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図面 (4)

課題

配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる新規多孔性配位高分子、および該多孔性配位高分子からなる触媒作用の高い触媒を提供することを目的とする。

解決手段

アミド基を有する三座以上の配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる多孔性配位高分子、および該多孔性配位高分子からなる触媒である。

概要

背景

多孔性物質は、従来無機材料炭素材料を中心に、多孔性構造による機能の発現の研究とその応用が精力的に進められてきた。多孔性物質の代表であるゼオライト活性炭は、ガス液体吸着、分離、および石油接触分解などに見られる不均一触媒から、イオン交換にわたる広い範囲で実用化されてきた。このような多孔性物質の持つチャンネル空間の形状やサイズ、あるいは物理的、化学的環境分子レベルで設計し、ナノからマクロバルク)構造を合理的に構築することができれば、これまでになかった新しい機能を持つ多孔性物質の創製が可能となり、「機能性物質」の分野に大きく貢献するものと期待できる。しかしながら、ゼオライト骨格は、安定な多孔子骨格を持つという利点があるが、ミクロ孔空隙率限界があること、ミクロサイズ化学的装飾が容易でないことなどの問題が挙げられる。

一方、ポリエチレンに代表されるような共有結合で構築された有機高分子材料は安定な高分子構造を形成し得る。しかしながら、その分子レベルでの構造体の制御が極めて困難で、均一な骨格の形成には適さないなどの問題が挙げられる。

近年、高活性で、かつ特異的な機能を発現し得る多孔性物質として、配位子および金属イオンからなり、配位子と金属イオンが交互に配位結合されてなる多孔性配位高分子が注目を集めている(非特許文献1)。多孔性配位高分子は、有機高分子材料と比較して、多様で強固な三次元構造を与えることができる。また、多孔性配位高分子からなる不均一触媒において、ゲスト分子はミクロ孔内の内壁相互作用し、分子が変形、または分解するときに化学反応が生じることになる。しかしながら、これまでに知られている多孔性配位高分子では、ゲスト分子を充分にトラップすることができないので、充分な触媒作用を有していないのが現状である。

平尾俊一、原田明著「超分子未来」、(株)化学人出版、2000年6月30日、p.107—121

概要

配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる新規な多孔性配位高分子、および該多孔性配位高分子からなる触媒作用の高い触媒を提供することを目的とする。アミド基を有する三座以上の配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる多孔性配位高分子、および該多孔性配位高分子からなる触媒である。なし

目的

本発明は、配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる新規な多孔性配位高分子、および該多孔性配位高分子からなる触媒作用の高い触媒を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

アミド基を有する三座以上の配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる多孔性配位高分子

請求項2

多座配位子が1,3,5−ベンゼントリカルボキシトリス[N−(4−ピリジルアミド]である請求項1記載の多孔性配位高分子。

請求項3

金属イオンが遷移金属イオンである請求項1または2記載の多孔性配位高分子。

請求項4

金属イオンが亜鉛イオンカドミウムイオン銀イオン銅イオンまたはコバルトイオンのいずれかである請求項1または2記載の多孔性配位高分子。

請求項5

請求項1、2または3記載の多孔性配位高分子からなる触媒

請求項6

クネベナーゲル反応アルドール反応またはマイケル付加反応に用いられる請求項5記載の触媒。

技術分野

0001

本発明は、多孔性配位高分子およびそれからなる触媒に関し、さらに詳しくはクネベナーゲル反応アルドール反応またはマイケル付加反応などに使用する不均一塩基性触媒に関する。

背景技術

0002

多孔性物質は、従来無機材料炭素材料を中心に、多孔性構造による機能の発現の研究とその応用が精力的に進められてきた。多孔性物質の代表であるゼオライト活性炭は、ガス液体吸着、分離、および石油接触分解などに見られる不均一触媒から、イオン交換にわたる広い範囲で実用化されてきた。このような多孔性物質の持つチャンネル空間の形状やサイズ、あるいは物理的、化学的環境分子レベルで設計し、ナノからマクロバルク)構造を合理的に構築することができれば、これまでになかった新しい機能を持つ多孔性物質の創製が可能となり、「機能性物質」の分野に大きく貢献するものと期待できる。しかしながら、ゼオライト骨格は、安定な多孔子骨格を持つという利点があるが、ミクロ孔空隙率限界があること、ミクロサイズ化学的装飾が容易でないことなどの問題が挙げられる。

0003

一方、ポリエチレンに代表されるような共有結合で構築された有機高分子材料は安定な高分子構造を形成し得る。しかしながら、その分子レベルでの構造体の制御が極めて困難で、均一な骨格の形成には適さないなどの問題が挙げられる。

0004

近年、高活性で、かつ特異的な機能を発現し得る多孔性物質として、配位子および金属イオンからなり、配位子と金属イオンが交互に配位結合されてなる多孔性配位高分子が注目を集めている(非特許文献1)。多孔性配位高分子は、有機高分子材料と比較して、多様で強固な三次元構造を与えることができる。また、多孔性配位高分子からなる不均一触媒において、ゲスト分子はミクロ孔内の内壁相互作用し、分子が変形、または分解するときに化学反応が生じることになる。しかしながら、これまでに知られている多孔性配位高分子では、ゲスト分子を充分にトラップすることができないので、充分な触媒作用を有していないのが現状である。

0005

平尾俊一、原田明著「超分子未来」、(株)化学人出版、2000年6月30日、p.107—121

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる新規な多孔性配位高分子、および該多孔性配位高分子からなる触媒作用の高い触媒を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、アミド基を有する三座以上の配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる多孔性配位高分子に関する。

0008

多座配位子次式で表される化合物であることが好ましい。

0009

金属イオンが遷移金属イオンであることが好ましい。

0010

金属イオンが亜鉛イオンカドミウムイオン銀イオン銅イオンまたはコバルトイオンのいずれかであることが好ましい。

0011

また、本願発明は多孔性配位高分子からなる触媒にも関し、クネベナーゲル反応、アルドール反応またはマイケル付加反応に用いられることが好ましい。

発明の効果

0012

本発明では、アミド基を有する三座以上の配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる新規な多孔性配位高分子を用いることによって、触媒作用の高い触媒を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明の多孔性配位高分子は、アミド基を有する三座以上の配位子および金属イオンからなり、該配位子と該金属イオンが交互に配位結合されてなる高分子化合物である。多孔性配位高分子とは、有機物である配位子と無機物である金属イオンが自己集合的に組みあがっており、温度やゲスト吸脱着などの外部刺激により細孔や骨格構造が変化する。本発明の多孔性配位高分子では、配位子にアミド基を有しており、このアミド基が水素結合による選択的ホスト−ゲスト間相互作用の場、さらには新たなゲスト反応場を提供する。

0014

細孔の面積は、30〜300Å2が好ましく、50〜200Å2がより好ましい。

0015

配位子としては、三座以上であって、分子内にアミド基を有していれば特に限定されない。なかでも、触媒作用が高いという点から、下記式Iで表される1,3,5−ベンゼントリカルボキシトリス[N−(4−ピリジルアミド](4−btapa)が好ましい。

0016

0017

金属イオンとしては、遷移金属イオンおよび典型金属イオンがあげられるが、遷移金属イオンが好ましい。

0018

金属イオンとしては、亜鉛イオン、カドミウムイオン、銀イオン、銅イオン、コバルトイオンなどが好ましい。

0019

本発明の多孔性配位高分子は、たとえば金属イオンと配位子をジメチルホルムアミドなどの極性溶媒中で混合することにより調製することができる。

0020

また、本発明は、前記多孔性配位高分子からなる触媒に関する。

0021

前記多孔性配位高分子にはアミド結合を有するので、水素結合による選択的ホスト−ゲスト間相互作用の場を提供することができ、この反応場が触媒効果を発現させ、配位子のみの塩基性条件下よりも高い触媒作用を示すことになる。触媒として利用する場合、多孔性配位高分子は結晶性であることが好ましい。結晶化度は50%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。

0022

本発明の触媒は、固体であるので、反応後に分離・再利用が可能な不均一固体触媒として利用できる。また、不均一触媒には、圧倒的多数の酸性触媒塩基性触媒が存在するが、本発明の触媒は希少の塩基性触媒として機能する。

0023

本発明の触媒は、とくに石油精製ファインケミカルなどの分野における触媒として利用することができる。これらの中でも、本発明の触媒は塩基性触媒なので、クネベナーゲル反応、アルドール反応またはマイケル付加反応などの塩基性条件が必要とされる有機反応にとくに有用である。

0024

以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0025

試薬として、4−アミノピリジンおよび1,3,5−ベンゼントリカルボン酸クロリド(東京化成工業(株)製)、硝酸亜鉛四水和物および硝酸カドミウム四水和物(和光純薬(株)製)を精製せずにそのまま用いた。クネベナーゲル縮合反応のためのベンズアルデヒドマロノニトリルおよびシアノ酢酸エチル(和光純薬(株)製)を精製せずにそのまま用いた。

0026

製造例1
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス〔N−(4−ピリジルアミド)〕(4‐btapa)の合成
4−アミノピリジン(17.0g、180mmol)および蒸留トリエチルアミン(27ml、194mmol)を含んだ蒸留THF(200ml)を1,3,5−ベンゼントリカルボン酸クロリド(16.1g、60.0mmol)を含んだ蒸留THF(60ml)に、0℃で氷冷しながら加え、さらに蒸留トリエチルアミン(9ml、65mmol)を加えた。7時間攪拌した後、ろ過して得た沈殿物をTHFで洗浄し、次の手順で再結晶した。沈殿DMSO(ジメチルスルホキシド)(700ml)に溶かした後、H2O(1500ml)を加えて1時間攪拌した。ろ過して得られた沈殿物を水で洗浄し、アセトン(1000ml)に加え、1日攪拌した。白黄色粉末がろ過して得られ、35時間室温で真空乾燥した。収量21.4g、収率81%であった。分析結果を以下に示す。

0027

1H NMR(500MHz,DMSO-d6): δ = 10.95 (s,3H, -NH), 8.75 (s, 3H, -H2,4,6-ph), 8.52 (d, 6H, JH-H = 5.0 Hz, H3,5-py), 7.82 (d, 6H, JH-H= 5.0 Hz, H2,6-py).FAB-MS (m/z): calcd for C24H18N6O3: 438.14 ; found: 438.
Elemental analysis calcd (%) for C24H18N6O3 (438.5): C, 65.75; H, 4.14; N, 19.17.
Found: C, 64.84; H, 4.05; N, 18.81.

0028

実施例1
{[Zn(NO3)2(4−btapa)].2DMF.MeCN.H2O}n(1)、(1a)および(1b)の調製
アセトニトリル/DMF(0.75ml/0.75ml)混合溶液を4−btapa(30mmol/l)含んだDMF(1.5ml)溶液層注意深く加えた。次に、硝酸亜鉛四水和物(20mmol/l)を含んだアセトニトリル(1.5ml)溶液をさらに加えた。無色透明結晶(1)が1週間以内に生成し始めた。そのうちの結晶の一つを単結晶X線構造解析測定に用いた。その結果、この配位高分子はBrick-wall型の二次元構造堆積した構造をとることがわかった。結晶構造図1に示す。

0029

粉末化合物について、次の手順で調製した。硝酸亜鉛四水和物(60mmol/l)を含んだDMF(30ml)を4−btapa(90mmol/l)を含んだDMF(20ml)溶液に加えた。アセトニトリル(20ml)を混合溶液に加えて、6時間攪拌した。ろ過して、結晶性の白色粉末(1)(2.28g)が得られた。無定形状態の白色粉末(1a)を室温で1日真空乾燥することで得られた。この配位高分子は図2のように細孔中のDMFと水素結合を形成していることが確認できた。

0030

結晶性の化合物(1b)をアセトニトリル溶液(1a)に数滴加えることで得た。これらの化合物についての結晶性に関しては、粉末X線回折測定を行なった。粉末X線回折測定の結果を図3に示す。(a)は多孔性配位高分子、(b)は423Kで真空乾燥したもの、(c)はエタノールを加えたものの回折パターンである

0031

実施例2
{[Cd2(4−btapa)4].4NO3.9H2O.4DMF}n(2)および(2a)の調製
アセトニトリル/DMF(0.75ml/0.75ml)混合溶液を4−btapa(30mmol/l)含んだDMF(1.5ml)溶液層の上に注意深く加えた。それから、硝酸カドミウム四水和物(20mmol/l)を含んだアセトニトリル(1.5ml)をさらに加えた。無色透明の結晶が2、3日の間に生成し始めた。そのうちの一つを単結晶X線構造解析測定に用いた。溶液のいくつかと、NO3が単結晶X線構造解析では確認できなかったが、それらは、IR、EA、1H NMR及びTG.で確認した。粉末化合物に関しては、次の手順で調製した。

0032

硝酸カドミウム四水和物(60mmol/l)を含んだDMF(50ml)溶液を4−btapa(90mmol/l)を含んだDMF(50ml)に加えた。その混合溶液を3.5時間攪拌した。ろ過して得た沈殿をDMFで洗浄した。結晶性の白黄色の粉末(2)(2.86g)を室温で1日真空乾燥することで得た。

0033

Elemental analysis calcd (%) for C24H18N6O3 (438.5): C, 65.75; H, 4.14; N,
19.17. Found: C, 64.84; H, 4.05; N, 18.81. IR (KBrpellet):

0034

実施例3
ナベナーゲル縮合反応に対する不均一塩基触媒反応
ベンズアルデヒド(0.21ml、2.1mmol)およびマロノニトリル(0.132g、2.0mmol)を脱水ベンゼン10.0ml中で、5分室温で攪拌し、それから、(2)(0.20g)を加え、懸濁液を12時間攪拌した。反応については、1HNMR測定によりモニターした。さらに、もう少し大きなサイズの反応気質であるシアノ酢酸エチル(pKa=3.2)(12)を、マロノニトリル(pKa=11.2)13の代わりに用いて、ベンズアルデヒドとシアノ酢酸エチルの反応を同条件で行った。ベンズアルデヒドとマロノニトリルの反応において、同様の反応を(2a)(0.20g)、4−btapa配位子(0.13g、0.30mmol)およびピリジン(0.072ml、0.90mmol)を用いて、比較としてそれぞれ行った。クネベナーゲル反応における経時時間による転化率プロットしたグラフ図4に示す。4−btapa配位子のみを触媒として用いたところ、反応に対して不活性であった。一方、4−btapa配位子に配位金属を結合させた配位高分子はクネベナーゲル反応に対して活性がみられた。

図面の簡単な説明

0035

実施例1で作製した多孔性配位高分子の二次元平面が積層した結晶構造を示す図である。
実施例1で作製した多孔性配位高分子の細孔中のDMFとアミド結合とが水素結合を形成した結晶構造である。
X線回折パターンを示す図であり、(a)は実施例2で作製した多孔性配位高分子、(b)は423Kで真空乾燥したもの、(c)はエタノールを加えたものの回折パターンである。
実施例3に示すクネベナーゲル反応における経時時間(hr)による転化率(%)をプロットしたグラフである。

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