掘削機1の進行方向に対して伸縮自在であるから、必要に応じた分の土留めの形成が容易にできる。

0057

したがって、シールド掘削機1を進行させることでできた半地下トンネル2のうち、少なくともシールド掘削機1の両側面に対向する地盤の変状を容易に抑制できるようになる。このようにして、シールド掘削機本体11に土砂が崩れるのを抑制できる。また、側板部31L及び31Rはシールド掘削機本体11に対して出入りするから、土留めの長さ調整も簡単にできる。

0058

本実施形態によれば、路線を地下内に立体交差させるに当たって、効率よくまた短い工期での実現が可能となる。

0059

なお、本発明は上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲内において種種変更を加え得ることは勿論である。

0060

例えば、本実施形態では一路線のみ構築する場合を例示したが、上下路線を構築する場合は、発進側から到着側にシールド掘削機が到着した後、到着側と発進側とを入れ替えて、前記到着側を発進側とし、前記発進側を到着側としてシールド掘削機を掘進させるとよい。

図面の簡単な説明

0061

本発明に係るシールド掘削機の全体斜視図であり、シールド掘削機本体に土留め形成装置を収納した時の状態を示す図である。
図1の状態から土留め形成装置を出しているときの状態を示す図である。
図2の平面図である。
本発明に係るシールド掘削機の土留め形成装置の作動状態を説明するための図であり、(a)は土留め形成装置がシールド掘削機に収納されている状態、(b)は、土留め形成装置がシールド掘削機から出ているが側板部に伸縮壁が収納されている状態、(c)は側板部から伸縮壁が出ている状態、(d)は側板部から出た伸縮壁が再び収納されている状態、(e)は土留め形成装置がシールド掘削機に再び収納されている状態を連続して示す図である。
本発明に係るシールド掘削機を用いてアンダーパス工法により既存路線に交差状態で新たな路線を構築している状態を示す概念図である。
図5のS1の状態にあるシールド掘削機の拡大斜視図である。
図5のS1の状態にあるシールド掘削機の側面図である。
図5のS2の状態にあるシールド掘削機を示し、半地下トンネルにセグメントが宛がわれて擁壁が構築されている状態の拡大斜視図である。
図5のS2の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS3の状態にあるシールド掘削機を示し、半地下トンネルにセグメントが宛がわれて擁壁が構築され、かつストラットを適用された状態の拡大斜視図である。
図5のS3の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS4の状態にあるシールド掘削機を示し、半地下トンネルに妻壁が宛がわれている状態の拡大斜視図である。
図5のS4の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS5の状態にあるシールド掘削機を示し、トンネルにセグメントが宛がわれて地中内擁壁が構築されている状態の拡大斜視図である。
図5のS5の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS6の状態にあるシールド掘削機を示し、トンネルにセグメントが宛がわれて地中内擁壁が構築されている状態の拡大斜視図である。
図5のS6の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS7の状態にあるシールド掘削機を示し、トンネルにセグメントが宛がわれて地中内擁壁が構築されている状態の拡大斜視図である。
図5のS7の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS8の状態にあるシールド掘削機を示し、半地下トンネルにセグメントが宛がわれて擁壁が構築され、かつストラットを適用された状態の拡大斜視図である。
図5のS8の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図13(b)に至る前段階の状態にあるシールド掘削機を示し、半地下トンネルにセグメントが宛がわれて擁壁と地中内擁壁との境界壁である妻壁が構築されている状態の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS9の状態にあるシールド掘削機を示し、半地下トンネルにセグメントが宛がわれて擁壁が構築され、かつストラットを適用された状態の拡大斜視図である。
図5のS9の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS10の状態にあるシールド掘削機を示し、半地下トンネルにセグメントが宛がわれて擁壁が構築されている状態の拡大斜視図である。
図5のS10の状態にあるシールド掘削機の側面図及び横断面図をまとめて示す図である。
図5のS11の状態にあるシールド掘削機の拡大斜視図である。
図5のS11の状態にあるシールド掘削機の側面図である。

符号の説明

0062

1シールド掘削機
2半地下トンネル
2Aトンネル
2R・2L 半地下トンネルの両側面
3土留め形成装置
7フード
9エレクター
10カッター機構
11 シールド掘削機本体
12擁壁
12A地中内擁壁
12B妻壁
17相手方路線
19建設機械
23 埋め戻し土
31L左側板部
31R右側板部
31c フード用油圧ジャッキ
31h水平移動用油圧ジャッキ
31v昇降用油圧ジャッキ
55 新たな路線
111天井部
111a作業用穴部
121ストラット
311伸縮壁
L シールド掘削機の先端と地表との間の距離

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