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技術 光学素子の表面精度改善方法及びその装置

出願人 亜洲光学股ふん有限公司
発明者 趙聖瑞郭惠娟
出願日 2005年12月26日 (15年0ヶ月経過) 出願番号 2005-373220
公開日 2006年10月19日 (14年2ヶ月経過) 公開番号 2006-281765
状態 拒絶査定
技術分野 光学要素・レンズ プラスチック等の成形用の型 プラスチック等の射出成形
主要キーワード 支持形状 成型構造 ウェーブフロント 表面形状精度 荒摺り 設計サイズ 光学的領域 射出成型用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年10月19日)のものです。
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図面 (9)

課題

金型コアの移動によって、光学素子とその基準面の構造に与える影響を抑制し、前記光学素子の表面精度を高める光学素子の表面精度改善方法及びその装置を提供する。

解決手段

成型する金型によって光学素子の表面精度を高める方法であって、該光学素子は少なくとも2つのブロックを備え、前記金型は少なくとも固定側コアと、固定側型板と、可動側コアと、可動側型板と、これらのコアの間に形成されるキャビティと、を含み、溶解した前記光学素子の原料を前記金型のスプルーから前記キャビティに注入し、前記金型を開閉させる等の工程を経て前記光学素子を前記キャビティ内に形成し、前記金型の可動側コアの前記光学素子の両ブロックに対応する構造に一体化設計の方式を採用し、成型の過程において前記可動側コアが前記キャビティ内を移動する場合、前記光学素子の両ブロックの位置関係に影響を与えないように構成する。

概要

背景

目下、光学レンズは高精密度光学素子として幅広く応用されている。光学レンズは材質の違いによって2種類に大別される。即ち、ガラスレンズプラスチックレンズである。ガラスレンズは荒摺り精密研磨、荒摺りなどの製造工程を経るため製造コストが高くなる。プラスチック剤によるレンズは、射出成型によって大量生産できるため、製造コストが低いといった特徴を有するのみならず、更には軽量で、且つ可塑性が大きいなどの特徴を有する。従って、ほとんどの消耗品には、目下プラスチックレンズが採用されている。

射出成型は、光学プラスチック剤を過熱して流体にし、一定量を金型注入し、加熱・加圧の条件において成型し、冷却して固形化した後、離型して必要とする光学プラスチック部材を得るものである。光学プラスチックの射出成型は技術上のキーポイントが金型にある。特に、コアの設計及びスプルーゲートの位置の選択はいずれもプラスチックレンズの光学的精度に直接影響を与える。射出成型した後のレンズ表面に精度不良が発生した場合(例えば設計値に基づいて軸対称加工を行った場合、ゲートの位置、金型の温度などの要素の影響を受けて射出成型した後収縮が発生し、レンズが非軸対称になるといった状況など)、対称性のコアの形状で面型補償を行うことが難しくなる。プラスチックレンズは目下小型化の方向に向かって発展している。よって、レンズの光学的設計、及び機械的設計についても要求が厳格になっている。プラスチックレンズ上に支持面を設計することが必要になった場合、金型の設計に対する要求はますます高くなる。しかしながら非球面コアを作成する工程は煩雑であり、且つ真円度連続切削、及び光の屈折などに対して考慮しなければならない。よって、今日に至るも業者はいずれも有効径の範囲を大きくしてレンズ面の設計サイズとしている。このため、目下のプラスチックレンズは、図1に開示するように射出成型する場合の離型面の位置によって2つのブロックに分けられる。

図1は、従来のプラスチックレンズの構造を示した説明図である。プラスチックレンズ10の第1ブロックは光学的領域11、12であって、その有効径はD1である。第2ブロックはレンズがその他部材を支持する基準面13、14である。一般的に言えば第2ブロックが大きいほど基準面13、14の支持精度が高くなる。当然のことながらプラスチックレンズ10の他の光学的表面にも2つのブロックが形成される。即ち、光学的有効領域15、16及び基準面17であって、光学的有効領域15、16の有効径をD2とする。

図2に従来の射出成型用の金型を開示する。図面によれば金型20は固定側コア21、固定側型板22、可動側コア23、可動側型板24を備え、これらコアと型板との間にキャビティ25を形成する。固定側のレンズが離型しやすいようにレンズ支持形状を可動側に設ける。プラスチックレンズ10の2つのブロックの違いに基づき、金型20の可動側コア23はプラスチックレンズ10の第1ブロック(即ち光学的有効領域11、12)に対応させ、可動側の型板24はプラスチックレンズ10の第2ブロック(即ち基準面13、14)に対応させる。

また、金型20の同軸見切り面26は、可動側型板24上に位置し、垂直見切り面27は固定側コア21上に位置する。スプルー28の位置は図示のように設計する。スプルー28の位置を設定し後、スプルー28からキャビティ25内にプラスチック剤を注入し、冷却した後、離型させて完成品を取り出す。

プラスチックレンズ10の支持形状は、金型20の可動側に設けられる。レンズの第1ブロックと第2ブロックの位置関係は、コアと型板の関係によって決まる。よって、可動側コア23の移動はレンズと基準面構造の関連性に直接影響を与え、甚だしくはレンズとレンズコーン、及びその他部材との位置関係に影響を与える。

図3に開示するように、プラスチックレンズ10をレンズコーン30に設ける場合、プラスチックレンズ10の位置はパッド31の厚さaによって決まる。パッド31の厚さaが確定すると、プラスチックレンズ10の光学的有効領域11、12、及び基準面13などの幾何形状の位置関係も決まる。プラスチックレンズ10を射出成型した場合、仮に光学的有効範囲12と基準面13との間に誤差δ(図4参照)が発生すると、レンズコーン30上のサイズcは本来のa−kがa−k+δとなる。このためレンズコーン30上のレンズ間の距離に変化が発生し、光学システムピントを合わすことができなくなる。しかも、その他光学的画像の差が発生するという問題が発生する。

図5Aに他のプラスチックレンズを開示する。図面によれば、プラスチックレンズ50は第1ブロックが光学的有効領域51、52(その有効径はD3、D4である)であって、第2ブロックが基準面53、54である。また、プラスチックレンズ50は厚さの違いによって厚い部分Dと薄い部分Tとに分けられる。

プラスチックレンズ50を製造する金型40の構造は図5Bに開示するとおりである。金型40は、固定側コア41と、固定側型板42と、可動側コア43と、可動側型板44とを含み、これらコアと型板によってキャビティ45を形成する。可動側コア43の移動はプラスチックレンズ50の構造と、及びレンズコーン30におけるその他部材との位置関係に直接影響を与える。

以上の分析から分かるように、成型した後のプラスチックレンズの基準面が精確であって、はじめてレンズコーン30におけるそれぞれの部材とプラスチックレンズとの正確な相対的な位置関係が得られる。但し、従来の金型におけるコアの移動はプラスチックレンズの品質に直接影響を与える。このため精度の要求を達成することが難しくなる。

従来の金型の設計がプラスチックレンズ10、50の表面精度に影響を与える他の原因として、スプルー28、48の位置の設定が挙げられる。即ち、プラスチックを射出成型する場合、キャビティの形状の関係で、キャビティ内において圧力が上昇して低圧から高圧になり、ランナーに至るまで注入が完了すると、射出の圧力は保持状態となる。次いで圧力が持続して上昇し、最高値に至る。この場合、スプルーが閉鎖して保持状態の圧力ではプラスチック剤を引き続き注入することができなくなる。

しかしながら、金型20、40にプラスチックを注入する過程において、キャビティ25、45内のスプルー28、46から近い位置、または成型した後のプラスチックレンズ10、50の薄い部分に対応するキャビティの位置に溶解したプラスチックが短時間で充満するが、キャビティ25、45内のスプルー28、46から遠い位置、または成型した後のプラスチックレンズ10、50の厚い部分に対応するキャビティの位置については、溶解したプラスチックが高い粘度を有するため流動に対する抵抗力が発生して充填する速度に影響を与える。即ち、充填される時間の差によってキャビティ25、45内のそれぞれの位置におけるプラスチックの温度が不均一になり、充填される時間の差がますます大きくなる。例えば、プラスチックレンズ50を成型する場合、キャビティ45は可動側コア43に向かって内部が凹状になる。従来のスプルー46はキャビティ45の右上の角に設けられる。キャビティ45の凹状の部分(プラスチックレンズ50の厚い部分Dに対応する部分)は、スプルー46から離れているため迅速に充填することが難しい。このためプラスチックの充填速度と温度の分布が不均一になる。

同様に、プラスチックレンズ10を成型する場合、キャビティ25の一部が可動側コア21に向かって内部が凹状になる。他の部分も可動側コア21に向かって内部が凹状になるが、凹状の窪みがさらに大きくなる。キャビティ25の凹状の窪みが大きい部分は、スプルー28から離れているため温度の分布が不均一になるという現象が存在する。

また、金型を冷却する過程においては、プラスチックレンズの充填温度と厚さの差異が存在すると、冷却速度に差が発生する。例えば、冷却時にキャビティ内の圧力が減少するが、プラスチックレンズの薄い部分は冷却速度が速く、厚い部分は冷却速度が遅く、有る程度の圧力と高温を維持する。かかる温度の差によってプラスチックレンズ内に応力が発生し、収縮量が不均一になり、その結果プラスチックレンズの表面形状の不良を招く。したがって、従来のプラスチックレンズの成型方法を改善し、表面精度を高める必要がある。

概要

金型のコアの移動によって、光学素子とその基準面の構造に与える影響を抑制し、前記光学素子の表面精度を高める光学素子の表面精度改善方法及びその装置を提供する。成型する金型によって光学素子の表面精度を高める方法であって、該光学素子は少なくとも2つのブロックを備え、前記金型は少なくとも固定側コアと、固定側型板と、可動側コアと、可動側型板と、これらのコアの間に形成されるキャビティと、を含み、溶解した前記光学素子の原料を前記金型のスプルーから前記キャビティに注入し、前記金型を開閉させる等の工程を経て前記光学素子を前記キャビティ内に形成し、前記金型の可動側コアの前記光学素子の両ブロックに対応する構造に一体化設計の方式を採用し、成型の過程において前記可動側コアが前記キャビティ内を移動する場合、前記光学素子の両ブロックの位置関係に影響を与えないように構成する。A

目的

この発明は、金型のコアの移動によって、光学素子とその基準面の構造に与える影響を抑制し、該光学素子の表面精度を高める光学素子の表面精度改善方法及びその装置を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

成型する金型によって光学素子表面精度を高める方法であって、前記光学素子は少なくとも2つのブロックを備え、前記金型は少なくとも固定側コアと、固定側型板と、可動側コアと、可動側型板と、これらのコアの間に形成されるキャビティとを含み、溶解した前記光学素子の原料を前記金型のスプルーから前記キャビティに注入し、前記金型を開閉させる等の工程を経て前記光学素子を前記キャビティ内に形成し、前記金型の可動側コアの前記光学素子の両ブロックに対応する構造に一体化設計の方式を採用し、成型の過程において前記可動側コアが前記キャビティ内を移動する場合、前記光学素子の両ブロックの位置関係に影響を与えないようにすることを特徴とする光学素子の表面精度改善方法

請求項2

前記キャビティの形状が、前記光学素子の形状と同一であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の表面精度改善方法。

請求項3

前記光学素子が、異なる厚さを備えるプラスチックレンズであることを特徴とする請求項2に記載の光学素子の表面精度改善方法。

請求項4

前記金型のスプルーの位置が、前記キャビティの前記プラスチックレンズの厚い部分に対応する位置に近い位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の光学素子の表面精度改善方法。

請求項5

前記光学素子が、比較的大きな凸部を有するプラスチックレンズであることを特徴とする請求項2に記載の光学素子の表面精度改善方法。

請求項6

前記金型のスプルーの位置が、前記キャビティの前記プラスチックレンズの比較的大きな凸部に対応する位置に近い位置に設けられることを特徴とする請求項5に記載の光学素子の表面精度改善方法。

請求項7

前記プラスチックレンズの二つのブロックが、光学的有効領域と、レンズをその他部材に支持する基準面と、であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の表面精度改善方法。

請求項8

前記金型の可動側コアの前記プラスチックレンズの光学的有効領域及び基準面に対応する構造が切削加工一体成型されることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の光学素子の表面精度改善方法。

請求項9

前記金型の固定側コアに一体化成型構造を採用し、前記固定側コアの前記光学素子の両ブロックに対応する構造が一体加工成型されることを特徴とする請求項8に記載の光学素子の表面精度改善方法。

技術分野

0001

この発明は光学素子に関し、特にプラスチック剤を射出成型して形成される光学素子の表面精度を高める方法、及びその装置に関する。

背景技術

0002

目下、光学レンズは高精密度光学素子として幅広く応用されている。光学レンズは材質の違いによって2種類に大別される。即ち、ガラスレンズプラスチックレンズである。ガラスレンズは荒摺り精密研磨、荒摺りなどの製造工程を経るため製造コストが高くなる。プラスチック剤によるレンズは、射出成型によって大量生産できるため、製造コストが低いといった特徴を有するのみならず、更には軽量で、且つ可塑性が大きいなどの特徴を有する。従って、ほとんどの消耗品には、目下プラスチックレンズが採用されている。

0003

射出成型は、光学プラスチック剤を過熱して流体にし、一定量を金型注入し、加熱・加圧の条件において成型し、冷却して固形化した後、離型して必要とする光学プラスチック部材を得るものである。光学プラスチックの射出成型は技術上のキーポイントが金型にある。特に、コアの設計及びスプルーゲートの位置の選択はいずれもプラスチックレンズの光学的精度に直接影響を与える。射出成型した後のレンズ表面に精度不良が発生した場合(例えば設計値に基づいて軸対称加工を行った場合、ゲートの位置、金型の温度などの要素の影響を受けて射出成型した後収縮が発生し、レンズが非軸対称になるといった状況など)、対称性のコアの形状で面型補償を行うことが難しくなる。プラスチックレンズは目下小型化の方向に向かって発展している。よって、レンズの光学的設計、及び機械的設計についても要求が厳格になっている。プラスチックレンズ上に支持面を設計することが必要になった場合、金型の設計に対する要求はますます高くなる。しかしながら非球面コアを作成する工程は煩雑であり、且つ真円度連続切削、及び光の屈折などに対して考慮しなければならない。よって、今日に至るも業者はいずれも有効径の範囲を大きくしてレンズ面の設計サイズとしている。このため、目下のプラスチックレンズは、図1に開示するように射出成型する場合の離型面の位置によって2つのブロックに分けられる。

0004

図1は、従来のプラスチックレンズの構造を示した説明図である。プラスチックレンズ10の第1ブロックは光学的領域11、12であって、その有効径はD1である。第2ブロックはレンズがその他部材を支持する基準面13、14である。一般的に言えば第2ブロックが大きいほど基準面13、14の支持精度が高くなる。当然のことながらプラスチックレンズ10の他の光学的表面にも2つのブロックが形成される。即ち、光学的有効領域15、16及び基準面17であって、光学的有効領域15、16の有効径をD2とする。

0005

図2に従来の射出成型用の金型を開示する。図面によれば金型20は固定側コア21、固定側型板22、可動側コア23、可動側型板24を備え、これらコアと型板との間にキャビティ25を形成する。固定側のレンズが離型しやすいようにレンズ支持形状を可動側に設ける。プラスチックレンズ10の2つのブロックの違いに基づき、金型20の可動側コア23はプラスチックレンズ10の第1ブロック(即ち光学的有効領域11、12)に対応させ、可動側の型板24はプラスチックレンズ10の第2ブロック(即ち基準面13、14)に対応させる。

0006

また、金型20の同軸見切り面26は、可動側型板24上に位置し、垂直見切り面27は固定側コア21上に位置する。スプルー28の位置は図示のように設計する。スプルー28の位置を設定し後、スプルー28からキャビティ25内にプラスチック剤を注入し、冷却した後、離型させて完成品を取り出す。

0007

プラスチックレンズ10の支持形状は、金型20の可動側に設けられる。レンズの第1ブロックと第2ブロックの位置関係は、コアと型板の関係によって決まる。よって、可動側コア23の移動はレンズと基準面構造の関連性に直接影響を与え、甚だしくはレンズとレンズコーン、及びその他部材との位置関係に影響を与える。

0008

図3に開示するように、プラスチックレンズ10をレンズコーン30に設ける場合、プラスチックレンズ10の位置はパッド31の厚さaによって決まる。パッド31の厚さaが確定すると、プラスチックレンズ10の光学的有効領域11、12、及び基準面13などの幾何形状の位置関係も決まる。プラスチックレンズ10を射出成型した場合、仮に光学的有効範囲12と基準面13との間に誤差δ(図4参照)が発生すると、レンズコーン30上のサイズcは本来のa−kがa−k+δとなる。このためレンズコーン30上のレンズ間の距離に変化が発生し、光学システムピントを合わすことができなくなる。しかも、その他光学的画像の差が発生するという問題が発生する。

0009

図5Aに他のプラスチックレンズを開示する。図面によれば、プラスチックレンズ50は第1ブロックが光学的有効領域51、52(その有効径はD3、D4である)であって、第2ブロックが基準面53、54である。また、プラスチックレンズ50は厚さの違いによって厚い部分Dと薄い部分Tとに分けられる。

0010

プラスチックレンズ50を製造する金型40の構造は図5Bに開示するとおりである。金型40は、固定側コア41と、固定側型板42と、可動側コア43と、可動側型板44とを含み、これらコアと型板によってキャビティ45を形成する。可動側コア43の移動はプラスチックレンズ50の構造と、及びレンズコーン30におけるその他部材との位置関係に直接影響を与える。

0011

以上の分析から分かるように、成型した後のプラスチックレンズの基準面が精確であって、はじめてレンズコーン30におけるそれぞれの部材とプラスチックレンズとの正確な相対的な位置関係が得られる。但し、従来の金型におけるコアの移動はプラスチックレンズの品質に直接影響を与える。このため精度の要求を達成することが難しくなる。

0012

従来の金型の設計がプラスチックレンズ10、50の表面精度に影響を与える他の原因として、スプルー28、48の位置の設定が挙げられる。即ち、プラスチックを射出成型する場合、キャビティの形状の関係で、キャビティ内において圧力が上昇して低圧から高圧になり、ランナーに至るまで注入が完了すると、射出の圧力は保持状態となる。次いで圧力が持続して上昇し、最高値に至る。この場合、スプルーが閉鎖して保持状態の圧力ではプラスチック剤を引き続き注入することができなくなる。

0013

しかしながら、金型20、40にプラスチックを注入する過程において、キャビティ25、45内のスプルー28、46から近い位置、または成型した後のプラスチックレンズ10、50の薄い部分に対応するキャビティの位置に溶解したプラスチックが短時間で充満するが、キャビティ25、45内のスプルー28、46から遠い位置、または成型した後のプラスチックレンズ10、50の厚い部分に対応するキャビティの位置については、溶解したプラスチックが高い粘度を有するため流動に対する抵抗力が発生して充填する速度に影響を与える。即ち、充填される時間の差によってキャビティ25、45内のそれぞれの位置におけるプラスチックの温度が不均一になり、充填される時間の差がますます大きくなる。例えば、プラスチックレンズ50を成型する場合、キャビティ45は可動側コア43に向かって内部が凹状になる。従来のスプルー46はキャビティ45の右上の角に設けられる。キャビティ45の凹状の部分(プラスチックレンズ50の厚い部分Dに対応する部分)は、スプルー46から離れているため迅速に充填することが難しい。このためプラスチックの充填速度と温度の分布が不均一になる。

0014

同様に、プラスチックレンズ10を成型する場合、キャビティ25の一部が可動側コア21に向かって内部が凹状になる。他の部分も可動側コア21に向かって内部が凹状になるが、凹状の窪みがさらに大きくなる。キャビティ25の凹状の窪みが大きい部分は、スプルー28から離れているため温度の分布が不均一になるという現象が存在する。

0015

また、金型を冷却する過程においては、プラスチックレンズの充填温度と厚さの差異が存在すると、冷却速度に差が発生する。例えば、冷却時にキャビティ内の圧力が減少するが、プラスチックレンズの薄い部分は冷却速度が速く、厚い部分は冷却速度が遅く、有る程度の圧力と高温を維持する。かかる温度の差によってプラスチックレンズ内に応力が発生し、収縮量が不均一になり、その結果プラスチックレンズの表面形状の不良を招く。したがって、従来のプラスチックレンズの成型方法を改善し、表面精度を高める必要がある。

発明が解決しようとする課題

0016

この発明は、金型のコアの移動によって、光学素子とその基準面の構造に与える影響を抑制し、該光学素子の表面精度を高める光学素子の表面精度改善方法及びその装置を提供することを課題とする。

0017

また、この発明は金型のスプルーと光学素子の相対的な位置を変更することによって該光学素子の表面精度を高める光学素子の表面精度改善方法及びその装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0018

そこで、本発明者は従来の技術に見られる欠点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、成型する金型によって光学素子の表面精度を高める方法であって、前記光学素子は少なくとも2つのブロックを備え、前記金型は少なくとも固定側コアと、固定側型板と、可動側コアと、可動側型板と、これらのコアの間に形成されるキャビティとを含み、溶解した前記光学素子の原料を前記金型のスプルーから前記キャビティに注入し、金型を開閉させる等の工程を経て前記光学素子を前記キャビティ内に形成し、前記金型の可動側コアの前記光学素子の両ブロックに対応する構造に一体化設計の方式を採用し、成型の過程において前記可動側コアが前記キャビティ内を移動する場合、前記光学素子の両ブロックの位置関係に影響を与えないように構成する光学素子の表面精度改善方法によって課題を解決できる点に着眼し、かかる知見に基づいて本発明を完成させた。

0019

以下、この発明について具体的に説明する。
請求項1に記載する光学素子の表面精度改善方法は、成型する金型によって光学素子の表面精度を高める方法であって、前記光学素子は少なくとも2つのブロックを備え、前記金型は少なくとも固定側コアと、固定側型板と、可動側コアと、可動側型板と、これらのコアの間に形成されるキャビティとを含み、溶解した前記光学素子の原料を前記金型のスプルーから前記キャビティに注入し、前記金型を開閉させる等の工程を経て前記光学素子を前記キャビティ内に形成し、
前記金型の可動側コアの前記光学素子の両ブロックに対応する構造に一体化設計の方式を採用し、成型の過程において前記可動側コアが前記キャビティ内を移動する場合、前記光学素子の両ブロックの位置関係に影響を与えないようにする。

0020

請求項2に記載する光学素子の表面精度改善方法は、請求項1におけるキャビティの形状が、前記光学素子の形状と同一である。

0021

請求項3に記載する光学素子の表面精度改善方法は、請求項2における光学素子が、異なる厚さを備えるプラスチックレンズである。

0022

請求項4に記載する光学素子の表面精度改善方法は、請求項3における金型のスプルーの位置が、前記キャビティの前記プラスチックレンズの厚い部分に対応する位置に近い位置に設けられる。

0023

請求項5に記載する光学素子の表面精度改善方法は、請求項2における光学素子が、比較的大きな凸部を有するプラスチックレンズである。

0024

請求項6に記載する光学素子の表面精度改善方法は、請求項5における金型のスプルーの位置が、前記キャビティの前記プラスチックレンズの比較的大きな凸部に対応する位置に近い位置に設けられる。

0025

請求項7に記載する光学素子の表面精度改善方法は、請求項1におけるプラスチックレンズの二つのブロックが、光学的有効領域と、レンズをその他部材に支持する基準面と、である。

0026

請求項8に記載する光学素子の表面精度改善方法は、請求項1から7の何れか1項における前記金型の可動側コアの前記プラスチックレンズの光学的有効領域及び基準面に対応する構造が切削加工一体成型される。

0027

請求項9に記載する光学素子の表面精度改善方法は、請求項8における金型の固定側コアに一体化成型構造を採用し、前記固定側コアの前記光学素子の両ブロックに対応する構造が一体加工成型される。

発明の効果

0028

本発明の光学素子の表面精度改善方法は、プラスチックレンズの成型方法を改善し、プラスチックレンズの表面精度を高め、且つプラスチックレンズを用いた光学システムの精確な機能を発揮させるといった効果がある。

発明を実施するための最良の形態

0029

この発明においては、光学素子を射出成型する金型に改良を加えて、光学素子の表面精度を高めるという目的を実現した。即ち、金型のスプルーのサイズを変えることなく、その位置を変更した場合、光学素子の剪断応力波頭ウェーブフロント)、及び内応力のいずれもが異なったものになる。例えば、スプルーの移動量を0.05mmのみとし、成型条件を変更しない場合、光学素子を成型した後の表面形状精度は明らかに高くなる。よって、金型のスプルーとコアの相対関係は、この発明の目的である光学素子の表面精度の改善に重要な作用を与える。

0030

この発明においてプラスチックレンズを成型する金型は、固定型コアと、固定側型板と、可動側コアと、可動側型板とを含み基本的構造を構成し、かつ、これらのコアと型板との間にキャビティを形成する。該キャビティの形状はプラスチックレンズの形状と同様であって、該キャビティに溶解したプラスチック材を充填する。かかる金型にプラスチックを注入し、金型を閉じて、冷却し、金型を開ける過程を経てプラスチックレンズを該キャビティ内に形成してなる光学素子を得る。

0031

また、この発明における金型はコアを一体化する。この点において従来の金型と異なる。係る金型を利用した光学素子の表面精度改善方法及びその装置について、その構造と特徴を詳述するために具体的な実施例を挙げ、以下に説明する。

0032

(実施例)
図6に開示するように、この発明による射出成型用の金型60は、コアを一体化した点において従来の金型と異なる。当然のことながらコアを一体化できるように設計する概念に基づくものであるが、係る概念を可動側コアと固定側コアとに同時に応用することができる。

0033

いわゆる一体化とは、従来のコアにおいてプラスチックレンズ10の有効径内(即ち、有効領域11、12)及び有効径外(基準面13、14)の構造をターニングさせて形成することを指し、得られるコアの熱伝導率も同様にする。係る構造によりプラスチックレンズ表面の精度を改善することができる。

0034

また、金型60の可動側コア61は、同時にプラスチックレンズ10の光学的有効領域11、12及び基準面13、14に対応する。よって、コア61が移動する場合、プラスチックレンズ10と基準面13、14との構造的関連性に影響を与えることがない。但し、スプルー62とプラスチックレンズ10との相対的な位置を変更することによって、レンズに発生する球面非対称等の状況を改善することができる。

0035

この発明について更に詳しく説明するために、図7にプラスチックレンズ50を射出成型する金型70の構造を開示する。金型70は、可動側コア71と固定側コア72のいずれも一体化設計構造を採用する。コアの熱伝導率は同一であって、プラスチックレンズの表面形状の精度を改善することができる。

0036

金型70は、スプルー73の位置を調整することによってキャビティ74の凹状の窪み(即ち、プラスチックレンズ50の厚い部分Dに対応する位置)とスプルー73との間の距離を短縮する。モールドフロー分析から分かるように、キャビティ74内の各部位の温度の分布が均一化される。このため、レンズの球面非対称等の状況が改善され、プラスチックレンズ50の表面形状の精度を高めることができる。

0037

この発明におけるプラスチックレンズ10とプラスチックレンズ50は、厚さが異なるが両者はいずれも比較的大きな凸部を有する。プラスチックレンズ10の光学的有効領域11の箇所に凸部を形成し、プラスチックレンズ50の光学的領域51にも凸部を形成する。また、プラスチックレンズ10、50に対応するキャビティ63、74の内部には、比較的大きな凹状の窪みを形成する。よって、スプルー62、73の位置を調整し、キャビティ63、74内の凹状の窪みと、スプルー62、73との間の距離を短縮してレンズの表面形状の精度を高める。

0038

従来の技術に係る説明から分かるように、プラスチックをキャビティ内に注入すると、プラスチックレンズ10、50の厚さの違いによって成型過程における温度差が発生し、プラスチックレンズ10、50の表面形状に影響を与える。この発明においてはコア61、71の移動によってスプルー62、73のプラスチックレンズ10、50上の相対的な位置を調整する。また、モールドフロー分析から分かるように、スプルー62、73の移動はキャビティ内のブロックを形成する樹脂の温度に、従来の技術に比して10℃近い差が発生する。このためプラスチックレンズは均一に冷却し、最終的にプラスチックレンズ10、50の表面精度を高めることができる。また、成型したプラスチックレンズ10、50は、レンズコーン30内のそれぞれのレンズの間の距離の関係に影響を与えない。このため、光学システムにおけるレンズの精確度を確保し、光学システムの完全な機能を発揮させることができる。

0039

以上はこの発明の好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれも本発明の特許請求の範囲に属するものとする。

図面の簡単な説明

0040

従来のプラスチックレンズの構造を示した説明図である。
図1に開示するプラスチックレンズを成型する従来の金型の構造を示した説明図である。
図1に開示するプラスチックレンズをレンズコーンに設けた場合のその他部材との位置関係を示した説明図である。
図2に開示する金型で射出成型を行ったプラスチックレンズの基準面に誤差が生じた状況を示した説明図である。
従来の他の形態のプラスチックレンズの構造を示した説明図である。
図5Aに開示するプラスチックレンズを射出成型する金型の構造を示した説明図である。
図1に開示するプラスチックレンズを射出成型するための、この発明の金型の構造を示した説明図である。
図5Aに開示するプラスチックレンズを射出成型するための、この発明の金型の構造を示した説明図である。

符号の説明

0041

10、50プラスチックレンズ
13、14、17、53、54 基準面
11、12、15、16、51、52光学的有効領域
20、40、60、70金型
21、41、72固定側コア
22、42固定側型板
23、43、61、71可動側コア
24、44可動側型板
25、45、63、74キャビティ
26同軸見切り面
27 垂直見切り面
28、46、62、73スプルー
30レンズコーン
31 パッド

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