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技術 電子ビーム描画装置および描画方法

出願人 株式会社日立ハイテクノロジーズ
発明者 太田洋也早田康成
出願日 2005年4月13日 (15年7ヶ月経過) 出願番号 2005-115427
公開日 2006年10月26日 (14年1ヶ月経過) 公開番号 2006-294962
状態 未査定
技術分野 ホトレジスト感材への露光・位置合せ 電子顕微鏡(3) 荷電粒子線装置 電子ビーム露光
主要キーワード 一定値変化 ガウス分布曲線 ナイフエッジ形状 Y座標 主焦点 X座標 物面側 補正感度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

偏向器非点補正焦点補正重畳した場合に、焦点補正による像倍率変化や像回転が最小になり、かつ、偏向収差も最小にして高精度な描画を行うことが可能な電子ビーム描画装置を提供する。

解決手段

電子ビームの主偏向を行なう静電型主偏向器214と、電子ビームの副偏向を行なう静電型の副偏向器216とを有し、かつ、副偏向器216の上流に、電子ビームの焦点補正を行なう焦点補正器218を設け、電子ビームの非点補正を、主偏向器214と副偏向器216とを用いて行ない、電子ビームの焦点補正を、主偏向器214と焦点補正器218とを用いて行なうよう構成する。

概要

背景

LSIを代表とする半導体集積回路高密度化高集積化が急速に進み、これに伴い形成すべき回路パターン微細化も急速に進んでいる。特に100nmノード以下のパターン形成は、ウェハ上のパターン寸法の4〜5倍の大きさである、フォトマスク基板上であっても寸法誤差として数nmしか許容されない。このため、パターン発生装置としての電子ビーム描画には、極めて高い描画精度が要求されている。

電子ビーム描画装置では、描画すべきパターンデータに応じて電子ビームを偏向して位置を変えながら描画を行うのが一般的である。このため、電子ビームの軌道曲げられることにより偏向収差が発生することは避けられない。偏向に依存する収差のうち、像面湾曲による焦点のずれと、偏向非点は、それぞれ、焦点補正器非点補正器を設け、偏向位置に応じて動的に補正器を動作させることで補正が可能である。

また、電子ビーム描画に固有の問題として、電子相互作用の影響、いわゆるクーロン効果によるビームボケがある。例えば、可変矩形ビームで描画を行う場合、そのビーム寸法ビーム電流値)に依存してビームエッジボケが変化することである。クーロン効果によるビームボケは、焦点位置を補正することにより、半分程度に軽減することが可能である。

このため、ビーム偏向位置やビーム電流値に依存して、焦点補正および非点補正を行うことが実施されてきた。例えば、特開平8−195345号公報では、電磁型(コイルにより磁場を発生させる)と静電型電極により電場を発生させる)の補正器を用いて、低速と高速、軸上と偏向依存にそれぞれ分担させて補正を行っている。また、例えば、特開2001−244195号公報や特開2004−179235号公報に提案されているように、ビームの面積が大きい場合、あるいはビームの偏向量が大きい場合には、複数段の補正器を用いて収差を補正しなければ、高精度な描画を行うことができない。

図1は、従来の電子ビーム描画装置の構成例を示す断面図である。電子銃201から放出された電子ビーム202は、矩形の開口を持つ第1マスク203上に照射され、さらに第2マスク205上に結像される。第2マスク205上の像は2段の縮小レンズ206と第1対物レンズ207と第2対物レンズ208で投影され、主偏向器214および副偏向器216で偏向され、感光剤の塗布された描画対象物である試料209上に照射されて描画を行う。

このとき、第2マスク205にあらかじめ設けてある複数のパターン形状の開口を、選択偏向器204により選択し、開口形状のビームで描画することも可能である。

対物レンズ内の主偏向器214により相対的に大きな主偏向領域で電子ビームを偏向し、さらに、副偏向器216で主偏向領域よりも小さい副偏向領域を埋めるように描画を行う。主偏向器214による偏向可能な主偏向領域以外は、XYステージ210上に設置された試料209をXYステージ制御装置212により移動させて描画を行う。

描画全体は描画パターンデータに従って、描画制御装置211によって統一的に制御される。主偏向制御装置213および副偏向制御装置215によりパターンデータに応じてビームを偏向することにより描画位置を制御する。また、試料高さ計測装置219がXYステージ210上部に設けられ、試料209の高さデータを光学的手段により取得している。この試料209の高さ信号は、描画制御装置211に与えられて、焦点補正量を算出する。

XYステージ210上で試料209とほぼ同じ高さに設置した、ビーム計測用マーク220上を電子ビームで走査し、反射あるいは2次電子信号を電子検出器221で捕捉し、信号処理回路222で波形処理を行うことにより、電子ビームの偏向量、ビームサイズ、焦点位置および非点量を求めることができる。これらの値に基づいて、描画制御装置211が制御を行って実際の描画が進められる。

図1の従来例では、主偏向器214は、8極の電極で構成された静電偏向器を用いている。8極の静電偏向器は、制御回路が複雑となるものの、偏向収差を低減できるだけではなく、非点補正器を兼用可能であるため、本例の描画装置では採用している。8極の静電偏向器は、偏向板8枚が等間隔で同一円周上に配列された筒状の偏向器である。図1では断面を表示しており、2枚の偏向板のように表示されている。この8極のそれぞれの極に偏向信号と、非点補正信号を加算した信号を加え、さらに、8極の全電極に同一の値の焦点補正信号を加えている。ここでは、主偏向器214に、偏向、非点補正、焦点補正の3つの機能を持たせていることになる。

8極の主偏向器214を電子ビームの上流側(電子銃側)から見て、左回りにE1からE8とすると、印加する信号は以下の通りである。

ここで、XはX座標を示す偏向信号を、YはY座標を示す偏向信号を、rは定数(例えば√2−1)を、XsとYsは2つの方向の非点補正信号を、Dfは焦点補正信号を示す。

これらの演算は、同期して行われる必要があるため、非点補正と焦点補正も偏向信号に同期して行われる。

なお、本例では、副偏向器216も静電8極の偏向器を用いている。8極以上の偏向器でも非点補正は可能である。例えば16極の電極を用いて、隣り合う2極ずつに同じ電圧を加えてもよい。

特開平8−195345号公報
特開2001−244195号公報
特開2004−179235号公報

概要

偏向器に非点補正と焦点補正を重畳した場合に、焦点補正による像倍率変化や像回転が最小になり、かつ、偏向収差も最小にして高精度な描画を行うことが可能な電子ビーム描画装置を提供する。電子ビームの主偏向を行なう静電型の主偏向器214と、電子ビームの副偏向を行なう静電型の副偏向器216とを有し、かつ、副偏向器216の上流に、電子ビームの焦点補正を行なう焦点補正器218を設け、電子ビームの非点補正を、主偏向器214と副偏向器216とを用いて行ない、電子ビームの焦点補正を、主偏向器214と焦点補正器218とを用いて行なうよう構成する。

目的

上述のように、電子ビーム描画では、大きな領域を離散的に偏向する主偏向器と、その間を埋めるように副偏向器とを用いて描画を行っている。これは、通常、大きなビーム偏向を行えば、制御回路の整定時間(信号が安定するまでの時間)が長くなり、小さな偏向領域では整定時間が短いためである。2段の偏向を使い分けることにより、トータル描画速度を向上させるのが目的である。例えば、2段の静電型偏向器を備える装置では、主偏向器は動作電圧が高く相対的に低速、副偏向器は電圧が低く高速動作が可能である。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

電子源と、前記電子源から放出される電子ビームを、試料上に照射走査することにより、前記試料上に所望のパターンを形成する電子光学系とを備えた電子ビーム描画装置において、前記電子光学系は、複数の静電型非点補正器と、複数の静電型の焦点補正器とを具備することを特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項2

請求項1に記載の電子ビーム描画装置において、前記複数の非点補正器と前記複数の焦点補正器のうち少なくとも1つが偏向器を兼ねることを特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項3

請求項1に記載の電子ビーム描画装置において、前記複数の非点補正器のうち第1の非点補正器に特定の補正値を設定し、第2の非点補正器を用いて非点収差計測することにより前記第1の非点補正器の感度校正することを特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項4

請求項1に記載の電子ビーム描画装置において、前記複数の焦点補正器のうち第1の焦点補正器に特定の補正値を設定し、第2の焦点補正器を用いて焦点位置を計測することにより前記第1の焦点補正器の感度を校正することを特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項5

請求項1に記載の電子ビーム描画装置において、前記複数の非点補正器のうち少なくとも1つの非点補正器が動作速度の遅い偏向器に同期して動作し、少なくとも1つの別の非点補正器が動作速度の速い偏向器に同期して動作を行うことを特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項6

請求項1に記載の電子ビーム描画装置において、前記複数の焦点補正器のうち少なくとも1つの焦点補正器が動作速度の遅い偏向器に同期して動作し、少なくとも1つの別の焦点補正器が動作速度の速い偏向器に同期して動作を行うことを特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項7

請求項1に記載の電子ビーム描画装置において、前記動作速度の速い偏向器に同期して動作する焦点補正器が、前記動作速度の速い偏向器に同期して動作する非点補正器よりも前記試料から遠くに配置されていることを特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項8

請求項1に記載の電子ビーム描画装置において、前記複数の焦点補正器の少なくとも1つの焦点補正器が電子ビームの電流値もしくは電子ビームの面積に依存して動作すること特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項9

電子源と、前記電子源から放出される電子ビームを、偏向手段および電子レンズを介して試料上に照射し走査することにより、前記試料上に所望のパターンを形成する電子光学系とを備えた電子ビーム描画装置において、前記偏向手段は、前記電子ビームの主偏向を行なう静電型の主偏向器と、前記電子ビームの副偏向を行なう静電型の副偏向器とを有し、かつ、前記副偏向器の上流に、前記電子ビームの焦点補正を行なう焦点補正器を設けてなることを特徴とする電子ビーム描画装置。

請求項10

請求項9に記載の電子ビーム描画装置において、前記主偏向器および前記副偏向器は、8極以上の電極で構成された静電偏向器であり、かつ、前記電子ビームの非点補正を、前記主偏向器と前記副偏向器とにより行ない、前記電子ビームの焦点補正を、前記主偏向器と前記焦点補正器とにより行なうよう構成したことを特徴とする電子ビーム描画装置。

技術分野

0001

本発明は、半導体集積回路などの加工、描画に用いられる電子ビーム描画技術に関する。

背景技術

0002

LSIを代表とする半導体集積回路の高密度化高集積化が急速に進み、これに伴い形成すべき回路パターン微細化も急速に進んでいる。特に100nmノード以下のパターン形成は、ウェハ上のパターン寸法の4〜5倍の大きさである、フォトマスク基板上であっても寸法誤差として数nmしか許容されない。このため、パターン発生装置としての電子ビーム描画には、極めて高い描画精度が要求されている。

0003

電子ビーム描画装置では、描画すべきパターンデータに応じて電子ビームを偏向して位置を変えながら描画を行うのが一般的である。このため、電子ビームの軌道曲げられることにより偏向収差が発生することは避けられない。偏向に依存する収差のうち、像面湾曲による焦点のずれと、偏向非点は、それぞれ、焦点補正器非点補正器を設け、偏向位置に応じて動的に補正器を動作させることで補正が可能である。

0004

また、電子ビーム描画に固有の問題として、電子相互作用の影響、いわゆるクーロン効果によるビームボケがある。例えば、可変矩形ビームで描画を行う場合、そのビーム寸法ビーム電流値)に依存してビームエッジボケが変化することである。クーロン効果によるビームボケは、焦点位置を補正することにより、半分程度に軽減することが可能である。

0005

このため、ビーム偏向位置やビーム電流値に依存して、焦点補正および非点補正を行うことが実施されてきた。例えば、特開平8−195345号公報では、電磁型(コイルにより磁場を発生させる)と静電型電極により電場を発生させる)の補正器を用いて、低速と高速、軸上と偏向依存にそれぞれ分担させて補正を行っている。また、例えば、特開2001−244195号公報や特開2004−179235号公報に提案されているように、ビームの面積が大きい場合、あるいはビームの偏向量が大きい場合には、複数段の補正器を用いて収差を補正しなければ、高精度な描画を行うことができない。

0006

図1は、従来の電子ビーム描画装置の構成例を示す断面図である。電子銃201から放出された電子ビーム202は、矩形の開口を持つ第1マスク203上に照射され、さらに第2マスク205上に結像される。第2マスク205上の像は2段の縮小レンズ206と第1対物レンズ207と第2対物レンズ208で投影され、主偏向器214および副偏向器216で偏向され、感光剤の塗布された描画対象物である試料209上に照射されて描画を行う。

0007

このとき、第2マスク205にあらかじめ設けてある複数のパターン形状の開口を、選択偏向器204により選択し、開口形状のビームで描画することも可能である。

0008

対物レンズ内の主偏向器214により相対的に大きな主偏向領域で電子ビームを偏向し、さらに、副偏向器216で主偏向領域よりも小さい副偏向領域を埋めるように描画を行う。主偏向器214による偏向可能な主偏向領域以外は、XYステージ210上に設置された試料209をXYステージ制御装置212により移動させて描画を行う。

0009

描画全体は描画パターンデータに従って、描画制御装置211によって統一的に制御される。主偏向制御装置213および副偏向制御装置215によりパターンデータに応じてビームを偏向することにより描画位置を制御する。また、試料高さ計測装置219がXYステージ210上部に設けられ、試料209の高さデータを光学的手段により取得している。この試料209の高さ信号は、描画制御装置211に与えられて、焦点補正量を算出する。

0010

XYステージ210上で試料209とほぼ同じ高さに設置した、ビーム計測用マーク220上を電子ビームで走査し、反射あるいは2次電子信号を電子検出器221で捕捉し、信号処理回路222で波形処理を行うことにより、電子ビームの偏向量、ビームサイズ、焦点位置および非点量を求めることができる。これらの値に基づいて、描画制御装置211が制御を行って実際の描画が進められる。

0011

図1の従来例では、主偏向器214は、8極の電極で構成された静電偏向器を用いている。8極の静電偏向器は、制御回路が複雑となるものの、偏向収差を低減できるだけではなく、非点補正器を兼用可能であるため、本例の描画装置では採用している。8極の静電偏向器は、偏向板8枚が等間隔で同一円周上に配列された筒状の偏向器である。図1では断面を表示しており、2枚の偏向板のように表示されている。この8極のそれぞれの極に偏向信号と、非点補正信号を加算した信号を加え、さらに、8極の全電極に同一の値の焦点補正信号を加えている。ここでは、主偏向器214に、偏向、非点補正、焦点補正の3つの機能を持たせていることになる。

0012

8極の主偏向器214を電子ビームの上流側(電子銃側)から見て、左回りにE1からE8とすると、印加する信号は以下の通りである。

0013

0014

ここで、XはX座標を示す偏向信号を、YはY座標を示す偏向信号を、rは定数(例えば√2−1)を、XsとYsは2つの方向の非点補正信号を、Dfは焦点補正信号を示す。

0015

これらの演算は、同期して行われる必要があるため、非点補正と焦点補正も偏向信号に同期して行われる。

0016

なお、本例では、副偏向器216も静電8極の偏向器を用いている。8極以上の偏向器でも非点補正は可能である。例えば16極の電極を用いて、隣り合う2極ずつに同じ電圧を加えてもよい。

0017

特開平8−195345号公報
特開2001−244195号公報
特開2004−179235号公報

発明が解決しようとする課題

0018

上述のように、電子ビーム描画では、大きな領域を離散的に偏向する主偏向器と、その間を埋めるように副偏向器とを用いて描画を行っている。これは、通常、大きなビーム偏向を行えば、制御回路の整定時間(信号が安定するまでの時間)が長くなり、小さな偏向領域では整定時間が短いためである。2段の偏向を使い分けることにより、トータル描画速度を向上させるのが目的である。例えば、2段の静電型偏向器を備える装置では、主偏向器は動作電圧が高く相対的に低速、副偏向器は電圧が低く高速動作が可能である。

0019

偏向収差の観点では、副偏向領域は狭く、副偏向器のみで生ずる像面湾曲収差非点収差は小さい。従って、従来は、主偏向が動作する単位で主偏向にて生ずる像面湾曲収差や非点収差を補正すれば、副偏向器のみで生ずる収差は考慮する必要が無かった。ところが、許容される寸法誤差が数nmという世代にあっては、副偏向器で生ずる収差までも補正しなければ、要求される描画精度を達成できなくなってきた。

0020

副偏向器は高速駆動が必要なため、制御回路を構成する素子制約から用いる電圧は低い。通常、制御信号出力レンジのうち偏向信号が多くを占めるため、非点や焦点の補正に割り当てられる量は少ない。従って、主偏向器で生ずる全ての収差補正を副偏向器で行うことは困難である。このため、従来の主偏向の補正に加えて、副偏向の補正を組み合わせなければ、高精度な描画が可能とならないという課題を有していた。

0021

本発明の目的は、高精度に焦点、非点補正を行うことにより、高精度な描画を行うことが出来る電子ビーム描画技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0022

上述したように、許容される寸法誤差が数nmという世代にあっては、主偏向が動作する単位で主偏向にて生ずる像面湾曲収差や非点収差を補正するだけではなく、副偏向器で生ずる収差までも補正しなければ、要求される描画精度を達成できなくなってきた。

0023

このため、本発明では、複数の非点補正器、焦点補正器を組み合わせて用いることにより高精度な描画を行う。また、複数の非点補正器、焦点補正器を用いる場合には、補正信号に対する補正量の比、すなわち、感度が異なるのが通常である。この複数の補正器の間の感度の校正を正確に実施しなければ、結果として高精度な描画を実現することができない。このため、複数の補正器のうち1つの補正器で非点ずれ焦点ずれを発生させて、他の補正器でその非点ずれ、焦点ずれを測定し補正量を算出する方法を用いる。

0024

以下、本発明の代表的な構成例を列挙する。

0025

(1)電子源と、前記電子源から放出される電子ビームを、試料上に照射し走査することにより、前記試料上に所望のパターンを形成する電子光学系とを備えた電子ビーム描画装置において、前記電子光学系は、複数の静電型の非点補正器と、複数の静電型の焦点補正器とを具備することを特徴とする。

0026

(2)前記(1)の電子ビーム描画装置において、前記複数の非点補正器と前記複数の焦点補正器のうち少なくとも1つが偏向器を兼ねることを特徴とする。

0027

(3)前記(1)の電子ビーム描画装置において、前記複数の非点補正器のうち第1の非点補正器に特定の補正値を設定し、第2の非点補正器を用いて非点収差を計測することにより前記第1の非点補正器の感度を校正することを特徴とする。

0028

(4)前記(1)の電子ビーム描画装置において、前記複数の焦点補正器のうち第1の焦点補正器に特定の補正値を設定し、第2の焦点補正器を用いて焦点位置を計測することにより前記第1の焦点補正器の感度を校正することを特徴とする。

0029

(5)前記(1)の電子ビーム描画装置において、前記複数の非点補正器のうち少なくとも1つの非点補正器が動作速度の遅い偏向器に同期して動作し、少なくとも1つの別の非点補正器が動作速度の速い偏向器に同期して動作を行うことを特徴とする。

0030

(6)前記(1)の電子ビーム描画装置において、前記複数の焦点補正器のうち少なくとも1つの焦点補正器が動作速度の遅い偏向器に同期して動作し、少なくとも1つの別の焦点補正器が動作速度の速い偏向器に同期して動作を行うことを特徴とする。

0031

(7)前記(1)の電子ビーム描画装置において、前記動作速度の速い偏向器に同期して動作する焦点補正器が、前記動作速度の速い偏向器に同期して動作する非点補正器よりも前記試料から遠くに配置されていることを特徴とする。

0032

(8)前記(1)の電子ビーム描画装置において、前記複数の焦点補正器の少なくとも1つの焦点補正器が電子ビームの電流値もしくは電子ビームの大きさに依存して動作すること特徴とする電子ビーム描画装置。

0033

(9)電子源と、前記電子源から放出される電子ビームを、偏向手段および電子レンズを介して試料上に照射し走査することにより、前記試料上に所望のパターンを形成する電子光学系とを備えた電子ビーム描画装置において、前記偏向手段は、前記電子ビームの主偏向を行なう静電型の主偏向器と、前記電子ビームの副偏向を行なう静電型の副偏向器とを有し、かつ、前記副偏向器の上流に、前記電子ビームの焦点補正を行なう焦点補正器を設けてなることを特徴とする。

0034

(10)前記(9)の電子ビーム描画装置において、前記主偏向器および前記副偏向器は、8極の電極で構成された静電偏向器であり、かつ、前記電子ビームの非点補正を、前記主偏向器と前記副偏向器とにより行ない、前記電子ビームの焦点補正を、前記主偏向器と前記焦点補正器とにより行なうよう構成したことを特徴とする。

発明の効果

0035

本発明によれば、電子ビーム描画装置において複数の非点補正器と焦点補正器を用いて高精度に焦点、非点補正を行うことにより、高精度な描画を行うことが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0036

以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳述する。

0037

図2は、本発明の一実施例になる電子ビーム描画装置の構成を示す断面図である。図1に示すものと同じものまたは同じ機能のものには、図1と同じ参照符号を付した。図2図1との構造の相違は、新たに焦点補正器218とそれを制御する焦点補正制御装置217が付加されている点にある。

0038

図2に示す電子ビーム描画システムでは、図1の電子ビーム描画システムと同様、8極の電極で構成された主偏向器214で、偏向、非点補正、焦点補正の3つの機能を持たせている。さらに、焦点補正器218で副偏向に同期した焦点補正を行い、8極の電極で構成された副偏向器216で、副偏向に同期した非点補正行う構成とした。8極の副偏向器216のそれぞれの極には、副偏向制御装置215で偏向信号と非点補正信号を加算した信号を加えている。従って、図2に示す電子ビーム描画システムは、非点補正器が2つ(主偏向と兼用、副偏向と兼用)、焦点補正が2つ(主偏向と兼用、独立した焦点補正器)という構成である。

0039

ここで、焦点補正器218の機能を副偏向器216に兼用させても良いが、対物レンズの中で試料面に近い部分に焦点補正器を設置すると、焦点補正感度と副偏向制御装置215の出力可能な電圧との兼ね合いで、必要な焦点補正量を得ることができないため、焦点補正器218を副偏向器とは独立の構成とした。

0040

次に、電子ビームの焦点位置および非点量の測定方法について述べる。電子ビーム描画装置では、電流密度分布が概略ガウス分布のいわゆるポイントビーム方式や特定の面積を持つ可変矩形ビーム方式が一般的である。どちらの方式もナイフエッジ形状のビーム計測用マーク上を走査し、その反射電子または2次電子の信号波形を処理して、ビームボケ量を計測する方法を用いている。ビームボケ量は、信号波形を微分する方法やガウス分布曲線あるいはこれに基づき予想される走査信号フィッティングする方法で求めることができる。ビームボケ量は、直交する2つの方向(例えばXY方向)で異なる場合があるが、ここでは、両方向でビームボケを測定し、平均値を算出してビームボケとする。

0041

この方法で、最適焦点補正量および最適非点補正量を計測するためには、最適量と思われる位置からある範囲で値を変化させる必要がある。一般に最適値は、最適量を通過しないと分からない。すなわち、最適量の上下(プラス方向とマイナス方向)に値を変化させなければならない。したがって、焦点補正および非点補正の設定可能な量に余裕がなければ、計測することができないことになる。

0042

一方、高速で応答する偏向器には、応答性の高い電圧増幅器が必要である。この回路を構成する素子は、応答が高速(例えば、100ns)である反面、低電圧(数ボルトから数十ボルト)動作である。通常、偏向器と非点補正器を共用する場合、偏向に割り当てる電圧が多いため、非点補正に割り当てる電圧が少なくなる。しかし、高速で行わなければならない非点補正の量は少なく、少ない非点補正用の電圧でも十分である。ところが、最適非点補正量を計測するためには、上記のように最適量の上下に値を変化させて計測を行わなければならず、この計測を行うために必要な非点補正用の電圧を確保することができないという課題があった。このため、複数の焦点、非点補正器を用いた場合に、1つの補正器で設定した値を、別の補正器にて計測する方法を以下に示す。

0043

まず、具体的な焦点位置の測定方法について示す。

0044

前提として、対物レンズの励磁条件は通常の方法にて決定されているものとする。上記のように本実施例では、主偏向器214は、焦点補正の機能も持っている。ここでは、これを主焦点補正器、主焦点補正量とする。

0045

まず、主焦点補正器にある焦点補正設定値(主焦点補正量、例えば0)を設定し、上記の方法でビームボケ量を計測し、設定値とともに記憶する。次に、主焦点補正器の設定値を一定値変化させて(例えば、増加させて)同様にボケ量を測定し記憶する。主焦点補正器への設定を繰り返しながら、同様の測定を繰り返す。数点から数十点の測定の後、主焦点補正器の設定値に対して、ビームボケ量をプロットしたものを、図3に示す。測定したビームボケ量の測定値から近似曲線を求めることができる。この近似曲線の最小値最適焦点位置とし、そのときの値を主焦点補正器に設定する。

0046

非点量の測定も、上記と同様である。例えば、非点補正量に0を設定し、ビームボケを測定する。次に、非点補正量を変化させながら同様の測定を繰り返し、近似曲線を求める。この最小値となる点が最適非点補正量とする。非点補正は、直交する2方向が存在するため、異なる方向(例えば、X方向とY方向)でも同様の測定を行って、最適非点補正量を求める。

0047

次に、主焦点補正器と焦点補正器218との感度校正の方法について、図4を用いて説明する。ここでは、説明の便宜上、焦点補正器218を副焦点補正器と呼び、その補正量を副焦点補正量とする。

0048

テップ1:副焦点補正器に特定の値を設定する(試料面上で焦点位置をずらす)。

0049

ステップ2:主焦点補正器で焦点ずれ(主焦点補正量)を測定する。

0050

ステップ3:副焦点補正量と主焦点補正量を記憶する。

0051

ステップ4:ステップ1から3をあらかじめ指定した副焦点補正量の数だけ繰り返す。

0052

ステップ5:副焦点補正量と主焦点補正量の関係を求める。

0053

ここで、ステップ4のあらかじめ決定しておいた副焦点補正量の数とは、例えば、副焦点補正量の設定可能範囲が−1000から1000(任意単位)であった場合、設定する特定の値を−1000、−500、0、500、1000の5回変化させることである。

0054

この測定の状況を、図5に示す。図5(A)は副焦点補正量の設定値と、そのときのビームボケの関係を示している。5種の副焦点補正量の設定値に対して、図3と同様なビームボケを示す曲線を得ることができ、それぞれの最適焦点位置すなわち主焦点補正量を求めることができる。このときの、副焦点補正量の設定値と主焦点補正量との関係を図5(B)に示す。対物レンズの焦点距離に対して、焦点補正量が十分少なければ、概略線形の関係で示すことができる。このときの関係は、以下である。

0055

0056

ここで、Fsは副焦点補正量、Fmは主焦点補正量、A1、A2はフィッティングの係数である。このように、一度副焦点補正量と主焦点補正量の関係を求めてしまえば、以降はどちらの焦点補正器を用いても他方の補正器を用いた場合の焦点補正量が算出可能になる。

0057

次に、非点補正の感度校正の方法について述べる。非点補正の感度校正の方法は、焦点補正と同様である。ここでは、主偏向器214での非点補正機能を主非点補正器とし、補正量を主非点補正量、副偏向器216の非点補正機能を副非点補正器とし、補正量を副非点補正量とする。また、非点の方向をXおよびYとする。以下、図6を用いて説明する。

0058

ステップ1:副非点補正器のX方向に特定の値を設定する(試料面上で非点収差を発生)。

0059

ステップ2:主非点補正器で非点量(主非点補正量XY両方向)を測定する。

0060

ステップ3:副非点補正量と主非点補正量を記憶する。

0061

ステップ4:副非点補正器のX方向を元の値に戻す。

0062

ステップ5:副非点補正器のY方向に特定の値を設定する。

0063

ステップ6:主非点補正器で非点量(主非点補正量XY両方向)を測定する。

0064

ステップ7:副非点補正量と主非点補正量を記憶する。

0065

ステップ8:副非点補正器のY方向を元の値に戻す。

0066

ステップ9:ステップ1から8をあらかじめ指定した副非点補正量の数だけ繰り返す。

0067

ステップ10:副非点補正量と主非点補正量の関係を求める。

0068

ステップ8のあらかじめ決定しておいた副非点補正量の数とは、例えば、副焦点補正量に設定する特定の値を−100、−50、0、50、100(いずれも任意単位)の5回変化させることである。このときの、副非点補正量の設定値と主非点補正量との関係は、補正量が小さいので、XとYの2方向ともに概略線形の関係で示すことができる。このときの関係は以下である。

0069

0070

ここで、Ssxはx方向の副非点補正量、Smxはx方向の主非点補正量、Smyはy方向の主非点補正量を示し、Ssyはy方向の副非点補正量、C1、D1、E1、C2、D2、E2はフィッティングの係数である。

0071

このように、一度、副非点補正量と主非点補正量の関係を求めてしまえば、以降はどちらの非点補正器を用いても他方の補正器を用いた場合の非点補正量が算出可能になる。

0072

上記方法を用いれば、副偏向器の偏向に伴う焦点、非点の補正量を主焦点補正機能、および主非点補正機能を用いて測定可能である。更にこの値を、副偏向器での焦点、非点の補正量に換算すれば、副焦点補正器および副非点補正器で副焦点補正量、副非点補正量を直接測定することなく、副焦点補正および副非点補正が可能となる。

0073

例えば、主偏向量に依存した副偏向器で発生する像面湾曲、偏向非点収差は本来、副焦点補正器、副非点補正器で計測し、偏向量依存の補正値を算出すべきである。しかしながら、本発明の方法を用いれば、主偏向量に依存した副偏向器で発生する上記収差を、主焦点補正器および主非点補正器で計測し、副焦点補正量、副非点補正量に換算することが可能となる。これは副焦点補正器および副非点補正器のような、必要な補正量が小さく、かつ制御回路の制約(低電圧駆動)で補正の感度を計測し難い場合に有効である。

0074

ここで得られた副焦点補正量、副非点補正を行いながら、実際の描画を実施すれば高精度な描画が可能となる。

0075

図2に示す実施例では、偏向器、非点補正器、焦点補正器に全て静電型を用いている。従来の電子ビーム描画装置には、磁場を用いた電磁偏向器が用いられることが多かった。電磁偏向器は、少ない電流で大きな偏向量を得ることができる反面、渦電流などの課題も多い。これに対して、最近の電子回路技術の発展により、高電圧かつ高速な電圧発生器が開発されてきた。このため、静電偏向器でも比較的大きな偏向量を確保可能となってきた。静電偏向器は、渦電流の問題もなく、最近の描画の高精度化に寄与する点が多い。

0076

複数の静電偏向器、非点補正器、焦点補正器を用いる場合、偏向器および補正器の作る電場が重なるような配置をとることはできない。従って、これら偏向器および補正器のビーム通路光軸)上での位置関係が描画装置の性能を決定する重要な点となる。

0077

非点補正器および焦点補正器を配置する上での重要な点は、補正感度である。焦点補正器の感度はレンズ磁場と補正器が作る電場の重なりで決まる。また、非点補正器の感度は、補正器を偏向器として用いたときの偏向感度と、補正器の位置でのビームの広がりで決まる。これらの焦点補正器の感度も、非点補正器の感度もレンズの中央部から上下に外れるに従って減少する。しかし、ビームの広がりは対物レンズの物面側(上流)が小さく、相対的に像面側(下流)が大きい。

0078

従って、非点補正を効率よく行うためには、非点補正器をレンズ下流に配置する必要がある。一方、焦点補正は、ビームの広がりに依存しないため、非点補正器より上流に配置することが可能である。このため、本発明では、非点補正器を兼ねる副偏向器216の上流(試料209から遠い位置)に焦点補正器218を配置した。

0079

なお、可変矩形方式の電子ビーム描画装置では、1回のビーム照射(1ショットとする)ごとにビームサイズすなわち電子ビームの面積が変わり、それに伴ってビーム電流値が変化するために、焦点位置を補正しなければならない。1ショット終了後、高速に動作する偏向器で、次のショット位置に偏向する。このため、焦点補正器は高速に動作する偏向器に同期して、焦点補正量を変える必要がある。このため、図2の描画制御装置211では、次のビームサイズから、焦点補正量を算出し、焦点補正制御装置217を通じて焦点補正器218を駆動する。

0080

以上の実施例では、主偏向器での焦点補正と副焦点補正、主偏向器での非点補正と副偏向器での非点補正を例に説明を行ったが、複数の焦点補正器および非点補正器の間で同等のことが実施可能であり、どの組み合わせで実施しても効果は同じである。

0081

以上詳述したように、本発明によれば、偏向器に非点補正と焦点補正を重畳した場合に、焦点補正による像倍率変化や像回転が最小になり、かつ、偏向収差も最小にして高精度な描画を行うことが可能な電子ビーム描画装置を実現できる。

図面の簡単な説明

0082

従来の電子ビーム描画装置の構成を示す断面図。
本発明の一実施例になる電子ビーム描画装置の構成を示す断面図。
本発明における焦点補正器の設定値とビームボケ量の関係を説明する図。
本発明による主焦点補正器と副焦点補正器との感度校正の方法を説明する図。
本発明における、副焦点補正量の設定値とビームボケの関係から、副焦点補正量の設定値と主焦点補正量との関係を説明する図。
本発明による主非点補正器と副非点補正器との感度校正の方法を説明する図。

符号の説明

0083

201…電子銃、202…電子ビーム、203…第1マスク、204…選択偏向器、205…第2マスク、206…縮小レンズ、207…第1対物レンズ、208…第2対物レンズ、209…試料、210…XYステージ、211…描画制御装置、212…XYステージ制御装置、213…主偏向制御装置、214…主偏向器、215…副偏向制御装置、216…副偏向器、217…焦点補正制御装置、218…焦点補正器、219…試料高さ計測装置、220…ビーム計測用マーク、221…電子検出器、222…信号処理回路。

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