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技術 車両組付け精度管理方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 巴山共樹鈴井正人梅木吉成岩屋貴裕
出願日 2005年3月24日 (16年5ヶ月経過) 出願番号 2005-086182
公開日 2006年10月5日 (14年10ヶ月経過) 公開番号 2006-264521
状態 特許登録済
技術分野 自動車の製造ライン・無限軌道車両・トレーラ 自動組立
主要キーワード 公差位置 隙間公差 隙間精度 許容公差範囲 接合順序 製造要因 組付け治具 車両製造ライン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

完成車両組付け精度に影響を与える車両構成部品車両構成部材サブアッシー)を特定しながら、該車両構成部品の製品精度や該車両構成部材の組付け精度を集中管理することにより、完成車両の安定した組付け精度管理を実現することのできる車両製造ラインの組付け精度管理方法を提供する。

解決手段

複数の車両構成部品や車両構成部材同士が組み付けられて完成車両が製造される車両の製造ラインにおいて、それぞれの車両構成部品や車両構成部材ごとに、適宜の組付け位置を測定するとともに組付け位置データとし、それぞれの組付け位置データを説明変数とし、最終または中間の完成車両の組付け精度を表す基準組付け位置データを目的変数とし、この説明変数と目的変数に基づく回帰分析をおこなうことで、寄与率の相対的に高い部品や車両構成部材を特定するとともに、目的変数を適宜の組付け精度に調整する方法である。

概要

背景

従来の車両ボディー組付け精度管理方法は、多数の部品が最終的に組み付けられてなる完成車両ボディーの中から任意の完成車両ボディーを抜き出し、オフライン上で多数の組付け精度チェックポイント計測管理していた。かかる精度チェックポイントは4000箇所程度にも及び、1台の車両ボディーの組付け精度計測に1.5日程度を要する一方で、任意に抜き出した数台の車両ボディーをもって全数車両(例えば、1日で生産される車両ボディーは1000台程度にも及ぶ)を代表させていたため、その組付け精度管理方法には改善の余地が多分に存在していた。また、車両ボディーの各部位の部品精度サブアッシーの組付け精度は、その周辺の複数の部品精度やサブアッシーの組付け精度の影響を多分に受けており、ある組付け部位に許容公差外の組付け公差発見された場合でも、実際にどの部品の製品精度あるいはどのサブアッシーの組付け精度が完成車両の組付け精度に影響を与えているのかの特定が極めて困難であり、従来は熟練技術者主観に基づいて元凶部位の特定がなされるに留まっていた。

ところで、特許文献1には、車両ボディーの組立方法に関する発明が開示されている。かかる組立方法は、複数の車体構成部品同士の接合面での複数の溶接接合部位について部品単独の状態で予めその寸法や位置、形状に関する精度を測定しておき、相手側接合面との突合せの際に干渉隙間発生などの不具合が発生するか否かを予測し、双方の接合面同士の精度が完全に一致して不具合の発生がないと判定された部位から先に溶接接合をおこなうものである。

特開2003−237651号公報

概要

完成車両の組付け精度に影響を与える車両構成部品車両構成部材(サブアッシー)を特定しながら、該車両構成部品の製品精度や該車両構成部材の組付け精度を集中管理することにより、完成車両の安定した組付け精度管理を実現することのできる車両製造ラインの組付け精度管理方法を提供する。 複数の車両構成部品や車両構成部材同士が組み付けられて完成車両が製造される車両の製造ラインにおいて、それぞれの車両構成部品や車両構成部材ごとに、適宜の組付け位置を測定するとともに組付け位置データとし、それぞれの組付け位置データを説明変数とし、最終または中間の完成車両の組付け精度を表す基準組付け位置データを目的変数とし、この説明変数と目的変数に基づく回帰分析をおこなうことで、寄与率の相対的に高い部品や車両構成部材を特定するとともに、目的変数を適宜の組付け精度に調整する方法である。

目的

本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、複数の車体構成部品を組付けて完成車両を製造する際に、完成車両の組付け精度に対して、どの部品の組付け精度あるいはどの車両構成部材(サブアッシー)の組付け精度がより大きな影響を与えているのかを特定することで、完成車両の安定した組付け精度管理を実現することのできる車両組付け精度管理方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複数の部品と、該部品が組み付けられて構成される車両構成部材複数組付けることで製造される車両用ボディー製造ラインにおいて、前記複数の部品および前記車両構成部材の組付け精度を管理するための車両組付け精度管理方法であって、前記部品および前記車両構成部材の組付け工程において、それぞれの組付け位置を測定し、それらの測定データを組付け位置データとして記憶するとともに、該組付け位置データを説明変数とし、前記部品および前記車両構成部材を組付けて構成される車両ボディーの完全完成品または中間完成品の組付け精度を表す基準組付け位置データを目的変数とし、前記説明変数と前記目的変数とに基づく回帰分析をおこなうことにより、完全完成品または中間完成品の組付け精度に対して寄与率の相対的に高い部品または車両構成部材を特定する工程を含むことを特徴とする車両組付け精度管理方法。

請求項2

前記組付け位置の測定は、該組付け位置の画像または映像を取得し、予め記憶された正規の組付け位置との公差を算出するものであり、該組付け位置データは該公差に基づく値であることを特徴とする請求項1に記載の車両組付け精度管理方法。

請求項3

請求項1または2に記載の車両組付け精度管理方法において、前記目的変数に対して寄与率が相対的に高い前記部品の組付け精度および/または前記車両構成部材の組付け精度に関して、製造治具組付け治具製造装置組付け装置を含む複数の製造要因または組付け要因を第二の説明変数とし、部品の組付け精度や車両構成部材の組付け精度を第二の目的変数とし、該第二の目的変数に対して寄与率の相対的に高い製造要因または組付け要因を集中管理することによって、完全完成品または中間完成品の組付け精度に対して寄与率の高い部品の組付け精度および/または車両構成部材の組付け精度を適宜の組付け精度に調整することを特徴とする車両組付け精度管理方法。

技術分野

0001

本発明は、複数の部品と、該部品が組み付けられて構成される車両構成部材複数組付けることで製造される車両用ボディー製造ラインにおいて、前記複数の部品および前記車両構成部材の組付け精度を管理するための車両組付け精度管理方法係り、特に、完成車両の組付け精度に影響を与える部品や車両構成部材(サブアッシー)を特定しながら、該車両構成部材の組付け精度を集中管理することにより、完成車両の安定した組付け精度管理を実現することのできる車両組付け精度管理方法に関するものである。

背景技術

0002

従来の車両ボディーの組付け精度管理方法は、多数の部品が最終的に組み付けられてなる完成車両ボディーの中から任意の完成車両ボディーを抜き出し、オフライン上で多数の組付け精度チェックポイント計測管理していた。かかる精度チェックポイントは4000箇所程度にも及び、1台の車両ボディーの組付け精度計測に1.5日程度を要する一方で、任意に抜き出した数台の車両ボディーをもって全数車両(例えば、1日で生産される車両ボディーは1000台程度にも及ぶ)を代表させていたため、その組付け精度管理方法には改善の余地が多分に存在していた。また、車両ボディーの各部位の部品精度やサブアッシーの組付け精度は、その周辺の複数の部品精度やサブアッシーの組付け精度の影響を多分に受けており、ある組付け部位に許容公差外の組付け公差発見された場合でも、実際にどの部品の製品精度あるいはどのサブアッシーの組付け精度が完成車両の組付け精度に影響を与えているのかの特定が極めて困難であり、従来は熟練技術者主観に基づいて元凶部位の特定がなされるに留まっていた。

0003

ところで、特許文献1には、車両ボディーの組立方法に関する発明が開示されている。かかる組立方法は、複数の車体構成部品同士の接合面での複数の溶接接合部位について部品単独の状態で予めその寸法や位置、形状に関する精度を測定しておき、相手側接合面との突合せの際に干渉隙間発生などの不具合が発生するか否かを予測し、双方の接合面同士の精度が完全に一致して不具合の発生がないと判定された部位から先に溶接接合をおこなうものである。

0004

特開2003−237651号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に開示の車両ボディーの組立方法によれば、車体全体としての精度のばらつきに個々の車体構成部品の精度のばらつきが影響しにくくなり、車体全体としての寸法精度を向上させることができる。しかし、車両生産ラインにおいては車体構成部品の組付け順序が設定されており、したがって、接合時の不具合のないものから順に接合させていく方法は、車体ごとに接合順序が異なることとなり、車体製造の歩留まりの低下が否めない。さらに、かかる発明では、完成した車両ボディーにおける多数箇所の組付け精度チェックポイントに対して、どの車両構成部材(または組付け工程)の組付け精度がより大きな影響を与えているのかを特定することはできない。複数の車体構成部品を組付けていく際に、最終的な完成車両ボディーの組付け精度に対して、どの組付け工程がより大きな影響を与えているのかが特定できれば、かかる組付け工程の組付け精度を集中管理できる。また、既述するような少数台数抜き取り検査によることなく、全台数の組付け精度の保証にも繋がることとなる。

0006

本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、複数の車体構成部品を組付けて完成車両を製造する際に、完成車両の組付け精度に対して、どの部品の組付け精度あるいはどの車両構成部材(サブアッシー)の組付け精度がより大きな影響を与えているのかを特定することで、完成車両の安定した組付け精度管理を実現することのできる車両組付け精度管理方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

前記目的を達成すべく、本発明による車両組付け精度管理方法は、複数の部品と、該部品が組み付けられて構成される車両構成部材を複数組付けることで製造される車両用ボディーの製造ラインにおいて、前記複数の部品および前記車両構成部材の組付け精度を管理するための車両組付け精度管理方法であって、前記部品および前記車両構成部材の組付け工程において、それぞれの組付け位置を測定し、それらの測定データを組付け位置データとして記憶するとともに、該組付け位置データを説明変数とし、前記部品および前記車両構成部材を組付けて構成される車両ボディーの完全完成品または中間完成品の組付け精度を表す基準組付け位置データを目的変数とし、前記説明変数と前記目的変数とに基づく回帰分析をおこなうことにより、完全完成品または中間完成品の組付け精度に対して寄与率の相対的に高い部品または車両構成部材を特定する工程を含むことを特徴とする。

0008

フロアボディサイドリアパネルルーフなどの各車両構成部材が溶接接合されることによって組立てられて車両ボディーの中間完成品が製造され、かかる中間完成品にエンジン駆動系部材などが接続されて車両ボディーの完全完成品が製造される。ここで、個々の車両構成部材はその前段階のサブ組付けライン(サブアッシー工程)にて多数の部品が組み付けられていわゆる小サブアッシーとなり、複数の小サブアッシー同士が組み付けられて中サブアッシーとなり、順次車両構成部材が組み付けられて大サブアッシーとなり、最終的な車両ボディーが製造されることとなる。

0009

第一の車両構成部材を構成する多数の部品(における各部位)や、各車両構成部材(小サブアッシー〜大サブアッシー)には、部品の各部位の製品精度(孔の位置や孔径など)や組付け精度、車両構成部材の組付け精度(許容公差)が設定されており、それぞれの測定ポイントにおける部品部位や組付け状況が測定され、その測定データが集積される。すなわち、車両構成部材を構成する複数の部品に関する測定データ(部品自体の製品精度や部品同士の組付け精度)と、複数の小サブアッシーごとの組付け精度に関する測定データ、複数の小サブアッシーから構成される中サブアッシーごとの組付け精度に関する測定データ、さらには複数の中サブアッシーから構成される大サブアッシーごとの組付け精度に関する測定データが各製造ラインごとに集積されることとなる。

0010

さらに、複数の大サブアッシーから構成される完成車両(例えば、車両ボディーの中間完成品)においても、該車両ボディーに固有の複数の組付け精度を測定するための測定ポイントが設定されており、各測定ポイントごとに固有の組付け許容公差が設けられている。

0011

ここで、車両ボディーの各部位は、複数の部品や車両構成部材が相互に接続されることによって構成されており、したがって、車両ボディーの各組付け位置における組付け精度は、複数の部品や構成部材(小サブアッシーを構成する部品、小サブアッシー〜大サブアッシーまでの車両構成部材)の組付け精度が相互に関連することによって決定されるものである。そこで、本発明においては、複数の部品や車両構成部材の各組付け工程ごとに、予め設定されたそれぞれの組付け位置を測定して組付け位置データとし、それらの組付け位置データを記憶(集積)しておく。また、完成車両の複数の組付け位置の組付け精度を測定して基準組付け位置データとする。この基準組付け位置データを目的変数とし、複数の部品や車両構成部材の組付け位置データを説明変数とし、基準組付け位置データに相対的に大きな影響を与え得る一つまたは複数の組付け位置データ(部品やサブアッシー(の組付け工程))を、回帰分析に基づいて特定しようとするものである。

0012

ここで、回帰分析とは、任意に設定された目的変数に対して、該目的変数に影響を与える(相間のある)一つまたは複数のファクター(説明変数)を特定し、目的変数を説明変数で表すことによって所望の予測値を求める評価手法のことである。説明変数が複数想定される場合には、説明変数ごとに目的変数に対する寄与率を求めることが可能となり、この寄与率の相対的に高い説明変数に基づいて回帰式を設定することにより、実測値により近似した回帰式を得ることが可能となる。なお、設定された回帰式が実測値を精度よく反映するものか否かを判断する指標となる相間係数(重相間係数)は、適宜の値(例えば、0.8など)に設定すればよく、寄与率の値に応じて、組付け精度チェックポイントごとに、単回帰式重回帰式が設定されることとなる。

0013

本発明の車両組付け精度管理方法によれば、完成車両の組付け精度測定ポイントにおける組付け精度に最も影響を与え得る車両構成部品(の部品製造工程や組付け工程)、車両構成部材の組付け工程を容易に特定することができ、かかる部品製造工程における製品製造精度や車両構成部材の組付け工程における組付け精度を集中管理することにより、効率的で高精度な完成車両の組付け精度管理を実現することが可能となる。また、完成車両の組付け精度測定ポイントにおいて組付け公差が許容値オーバーした際には、寄与率の高い部品製造工程や車両構成部材の組付け工程における設定許容公差をより厳しく設定することにより、完成車両の組付け公差を許容値以内に容易に収めることが可能となる。さらに、従来のように技術者ごとに元凶部材の特定方法が異なる方法に比べて、集積された測定データと回帰分析に基づく管理方法を適用することにより、均一かつ安定した製造ラインの組付け管理を実現することが可能となる。

0014

また、従来のように完成車両の中から少台数を任意に抜き出して組付け精度をチェックするものではなく、部品の製造工程や各車両構成部材の組付け工程にて全部品または全サブアッシーの計測チェックをおこなう方法により、設定された許容公差を外れた部品や車両構成部材をその時点でインラインから取り除くことができ、したがって組付け管理精度の極めて高い車両製造ラインを実現することが可能となる。

0015

また、本発明による車両組付け精度管理方法の他の実施形態において、前記組付け位置の測定は、該組付け位置の画像または映像を取得し、予め記憶された正規の組付け位置との公差を算出するものであり、該組付け位置データは該公差に基づく値であることを特徴とする。

0016

例えば、各製品製造工程や各車両構成部材の組付け工程には、それぞれ固有のCCDカメラが設置されており、該カメラ内には、計測ポイントごとに該計測部位の正規の基準位置が設定されている。カメラで任意の計測ポイントを計測すると、計測者側からは、基準位置と実際の撮影位置(計測部位の実際の位置)が視認できる。また、例えば2次元での公差(X方向に+2mm、Y方向に−1mmなど)が自動表示されるような実施形態であってもよい。かかる計測方法により、各部品や各サブアッシーにおいて設定された計測ポイントにおける組付け位置データが公差に基づいて計測され、かかる組付け位置データが各組付け工程ごとに集積される。

0017

さらに、本発明による車両組付け精度管理方法の他の実施形態は、前記目的変数に対して寄与率が相対的に高い前記部品の組付け精度および/または前記車両構成部材の組付け精度に関して、製造治具組付け治具製造装置組付け装置を含む複数の製造要因または組付け要因を第二の説明変数とし、部品の組付け精度や車両構成部材の組付け精度を第二の目的変数とし、該第二の目的変数に対して寄与率の相対的に高い製造要因または組付け要因を集中管理することによって、完全完成品または中間完成品の組付け精度に対して寄与率の高い部品の組付け精度および/または車両構成部材の組付け精度を適宜の組付け精度に調整することを特徴とする。

0018

本発明は、完成車両の組付け精度に相対的に大きな影響を与える車両構成部品(の部品製造工程や組付け工程)や車両構成部材(の組付け工程)において、該部品を製造する際、または該車両構成部材を組付ける際の様々な製造要因や組付け要因、例えば、組付け治具や溶接ロボットなどの製造装置や組付け装置などの中で、部品の製品精度や組付け精度、車両構成部材の組付け精度に相対的に大きな影響を与える製造要因または組付け要因を特定するものである。特定された製造要因や組付け要因を集中管理することにより、完成車両に大きな影響を与える車両構成部品の製品精度や車両構成部材の組付け精度を調整することで、結果的に完成車両の組付け精度の管理を図ることができる。

0019

ここで、車両構成部材の組付け精度に対する寄与率を例えば3段階に評価(寄与率の高い順に3,2,1とする)するとともに、組付け工程の中でもその組付け要因の改善のし易さの程度を同様に3段階に評価(改善し易い順に3,2,1とする)し、双方を掛け合わせた値が相対的に高い組付け要因を説明変数とすることができる。この説明変数が一つの場合は単回帰分析により、説明変数が複数ある場合(同程度の寄与率を有する説明変数がある場合)は重回帰分析によって目的変数(車両構成部材の組付け精度)を所望の値以内に調整することができる。

発明の効果

0020

以上の説明から理解できるように、本発明の車両組付け精度管理方法によれば、完成車両に設定された複数の組付け位置における組付け精度に最も影響を与え得る車両構成部品(の製造工程や組付け工程)、車両構成部材(の組付け工程)を容易に特定することができ、かかる部品製造/組付け工程や車両構成部材の組付け工程における製品精度や組付け精度を集中管理することにより、効率的で高精度な完成車両の組付け精度管理を実現することが可能となる。また、本発明の車両組付け精度管理方法によれば、各部品の製造工程や組付け工程、各車両構成部材の組付け工程から所望の製品精度や組付け精度を満足しない車両構成部品や車両構成部材を随時取り除くことにより、ほぼ全ての完成車両の組付け精度を保証することができる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、車両構成部材が順に組み付けられていく流れを示した模式図を、図2は、フェンダーブラケットの組付け精度が、フロントフードヘッドランプ隙間精度に大きく寄与していることを示した模式図をそれぞれ示している。図3は、車両構成部材の測定ポイントを計測している状況を示した模式図を、図4は、カメラから見た図3のIV部の拡大図をそれぞれ示している。図5は、フェンダーブラケットの組付け公差と、フロントフードとヘッドランプの隙間公差の関係を示した図を、図6は、フェンダーブラケットの組付け要因と、組付け要因の中から決定される説明変数を示した図をそれぞれ示している。なお、回帰分析に際しての具体的な算定式は公知であるため、以下ではその記載を省略する。

0022

図1は、小サブアッシーであるエプロン1を製造する小サブアッシー工程N1からエンジンコンパートメント2が組み付けられる中サブアッシー工程N2、さらにエンジンコンパートメント2からメインボディー3が製造される大サブアッシー工程N3を経て完成車両ボディー4が製造されるまでの流れを模式的に示したものである。各サブアッシー工程では、それぞれ適宜の測定ポイントが設けられていて、例えばCCDカメラにて組付け精度の測定がおこなわれ、各サブアッシー工程に載置されたPCに測定データが集積される。各サブアッシー工程におけるPCはネットワーク中央管理者側のPCに繋げられており、測定データの集中管理がおこなわれる。例えば、小サブアッシー工程N1で製造されるエプロン1における測定ポイントはx1であり、エンジンコンパートメント2における測定ポイントはy1〜y4であり、メインボディー3における測定ポイントはz1〜z5、完成車両ボディー4における測定ポイントはw1〜w7である。なお、各サブアッシー工程にて設定される測定ポイントは、完成車両ボディー4の測定ポイントに影響を与えると考えられる適宜の部位が設定されており、図示する部位に限定されるものではない。また、サブアッシー工程のみならず、小サブアッシーを構成する構成部品の製造ブースにおいても部品の各部位(孔位置や孔径など)の測定がおこなわれる。

0023

一例を示すために、図2に基づいて、完成車両5におけるフロントフード51とヘッドランプ52の隙間精度を取り上げる。

0024

この隙間精度に影響を与えると考えられるサブアッシーの組付け要因は多様に想定され、例えば、カウルサブアッシーやラジエータサポート基準穴フェンダーサイドブラケットの基準穴、スプリングサポートの基準穴などがそれである。

0025

そこで、フロントフード51とヘッドランプ52の隙間精度に影響を与えると考えられるサブアッシー(小サブアッシー〜大サブアッシー)について、各サブアッシーを説明変数として重回帰分析を実施する。ここで、重回帰分析における目的変数は、フロントフード51とヘッドランプ52の隙間精度であり、説明変数は既述する各サブアッシー(の適宜の部位)における組付け精度である。重回帰分析の結果、例えば、図2で示す実施形態では、フェンダーブラケット部分(図中のx1箇所)の目的変数に対する寄与率が最も大きな値となっている。

0026

そこで、最大相間を与える単回帰式:f(x)=a1x1+a0(a1,a0は算定済み)が算定される。求められた単回帰式の重相関係数が適宜に設定された値を満足していることを確認し、該単回帰式の妥当性を確認しておく。

0027

図3は、任意のサブアッシー工程におけるサブアッシーの適宜部位の計測状況を示したものである。図示する実施例は、サブアッシーaに穿設された孔a1の穿設位置を計測しているものである。孔位置の計測は、サブアッシーaが載置治具7上に固定された姿勢で、CCDカメラ6にておこなわれる。

0028

図4は、CCDカメラ6から計測者が見た画面の状況を示したものである。図中のX1は、孔a1が本来位置するべき基準点であり、図示する実施例では、実際の孔a1が水平方向にt2、鉛直方向にt1の公差位置にあることを意味している。ここで、例えば、図示する円形輪郭を2次元上の許容公差と設定すれば、この円形から外れた位置に孔a1が計測された際に、このサブアッシーaをインラインから取り除くことができる。

0029

図5では、かかる単回帰式のまわりに実際の測定データp、p、…が散在している状況が示されている。ここで、図中のa1〜a2までの範囲:L2は、当初設定されていたフェンダーブラケットの許容公差である。一方、図中のL1の範囲は、フロントフード51とヘッドランプ52の隙間の許容公差範囲である。図からも明らかなように、当初設定されていたフェンダーブラケットの許容公差では、フロントフード51とヘッドランプ52の隙間の許容公差を満足させることができない。そこで、算定された単回帰式f(x)と許容公差範囲L1に基づき、フェンダーブラケットの許容公差をb1〜b2までの範囲:L3に設定し直すことにより、完成車両の適宜部位における許容公差を満足し得るサブアッシーの組付け精度範囲確定することができる。

0030

図6は、フロントフード51とヘッドランプ52の隙間精度に最も影響を与えると特定されたフェンダーブラケット精度s1について、該フェンダーブラケット精度s1に影響を与え得る組付け要因を抽出した図である。フェンダーブラケット精度s1に影響を与え得る組付け要因としては、例えば図示するような溶接ロボットs11や治具精度s12、さらには図示しないパレット精度やパネル精度、さらには、フェンダーブラケットを運搬する際のばらつきなどが考えられる。

0031

溶接ロボットs11をより詳細に見てみると、その打点順序s111やガン角度s112、電流値通電時間s113や図示しない加圧力や先端のチップ径などが要素となる。

0032

一方、治具精度s12を詳細に見てみると、クランプガタs121やクランプ順序s122、スライド設備のガタs123や図示しない基準ピン径の逃げ量スパッタの付着の有無などが要素となる。

0033

そこで、各要素がフェンダーブラケット精度s1に与える寄与率を回帰分析にて求めて数値化し(図では寄与率の大きな順に3,2,1としている)、さらに、各要素の改善のし易さの程度(難易度)を経験則から同様に数値化する(図では改善し易い順に3,2,1としている)。そして、寄与率の数値と難易度の数値を掛け合わせてなる総合値が相対的に大きな要素を説明変数とし、重回帰分析をおこなうことにより、フェンダーブラケット精度を管理することができる。所要のフェンダーブラケット精度公差は、既に図3のL3で決定されているため、かかる精度公差となるように上記説明変数の要素を集中管理すればよい。

0034

以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。

図面の簡単な説明

0035

車両構成部材が順に組み付けられていく流れを示した模式図。
フェンダーブラケットの組付け精度が、フロントフードとヘッドランプの隙間精度に大きく寄与していることを示した模式図。
車両構成部材の測定ポイントを計測している状況を示した模式図。
カメラから見た図3のIV部の拡大図。
フェンダーブラケットの組付け公差と、フロントフードとヘッドランプの隙間公差の関係を示した図。
フェンダーブラケットの組付け要因と、組付け要因の中から決定される説明変数を示した図。

符号の説明

0036

1…エプロン、2…エンジンコンパートメント、3…メインボディー、4…完成車両ボディー、5…完成車両、51…フロントフード、52…ヘッドランプ、x1、y1〜y4、z1〜z5、w1〜w7…測定ポイント、N1…小サブアッシー工程、N2…中サブアッシー工程、N3…大サブアッシー工程、N4…最終組付け工程

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