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技術 視野計

出願人 株式会社ニデック
発明者 鈴木尚人
出願日 2005年3月31日 (15年8ヶ月経過) 出願番号 2005-105377
公開日 2006年10月19日 (14年2ヶ月経過) 公開番号 2006-280665
状態 特許登録済
技術分野 眼の診断装置
主要キーワード 左右回り 応答点 Y座標 探索間隔 呈示条件 視野データ 視野計測 応答スイッチ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年10月19日)のものです。
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図面 (12)

課題

検査時間を短くでき、被検者や被検者の負担を軽減できる視野計を提供すること。

解決手段

検眼視野呈示する視標の明るさが変化可能であると共に、視標の呈示位置を移動可能な視標呈示手段を備え、一定の明るさの視標を被検眼の視野周辺から中心に向かって移動して被検者に視認応答させて動的視野を計測し、同じ感度の点を結んだイソプターを得る視野計において、隣り合うイソプター間に存在する孤立暗点を探索するための視標呈示の開始点を決定する演算制御手段であって、イソプター形状に基いてイソプターの窪みを特定し、該特定した窪み形状とその外側のイソプターとの間隔に基いて前記視標呈示の開始点を決定する演算制御手段を、備える。

概要

背景

視野計測方法としては、一定の明るさの視標周辺から中心に向かって移動し、その視標を視認できた点を結び、視標の大きさや明るさの条件を変えることによって、地図の等高線に似た等感度曲線(以下、イソプターという)を描いて視野を測定する動的視野計測がある(例えば、特許文献1)。動的視野計測は、全体の変化を知るのに適している。この動的視野計測では、さらに、測定点を追加してイソプターの間に存在する孤立暗点感度欠損または沈下している部分)の計測が行われる。
特開平6−54804号公報

概要

検査時間を短くでき、被検者や被検者の負担を軽減できる視野計を提供すること。 被検眼の視野に呈示する視標の明るさが変化可能であると共に、視標の呈示位置を移動可能な視標呈示手段を備え、一定の明るさの視標を被検眼の視野周辺から中心に向かって移動して被検者に視認応答させて動的視野を計測し、同じ感度の点を結んだイソプターを得る視野計において、隣り合うイソプター間に存在する孤立暗点を探索するための視標呈示の開始点を決定する演算制御手段であって、イソプター形状に基いてイソプターの窪みを特定し、該特定した窪み形状とその外側のイソプターとの間隔に基いて前記視標呈示の開始点を決定する演算制御手段を、備える。

目的

本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、検査時間を短くでき、被検者や被検者の負担を軽減できる視野計を提供することを技術課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

検眼視野呈示する視標の明るさが変化可能であると共に、視標の呈示位置を移動可能な視標呈示手段を備え、一定の明るさの視標を被検眼の視野周辺から中心に向かって移動して被検者視認応答させて動的視野を計測し、同じ感度の点を結んだイソプターを得る視野計において、隣り合うイソプター間に存在する孤立暗点を探索するための視標呈示の開始点を決定する演算制御手段であって、イソプター形状に基いてイソプターの窪みを特定し、該特定した窪み形状とその外側のイソプターとの間隔に基いて前記視標呈示の開始点を決定する演算制御手段を、備えることを特徴とする視野計。

請求項2

請求項1の視野計において、前記演算制御手段はイソプターの窪みの縁の位置と窪みの谷側カーブとに基いて視標呈示の開始点の方向を定め、該定めた方向の内側と外側のイソプター間隔に基いて前記視標呈示の開始点を決定することを特徴とする視野計。

請求項3

請求項1又は2の視野計において、前記演算制御手段により決定された視標呈示の開始点に基いて前記視標呈示手段を制御し、暗点探索用の視標を呈示する視標呈示制御手段を備えることを特徴とする視野計。

請求項4

請求項3の視標呈示制御手段は、前記開始点で呈示した暗点探索用の視標を被検眼が視認できないときは、その呈示条件で視標を移動して被検者の応答を得て孤立暗点の領域を決定することを特徴とする視野計。

請求項5

請求項4の視標呈示制御手段は、孤立暗点の領域を決定した後、さらに所定の探索条件に基づいて次の孤立暗点を探索するための視標を呈示するように前記視標呈示手段を制御することを特徴とする視野計。

請求項6

請求項3の視標呈示制御手段は、前記開始点で呈示した暗点探索用の視標を被検眼が視認できたときは、所定の探索条件に基づいて次の孤立暗点を探索のための視標を呈示するように前記視標呈示手段を制御することを特徴とする視野計。

技術分野

0001

本発明は、患者視野自覚的計測する視野計に関する。

背景技術

0002

視野の計測方法としては、一定の明るさの視標周辺から中心に向かって移動し、その視標を視認できた点を結び、視標の大きさや明るさの条件を変えることによって、地図の等高線に似た等感度曲線(以下、イソプターという)を描いて視野を測定する動的視野計測がある(例えば、特許文献1)。動的視野計測は、全体の変化を知るのに適している。この動的視野計測では、さらに、測定点を追加してイソプターの間に存在する孤立暗点感度欠損または沈下している部分)の計測が行われる。
特開平6−54804号公報

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、孤立暗点の計測には検者熟練が要求され、経験の浅い検者では短時間での計測は困難であった。また、従来の暗点の計測は手動での視標呈示であったので、熟練者でも検査に時間が要し、検者や被検者にも負担が掛かっていた。

0004

本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、検査時間を短くでき、被検者や被検者の負担を軽減できる視野計を提供することを技術課題とする。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決するために本発明は以下の構成を持つことを特徴とする。
(1) 被検眼の視野に呈示する視標の明るさが変化可能であると共に、視標の呈示位置を移動可能な視標呈示手段を備え、一定の明るさの視標を被検眼の視野周辺から中心に向かって移動して被検者に視認応答させて動的視野を計測し、同じ感度の点を結んだイソプターを得る視野計において、隣り合うイソプター間に存在する孤立暗点を探索するための視標呈示の開始点を決定する演算制御手段であって、イソプター形状に基いてイソプターの窪みを特定し、該特定した窪み形状とその外側のイソプターとの間隔に基いて前記視標呈示の開始点を決定する演算制御手段を、備えることを特徴とする。
(2) (1)の視野計において、前記演算制御手段はイソプターの窪みの縁の位置と窪みの谷側カーブとに基いて視標呈示の開始点の方向を定め、該定めた方向の内側と外側のイソプター間隔に基いて前記視標呈示の開始点を決定することを特徴とする。
(3) (1)又は(2)の視野計において、前記演算制御手段により決定された視標呈示の開始点に基いて前記視標呈示手段を制御し、暗点探索用の視標を呈示する視標呈示制御手段を備えることを特徴とする。
(4) (3)の視標呈示制御手段は、前記開始点で呈示した暗点探索用の視標を被検眼が視認できないときは、その呈示条件で視標を移動して被検者の応答を得て孤立暗点の領域を決定することを特徴とする。
(5) (4)の視標呈示制御手段は、孤立暗点の領域を決定した後、さらに所定の探索条件に基づいて次の孤立暗点を探索するための視標を呈示するように前記視標呈示手段を制御することを特徴とする。
(6) (3)の視標呈示制御手段は、前記開始点で呈示した暗点探索用の視標を被検眼が視認できたときは、所定の探索条件に基づいて次の孤立暗点を探索のための視標を呈示するように前記視標呈示手段を制御することを特徴とする。

発明の効果

0006

本発明によれば、検査時間を短くでき、被検者や被検者の負担を軽減できる。

発明を実施するための最良の形態

0007

本発明の実施形態を、図面を用いて以下に説明する。図1は、本発明に係る視野計の概略構成図である。被検者の眼前には半球状のドーム型スクリーン1が配置され、このスクリーン1には視標投影ユニット2から刺激視標が呈示される。視標投影ユニット2は、光源3、投影レンズ4、可動ミラー5、開口径可変アパーチャ6を備える。可動ミラー5は図示を略す駆動機構により駆動され、光源3及び投影レンズ4によりスクリーン1に投影されるスポット視標(刺激視標)の位置を変える。可動ミラー5は、2組のガルバノミラーで構成することができる。アパーチャ6の開口径を変えることにより、スクリーン1に投影されるスポット視標のサイズが変えられる。また、スクリーン1の中心には固視標10が設けられている。視標投影ユニット2は制御ユニット20に接続されている。制御ユニット20は、視標投影ユニット2の可動ミラー5を駆動制御し、スクリーン1に投影され刺激視標の位置を変化させる。また、光源3の光量を調整し、スクリーン1に投影され刺激視標の輝度を変化させる。制御ユニット20には、モニタ21、キーボード等の入力装置22、応答スイッチ15等が接続されている。

0008

図2は、動的視野計測によって得られた検査結果模擬的に描画した図である。イソプターIは、被検眼の視標に対する感度が等しい部分を等高線のように表示したもので、等感度曲線とも呼ばれる。イソプターIは固視標10で被検者の視軸原点Oに合わせた状態で、XY平面にプロットされる。イソプターIのプロット方法は、所定の輝度、スポットサイズに設定した視標を被検者の視野外から視野中心(原点O)に向かって動かす。被検者は視標が見えたと判断したらスイッチ15を押す。同一条件の視標の見えた地点を補間することによって、イソプターIを形成する。視標の呈示間隔は、例えば原点Oから15度間隔で360度とする。各プロット間の補間はスプライン補間等の曲線関数多項式近似を行う。イソプターは周辺視野から中心視野に向かって作成する。視標の輝度やスポットサイズは被検者の症状やスクリーニングの目的によるが、一般的に、作成するイソプターが視野中心に近づくにつれて、視標の輝度、スポットサイズを小さくする。これは視野の中心部の方が周辺部に比べて、感度や分解能が高いためである。

0009

このようにして、被検者に視標を呈示し、視標の認知をスイッチ15で応答させる自覚式の動的視野検査は、制御ユニット20により自動的に制御される。視標投影ユニット2よりスクリーン1に投影される視標の位置は可動ミラー5の角度から求められる。被検者に認識された視標の位置はスイッチ15からの応答が制御ユニット20に送られることにより、その時の可動ミラー5の角度で求められる。視標を逐次的にスクリーン1に投影していくプログラムは予め制御ユニット20に格納されている。

0010

イソプターを描画する際に用いている補間関数について説明する。ここではθに関する3次のスプライン関数を用いる。XY平面上の関数をθで以下のようにパラメータ表現したものとなる。
xi(θ)=aiθ3+biθ2+ciθ+di(区間:i〜i+1)
yi(θ)=eiθ3+fiθ2+giθ+hi(区間:i〜i+1)
ai〜hiは区間i〜i+1におけるスプライン関数で算出した各項の係数である。これらの値がスプライン関数の特性を決定する。この関数が連なって一つのイソプターのループを形成している。従って、イソプター上のある点の位置は上記の関数から特定できる。

0011

このようにして作成されたイソプターIには隣合うイソプター間で感度が低下する部分である孤立暗点Sが存在する。イソプター間に暗点Sが存在した15眼の動的視野データ入手して調べたところ、暗点SはイソプターIinが内側に窪んだ部分(凹部)Hoとその外側のイソプターIoutとで挟まれた領域Wに多く現れていることが分かった。

0012

イソプターIinの窪み(凹部)を特定する方法を説明する。図3はあるイソプターを拡大した図である。図3(a)のイソプターの窪みを、イソプター上の点Pを0度方向から左回り反時計回り)に探索することによって数理的に求める。原点Oから一定の角度で点Pを移動させて探索する。

0013

図3(b)は部分Aの拡大図で、窪みを挟む2つの山(凸部)のうちの一つである。いま、点Piの前後の点をそれぞれPi−1、Pi+1とする。原点Oを基準として、点Pi−1から点Piへのベクトルをa1、点Piから点Pi+1へのベクトルをa2とする。ベクトルa1とa2の外積を計算すると、以下のようになる。
a1×a2>0
山に相当する部分Aではベクトルa1よりもベクトルa2が右手にあるために、外積を取った値の符号は正になる。

0014

図3(c)は部分Bの拡大図で、窪みを示す。前述の方法と同様に、いま、点Pjの前後の点をそれぞれPj−1、Pj+1とする。原点Oを基準として、点Pj−1から点Pjへのベクトルをb1、点Pjから点Pj+1へのベクトルをb2とする。ベクトルb1とb2の外積を計算すると以下のようになる。
b1×b2<0
窪みに相当する部分Bではベクトルb1よりもベクトルb2が左手にあるために、外積を取った値の符号は負になる。

0015

このようにして隣合う2つのベクトルの外積を計算して得られた結果の符合で、窪み(谷)の底や山の頂上の位置が判別できる。

0016

以上の説明では連続的な窪みの探索過程を説明したが、実装上では3次スプライン関数等の多項式関数で形成されたイソプター上の点Pを離散的に取って窪みを探索する。例えば、原点Oを中心とイソプター上でのベクトルが0.1度の角度を成すような間隔で探索していく。角度は0.1度に限るものではなく、暗点を探索する角度より小さければよい。例えば、1度や2度であってもよい。従って、必ずしも窪みの底や窪みを挟む山の頂上を決定できるとは限らない。その場合は離散的に探索した結果の中で最も尤もらしい点、例えば、外積成分がその中での最大点最小点)である。または、外積で極性を求め、山であるか谷であるか判定した後に角度が最大である点を山の頂上若しくは谷の底とする算出方法であってもよい(後述)。

0017

なお、本実施例では点Pの探索間隔を原点Oから一定の角度でする離散的なものしているため、ベクトルの長さが一定ではない。従って、隣合う2つのベクトルの外積が最大値最小値)であっても必ずしも山(谷)の頂上(底)を示すとは限らない。その場合の山の頂上や谷の底の算出方法は隣合う2つのベクトルの内積を取ることからその角度を求め、角度の大きさと外積で求めた極性によって定めるものである。隣合う2つのベクトルa1、a2の成す角をθiとすると、その内積は以下にようになる。
a1・a2=|a1||a2|cosθi
従って、角度θiは以下のように求められる。
θi=cos-1(a1・a2/|a1||a2|)
これは隣合う2つのベクトルb1、b2についても同様である。このようにして隣合う2つのベクトルの角度が求まる。山の頂上(谷の底)では角度がその付近で最大になるため、外積で求めた極性により山であるか谷であるかを判定し、その後、山や谷あたる部分の角度を求め、その付近で最大角度となる点を山の頂上や谷の底と定める。2つの山(凸部)に挟まれた谷がイソプターの窪み(凹部)となる。谷の底の部分を決定する外積の値、若しくは内積から求めた角度が窪みの度合いを示すパラメータとなる。

0018

なお、上記のアルゴリズムでは小さな窪みも検出される。15眼の動的視野データを見たところ、あまり小さな窪みの部分には暗点Sは存在していなかったので、煩雑さを避けるために、窪みとみなされないような部分を暗点探索の対象外とする。例えば、前述のベクトルの外積や角度での山の頂上(谷の底)の判断に閾値を設け、窪みを算出する方法において、外積が所定値以下か、角度が所定値以上であれば暗点探索をする窪みとみなさないものとする。

0019

また、本実施例ではイソプターの山の頂上部分や谷の底部分をその点を挟む2つの隣合うベクトルの外積及び内積を求めることで、山や谷の極性を求め、その部分の角度を出すことで決定していたが、これに限るものではない。角度の算出は内積を求める方法でなく、その点での曲率半径が最も短くなる部分を山の頂上や谷の底としてもよい。

0020

次に、前述の方法で求めたイソプターIinの窪みとその外側のイソプターIoutとの間に関して、暗点を探索するための視標呈示の開始点を決定する方法を説明する。図4は、窪みに基いて暗点探索の開始点を決定する方法を説明する図である。図4において、窪みを挟む2つの山の頂上の点(窪みの縁)をそれぞれC,Dとする。入手した15眼の動的視野データをさらに詳細に調べたところ、暗点Sが存在する場所は、点,Dの間隔や窪みの谷側形状に関係すると共に、窪みのイソプターIin及びその外側のイソプターIoutの間隔に関係することが分かった。暗点Sと窪みの谷側の形状との関係については、イソプターIinの点C、D間の窪みの谷側でイソプターのカーブ(曲率)が小さくなる付近と、点C、D間の中央と、を通る直線方向に多くが存在することが分かった。

0021

そこで、まず、暗点Sと窪みの谷側のカーブ形状と関連させて暗点Sを探索する方向の決定方法を説明する。線分CDを等間隔、例えば1度毎に分け、線分CDからのイソプターIinに垂線を引き、その交点Ci(i=1、2、…、n)とする。CiとCi+1を通る直線をHiとし、その中点でHiの直交する法線をViとする。点C及びDから法線Viまでの距離をそれぞれdiC、diDとする。そして、距離diCと距離diDとの差の絶対値(|diC−diD|)が最小となる点を求める。その点をoとし、その時のHi、Viをそれぞれ、x軸、y軸とする。新たに算出したx軸、y軸により座標系をXY座標系からxy座標系に置き換える。

0022

この新たなxy座標系で、15眼の動的視野データにおける孤立暗点の重心座標(xG,yG)を求めた。その結果、xGは−1.54〜9.9°で、平均±標準偏差は1.25°±2.78°となり、暗点Sの重心がy軸付近にあることが分かった。

0023

次に、15眼の動的視野データにおける重心座標yGとイソプター間の距離(間隔:角度)との関係を調べてみた。図5はその結果を示す図である。横軸にy軸上のイソプター間の距離ymaxを、縦軸座標yGをとっている。図より、重心位置の座標yGは、y軸上のイソプター間の距離ymaxと関係することが分かる。すなわち、座標yGの値はイソプター間の距離が短い場合に小さな値となり、イソプター間の距離が広い場合に大きな値となっている。図5における実線グラフは15個のyGについての回帰直線を示す。yGとymaxの相関係数は0.774となり、高い相関があった。回帰直線yGは、
yG=0.5049×ymax−2.0989
となった。その有意確率は0.05以下となり、回帰直線の式は有意水準0.05において意味があることを確認した。上記の回帰直線から、暗点Sの重心はイソプター間の距離ymaxの中央付近にあることが分かった。したがって、暗点探索の開始点は、y軸上の距離ymaxの中央付近とすると良いことが分かる。好ましくは、距離ymaxの中央よりややイソプターIin側である。

0024

なお、上記のy軸は窪みの谷側形状に関連させて決定したが、窪みの山頂点(縁)となる点C,Dを結ぶ線分CDをx軸方向とし、線分CDの中点を原点として線分CDに直交する方向をy軸とした決定方法であっても良い。この場合も、ほぼy軸上に暗点が存在した。

0025

次に開始点から暗点を探索するアルゴリズムについて説明する。図6は窪みにおいて暗点探索を開始する手順を示した図である。x軸(直線Hi)に点C、Dから下した垂線とIoutとの交点をそれぞれG,Fとする。いま、CDFGで囲まれた領域内を暗点探索する。制御ユニット20は、暗点探索点Si(i=1、2、…、n)を、y軸上において上記の回帰直線で決定された位置に定める。ここでは最初に暗点を探索する点をS1とする。制御ユニット20は、このS1にスポット光の視標を呈示し、被検者の応答を待つ。スポット光の明るさやサイズは、イソプターIoutを決定したときと同じ条件か又はイソプターIinの条件よりも明るく、スポットサイズを大きくする。所定時間の間に応答がなければ(見えなければ)、以下の手順で暗点の領域を見つける。

0026

図7に示すように、制御ユニット20は、点S1を中心とし周辺に向かって放射状にスポット光を動かす。最初は中心からある特定の方向に向かってスポット光を動かして被検者の応答がある点を探し、記録する。再度、中心から別の方向にスポット光を動かし、被検者の応答を待つ。被検者の応答した点(見えた点)が暗点の境界(領域)となる。この処理を繰り返して、点S1を取り囲むように形成された被検者の応答点を3次のスプライン関数で補間する。曲線によってできたループの内側が暗点領域となる。スポット光を放射状に動かす際の方向は例えば8方向とする。しかし、これに限るものではなく、精度よく暗点領域を発見したければ、8方向よりも細かい方向を取ればよい。暗点領域算出後、まだ、暗点探索領域CDFG内に探索の余地があれば、次の暗点を探索する処理に入る(後述)。

0027

最初に点S1を呈示して、被検者より応答があった(見えた)場合、暗点を探すべく点S1から少しずらした別の場所、点S2にスポット光を呈示する。この時の点S2の呈示場所は点S1よりIin(視野中心)側にy軸上を所定の距離だけ動かした点である。点S2でも暗点が発見されなければ、点S3,S4、…、と暗点探索を続ける。この時の暗点探索点はIin側に向かって行うが、Iinに到ってもまだ暗点が発見されない場合は、点S1からy軸上をIout方向に探索する。それでもない場合は点S1からx軸方向に所定の角度だけ動かしたスポット光を呈示していく。x軸方向への探索規則は点S1を中心として、螺旋状に行う。この処理において、被検者の応答がない(見えない)場合、前述した手順により暗点領域の走査の処理に入る。

0028

説明したように、スポット光を呈示し、被検者の応答からそれぞれ次の処理を逐次的に行い、暗点探索点Snまでスポット光の提示が終われば、領域CDFG内の暗点探索は終了したものとする。暗点探索をしていない別の窪みがあれば同様に一連のアルゴリズムで暗点の探索を行う。その際にはスポット光のサイズや輝度を変更して行う。y軸上をIin方向に探索するのは、暗点が存在する確率が高いためである。ここで述べた所定の距離とは暗点探索時の探索間隔を指し、1〜4度の角度が好ましい。

0029

なお、本実施例では暗点探索をy軸上を点S1からIinまで行った後に、点S1からIoutまで探索したが、これに限るものではない。点S1からIin、Ioutのそれぞれの方向にy軸上を近い点から探索してもよい。また、点S1から螺旋状に探索してもよい。

0030

次に暗点探索の探索間隔について説明する。図8はある探索範囲で暗点探索点の間隔を示した図である。図に示すように所定の間隔で格子状に暗点探索の候補が確保されている。この候補から前述したアルゴリズムで暗点を探索する。これらのアルゴリズムで探索点を逐次決定していくと、暗点及び暗点領域を短時間で探し出せる。

0031

図9は暗点領域が発見された後の暗点探索点を示す図である。図に示すように、暗点探索の処理により決定された暗点領域LSの周囲に次の暗点探索の候補点がプロットされている。探索領域CDFGから暗点領域LSを差し引いた余地の部分で、暗点領域LSの境界から所定の幅だけ離れた点が候補点としてプロットされる。既に決定した暗点領域LSの周辺には、経験的に別の暗点領域が存在する確率は低いとされている。そのため、暗点領域LSの所定の幅を持つ周辺の再探索は避ける。所定の幅とは前述の暗点探索の間隔と同じ条件で決定される値である。これによって、あまり価値の高くない探索をしないで済む。さらに言えば、暗点を探索する検査の早い段階で暗点領域が決定されれば、視野検査が短時間で終了し、被検者への負担が減る。

0032

図10は暗点領域が2つある場合の暗点探索点を示す図である。2つの暗点が定められていることにより、暗点領域LS1、LS2の付近は再探索しないでよいことがわかる。

0033

なお、暗点探索する領域を点C、Dからx軸(直線Hi)下した垂線の延長線とIoutとの交点をそれぞれG,Fとし、そこにできたCDFGで囲まれた部分としたがこれに限るものではない。XY平面の原点Oやxy平面の原点oから点C、Dにそれぞれ引いた直線とIoutとのそれぞれの交点の計4つで囲まれた領域内を暗点探索してもよい。以上説明してきた実施例では、点の補間はすべて3次のスプライン関数で行っているが、これに限るものではない、スプライン関数でも2次を用いたり、4次以上の高次関数でもよい。また、ラグランジェ関数などでもよい。さらに、それぞれの補間を別々の条件で行ってもよい。例えば、イソプターの算出は4次のスプライン関数、暗点領域の算出は3次のスプライン関数といった選択でもよい。

0034

以上説明した本実施例の一連の暗点探索処理フローチャートで示す。図11は暗点探索のフローチャートである。そのステップは大きく分けて4つになる。患者のイソプターを作成するイソプターマッピングステップS1−i、イソプターにある窪みを算出する窪み算出ステップS2−i、求めた窪みにおいて暗点を探索する開始点を算出する暗点探索開始点決定ステップS3−i、暗点探索の開始点から探索領域の暗点を検出する暗点領域検出ステップS4−i、であり、このとき、i=1、2、…、nとする。

0035

まずイソプターを作成するステップS1−iを説明する。視野や暗点の計測をスタートすると装置はイソプターを作成するステップに入る。S1−1ではイソプターを作成する際の呈示視標のスポットサイズや輝度の条件を設定する。S1−2では視標を360度に渡り、所定の角度毎、例えば15度ずつ視野周辺部から視野中心部に動かし、被検者の応答した点をプロットする。S1−3ではS1−2でプロットした点をスプライン関数等で補間し、イソプターを作成する。S1−4では他に作成するイソプターがあるかどうかを判断し、あればS1−1から同様のステップで処理を行い、なければ必要なイソプターがすべてできたこととなるため、次の窪み検出ステップに進む。

0036

S2−iのステップでは、イソプター窪み部分を算出し、その中で暗点の存在確率が経験的に低いとされる部分を除外する処理を行う。S2−1ではイソプターを0度方向から左回りに窪みを探索する。S2−2ではイソプター上の各点でのベクトルを算出し、隣合う2つのベクトルの外積と角度をイソプターの一周分一括算出する。S2−3では求めたイソプター一周分の外積で値が負のもので絶対値が閾値以下のものを後の窪み算出における候補から除外する。ここでの閾値は前述した暗点の存在する窪みとみなされないような部分を分ける値である。S2−4ではS2−3で除外されなかった窪みに対して処理を行う。外積が負となる値から正となる方向に向かってそれぞれ左右回りに外積が正でその時の角度が最大となる点を探索する。S2−5では先程求めたそれぞれの点を窪みを挟む山と決定する。S2−6では今探索しているイソプターで他に外積が負でその絶対値が閾値以上のものがないか判断し、あればS2−3のステップに戻り、なければ次のステップに進む。S2−7では窪みを算出していないイソプターが残っているかを判断し、あればS2−1のステップに戻り違うイソプターで窪みの探索を行い、なければすべてのイソプターの窪みを算出したことになるので次のステップへと進む。

0037

S3−iのステップではS2−iで算出した窪みの中で暗点探索をする開始点を決定する処理を行う。S3−1ではS2−iのステップで算出した窪みのあるイソプターを周辺部側から選択する。S3−2では2つの山に挟まれた窪み上で一方の端からもう一方の端までそれぞれの点で接線とそれに対する法線を算出する。S3−3では窪みを挟む2つの山のそれぞれの頂点からS3−2で求めたそれぞれの法線に垂線を引き、2つのそれぞれの垂線の比を算出する。S3−4ではそれぞれの点で算出している垂線の比で最小な点を求め、その点での接線と法線を新たな座標x軸、y軸として設定する。S3−5では、新たな座標のy軸から山のそれぞれの頂点に引いた法線の延長線が一つ外側のイソプターと交わる点と、山のそれぞれの頂点との計4点で囲まれるイソプター間を暗点を探索する領域と設定する。S3−6ではイソプター間で区間が区切られるy軸上の所定の点を暗点探索の開始点とする。

0038

S4−iのステップでは暗点探索開始点を基準として暗点を探索し、暗点の領域を算出する処理を行う。S4−1では暗点を探索するイソプターに相応しい視標を設定し、S3−6で求めた暗点探索開始点に視標を呈示する。S4−2で、被検者の応答を待ち、ある場合はS4−6のステップに進み、ない場合はS4−3のステップに進む。S4−3では視標呈示位置から放射状に視標を走査し、被検者の応答があった場所を暗点の境界点とする。S4−4では暗点の境界点を補間し、その範囲を暗点領域とする。S4−5では暗点探索の次の候補点を算出する。S4−6では、算出した候補点に次があればS4−7のステップへと進み、なければS4−8のステップへと進む。S4−7では次の候補点の中から前述の規則に従って暗点探索開始点に近いところから視標を呈示し、被検者の応答を待つS4−2のステップへと戻る。S4−8では暗点を探索していない別のイソプターがあるかどうか判断し、あればS3−1のステップへと戻り、なければ視野中の暗点をすべて探索したことになるので視野検査を終了する。

図面の簡単な説明

0039

本発明の視野計の概略構成図である。
動的視野計測によって得られた検査結果を模擬的に描画した図である。
あるイソプターを拡大した図である。
窪みに基いて暗点探索の開始点を決定する方法を説明する図である。
15眼の動的視野データにおける重心座標yGとイソプター間の距離との関係を示す図である。
窪みにおいて暗点探索を開始する手順を示した図である。
暗点領域を決定する手順を示す図である。
ある探索範囲で暗点探索点の間隔を示した図である。
暗点領域が発見された後の暗点探索点を示す図である。
暗点領域が2つある場合の暗点探索点を示す図である。
本実施例の暗点探索処理を示すフローチャート図である。

符号の説明

0040

1スクリーン
2視標投影ユニット
3光源
4投影レンズ
5可動ミラー
6アパーチャ
10固視標
15 スイッチ
20制御ユニット
I、Iin、Ioutイソプター
LS、LS1、LS2暗点領域

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