図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
多翼型送風機にて負荷圧力変動に対する送風量の変動を著しく少なくした性能(以下高勾配曲線性能と云う)を得る為には、多翼ランナーの直径を大きく、かつ多翼ランナーの幅を小さくする方法、もしくは多翼ランナーの回転数を上げる方法があった。しかし送風機を大きく設計する必要があり、または回転数を高くする場合は騒音、消費電力が高くなる欠点があった。
また、精密な送風量の自動調整を行う場合は、図6に示す外部の圧力変動検知器51により負荷圧力の変動もしくは実風速検知器52により実風速値の変動を検知し、ドライバー53により送風機の常時回転数制御を行い、送風量を一定に維持する方法があった。しかしこれらの方法は、送風機以外に高額な検知器が必要となり、初期調整にも技術を要した。
一般的な多翼型送風機の場合負荷圧力(Pa)に対する送風量(m3/min)の特性(以下P−Q特性と云う)は、図1に示す性能特性となり、使用する環境の負荷圧力1により送風量2が得られる。この送風量は電源圧力の変動を受けやすく、また使用環境において不特定な外的要因により負荷の圧力が変動1−aした場合には、送風量の変動が2−aとなる。いずれの場合も高精度に一定風量を維持することが困難である。特に電動機に交流インダクションモーターを使用する場合は図2の如く、送風量が多くなるとすべりを生じ、回転数3が低下し、負荷圧力に対する送風量の特性P−Q特性4が実線で示す如くブラシレスモーターの場合の点線で示すP−Q特性4と変化する。最近では省電力化を図るため、多翼型送風機の電動機に直流型ブラシレスモーターを使用する場合がある。(特許文献1)この場合電源電圧の変動に影響を受けない。しかしすべりがなく、回転数3−aを一定に維持する制御を行う結果、P−Q特性は4−aとなるため、負荷圧力変動1−aに対する送風量の変動2−bが更に顕著であった。
特開2004−150697号公報
概要
多翼型送風機の形状変更や回転数を高く設定することなく、かつ直流ブラシレスモーターを使用し、負荷圧力変動が生じた際に風量変動が少ない高勾配曲線の得られる、省電力、低騒音、省スペース設計の多翼型送風機を得る。駆動手段として直流ブラシレスモーターを備え、該モーターにその使用電流値の制限値を任意に設定できる電流値制限手段を付加してなる。また、直流ブラシレスモーター制御用の、電流値のモニターや電流制限値の設定を行う設定ユニットを有する制御用ドライバーを備えてなるものである。
目的
上記の点に鑑みて、本発明は多翼型送風機の形状変更や回転数を高く設定することなく、かつ直流ブラシレスモーターを使用し、負荷圧力変動が生じた際に風量変動が少ない高勾配曲線の得られる、省電力、低騒音、省スペース設計の多翼型送風機を得ることを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
本発明は、空気調和、清浄度管理及び局所排気が必要な設備や機器において、直流ブラシレスモーターを使用し、省電力かつ高勾配曲線性能を得られ、不特定な負荷圧力の変動に対し、高精度に一定送風量を維持することの出来る多翼型送風機に関する。
背景技術
0002
多翼型送風機にて負荷圧力変動に対する送風量の変動を著しく少なくした性能(以下高勾配曲線性能と云う)を得る為には、多翼ランナーの直径を大きく、かつ多翼ランナーの幅を小さくする方法、もしくは多翼ランナーの回転数を上げる方法があった。しかし送風機を大きく設計する必要があり、または回転数を高くする場合は騒音、消費電力が高くなる欠点があった。
0003
また、精密な送風量の自動調整を行う場合は、図6に示す外部の圧力変動検知器51により負荷圧力の変動もしくは実風速検知器52により実風速値の変動を検知し、ドライバー53により送風機の常時回転数制御を行い、送風量を一定に維持する方法があった。しかしこれらの方法は、送風機以外に高額な検知器が必要となり、初期調整にも技術を要した。
0004
一般的な多翼型送風機の場合負荷圧力(Pa)に対する送風量(m3/min)の特性(以下P−Q特性と云う)は、図1に示す性能特性となり、使用する環境の負荷圧力1により送風量2が得られる。この送風量は電源圧力の変動を受けやすく、また使用環境において不特定な外的要因により負荷の圧力が変動1−aした場合には、送風量の変動が2−aとなる。いずれの場合も高精度に一定風量を維持することが困難である。特に電動機に交流インダクションモーターを使用する場合は図2の如く、送風量が多くなるとすべりを生じ、回転数3が低下し、負荷圧力に対する送風量の特性P−Q特性4が実線で示す如くブラシレスモーターの場合の点線で示すP−Q特性4と変化する。最近では省電力化を図るため、多翼型送風機の電動機に直流型ブラシレスモーターを使用する場合がある。(特許文献1)この場合電源電圧の変動に影響を受けない。しかしすべりがなく、回転数3−aを一定に維持する制御を行う結果、P−Q特性は4−aとなるため、負荷圧力変動1−aに対する送風量の変動2−bが更に顕著であった。
特開2004−150697号公報
発明が解決しようとする課題
0005
上記の点に鑑みて、本発明は多翼型送風機の形状変更や回転数を高く設定することなく、かつ直流ブラシレスモーターを使用し、負荷圧力変動が生じた際に風量変動が少ない高勾配曲線の得られる、省電力、低騒音、省スペース設計の多翼型送風機を得ることを目的とする。
課題を解決するための手段
0006
請求項1記載の発明は、駆動手段として直流ブラシレスモーターを備え、該モーターにその使用電流値の制限値を任意に設定できる電流値制限手段を付加してなるものとした。
請求項2記載の発明は、直流ブラシレスモーター制御用の、電流値のモニターや電流制限値の設定を行う設定ユニットを有する制御用ドライバーを備えてなるものとした。
発明の効果
0007
本発明は直流ブラシレスモーターに、その使用電流値を適宜設定することの出来る電流値制限手段を設けたために、使用電流値を制限しモーターの回転数を低下させ、負荷圧力に対する送風量の変動を著しく少なくした高勾配曲線性能を得ることが出来、負荷圧力の変動が生じても送風量の変動を少なくすることが可能となった。
更には省電力、低騒音化の面でも有効である。
発明を実施するための最良の形態
0008
本発明は、直流ブラシレスモーターの使用電流値を検知し、多翼型送風機の任意な送風量にて、使用電流値に制限を設けることにより、直流ブラシレスモーターの回転数を低下させ、多翼型送風機のP−Q特性を変化させる。これにより省電力でかつ負荷圧力変動に対する送風量の変動を著しく少なくした性能(以下、高勾配曲線性能と略す)の多翼型送風機を可能とした。
0009
図4に本発明の構成を示す。多翼型送風機14に直流ブラシレスモーター15を組み込み、その制御は専用のドライバー16にて行われる。電流値のモニターや電流制限値の設定は、専用の設定ユニット17にて可能としている。
0010
図3に通常の直流ブラシレスモーターを使用した多翼型送風機の性能特性を示す。この場合、回転数を一定8とする制御を行うため、P−Q特性9は負荷圧力の変動に対する送風量変動は大きく、送風量の増加に伴い出力電流10は上昇する。上記出力電流の上昇を阻止するために、使用する電流値を任意に制限できる機能である電流制限値を設定ユニット17に入力しておいた制限用ドライバー16の作動によって、使用する電流値は制限される。
0011
電流値制限を設定した場合、図3の電流値11は制限値以上に上昇せず、回転数12は低下し、そのP−Q特性13は高勾配曲線性能が得られる。これにより負荷圧力の変動1−aが発生しても送風量変動2−cは極めて少なくほとんどない。したがって外部の検知器や自動出力補正装置を使用せず高精度に一定送風量を維持することができる。
0012
電流値制限の設定の有無による比較評価を実機試験にて行った結果を図5に示す。初期負荷圧力18に対し、圧力上昇を20%負荷し電流値制限がない場合は送風量の低下19−aが14%であった。同様に電流値制限を設定した場合の送風量の低下19−bは2%であった。
0013
また、同形状の多翼型送風機に交流インダクションモーターを組み込んだ場合の消費電力は430Wであったのに対し、直流ブラシレスモーターの場合は308Wであり28%の省電力が得られた。本発明により省電力でかつ高勾配曲線性能が得られる多翼型送風機が得られた。
図面の簡単な説明
0014
一般的な多翼型送風機の性能特性を示す図。
交流インダクションモーターと直流ブラシレスモーターとの性能特性比較図。
電流値制御時の性能特性を示す図。
本発明装置の概略図。
実機比較の結果を示す図。
送風量の自動補正の説明図。
符号の説明
0015
14多翼型送風機
15直流ブラシレスモーター
16制御用ドライバー
17 設定ユニット
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成