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技術 核燃料ペレットの製造方法

出願人 株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン
発明者 梁井康市鈴木隆蓮池充
出願日 2005年2月28日 (15年9ヶ月経過) 出願番号 2005-053387
公開日 2006年9月7日 (14年3ヶ月経過) 公開番号 2006-234753
状態 特許登録済
技術分野 原子炉燃料及び部品の製造
主要キーワード 最適化曲線 最高温度領域 焼きしまり ペレット密度 到達密度 参照条件 焼結ペレット 本願記載
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図面 (6)

課題

BET比表面積が2.0m2/g以下といった低活性核分裂性物質を含む酸化物粉末を用いた場合でも、密度が高く熱的安定性が良好な核燃料ペレットを安定して製造できる核燃料ペレットの製造方法を提供する。

解決手段

BET比表面積が1.0m2/gから2.0m2/gの範囲内であり核分裂性物質を含む酸化物粉末を、圧縮成形した後に焼結して核燃料ペレットを製造する方法において、{600×(酸化物粉末のBET比表面積(m2/g))-0.7±100}MPaの範囲内の圧力下で成形し、温度が1700〜1800℃、且つ酸素ポテンシャルが-380kJ/mol以上の雰囲気下で焼結する。

概要

背景

現行核燃料ペレットは、核分裂性物質を含む酸化物粉末圧縮成形し、これを還元性雰囲気中焼結することにより製造されている。この核燃料ペレットの製造に用いられる酸化物粉末は、ADU(Ammonium Di Uranate)法、IDR(Integrated Dry Route)法等さまざまな方法で製造されており、製品粉末の特性、特に単位重量当たり表面積BET比表面積)は約1m2/gから約10m2/gまでさまざまであるが、核燃料ペレットの特性はこの酸化物粉末の特性に大きく依存する。すなわち、拡散現象である焼結が表面エネルギーを低減する過程であることを考慮すると、焼結の駆動力粉末の表面エネルギーであり、表面エネルギーが小さい酸化物粉末、言い換えればBET比表面積が小さな酸化物粉末は焼結の駆動力が小さく、焼結ペレット高密度化が難しいと言える。

これまで核燃料ペレットの製造における成形方法としては、焼結特性の異なる粉末同士を混合して成形する方法(例えば、特許文献1参照)、潤滑材選定混合方法に関する方法(例えば、特許文献2参照)、ダイスへの充填方法(例えば、特許文献3参照)、造粒方法に関する方法(例えば、特許文献4参照)等が提案されているが、いずれもペレット健全性改良や微細組織の改良を目的した方法であり、ペレット高密度化に有効な方法ではない。

焼結条件を改良する方法としては、焼結雰囲気として不活性雰囲気を用いる方法(例えば、特許文献5参照)が提案されているが、不活性雰囲気では微量酸素に対して敏感に変化する酸素ポテンシャルを制御しにくくペレット特性に変動が生じやすいので大量生産に適した方法ではない。またSiO2を添加した粉末の焼結時のSiO蒸発を抑制することを目的として焼結雰囲気として用いる水素ガスの濃度を制限する方法(例えば、特許文献6参照)も提案されているが、ペレットの高密度化を目的とした酸素ポテンシャルの増加のためには水素濃度の制御だけでは不十分である。また、ガス熱伝達率が良好な水素ガスの濃度を低くすると焼結炉内の熱伝達性が変化するので焼結炉冷却のための新たな設備投資が必要となる。添加物を用いる方法では、結晶粒径等の微細組織を制御する方法(例えば、特許文献6及び特許文献7参照)がある。これらの方法では核分裂性物質を含む酸化物と添加物との共晶反応を利用することができ焼結速度加速させる効果があるので焼結時間の短縮には有効である。しかしこのような液相焼結を利用した方法では焼結途中過程で閉気孔が生成しやすくペレットの最終到達密度が低下してしまう。酸化物粉末の処理方法に関しては、Gd2O3添加ペレットを製造する場合にGd2O3粉末の混合工程にハンマーミルを用いて粉砕混合する技術(例えば、特許文献8参照)が提案されているが、核分裂性物質を含む酸化物粉末とGd2O3粉末との混合性の改善には有効であるが、原料粉末一次粒子径を小さくする効果はほとんどなく、粉砕処理単独でのペレット密度増加効果は小さいと考えられる。

特開平6−194480号公報
特開平8−248164号公報
特開平10−221475号公報
特開2001−124883号公報
特開平5−100068号公報
特開平6−281774号公報
特開平5−27069号公報
特開平9−15365号公報

概要

BET比表面積が2.0m2/g以下といった低活性の核分裂性物質を含む酸化物粉末を用いた場合でも、密度が高く熱的安定性が良好な核燃料ペレットを安定して製造できる核燃料ペレットの製造方法を提供する。BET比表面積が1.0m2/gから2.0m2/gの範囲内であり核分裂性物質を含む酸化物粉末を、圧縮成形した後に焼結して核燃料ペレットを製造する方法において、{600×(酸化物粉末のBET比表面積(m2/g))-0.7±100}MPaの範囲内の圧力下で成形し、温度が1700〜1800℃、且つ酸素ポテンシャルが-380kJ/mol以上の雰囲気下で焼結する。

目的

本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、BET比表面積が2.0m2/g以下といった低活性の核分裂性物質を含む酸化物粉末を用いた場合でも、密度が高く熱的安定性が良好な核燃料ペレットを安定して製造できる核燃料ペレットの製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

BET比表面積が1.0m2/gから2.0m2/gの範囲内であり核分裂性物質を含む酸化物粉末を、圧縮成形した後に焼結して核燃料ペレットを製造する方法において、{600×(酸化物粉末のBET比表面積(m2/g))-0.7±100}MPaの範囲内の圧力下で成形し、温度が1700〜1800℃、且つ酸素ポテンシャルが-380kJ/mol以上の雰囲気下で焼結することを特徴とする核燃料ペレットの製造方法。

請求項2

BET比表面積が1.0m2/gから2.0m2/gの範囲内であり核分裂性物質を含む酸化物粉末とガドリニウム酸化物粉末との混合粉末を、圧縮成形した後に焼結して核燃料ペレットを製造する方法において、{600×(酸化物粉末のBET比表面積(m2/g))-0.7±100}MPaの範囲内の圧力下で成形し、昇温工程では酸素ポテンシャルが-400kJ/mol以下、最高温度到達以降の工程では酸素ポテンシャルが-350kJ/mol以上且つ-160kJ/mol以下の雰囲気下で焼結することを特徴とする核燃料ペレットの製造方法。

請求項3

請求項1又は2記載の核燃料ペレットの製造方法において、前記核分裂性物質を含む酸化物粉末は、ウラン酸化物及びプルトニウム酸化物のうち少なくともどちらかを含むことを特徴とする核燃料ペレットの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、原子炉燃料に使用する核燃料ペレットの製造方法に関し、特に低活性核分裂性物質を含む酸化物粉末を利用して高密度の核燃料ペレットを製造する方法に関する。

背景技術

0002

現行の核燃料ペレットは、核分裂性物質を含む酸化物粉末を圧縮成形し、これを還元性雰囲気中焼結することにより製造されている。この核燃料ペレットの製造に用いられる酸化物粉末は、ADU(Ammonium Di Uranate)法、IDR(Integrated Dry Route)法等さまざまな方法で製造されており、製品粉末の特性、特に単位重量当たり表面積BET比表面積)は約1m2/gから約10m2/gまでさまざまであるが、核燃料ペレットの特性はこの酸化物粉末の特性に大きく依存する。すなわち、拡散現象である焼結が表面エネルギーを低減する過程であることを考慮すると、焼結の駆動力粉末の表面エネルギーであり、表面エネルギーが小さい酸化物粉末、言い換えればBET比表面積が小さな酸化物粉末は焼結の駆動力が小さく、焼結ペレット高密度化が難しいと言える。

0003

これまで核燃料ペレットの製造における成形方法としては、焼結特性の異なる粉末同士を混合して成形する方法(例えば、特許文献1参照)、潤滑材選定混合方法に関する方法(例えば、特許文献2参照)、ダイスへの充填方法(例えば、特許文献3参照)、造粒方法に関する方法(例えば、特許文献4参照)等が提案されているが、いずれもペレット健全性改良や微細組織の改良を目的した方法であり、ペレット高密度化に有効な方法ではない。

0004

焼結条件を改良する方法としては、焼結雰囲気として不活性雰囲気を用いる方法(例えば、特許文献5参照)が提案されているが、不活性雰囲気では微量酸素に対して敏感に変化する酸素ポテンシャルを制御しにくくペレット特性に変動が生じやすいので大量生産に適した方法ではない。またSiO2を添加した粉末の焼結時のSiO蒸発を抑制することを目的として焼結雰囲気として用いる水素ガスの濃度を制限する方法(例えば、特許文献6参照)も提案されているが、ペレットの高密度化を目的とした酸素ポテンシャルの増加のためには水素濃度の制御だけでは不十分である。また、ガス熱伝達率が良好な水素ガスの濃度を低くすると焼結炉内の熱伝達性が変化するので焼結炉冷却のための新たな設備投資が必要となる。添加物を用いる方法では、結晶粒径等の微細組織を制御する方法(例えば、特許文献6及び特許文献7参照)がある。これらの方法では核分裂性物質を含む酸化物と添加物との共晶反応を利用することができ焼結速度加速させる効果があるので焼結時間の短縮には有効である。しかしこのような液相焼結を利用した方法では焼結途中過程で閉気孔が生成しやすくペレットの最終到達密度が低下してしまう。酸化物粉末の処理方法に関しては、Gd2O3添加ペレットを製造する場合にGd2O3粉末の混合工程にハンマーミルを用いて粉砕混合する技術(例えば、特許文献8参照)が提案されているが、核分裂性物質を含む酸化物粉末とGd2O3粉末との混合性の改善には有効であるが、原料粉末一次粒子径を小さくする効果はほとんどなく、粉砕処理単独でのペレット密度増加効果は小さいと考えられる。

0005

特開平6−194480号公報
特開平8−248164号公報
特開平10−221475号公報
特開2001−124883号公報
特開平5−100068号公報
特開平6−281774号公報
特開平5−27069号公報
特開平9−15365号公報

発明が解決しようとする課題

0006

以上述べたように、上記従来の技術ではペレットの高密度化、及びペレット特性の安定化の観点において十分でない。

0007

本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、BET比表面積が2.0m2/g以下といった低活性の核分裂性物質を含む酸化物粉末を用いた場合でも、密度が高く熱的安定性が良好な核燃料ペレットを安定して製造できる核燃料ペレットの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、BET比表面積が低い粉末をBET比表面積が高い粉末と比較してより高圧下で成形することにより、成形体内の平均一次粒子間距離を短くし焼結時の粒子ネッキング成長しやすい状態とし、焼結雰囲気を酸化性雰囲気とすることにより焼結中の陽イオン拡散速度を促進させ、結果として焼結過程でのペレット収縮速度を増加させ、従来と同等の焼結時間内にペレットの最終到達密度を増大させる方法に関する。以下に本発明の内容を具体的に記述する。

0009

(1)一般にBET比表面積が小さな粉末は圧縮成形後の強度が弱く、取り扱い時の成形体の健全性確保の目的で高圧成形されている。しかし、BET比表面積が2.0m2/g以下になると、成形体強度の観点だけで成形圧力を決定するのは不十分である。高密度の焼結ペレットを得るためには次式にて算出される成形圧力が適切であることが発明者らにより確認されている。

0010

P(MPa) = 600×BET(m2/g)-0.7 BET:1m2/g〜10m2/g
ここで、Pは成形圧力、BETは酸化物粉末のBET比表面積である。成形の次工程である焼結では、酸化物の化学量論組成を保持するために還元性雰囲気が用いられているが、酸化物中にGd2O3が添加されない場合には焼結雰囲気中の酸素ポテンシャルの増加とともに焼結ペレットの密度が増加することがわかっている。BET比表面積が2.0m2/g以下の低活性粉末を用いた場合には、焼結雰囲気の酸素ポテンシャルを少なくとも-380kJ/mol以上に設定すると、理論密度に対する相対密度で96%(以下、%TDと記述)以上の高密度ペレットが得られる。なお、本願記載のすべての酸素ポテンシャルは、水素水蒸気混合ガスを用いた場合に1750℃において得られる酸素ポテンシャルに換算した値である。

0011

本技術は、UO2粉末だけでなく、UO2およびUO2とPuO2の混合酸化物を用いた核燃料ペレットの製造方法にも適用できる。

0012

(2)軽水炉用に燃料として用いられているUO2ペレットの中には可燃性核的毒物としてGd2O3が添加されているペレットがある。Gd2O3が添加された場合、焼結性と焼結雰囲気の酸素ポテンシャルとの関係が変化し、酸素ポテンシャルが高すぎるとUO2粒子同士の部分の焼結速度とUO2粒子とGd2O3粒子との焼結(固溶反応)速度との差異が大きくなり、不均一に収縮が進行するために焼結ペレットの密度が低下することが知られている。しかし、焼結雰囲気の酸素ポテンシャルが低すぎるとペレット内の陽イオンの拡散速度が遅くなり、結果としてGd2O3とUO2との固溶性が不十分で密度が低いペレットが製造される。本発明では、このようなGd2O3添加ペレットの複雑な焼結機構に対応するために以下のような焼結方法を提供する。すなわち、焼結工程の中で昇温工程においては-400kJ/mol以下の還元性雰囲気を用いてペレット内の収縮を均一化させることにより閉気孔を生成させずにペレットを収縮させ、その後、最高温度領域にて-350kJ/molから-160kJ/molの範囲の酸化性雰囲気に切り替えて陽イオンの拡散を促進させることにより、微細組織が均一で高密度のペレットを得ることができる。ここで、最高温度領域における酸素ポテンシャルとしての上限値は、焼結後のペレットの化学量論組成を保持するための許容限界酸素ポテンシャルである。酸素ポテンシャルを-160kJ/molよりも高い値に設定した場合には、降温工程における焼結雰囲気を還元雰囲気に切り替え、ペレットの(酸素/金属)比を調整する必要がある。

0013

本技術も上記(1)と同様に、UO2粉末だけでなく、UO2およびUO2とPuO2の混合酸化物を用いた核燃料ペレットの製造方法にも適用できる。

発明の効果

0014

本発明によれば、BET比表面積が2.0m2/g以下といった低活性の酸化物粉末を用いた場合においても、理論密度に対する相対密度で96%TD以上の高密度且つ熱的安定性が良好なペレットを得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明の核燃料ペレットの製造方法の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態を以下に説明する。
本願発明者等は、次のような条件でペレットを試作し、試作したペレットの特性を比較した。

0016

ADU法により製造され、BET比表面積が1.5m2/gであるUO2(ウラン酸化物)粉末に、潤滑材を混合し、造粒後に350MPa、450MPa、530MPa及び550MPaの圧力にて円柱状に圧縮成形した。その後、350MPa、450MPa及び550MPaの圧力下で成形した3種類の成形体については、水素、窒素及び水蒸気の混合ガスを用いて最高温度領域における酸素ポテンシャルが-360kJ/molである雰囲気中で1750℃の温度で4時間焼結した。一方で、同様の3種類の成形体について、最高温度領域における酸素ポテンシャルが-400kJ/molである雰囲気中で1750℃の温度で4時間焼結した。また、530MPaの圧力下で成形した成形体については、水素、窒素及び水蒸気の混合ガスを用いて最高温度領域における酸素ポテンシャルが-380kJ/molである雰囲気中で1750℃の温度で4時間焼結した。なお、本実施形態記載のすべての酸素ポテンシャルは、水素/水蒸気混合ガスを用いた場合に1750℃において得られる酸素ポテンシャルに換算した値である。

0017

図1はこれらの条件で試作した焼結ペレットa,b,c,d,e,f,gの特性を示す表(表1)であり、図2はこれら焼結ペレットa,b,c,d,e,f,gを横軸に酸素ポテンシャル、縦軸焼結密度をとったグラフ内にプロットした図である。なお、図1に示す表1において、デンシフィケーションとは、焼結、研削後のペレットを100%乾燥水素雰囲気中で24時間加熱したときのペレット密度変化を示し、原子炉内での焼きしまり挙動指標として用いられるものである。すなわち、デンシフィケーション値が大きいペレットは、原子炉内での焼きしまりが大きいと推定される。焼きしまり量が大きすぎると核燃料ペレットと被覆管内面とのギャップ熱伝達率が低下しペレット温度の上昇を招く。ペレット温度が上昇すると、ペレットからガス状核分裂生成物の放出量が増加し被覆管内の圧力上昇を招き、最悪の場合は燃料棒の破損を招く可能性がある。以上のことから、デンシフィケーション値ができるだけ小さい方が、熱的安定性に優れているということができる。

0018

まず、酸素ポテンシャルの効果について着目する。上記図1及び図2に示すように、酸素ポテンシャルが-400kJ/molである還元性雰囲気中で焼結したペレットe,f,gでは焼結密度が低く、酸素ポテンシャルが-380kJ/mol以上である雰囲気中で焼結したペレットa,b,c,dでは、理論密度に対する相対密度で96%(図2中破線で示す。)以上の高密度ペレットが得られている。したがって、焼結雰囲気の酸素ポテンシャルは-380kJ/mol以上であることが好ましい。また、デンシフィケーション値について見ると、高酸素ポテンシャル下で焼結されたペレットa,b,cの方が低酸素ポテンシャル下で焼結されたペレットe,f,gに比べて小さい値であり、酸素ポテンシャルを-380kJ/mol以上と大きくすることで熱的安定性についても良好とすることができる。

0019

次に、成形圧力について着目する。図1に示すように、成形圧力が350MPaであるペレットa,eでは、成形圧力が450MPa以上のペレットb,c,f,gに比べ、焼結密度が低いことに加えてデンシフィケーション値が大きい傾向を示している。すなわち、成形圧力が450MPa以上の条件では、焼結密度は大きく、デンシフィケーション値は小さくなっており、成形圧力が450MPa以上であれば共に安定した特性が得られることがわかる。但し、成形圧力が550MPaの場合には、一般に成形時の成形体コーナー欠陥発生率が高くなる傾向にあり、歩留まり向上、成形体の健全性について考慮した場合、本実施例にて使用した低活性UO2粉末(BET比表面積1.5m2/g)の成形圧力としては450MPaが最適と考えられる(後述の図3中A点)。

0020

ここで、本願発明者等は、さらなる最適な成形圧力の特性を得るために、BET比表面積の異なるUO2粉末を用いて様々な成形圧力にて成形し、それらを焼結してペレットの製造を行った。図3はそのうち健全な成形体及び96%TD以上の焼結密度を持つペレットの製造条件(成形圧力)と使用した粉末のBET比表面積との関係をX点で示すと共に、それらの最適化曲線を示す図である。

0021

この図3に示すように、本願発明者等は、前記したA点(BET比表面積1.5m2/g、成形圧力450MPa)及び上記4点は、次式にて与えられる特性曲線Lにほぼ沿うように位置することを発見した。
P(MPa) = 600×BET(m2/g)-0.7 BET:1m2/g〜10m2/g (1)
P:成形圧力、BET:酸化物粉末のBET比表面積
したがって、成形圧力は600×(酸化物粉末のBET比表面積(m2/g))-0.7±100(MPa)の範囲内であることが好ましい。なお、図3に示すように高密度ペレットの製造条件はある程度の幅をもって特性曲線Lに沿うように位置しており、上記(1)式における±100MPaはこの幅を考慮したものである。

0022

以上の結果より、低活性の酸化物粉末を用いて96%TD以上の高密度の核燃料ペレットの製造する場合、成形圧力を式(1)に従って制御し、焼結雰囲気の酸素ポテンシャルを少なくとも-380kJ/mol以上に設定する必要があると言える。これは、成形圧力を式(1)に従って制御すると、BET比表面積が低い粉末をBET比表面積が高い粉末と比較してより高圧下で成形することとなり、成形体内の平均一次粒子間距離を短くして焼結時の粒子間ネッキングが成長しやすい状態とすることができるからである。また、焼結雰囲気を-380kJ/mol以上の酸化性雰囲気とすることにより、焼結中の陽イオンの拡散速度を促進させることができ、結果として焼結過程でのペレット収縮速度を増加させ、従来と同等の焼結時間内にペレットの最終到達密度を増大できるからである
なお、上記の第1の実施の形態において、低活性UO2粉末の代わりに低活性のUO2とPuO2(プルトニウム酸化物)との混合粉末を用いてもよい。この場合にも、高圧成形による成形体内の粉末粒子間平均距離の短縮、拡散速度の増加により、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。

0023

次に、本発明の核燃料ペレットの第2の実施の形態を図4及び図5を用いて以下に説明する。本実施の形態は、ペレットの製造に用いる酸化物粉末にGd2O3(ガドリニウム酸化物)が含まれる場合の実施の形態である。

0024

本実施の形態のようにGd2O3が添加された酸化物粉末の場合、酸素ポテンシャルが高すぎるとUO2粒子同士の部分の焼結速度とUO2粒子とGd2O3粒子との焼結(固溶反応)速度との差異が大きくなり、不均一に収縮が進行するために焼結ペレットの密度が低下することが知られている。しかし、焼結雰囲気の酸素ポテンシャルが低すぎると、ペレット内の陽イオンの拡散速度が遅くなり、結果としてGd2O3とUO2との固溶性が不十分でこれによっても密度が低下することが知られている。

0025

そこで本願発明者等は、次のような条件でペレットを試作し、各条件にて試作されたペレットの特性を比較した。図4はこのときのペレットの焼結条件を示した図である。

0026

第1の実施の形態と同様のUO2粉末(BET比表面積が1.5m2/g)に、5wt%(重量%)のGd2O3粉末及び1wt%以下の潤滑材を添加し、粉砕混合後に450MPaにて圧縮成形した後、図4に示すように、酸素ポテンシャルが-400kJ/molである雰囲気中で700℃まで加熱し、同温度で約1時間保持して充分脱脂した。その後、同雰囲気中で1750℃まで約500℃/hの速度で昇温した。1750℃に到達後、酸素ポテンシャルが-350kJ/molである雰囲気に切り替え、約6時間同温度で保持した後室温まで冷却した(ペレットh)。また、参照条件として、昇温から最高温度保持、降温までのすべての焼結工程における雰囲気を酸素ポテンシャル-350kJ/molの単一雰囲気とした条件(ペレットi)、昇温工程での雰囲気を-400kJ/mol、最高温度保持、降温工程での雰囲気を-160kJ/mol(ペレットj)及び-100kJ/mol(ペレットk)とした条件にてそれぞれペレットを試作した。

0027

図5は上記条件で試作した焼結ペレットのうち、昇温工程の酸素ポテンシャルが-400kJ/mol且つ最高温度保持、降温工程の酸素ポテンシャルが-350kJ/molであるペレットh及び酸素ポテンシャル-350kJ/molの単一雰囲気としたペレットiについての特性を示す表である。

0028

この図5に示すように、昇温工程での酸素ポテンシャルが-400kJ/mol且つ最高温度保持、降温工程での酸素ポテンシャルが-350kJ/molである条件下で焼結されたペレットhでは97%TDの高密度ペレットが得られた。なお、このペレットhにおけるUO2に固溶していないGd2O3粒子の割合は1%以下であった。これに対し、-350kJ/molの単一雰囲気下で焼結されたペレットiの焼結密度は95%TDであり、ペレット内のGd2O3がUO2に固溶していない部分が数%観察された。したがって、昇温工程における雰囲気は、酸素ポテンシャルが-400kJ/mol以下の還元性雰囲気であることが好ましい。また、ペレットhのデンシフィケーション値は約0.4%と充分低い値であり、熱的安定性も優れていることがわかる。

0029

一方、最高温度保持、降温工程の酸素ポテンシャルを-160kJ/molとしたペレットjの焼結後の(酸素/金属)比は2.005以下であったが、酸素ポテンシャルを-100kJ/molとしたペレットkの焼結後の(酸素/金属)比は2.01を超える値を示した。ペレットkのように高い(酸素/金属)比を持つペレットの熱伝導率は低く、原子炉内でペレット温度の上昇を招くので、ペレットの(酸素/金属)比は化学量論組成に近い値に制御する必要がある。よって、Gd2O3添加ペレット焼結における最高温度保持、降温工程の雰囲気の酸素ポテンシャルは、上記ペレットh,i,jの場合のように-160kJ/mol以下に制御する必要がある。

0030

以上の結果より、低活性の核分裂性物質を含む酸化物粉末にGd2O3粉末を添加した場合には、昇温工程に酸素ポテンシャルが-400kJ/mol以下である還元性雰囲気を用い、最高温度保持、除温工程以降では、酸素ポテンシャルが-350kJ/mol以上-160kJ/mol以下の範囲内の酸化性雰囲気を用いることが化学量論組成に近い(酸素/金属)比を持ち、高密度かつ熱的安定性に優れたペレットの製造に有効である。

0031

なお、上記の第2の実施の形態において、低活性UO2粉末の代わりに低活性のUO2とPuO2の混合粉末を用いてもよい。この場合にも、昇温工程に還元性雰囲気を採用することにより、Gd2O3との固溶反応とUO2同士及びPuO2同士の焼結速度を均一化でき、上記第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0032

本発明の核燃料ペレットの製造方法の第1の実施の形態において種々の条件で試作した試作ペレットの特性を示す表である。
本発明の核燃料ペレットの製造方法の第1の実施の形態において試作したペレットの製造条件を横軸に酸素ポテンシャル、縦軸に焼結密度をとったグラフ内にプロットした図である。
本発明の核燃料ペレットの製造方法の第1の実施の形態においてBET比表面積の異なる酸化物粉末を用いて種々の条件で試作したペレットのうち、健全な成形体及び96%TD以上の焼結密度が得られたペレットの製造条件を示すと共に、高密度の焼結ペレットを得るための成形圧力の特性曲線を示す図である。
本発明の核燃料ペレットの製造方法の第2の実施の形態において、ペレットの試作条件を時系列的に示した図である。
本発明の核燃料ペレットの製造方法の第2の実施の形態において種々の条件で試作したペレットの特性を示す表である。

符号の説明

0033

a,b,c,d,e,f,g,h,i ペレット

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