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技術 電波透過性カバー部材

出願人 豊田合成株式会社
発明者 藤井哲也
出願日 2005年3月31日 (15年7ヶ月経過) 出願番号 2005-103390
公開日 2006年10月19日 (14年1ヶ月経過) 公開番号 2006-287500
状態 未査定
技術分野 アンテナの細部
主要キーワード マスキング塗料 湾曲形 平凸レンズ形状 両凸レンズ形状 所定曲率 黒色塗膜 見切り線 レーダ性能
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年10月19日)のものです。
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図面 (5)

課題

加飾層見切り線が不鮮明になる問題を回避しつつ、表側透明層の表面をより大きな曲率の凸曲面にすることを可能として、該表面における立体感をより高める。

解決手段

背後にレーダ装置3が配設される外装部品たるフロントグリル2に形成された開口部2aに配設され、レーダ装置3が送・受信する電波を透過させうる電波透過性カバー部材としてのフロントグリルガーニッシュ1であって、表側透明層4と、裏側基材層5と、加飾層とを備え、表側透明層4が表側に凸となる平凸レンズ形状をなしている。表側透明層4の裏側の面の平面性を維持しつつ、表側透明層4の表側の凸レンズ面を大きく湾曲させてより大きな曲率の凸曲面とすることができる。

概要

背景

車載レーダ装置には、例えば、レーザ光を利用するレーザ式のものや、ミリ波マイクロ波等の電波を利用する電波式のものがある。このうち、電波式のレーダ装置が、レーザ式と比べて雨、、霧などの環境を受け難いこと、またミリ波等の短波長の電波なら直進性及び指向性に優れているためアンテナの小型化にも貢献しうることから、近年、注目されている。

このような車載レーダ装置は、ミリ波等を送信し、かつ、対象物に当たって反射したミリ波等を受信することで、車両前方障害物を検知したり、車間距離を測定したりする目的で使用される。このため、車載レーダ装置は、例えば、車両前面の外装部品たるフロントグリルの背後に配設される。しかし、フロントグリル自体は、エンジンルーム内にエアを取り入れるための通気口が多数設けられているとともにその表面に金属めっきが施されている場合が多く、金属の反射係数が大きいミリ波等の電波を良好に透過させることが難しい構造をしている。フロントグリルのレーザ装置前方位置に電波透過用の開口部を形成すれば、この開口部を介して電波を透過させることができるが、このままでは、車両の前方から開口部を通してレーダ装置等のエンジンルーム内が見えてしまうため、意匠性を損なう。そこで、フロントグリルに形成された電波透過用の開口部に、電波を透過させうる電波透過性カバー部材としてのフロントグリルガーニッシュを配設することにより、意匠性及び電波透過性を高めることがさなれている。

このような電波透過性カバー部材として、外装部品の表側に配置され電波透過性かつ透明な材料よりなる表側透明層と、外装部品の裏側に配置され電波透過性材料よりなる裏側基材層と、これら表側透明層及び裏側基材層の間に配設された加飾層とを備えているものが、従来、知られている(例えば、特許文献1参照)。

この電波透過性カバー部材は、ポリカーボネート(PC)やポリメタクリル酸メチルPMMA)等よりなる表側透明層の内部面(裏側基材層側の面)にインジウム蒸着等により金属薄膜を形成するとともに、この金属薄膜を残留させる部分にマスキング塗料を塗布してマスキング塗膜を形成してから、エッチングによりマスキング塗膜部分以外の金属薄膜を除去して、その後表側透明層の内部面全体にアクリル系塗料等を塗布して黒色塗膜を形成し、最後にポリフェニレンエーテル(PPE)やアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)等よりなる裏側基材層を表側透明層の内部面に接着剤等により貼り付けることにより、製造したものである。そして、この電波透過性カバー部材では、金属光沢をもたせる部分において、予め表側透明層の内部面に凹部を設けるとともに裏側基材層に凸部を設けている。こうして、エッチングされずにこの凹部に残留した金属薄膜及びマスキング塗膜(マスキング塗膜自体はカバー部材の表側から見えない)と、黒色塗膜とにより加飾層が構成されている。このため、この電波透過性カバー部材を表側から見ると、裏側基材層の凸部上に形成された金属光沢をもつ金属薄膜が、濃色の黒色塗膜を背景として、表側透明層の中で三次元的に浮かび上がって見える。

ここに、このような電波透過性カバー部材においては、電波透過性材料の肉厚が電波透過性に影響を及ぼす。すなわち、電波透過性材料の肉厚の厚い部分と薄い部分とでは、電波透過性が異なる。電波透過性カバー部材は、極端な肉厚の変化により透過性が大きく低下するため、表側の表面が平滑面若しくは緩やかな曲面となっていることが好ましい。

また、他の電波透過性カバー部材として、マスキング及びエッチングにより加飾層としての金属薄膜を残留させる代わりに、金属薄膜のうち加飾層となる部分以外の部分に、スクリーン印刷という印刷を施したものも知られている。このように印刷によって所定形状の加飾層を形成すれば、マスキング及びエッチングする場合と比較して、金属光沢をもつ加飾層の見切り線(加飾層とその周り印刷層との境界線)をより鮮明にすることができ、意匠性をより高めることが可能となる。
特開2002−135030号公報

概要

加飾層の見切り線が不鮮明になる問題を回避しつつ、表側透明層の表面をより大きな曲率の凸曲面にすることを可能として、該表面における立体感をより高める。背後にレーダ装置3が配設される外装部品たるフロントグリル2に形成された開口部2aに配設され、レーダ装置3が送・受信する電波を透過させうる電波透過性カバー部材としてのフロントグリルガーニッシュ1であって、表側透明層4と、裏側基材層5と、加飾層とを備え、表側透明層4が表側に凸となる平凸レンズ形状をなしている。表側透明層4の裏側の面の平面性を維持しつつ、表側透明層4の表側の凸レンズ面を大きく湾曲させてより大きな曲率の凸曲面とすることができる。

目的

本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、表側透明層、裏側基材層及びこれらの間に配設された加飾層を備えた電波透過性カバー部材において、加飾層の見切り線が不鮮明になる問題を回避しつつ、表側透明層の表面をより大きな曲率の凸曲面にすることを可能として、該表面における立体感をより高めるという、意匠上の要請応えることを解決すべき技術課題とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

背後にレーダ装置が配設される外装部品に形成された開口部を塞ぐように該開口部に配設され、該レーダ装置が送・受信する電波を透過させうる電波透過性カバー部材であって、前記外装部品の表側に配置される表側透明層と、該外装部品の裏側に配置される裏側基材層と、該表側透明層及び該裏側基材層の間に配設された加飾層とを備え、前記表側透明層の少なくとも一部が表側に凸となる平凸レンズ形状をなしていることを特徴とする電波透過性カバー部材。

請求項2

前記裏側基材層の少なくとも一部が裏側に凸となる平凸レンズ形状をなしていることを特徴とする請求項1記載の電波透過性カバー部材。

請求項3

前記裏側基材層は、裏面の少なくとも一部が、透過する電波を屈折により集束させる集束レンズ機能を有するフレネルレンズ面よりなることを特徴とする請求項1記載の電波透過性カバー部材。

請求項4

前記外装部品は車両用外装部品としてのフロントグリルであって、該フロントグリルの前記開口部に配設されるフロントグリルガーニッシュであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の電波透過性カバー部材。

技術分野

0001

本発明は電波透過性カバー部材に関し、詳しくは背後にレーダ装置が配設される外装部品に形成された開口部を塞ぐように該開口部に配設され、該レーダ装置が送・受信するミリ波マイクロ波等の電波を透過させうる電波透過性カバー部材に関する。本発明の電波透過性カバー部材は、例えば、ミリ波を用いる車載レーダ装置が背後に配設される車両用外装部品としてのフロントグリルに形成された開口部に配設されるフロントグリルガーニッシュに好適に用いることができる。

背景技術

0002

車載レーダ装置には、例えば、レーザ光を利用するレーザ式のものや、ミリ波やマイクロ波等の電波を利用する電波式のものがある。このうち、電波式のレーダ装置が、レーザ式と比べて雨、、霧などの環境を受け難いこと、またミリ波等の短波長の電波なら直進性及び指向性に優れているためアンテナの小型化にも貢献しうることから、近年、注目されている。

0003

このような車載レーダ装置は、ミリ波等を送信し、かつ、対象物に当たって反射したミリ波等を受信することで、車両前方障害物を検知したり、車間距離を測定したりする目的で使用される。このため、車載レーダ装置は、例えば、車両前面の外装部品たるフロントグリルの背後に配設される。しかし、フロントグリル自体は、エンジンルーム内にエアを取り入れるための通気口が多数設けられているとともにその表面に金属めっきが施されている場合が多く、金属の反射係数が大きいミリ波等の電波を良好に透過させることが難しい構造をしている。フロントグリルのレーザ装置前方位置に電波透過用の開口部を形成すれば、この開口部を介して電波を透過させることができるが、このままでは、車両の前方から開口部を通してレーダ装置等のエンジンルーム内が見えてしまうため、意匠性を損なう。そこで、フロントグリルに形成された電波透過用の開口部に、電波を透過させうる電波透過性カバー部材としてのフロントグリルガーニッシュを配設することにより、意匠性及び電波透過性を高めることがさなれている。

0004

このような電波透過性カバー部材として、外装部品の表側に配置され電波透過性かつ透明な材料よりなる表側透明層と、外装部品の裏側に配置され電波透過性材料よりなる裏側基材層と、これら表側透明層及び裏側基材層の間に配設された加飾層とを備えているものが、従来、知られている(例えば、特許文献1参照)。

0005

この電波透過性カバー部材は、ポリカーボネート(PC)やポリメタクリル酸メチルPMMA)等よりなる表側透明層の内部面(裏側基材層側の面)にインジウム蒸着等により金属薄膜を形成するとともに、この金属薄膜を残留させる部分にマスキング塗料を塗布してマスキング塗膜を形成してから、エッチングによりマスキング塗膜部分以外の金属薄膜を除去して、その後表側透明層の内部面全体にアクリル系塗料等を塗布して黒色塗膜を形成し、最後にポリフェニレンエーテル(PPE)やアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)等よりなる裏側基材層を表側透明層の内部面に接着剤等により貼り付けることにより、製造したものである。そして、この電波透過性カバー部材では、金属光沢をもたせる部分において、予め表側透明層の内部面に凹部を設けるとともに裏側基材層に凸部を設けている。こうして、エッチングされずにこの凹部に残留した金属薄膜及びマスキング塗膜(マスキング塗膜自体はカバー部材の表側から見えない)と、黒色塗膜とにより加飾層が構成されている。このため、この電波透過性カバー部材を表側から見ると、裏側基材層の凸部上に形成された金属光沢をもつ金属薄膜が、濃色の黒色塗膜を背景として、表側透明層の中で三次元的に浮かび上がって見える。

0006

ここに、このような電波透過性カバー部材においては、電波透過性材料の肉厚が電波透過性に影響を及ぼす。すなわち、電波透過性材料の肉厚の厚い部分と薄い部分とでは、電波透過性が異なる。電波透過性カバー部材は、極端な肉厚の変化により透過性が大きく低下するため、表側の表面が平滑面若しくは緩やかな曲面となっていることが好ましい。

0007

また、他の電波透過性カバー部材として、マスキング及びエッチングにより加飾層としての金属薄膜を残留させる代わりに、金属薄膜のうち加飾層となる部分以外の部分に、スクリーン印刷という印刷を施したものも知られている。このように印刷によって所定形状の加飾層を形成すれば、マスキング及びエッチングする場合と比較して、金属光沢をもつ加飾層の見切り線(加飾層とその周り印刷層との境界線)をより鮮明にすることができ、意匠性をより高めることが可能となる。
特開2002−135030号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、上述したような電波透過性カバー部材は、一般に、平板状の全体形状を有して表側透明層の表面が平坦面よりなるものや、あるいは極めてなだらかに湾曲した全体形状を有して表側透明層の表面が表側に若干凸となる緩やかな凸曲面よりなるものが多い。しかして、表側透明層の表面における立体感をより高めたいという意匠上の理由等から、この表側透明層の表面を表側に凸となる凸曲面にし、かつ、該凸曲面を構成する湾曲面を大きく湾曲させて曲率の大きな湾曲面にすることが要求される場合がある。

0009

しかし、かかる意匠上の要請応えるべく、カバー部材全体を大きく湾曲させて曲率の大きな湾曲形状にすると、加飾層部分における湾曲も大きくなることに伴って、前記マスキング塗膜を正確に塗布することが困難になったり、加飾層の見切り線をより鮮明にするための印刷を施すことが困難になったりする。このため、マスキング塗膜の形成や印刷を正確に行うことができず、加飾層の見切り線が不鮮明になるという問題がある。

0010

本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、表側透明層、裏側基材層及びこれらの間に配設された加飾層を備えた電波透過性カバー部材において、加飾層の見切り線が不鮮明になる問題を回避しつつ、表側透明層の表面をより大きな曲率の凸曲面にすることを可能として、該表面における立体感をより高めるという、意匠上の要請に応えることを解決すべき技術課題とするものである。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決する本発明の電波透過性カバー部材は、背後にレーダ装置が配設される外装部品に形成された開口部を塞ぐように該開口部に配設され、該レーダ装置が送・受信する電波を透過させうる電波透過性カバー部材であって、前記外装部品の表側に配置される表側透明層と、該外装部品の裏側に配置される裏側基材層と、該表側透明層及び該裏側基材層の間に配設された加飾層とを備え、前記表側透明層の少なくとも一部が表側に凸となる平凸レンズ形状をなしていることを特徴とするものである。

0012

ここに、本願明細書における「表側」及び「裏側」とは、本発明の電波透過性カバー部材が外装部品の開口部に配設された状態における表側及び裏側を意味する。すなわち、電波透過性カバー部材の背後に配設されるレーダ装置側が裏側であり、このレーダ装置からの電波が該電波透過性カバー部材を透過して放出される外部側が表側である。

0013

また、本願明細書における「平凸レンズ形状」とは、一面側の凸レンズ面(凸曲面)と他面側の湾曲していない略平坦面(必ずしも完全な平坦面である必要はない)とを有するものを意味し、例えば、加飾層に立体感をもたせるための段差面(凹凸面)を他面側の略平坦面が有しているものも含む意である。

0014

この電波透過性カバー部材では、表側透明層の少なくとも一部が表側に凸となる平凸レンズ形状をなしているので、この表側透明層の裏側(加飾層側)の面は平面性を維持して略平坦面となっている。すなわち、平凸レンズ形状であれば、表側透明層の裏側の面の平面性を維持しつつ、表側透明層の表側の凸レンズ面を大きく湾曲させてより大きな曲率の凸曲面とすることができる。そして、表側透明層の裏側の面が平面性を維持して略平坦面であれば、加飾層自体も湾曲させることなく平面性を維持することができ、印刷技術等を良好に行うことが可能となる。したがって、加飾層の見切り線が不鮮明になる問題を回避しつつ、表側透明層の表面をより大きな曲率の凸曲面にすることを可能として、該表面における立体感をより高めるという、意匠上の要請に応えることできる。

0015

また、この電波透過性カバー部材では、表側透明層の少なくとも一部が平凸レンズ形状をなしているので、この平凸レンズ形状の部分を透過する電波を屈折により集束させることができる。このため、レーダ装置から送信された電波を電波透過性カバー部材で集束させることができるので、電波の指向性が向上し、電波透過性カバー部材の近傍に位置する対象物を確実に検知することが可能となる。

0016

本発明の電波透過性カバー部材の好適な態様において、前記裏側基材層の少なくとも一部が裏側に凸となる平凸レンズ形状をなしている。

0017

この電波透過性カバー部材では、表側透明層及び裏側基材層の双方が平凸レンズ形状をなしているので、カバー部材全体としては両凸レンズ形状をなしており、平凸レンズ形状である場合と比較して焦点距離が短くなる。このため、この電波透過性カバー部材を透過する電波の指向性をより高めて、電波透過性カバー部材のより近傍に位置する対象物を確実に検知することが可能となる。

0018

本発明の電波透過性カバー部材の好適な態様において、前記裏側基材層は、裏面の少なくとも一部が、透過する電波を屈折により集束させる集束レンズ機能を有するフレネルレンズ面よりなる。

0019

この電波透過性カバー部材では、表側透明層が平凸レンズ形状をなすとともに裏側基材層が集束レンズ機能を有するフレネルレンズ形状をなしているので、カバー部材全体として両凸レンズ形状をなしている場合と同様に焦点距離が短くなって、電波透過性カバー部材のより近傍に位置する対象物を確実に検知することが可能となる。また、フレネルレンズ形状であれば、凸レンズ形状のように肉厚が厚くなることもないので、裏側基材層を平凸レンズ形状にする場合と比較して、カバー部材全体における薄肉化が可能となる。

0020

好適には、前記外装部品は車両用外装部品としてのフロントグリルであって、本発明の電波透過性カバー部材は、該フロントグリルの前記開口部に配設されるフロントグリルガーニッシュである。

0021

この態様によれば、加飾層の見切り線が鮮明で、かつ、表面がより立体的なフロントグリルガーニッシュを提供することができる。また、このフロントグリルガーニッシュの背後に配設される車載レーダ装置のレーダ性能においては、電波の指向性が高まり、車両の近傍に位置する対象物を確実に検知することができるようになる。

発明を実施するための最良の形態

0022

以下、本発明の電波透過性カバー部材の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明の電波透過性カバー部材を自動車のフロントグリルガーニッシュに適用したものである。

0023

(実施形態1)
図1及び図2に示される本実施形態のフロントグリルガーニッシュ1は、自動車に取り付けられた状態が図1に示されるように、自動車の外装部品たるフロントグリル2に形成された電波透過用の開口部2aを塞ぐように、図示しないブラケットボルト等の固定手段により該開口部2aに配設されている。また、このフロントグリルガーニッシュ1の背後には、フロントグリルガーニッシュ1の裏面から所定距離隔てた位置に、車載レーダ装置としてのミリ波レーダ装置3が配設されている。なお、ミリ波レーダ装置3は、周波数76.5GHzのミリ波を送・受信する送・受信アンテナ(図示せず)を有している。

0024

このフロントグリルガーニッシュ1は、ミリ波レーダ装置3が送・受信するミリ波を透過させることができ、フロントグリル2の表側(自動車の外側で、図1の左側)に配置される表側透明層4と、フロントグリル1の裏側、すなわちミリ波レーダ装置3側に配置される裏側基材層5と、これら表側透明層4及び裏側基材層5の間に配設された加飾層6とを備えており、フロントグリル2の表側から表側透明層4、加飾層6、裏側基材層5の順で積層された構造をなしている。そして、フロントグリルガーニッシュ1は、全体として両凸レンズ形状をなしている。

0025

表側透明層4は、透明な電波透過性材料(誘電体材料)としてのPC(ポリカーボネート)よりなる。そして、フロントグリルガーニッシュ1の分解断面図が図2に示されるように、この表側透明層4は、表側に凸となる平凸レンズ形状の全体形状を有しており、表側の表面全体所定曲率をもつ凸レンズ面(凸曲面)41よりなり、裏側の裏面全体が平面状の略平坦面42よりなる。なお、この裏側の略平坦面42には、所定位置に所定形状の凹部42aが形成されている。

0026

裏側基材層5は、電波透過性材料(誘電体材料)としてのAES(アクリロニトリル・エチレンプロピレンスチレンポリマー)よりなる。この裏側基材層5は、裏側に凸となる平凸レンズ形状の全体形状を有しており、裏側の裏面全体が所定曲率をもつ凸レンズ面(凸曲面)51よりなり、表側の表面全体が平面状の略平坦面52よりなる。なお、この表側の略平坦面52には、前記凹部42aと対応する位置及び形状の凸部52aが形成されている。

0027

加飾層6は、裏側基材層5の表面全体にインジウム蒸着により形成された金属薄膜61と、この金属薄膜61上の所定位置に所定形状に形成された黒色のアクリル系塗料よりなる印刷層62とからなる。この印刷層62は、裏側基材層5の略平坦面52に形成された凸部52a以外の部分に形成されている。このため、このフロントグリルガーニッシュ1を表側から見ると、印刷層62の部分の黒色を背景として、凸部52a上に形成された金属薄膜61による金属光沢をもつ銀色が表側透明層4内で浮かび上がるように立体的に見える。

0028

ここに、加飾層6を構成する金属薄膜61は、金属中で特に電波透過率の高いインジウムよりなる。また、加飾層6を構成する印刷層62は、電波透過性材料としてのアクリル系塗料よりなる。さらに、これら金属薄膜61及び印刷層62は、いずれも表側透明層4及び裏側基材層5と比べて極めて薄い。したがって、フロントグリルガーニッシュ1におけるミリ波透過率に対して加飾層6が及ぼす影響はほとんど無視することができる。そして、表側透明層4を構成するPCと、裏側基材層5を構成するAESとは、ほぼ同等の比誘電率ε(≒2.6)を有している。このため、フロントグリルガーニッシュ1全体の比誘電率もほぼεであり、このフロントグリルガーニッシュ1を透過するミリ波の透過速度はほぼε-1/2となる。

0029

上記構成を有する本実施形態のフロントグリルガーニッシュ1は、例えば、以下のようにして製造することができる。まず、射出成形により、表側透明層4及び裏側基材層5をそれぞれ所定形状に成形する。そして、裏側基材層5の表面全体にインジウム蒸着を施して金属薄膜61を形成する。その後、スクリーン印刷という印刷技術により、金属薄膜61上に印刷層62を形成する。最後に、接着剤により加飾層6が形成された裏側基材層5と表側透明層4とを貼り付けて、本実施例のフロントグリルガーニッシュ1を完成する。

0030

したがって、このフロントグリルガーニッシュ1では、表側透明層4が表側に凸となる平凸レンズ形状をなしているので、この表側透明層4の裏側(加飾層側)の面は平面性を維持して略平坦面42となっている。このように平凸レンズ形状をなす表側透明層4によれば、表側透明層4の裏側の面の平面性を維持しつつ、表側透明層4の表側の凸レンズ面41を大きく湾曲させてより大きな曲率の凸曲面とすることができる。そして、表側透明層4の裏側の面が平面性を維持して略平坦面42であれば、加飾層6自体も湾曲させることなく平面性を維持することができ、印刷技術を良好に行って印刷層62を正確に形成することが可能となる。したがって、加飾層6の見切り線が不鮮明になる問題を回避しつつ、表側透明層4の表面をより大きな曲率の凸曲面にすることができ、該表面における立体感をより高めるという、意匠上の要請に応えること可能となる。

0031

また、このフロントグリルガーニッシュ1は、表側透明層4が平凸レンズ形状をなすとともに、裏側基材層5も平凸レンズ形状をなしており、全体としては両凸レンズ形状をなしている。このため、このフロントグリルガーニッシュ1を透過する電波を大きく屈折させて短い焦点距離で集束させることができる。このため、ミリ波レーダ装置3から送信されたミリ波をフロントグリルガーニッシュ1で鋭く集束させることができるので、ミリ波の指向性が向上し、フロントグリルガーニッシュ1の近傍に位置する対象物、すなわち車両前方の近傍位置にある対象物を確実に検知することが可能となる。

0032

よって、本実施形態によれば、加飾層6の見切り線が鮮明で、かつ、表面がより立体的なフロントグリルガーニッシュ1を提供することができる。また、このフロントグリルガーニッシュ1の背後に配設されるミリ波レーダ装置3のレーダ性能においては、ミリ波の指向性が高まり、車両の近傍に位置する対象物を確実に検知することができるようになる。

0033

また、本実施形態のフロントグリルガーニッシュ1では、表側透明層4及び裏側基材層5によりカバー部材として必要な剛性を確実に確保することができる。また、表側透明層4及び裏側基材層5の間に加飾層6が配設されているので、この加飾層6を所定形状に形成することにより、意匠性を高めることができる。さらに、加飾層6上に被覆される表側透明層4により、加飾層6を保護することができるとともに、加飾層6の立体感を高めることもできる。

0034

なお、対象物で反射したミリ波は、再びフロントグリルガーニッシュ1を透過してミリ波レーダ装置3により受信される。この受信時にも、フロントグリルガーニッシュ1を透過するミリ波が集束されることになる。このため、ミリ波レーダ装置3の受信面を小さくすることができ、ひいてはミリ波レーダ装置3の小型化を図ることができる。

0035

この実施形態では、フロントグリルガーニッシュ1を構成する表側透明層4及び裏側基材層5の全体をそれぞれ平凸レンズ形状にしてフロントグリルガーニッシュ1全体を両凸レンズ形状にする例について説明したが、フロントグリルガーニッシュ1の周縁部等に均一肉厚部等を設けることにより、フロントグリルガーニッシュの中央部分等のみを部分的に凸レンズ形状としてもよい。また、フロントグリルガーニッシュに部分的に設ける凸レンズ形状は1個に限らず、複数個設けてもよい。

0036

(実施形態2)
本実施形態は、前記実施形態1のフロントグリルガーニッシュ1において、裏側基材層5の形状を変更したものである。

0037

すなわち、この裏側基材層5は、図3に示されるように、略平板状の全体形状を有しており、裏側の裏面全体が平面状の平坦面53よりなる。なお、裏側基材層5の表側の表面全体は、前記実施形態1と同様、略平坦面52よりなる。

0038

このため、このフロントグリルガーニッシュ1は、表側透明層4のみが平凸レンズ形状をなしており、全体としても平凸レンズ形状をなしている。

0039

したがって、本実施形態のフロントグリルガーニッシュ1は、フロントグリルガーニッシュ1の全体が両凸レンズ形状をなす前記実施形態1の場合と比較して、透過したミリ波が集束する際の焦点距離が長くなるとともに、フロントグリルガーニッシュ1の特に中央部分における薄肉化が可能となる。

0040

その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様である。

0041

(実施形態3)
本実施形態は、前記実施形態1のフロントグリルガーニッシュ1において、裏側基材層5の形状を変更したものである。

0042

すなわち、この裏側基材層5は、図4に示されるように、略平板状の全体形状を有しており、裏側の裏面全体が透過するミリ波を屈折により集束させる集束レンズ機能を有するフレネルレンズ面54よりなる。

0043

このため、このフロントグリルガーニッシュ1は、全体としては平凸レンズ形状をなしている。

0044

したがって、このフロントグリルガーニッシュ1は、表側透明層4が平凸レンズ形状をなすとともに裏側基材層5が集束レンズ機能を有するフレネルレンズ形状をなしているので、フロントグリルガーニッシュ1全体として両凸レンズ形状をなしている前記実施形態1と同様のレンズ機能を有して前記実施形態1と同様に焦点距離が短くなって、フロントグリルガーニッシュ1のより近傍に位置する対象物を確実に検知することが可能となる。

0045

また、フレネルレンズ形状であれば、凸レンズ形状のように肉厚が厚くなることもないので、裏側基材層5が平凸レンズ形状である前記実施形態1の場合と比較して、フロントグリルガーニッシュ1の特に中央部分における薄肉化が可能となる。

0046

その他の構成及び作用効果は、前記実施形態1と同様である。

0047

(その他の態様)
なお、前記実施形態では、フロントグリルガーニッシュ1の裏面から後方に所定距離だけ隔てた位置にミリ波レーダ装置3を別体として配設する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前面が開放した前方開口部をもつ箱状等のケースの該前面開口部をフロントグリルガーニッシュ1の背面で覆ったり、あるいは前面が電波を透過しうる電波透過性材料(誘電体材料)よりなるケースの該前面にフロントグリルガーニッシュ1の背面を貼り付けたりすることにより、フロントグリルガーニッシュ1とケースとを一体的に結合し、このケース内にレーダ装置として必要な機能を有する送・受信アンテナ等を内蔵させてもよい。

0048

また、前記実施形態では、電波としてミリ波の例について説明したが、ミリ波以外の電波、例えばマイクロ波を用いたレーダ装置としてもよい。

0049

さらに、前記実施形態では、表側透明層及び裏側基材層に合成樹脂を採用したが、合成樹脂の変わりにガラスを用いることもできる。

0050

加えて、加飾層として、金属蒸着を施す代わりに、金属めっき層金属箔の貼り付けを施してもよい。また、インジウム以外の金属であってもよい。

図面の簡単な説明

0051

本発明の実施形態1に係り、フロントグリルガーニッシュを車両に取り付けた状態を模式的に示す断面図である。
本発明の実施形態1に係り、フロントグリルガーニッシュを分解した状態を示す分解断面図である。
本発明の実施形態2に係り、フロントグリルガーニッシュを車両に取り付けた状態を模式的に示す断面図である。
本発明の実施形態3に係り、フロントグリルガーニッシュを車両に取り付けた状態を模式的に示す断面図である。

符号の説明

0052

1…フロントグリルガーニッシュ(電波透過性カバー部材)
2…フロントグリル(外装部品)
2a…開口部 3…ミリ波レーダ装置
4…表側透明層5…裏側基材層
6…加飾層41、51…凸レンズ面
42、52…略平坦面 54…フレネルレンズ面
61…金属薄膜62…印刷層

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