図面 (/)

技術 負荷適応オーバーサンプリング制御装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 藤田剛史榊原僚子合田恵理子
出願日 2005年3月17日 (15年9ヶ月経過) 出願番号 2005-077680
公開日 2006年9月28日 (14年3ヶ月経過) 公開番号 2006-259349
状態 未査定
技術分野 音声の分析・合成
主要キーワード 高性能型 共通フィルタ フィルタ処理器 固有フィルタ 適宜解析 低域通過処理 感覚尺度 負荷周波数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年9月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

オーディオビットストリームSS)の種類および聴取者嗜好に応じて、リソースを適切に配分して特性を動的に変化させてオーバーサンプリング処理する負荷適応オーバーサンプリング制御装置を提供する。

解決手段

符号化された音声信号(SS)を復号したPCMデータ(Sp)をオーバーサンプリングにより帯域拡張して高音質再生を実現する音響処理装置(1000)に用いられる負荷適応オーバーサンプリング処理制御装置(OSC)において、インターフェース(1520a_1)は外部から入力されるオーバーサンプリングに用いられるフィルタタイプを指定する外部指示情報(S3a)を受信し、フィルタ特性を示すフィルタタイプ選択信号(S4a_1)を生成する。

概要

背景

例えばアナログテープレコーダCDプレーヤ、およびMD記録再生装置等の音声信号記録再生装置に代表される従来の音声再生装置においては、処理対象である音声信号音響信号オーディオ信号)の周波数帯域を人間のいわゆる可聴帯域(例えば、20kHzから20kHzまで)に制限している。しかし、人間は従来のいわゆる可聴帯域以上の周波数音声感知できることが、近年明らかになった。つまり、自然な音声を再現するためには、20kHz以上の周波数成分も再現する必要がある。この観点から、音声装置からの出力信号をより自然な音に近づけるためにオーバーサンプリング処理された信号に所定の擬似的な高周波成分を付加する種々な音声帯域拡張が提案されている。

図32に従来の音声装置に用いられる音声処理装置の一例(特許文献1)を示す。音声処理装置8000は、デコード処理器11000、オーバーサンプリング器12000、拡張帯域生成器13000、バンドパスフィルタ13500、および加算器14000を含む。デコード処理器11000は、入力されるオーディオビットストリームSS復号して、PCMデータSpを生成する。オーバーサンプリング器12000は、デコード処理器11000から入力されるPCMデータSpにN倍のオーバーサンプリング処理を施して、N倍にオーバーサンプリングされたPCMデータSocを生成する。

拡張帯域生成器13000は、オーバーサンプリング器12000で生成されるオーバーサンプリング処理されたPCMデータSocに対して帯域拡張成分ZEcを生成する。バンドパスフィルタ14000は、拡張帯域生成器13000によって生成される帯域拡張成分ZEcのうち、FS/2付近からN×FS/2付近までの帯域成分Zfcを通過させる。なお、FSはサンプリング周波数を意味する。

本例においては、DVD−Video規格適合するデコード処理器11000に、DVD−Video規格リニアPCMに準じるオーディオビットストリームSSが入力されるものとする。オーディオビットストリームSSのサンプリング周波数は48kHzとする。デコード処理器11000は、オーディオビットストリームSSを復号して、サンプリング周波数48kHzのPCMデータSpをオーバーサンプリング器12000に出力する。

図33に、デコード処理器11000から出力されるPCMデータSpの特性を示す。同図において、曲線L1はPSMデータSpの波形を表している。なお、横軸時刻tを表し、縦軸Sは時刻tにおける音圧レベル[dB]を表している。同様に、同図において、曲線L2はPCMデータSpの周波数特性を表している。なお、横軸は周波数を表し、縦軸は周波数fにおける音圧レベルS[dB]を表す。

図34および図35を参照して、オーバーサンプリング器12000によるPCMデータSpのオーバーサンプリング処理について説明する。まず、図34において、曲線L1は、図33におけるのと同様にPCMデータSpの波形を示している。直線Lsは、拡張サンプリング信号を示している。つまり、PCMデータSpは、デコード処理器11000から入力されるサンプリング周波数48kHzのPCMデータSpに1サンプル毎に「0」データを挿入する。1サンプル毎に「0」が挿入されたPCMデータSpの周波数特性は、曲線L2sに示すように、FS/2以上の領域においてエリアジングノイズANを有する。オーバーサンプリング器12000は、さらに、1サンプル毎に「0」が挿入されたPCMデータSpに、所定のアンチエリアジングフィルタを用いてエリアジングノイズ除去処理を施して、サンプリング周波数96kHzのPCMデータSocを生成する。

図35に、オーバーサンプリング器12000から出力されるPCMデータSocの特性を示す。同図において、曲線L1oおよび曲線L2oは、図33に示した曲線L1および曲線L2と同様に、それぞれ、PCMデータSocの波形および周波数特性を示す。同図に示すように、PCMデータSocは、エリアジングノイズANは除去されている。エリアジングノイズ除去には、通常、カットオフ周波数が24kHz付近であるFIR型もしくはIIR型の低域通過フィルタが用いられる。

拡張帯域生成器13000は、オーバーサンプリング器12000によりオーバーサンプリング処理された96kHzのPCMデータSocに基づいて、48kHz付近までの高調波帯域拡張成分ZEcを生成する。この場合、ナイキスト条件により、帯域特性は最大24kHzである。

バンドパスフィルタ13500は、拡張帯域生成器13000によって生成される帯域拡張成分ZEの内、24kHz付近から48kHz未満の帯域拡張成分Zfcを通過させる。加算器14000は、帯域拡張成分Zfcと、オーバーサンプリング器12000で処理されたPCMデータSocとを加算して、音響信号SAcを生成する。この意味において、帯域拡張成分Zfcは音色補正成分と呼ぶことができる。

次に、音声処理装置8000の音響処理動作について具体的に説明する。DVD−Video規格のリニアPCMであるオーディオビットストリームSSが入力されると、デコード処理器11000は、オーディオビットストリームSSのプライベートヘッダに示される符号化モードに基づくサンプリング周波数、チャンネルモード、および量子化ビット長に応じたPCMデータSpを生成して出力する。本例においては、入力ビットストリームデータが非圧縮であり可逆可能な符号化信号であるので、デコード処理器11000は、ナイキスト条件により最大24kHzまでの帯域特性を有する、サンプリング周波数48kHzのPCMデータSpを生成できる。

このように、音声処理装置8000においては、入力される符号化データ(SS)にオーバーサンプリング処理を施した後に、帯域拡張成分(音色補正成分Zfc)を付加している。結果、音声処理装置8000に入力されて音声処理される、原音であるオーディオビットストリームSSでは、ナイキスト条件により帯域が24kHz以下に制限されているにもかかわらず、擬似的に帯域拡張成分(音色補正成分Zfc)が付加される分、効果的な帯域拡張が期待できる。結果として高音質な音楽再生を楽しむことができる。

同様に、サンプリング定理(ナイキスト条件)によって、高域再生上限が決定されるディジタルオーディオ信号(オーディオビットストリームSS)の再生帯域を拡大して再生音質の向上を図り、聴感上良好な音質再生できる音声帯域拡張装置が提案されている(特許文献1)。

さらに、入力符号化信号(オーディオビットストリームSS)の帯域特性がナイキスト周波数以下で欠落するような場合であっても、高音質再生を実現できる音声処理装置も提案されている(特許文献2)。同音声処理装置は、帯域判定器と、バンドパスフィルタコントローラとを有している。帯域判定器は、デコード処理器からの復号情報を帯域判定情報として、拡張帯域生成器からの帯域拡張成分に対する帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域を決定する。バンドパスフィルタコントローラは、帯域判定器からの指示に応じて帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域の制御を行う。
特開2002−15522号公報
特開2003−140696号公報

概要

オーディオビットストリーム(SS)の種類および聴取者嗜好に応じて、リソースを適切に配分して特性を動的に変化させてオーバーサンプリング処理する負荷適応オーバーサンプリング制御装置を提供する。 符号化された音声信号(SS)を復号したPCMデータ(Sp)をオーバーサンプリングにより帯域拡張して高音質再生を実現する音響処理装置(1000)に用いられる負荷適応オーバーサンプリング処理制御装置(OSC)において、インターフェース(1520a_1)は外部から入力されるオーバーサンプリングに用いられるフィルタタイプを指定する外部指示情報(S3a)を受信し、フィルタ特性を示すフィルタタイプ選択信号(S4a_1)を生成する。

目的

さらに、近年、種々の記録媒体から音声を再生できると共に、PCMデータに様々な音響処理を施すことによって種々な効果を有する、音声処理装置の多機能化が望まれている。しかしながら、複数の符号化方式復号処理帯域拡張処理などの音響処理を同一の音声処理装置で処理すると、上述と同様の問題が生じる。つまり、音声処理装置の再生処理におけるリアルタイム性保証するためには、全符号化方式のうち、最も復号処理をうける符号化方式を基準とした構成にしなければならない。結果として、音声処理装置のハードウェアの構成が膨大化しコストの増大を招く。一方、音響処理装置のコストを制限すると、特定のメディア再生における同時処理機能を制限しなければならず、音声処理装置の多機能化を実現することができない。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

符号化された音声信号復号したPCMデータオーバーサンプリングにより帯域拡張して高音質再生を実現する音響処理装置に用いられる負荷適応オーバーサンプリング処理制御装置であって、外部から入力される、オーバーサンプリングに用いられるフィルタタイプを指定する外部指示情報を受信して、フィルタ特性を示すフィルタタイプ選択信号を生成するインターフェース手段と、前記フィルタタイプ選択信号に基づいて、オーバーサンプリングされて帯域拡張されたPCMデータに施すフィルタ処理の特性を決定するフィルタ特性決定手段とを備える負荷適応オーバーサンプリング制御装置

請求項2

符号化された音声信号を復号したPCMデータをオーバーサンプリングにより帯域拡張して高音質再生を実現する音響処理装置に用いられる負荷適応オーバーサンプリング処理制御装置であって、外部から入力される要求に基づいて、オーバーサンプリングに関する処理要求を検出する負荷情報検出手段と、前記検出された処理要求に基づいて、オーバーサンプリング処理に要する負荷量を算定する負荷情報算定手段と、前記算定された負荷量に基づいて、オーバーサンプリングに用いられるフィルタ特性を選択するフィルタ特性選択手段とを備える負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項3

前記フィルタ特性選択手段は、前記算定された負荷量に基づいて、フィルタ特性を示すフィルタタイプ選択信号を生成する第1のフィルタ特性決定手段と、前記フィルタタイプ選択信号に基づいて、前記帯域が拡張されたPCMデータに施すフィルタ処理の特性を決定する第2のフィルタ特性決定手段とを備える、請求項2に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項4

前記フィルタ特性決定手段は、複数のフィルタタップ係数群により構成されるフィルタタップ係数テーブルと、前記フィルタタイプ選択信号に基づいて、前記フィルタタップ係数テーブルから1系列のフィルタタップ係数列を選択するフィルタタップ係数選択手段とを備える、請求項1および請求項3の何れかに記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項5

前記外部指示情報は、前記復号処理されたPCMデータに対して同時に処理される音響処理機能を示す同時処理機能情報を含み、フィルタ特性決定手段は、前記同時処理機能情報に基づいて、前記オーバーサンプリング処理におけるフィルタ特性を決定することを特徴とする、請求項1に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項6

前記負荷情報検出手段は、前記復号されたPCMデータに対して同時に処理される音響処理機能を示す同時処理機能情報を検出することを特徴とする、請求項2に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項7

前記同時処理機能情報を受信する同時処理機能情報受信手段をさらに備え、当該同時処理機能情報受信手段は前記外部指示情報およびデコード情報組み合わせ毎にオーバーサンプリング処理におけるフィルタ処理条件テーブル化したフィルタ処理制御指示テーブルを有し、前記同時処理機能情報を当該フィルタ処理制御指示テーブルと照合することを特徴とする、請求項5に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項8

さらに、外部から入力されるオーバーサンプリングに用いられるフィルタタイプを指定する外部指示情報およびデコード情報の組み合わせ毎にオーバーサンプリング処理におけるフィルタ処理条件をテーブル化したフィルタ処理制御指示テーブルを備え、前記同時処理機能情報を当該フィルタ処理制御指示テーブルと照合することを特徴とする、請求項6に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項9

前記負荷量は、前記符号化された音声信号のサンプリング周波数情報であり、前記フィルタ特性選択手段は、前記サンプリング周波数情報に基づいて、前記フィルタ特性を選択することを特徴とする、請求項2に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項10

前記フィルタ特性選択手段は、1系列のフィルタタップ係数群で構成される共通フィルタタップ係数テーブルと、複数系列のフィルタタップ係数群で構成される固有フィルタタップ係数テーブルと、前記フィルタ特性選択手段の選択結果に基づき、前記固有フィルタタップ係数テーブルから1系列のフィルタタップ係数を選択し、共通フィルタタップ係数テーブルのフィルタタップ係数とを組み合わせて、前記帯域が拡張されたPCMデータに対するフィルタ処理におけるフィルタ特性を指定する合成フィルタタップ係数群を生成するフィルタタップ係数アサイナ手段とを備える、請求項9に記載の音響処理装置。

請求項11

前記負荷情報検出手段は、前記符号化された音声信号の符号化方式情報を検出し、前記符号化方式情報に基づいて、前記帯域が拡張されたPCMデータに対するフィルタ処理におけるフィルタ特性を決定するフィルタ特性決定手段をさらに備える請求項2に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項12

前記負荷情報検出手段は、前記符号化された音声信号のチャンネル構成情報を検出し、前記チャンネル構成情報に基づいて、前記オーバーサンプリング処理におけるフィルタ特性を決定するフィルタ特性決定手段とを備える、請求項2に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項13

前記フィルタ特性決定手段は、遮断特性位相特性および通過帯域におけるリップル特性の性能を重視したフィルタ処理によりエリアジングノイズの除去を行う高性能型フィルタ処理手段と、前記高性能型フィルタ処理器に比べ、低演算処理を特徴としたフィルタ処理によりエリアジングノイズの除去を行う簡易処理型フィルタ処理手段と、前記フィルタ特性選択手段の選択結果に応答して、前記高性能型フィルタ処理手段および簡易処理型フィルタ処理手段の何れか一方に、前記帯域が拡張されたPCMデータを選択的に入力させるフィルタ処理選択スイッチ手段とを備える、請求項2に記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項14

前記フィルタ特性決定手段の決定に応じて、前記フィルタ処理されたPCMデータの帯域拡張成分生成処理における拡張帯域ゲイン係数を制御する帯域拡張制御手段をさらに備える、請求項6、11、および12の何れかに記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

請求項15

前記フィルタ特性決定手段の決定に応じて、前記フィルタ処理されたPCMデータの帯域拡張成分を帯域通過させる帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域を制御するバンドパスフィルタ制御手段をさらに備える、請求項6、11、および12の何れかに記載の負荷適応オーバーサンプリング制御装置。

技術分野

0001

本発明は、特にオーディオ符号化信号に帯域拡張処理を施して高音質再生を実現する音響処理装置に用いられるオーバーサンプリング処理制御装置に関し、より特定的には、処理負荷に応じてオーバーサンプリング特性を適応的に決定する負荷適応オーバーサンプリング処理制御装置に関する。

背景技術

0002

例えばアナログテープレコーダCDプレーヤ、およびMD記録再生装置等の音声信号記録再生装置に代表される従来の音声再生装置においては、処理対象である音声信号音響信号オーディオ信号)の周波数帯域を人間のいわゆる可聴帯域(例えば、20kHzから20kHzまで)に制限している。しかし、人間は従来のいわゆる可聴帯域以上の周波数音声感知できることが、近年明らかになった。つまり、自然な音声を再現するためには、20kHz以上の周波数成分も再現する必要がある。この観点から、音声装置からの出力信号をより自然な音に近づけるためにオーバーサンプリング処理された信号に所定の擬似的な高周波成分を付加する種々な音声帯域拡張が提案されている。

0003

図32に従来の音声装置に用いられる音声処理装置の一例(特許文献1)を示す。音声処理装置8000は、デコード処理器11000、オーバーサンプリング器12000、拡張帯域生成器13000、バンドパスフィルタ13500、および加算器14000を含む。デコード処理器11000は、入力されるオーディオビットストリームSS復号して、PCMデータSpを生成する。オーバーサンプリング器12000は、デコード処理器11000から入力されるPCMデータSpにN倍のオーバーサンプリング処理を施して、N倍にオーバーサンプリングされたPCMデータSocを生成する。

0004

拡張帯域生成器13000は、オーバーサンプリング器12000で生成されるオーバーサンプリング処理されたPCMデータSocに対して帯域拡張成分ZEcを生成する。バンドパスフィルタ14000は、拡張帯域生成器13000によって生成される帯域拡張成分ZEcのうち、FS/2付近からN×FS/2付近までの帯域成分Zfcを通過させる。なお、FSはサンプリング周波数を意味する。

0005

本例においては、DVD−Video規格適合するデコード処理器11000に、DVD−Video規格リニアPCMに準じるオーディオビットストリームSSが入力されるものとする。オーディオビットストリームSSのサンプリング周波数は48kHzとする。デコード処理器11000は、オーディオビットストリームSSを復号して、サンプリング周波数48kHzのPCMデータSpをオーバーサンプリング器12000に出力する。

0006

図33に、デコード処理器11000から出力されるPCMデータSpの特性を示す。同図において、曲線L1はPSMデータSpの波形を表している。なお、横軸時刻tを表し、縦軸Sは時刻tにおける音圧レベル[dB]を表している。同様に、同図において、曲線L2はPCMデータSpの周波数特性を表している。なお、横軸は周波数を表し、縦軸は周波数fにおける音圧レベルS[dB]を表す。

0007

図34および図35を参照して、オーバーサンプリング器12000によるPCMデータSpのオーバーサンプリング処理について説明する。まず、図34において、曲線L1は、図33におけるのと同様にPCMデータSpの波形を示している。直線Lsは、拡張サンプリング信号を示している。つまり、PCMデータSpは、デコード処理器11000から入力されるサンプリング周波数48kHzのPCMデータSpに1サンプル毎に「0」データを挿入する。1サンプル毎に「0」が挿入されたPCMデータSpの周波数特性は、曲線L2sに示すように、FS/2以上の領域においてエリアジングノイズANを有する。オーバーサンプリング器12000は、さらに、1サンプル毎に「0」が挿入されたPCMデータSpに、所定のアンチエリアジングフィルタを用いてエリアジングノイズ除去処理を施して、サンプリング周波数96kHzのPCMデータSocを生成する。

0008

図35に、オーバーサンプリング器12000から出力されるPCMデータSocの特性を示す。同図において、曲線L1oおよび曲線L2oは、図33に示した曲線L1および曲線L2と同様に、それぞれ、PCMデータSocの波形および周波数特性を示す。同図に示すように、PCMデータSocは、エリアジングノイズANは除去されている。エリアジングノイズ除去には、通常、カットオフ周波数が24kHz付近であるFIR型もしくはIIR型の低域通過フィルタが用いられる。

0009

拡張帯域生成器13000は、オーバーサンプリング器12000によりオーバーサンプリング処理された96kHzのPCMデータSocに基づいて、48kHz付近までの高調波帯域拡張成分ZEcを生成する。この場合、ナイキスト条件により、帯域特性は最大24kHzである。

0010

バンドパスフィルタ13500は、拡張帯域生成器13000によって生成される帯域拡張成分ZEの内、24kHz付近から48kHz未満の帯域拡張成分Zfcを通過させる。加算器14000は、帯域拡張成分Zfcと、オーバーサンプリング器12000で処理されたPCMデータSocとを加算して、音響信号SAcを生成する。この意味において、帯域拡張成分Zfcは音色補正成分と呼ぶことができる。

0011

次に、音声処理装置8000の音響処理動作について具体的に説明する。DVD−Video規格のリニアPCMであるオーディオビットストリームSSが入力されると、デコード処理器11000は、オーディオビットストリームSSのプライベートヘッダに示される符号化モードに基づくサンプリング周波数、チャンネルモード、および量子化ビット長に応じたPCMデータSpを生成して出力する。本例においては、入力ビットストリームデータが非圧縮であり可逆可能な符号化信号であるので、デコード処理器11000は、ナイキスト条件により最大24kHzまでの帯域特性を有する、サンプリング周波数48kHzのPCMデータSpを生成できる。

0012

このように、音声処理装置8000においては、入力される符号化データ(SS)にオーバーサンプリング処理を施した後に、帯域拡張成分(音色補正成分Zfc)を付加している。結果、音声処理装置8000に入力されて音声処理される、原音であるオーディオビットストリームSSでは、ナイキスト条件により帯域が24kHz以下に制限されているにもかかわらず、擬似的に帯域拡張成分(音色補正成分Zfc)が付加される分、効果的な帯域拡張が期待できる。結果として高音質な音楽再生を楽しむことができる。

0013

同様に、サンプリング定理(ナイキスト条件)によって、高域再生上限が決定されるディジタルオーディオ信号(オーディオビットストリームSS)の再生帯域を拡大して再生音質の向上を図り、聴感上良好な音質再生できる音声帯域拡張装置が提案されている(特許文献1)。

0014

さらに、入力符号化信号(オーディオビットストリームSS)の帯域特性がナイキスト周波数以下で欠落するような場合であっても、高音質再生を実現できる音声処理装置も提案されている(特許文献2)。同音声処理装置は、帯域判定器と、バンドパスフィルタコントローラとを有している。帯域判定器は、デコード処理器からの復号情報を帯域判定情報として、拡張帯域生成器からの帯域拡張成分に対する帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域を決定する。バンドパスフィルタコントローラは、帯域判定器からの指示に応じて帯域可変バンドパスフィルタの通過帯域の制御を行う。
特開2002−15522号公報
特開2003−140696号公報

発明が解決しようとする課題

0015

上述のように、従来の音声処理装置(特許文献1、特許文献2など)においては、音声の高音質化を図るために、オーディオビットストリームのデコード過程において、所定のアンチエリアジングフィルタでオーバーサンプリング処理を施している。つまり、従来の音響処理装置においては、オーバーサンプリング特性は固定的に定められている。

0016

一方、聴取者再生音声に対する嗜好は様々であり、そのような嗜好を満たした再生音声を生成するために必要とされる音声処理の内容も嗜好毎に異なる。この簡単から、オーバーサンプリング処理の内容も、聴取者の要求嗜好に応じたそれぞれに異なる特性が用意されるべきである。なお、音声処理とは、入力されるオーディオビットストリームSSに対して施される、聴取者が聴く再生音声を生成する過程における符号化信号の復号処理、および帯域拡張処理などを含む一連の処理を言う。

0017

しかしながら、上述の如く、従来の音声処理装置におけるオーバーサンプリング処理には、音声処理装置に対して、予め固定的に定められたオーバーサンプリング特性が用いられているために、聴取者の種々の嗜好に対応して適切にオーバーサンプリング処理を実施できない。

0018

さらに、音声処理装置におけるオーバーサンプリング特性に多様性を要求する要因の一つとして、処理対象であるオーディオビットストリームの種類、つまりフォーマット形式の違いがある。例えば、このような種類としては、DVD−Video規格に含まれるドルビー社のドルビーディジタル符号化方式(AC3)やMPEオーディオ規格、リニアPCM、DTS等をはじめとして、DVD−AudioにおけるリニアPCM方式やPacked−PCM方式、さらにはCD−DAやMP3などの多種にわたるストリーム信号などがある。

0019

つまり、上述のように多様なオーディオビットストリームが、同一の音声処理装置に入力される。オーディオビットストリームの復号化条件は、基本的に、そのストリームの種類(フォーマット)毎に固有である。そして、復号化条件が異なれば、当然適用すべきオーバーサンプリング特性も異なる。しかしながら、上述のように、従来の音声処理装置においては、装置毎にオーバーサンプリング特性が固定されているので、オーディオビットストリームの種類毎に最適なオーバーサンプリング特性を用いたオーバーサンプリング処理ができない。

0020

上述のように、従来の音声処理装置においては、聴取者の様々な嗜好、および入力オーディオビットストリームの種類のそれぞれに適応したオーバーサンプリング特性を用いたオーバーサンプリング処理ができない。言い換えれば、音色補正成分Zfcを視聴者の嗜好およびオーディオビットストリームSSの種類に応じて、動的に変化させることができない。結果、オーバーサンプリング処理で本来意図した高音質化処理も不十分、あるいは音質劣化を招くことになる。

0021

このような事態対策として、聴取者の様々な嗜好毎および入力オーディオビットストリームの種類毎に適正な音色補正成分Zfcを生成するオーバーサンプリング特性を実現する機能を用意しておくことが考えられる。しかしながら、聴取者の嗜好毎およびオーディオビットストリームの種類毎によって、復号処理に要する演算処理量、つまり処理すべき負荷量は異なる。言い換えれば、必要とされるオーバーサンプリング特性も聴取者の嗜好毎およびオーディオビットストリームの種類毎によって異なる。つまり、聴取者の嗜好毎或いはオーディオビットストリームの種類毎に、音声処理装置のオーバーサンプリング処理に対する負荷が異なる。

0022

そのために、異なる負荷毎に異なるオーバーサンプリング特性を実現する機構を用意しておかなければならない。言い換えれば、音声処理装置を多種にわたるストリーム信号や聴取者の嗜好の全てに適合させるためには、一つの音声処理装置に複数の音響処理機能を付加することになり、音声処理装置のハードウェア構成リソース)が膨大化しコストの増大を招く。言い換えれば、部分的に共通である複数のオーバーサンプリング特性を重複して無駄に所有することになり、リソースの無駄使いである。なお、音響処理とは、入力されるオーディオビットストリームSSに基づいて音響信号を生成するまでの符号化信号の復号処理、および帯域拡張処理などを含む一連の処理をいう。

0023

この重複によるリソースの無駄使いを避けるためには、全オーバーサンプリング特性をカバーする共通のオーバーサンプリング特性を用意する方法も考えられる。しかしながら、この場合、共通のオーバーサンプリング特性の全てが常に利用されるわけではない。通常は、その一部が利用されるのみである。つまり、通常利用されない部分はやはりリソースの無駄使いである。

0024

さらに、近年、種々の記録媒体から音声を再生できると共に、PCMデータに様々な音響処理を施すことによって種々な効果を有する、音声処理装置の多機能化が望まれている。しかしながら、複数の符号化方式の復号処理と帯域拡張処理などの音響処理を同一の音声処理装置で処理すると、上述と同様の問題が生じる。つまり、音声処理装置の再生処理におけるリアルタイム性保証するためには、全符号化方式のうち、最も復号処理をうける符号化方式を基準とした構成にしなければならない。結果として、音声処理装置のハードウェアの構成が膨大化しコストの増大を招く。一方、音響処理装置のコストを制限すると、特定のメディア再生における同時処理機能を制限しなければならず、音声処理装置の多機能化を実現することができない。

0025

そこで、本発明は、オーディオビットストリームの復号処理に際して、オーディオビットストリームの種類および聴取者の嗜好に代表される多様な要求に応じて、音響処理装置の限られたリソースを適切に配分して特性を動的に変化させてオーバーサンプリング処理できる負荷適応オーバーサンプリング制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0026

符号化された音声信号を復号したPCMデータをオーバーサンプリングにより帯域拡張して高音質再生を実現する音響処理装置に用いられる負荷適応オーバーサンプリング処理制御装置であって、
外部から入力される、オーバーサンプリングに用いられるフィルタタイプを指定する外部指示情報を受信して、フィルタ特性を示すフィルタタイプ選択信号を生成するインターフェース手段と、
前記フィルタタイプ選択信号に基づいて、オーバーサンプリングされて帯域が拡張されたPCMデータに施すフィルタ処理の特性を決定するフィルタ特性決定手段とを備える。

発明の効果

0027

本発明の音響処理装置によれば、復号化条件や同時処理条件が異なる場合の再生時でも、オーバーサンプリング処理におけるエリアジング除去特性やフィルタ処理に係る演算量を条件に応じて自動的に制御できるので、リアルタイム性を維持しつつも最適な帯域拡張処理を行うことができる。さらに、エリアジング除去特性に適正に設定することで、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することもでき、システム設計者による指示情報デコード情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることでエリアジングノイズの付加状況を調節することもできる。

発明を実施するための最良の形態

0028

図面を参照して、本発明の実施の形態のそれぞれについて具体的に説明する前に、本発明における負荷適応オーバーサンプリングの基本的な考え方について説明する。本発明に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置は、音響処理装置に組み込まれて、(要補充!)同音響処理装置におけるオーディオビットストリームの音声再生処理負荷要求に応じて、限られたリソースを訂正に配分してオーバーサンプリング処理を制御するものである。

0029

具体的には、本発明においては、聴取者の様々な嗜好およびオーディオビットストリームの種類を反映した再生要求を含む多様な要求に応じて、それぞれの負荷と当該音響処理装置自身の処理リソースの関係に基づいて、オーバーサンプリング処理負荷量を算定される。算定されたオーバーサンプリング処理負荷量に基づいて、音響処理装置におけるオーバーサンプリング処理に配分されるリソースの最適化を行うことにより、負荷に適応したオーバーサンプリング処理制御を実現する。つまり、本発明に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置は、音響処理装置に対する処理要求を表す処理要求に基づいて、オーバーサンプリング処理に対する負荷要求を検出し、オーバーサンプリング処理における負荷量を決定する。そして、決定された負荷量に応じた特性でオーバーサンプリング処理が実行されるように制御する。なお、処理要求は、システム設計者の要求、聴取者の要求、および入力リソースの種類などにより分類される。そして、この処理要求の種類、つまり、その情報の内容の違いに起因して、具体的な実施の形態はそれぞれ異なる。

0030

以下に、図1を参照して、本発明に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置の基本的構成および動作について説明する。上述のように、本発明に係る負荷適応オーバーサンプリング制御器は、音響処理装置に組み込まれて使用される。つまり、音響処理装置1000は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC、デコード処理器1100、オーバーサンプリング器1200、拡張帯域生成器1300、および加算器1400を含む。

0031

デコード処理器1100は、上述のデコード処理器11000と同様に構成されて、音響処理装置1000に入力されるオーディオビットストリームSSを復号して、PCMデータSpを出力する。

0032

負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSCは、音響処理装置1000に対する処理要求を表す処理要求信号S1に基づいて、オーバーサンプリング処理に対する負荷要求を検出し、オーバーサンプリング処理における負荷量を算定する。なお、処理要求信号S1については、後ほど詳述する。そして、算定されたオーバーサンプリング処理負荷量に基づいて、オーバーサンプリング器1200のフィルタ特性を適正に決定する。このようにして、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSCは、処理要求信号S1に基づいて、オーバーサンプリング器1200におけるオーバーサンプリング処理を制御する。

0033

なお、処理要求信号S1は、システム設計者の要求、聴取者の要求、および入力リソースの種類などにより分類される。そして、この処理要求信号S1の種類、つまり、その情報の内容の違いに起因して、具体的な実施の形態はそれぞれ異なる。

0034

具体的には、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSCは、OS負荷情報検出器1501、OS負荷情報算定器1503、およびフィルタ特性選択器1520を含む。OS負荷情報検出器1501は、音響処理装置1000に入力される処理要求信号S1に基づいて、当該音響処理装置におけるオーバーサンプリング負荷要求を検出してOS負荷要求信号S2を生成する。つまり、OS負荷情報検出器1501は外部から入力される、音声処理に関する様々な処理要求信号S1に基づいて、オーバーサンプリング処理に対する負荷要求を検出する。

0035

OS負荷情報算定器1503は、OS負荷要求信号S2に基づいて、オーバーサンプリング処理の負荷量を算定してOS負荷算定信号S3を生成する。つまり、負荷情報算定器1503は、OS負荷情報検出器1501によって検出されたオーバーサンプリング処理に対する負荷要求を評価(算定)して、音響処理装置1000におけるオーバーサンプリング処理の負荷量を算定する。

0036

フィルタ特性選択器1520は、負荷情報算定器1503から出力されるOS負荷算定信号S3に基づいて、オーバーサンプリング器1200における最適なオーバーサンプリング処理を可能とするフィルタ特性を決定して、同フィルタを指定するフィルタ指定信号S4を生成する。つまり、フィルタ特性選択器1520は、OS負荷算定信号S3に基づいて、音響処理装置1000の全体の処理量に対して、エリアジング除去特性やフィルタ処理に割り当てるリソース量を決定する。フィルタ特性選択器1520はさらに、決定されたリソース量に基づいてオーバーサンプリング器1200のフィルタ特性を決定する。このように、OS負荷情報算定器1503で算定された負荷量に応じて、音響処理装置1000の限られたリソースの最適配分が行われて、最適なオーバーサンプリング処理が実施される。

0037

オーバーサンプリング器1200は、フィルタ特性選択器1520より入力されるフィルタタイプ指定信号S4によって指定される特性のフィルタを用いて、デコード処理器1100で復号化処理されたPCMデータSpにオーバーサンプリング処理を施して、PCMデータSoを生成する。このように、処理要求に対して、音響処理装置1000のリソースの最適配分が行われて、最適なオーバーサンプリング処理が実施される。

0038

拡張帯域生成器1300は、入力されるPCMデータSoに対して帯域拡張成分ZEを生成する。つまり、拡張帯域生成器1300は、要求に対して最適に決定されたフィルタで生成されたPCMデータSoに基づいて帯域拡張成分ZEを生成する。

0039

加算器1400は、拡張帯域生成器1300で生成された帯域拡張成分ZEとオーバーサンプリング器1200で処理されたPCMデータSoとを加算して、音響信号SAを生成する。つまり、要求に対して最適に決定されたフィルタで生成されたPCMデータSoに基づいて、音響信号SAが生成される。

0040

本発明における音響処理装置は、当該装置全体に係る音響処理の要求を表す処理要求信号S1に応じてオーバーサンプリング処理における負荷情報を検出し、その負荷情報に基づいて最適なオーバーサンプリング処理を行うことができる。

0041

(第1の実施の形態)
以下に、図2図3図4、および図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御器について説明する。本実施の形態においては、システム設計者の要求が、上述の処理要求として、外部より与えられる。つまり、入力ストリーム毎に音響処理装置全体に対するリソースの好ましい配分が、システム設計者などにより適宜定められ、定められたリソースの配分情報負荷信号として供給される。そして、負荷適応オーバーサンプリング制御器は与えられた負荷信号に基づいて、オーバーサンプリングのフィルタ特性を決定して、オーバーサンプリング処理の最適化を実施する。つまり、本実施の形態においては、入力されるストリームの復号化処理に関して、リアルタイムに音響処理装置全体のリソースの配分要求(配分情報)が指示される。言い換えれば、同一種類のストリームに対しても、その再生中の任意の時刻において逐次、リソースの配分が外部からの指示(負荷信号)により制御される。

0042

図2に、本実施の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御器が組み込まれた音響処理装置を示す。音響処理装置1000a_1は、図1に示した音響処理装置1000において、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSCが負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1に交換されていると共に、オーバーサンプリング器1200がオーバーサンプリング器1200a_1に交換されている。

0043

負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1には、処理要求信号S1の代わりにシステム処理要求信号S1aが入力される。このシステム処理要求信号S1aは、基本的に負荷信号S1と同種類の信号であるが、上述の通りシステム設計者などにより入力ストリーム毎に適宜定められた音響処理装置全体に対するリソースの好ましい配分の情報を含んでいる。つまり、システム処理要求信号S1aは、入力されているストリームの復号化に使用されるリソースの配分要求(配分情報)が、システム設計者などによりリアルタイムに適宜定められて供給されるものである。この意味において、システム処理要求信号S1aは、好ましくは、オーバーサンプリング処理を含む、音響処理装置1000の全体の処理を規定するデジタル情報であり、その値はリアルタイムに変化し得る。

0044

負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSCにおいて、OS負荷情報検出器1501、負荷情報算定器1503、およびフィルタ特性選択器1520が、それぞれ、OS負荷情報検出器1501a_1、OS負荷情報算定器1503a、およびフィルタ特性選択器1520a_1に交換されている。OS負荷情報検出器1501a_1は、基本的な機能は上述のOS負荷情報検出器1501と同様に構成されている。が、処理対象が処理要求信号S1ではなくシステム処理要求信号S1aであるので、内部構成や機能もそれに応じてOS負荷情報検出器1501とは若干異なる。同様の理由により、OS負荷情報算定器1503aおよびフィルタ特性選択器1520a_1も、それぞれ、OS負荷情報算定器1503およびフィルタ特性選択器1520と内部構成や機能が若干異なる。

0045

OS負荷情報検出器1501a_1は、音響処理装置1000a_1に対する設計者による処理要求を示すシステム処理要求信号S1aに基づいて、オーバーサンプリング処理に対する処理要求を検出する。そして、OS負荷情報検出器1501a_1は、検出されたオーバーサンプリング処理に対する処理要求を表すOS処理要求信号S2aを生成する。この意味において、OS処理要求信号S2aは、好ましくは、システム処理要求信号S1aと同様に、リアルタイムに変化し得るデジタル情報であるが、その値はオーバーサンプリングに対する処理要求情報のみが含まれている。

0046

OS負荷情報算定器1503aは、OS処理要求信号S2aに基づいて、負荷情報算定器1503と同様に、要求される処理を実行するオーバーサンプリング処理の負荷量を算定してOS負荷算定信号S3aを生成する。つまり、OS負荷情報算定器1503aはOS負荷情報検出器1501a_1によって検出されたオーバーサンプリング処理に対する負荷要求を評価して、音響処理装置1000a_1において、オーバーサンプリング処理に消費し得るリソース量の最適値を決定して、OS負荷算定信号S3aを生成する。この意味において、OS負荷算定信号S3aは、好ましくは、OS負荷要求信号S2aと同様に、リアルタイムに変化し得るデジタル情報であり、その値はオーバーサンプリング処理に適用するリソース量を表す情報が含まれている。具体的には、オーバーサンプリング器1200a_1でのエリアジングノイズの除去を行うフィルタタイプを指定する情報であるフィルタタップ情報である。

0047

フィルタ特性選択器1520aは、OS負荷情報算定器1503aから入力される負荷算定信号S3aに基づいてフィルタタイプ選択信号S4a_1を生成し、オーバーサンプリング器1200a_1の内部のフィルタタイプ係数選択器1220へ出力する。つまり、フィルタタイプ選択信号S4a_1は、好ましくは、OS負荷算定信号S3aと同様に、リアルタイムに変化し得るデジタル情報であり、その値はオーバーサンプリング器1200a_1で取り得るフィルタ特性のいずれを示す。好ましくは、システム処理要求信号S1aと同様に、リアルタイムに変化し得るデジタル情報であるが、その値はオーバーサンプリングに対する処理要求情報のみが含まれている。

0048

図3に示すように、オーバーサンプリング器1200a_1は、0データ挿入器1210、フィルタタイプ係数選択器1220、フィルタ処理器1230、およびフィルタタップ係数テーブル格納器1240を含む。

0049

図4に、フィルタタップ係数テーブル格納器1240に格納されているフィルタタップ係数テーブルT1240の一例を示す。フィルタタップ係数テーブルT1240は、複数のフィルタタップ係数群により構成されるデータテーブルである。フィルタタップ係数群の系列数はm+1(0<m)であり、各々のフィルタタップ係数群のフィルタタップ数はn+1(0<n)である。

0050

図3に戻って、オーバーサンプリング器1200a_1において、0データ挿入器1210はデコード処理器1100により復号処理されたPCMデータSpに1サンプルごとに音量振幅が0である0データを挿入して、PCMデータSpの帯域を拡張して、帯域拡張化PCMデータSpeを生成する。帯域拡張化PCMデータSpeはフィルタ処理器1230に入力される。

0051

フィルタタイプ係数選択器1220は、フィルタ特性選択器1520a_1から入力されるフィルタタイプ選択信号S4a_1に基づいて、フィルタタップ係数テーブル格納器1240から1系列のフィルタタップ係数群から対応するものを選択して読み出す。

0052

以下に、上述の音響処理装置1000a_1における音響処理動作について説明する。音響処理装置1000a_1に、システム処理要求信号S1aが入力されると、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1の内部のOS負荷情報検出器1501a_1が、オーバーサンプリング処理に対する処理要求を検出する。そして、OS負荷情報検出器1501a_1から、OS処理要求信号S2aがOS負荷情報算定器1503aに出力される。OS負荷情報算定器1503aは、OS処理要求信号S2aに基づいて、オーバーサンプリング器1200a_1でのエリアジングノイズの除去を行うフィルタタイプを指定する情報であるフィルタタップ情報を生成して、OS負荷算定信号S3aとしてフィルタ特性選択器1520a_1に出力する。

0053

本来、システム処理要求信号S1aは、システム処理要求情報としては、フィルタ処理器1230におけるフィルタタイプを指定する情報を含んでいる。そして、この情報は好ましくは、フィルタタイプ選択情報としてm(0<m)までの整数のうち1つの値に相当するものである。つまり、フィルタ特性選択器1520a_1は、システム処理要求信号S1aに基づいて生成されたOS負荷算定信号S3aが示すフィルタタップ情報が示すフィルタタップ係数テーブルのTBLNo.である「TBL0」から「TBLm」を示すフィルタタイプ選択信号S4a_1を生成する。

0054

例えば、フィルタタイプ選択情報が「3」が示す場合、テーブルポインタ情報は「TBL3」となる。ただし、本例においては、説明の便宜上、システム処理要求信号S1aのフィルタタイプ選択情報は「2」であるとする。

0055

フィルタ特性選択器1520a_1は、OS負荷算定信号S3aに基づいて、フィルタタイプ選択情報をテーブルポインタ情報である「TBL2」へと変換して、フィルタタイプ選択信号S4a_1を生成して、オーバーサンプリング器1200a_1に出力する。

0056

フィルタタイプ係数選択器1220は、テーブルポインタ情報が「TBL2」であることに基づいて、フィルタタップ係数テーブル格納器1240から[Tap0]から[Tapn]のフィルタ係数群としてCoeff[2][0]〜Coeff[2][n]の読み出しを行う。つまり、フィルタ特性選択器1520aから入力されるフィルタタイプ選択信号S4a_1に基づいて、フィルタタップ係数テーブル格納器1240に格納されている複数系列のフィルタタップ係数群Gftcから1系列のフィルタタップ係数を選択して、フィルタタップ係数列Cft_1として読み出す。読み出されたフィルタタップ係数列Cft_1は、フィルタ処理器1230に出力される。

0057

一方、デコード処理器1100には、DVD−Video規格リニアPCM方式に準じるサンプリング周波数48kHzのオーディオビットストリームSSが入力される。デコード処理器1100は、オーディオビットストリームSSに復号処理を施し、PCMデータSpを生成し、オーバーサンプリング器1200a_1へ出力する。生成されるPCMデータのサンプリング周波数は48kHzである。なお、本実施の形態に係るデコード処理器1100は、少なくともDVD−Video規格リニアPCM方式で符号化されたオーディオ符号化信号の復号化機能を有する。

0058

次に、オーバーサンプリング器1200a_1において、0データ挿入器1210はデコード処理器1100により復号処理されたPCMデータSpに1サンプルごとに音量振幅が0である0データを挿入して、PCMデータSpの帯域を拡張して、帯域拡張化PCMデータSpeを生成して、フィルタ処理器1230に供給する。

0059

フィルタ処理器1230は、0データ挿入器1210から入力される帯域拡張化PCMデータSpeに対して、フィルタタイプ係数選択器1220から入力されるフィルタタップ係数列Cft_1であるCoeff[2][0]〜Coeff[2][n]のタップ係数を用いてフィルタ処理を行いエリアジングノイズの除去をして、PCMデータSoを生成する。なお、フィルタ処理されたPCMデータSoのサンプリング周波数は、処理前の帯域拡張化PCMデータSpeと同様に98kHzである。この時点でオーバーサンプリング処理が完了する。

0060

なお、上述の例においては、設計者からのシステム処理要求信号S1aとして、「2」を選択するフィルタタイプ選択情報が含まれているので、「TBL2」のフィルタタップ係数群が選択された。しかし、例えばフィルタタイプ選択情報として「0」が選択されていればフィルタタップ係数選択器1220において読み出されるフィルタ係数群は「TBL0」であるCoeff[0][0]〜Coeff[0][n]のタップ係数となり、結果、別の特性のフィルタ処理が施される。

0061

このように、本実施の形態におけるフィルタ処理器1230は、図4に示すフィルタタップ係数テーブルに格納されている複数系列のフィルタタップ係数群Gftcから選択される任意の1系列のフィルタタップ係数列Cft_1でフィルタ特性を変化させることによって、設計者の要求を満たすべくエリアジングノイズの遮断特性をリアルタイム且つ自在に変化させることができる。

0062

拡張帯域生成器1300は、オーバーサンプリング処理されたPCMデータSoに対して帯域拡張成分ZEを生成し出力する。本実施の形態に係る拡張帯域生成器1300は、オーバーサンプリング器1200a_1で処理されたサンプリング周波数96kHzのPCMデータSoをもとに48kHz付近の成分までの高調波およびノイズ成分で構成される帯域拡張成分ZEを生成し出力する。生成される帯域拡張成分ZEのサンプリング周波数は、オーバーサンプリング器1200a_1で処理されたPCMデータと同様に、96kHzである。

0063

加算器1400は、拡張帯域生成器1300で生成された帯域拡張成分ZEと、オーバーサンプリング器1200a_1で処理されたサンプリング周波数96kHzのPCMデータSoとを加算し、音響信号SAを生成する。加算処理前後の各信号のサンプリング周波数はいずれも96kHzである。

0064

このように本実施の形態では、フィルタタップ係数テーブルにおいて、特性の異なる複数のフィルタタップ係数群を備え、OS負荷情報検出器、フィルタ特性選択器およびフィルタタップ係数選択器を用いることにより、設計者の要求に応じたフィルタ処理を実現できる。

0065

また、エリアジング除去特性を適正に設定することにより、従来は利用していなかったエリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することもできる。

0066

なお、本実施の形態では、システム設計者の処理要求は、直接フィルタタイプを選択するフィルタタイプ選択情報を含んでいるものとしたが、「硬い」、「やわらかい」、「くっきり」、および「まろやか」に代表される感覚尺度等を含むものであってもよい。この場合、感覚尺度等のシステム設計者の指示情報をフィルタタイプ選択情報に変換するため、例えば図5に示すような変換テーブル等を用いる方法がある。

0067

(第1実施の形態の第1の変形例)
図6を参照して、第1の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置の第1の変形例について説明する。本変形例に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置も、音響処理装置1000a_2に組み込まれて使用される。同音響処理装置1000a_2は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1が負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A2に交換されている点を除けば、図2に示した音響処理装置1000a_1と全く同様に構成されている。

0068

具体的には、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A2は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1からOS負荷情報検出器1501a_1およびOS負荷情報算定器1503aが取り除かれている。これらのOS負荷情報検出器1501a_1およびOS負荷情報算定器1503aの機能は、音響処理装置1000a_2の外部で実現されて、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A2には、システム処理要求信号S1aの代わりにOS負荷算定信号S3aが入力される。よって、OS負荷算定信号S3aに基づく、フィルタ特性選択器1520の処理以降は、上述の通りである。

0069

本音処理装置1000a_2においては、音響処理装置1000a_1に比べて、当該装置に対する処理要求からオーバーサンプリング処理に対する処理要求を検出するOS負荷情報検出器1501a_1とオーバーサンプリング処理の負荷量を算定するOS負荷情報算定器1503aの機能が外部で処理されるために、音響処理装置が同程度の規模であれば、オーバーサンプリング処理に使用できるリソースの割合を拡大できる。

0070

(第1の実施の形態の第2の変形例)
図7図8図9図10、および図11を参照して、第1の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置の第2の変形例について説明する。本変形例に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置も、音響処理装置1000a_3に組み込まれて使用される。同音響処理装置1000a_3は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1が負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A2に交換され、オーバーサンプリング器1200a_1がオーバーサンプリング器1200_3に交換されていると共に、加算器1400の後段付加機能処理装置1800が追加されている点を除けば、音響処理装置1000a_1と同様に構成されている。

0071

付加機能処理装置1800は、加算器1400から出力される音響信号SAに対して、さらに付加的な音響処理を施して、音響信号SBとして出力される。この観点から、以降、必要に応じて、音響信号SAを一次音響信号SAと呼称し、音響信号SBを二次音響信号SBと呼称して識別するものとする。

0072

言うまでもでもなく、この付加機能処理装置1800の処理は、音響処理装置1000a_3の他の構成要素による処理と同時に実行される。よって、音響処理装置1000a_3においては、付加機能処理装置1800の処理を考慮して、付加機能処理装置1800自身を含む構成要素のそれぞれに対するソースの最適配分処理を行う。この目的のために、システム処理要求信号S1aには、付加機能処理装置1800に対する処理要求情報も含まれる。付加機能処理装置1800に対する処理要求情報は、本例においては、同時処理機能情報SFと呼ぶ。同時処理機能情報SFは、当該装置内部のデコード処理器1100で復号処理されたPCMデータSpに対する音響処理に対する要求を示す情報でもある。

0073

同時処理機能情報SFに基づいて、リソースの最適配分を行うために、同音響処理装置1000a_3は、図2に示した音響処理装置1000a_1において、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1、およびオーバーサンプリング器1200a_1がそれぞれ負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A3、およびオーバーサンプリング器1200a_3と交換されている。

0074

負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A3は、上述の負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1において、OS負荷情報検出器1501a_1が同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3に交換され、フィルタ特性選択器1520a_1がフィルタ特性選択器1520a_3に交換されている。さらに、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A3には、新たに設けられたフィルタ処理制御指示テーブル格納器1540aが接続されている。

0075

なお、付加機能処理装置1800は、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3を含む。なお、図7においては、紙面上の理由により、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1810、および第3の付加機能処理器1820は、それぞれ、AFP1、AFP2、およびAFP3と表記されている。

0076

第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3は、好ましくは、それぞれに固有の音響処理機能を有して、加算器1400から出力される一次音響信号SAに対して順番に処理を施して、二次音響信号SBを生成する。なお、付加機能処理装置1800で行われる音響処理機能としては、例えばイコライジングや高域・低域強調処理などの音色制御機能、音量制御機能、チャンネルダウンミックス処理などがあげられる。

0077

つまり、同時処理機能情報SFは、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3のそれぞれを起動(ON)および停止(OFF)のいずれかの状態を指示する情報である。なお、システム処理要求信号S1aに含まれる同時処理機能情報SFは、同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3によって抽出されて、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540aに供給される。

0078

図8に、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540aに格納されているフィルタ処理制御指示テーブルT1540aの一例を示す。同図に示すように、フィルタ処理制御指示テーブルは、入力照合領域INと出力照合領域OUTに大別される。入力照合領域INには、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3のそれぞれの稼働状態を指示する、AFP1、AFP2、およびAFP3の欄が設けられている。欄AFP1、欄AFP2、および欄AFP3のそれぞれには、起動はONで表され、停止はOFFで表されている。つまり入力照合領域INは同時処理機能情報SFと対応している。本例においては、説明の便宜上、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3の処理量はそれぞれ同一とするが、それぞれ異なってもよいことはいうまでもない。

0079

一方、出力照合領域OUTには、欄AFP1、欄AFP2、および欄AFP3のそれぞれのON/OFFの値の組み合わせに対応して、TBLNo.を指示するテーブルポインタ情報TBL0〜TBLmのいずれかを示すフィルタ系列パラメータFKが格納されている。なお、本例においては、説明の便宜上、フィルタ系列パラメータFKはTBL0〜TBL3のいずれかを示すものとする。

0080

同例において、同時処理機能情報SFが「OFF、OFF、OFF」を示す場合には、フィルタ系列パラメータFKとして「TBL3」が設定され、「OFF、OFF、ON」を示す場合は「TBL2」が設定され、「OFF、ON、OFF」に対して「TBL2」が設定され、「OFF、OFF、ON」に対して「TBL2」が設定され、「OFF、ON、ON」に対して「TBL1」が設定され、「ON、OFF、ON」に対して「TBL1」が設定され、「ON、ON、OFF」に対して「TBL1」が設定され、「ON、ON、ON」に対して「TBL0」が設定されている。

0081

なお、後ほど図10を参照して説明するように、TBL0、TBL1、TBL2、TBL3の順番に、オーバーサンプリング負荷が大きくなるように設定されている。つまり、上述の例においては、付加機能処理装置1800の構成要素である第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3の全てが非稼働である場合には、付加機能処理装置1800へのリソースの配分が不要であるので、オーバーサンプリング処理に対して最大のリソースを割り当てるように設定されている。

0082

第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3のうち1つが稼働である場合には、その1つのためにリソースの割り当てが必要になるので、TBL2が設定されている。いわば、TBL3とTBL2の差分に相当するリソースが、付加機能処理装置1800に割り当てられることを意味している。

0083

さらに、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3のうち2つが稼働である場合には、その2つのためにリソースの割り当てが必要になるので、TBL1が設定されている。いわば、TBL3とTBL1の差分に相当するリソースが、付加機能処理装置1800に割り当てられることを意味している。

0084

よって、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3の全てが稼働である場合には、その3つのためにリソースの割り当てが必要になるので、TBL0が設定されている。いわば、TBL3とTBL0の差分に相当するリソースが、付加機能処理装置1800に割り当てられることを意味している。

0085

なお、本例においては、説明の便宜上、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3のそれぞれのリソース消費量は同一とする。

0086

つまり、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540a_1においては、OS負荷情報検出器1501a_1で抽出された同時処理機能情報SFが入力照合領域INに入力される。そして、当該同時処理機能情報SFに照合する値のフィルタ系列パラメータFKが出力照合領域OUTからフィルタ特性選択器1520a_3に出力される。

0087

上述のように、フィルタ特性選択器1520a_1(第1の実施の形態)は、システム処理要求信号S1aのみに基づいて生成されたOS負荷算定信号S3aが示すフィルタタップ情報が示すフィルタタップ係数テーブルのTBLNo.である「TBL0」から「TBLm」を示すフィルタタイプ選択信号S4a_1を生成している。一方、本変形例に係るフィルタ特性選択器1520a_3においては、システム処理要求信号S1aにではなく同時処理機能情報SFのみに基づいて、TBL No.を示すフィルタタイプ選択信号S4a_3を生成する。つまり、フィルタタイプ選択信号S4a_3がOS負荷算定信号S3aに基づいて生成されているのに対して、フィルタタイプ選択信号S4a_3は、同時処理機能情報SFに基づいて生成されている。言い換えれば、OS負荷算定信号S3aは、オーバーサンプリング器1200a_3におけるフィルタ特性決定に関与しない。

0088

以下に、図9を参照して、オーバーサンプリング器1200a_3におけるオーバーサンプリング処理について説明する。オーバーサンプリング器1200a_3は、図3に示すオーバーサンプリング器1200a_1において、フィルタタップ係数テーブル格納器1240が、タップ数定型フィルタタップ係数テーブル格納器1243に交換され、フィルタ処理器1230がタップ可変型フィルタ処理器1231に交換されている。

0089

図10に、タップ数指定型フィルタタップ係数テーブル格納器1243に格納されているタップ数指定型フィルタタップ係数テーブルT1243の一例を示す。タップ数指定型フィルタタップ係数テーブルT1243は、フィルタ係数タップ数とフィルタタップ係数群の組み合わせで構成されるフィルタタップ系列を複数含む。すなわち、フィルタタップ係数群の系列数は「TBL0」、「TBL1」、「TBL2」、および「TBL3」の4系列から構成されており、フィルタ係数タップ数はそれぞれ「a」、「b」、「c」、および「d」である。なお、「a」、「b」、「c」、および「d」は、0<a<b<c<dの関係にある自然数である。つまり、フィルタ係数タップ数が大きいほど、消費リソース量も大きくなる。

0090

上述のように、同時処理機能情報SFは、フィルタ特性選択器1520a_3において、タップ数指定型フィルタタップ係数テーブル格納器1243の内部の特定のフィルタ係数群を指定するためのテーブルポインタ情報に変換される。フィルタ特性選択器1520a_3にて変換されたテーブルポインタ情報(FK)に基づいて、フィルタタイプ係数選択器1220にて、フィルタ係数群TBL0〜TBL3から特定の係数列およびタップ数が読み出され、フィルタ処理器1230におけるフィルタ処理に用いられる。なお、タップ数指定型フィルタタップ係数テーブル格納器1243から読み出されるフィルタ係数列とタップ数をフィルタタップ係数列Cft_2と呼ぶ。

0091

また、外部から供給される同時処理機能情報SFに表される、付加機能処理器1800_1〜1800_3のそれぞれの稼働状態の組み合わせに基づいて、フィルタタップ係数群の1系列が選択される。フィルタ特性選択器1520aにおいて変換されるテーブルポインタ情報は、図8で示されるタップ数指定型フィルタタップ係数テーブル格納器1243のTBLNo.である「TBL0」から「TBL3」を示す。例えば第1の付加機能処理器1800_1から第3の付加機能処理器1800_3の稼働状況が「ON、OFF、ON」である場合にはテーブルポインタ情報は「TBL1」となる。

0092

図9に戻って、0データ挿入器1210は、デコード処理器1100により復号化処理されたPCMデータSpに1サンプル毎に音量振幅が0である0データを挿入して、帯域拡張化PCMデータSpeを生成してタップ可変型フィルタ処理器1231に入力する。フィルタタイプ係数選択器1220は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A3から入力されるフィルタ処理制御信号S4a_3に基づいて、フィルタタップ係数テーブル1243からフィルタタップ係数列Cft_3を読み出して、タップ可変型フィルタ処理器1231に出力する

0093

タップ数可変型フィルタ処理器1231は、0データ挿入器1210より入力される帯域拡張化PCMデータSpeに、フィルタタイプ係数選択器1220から指定されたフィルタタップ係数列Cft_4に示された、フィルタタップ係数列を用いて、フィルタ係数タップ数分だけフィルタ処理を行う。

0094

以下に、上述の音響処理装置1000a_3における音響処理動作の一例について説明する。本例では、デコード処理器1100にDVD−Video規格リニアPCMに準じるサンプリング周波数48KHzのオーディオビットストリームSSが入力されるものとする。システム処理要求信号S1aに含まれる同時処理機能情報SFは、システム設計者によって、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3のそれぞれの稼働状態が「OFF、OFF、およびOFF」と設定されて初期設定される。そして、初期設定の完了の所定の時間の経過後に、同時処理機能情報SFは「ON、ON、およびOFF」の状態に設定される場合について説明する。

0095

音響処理装置1000a_3に、システム処理要求信号S1aが入力されると、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A3の同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3が、オーバーサンプリング処理に対する処理要求を検出し、OS負荷要求信号S2aを生成すると共に、同時処理機能情報SFを抽出する。本例においては、抽出された同時処理機能情報SFの初期状態は、「OFF、OFF、OFF」である。そして、同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3から、OS負荷要求信号S2aがOS負荷情報算定器1503a_2に出力される。さらに、同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3から、同時処理機能情報SFがフィルタ処理制御指示テーブル格納器1540aへ出力される。OS負荷情報算定器1503aはオーバーサンプリング処理に対する負荷量を表すOS負荷算定信号S3aを出力する。

0096

一方、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540aからは、同時処理機能情報SF(OFF、OFF、OFF)に基づいて、TBL3を示すフィルタ系列パラメータFKが出力される。

0097

そして、フィルタ特性選択器1520a_3は、フィルタ系列パラメータFK(TBL3)に基づいて、「TBL3」のテーブルポインタ情報であるフィルタ処理制御信号S4a_3を生成し、オーバーサンプリング部1200a_3のフィルタタップ係数選択部1220へ送信する。

0098

フィルタタップ係数選択器1220は、入力されるフィルタ処理制御信号S4a_3が示すテーブルポインタ情報が「TBL3」であるので、フィルタタップ係数テーブル1243からフィルタ係数タップ数「d」とフィルタタップ係数群Coeff[3][0]〜Coeff[3][d]の読み出しを行う。

0099

一方、デコード処理器1100は、DVD−Video規格リニアPCM方式に準じるサンプリング周波数が48kHzのオーディオビットストリームSSが入力されるとオーディオビットストリームに復号処理を施し、PCMデータSpを生成し、オーバーサンプリング器1200へ出力する。生成されるPCMデータのサンプリング周波数は48kHzである。

0100

オーバーサンプリング器1200a_3は、デコード処理器1100から入力されるPCMデータSpに対して、まず0データ挿入器1210において1サンプルごとに音量振幅が0である0データを挿入する。0データが挿入された帯域拡張化PCMデータSpeはサンプル数が2倍となるため、サンプリング周波数が96kHzとなる。

0101

次に、タップ数可変型フィルタ処理器1231は、0データが1サンプル毎に挿入されたPCMデータに対して、あらかじめフィルタタップ係数選択器1220において読み出されているフィルタ係数タップ数「d」とフィルタ係数群であるCoeff[3][0]〜Coeff[3][d]のタップ係数を用いてフィルタ係数タップ数である「d」のタップ分だけの積和演算によりフィルタ処理を行い、エリアジングノイズ除去処理を施す。ここで処理されたPCMデータのサンプリング周波数は処理前と同様に98kHzである。この時点でオーバーサンプリング処理が完了する。

0102

上述したように、本例においては、システム設計者から指示される同時処理機能情報が「OFF、OFF、OFF」の組み合わせで設定されている場合には、「TBL3」のフィルタタップ係数群が選択される。結果、フィルタ係数タップ数である「d」のタップ分だけ積和演算によりフィルタ処理が施される。本例においては、同時処理機能情報SFが「OFF、OFF、OFF」であるということは、付加機能処理装置1800に対する処理要求が無いので、付加機能処理装置1800に対するリソースの割り当ても不要である。

0103

所定時間の経過後に、「ON、ON、OFF」に設定された同時処理機能情報SFが入力されると、上述と同様にフィルタ処理が実施される。しかしながら、同時処理機能情報SFが「OFF,OFF、OFF」から「ON,ON、OFF」に変化するということは、付加機能処理装置1800に対する処理要求が増加することであり、付加機能処理装置1800に対してリソースを配分しなければならない。つまり、音響処理装置1000a_3において、付加機能処理装置1800(1800_1、1800_2、1800_3)と、他の構成要素を含めて、リソースの最適配分が以下の如く行われる。

0104

フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540a_1は、同時処理機能情報SF(ON、ON、OFF)に基づいて、フィルタ処理制御指示テーブルT1540aから「TBL1」のテーブルポインタ情報を表すフィルタ系列パラメータFKを出力する。

0105

フィルタ特性選択器1520a_3は、同フィルタ系列パラメータFKに基づいて、フィルタタップ係数は「TBL1」のフィルタタップ係数群を指示するフィルタ指定信号S4a_3を生成する。結果、フィルタ係数タップ数「b」のタップ数分だけの積和演算によりフィルタ処理が行われる。つまり、初期状態(同時処理機能情報SFがOFF、OFF、OFF)に比べて、より少ないリソースがオーバーサンプリング処理に配分される。

0106

本例においては、タップ数指定型フィルタタップ係数テーブルとタップ数可変型フィルタ処理器を設けることで、フィルタ処理器は、指定されたタップ数だけフィルタ処理を施す。そのため、タップ数の少ないフィルタタップ系列が選択された場合は、フィルタ処理器における演算処理量がその分削減される。例えば、復号化処理条件や同時に実行される機能処理に係る演算量が大きい場合にタップ数の少ないフィルタタップ系列を選択する構成にすることで、演算処理量を削減することもできる。結果として、音響処理装置の全体の処理量に対する、オーバーサンプリング処理に配分されるリソース量が最適化される。

0107

特に本例のように、同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3とフィルタ特性選択器1520a_3が同時処理機能情報を扱う構成になっている。そのため、同時処理機能情報の通信が可能となる。さらに、同時に処理する音響機能の処理量の使用状況に応じてオーバーサンプリング処理におけるフィルタ処理に係る演算量を調整・制御できるので音響処理装置における全体の演算処理量を平滑化できる。

0108

また、フィルタ処理制御指示テーブルを設けることで、符号化方式情報に応じた最適なフィルタ処理条件を、判別処理を行うことなく簡単に選択できるので、処理の簡素化が可能な分、音響処理装置の規模や処理量を削減できる。

0109

なお、本例における音響処理装置1000a_3においては、付加機能処理装置1800を加算器1400の後段に配置したが、音響処理装置の構成に応じてオーバーサンプリング処理器の前段に配置することもできることは言うまでもない。

0110

また、本例ではタップ数可変型フィルタタップ係数テーブル1243の系列数をTBL0から3の4系列とし、同時に処理を行う付加機能処理器の数を3つとしたが、タップ数可変型フィルタタップ係数テーブルの系列数、付加機能処理器の数はいずれも特に限定しない。

0111

上述の例の初期設定状態においては、同時処理機能情報が「OFF、OFF、OFF」の組み合わせで設定されている状態は、リソース要求の観点から観れば、付加機能処理装置1800が無いのと同様である。言い換えれば、図2図5を参照して説明した、第1の実施の形態に係る音響処理装置1000a_1と同じ構成と言える。

0112

この場合、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540a_12には、同時処理機能情報SFが「OFF、OFF、OFF」の場合のテーブルポインタ情報の値は、図9の示したパターンのTBL3の代わりに、OS負荷算定信号S3aに基づいて、既に説明したように、フィルタ処理制御信号S4a_3を生成するようにしてもよいことは言うまでもない。

0113

以上、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3のそれぞれのリソース消費量がそれぞれ同一である場合を例に説明した。しながら、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3のそれぞれのリソース消費量が異なれば、その量に応じてTBLの値も適正に設定されることは言うまでもない。

0114

図11に、第1の付加機能処理器1800_1、第2の付加機能処理器1800_2、および第3の付加機能処理器1800_3の処理量がそれぞれ異なる場合に、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540aに格納されるフィルタ制御テーブルの一例を示す。同図から明らかなように、同時処理機能情報SFのパターンに対するフィルタ系列パラメータFKの対応は、図8に示した例と異なるが、同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3の動作は同じである。

0115

(第2の実施の形態)
図12図13図14、および図15を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御器について説明する。本実施の形態においては、入力されるオーディオビットストリームに固有の情報が上述の処理要求として用いられて、音響処理装置全体に対するリソースの最適配分が行われる。つまり、本実施の形態においては、入力されるオーディオビットストリームの復号化処理に関して、入力されるオーディオビットストリーム毎(単位)に、当該オーディオビットストリームに固有の情報を解析し、解析された情報に基づいて、リアルタイムに音響処理装置全体のリソースの配分要求(配分情報)が指示される。

0116

図12に示すように、本実施の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御器が組み込まれた音響処理装置1000b_1は、図1に示した音響処理装置1000において、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC、デコード処理器1100、およびオーバーサンプリング器1200がそれぞれ負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B1、デコード処理器1100b、およびオーバーサンプリング器1200b_1に交換されている。

0117

デコード処理器1100bは、デコード処理器1100と同様に入力されるオーディオビットストリームSSを復号するだけでなく、当該オーディオビットストリームSSのデコード情報を抽出する機能を有する。そのために、デコード処理器1100bは、デコード情報解析器1110、およびPCMデータ生成器1120を含む。デコード処理器1100bには、MPEGオーディオ規格符号化方式に準じるオーディオビットストリームSSが入力される。なお、MPEGオーディオ規格の詳細については、ISO/IEC11172−3:1993および13818−3:1996に示されている。

0118

デコード情報解析器1110は入力されるオーディオビットストリームSSを解析して、デコード情報を抽出して、ストリーム構成信号S1bを生成する。なお、デコード情報は、ストリームヘッダ情報(サンプリング周波数情報ビットレート情報レイヤー情報など)や復号情報(各オーディオ量子化データビット割付情報や、逆量子化処理のためのスケールファクタなど)等のオーディオビットストリームSSの構成に関する情報を含んでいる。処理要求信号S1bは、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B1に入力される。

0119

PCMデータ生成器1120は、デコード情報解析器1110により得られるデコード情報に基づいて、オーディオビットストリームSSを復号化してPCMデータSpを生成する。PCMデータSpは、オーバーサンプリング器1200b_1に入力される。

0120

負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B1には、処理要求信号S1の代わりにストリーム構成信号S1bが入力される。このストリーム構成信号S1bは、基本的に処理要求信号S1と同一種類の信号であるが、上述の通り、オーディオビットストリームの種類毎に応じて、音響処理装置内部のデコード情報解析器で解析された、装置全体に対するリソースの好ましい処理要求情報である。つまり、ストリーム構成信号S1bは、入力されているストリームの復号化処理に使用される処理要求(負荷要求)が、当該装置内部などで逐次あるいは適宜解析されて供給されるものである。

0121

つまり、ストリーム構成信号S1bには、上述のデコード情報ばかりではなく、音響処理装置1000b_2に対する処理要求情報を含む。この意味において、ストリーム構成信号S1bは、好ましくは、オーバーサンプリング処理を含む、音響処理装置全体の処理を規定するデジタル情報であり、その値は、入力されるストリーム毎に一律である。

0122

負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B1は、図1に示す負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSCにおいて、OS負荷情報検出器1501、OS負荷情報算定器1503、およびフィルタ特性選択器1520が、それぞれサンプリング周波数情報抽出器1501b_1、音声適応OS負荷情報算定器1503b、およびフィルタ特性選択器1520b_1に交換されている。

0123

サンプリング周波数情報抽出器1501b_1は、デコード情報解析器1110より得られる処理要求信号S1bより、オーバーサンプリング周波数情報を検出して、OS負荷要求信号S2bを生成する。この意味において、OS負荷要求信号S2bは、処理要求信号S1bと同様に、オーバーサンプリング処理を含む音響処理装置全体の処理を規定するデジタル情報であり、その値は、入力されるストリームに一律である。なお、本例において、OS負荷要求信号S2bは、オーバーサンプリング処理に用いられるサンプリング周波数情報である。

0124

音声適応OS負荷情報算定器1503bは、OS負荷要求信号S2bに基づいて、OS負荷情報算定器1503と同様に、要求される処理を実行するオーバーサンプリング処理の負荷量を算定してOS負荷算定信号S3bを生成する。つまり、音声適応OS負荷情報算定器1503bは、サンプリング周波数情報抽出器1501b_1によって検出されたオーバーサンプリング処理に対する負荷要求を評価して、当該音響処理装置において、オーバーサンプリング処理に消費し得るリソース量の最適値を決定して、OS負荷算定信号S3bを生成する。この意味において、OS負荷算定信号S3bは、好ましくは、OS負荷要求信号S2bと同様に、オーバーサンプリング処理を含む、オーバーサンプリング処理に消費し得る音響処理装置全体のリソース量の最適値を表すデジタル情報であり、その値は、入力されるストリーム毎に一律である。なお、本例において、OS負荷算定信号S3bは、オーバーサンプリング処理に用いられるサンプリング周波数情報である。

0125

フィルタ特性選択器1520b_1は、音声適応OS負荷情報算定器1503bから入力されるオーバーサンプリング処理に消費し得るリソース量の最適値を表すOS負荷算定信号S3bに基づき、フィルタ処理制御指示信号S4b_1を生成し、オーバーサンプリング器1200b_1へ出力する。この意味において、フィルタタイプ選択信号S4b_1は、好ましくは、OS負荷算定信号S3bと同様に、好ましくは、オーバーサンプリング処理を含む、音響処理装置全体の処理を規定するデジタル情報であり、その値は、ストリームの種類毎に一定である。

0126

以下に、図13を参照して、オーバーサンプリング器1200b_1におけるオーバーサンプリング処理について説明する。オーバーサンプリング器1200b_1は、図3に示したオーバーサンプリング器1200a_1において、フィルタタイプ係数選択器1220がフィルタタップ係数アサイナ1221に交換され、フィルタタップ係数テーブル格納器1240が共通フィルタタップ係数テーブル格納器1241と固有フィルタタップ係数テーブル格納器1242に交換されている。

0127

オーバーサンプリング器1200b_1は、デコード処理器1100bから入力されるサンプリング周波数48KHzのPCMデータSpに、1サンプルずつ0データを挿入する。その後、オーバーサンプリング器1200b_1は、0データが挿入されたPCMデータにアンチエリアジングフィルタによるノイズ除去処理を施して、サンプリング周波数96kHzのPCMデータSoを生成する。サンプリング周波数44.1KHzの場合も同様の方法でサンプリング周波数88.2kHzのPCMデータSoを生成する。

0128

図14に、共通フィルタタップ係数テーブル格納器1241に格納されている共通フィルタタップ係数テーブルT1241の一例を示す。共通フィルタタップ係数テーブルT1241は、1系列のフィルタタップ群で構成されるデータテーブルであり、フィルタタップ数はn+1(0<n)である。

0129

図15に、固有フィルタタップ係数テーブル格納器1242に格納されている固有共通フィルタタップ係数テーブルT1242の一例を示す。固有共通フィルタタップ係数テーブルT1242は、複数系列の部分フィルタタップ群で構成されるデータテーブルである。本例では、3系列のフィルタタップ係数群であり、各々のフィルタタップ係数群のフィルタタップ数は「Tap n+1」〜「Tap n+m」までのm+1(0<n、0<m)である。

0130

フィルタタップ係数アサイナ1221は、共通フィルタタップ係数テーブルT1241からフィルタタップ数が「n+1」のフィルタタップ係数Tapnを読み出すとともに、固有共通フィルタタップ係数テーブルT1242に格納されているフィルタタップ係数群から1つのフィルタタップ係数列を選択して、フィルタタップ係数列Cft_5として読み出す。さらに、フィルタタップ係数アサイナ1221は、フィルタタップ係数Tapnとフィルタタップ係数列Cft_5とを組み合わせて、合成フィルタタップ係数群フィルタタップ係数群Gftc_5を生成する。

0131

フィルタ処理器1230は、0データ挿入器1210より入力される帯域拡張化PCMデータSpeに、フィルタタップ係数アサイナ1221から指定されたフィルタタップ係数群Gftc_5に基づいて、フィルタ処理を施して、エリアジングノイズの除去処理を施す。

0132

本実施の形態では、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B1に入力されるデコード情報(処理要求信号S1b)は、サンプリング周波数情報(OS負荷要求信号S2b)を含んでいる。サンプリング周波数情報(OS負荷要求信号S2b)に基づいて、サンプリング負荷周波数情報(OS負荷算定信号S3b)が算出される。そして、サンプリング負荷周波数情報(OS負荷算定信号S3b)に基づいて、特定のフィルタタップ係数と特定のフィルタタップ係数列との組み合わせを指定するテーブルポインタ情報(フィルタ処理制御指示信号S4b_1)に変換される。

0133

そして、テーブルポインタ情報(フィルタ処理制御指示信号S4b_1)に基づいて、フィルタタップ係数アサイナ1221によって、共通フィルタタップ係数テーブルT1241から特定のフィルタタップ係数が読み出され、固有共通フィルタタップ係数テーブルT1242から特定のフィルタタップ係数列が読み出されて、フィルタ特性指定情報(フィルタタップ係数群Gftc_5)が生成される。そして、フィルタ処理器1230
は、フィルタ特性指定情報(フィルタタップ係数群Gftc_5)で指定されたフィルタ特性で、帯域拡張化PCMデータSpeに対してフィルタ処理を施して、オーバーサンプリングされたPCMデータSoを出力する。

0134

なお、本実施の形態では、サンプリング周波数情報抽出器1501b_1が検出するサンプリング周波数情報は、32kHz、44.1kHz、および48kHzの3種類とする。上述の3種類のサンプリング周波数は、フィルタ特性選択器1520b_1において、固有共通フィルタタップ係数テーブルT1242に基づいて、それぞれTBLNo.「TBL0」、「TBL1」、「TBL2」のテーブルポインタ情報に変換される。さらにフィルタタップ係数アサイナ1221において生成されるフィルタタップ係数群Gftc_5)は、共通フィルタタップ係数テーブルT1241から読み出される共通フィルタタップ係数群Coeff[0]〜Coeff[n]と、固有共通フィルタタップ係数テーブルT1242のうちサンプリング周波数情報から変換された「TBL0」、「TBL1」、「TBL2」のいずれかの固有フィルタタップ係数群の組み合わせとなる。

0135

例えばサンプリング周波数情報が「48kHz」である場合は、テーブルポインタ情報が「TBL2」となるため、フィルタタップ係数群Gftc_5は、Coeff[0]〜Coeff[n]とCoeff[2][n+1]〜Coeff[2][n+m]が組み合わされたものとなる。

0136

以下に、本実施の形態に係る音響処理装置1000b_2に、サンプリング周波数48KHzのオーディオビットストリームSSと、サンプリング周波数44.1KHzのオーディオビットストリームSSが、それぞれ入力された場合の音響処理動作について具体的に説明する。先ず、サンプリング周波数48KHzのオーディオビットストリームSSが入力されると、フィルタ処理制御指示信号S4b_1(テーブルポインタ情報)はまず「TBL2」を指示する。次に、サンプリング周波数44.1KHzのオーディオビットストリームSSが入力されると、フィルタ処理制御指示信号S4b_1(テーブルポインタ情報)は「TBL1」を指示する。

0137

従来のオーバーサンプリング器1200においては、通常、カットオフ周波数が24kHz付近であるFIR型もしくはIIR型の低域通過フィルタを用いてエリアジングノイズの除去によるフィルタ処理が行われている。しかしながら、本実施の形態に係るオーバーサンプリング器1200b_1において、フィルタ処理器1230は、従来は除去されてしまい、音響信号SAcの帯域拡張のために使用されることのないエリアジングノイズをも、音響信号SAの帯域拡張成分として利用する。そのためには、エリアジングノイズを各サンプリング周波数の周波数特性に類似させる必要がある。この周波数特性を類似させるのに最も効果的な方法として、サンプリング周波数情報が「32kHz」の場合に選択される「TBL0」のフィルタタップ係数列Cft_5が選択された場合に、最もエリアジングノイズが発生しやすいフィルタタップ係数Cfを設定する。以降、「TBL1」および「TBL2」が選択されるに従ってエリアジングノイズを減少させる構成とすることが望ましい。

0138

上述のように、デコード処理器1100bに、サンプリング周波数48KHzのオーディオビットストリームSSが入力されると、まずデコード情報解析器1110は外部より入力されるビットストリームを解析し、サンプリング周波数情報を含むデコード情報を抽出する。まず、ここで抽出されるサンプリング周波数情報は「48kHz」である。

0139

PCMデータ生成器1120はデコード情報解析器1110により得られるデコード情報をもとに、復号化処理を実施し、サンプリング周波数48kHzのPCMデータを生成する。

0140

一方、サンプリング周波数情報抽出器1501b_1は、デコード情報解析器1110から入力されるデコード情報であるストリーム構成信号S1bからサンプリング周波数情報を検出し、OS負荷要求信号S2bを生成する。生成されたOS負荷要求信号S2bは、音声適応OS負荷情報算定器1503bへ出力される。

0141

フィルタ特性選択器1520は、OS負荷要求信号S2bに含まれるサンプリング周波数情報をテーブルポインタ情報である「TBL2」に変換し、オーバーサンプリング器1200内部のフィルタタップ係数アサイナ1221へ出力する。

0142

フィルタタップ係数アサイナ1221は、共通フィルタタップ係数テーブル格納器1241から共通フィルタタップ係数であるCoeff[0]〜Coeff[n]を読み出す。さらに、フィルタタップ係数アサイナ1221は、テーブルポインタ情報に基づいて、固有フィルタタップ係数テーブル格納器1242から「TBL2」のフィルタタップ係数群の選択と読み出しを行う。このように、固有フィルタタップ係数テーブル格納器1242の固有フィルタタップ係数群と共通フィルタタップ係数テーブルのフィルタタップ群と組み合わされて、Coeff[0]〜Coeff[n]とCoeff[2][n+1]〜Coeff[2][n+m]で構成された合成フィルタタップ係数群が生成される。

0143

PCMデータ生成器1120で生成されたサンプリング周波数48kHzのPCMデータSpはオーバーサンプリング器1200へ送信される。そして、第1の実施の形態におけるのと同様に、0データ挿入器1210においてPCMデータに、サンプルごとに音量振幅が0である0データが挿入される。0データが挿入されたPCMデータはサンプル数が2倍となるため、サンプリング周波数が96kHzとなる。

0144

次に、フィルタ処理器1230は、0データが1サンプル毎に挿入されたPCMデータに対して、あらかじめフィルタタップ係数アサイナ1221で合成されたフィルタタップ係数群Gftc_5であるCoeff[0]〜Coeff[n]およびCoeff[2][n+1]〜Coeff[2][n+m]とを用いてフィルタ処理を行い、エリアジングノイズの除去処理を施す。処理されたPCMデータのサンプリング周波数は処理前と同様に98kHzである。この時点でオーバーサンプリング処理が完了する。

0145

以降は第1の実施の形態におけるのと同様に、拡張帯域生成器1300は、オーバーサンプリング処理されたPCMデータSoに対して帯域拡張成分ZEを生成する。加算器1400は、帯域拡張成分ZEとオーバーサンプリング処理されたサンプリング周波数96kHzのPCMデータSpとを加算し、音響信号SAを生成する。

0146

次に、サンプリング周波数が44.1kHzのオーディオビットストリームSSの入力された場合の復号化処理は、サンプリング周波数が48kHzの場合と同様である。ただしサンプリング周波数が48kHzの場合と異なり、デコード情報に含まれるサンプリング周波数情報が「44.1kHz」であり、またPCMデータ生成器1120で生成するPCMデータのサンプリング周波数が44.1kHzである。

0147

次に、サンプリング周波数が44.1kHzのオーディオビットストリームSSが入力されると、サンプリング周波数情報抽出器1501b_1は、44.1kHzを表すサンプリング周波数情報(ステップSb2b)は、音声適応OS負荷情報算定器1503bを経由して、フィルタ特性選択器1520へ送信される。

0148

フィルタ特性選択器1520b_1は、サンプリング周波数情報「44.1kHz」を、テーブルポインタ情報「TBL1」に変換して、フィルタ処理制御指示信号S4b_1をオーバーサンプリング器1200b_1内部のフィルタタップ係数アサイナ1221へ送信する。

0149

フィルタタップ係数アサイナ1221は、共通フィルタタップ係数テーブルT1241から共通フィルタタップ係数であるCoeff[0]〜Coeff[n]をフィルタタップ係数Tapnとして読み出す。さらに、フィルタタップ係数アサイナ1221はテーブルポインタ情報が「TBL1」であることから、固有共通フィルタタップ係数テーブルT1242から「TBL1」のフィルタタップ係数列の1つを選択してフィルタタップ係数列Cft_5として読み出す。固有フィルタタップ係数テーブルの固有フィルタタップ係数群と共通フィルタタップ係数テーブルのフィルタタップ群とを組み合わせることで、Coeff[0]〜Coeff[n]とCoeff〔1〕[n+1]〜Coeff〔1〕[n+m]で構成されたフィルタタップ係数群Gftc_5を生成する。

0150

PCMデータ生成器1120で生成されたサンプリング周波数44.1kHzのPCMデータSpはオーバーサンプリング器1200へと送信される。0データ挿入器1210は送信されたPCMデータSpに対して1サンプルごとに音量振幅が0である0データを挿入して帯域拡張化PCMデータSpeを生成する。帯域拡張化PCMデータSpeは、PCMデータSpに比べてサンプル数が2倍となるため、サンプリング周波数が88.2kHzとなる。

0151

フィルタ処理器1230は、0データが1サンプル毎に挿入された帯域拡張化PCMデータSpeに対して、あらかじめフィルタタップ係数アサイナ1221で合成されたフィルタタップ係数群Gftc_5であるフィルタ係数群であるCoeff[0]〜Coeff〔1〕とCoeff〔1〕[n+1]〜Coeff[2][n+m]のタップ係数を用いてフィルタ処理を行いエリアジングノイズの除去処理を施してPCMデータSoを生成する。PCMデータSoのサンプリング周波数はフィルタ処理前と同様88.2kHzであり、この時点でオーバーサンプリング処理が完了する。

0152

以降は第1の実施の形態におけるのと同様の処理を行い、最終的に出力信号として88.2kHzの音響信号SAが生成される。このようにフィルタタップ係数アサイナ1221で合成されるフィルタタップ係数群Gftc_5は、復号化処理されるサンプリング周波数に応じてn+1番目からn+m番目のタップ係数が変化する。このようにして、デコード処理器1100bで処理されるサンプリング周波数に応じて、オーバーサンプリング処理におけるエリアジング除去特性やフィルタ処理に係る演算量を制御できる。

0153

特に、符号化方式が同一であっても、復号化条件であるサンプリング周波数が異なる場合は、サンプリング周波数が高くなるにつれて演算処理量が増加傾向にある。そこで、サンプリング周波数が高くなるにつれてフィルタタップ数を減少させるようにオーバーサンプリング器1200b_1(フィルタタップ係数アサイナ1221、共通フィルタタップ係数テーブル格納器1241、固有フィルタタップ係数テーブル格納器1242)を構成することで、リアルタイム性を確保するための処理条件を平滑化することも可能となる。

0154

結果、本実施の形態においては、第1の実施の形態に比べてフィルタタップ係数テーブルのコストを低減できるというメリットを有する。つまり、本実施の形態においては、Tap0からTapnまでのタップ係数が共通化されて、タップ係数に係るテーブルデータサイズが低減できるからである。

0155

なお、本実施の形態では、サンプリング周波数情報としては32kHz、44.1kHz、48kHzの3種類としたが、他の周波数にも対応可能であることは言うまでもない。各サンプリング周波数に応じた固有フィルタタップ係数群を実装することにより、他の周波数にもより効果的に対応できる。

0156

また、エリアジング除去特性を適正に設定することで、エリアジングノイズを帯域拡張成分に利用することもできる。さらに、サンプリング周波数情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることでエリアジングノイズの付加状況を調節することもできる。デコード情報に対するフィルタ処理の特性を変化させることでエリアジングノイズの付加状況を調節することも可能である。

0157

(第2の実施の形態の第1の変形例)
図16図17、および図18を参照して、第2の実施の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置の第1の変形例について説明する。本変形例に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置も、音響処理装置1000b_2に組み込まれて使用される。同音響処理装置1000b_2は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B1が負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B2に交換され、オーバーサンプリング器1200b_1がオーバーサンプリング器1200b_2に交換されている点を除けば、音響処理装置1000b_1と同様に構成されている。

0158

本変形例においては、オーディオビットストリームSSから抽出されたストリーム構成信号S1bからサンプリング周波数を検出してOS負荷要求信号S2bを生成する点は、上述の第2の実施の形態におけるのと同様である。しかし、本変形例においては、ストリーム構成信号S1bから、さらに、オーディオビットストリームの種類を表す符号化方式情報を検出して、当該検出された符号化方式情報に基づいて、予め定められたフィルタ処理制御指示テーブルを用いて、判別処理を行うことなく、フィルタ特性を指定できるものである。

0159

この機能を実現するために、本変形例に係る音響処理装置1000b_2において、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B2は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B1において、サンプリング周波数情報抽出器1501b_1が符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2に交換され、フィルタ特性選択器1520b_1がフィルタ特性選択器1520b_2に交換されている。フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2が新たに設けられている。

0160

具体的には、符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2は、デコード処理器1100bから出力されるストリーム構成信号S1bに基づいて、OS負荷要求信号S2bだけでなく、符号化方式情報SEを検出する機能を有している。検出された符号化方式情報SEは、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2に出力される。

0161

図17に、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2に格納されている、フィルタ処理制御指示テーブルT1540b_2の一例を示す。フィルタ処理制御指示テーブルT1540b_2には、符号化方式情報毎のフィルタ処理条件が規定されている。同図に示すように、フィルタ処理制御指示テーブルT1540b_2は、入力照合領域INと出力照合領域OUTに大別される。入力照合領域INには、音響処理装置1000b_2に入力されるオーディオビットストリームSSのあり得る符号化方式が記録されている。つまり、入力照合領域INには、OS負荷情報検出器1501bで抽出される符号化方式情報SEに対応する情報が記述されている。

0162

一方、出力照合領域OUTには、符号化方式のそれぞれに対応して、フィルタタップ数FTが表されている。なお、本例においては、説明の便宜上、フィルタタップ数FTは、それぞれ「a」、「b」、「c」、「d」、「e」、および「f」(a>0、b>0、c>0、d>0、e>0、f>0)のいずれかを示すものとする。

0163

同例において、具体的には符号化方式情報SEが「AC3」に対応してフィルタタップ数FTには「a」が設定され、「MPEG1 Layer2」に対応してフィルタタップ数FTには「b」が設定され、「DVD−Video LinearPCM」に対応してフィルタタップ数FTには「c」が設定され、「DTS」に対応してフィルタタップ数FTには「d」が設定され、「MP3」に対応してフィルタタップ数FTには「e」が設定され、「CD−DA」に対応してフィルタタップ数FTには「f」が設定されている。

0164

つまり、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2においては、OS負荷情報検出器1501b_2で抽出された符号化方式情報SEが入力照合領域INに入力される。そして、当該符号化方式情報SEに示されている符号化方式に対応する値のフィルタタップ数FTがフィルタ特性選択器1520b_2に出力される。

0165

上述の第2の実施の形態に係る、フィルタ特性選択器1520b_1は、ストリーム構成信号S1bのうちのサンプリング周波数情報(OS負荷要求信号S2b)のみに基づいて、生成されるOS負荷算定信号S3bが示すサンプリング周波数情報に応じて、テーブルポインタ情報を表すフィルタ処理制御指示信号S4b_1を生成する。一方、本変形例に係るフィルタ特性選択器1520b_2においては、ストリーム構成信号S1bのうちのサンプリング周波数情報(OS負荷要求信号S2b)ではなく、符号化方式情報SEに基づいて、フィルタタップ数FTを表すフィルタ処理制御指示信号S4b_2を生成する。つまり、フィルタ処理制御指示信号S4b_1がOS負荷算定信号S3bのみに基づいて生成されているのに対して、フィルタ処理制御指示信号S4b_2は符号化方式情報SEに基づいて生成されている。言い換えれば、OS負荷算定信号S3bは、フィルタ特性選択器1520b_2におけるフィルタ特性決定には関与しない。

0166

フィルタ特性選択器1520b_2は、フィルタ処理制御指示テーブルT1540b_2と符号化方式情報SEの照合を行ない、その照合結果とOS負荷算定信号S3bに基づいて、フィルタ処理制御指示信号S4b_2を生成する。

0167

図18に示すように、オーバーサンプリング器1200b_2は、オーバーサンプリング器1200b_1おいて、フィルタ処理器1230がタップ可変型フィルタ処理器1231に交換され、フィルタタップ係数アサイナ1221、共通フィルタタップ係数テーブル格納器1241、および固有フィルタタップ係数テーブル格納器1242が削除されている。

0168

タップ可変型フィルタ処理器1231は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B2からの指示(フィルタ処理制御指示信号S4b_2)に応じてフィルタ処理のタップ数を決定する。そして、タップ可変型フィルタ処理器1231は、帯域拡張化PCMデータSpeに対して、決定されたタップ数分だけのフィルタ処理によりエリアジングノイズの除去処理を施してPCMデータSoを生成する。

0169

以下に、本例においては、音響処理装置1000b_2におけるデコード処理器1100bのデコード情報解析器1110に、符号化方式「AC3」のオーディオビットストリームSSと、符号化方式「MP3」のオーディオビットストリームSSが、それぞれ入力された場合における音響処理動作について具体的に説明する。なお、いずれのオーディオビットストリームSSのサンプリング周波数は48kHzとする。

0170

なお、本例に係るデコード処理器1100bは、複数の符号化方式に対する復号化処理が可能である。少なくともフィルタ処理制御指示テーブルT1540b_2に記載されている、ドルビー社のドルビーディジタル符号化方式(AC3)、MPEG1オーディオ符号化方式Layer2、DVD−Video規格リニアPCM、DTS、MPEGオーディオ符号化方式Layer3(MP3)、およびCD−DAの6種類の符号化方式の復号化処理が可能である。

0171

本例に係るデコード処理器1100bに、「AC3方式」のオーディオビットストリームSSが入力されると、まずデコード情報解析器1110は入力されるオーディオビットストリームSSを解析し、オーディオビットストリームSSの符号化方式が「AC3」であることを示す情報を含むデコード情報を表すストリーム構成信号S1bを生成する。処理要求信号S1bは、符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2に出力される。なお、PCMデータ生成器1120は、デコード情報解析器1110により得られるデコード情報に基づいて、オーディオビットストリームSSに復号化処理を実施して、サンプリング周波数が48kHzであるPCMデータSpを生成する。

0172

符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2は、ストリーム構成信号S1bに基づいて、オーバーサンプリング処理に対する処理要求を検出し、OS負荷要求信号S2bを生成するとともに、符号化方式情報SEを抽出する。本例においては、抽出される処理要求は、符号化方式情報SEは「AC3」である。そして、符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2から、OS負荷要求信号S2bおよび符号化方式情報SEがそれぞれ、音声適応OS負荷情報算定器1503bおよびフィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2に出力される。音声適応OS負荷情報算定器1503bは、入力されるOS負荷要求信号S2bに基づいて、オーバーサンプリング処理の負荷量を算定してOS負荷算定信号S3bを出力する。一方、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2からは、符号化方式情報SE(AC3)に基づいて、フィルタタップ数FT(「a」)が出力される。

0173

フィルタ特性選択器1520b_2は、フィルタタップ数FTに基づいて、フィルタ処理制御指示信号S4b_2を生成し、オーバーサンプリング器1200b_2の内部のタップ可変型フィルタ処理器1231に出力する。

0174

PCMデータ生成器1120で生成されたサンプリング周波数48kHzのPCMデータSpはオーバーサンプリング器1200b_2へと送信され、第2の実施の形態におけるのと同様に、0データ挿入器1210において1サンプルごとに音量振幅が0である0データを挿入される。0データが挿入された帯域拡張化PCMデータSpeはPCMデータSpに比べて、サンプル数が2倍となるため、サンプリング周波数が96kHzとなる。

0175

タップ数可変型フィルタ処理器1231は、0データ挿入器1210より入力される帯域拡張化PCMデータSpeに対して、フィルタ処理制御指示信号S4b_2に基づいて、タップ数「a」のフィルタ処理を施す。つまり、タップ数可変型フィルタ処理器1231は、タップ数「a」の分だけのフィルタ処理積和演算を行い、エリアジングノイズの除去処理を施す。処理されたPCMデータSoのサンプリング周波数は、フィルタ処理前と同様96kHzである。この時点でオーバーサンプリング処理が完了する。

0176

以降は第1の実施の形態,および第2の実施の形態におけるのと同様であるので、説明は省略する。結果、サンプリング周波数96kHzの音響信号SAが装置外部へ出力される。

0177

次に、符号化方式がMP3であるオーディオビットストリームSSが入力される場合について説明する。MP3のオーディオビットストリームSSが入力されると、デコード情報解析器1110、およびPCMデータ生成器1120は、AC3のオーディオビットストリームSSが入力されたときと同様に、ビットストリームを解析し、デコード情報を抽出して、処理要求信号S1bを生成する。ただし、処理要求信号S1bの符号化方式情報が「MP3」であることを表す。

0178

そして、符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2は、「MP3」を表す符号化方式情報SEとOS負荷要求信号S2bを出力する。フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2からは、符号化方式情報SEに基づいて、フィルタタップ数FT(「e」)が出力される。

0179

フィルタ特性選択器1520b_2は、フィルタタップ数FTに基づいて、フィルタ処理制御指示信号S4b_2を生成し、オーバーサンプリング器1200b_2の内部のタップ可変型フィルタ処理器1231に出力する。

0180

以下、符号化方式情報がAC3の場合と同様に、タップ数可変型フィルタ処理器1231は、0データ挿入器1210より入力されるPCMデータに対して、内部のフィルタタップ係数を用いて、フィルタ処理制御指示信号S4b_2に基づいてフィルタ処理のタップ処理を決定する。タップ数可変型フィルタ処理器1231は、PCMデータに対して決定されたタップ数「d」の分だけのフィルタ処理積和演算を行い、エリアジングノイズの除去処理を施す。処理されたPCMデータのサンプリング周波数は処理前と同様96kHzである。この時点でオーバーサンプリング処理が完了する。

0181

本例に係る音声処理装置1000b_2においては、デコード処理器1100bから出力されるデコード情報(処理要求信号S1b)に基づいてオーバーサンプリング器1200_bのフィルタ処理を制御する負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_b2を設けることで、デコード処理器1100bで検出された復号化条件に応じて、オーバーサンプリング器1200b_2におけるフィルタ処理、エリアジング除去特性、およびフィルタ処理に係る演算量を適正に配分できる。

0182

言い換えれば、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_b2の符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2を設けることによって、デコード処理器1110bで処理されるオーディオビットストリームSSの符号化方式毎の帯域特性や演算処理量を検出することによって、オーバーサンプリング処理におけるエリアジング除去特性やフィルタ処理に係る演算量を制御できる。

0183

また、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2を設けることで、符号化方式情報に応じた最適なフィルタ処理条件の判別のための特別な処理を行うことなく、テーブルと照合することにより、簡単に選択できる。このため処理の簡素化が可能となる分、音響処理装置の規模や処理量を削減できる。

0184

さらにタップ数可変型フィルタ処理器1231を設けることで、フィルタ処理器におけるフィルタ処理は指定されたタップ数だけ行うことできる。具体的に少ないタップ数が指定された場合は、フィルタ処理器における演算処理量がその分削減される。例えば、復号化処理条件や同時に実行される機能処理に係る演算量が大きい場合に少ないタップ数を設定することで、演算処理量を削減できるので、その分処理量における最適化が可能となる。

0185

なお、さらに、タップ可変型フィルタ処理器1231を設けることにより、第20の音声処理装置の場合と同様、フィルタ処理は指定されたタップ数だけ行うこととなり、少ないタップ数が指定された場合においては、フィルタ処理における演算処理量がその分削減される。例えば、復号化処理条件や同時に実行される機能処理に係る演算量が大きい場合に少ないタップ数を設定する構成にすることで、演算処理量を削減できるので、そのオーバーサンプリング処理量おけるリソース配分が最適化できる。

0186

しかも、本例における音響処理装置1000b_2の構成においては、同一のフィルタタップ係数を用いて、タップ数のみを可変にできる。そのため、ハードウェア規模の制限等で多数のフィルタタップ係数を持つことが困難な場合に、同音響処理装置は、より効果的である。

0187

(第2の実施の形態の第2の変形例)
図19図20、および図21を参照して、第2の実施の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置の第2の変形例について説明する。本変形例に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置も、音響処理装置1000b_3に組み込まれて使用される。同音響処理装置1000b_3は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B1が負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B3に交換され、オーバーサンプリング器1200b_1がオーバーサンプリング器1200b_3に交換されている点を除けば、上述の第2の変形例に係る音響処理装置1000b_2と同様に構成されている。

0188

図19に示すように、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B3は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B2において、符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2がチャンネル構成/OS負荷情報検出器1501b_3に交換され、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_2がフィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_3に交換され、フィルタ特性選択器1520b_2はフィルタ特性選択器1520b_3に交換されている。なお、後ほど詳述するが、フィルタ特性選択器1520b_2は、フィルタ特性選択器1520b_3から出力されるチャンネル別フィルタ選択情報FCに基づいて、フィルタ処理制御指示信号S4b_3を出力する。

0189

図21に、オーバーサンプリング器1200b_3の構成を示す。オーバーサンプリング器1200b_3は、オーバーサンプリング器1200b_3は、オーバーサンプリング器1200b_2において、タップ可変型フィルタ処理器1231がフィルタ処理器1230に交換されている。本例におけるフィルタ処理器1230は、フィルタ選択スイッチ1232、高性能型フィルタ処理器1233、および簡易処理型フィルタ1234を含む。

0190

フィルタ選択スイッチ1232は、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B3(フィルタ特性選択器1520b_3)から入力されるフィルタ処理制御指示信号S4b_3に基づいて、0データ挿入器1210から入力される帯域拡張化PCMデータSpeを、高性能型フィルタ処理器1233および簡易処理型フィルタ処理器1234のいずれかを選択するスイッチであり、チャンネル毎に切り替え処理を行う。

0191

高性能型フィルタ処理器1233は、入力される帯域拡張化PCMデータSpeに対して、遮断特性や位相特性および通過帯域におけるリップル特性等を重視したフィルタ処理を施して、エリアジングノイズを除去する。本例においては、高性能型フィルタ処理器1233は、FIR型のフィルタ処理を行う。

0192

簡易処理型フィルタ処理器1234は、入力される帯域拡張化PCMデータSpeに対して、高性能型フィルタ処理器1233に比べて低演算処理を特徴するフィルタ処理を施して、エリアジングノイズを除去する。本例においては、簡易処理型フィルタ処理器1234は、IIR型のフィルタ処理を行う。

0193

一般に、FIRフィルタによる低域通過処理と、IIRフィルタによる低域通過処理とを比較すれば、同等の遮断特性を得るのにIIR型フィルタのほうが演算処理量は少ないが、周波数毎に移送特性が変化する傾向にある。よって、演算処理を減少させたい場合は、IIR型フィルタを用い、位相特性をはじめとする性能を重視する場合はFIR型フィルタを用いることが好ましい。

0194

図19に戻って、ストリーム構成信号S1bから符号化方式情報ではなく、チャンネル構成情報CHが検出される。そして、当該検出されたチャンネル構成情報に基づいて、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B3内部に設けられたフィルタ処理制御指示テーブルT1540b_3を用いて、フィルタ特性を指定するものでる。

0195

チャンネル構成/OS負荷情報検出器1501b_3は、基本的な機能は上述した符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2と同様である。ただし、チャンネル構成/OS負荷情報検出器1501b_3は、デコード情報を表すストリーム構成信号S1bに基づいて、符号化方式情報SEではなく、チャンネル構成情報CHを検出する。そのため、その内部機能や構成も、それに応じて符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2と異なる。検出されたチャンネル構成情報CHは、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_3に出力される。

0196

図20に、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_3に格納されている、フィルタ処理制御指示テーブルT1540b_3データテーブルの一例を示す。つまり、フィルタ処理制御指示テーブルT1540b_3には、オーディオビットストリームSSのチャンネル構成毎に適用するフィルタを選択指定する情報が記録されている。具体的には、フィルタ処理制御指示テーブルT1540bは、オーディオビットストリームSSのそれぞれのチャンネル構成における各チャンネルに対してオーバーサンプリング器1200b_3の高性能型フィルタ処理器である高性能型フィルタ処理器1233、あるいは簡易処理型フィルタ処理器である簡易処理型フィルタ1234のいずれかを選択するチャンネル別フィルタ選択情報FCとして指定する構成になっている。

0197

同図に示すように、フィルタ処理制御指示テーブルは、入力照合領域INと出力照合領域OUTに大別される。入力照合領域INには、チャンネル構成/OS負荷情報検出器1501b_3から入力されるチャンネル構成情報CHが表されている。一方、出力照合領域OUTにおいては、欄L,欄R、欄C,欄Ls(S)、および欄Rsは、それぞれ、フロント左チャンネルフロント右チャンネルセンターチャンネルリア左チャンネル、およびリア右チャンネルを表している。出力照合領域OUTには、各欄に対応した高性能型フィルタ処理器1233、あるいは簡易処理型フィルタ1234のいずれかを選択するチャンネル別フィルタ選択情報FCが表されている。なお、同図において、高性能型フィルタ処理器1233は「FIR」と、簡易処理型フィルタ1234は「IIR」と略記されている。例えば、チャンネル構成情報CHが2/2である場合、チャンネル別フィルタ選択情報FCとして、フロント左右チャンネル(L,R)はFIRフィルタが選択され、リア左右チャンネル(Ls(S),Rs)はIIRフィルタが選択される。

0198

フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_3は、フィルタ処理制御指示テーブルT1540b_3に基づいて、入力されるチャンネル構成情報CHに対して、チャンネル別フィルタ選択情報FCをフィルタ特性選択器1520b_3に出力する。フィルタ特性選択器1520b_3は、OS負荷算定信号S3bとチャンネル別フィルタ選択情報FCとに基づいてフィルタ処理制御指示信号S4b_3を生成する。フィルタ処理制御指示信号S4b_3は、オーバーサンプリング器1200b_3に出力される。

0199

以下に、先ず、チャンネル構成がフロント左チャンネル(L)およびフロント右チャンネル(R)で構成されるステレオ(2/0)である入力されるオーディオビットストリームSSが入力される場合の音響処理装置1000b_3における音響処理動作について説明する。次に、チャンネル構成がフロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、センターチャンネル(C)およびステレオリアチャンネル(Ls(S),Rs)で構成される5チャンネル(3/2)のオーディオビットストリームSSが入力される場合の音響処理装置1000b_3における音響処理動作について説明する。なお、いずれのオーディオビットストリームSSの符号化方式はAC3とし、サンプリング周波数も48kHzとする。

0200

先ず、ステレオ(2/0)のオーディオビットストリームSSが入力されると、デコード情報解析器1110は入力されるオーディオビットストリームSSを解析しデコード情報の抽出を行うと共に、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B3にチャンネル構成情報を処理要求信号S1bとして送信する。この場合、送信されるチャンネル構成情報は「2/0」である。なお、本例に係るデコード処理器1100bは、マルチチャンネルに対して復号化処理が可能であり、少なくともチャンネル数は1chから5chの復号化処理が可能である。

0201

また、対応可能なチャンネル構成は以下の7種類である。第1は、センター(C)のみであるモノラル(1/0)のチャンネル構成。第2は、フロント左チャンネル(L)およびフロント右チャンネル(R)で構成されるステレオ(2/0)のチャンネル構成。第3は、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)およびモノラルリアチャンネル(S)である(2/1)チャンネル構成。第4は、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)およびステレオリアチャンネル(Ls(S),Rs)であるの(2/2)チャンネル構成。第5は、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)およびセンターチャンネル(C)であるの(3/0)チャンネル構成。第6は、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、センターチャンネル(C)およびモノラルリアチャンネル(S)である(3/1)チャンネル構成。第7は、フロント左チャンネル(L)、フロント右チャンネル(R)、センターチャンネル(C)およびステレオリアチャンネル(Ls(S),Rs)である(3/2)チャンネル構成。

0202

PCMデータ生成器1120は、デコード情報解析器1110により得られるデコード情報に基づいて、オーディオビットストリームSSに対して復号化処理を実施し、サンプリング周波数48kHzのPCMデータSpを生成し、オーバーサンプリング器1200b_3へ出力する。

0203

負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B3において、チャンネル構成/OS負荷情報検出器1501b_3は、デコード情報解析器1110から入力されるストリーム構成信号S1bに基づいて、チャンネル構成情報CHを生成する。チャンネル構成情報CHは、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_3へ出力される。なお、現時点で、チャンネル構成情報CHは「2/0」を表している。

0204

フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_3は、チャンネル構成情報CHに基づいて、チャンネル別フィルタ選択情報FCを生成して、フィルタ特性選択器1520b_3に出力する。この時点でのチャンネル別フィルタ選択情報FCは、チャンネル構成情報CHが「2/0」であるので、フィルタ処理制御指示テーブルT1540b_3に基づいて、フロント左右チャンネル(L,R)のそれぞれに対して高性能型フィルタ処理器1233(FIR)を指定するものである。

0205

フィルタ特性選択器1520b_3は、OS負荷算定信号S3bとチャンネル別フィルタ選択情報FCとに基づいて、フィルタ選択スイッチ1232に対して、帯域拡張化PCMデータSpeを高性能型フィルタ処理器1233および簡易処理型フィルタ1234の内で、入力されるオーディオビットストリームSSのチャンネル毎に、チャンネル別フィルタ選択情報FCが指定する方に入力させるように駆動させるフィルタ処理制御指示信号S4b_3を生成する。

0206

オーバーサンプリング器1200b_3において、フィルタ処理器1230のフィルタ選択スイッチ1232は、フィルタ処理制御指示信号S4b_3に基づいて、0データ挿入器1210から入力される帯域拡張化PCMデータSpe(サンプリング周波数が96kHz)を、高性能型フィルタ処理器1233および簡易処理型フィルタ1234の何れかを選択して入力させる。この時点では、チャンネル構成情報CHは「2/0」を表しているので、チャンネル別フィルタ選択情報FCはフロント左右チャンネル(L,R)をともに高性能型フィルタ処理器1233に指定するものである。

0207

よって、フィルタ選択スイッチ1232は、オーディオビットストリームSSのフロント左右チャンネル(L,R)のそれぞれに対して、帯域拡張化PCMデータSpeを高性能型フィルタ処理器1233に入力させる。高性能型フィルタ処理器1233は、帯域拡張化PCMデータSpeに対して、FIRフィルタリングを施して、エリアジングノイズを除去した後に、PCMデータSoとして出力する。 以降は第2の実施の形態におけるのと同様であるので、説明を省略する。最終的に2チャンネル(2/0)の音響信号SAが装置外部へ出力される。

0208

次にチャンネル構成が4チャンネル(3/1)のオーディオビットストリームSSが入力されると、デコード情報解析器1110は入力されるオーディオビットストリームSSを解析し、デコード情報を抽出すると共に、OS負荷情報検出器1501bに対してチャンネル構成が4チャンネル(3/1)であることを表す処理要求信号S1bを出力する。

0209

チャンネル構成/OS負荷情報検出器1501b_3は、処理要求信号S1bに基づいて、「3/1」を表すチャンネル構成情報CHを生成して、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_3に出力する。フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540b_3は、「3/1」を表すチャンネル構成情報CHに基づいて、フロント左右チャンネル(L,R)に対して高性能型フィルタ処理器1233を指定し、またセンターチャンネル(C)およびリアチャンネル(S)に対して簡易処理型フィルタ処理器1234を指定する
チャンネル別フィルタ選択情報FCをフィルタ特性選択器1520b_3に出力する。

0210

フィルタ特性選択器1520b_3は、チャンネル別フィルタ選択情報FCに基づいて、フィルタ選択スイッチ1232に対して、帯域拡張化PCMデータSpeを高性能型フィルタ処理器1233および簡易処理型フィルタ1234の内で、入力されるオーディオビットストリームSSのチャンネル毎に、チャンネル別フィルタ選択情報FCが指定する方に入力させるように駆動させるフィルタ処理制御指示信号S4b_3を生成する。

0211

以下、チャンネル構成情報が「2/0」である場合と同様に、フィルタ処理器1230は、0データ挿入器1210で0データが挿入されたPCMデータに、フィルタ特性選択器1520b_3から入力されるチャンネル別フィルタ選択情報を表すフィルタ処理制御指示信号S4b_3に基づいて、チャンネル毎に高性能型フィルタ処理器1233および簡易処理型フィルタ処理器1234のいずれかを選択する。つまり、フィルタ処理器1230は、内部のフィルタ選択スイッチ1232を用いて選択されたフィルタ処理によりエリアジングノイズの除去処理を施す。

0212

つまり、帯域拡張化PCMデータSpeのフロント左チャンネル(L)およびフロント右チャンネル(R)に対しては高性能型フィルタ処理器1233が適用され、センターチャンネル(C)およびモノラルリアチャンネル(S)に対しては簡易処理型フィルタ1234が適用されて、エリアジングノイズが除去されてPCMデータSoが出力される。以降は、第2の実施の形態におけるのと同様の処理が行われて、最終的に音響信号SAとして96kHzの4チャンネル(3/1)のPCMデータが生成される。

0213

このように、本例に係る音声処理装置によれば、デコード処理器から出力されるデコード情報に基づいてオーバーサンプリング器におけるフィルタ処理を制御する負荷適応オーバーサンプリング制御器を設けることで、デコード処理器による復号化条件に応じて、オーバーサンプリング器におけるフィルタ処理を制御できる。また、オーバーサンプリング処理におけるエリアジング除去特性やフィルタ処理に係る演算量を制御できる。

0214

本例に係る音声処理装置においては、チャンネル構成/OS負荷情報検出器1501b_3を設けることで、復号化処理されるオーディオビットストリームSSのチャンネル構成に応じて、オーバーサンプリング処理におけるフィルタ処理に用いられるフィルタ特性を制御できる。例えば、復号化処理されるチャンネル数に応じてフィルタ処理に係る演算量を制御したり、復号化処理チャンネルの組み合わせによって、個々のチャンネル毎に対するフィルタ処理を変たりできる。

0215

さらに、テーブルフィタ処理制御指示テーブルT1540b_3を設けることで、チャンネル構成に応じた最適なフィルタ処理条件を、判別処理を行うことなく簡単に選択できる。そこため、処理の簡素化が可能となる分、音響処理装置の規模や処理量を削減できる。

0216

フィルタ選択スイッチ1232、高性能型フィルタ処理器1233、および簡易処理型フィルタ1234を設けることにより、チャンネル毎に高性能型フィルタ処理(FIR)および簡易処理型フィルタ処理(IIR)のいずれかの処理を選択できる。そのため、復号化処理条件や同時に実行される機能処理に係る演算量に応じて、フィルタ処理に係る処理量の配分を最適化できる。

0217

なお、本例においては、説明の便宜上、チャンネル構成情報を1/0から3/2までの7種類としたが、必要に応じてチャンネル構成の対応範囲を広げたり、限定したりすることもできることは言うまでもない。また、説明の便宜上、フィルタ処理器の内部に高性能型フィルタ処理器(FIRフィルタ)および簡易処理型フィルタ処理器(IIRフィルタ)のいずれかを選択して、フィルタ処理を行うものとしている。しかしながら、必ずしもフィルタ処理方法はFIRフィルタとIIRフィルタなどに限定する必要はなく、必要に応じて様々に構成できることはいうまでもない。さらにフィルタ処理器の内部に構成するフィルタ処理は本例のように2種類に限定する必要もなく、例えば3種類以上のフィルタから選択するようにしてもよい。

0218

(第3の実施の形態)
図22に、本発明の第3の実施の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置が組み込まれた音響処理装置を示す。本例においては、音響処理装置1000cは、図2に示した音響処理装置1000a_1において、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1が負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_Cに置き換えられている。さらに、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_Cは、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A1において、OS負荷情報検出器1501a_1がそれぞれ、OS負荷情報検出器1501cに置き換えられている。

0219

上述の音響処理装置1000a_1においては、システム設計者などにより入力ストリーム毎に適宜定められた音響処理装置全体に対するリソースの好ましい配分の情報を含んでいるシステム処理要求信号S1aが入力される。これに対して、本実施の形態においては、聴取者による再生音声に対する要求がユーザ処理要求S1cとして入力される。聴取者は、システム設計者と異なり、装置全体のリソース量の全体を把握することができず、その配分も適正に要求できない。しかしながら、再生音声の質に対する要求は聴取者に依存する。

0220

よって、本実施の形態においては、聴取者の再生音声に対する要求がリモコンキー操作を経て、処理要求S1cとして入力される。なお、このようなリモコンやキー操作によって、聴取者の再生音声に対する要求を音響処理装置1000cで処理可能なユーザ処理要求S1cに変換する技術は公知であるので説明を省く。また、ユーザ処理要求S1cは、再生音声に対する要求を表すデジタル情報であり、その値はリアルタイムに変化し得る。ただし、ユーザ処理要求S1cは、システム処理要求信号S1aと異なり、オーバーサンプリング処理を含む、音響処理装置1000の全体の処理を規定するものではない。

0221

(第4の実施の形態)
図23に、本発明の第4の実施の形態に係る負荷適応オーバーサンプリング制御装置が組み込まれた音響処理装置を示す。簡単に言えば、本実施の形態に係る音響処理装置1000ab_1は、図7に示した第1の実施の形態(第2の変形例)に係る音響処理装置1000a_3と、図16に示した第2の実施の形態(第1の変形例)に係る音響処理装置1000b_1の機能を同時に有するものである。

0222

そのために、音響処理装置1000ab_1は、デコード処理器1100b、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_AB1、1200ab、拡張帯域生成器1300ab、加算器1400、および付加機能処理装置1800を含む。デコード処理器1100bは、音響処理装置1000b_2におけるとの同一であり、18000は音響処理装置1000a_1におけるのと同一である。

0223

負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_ABは、基本的に負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_A3と負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_B2とを組み合わせて構成されている。つまり、負荷適応オーバーサンプリング制御装置OSC_AB1は、処理負荷検出ユニット1501ab、負荷算定ユニット1503ab、フィルタ特性選択器1520ab、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540ab、および拡張帯域制御器1550を含む。

0224

処理負荷検出ユニット1501abは、同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3とデコード情報検出器1501b_23を含む。同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3は、音響処理装置1000a_3におけるものと同一である。一方、処理負荷検出ユニット1501b_23は、デコード情報(処理要求信号S1b)のうち少なくともチャンネル構成情報CH、および符号化方式情報SEが検出する機能を有する。この意味において、デコード情報検出器1501b_23は、符号化方式/OS負荷情報検出器1501b_2とチャンネル構成/OS負荷情報検出器1501b_3が組み合わされて構成される。

0225

よって、同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3は、外部から入力されるシステム処理要求信号S1aに基づいて、同時処理機能情報SFとOS処理要求信号S2aを生成する。そして、デコード情報検出器1501b_23は、デコード情報解析器1110から入力される処理要求信号S1bに基づいて、符号化方式情報SEおよびチャンネル構成情報CHとOS負荷要求信号S2bを生成する。そして、生成された同時処理機能情報SF、符号化方式情報SE、およびチャンネル構成情報CHは、処理負荷検出ユニット1501abからフィルタ処理制御指示テーブル格納器1540abに入力される。

0226

負荷算定ユニット1503abは、OS負荷情報算定器1503aと音声適応OS負荷情報算定器1503bを含む。OS負荷情報算定器1503aおよび音声適応OS負荷情報算定器1503bは、それぞれ、音響処理装置1000a_3および音響処理装置1000b_2におけるものと同一である。よって、OS負荷情報算定器1503aには、処理負荷検出ユニット1501ab(同時処理機能/OS負荷情報検出器1501a_3)から、OS処理要求信号S2aが入力される。そして、音声適応OS負荷情報算定器1503bには、処理負荷検出ユニット1501ab(デコード情報検出器1501b_23)からOS負荷要求信号S2bが入力される。

0227

OS負荷情報算定器1503aは、OS処理要求信号S2aに基づいて、OS負荷算定信号S3aを生成し、音声適応OS負荷情報算定器1503bはOS負荷要求信号S2bに基づいて、OS負荷算定信号S3bを生成する。そして生成されたOS負荷算定信号S3aおよびOS負荷算定信号S3bは、負荷算定ユニット1503abからフィルタ特性選択器1520abに入力される。

0228

フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540abは、同時処理機能情報SF、符号化方式情報SE、およびチャンネル構成情報CHのそれぞれに基づいて、タップ数減算値TG1、TG2、およびTG3をフィルタ特性選択器1520abに入力する。

0229

図24図25、および図26は、それぞれフィルタ処理制御指示テーブル格納器1540abに格納されている、フィルタ処理制御指示テーブルT1540ab_1、フィルタ処理条件テーブルT1540ab_2、およびチャンネル別フィルタ選択テーブルT1540ab_3の一例を示す。フィルタ処理制御指示テーブルT1540ab_1は、図8に示したフィルタ処理制御指示テーブルT1540aに類似しており、入力照合領域INには、APF1、APF2、およびAPF3のそれぞれに対してON/OFFが記述されている。ただし、出力照合領域OUTには、フィルタ系列パラメータFKの代わりにタップ数減算値が記述されている。つまり、処理負荷検出ユニット1501abから入力される同時処理機能情報SFが入力照合領域INと照合されて、マッチするタップ数減値がタップ数減算値TG1として出力される

0230

フィルタ処理条件テーブルT1540ab_2は、図17に示したフィルタ処理制御指示テーブルT1540b_2と類似しており、入力照合領域INには符号化方式が記述されている。足さし出力照合領域OUTには、フィルタタップ数FTの代わりに、タップ数減算値が記述されている。つまり、処理負荷検出ユニット1501abから入力される符号化方式情報SEが入力照合領域INと照合されて、マッチするタップ数減値がタップ数減算値TG2として出力される。

0231

チャンネル別フィルタ選択テーブルT1540ab_3には、図20に示したフィルタ処理制御指示テーブルT1540b_3に類似しており、入力照合領域INにはチェンネル構成が記述されている。ただし、出力照合領域OUTにはチェンネル毎のフィルタの種別(FIR/IIR)の代わりに、タップ数減算値が記述されている。つまり、処理負荷検出ユニット1501abから入力されるチャンネル構成情報CHが入力照合領域INと照合されて、マッチするタップ数減値がタップ数減算値TG3として出力される。

0232

このように、フィルタ処理制御指示テーブル格納器1540abは、処理負荷検出ユニット1501abから入力される同時処理機能情報SF、符号化方式情報SE、およびチャンネル構成情報CHのそれぞれに対して、フィルタ処理制御指示テーブルT1540ab_1、フィルタ処理条件テーブルT1540ab_2、およびチャンネル別フィルタ選択テーブルT1540ab_3が適用される。結果として、同時処理機能情報SF、符号化方式情報SE、およびチャンネル構成情報CHのそれぞれに対して、タップ数減算値TG1、TG2、およびTG3がそれぞれ決定されて、フィルタ特性選択器1520abに入力される。

0233

フィルタ特性選択器1520abは、入力されるタップ数減算値TG1、TG2、およびTG3に基づいて、フィルタ処理におけるタップ数減算値TGを算出する。具体的には、フィルタ処理におけるタップ数TapNは、次式(1)によって与えられる。なお、TapNmaxは最大タップ数を表している。
TapN=TapNmax−TG1−TG2−TG3・・・・(1)
フィルタ特性選択器1520abは、タップ数TapNを表すタップ数指定信号S4abを生成し、オーバーサンプリング器1200b_2と拡張帯域制御器1550に出力する。オーバーサンプリング器1200b_2のオーバーサンプリング処理動作については、既に図18を参照して説明した通りである。

0234

図27を参照して、拡張帯域制御器1550と拡張帯域生成器1300abについて説明する。拡張帯域制御器1550は、拡張帯域制御テーブルT1551を含む。また、拡張帯域生成器1300abは、拡張帯域コア生成器1310および拡張帯域ゲイン制御器1320を含む。

0235

図28に、拡張帯域制御テーブルT1551に記録されているフィルタタップ数TapNに対する拡張帯域ゲイン係数GKの一例を示す。拡張帯域制御テーブルT1551は、フィルタタップ数TapNが記述された入力照合領域INとフィルタタップ数TapNのそれぞれの値に対する拡張帯域ゲイン係数が記述された出力照合領域OUTを含む。つまり、拡張帯域制御テーブルT1551においては、フィルタ特性選択器1520abから入力されるフィルタ指定信号S4ab(フィルタタップ数TapN)が入力照合領域INと照合されて、マッチする拡張帯域ゲイン係数が拡張帯域ゲイン係数GKとして、拡張帯域生成器1300abに出力される。

0236

図27に戻って、拡張帯域生成器1300abにおいて、拡張帯域コア生成器1310は、オーバーサンプリング器1200b_2から出力されたCMデータSoに基づいて、帯域拡張成分ZEを生成する。拡張帯域ゲイン制御器1320は、帯域拡張成分ZEに対して、拡張帯域制御器1550から出力された拡張帯域ゲイン係数GKが指定する拡張帯域ゲイン係数GKを乗算して、帯域拡張成分ZEのゲインを調整して、帯域拡張成分ZEab_1として出力する。

0237

以下に、オーバーサンプリング器1200b_2で行われるフィルタタップ数の決定方法について、具体的に説明する。本例においては、オーバーサンプリング器1200b_2の内部のタップ可変型フィルタ処理器1231のフィルタタップ数は160タップとする。また、システム設計者によって設定される同時処理機能情報SFは「OFF、ON、OFF」とする。さらに、復号化されるオーディオビットストリームSSの符号化方式情報SEはAC3であり、チャンネル構成情報CHは5チャンネル(3/2)とする。

0238

同時処理機能情報SFは「OFF、ON、OFF」であるので、タップ数減算値TG1は「5」となる。同様にして、符号化方式情報SEはAC3であるので、タップ数減算値TG2は「10」となる。チャンネル構成情報CHは5チャンネル(3/2)であるので、フロント左右チャンネルに対するタップ数減算値TG3は「15」となり、センターチャンネルおよびリア左右チャンネルに対するタップ数減算値TG3は「20」となる。

0239

チャンネル毎のタップ数は、上述の(1)式に基づいて、次式(2)、(3)、(4)、(5)、および(6)式に示すように求められる。ここでTapN(L)、TapN(R)、TapN(C)、TapN(Ls)、およびTapN(Rs)は、それぞれチャンネル毎のタップ数を示す。
TapN(L) =160−5—10−15=130 ・・・・(2)
TapN(R) =160−5—10−15=130 ・・・・(3)
TapN(C) =160−5—10−20=125 ・・・・(4)
TapN(Ls)=160−5—10−20=125 ・・・・(5)
TapN(Rs)=160−5—10−20=125 ・・・・(6)

0240

上述のように求められたチャンネル毎のフィルタタップ数に対する、拡張帯域生成器1300abおける拡張帯域ゲイン係数GKは以下の通りである。つまり、フロント左右(L,R)チャンネルに対する拡張帯域ゲイン係数GKは「−9dB」となり、センター(C)チャンネル、およびリア左右(Ls(S),Rs)チャンネルに対する拡張帯域ゲイン係数GKは、「−12dB」となる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ