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技術 光硬化性樹脂組成物およびプリプレグ

出願人 東レ株式会社
発明者 荒井信之富岡伸之吉岡健一
出願日 2005年3月30日 (14年5ヶ月経過) 出願番号 2005-097956
公開日 2006年10月12日 (12年11ヶ月経過) 公開番号 2006-274148
状態 未査定
技術分野 強化プラスチック材料 ポリエーテル エポキシ樹脂
主要キーワード 全発熱量 残留熱応力 UV照射器 反応率測定 階段状変化 カチオン硬化性樹脂組成物 適用用途 リモネンオキサイド
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年10月12日)のものです。
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課題

解決手段

少なくとも下記の構成要素(A)、(B)、(C)を含む繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。 (A)一般式(1)で表されるオキセタン樹脂

化1

(式中、R1、R2、R3は水素原子アルキル基アルコキシ基のいずれかを示し、それぞれのR1、R2、R3は互いに同一であっても異なっていてもよく、また、nは0以上を表す。) (B)ルイス酸ヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(C)エポキシ樹脂および/または一般式(1)以外のオキセタン樹脂

概要

背景

ガラス繊維炭素繊維およびアラミド繊維などの強化繊維と、不飽和ポリエステル樹脂ビニルエステル樹脂エポキシ樹脂フェノール樹脂シアネート樹脂およびビスマレイミド樹脂などの樹脂硬化物からなる繊維強化複合材料は、軽量でありながら、強度や剛性耐衝撃性などの機械物性に優れるため、航空機部材宇宙機部材、人工衛星部材、自動車部材鉄道車両部材、船舶部材およびスポーツ用具部材などの数多くの分野に応用されてきた。これらの分野のうち、航空機部材と宇宙機部材では、特に優れた機械物性や耐熱性が要求されるため、強化繊維としては炭素繊維が最もよく用いられ、マトリックス樹脂としては熱硬化性樹脂のうち、優れた耐熱性、弾性率および耐薬品性を有し、かつ硬化収縮が小さいエポキシ樹脂が最もよく用いられている。これらの繊維強化複合材料の製造には、プリプレグオートクレーブ成形が主流であるが、これが成形高コスト化成形設備の大型化、設備による成形サイズの制限、複雑形状の難しさの問題、成形物中の残留熱応力滞留による疲労の進展などを招いてしまう(例えば、下記特許文献1参照)。

一方、前述の問題点を考慮して近年、加熱工程を必要としない繊維強化複合材料の成形方法確立が重要視されており、その代表例が電子線硬化によるものである(例えば、下記特許文献2参照)。しかし、この成形法は高価な高エネルギー電子線照射装置が必要であること、電子線硬化雰囲気不活性ガス置換する必要があること、電子線の照射によりX線が発生するため大規模遮蔽手段が必要で、これに多額な費用がかかってしまうことなどオートクレーブによる加熱工程を排したにもかかわらずコストの低減には、課題が大きい。

この電子線硬化法に比べ、大規模な遮蔽手段を必要とせず、より簡便な設備で成形が可能な方法として光を硬化反応エネルギー源として用いる硬化法が考えられている。

ところが、繊維強化複合材料に用いられる炭素繊維は光を全く透過させないため、炭素繊維に含浸させた光硬化樹脂光照射して内部まで硬化させることは容易ではない。これを可能にするためには、開始反応が光に対し高い感度をもつ反応であり、成長反応が光を必要とせず、停止反応の起こりにくい反応であるような光硬化性樹脂組成物が有効になる。下記特許文献3では、このような光硬化性樹脂組成物として重合性不飽和化合物有機ホウ素化合物および酸性化合物からなる重合開始剤を含有する組成物を炭素繊維に含浸し、光照射して炭素繊維強化複合材料を成形することが記載されている。しかし、ここで記載されている光硬化性樹脂組成物は重合性不飽和化合物を用いたラジカル重合系樹脂組成物であり、1)酸素による重合阻害を受ける、2)硬化時の体積収縮が大きい、3)臭気皮膚刺激性が強い、4)炭素繊維への接着性があまり良くない、5)耐熱性および機械物性があまり高くないなどの問題点を有しており、適用できる用途が限定される。

これらの課題を解決する方法としては、カチオン硬化性の光硬化性樹脂組成物、特に好ましくはカチオン硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いた組成物を用いる方法が好ましく用いられる。これは、カチオン硬化性樹脂組成物は、一般に酸素による重合阻害をうけにくく、成分の揮発性が少ないため低臭気、低刺激性であり、特にエポキシ樹脂を用いたカチオン硬化性組成物は硬化時の体積収縮が小さく、炭素繊維への接着に優れ、機械物性に優れるためである。ところが、光硬化は非加熱であるため、成長反応が十分に進まず、耐熱性に関して満足するものが得られにくい。

樹脂硬化物を高耐熱化する1つの方法として、全エポキシ樹脂中の3官能以上の芳香族エポキシ樹脂の配合量を多くする方法が挙げられる。ところが、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂は、カチオン重合開始剤、特に光カチオン重合開始剤との反応性が極めて悪い(例えば、下記特許文献4参照)。

樹脂硬化物を高耐熱化する別の方法として、例えば下記特許文献5にオキセタン変性ノボラック樹脂、および活性エネルギー線カチオン重合開始剤を含む活性エネルギー線カチオン硬化性組成物を利用する方法が開示されている。しかし、ここで開示されている活性エネルギー線硬化性のカチオン硬化性樹脂組成物は炭素繊維を含む繊維強化複合材料に用いるには光硬化性が十分ではない。

このようにカチオン硬化性の光硬化性樹脂組成物はいくつか公知であるものの、炭素繊維を用いた繊維強化複合材料に適用可能な程度に光硬化性と耐熱性を満足するカチオン硬化性樹脂組成物は知られていないのが現状である。

特開2004−050574号公報
特開2001−316450号公報
特開平9−296016号公報
特開2001−261780号公報
特開2000−297149号公報
米国特許第4231951号明細書
米国特許第4256828号明細書
特開平10−24496号公報
特開平11−263804号公報

概要

低エネルギーな光照射で繊維強化複合材料の内部や裏面まで短時間に硬化できる光硬化性と樹脂硬化物の高耐熱性両立した繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物、その樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグを提供する。 少なくとも下記の構成要素(A)、(B)、(C)を含む繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。 (A)一般式(1)で表されるオキセタン樹脂(式中、R1、R2、R3は水素原子アルキル基アルコキシ基のいずれかを示し、それぞれのR1、R2、R3は互いに同一であっても異なっていてもよく、また、nは0以上を表す。) (B)ルイス酸ヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(C)エポキシ樹脂および/または一般式(1)以外のオキセタン樹脂なし

目的

こうした現状に鑑み、本発明の目的は、炭素繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として用いた場合においても、光照射により繊維強化複合材料の内部や裏面まで短時間に硬化できる光硬化性と樹脂硬化物の高耐熱性を両立した繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物、その樹脂組成物を炭素繊維に含浸してなるプリプレグを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも下記の構成要素(A)、(B)、(C)を含む繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。(A)一般式(1)で表されるオキセタン樹脂(式中、R1、R2、R3は水素原子アルキル基アルコキシ基のいずれかを示し、それぞれのR1、R2、R3は互いに同一であっても異なっていてもよく、また、nは0以上を表す。)(B)ルイス酸ヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(C)エポキシ樹脂および/または一般式(1)以外のオキセタン樹脂

請求項2

前記構成要素(B)が、次の一般式(2)で表されるルイス酸のヨードニウム塩である請求項1に記載の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。(式中、R4、R5は水素原子、アルキル基、アルコキシ基のいずれかを示し、それぞれのR4、R5は互いに同一であっても異なっていてもよく、また、R6、R7、R8、R9は水素原子、アルキル基のいずれかを示し、それぞれのR6、R7、R8、R9は互いに同一であっても異なっていてもよく、さらに、XはSbF6、B(C6F5)4のいずれかを示す。)

請求項3

更に、構成要素(D)として、増感剤を含む請求項1または2に記載の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。

請求項4

前記構成要素(D)が、次の一般式(3)または(4)で表される増感剤である請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。(式中、R10はハロゲン原子を示す。)(式中、R11、R12は水素原子、アルキル基のいずれかを示し、それぞれのR11、R12は互いに同一であっても異なっていてもよい。)

請求項5

前記構成要素(B)の配合量が全カチオン硬化性樹脂100重量%に対して、0.01〜20重量%であり、前記構成要素(B)と前記構成要素(D)とのモル比が、(B)/(D)=5/1〜0.2/1の割合である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。

請求項6

前記構成要素(B)と前記構成要素(D)とのモル比が、(B)/(D)=2/1〜0.5/1の割合であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。

請求項7

波長200〜500nmを有する光で照射し、波長404nmの照度800mW/cm2、露光量2J/cm2の条件で硬化させたとき、示差走査熱量分析により得られる反応率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物。

請求項8

請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を強化繊維含浸してなるプリプレグ

技術分野

0001

本発明は、光照射することで硬化可能な樹脂組成物プリプレグに関するものであり、かかる樹脂組成物、プリプレグは特に航空機部材宇宙機部材および自動車部材などに好適に用いられる。

背景技術

0002

ガラス繊維炭素繊維およびアラミド繊維などの強化繊維と、不飽和ポリエステル樹脂ビニルエステル樹脂エポキシ樹脂フェノール樹脂シアネート樹脂およびビスマレイミド樹脂などの樹脂硬化物からなる繊維強化複合材料は、軽量でありながら、強度や剛性耐衝撃性などの機械物性に優れるため、航空機部材、宇宙機部材、人工衛星部材、自動車部材、鉄道車両部材、船舶部材およびスポーツ用具部材などの数多くの分野に応用されてきた。これらの分野のうち、航空機部材と宇宙機部材では、特に優れた機械物性や耐熱性が要求されるため、強化繊維としては炭素繊維が最もよく用いられ、マトリックス樹脂としては熱硬化性樹脂のうち、優れた耐熱性、弾性率および耐薬品性を有し、かつ硬化収縮が小さいエポキシ樹脂が最もよく用いられている。これらの繊維強化複合材料の製造には、プリプレグのオートクレーブ成形が主流であるが、これが成形高コスト化成形設備の大型化、設備による成形サイズの制限、複雑形状の難しさの問題、成形物中の残留熱応力滞留による疲労の進展などを招いてしまう(例えば、下記特許文献1参照)。

0003

一方、前述の問題点を考慮して近年、加熱工程を必要としない繊維強化複合材料の成形方法確立が重要視されており、その代表例が電子線硬化によるものである(例えば、下記特許文献2参照)。しかし、この成形法は高価な高エネルギー電子線照射装置が必要であること、電子線硬化雰囲気不活性ガス置換する必要があること、電子線の照射によりX線が発生するため大規模遮蔽手段が必要で、これに多額な費用がかかってしまうことなどオートクレーブによる加熱工程を排したにもかかわらずコストの低減には、課題が大きい。

0004

この電子線硬化法に比べ、大規模な遮蔽手段を必要とせず、より簡便な設備で成形が可能な方法として光を硬化反応エネルギー源として用いる硬化法が考えられている。

0005

ところが、繊維強化複合材料に用いられる炭素繊維は光を全く透過させないため、炭素繊維に含浸させた光硬化樹脂に光照射して内部まで硬化させることは容易ではない。これを可能にするためには、開始反応が光に対し高い感度をもつ反応であり、成長反応が光を必要とせず、停止反応の起こりにくい反応であるような光硬化性樹脂組成物が有効になる。下記特許文献3では、このような光硬化性樹脂組成物として重合性不飽和化合物有機ホウ素化合物および酸性化合物からなる重合開始剤を含有する組成物を炭素繊維に含浸し、光照射して炭素繊維強化複合材料を成形することが記載されている。しかし、ここで記載されている光硬化性樹脂組成物は重合性不飽和化合物を用いたラジカル重合系の樹脂組成物であり、1)酸素による重合阻害を受ける、2)硬化時の体積収縮が大きい、3)臭気皮膚刺激性が強い、4)炭素繊維への接着性があまり良くない、5)耐熱性および機械物性があまり高くないなどの問題点を有しており、適用できる用途が限定される。

0006

これらの課題を解決する方法としては、カチオン硬化性の光硬化性樹脂組成物、特に好ましくはカチオン硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いた組成物を用いる方法が好ましく用いられる。これは、カチオン硬化性樹脂組成物は、一般に酸素による重合阻害をうけにくく、成分の揮発性が少ないため低臭気、低刺激性であり、特にエポキシ樹脂を用いたカチオン硬化性組成物は硬化時の体積収縮が小さく、炭素繊維への接着に優れ、機械物性に優れるためである。ところが、光硬化は非加熱であるため、成長反応が十分に進まず、耐熱性に関して満足するものが得られにくい。

0007

樹脂硬化物を高耐熱化する1つの方法として、全エポキシ樹脂中の3官能以上の芳香族エポキシ樹脂の配合量を多くする方法が挙げられる。ところが、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂は、カチオン重合開始剤、特に光カチオン重合開始剤との反応性が極めて悪い(例えば、下記特許文献4参照)。

0008

樹脂硬化物を高耐熱化する別の方法として、例えば下記特許文献5にオキセタン変性ノボラック樹脂、および活性エネルギー線カチオン重合開始剤を含む活性エネルギー線カチオン硬化性組成物を利用する方法が開示されている。しかし、ここで開示されている活性エネルギー線硬化性のカチオン硬化性樹脂組成物は炭素繊維を含む繊維強化複合材料に用いるには光硬化性が十分ではない。

0009

このようにカチオン硬化性の光硬化性樹脂組成物はいくつか公知であるものの、炭素繊維を用いた繊維強化複合材料に適用可能な程度に光硬化性と耐熱性を満足するカチオン硬化性樹脂組成物は知られていないのが現状である。

0010

特開2004−050574号公報
特開2001−316450号公報
特開平9−296016号公報
特開2001−261780号公報
特開2000−297149号公報
米国特許第4231951号明細書
米国特許第4256828号明細書
特開平10−24496号公報
特開平11−263804号公報

発明が解決しようとする課題

0011

こうした現状に鑑み、本発明の目的は、炭素繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として用いた場合においても、光照射により繊維強化複合材料の内部や裏面まで短時間に硬化できる光硬化性と樹脂硬化物の高耐熱性両立した繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物、その樹脂組成物を炭素繊維に含浸してなるプリプレグを提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

かかる課題を解決するために、本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物は、少なくとも下記の構成要素(A)、(B)、(C)を含むことを特徴とする。

0013

(A)一般式(1)で表されるオキセタン樹脂



(式中、R1、R2、R3は水素原子アルキル基アルコキシ基のいずれかを示し、それぞれのR1、R2、R3は互いに同一であっても異なっていてもよく、また、nは0以上を表す。)

0014

(B)ルイス酸ヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩
(C)エポキシ樹脂および/または一般式(1)以外のオキセタン樹脂

発明の効果

0015

本発明により、低エネルギーの光照射で繊維強化複合材料の内部や裏面まで短時間で硬化できる光硬化性と硬化物の高耐熱性を両立した繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物、その樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグを提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0016

本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物は、上記の一般式(1)で表されるオキセタン樹脂(A)、ルイス酸のヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(B)、エポキシ樹脂および/または一般式(1)以外のオキセタン樹脂(C)を含むものである。

0017

本発明において用いられるオキセタン樹脂(A)としては、フェノールノボラック樹脂分子内にオキセタン環クロルメチル基またはグリシジル基を有する化合物を反応させて得られる、上記一般式(1)で表されるオキセタン樹脂である。かかる一般式(1)で表されるオキセタン樹脂(A)としては、硬化物の耐熱性を向上させる効果がある。

0018

一般式(1)で表されるオキセタン樹脂の具体例としては、下記の化合物などをあげることが出来、本発明では、これらを単独または複数種併用して使用することができる。

0019

0020

0021

0022

(上記各式中、nは0以上を表す。)

0023

本発明において用いられるルイス酸のヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(B)としては、光、電子線、あるいはX線等の作用によって開裂しルイス酸を放出するヨードニウム塩、およびスルホニウム塩であれば特に限定なく用いることができる。かかるルイス酸のヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(B)としては、低エネルギーな光照射により構成要素(A)および構成要素(C)を硬化させるのに必須の成分である。

0024

ルイス酸のヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(B)としては、例えば、上記特許文献6に記載されたようなアリールスルホニウム錯塩;上記特許文献7に記載されたような芳香族ヨードニウム錯塩及び芳香族スルホニウム錯塩;上記特許文献8に記載されたような芳香族スルホニウム錯塩;上記特許文献9に記載されたような芳香族ヨードニウム錯塩などをあげることが出来、本発明では、これらを単独または複数種併用して使用することが出来る。

0025

なかでも、一般式(2)で表されるルイス酸のヨードニウム塩が好ましく用いられる。

0026

一般式(2)で表されるルイス酸のヨードニウム塩の具体例としては、下記の化合物などをあげることが出来、本発明では、これらを単独または複数種併用して使用することができる。なかでも、本発明では光硬化性がより高い一般式(6)が好ましく用いられる。

0027

0028

0029

0030

0031

0032

0033

0034

0035

(上記各式中、XはSbF6、B(C6F5)4のいずれかを示す。)

0036

本発明において、構成要素(C)で表されるエポキシ樹脂および/または一般式(1)以外のオキセタン樹脂としては、一般に知られているエポキシ基およびオキセタン基を有するモノマーオリゴマーポリマーであれば特に限定されることなく使用することが出来る。かかるエポキシ樹脂および/または一般式(1)以外のオキセタン樹脂(C)としては、樹脂の粘度制御および硬化物の耐熱性、機械的特性などを向上させる効果がある。

0037

エポキシ樹脂としては、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−ドデシレンオキサイド、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカンエチレンオキサイドプロピレンオキサイドスチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイドリモネンオキサイド、α−ピネンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイドなどの単官能のモノマー、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイドリモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルペンチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペートネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルグリセロールポリグリシジルエーテルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂ビスフェノールF型エポキシ樹脂、o−,m−,p−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂フェノールノボラック型エポキシ樹脂ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂トリフェニルメタン型エポキシ樹脂フェノールアラルキル型エポキシ樹脂多価アルコールポリグリシジルエーテル信越シリコーン社製のK−62−722や東シリコーン社製のUV9300などのエポキシシリコーンのような多官能エポキシ樹脂などを挙げることが出来る。

0038

オキセタン樹脂としては、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ビスクロロメチル)オキセタン、2−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、レゾルシノールビス(3−メチル−3−オキセタニルエチル)エーテル、m−キシリレンビス(3−エチル−3−オキセタニルエチルエーテル)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリルプロポキシ]メチル}オキセタン、オキセタニルシルセスキオキサンなどを挙げることが出来る。これらエポキシ樹脂およびオキセタン樹脂は、単独もしくは2種以上を併用して用いても差し支えない。

0039

また、本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物には、ビニル樹脂ビシクロオルソエステル樹脂スピロオルソカーボネート樹脂、チイラン樹脂などカチオン硬化性を有するモノマー、オリゴマーやポリマーであれば特に限定されることなく使用することが出来る。

0040

本発明において用いられる増感剤(D)としては、構成要素(B)の光反応を促進する化合物で有ればどのようなものでも良い。例えば、アクリジンオレンジアクリジンイエローベンゾフラビン、セトフラビンT、フォスフィンRなどの色素チオキサントン、チオキサントンの誘導体アントラキノン、アントラキノンの誘導体、アントラセン、1,2−ベンズアントラセン、アントラセンの誘導体、ペリレン、ペリレンの誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾフェノンの誘導体、ペリレン、ペリレンの誘導体、ピレン、ピレンの誘導体、フェノチアジン、2−クロロフェノチアジン、2−メトキシフェノチアジン、フェノチアジンの誘導体、コロネン、コロネンの誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾフェノンの誘導体、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、9,10−アントラキノン、アントラキノンの誘導体、フルオレノン、9−フルオレノン、フルオレノンの誘導体、テトラセン、テトラセンの誘導体などをあげることが出来、本発明では、これらを単独または複数種併用して使用することが出来る。

0041

なかでも、下記一般式(3)または(4)で表される増感剤が好ましく用いられる。

0042

(式中、R10はハロゲン原子を示す。)

0043

(式中、R11、R12は水素原子、アルキル基のいずれかを示し、それぞれのR11、R12は互いに同一であっても異なっていてもよい。)

0044

一般式(3)または(4)で表される増感剤の具体例としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどの化合物を挙げることが出来、本発明では、これらを単独または複数種併用して使用することができる。

0045

本発明において、ルイス酸のヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(B)の配合量は、好ましくは全カチオン硬化性樹脂100重量%に対して0.01〜20重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜10重量%である。ルイス酸のヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(B)が0.01重量%未満であると繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の光硬化性が低下し、20重量%を超えると繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の硬化物の機械特性が低下する。

0046

また、本発明においてルイス酸のヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(B)と増感剤(D)とのモル比は、(B)/(D)=5/1〜0.2/1の割合である必要があり、より好ましくは2/1〜0.5/1の割合である。ルイス酸のヨードニウム塩および/またはルイス酸のスルホニウム塩(B)と増感剤(D)とのモル比が5/1〜0.2/1の範囲に入らなければ、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の光硬化性が低下し、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の硬化物の機械特性が低下する。

0047

本発明において、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物に、任意の成分として、重合促進剤高分子化合物有機粒子無機粒子などの他成分を配合することができる。

0048

上記の重合促進剤としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールグリセロールトリメチロールプロパンペンタエリスリトールポリビニルアルコールベンジルアルコールピペロニルアルコールなどのアルコール類が好ましく用いられる。このような重合促進剤を配合することにより、後述する「示差走査熱量分析により得られる反応率」の向上効果がある。

0049

本発明において、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物に配合する高分子化合物としては、オキセタン樹脂あるいは/およびエポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。このような熱可塑性樹脂を配合することにより、樹脂の粘度制御やプリプレグの取り扱い性の改善またはマトリックス樹脂と強化繊維との接着性の改善の効果が発現される。

0050

かかるエポキシ樹脂あるいはオキセタン樹脂に可溶な熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂との相溶性及び強化繊維との接着性の観点から、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましい。水素結合性官能基としては、アルコール性水酸基アミド基イミド基スルホニル基などが好ましい。また、アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂フェノキシ樹脂など、アミド基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミドなど、イミド基を有する熱可塑性樹脂としてはポリイミドなど、スルホニル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンなどがそれぞれ使用される。かかるポリアミド、ポリイミド及びポリスルホンは、主鎖にエーテル結合カルボニル基などの官能基を有するものでもよく、また、ポリアミドは、アミド基の窒素原子置換基を有するものでもよい。

0051

また、かかる熱可塑性樹脂は、末端あるいは側鎖に、エポキシ樹脂あるいはオキセタン樹脂と反応する官能基を有するものが好ましく用いられる。市販品としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂として、“デンカブチラール”(登録商標)及び“デンカホルマール”(登録商標)(電気化学工業(株)製)、“ビニレック”(登録商標)(チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂として、“UCAR”(登録商標)PKHP(ユニオンカーバイド社製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト”(登録商標)(ヘンケル白水(株)製)、“アミラン”(登録商標)CM4000(東レ(株)製)、ポリイミドとして“ウルテム”(登録商標)(ジェネラルエレクトリック社製)、“Matrimid”5218(チバ社製)、ポリスルホンとして“スミエクセル”(登録商標)(住友化学(株)製)、“UDEL”(登録商標)、“RADEL”(登録商標)(帝人アモコ(株)製)などを使用することができる。

0052

本発明において、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物に配合する有機粒子としては、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子が好ましい。これらの粒子は、マトリックス樹脂の靭性向上、繊維強化複合材料の耐衝撃性向上の効果を有する。

0053

かかるゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、及び架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーグラフト重合したコアシェルゴム粒子が好ましく用いられる。市販の架橋ゴム粒子としては、カルボキシル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体架橋物からなるFX−501、FX−602(日本合成ゴム(株)製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ(日本触媒(株)製)、YR−500シリーズ(東都化成(株)製)などを使用することができる。また、市販のコアシェルゴム粒子としては、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキルスチレン共重合物からなる“パライド”(登録商標)EXL−2655(呉羽化学工業(株)製)、アクリル酸エステルメタクリル酸エステル共重合体からなる“スタフィロイド”(登録商標)AC−3355、TR−2122(武田薬品工業(株)製)、アクリル酸ブチルメタクリル酸メチル共重合物からなる“PARALOID”(登録商標)EXL−2611、EXL−3387(Rohm&Haas社製)などを使用することができる。

0054

また、熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミド又はポリイミドの粒子が好ましく用いられる。市販のポリアミド粒子として、東レ(株)製SP−500、ATOHEM社製“オルソール”(登録商標)などを使用することができる。

0055

本発明において、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物に配合する無機粒子としては、シリカアルミナスメクタイト合成マイカ炭酸カルシウムタルククレーガラス粉水酸化アルミニウム酸化チタン酸化バリウムなどが好ましい。これらの無機粒子は、主として樹脂組成物の増粘などのレオロジー制御揺変性付与の効果を有する。

0056

本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物は、波長200〜500nmを有する光で照射し、波長404nmの照度800mW/cm2、露光量2J/cm2の条件で硬化させたとき、後述する「示差走査熱量分析により得られる反応率」が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。反応率が70%未満であると炭素繊維に含浸してなるプリプレグの硬化を行った場合、繊維強化複合材料の成形時に多大な光照射エネルギーが必要となり、また得られた繊維強化複合材料も耐熱性や力学特性が不十分なものとなる。

0057

本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の硬化に用いられる光源としては、波長200〜500nmを有する光を発すればいずれでも良い。なかでも、300〜450nmの範囲の光を含むことが好ましく、450nm以下の光を含まない場合、感度が不十分となることがあり、硬化不良に陥りやすい。光源の具体例としては、太陽光白熱電球赤外線ランプ近赤外光ランプナトリウムランプ陽光ランプ、ガリウム含有ランプ、カーボンアーク灯ハロゲンランプ低圧水銀灯中圧水銀灯高圧水銀灯超高圧水銀灯蛍光灯メタルハライドランプキセノンランプ、カーボンアーク灯などが用いられ、また半導体レーザーアルゴンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザーなどのレーザーを用いることもできる。特に、本発明では、メタルハライドランプおよび高圧水銀灯が好ましく用いられる。本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物は、α線β線γ線中線子線、X線、加速電子線のような電離放射線、あるいは熱によっても容易に硬化することが出来る。さらに、必要に応じて光照射後の後硬化として加熱を行ってもよい。その際、40℃〜200℃で30分〜20時間程度の処理が行われる。

0058

本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を強化繊維に含浸し、プリプレグを構成することができる。本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノールなどの溶媒に溶解して低粘度化し、含浸させるウエット法や、マトリックス樹脂を加熱により低粘度化し含浸させるホットメルト法ドライ法)などの方法により製造される。

0059

まず、ウェット法は、強化繊維を繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の溶液に浸漬した後引き上げオーブンなどを用いて溶媒を蒸発させてプリプレグを得る方法である。一方、ホットメルト法は、加熱により低粘度化した繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、または、一旦、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を離型紙などの上にコーティングしたフィルムをまず作成し、次いで、強化繊維の両側或いは片側から該フィルムを重ね、加熱加圧することにより、樹脂を含浸させてプリプレグを得る方法である。これらの中でも、ホットメルト法がプリプレグ中残留する溶媒がないため好ましい方法である。

0060

かかるプリプレグに用いる強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ボロン繊維アルミナ繊維炭化ケイ素繊維、あるいはこれらを組合せたものなどが使用される。なかでも、軽量化と高強度化が求められる用途(例えば、航空機や宇宙機部材など)においては、優れた比強度比弾性率を有する炭素繊維が好ましく使用される。

0061

強化繊維の形態は特に限定されるものではなく、例えば、一方向に引き揃えた長繊維織物マットニット組み紐などが用いられる。また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要求される用途には強化繊維が単一方向に引き揃えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易な織物状の配列も本発明には適している。

0062

得られる繊維強化複合材料の強度と弾性率は、強化繊維量に大きく依存する。つまり一定量の強化繊維を含有する場合、組み合わせる樹脂の量を少なくするほど、繊維強化複合材料や最終製品の性能をほぼ一定に維持したままで、製品重量を軽量化することができる。このような目的等のため、本発明におけるプリプレグおよび繊維強化複合材料全重量に対する強化繊維の含有量は、好ましくは40〜90重量%であり、より好ましくは50〜80重量%であり、さらに好ましくは50〜70重量%である。強化繊維の含有量が40重量%未満の場合は、軽量化効果が十分でない場合があり、90重量%を超えると樹脂量が少ないため複合材料中にボイドが残存し、機械特性が低下する場合がある。

0063

プリプレグに使用される強化繊維の目付は、好ましくは10〜400g/m2であり、より好ましくは50〜200g/m2である。強化繊維の目付が10g/m2に満たないと、プリプレグに割れが発生しやすく、取り扱い性が著しく悪化する。また、強化繊維の目付が400g/m2を超えると、含浸時に樹脂が厚み方向の中央部まで到達せず、未含浸部を有するプリプレグとなり、硬化時にボイドが残存し、成形体の物性低下を招く可能性がある。また、プリプレグの厚みは、適用用途に求められる力学特性や積層作業のし易さ等を考慮して決定されるので特に限定されるものではないが、好ましくは20μm〜300μmである。プリプレグの厚みが20μm未満であると、プリプレグに割れが発生しやすく、取り扱い性が著しく悪化し、300μmを超えると含浸時に樹脂が厚み方向の中央部まで到達せず、未含浸部を有するプリプレグとなってしまう。

0064

以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。実施例で用いた樹脂原料、また、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の調製、示差走査熱量分析により得られるガラス転移温度(Tg)、反応率の測定方法および、光硬化性テストの方法を以下に示す(ただし、測定装置メーカー名、型番は以下のものに限られるものではない)。各実施例で用いた繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の組成、ガラス転移温度、反応率および、光硬化性テストの結果は、下記表1に纏めて示した。

0065

<樹脂原料>
繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の調製には次の市販品および試薬から選択した。
(1)カチオン硬化性樹脂
・PNOX−1009(東亞合成(株)製):一般式(5)で表されるオキセタン樹脂。
NC−3000(日本化薬(株)製):ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂
EPPN−501H(日本化薬(株)製):フェノールノボラック型エポキシ樹脂
・“エピコート”825(登録商標、ジャパンエポキシレジン(株)製):ビスフェノールA型エポキシ樹脂
・OXT−121(東亜合成(株)製):キシリレンジオキセタン

0066

(2)ヨードニウム塩
・“ロードシル”2074(登録商標、ローディアジパン(株)製):一般式(6)で表されるヨードニウム塩。
・BBI−103(みどり化学(株)製):一般式(7)で表されるヨードニウム塩のXをSbF6で置き換えたもの。

0067

(3)ヨードニウム塩に該当しない
・IRGACURE−261(日本チバガイギー(株)製):(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]鉄(II)ヘキサフルオロフォスフェイト

0068

(4)増感剤
・“KAYACURE”CTX(登録商標、日本化薬(株)製):2−クロロチオキサントン
・“KAYACURE”DETX−S(登録商標、日本化薬(株)製):2,4−ジエチルチオキサントン

0069

<繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物の調製>
[実施例1〜3]
表1に示す所定の比率のカチオン硬化性樹脂を加え、100℃の温度に加温した状態で均一に溶解するまで良く攪拌する。次に、ヨードニウム塩を加え、80℃の状態で均一に溶解するまで良く攪拌し、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を得た。

0070

[実施例4〜6および比較例1、2、4、5]
表1に示す所定の比率のカチオン硬化性樹脂を加え、100℃の温度で加温した状態で均一になるまで良く攪拌する。次に、ヨードニウム塩と増感剤を加え、80℃の状態で均一に溶解するまで良く攪拌し、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を得た。

0071

[比較例3]
表1に示す所定の比率のカチオン硬化性樹脂を加え、100℃の温度で加温した状態で均一になるまで良く攪拌する。次に、IRGACURE−261を加え、80℃の状態で均一に溶解するまで良く攪拌し、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を得た。

0072

反応率測定
繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を約4〜10mg精し、JIS K7121に従い、温度範囲25℃〜350℃、昇温速度20℃/分の条件下で昇温し示差走査熱量分析装置(DSC3100SA、ブルカー・エイエックスエス(株)製)にて、カチオン重合に伴う全発熱量(Ha)を測定した。発熱量(Ha)は、図1のような発熱曲線ベースライン延長線に囲まれた面積から求められる。続いて、繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を厚さ約100μmのフィルムとし、一定温度(25℃)下で、コンベア紫外線硬化装置(ECS−151S、アイグラフィックス(株)製)によりメタルハライドランプを光源として、波長404nmの照度800mW/cm2、露光量2J/cm2の条件で光を照射し硬化物を得た。この硬化物を約4〜10mg精秤し、JIS K7121に従い、温度範囲25℃〜350℃、昇温速度20℃/分の条件下で昇温し示差走査熱量分析装置(DSC3100SA、ブルカー・エイエックスエス(株)製)にて残存発熱量Hb)(加熱による発熱量)を測定した。具体的には図1のような発熱曲線とベースラインの延長線に囲まれた面積から発熱量(Hb)が求められる。この時、反応率(R)=100×(Ha−Hb)/Haとなる。反応率が高いほど、得られる繊維強化複合材料の耐熱性や力学特性が向上するため好ましい。なお、硬化反応が完全に進行した場合、反応率は100となる。

0073

<ガラス転移温度(Tg)測定>
繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を厚さ約100μmのフィルムとし、一定温度(25℃)下で、コンベア型紫外線硬化装置(ECS−151S、アイグラフィックス(株)製)によりメタルハライドランプを光源として、波長404nmの照度800mW/cm2、露光量2J/cm2の条件で光を照射し硬化物を得た。この硬化物を、JIS K7121に従い、温度範囲25℃〜350℃、昇温速度20℃/分の条件下で昇温し示差走査熱量分析装置(DSC3100SA、ブルカー・エイエックスエス(株)製)にてガラス転移温度測定を行った。

0074

具体的には、得られた曲線階段状変化を示す部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度をガラス転移温度とした。なお、得られたガラス転移温度を耐熱性の指標とした。

0075

<光硬化性テスト>
炭素繊維一方向織物(炭素繊維:T800S、目付:190g/m2、厚さ:200μm、東レ(株)製)にローラーを用いて繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物を含浸させプリプレグを作製した(目付:320g/cm2)。このプリプレグを以下の条件で光硬化させた。この光硬化性テストにおいて、プリプレグの光を照射した面および裏面のタックが無いものに○印、タックがあるものに×印を付けた。
UV照射器:コンベア型紫外線硬化装置(ECS−151S、アイグラフィックス(株)製)
ランプ:集光型120W/cmメタルハライドランプ
(波長404nmの照度800mW/cm2)
照射最短距離:10cm
ベルトコンベア速度:2m/分
照射回数:5回(実質照射時間:7.5秒)

0076

0077

表1に示すとおり、実施例1〜6は、比較例1〜3、5に比較していずれも反応率とガラス転移温度および光硬化性テストが優れているものであることが判る。また、比較例4は、反応率および光硬化性テストが優れているもののガラス転移温度が実施例1〜6より劣っているものであることが判る。

0078

本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物、その樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグは、低エネルギーの光照射で繊維強化複合材料の内部や裏面まで短時間で硬化できる光硬化性と硬化物の高耐熱性を両立する。これにより、本発明の繊維強化複合材料用カチオン硬化性樹脂組成物、その樹脂組成物を強化繊維に含浸してなるプリプレグは、航空機部材、宇宙機部材、人工衛星部材、自動車部材、鉄道車両部材、船舶部材およびスポーツ用具部材などの数多くの分野に応用することができる。

図面の簡単な説明

0079

示差走査熱量分析により得られた光カチオン重合の発熱曲線の一例。

符号の説明

0080

1:発熱方向、2:吸熱方向、3:ベースラインの延長線、4:HaまたはHb、5:発熱曲線、6:温度。

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