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技術 車両の抵抗推定装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 伊藤真洋
出願日 2005年2月25日 (15年10ヶ月経過) 出願番号 2005-051597
公開日 2006年9月7日 (14年3ヶ月経過) 公開番号 2006-232167
状態 拒絶査定
技術分野 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 駆動装置の関連制御
主要キーワード 回転数検知信号 ブロック線 走行抵抗値 消費トルク 半導体式センサ 制御行 トルク演算器 エンジン軸トルク
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重要な関連分野

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図面 (5)

課題

車両の過渡時においても、走行抵抗推定する。

解決手段

エンジンECUは、検知されたエンジンの回転数とエンジンの出力軸における慣性モーメントとに基づいて、駆動輪における車輪軸出力トルクを算出して、検知された車輪の回転数と駆動輪における車両の慣性モーメントとに基づいて、駆動輪における車輪軸トルクを算出して、走行抵抗演算器120において、車輪軸の出力トルクと車輪軸トルクとの差に基づく走行抵抗を算出する。

概要

背景

車両の走行する際には、空気抵抗勾配抵抗など様々な走行抵抗が車両に作用する。走行中の車両に作用する走行抵抗を推定する技術として、たとえば、特開平6−270714号公報(特許文献1)は、イニシャライズ出力を確実に実行して、目標スロットルバルブ開度まで短時間で到達可能とし、かつ、車速アンダーシュートを回避する定速走行制御装置を開示する。この定速走行制御装置は、現在のエンジントルクと現在の車両の加速度から走行抵抗値を推定し、現在の車速と目標車速との速度誤差と、走行抵抗値とに基づいて目標スロットルバルブ開度を決定し、負圧式スロットルアクチュエータスロットルバルブ開度を目標スロットルバルブ開度にフィードバック制御することにより、定速走行制御を行う。定速走行制御装置は、定速走行制御開始時に、負圧式スロットルアクチュエータのダイアフラム内の負圧が目標スロットルバルブ開度に対応した所定の負圧に達するまでのアクチュエータ応答無駄時間に応じたイニシャライズ出力時間演算するイニシャライズ出力時間演算手段と、イニシャライズ出力時間が経過するまでスロットルバルブ開度のフィードバック制御を禁止するフィードバック禁止手段とを備える。

特許文献1に開示された定速走行制御装置によると、目標スロットルバルブ開度まで短時間で到達可能とし、かつ、車速のアンダーシュートを回避することができる。
特開平6−270714号公報

概要

車両の過渡時においても、走行抵抗を推定する。エンジンECUは、検知されたエンジンの回転数とエンジンの出力軸における慣性モーメントとに基づいて、駆動輪における車輪軸出力トルクを算出して、検知された車輪の回転数と駆動輪における車両の慣性モーメントとに基づいて、駆動輪における車輪軸トルクを算出して、走行抵抗演算器120において、車輪軸の出力トルクと車輪軸トルクとの差に基づく走行抵抗を算出する。

目的

本発明は、上述した課題を解決するためのなされたものであって、その目的は、車両の過渡時においても、走行抵抗を推定できる抵抗推定装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

車両の走行抵抗推定する抵抗推定装置であって、前記車両に搭載されたエンジン回転数を検知するための手段と、前記検知された回転数と前記エンジンの出力軸における慣性モーメントとに基づいて、駆動輪における第1の駆動力を算出するための算出手段と、前記車輪の回転数を検知するための手段と、前記検知された回転数と前記駆動輪における前記車両の慣性モーメントとに基づいて、前記駆動輪における第2の駆動力を算出するための手段と、前記第1の駆動力と前記第2の駆動力との差に基づいて、前記走行抵抗を推定するための推定手段とを含む、抵抗推定装置。

請求項2

前記算出手段は、前記検知された回転数と前記エンジンの慣性モーメントとに基づいて、前記エンジンの出力軸トルクを算出するための手段と、前記出力軸トルクと前記出力軸から前記駆動輪までの動力伝達経路における減速比とに基づいて、前記駆動輪の第1の駆動力を算出するための手段とを含む、請求項1に記載の抵抗推定装置。

請求項3

前記車両には、トルクコンバータ変速機構とを含む自動変速機が搭載され、前記算出手段は、前記トルクコンバータがロックアップ状態でない場合において、前記検知された回転数と前記エンジンの慣性モーメントとに基づいて、前記エンジンの出力軸トルクを算出するための手段と、前記エンジンの出力軸トルクと前記トルクコンバータのトルク比とに基づいて、前記自動変速機の出力軸トルクを算出するための手段と、前記自動変速機の出力軸トルクと前記自動変速機から前記駆動輪までの動力伝達経路における減速比とに基づいて、前記駆動輪の第1の駆動力を算出するための手段とを含む、請求項1に記載の抵抗推定装置。

請求項4

前記車両には、制動装置が搭載され、前記推定手段は、前記制動装置が作動していないときに、前記走行抵抗を推定するための手段を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の抵抗推定装置。

請求項5

前記抵抗推定装置は、前記車両の速度を検知するための手段をさらに含み、前記推定手段は、前記車両の速度の変化量が予め定められた変化量以下であるときに、前記走行抵抗を推定するための手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の抵抗推定装置。

請求項6

前記推定手段は、前記エンジンへの燃料の供給が停止しているときに、前記走行抵抗を推定するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の抵抗推定装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の抵抗推定装置に関し、特に、過渡時の車両の走行抵抗推定する抵抗推定装置に関する。

背景技術

0002

車両の走行する際には、空気抵抗勾配抵抗など様々な走行抵抗が車両に作用する。走行中の車両に作用する走行抵抗を推定する技術として、たとえば、特開平6−270714号公報(特許文献1)は、イニシャライズ出力を確実に実行して、目標スロットルバルブ開度まで短時間で到達可能とし、かつ、車速アンダーシュートを回避する定速走行制御装置を開示する。この定速走行制御装置は、現在のエンジントルクと現在の車両の加速度から走行抵抗値を推定し、現在の車速と目標車速との速度誤差と、走行抵抗値とに基づいて目標スロットルバルブ開度を決定し、負圧式スロットルアクチュエータスロットルバルブ開度を目標スロットルバルブ開度にフィードバック制御することにより、定速走行制御を行う。定速走行制御装置は、定速走行制御開始時に、負圧式スロットルアクチュエータのダイアフラム内の負圧が目標スロットルバルブ開度に対応した所定の負圧に達するまでのアクチュエータ応答無駄時間に応じたイニシャライズ出力時間演算するイニシャライズ出力時間演算手段と、イニシャライズ出力時間が経過するまでスロットルバルブ開度のフィードバック制御を禁止するフィードバック禁止手段とを備える。

0003

特許文献1に開示された定速走行制御装置によると、目標スロットルバルブ開度まで短時間で到達可能とし、かつ、車速のアンダーシュートを回避することができる。
特開平6−270714号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、走行抵抗は、車両が定速で走行している場合に、車両が車速を維持するための車両の駆動力を算出することにより推定することができる。しかしながら、車両が加速あるいは減速する場合のような車両の過渡時において走行抵抗を推定できないという問題がある。走行抵抗は、クルーズコントロールや車両の姿勢制御等に利用されることが考えられるが、過渡時における走行抵抗が推定できないと、適切な制御行なえないという問題がある。

0005

特許文献1において開示された定速走行制御装置においては、エンジントルク車両重量と加速度とから走行抵抗を推定するものであるが、エンジンの慣性系消費されるトルクについて考慮されていないため、車両の過渡時の走行抵抗を精度よく推定することはできない。

0006

本発明は、上述した課題を解決するためのなされたものであって、その目的は、車両の過渡時においても、走行抵抗を推定できる抵抗推定装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

第1の発明に係る抵抗推定装置は、車両の走行抵抗を推定する抵抗推定装置である。抵抗推定装置は、車両に搭載されたエンジンの回転数を検知するための手段と、検知された回転数とエンジンの出力軸における慣性モーメントとに基づいて、駆動輪における第1の駆動力を算出するための算出手段と、車輪の回転数を検知するための手段と、検知された回転数と駆動輪における車両の慣性モーメントとに基づいて、駆動輪における第2の駆動力を算出するための手段と、第1の駆動力と第2の駆動力との差に基づいて、走行抵抗を推定するための推定手段とを含む。

0008

第1の発明によると、推定手段は、エンジンの回転数と出力軸における慣性モーメントとに基づいて算出される駆動輪における第1の駆動力と、車輪の回転数と駆動輪における車両の慣性モーメントとに基づいて算出される第2の駆動力との差に基づいて、走行抵抗を推定する。車輪の回転数と駆動輪における車両の慣性モーメントとに基づいて算出される第2の駆動力は、車両の走行中の実質的な駆動力を示す。一方、エンジンの回転数と出力軸における慣性モーメントとから算出される第1の駆動力は、エンジンから出力されるトルクが動力伝達経路を伝達して、駆動輪において発現すると想定される駆動力を示す。したがって、第1の駆動力と第2の駆動力との差が車両の走行抵抗に対応する。第1の駆動力および第2の駆動力は、エンジンあるいは車両の慣性モーメントに基づいて、算出するため、定速走行時ばかりでなく、車両の加速時や減速時等を含む過渡時においても、走行抵抗を算出することができる。したがって、車両の過渡時においても、走行抵抗を推定できる抵抗推定装置を提供することができる。

0009

第2の発明に係る抵抗推定装置においては、第1の発明の構成に加えて、算出手段は、検知された回転数とエンジンの慣性モーメントとに基づいて、エンジンの出力軸トルクを算出するための手段と、出力軸トルクと出力軸から駆動輪までの動力伝達経路における減速比とに基づいて、駆動輪の第1の駆動力を算出するための手段とを含む。

0010

第2の発明によると、算出手段は、検知されたエンジンの回転数と慣性モーメントとに基づいて、エンジンの出力軸トルクを算出する。すなわち、検知されたエンジンの回転数に基づくエンジンの回転数の変化量すなわち、出力軸の角加速度と、エンジンの慣性モーメントとに基づいて、出力軸を回転させるのに消費されるトルクを算出できる。したがって、エンジンの回転数に対応するエンジンの出力軸トルクと、エンジンの作動に伴なう損失(たとえば、フリクションロスポンピングロス)と、エンジンの慣性モーメントにより消費されるトルクとに基づいて、エンジンの出力軸から出力される実質的なトルクを算出することができる。算出された出力軸トルクと、出力軸から駆動輪までの動力伝達経路における減速比とに基づいて、駆動輪において発現すると想定される第1の駆動力を算出することができる。

0011

第3の発明に係る抵抗推定装置においては、第1の発明の構成に加えて、車両には、トルクコンバータ変速機構とを含む自動変速機が搭載される。算出手段は、トルクコンバータがロックアップ状態でない場合において、検知された回転数とエンジンの慣性モーメントとに基づいて、エンジンの出力軸トルクを算出するための手段と、エンジンの出力軸トルクとトルクコンバータのトルク比とに基づいて、自動変速機の出力軸トルクを算出するための手段と、自動変速機の出力軸トルクと自動変速機から駆動輪までの動力伝達経路における減速比とに基づいて、駆動輪の第1の駆動力を算出するための手段とを含む。

0012

第3の発明によると、算出手段は、検知されたエンジンの回転数と慣性モーメントとに基づいて、エンジンの出力軸トルクを算出する。検知されたエンジンの回転数に基づくエンジンの回転数の変化量、すなわち、角加速度と、エンジンの慣性モーメントとにより、出力軸を回転させる際に消費される消費トルクを算出することができる。したがって、エンジンの回転数に対応するエンジンの軸トルクと、エンジンの作動に伴なう損失(たとえば、フリクションロスやポンピングロス)と、エンジンの慣性モーメントにより消費されるトルクとに基づいて、エンジンの出力軸から出力される実質的な出力軸トルクを算出することができる。また、自動変速機が搭載される車両においては、自動変速機に含まれるトルクコンバータがロックアップ状態でない場合に、トルクコンバータの入力軸に入力されたトルクとトルクコンバータの出力軸から出力されたトルクとのトルク比は、入力軸と出力軸との速度比に対応する。そのため、トルクコンバータがロックアップ状態でないと、エンジンの出力軸とトルクコンバータのトルク比とに基づいて、トルクコンバータの出力軸から出力されるトルクを算出することができる。したがって、トルクコンバータの出力軸から出力されるトルクと、変速機構から駆動輪までの動力伝達経路における減速比とに基づいて、駆動輪において発現すると想定される第1の駆動力を算出することができる。

0013

第4の発明に係る抵抗推定装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、車両には、制動装置が搭載される。推定手段は、制動装置が作動していないときに、走行抵抗を推定するための手段を含む。

0014

第4の発明によると、車両に搭載された制動装置が作動すると、走行抵抗を算出したときに、算出された走行抵抗には、制動装置において発現する制動力が含まれる。そのため、制動装置が作動していないときに、制動力を除いた走行抵抗を推定することにより、精度よく走行抵抗を推定することができる。

0015

第5の発明に係る抵抗推定装置は、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、車両の速度を検知するための手段をさらに含む。推定手段は、車両の速度の変化量が予め定められた変化量以下であるときに、走行抵抗を推定するための手段を含む。

0016

第5の発明によると、車両の速度の変化量が予め定められた変化量以下であるとき、すなわち、車両が定速走行するときに、走行抵抗を推定することにより、精度よく走行抵抗を推定することができる。

0017

第6の発明に係る抵抗推定装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、推定手段は、エンジンへの燃料の供給が停止しているときに、走行抵抗を推定するための手段を含む。

0018

第6の発明によると、エンジンへの燃料の供給が停止しているときにおいては、車両は、駆動力を発現していない状態、すなわち、走行抵抗により減速している状態である。このような場合に、走行抵抗を推定することにより、精度よく走行抵抗を推定することができる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る車両の抵抗推定装置について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。

0020

本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る車両の制御装置は、図1に示すECU(Electronic Control Unit)1000に
より実行されるプログラムにより実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、歯車式変速機構を有する自動変速機として説明する。

0021

図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、詳しくは、図1に示すECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020により実現される。

0022

図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、ECU1000とから構成される。

0023

エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサにより検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数ポンプ回転数)とは同じである。

0024

トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチと、入力軸側ポンプ羽根車と、出力軸側タービン羽根車と、ワンウェイクラッチを有しトルク増幅機能を発現するステータとから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NTタービン回転数NT)は、タービン回転数センサにより検知される。自動変速機300の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサにより検知される。

0025

このような自動変速機300は、その内部に複数の摩擦要素であるクラッチブレーキ
を備える。予め定められた作動表に基づいて、摩擦要素であるクラッチ要素(たとえばクラッチC1〜C4)や、ブレーキ要素(たとえばブレーキB1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(たとえばワンウェイクラッチF0〜F3)が、要求された各ギヤ段に対応して、係合および解放されるように油圧回路が制御される。自動変速機300の変速ポジションシフトポジション)には、パーキング(P)ポジション後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)、前進走行(D)ポジションがある。

0026

これらのパワートレーンを制御するECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、自動変速機300を制御するECT_ECU1020とを含む。

0027

ECT_ECU1020には、出力軸回転数センサにて検知された出力軸回転数NOUTを表わす信号が入力される。また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010から、エンジン回転数センサにて検知されたエンジン回転数NEを表わすエンジン回転数信号が入力される。さらに、ECT_ECU1020には、トルクコンバータのタービン回転数センサにて検知されたタービン回転数NTを表わす信号が入力される。

0028

これら回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。

0029

さらに、ECT_ECU1020は、エンジンECU1010にエンジン制御信号(たとえばスロットル開度信号)を出力し、エンジンECU1010は、そのエンジン制御信号や他の制御信号に基づいてエンジン100を制御する。ECT_ECU1020は、トルクコンバータ200のロックアップクラッチ制御信号を出力する。このロックアップクラッチ制御信号に基づいて、ロックアップクラッチの係合圧が制御される。また、ECT_ECU1020は、自動変速機300にソレノイド制御信号を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて、自動変速機300の油圧回路のリニアソレノイドバルブオンオフソレノイドバルブなどが制御され、所定の変速ギヤ段(たとえば第1速〜第5速)を構成するように、摩擦係合要素が係合および解放されるように制御される。

0030

また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010を経由して、アクセル開度センサ2100から、運転者により操作されたアクセルペダル開度を表わす信号が入力される。また、ECU1000は、各種データ(しきい値、変速マップ等)やプログラムが記憶されたメモリを有する。

0031

本発明に係る車両の抵抗推定装置は、エンジンECU1010により実現される。本発明は、エンジンECU1010が、エンジン100の回転数とエンジンの出力軸における慣性モーメントとに基づいて算出された駆動輪(図示せず)における駆動力(1)と、車輪速センサ2200により検知された回転数と駆動輪における車両の慣性モーメントとに基づいて算出される駆動輪における駆動力(2)との差を算出して、走行抵抗を推定する点に特徴を有する。

0032

なお、車両の慣性モーメントおよびエンジンの慣性モーメントは、実験的に求めるようしてもよい。たとえば、エンジン100の出力軸における慣性モーメントは、図2(A)に示すような回転数とフリクションロスとの関係と、図2(B)に示すようなエンジン100の回転数の時間変化とに基づいて算出することができる。すなわち、エンジン100の回転数とフリクションロスとの関係は、実験により、NE(1)に対応するR(1)およびNE(2)に対応するR(2)を求めるなどして、図2(A)に示すような関係を導き出すことができる。また、エンジン100を予め定められた回転数NE(3)から燃料の供給を停止させる実験により、図2(B)に示すようなエンジン100の回転数の時間変化を導き出すことができる。エンジンの慣性モーメントは、R(フリクションロス)=I(エンジン100の慣性モーメント)×ΔNE(回転数の変化量)の式により算出できる。したがって、図2(B)に示すように、時間間隔Δt間の回転数の変化量ΔNEを算出して、Δt間の回転数におけるフリクションロスRを図2(A)から導き出して、エンジン100の慣性モーメントを算出することができる。

0033

また、車両の慣性モーメントおよびエンジンの慣性モーメントは、車両およびエンジンを構成する各構成部品の各々の要素情報(たとえば、寸法や重量等)に基づいて近似的に算出するようにしてもよいし、CAE(Computer Aided Engineering)解析により算出するようにしてもよく、車両およびエンジンの慣性モーメントの算出方法については、周知の技術を用いればよく、特に限定されるものではない。好ましくは、自動変速機300が有段式の変速機構を有する場合には、変速段に対応した車両の慣性モーメントを予め算出しておくことが望ましい。たとえば、シフトポジションが1速であるときの車両の発進時と2速であるときの車両の発進時とでは、変速比および動力伝達経路が異なるため、駆動輪における車両の慣性モーメントも異なるためである。自動変速機300が無段式の変速機構を有する場合には、変速比(ギヤ比)と車両の慣性モーメントとの関係を示すマップを予め記憶しておくようにしてもよい。

0034

以下の説明においては、エンジンECU1010のハードウェア演算回路)により実現される抵抗推定装置について説明するがハードウェアではなく、エンジンECU1010で実行されるプログラム(ソフトウェア)により実現されてもよい。

0035

以下、図3を参照して、本実施の形態に係る車両の推定装置であるエンジンECU1010が走行抵抗を算出する場合について説明する。

0036

エンジンECU1010は、軸トルク演算器102を含む。軸トルク演算器102は、図示トルクからポンピングロスおよびエンジン100のフリクションロスを減じた値に対応するエンジン軸トルクを後述するエンジン出力演算器110に出力する。図示トルクとは、軸トルクとエンジン回転数と吸入空気量との関係を示すマップから算出されるトルクを示す。

0037

エンジンECU1010は、乗算器104と、微分器106と、消費トルク演算器108と、エンジン出力演算器110とをさらに含む。乗算器104は、エンジン100から送信される回転数検知信号に対応するエンジン100の回転数に、回転数の単位(rpm)を角速度の単位(rad/sもしくはdeg/s)に換算する係数Kを乗じた値を微分器106に出力する。微分器106は、乗算器104から入力された値を時間微分した値に対応する角加速度を消費トルク演算器108に出力する。消費トルク演算器108は、微分器106から入力された角加速度に、エンジン100の慣性モーメントを乗じた値に対応するエンジンの慣性系による消費トルクをエンジン出力演算器110に出力する。

0038

エンジン出力演算器110は、軸トルク演算器102から入力されたエンジン軸トルクと、消費トルク演算器108から入力されたエンジン100の慣性系による消費トルクとの差をエンジン100の出力トルクとして出力する。

0039

エンジンECU1010は、速度比演算器112と、トルク比演算器114とをさらに含む。速度比演算器112には、エンジン100から送信される回転数検知信号に対応するエンジン100の回転数と、トルクコンバータ200のタービン回転数とが入力される。速度比演算器112は、エンジン100の回転数とタービン回転数とに基づいて速度比を算出して、トルク比演算器114に出力する。トルク比演算器114は、速度比演算器112から入力された速度比と、予め記憶された、速度比とトルク比との関係を示すマップとに基づいて、トルク比を算出して、後述するコンバータ出力演算器116に出力する。

0040

エンジンECU1010は、コンバータ出力演算器116と、乗算器118とをさらに含む。コンバータ出力演算器116は、エンジン出力演算器110から入力されたエンジン出力トルクにトルク比演算器114から入力されたトルク比を乗じた値をトルクコンバータの出力トルクとして、乗算器118に出力する。乗算器118は、コンバータ出力演算器116から入力されたトルクコンバータの出力トルクに、車輪軸における出力トルクに換算する係数Aを乗じた値に対応する車輪軸の出力トルクを後述する走行抵抗演算器120に出力する。なお、係数Aは、トルクコンバータ200の出力軸から駆動輪までの動力伝達経路における減速比に基づいて設定される。したがって、係数Aは、自動変速機300の有段式の変速機構を有する場合には、変速段に応じて異なる値が設定される。自動変速機300が無段式の変速機構を有する場合には、タービン回転数と自動変速機300の出力軸回転数との比(変速比)に基づく減速比と、係数Aとの関係を示すマップを予め記憶しておくようにしてもよい。

0041

エンジンECU1010は、乗算器202と、微分器204と、車輪軸トルク演算器206とをさらに含む。乗算器202は、車輪速センサ2200により検知される車輪速度に、車輪速度の単位(rpm)を角速度の単位(rad/sもしくはdeg/s)に換算する係数Kを乗じた値を微分器106に出力する。微分器204は、乗算器200から入力された角速度を時間微分した値、すなわち、角加速度を車輪軸トルク演算器206に出力する。車輪軸トルク演算器206は、微分器204から入力された角加速度に、駆動輪における車両の慣性モーメントを乗じた値に対応する車輪軸トルクを、後述する走行抵抗演算器120に出力する。

0042

エンジンECU1010は、走行抵抗演算器120をさらに含む。走行抵抗演算器120は、乗算器118から入力された車輪軸の出力トルクと、車輪軸トルク演算器206から入力された車輪軸トルクとの差を算出する。走行抵抗演算器120は、算出されたトルクに対応する走行抵抗を出力する。

0043

以上のような構成に基づく、本実施の形態に係る車両の抵抗推定装置であるエンジンECU1010の動作について説明する。

0044

車両の加速時において、検知されたエンジン回転数に基づいて、エンジン100の出力軸の角加速度が算出される。算出された角加速度とエンジン100の慣性モーメントとを乗じてエンジンの慣性系の消費トルクが算出される。そのため、図示トルクからエンジン100の作動に伴なうフリクションロスとポンピングロスとを減じて算出されるエンジン軸トルクからさらにエンジンの慣性系の消費トルクを減じることにより、実質的なエンジン100の出力トルクが算出される。

0045

また、エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。したがって、エンジン100の出力トルクに、エンジン回転数とタービン回転数との速度比に応じて算出されるトルク比を乗じてトルクコンバータ200から出力される出力トルクが算出される。トルクコンバータ200から出力される出力トルクに、自動変速機300から駆動輪までの動力伝達経路における減速比とに基づく係数Aを乗じて、駆動輪における車輪軸の出力トルクが算出される。このとき、自動変速機300の変速段あるいはタービン回転数と自動変速機300の出力軸回転数との比(変速比)に対応した係数Aを用いて、車輪軸の出力トルクが算出される。

0046

一方、検知された車輪速度に基づいて、車輪軸の角加速度が算出される。算出されたック加速度と駆動輪における車両の慣性モーメントとを乗じて、車輪軸トルクが算出される。このとき、自動変速機300の変速段あるいはタービン回転数と自動変速機300の出力軸回転数との比に対応した車両の慣性モーメントを用いて、車輪軸トルクが算出される。

0047

そして、エンジン100の回転数に基づいて車輪軸に発現していると想定される車輪軸の出力トルクと車輪速センサ2200により検知された車輪速度に基づいて駆動輪において発現している車輪軸トルクとの差が走行抵抗に対応する。

0048

また、上述した説明においては、トルクコンバータ200がロックアップ状態でない場合の車両の走行抵抗について説明したが、トルクコンバータ200がロックアップ状態であると、トルクコンバータ200の入力軸の回転数と出力軸の回転数とが同じになる。したがって、トルクコンバータ200におけるトルク比を「1」として計算するようにしてもよいし、あるいは、エンジンECU1010はトルクコンバータ200がロックアップ状態であることを示す信号をECT_ECU1020から受信した場合には、エンジンECU1010は、図4に示すような構成を用いて走行抵抗を算出するようにしてもよい。

0049

すなわち、エンジンECU1010は、図3を用いて説明したトルクコンバータ200がロックアップ状態でない場合のエンジンECU1010が走行抵抗を算出する構成と比較して、図4に示すように、速度比演算器112と、トルク比演算器114と、コンバータ出力演算器116とが不要となる。

0050

したがって、エンジン出力演算器110は、軸トルク演算器102から入力されたエンジン軸トルクに、消費トルク演算器108から入力されたエンジン100の慣性系の消費トルクを減じた値に対応するエンジン100の出力トルクを乗算器118に出力する。乗算器118は、入力されたエンジン100の出力トルクに、車輪軸における出力トルクに換算する係数Aを乗じた値に対応する車輪軸の出力を走行抵抗演算器120に出力する。図4に示すような構成を用いても、トルクコンバータ200がロックアップ状態である場合における車両の走行抵抗を算出することが可能となる。

0051

以上のようにして、本実施の形態に係る車両の抵抗推定装置によると、車輪速度と駆動輪における車両の慣性モーメントとに基づいて算出される車輪軸トルクは、車両の走行中の実質的な駆動力を示す。一方、エンジンの回転数と出力軸における慣性モーメントとから算出される車輪軸の出力トルクは、エンジンから出力されるトルクが動力伝達経路を伝達して、駆動輪において発現すると想定される駆動力を示す。したがって、車輪軸の出力トルクと車輪軸トルクとの差が車両の走行抵抗に対応する。車輪軸の出力トルクおよび車輪軸トルクは、エンジンあるいは車両の慣性モーメントに基づいて、算出するため、定速走行時ばかりでなく、車両の加速時や減速時等を含む過渡時においても、走行抵抗を算出することができる。したがって、車両の過渡時においても、走行抵抗を推定できる抵抗推定装置を提供することができる。

0052

また、検知されたエンジンの回転数に基づくエンジンの回転数の変化量すなわち、出力軸の角加速度と、エンジンの慣性モーメントとに基づいて、出力軸を回転させる際に消費される消費トルクを算出できる。したがって、エンジンの回転数に対応するエンジンの軸トルクと、エンジンの作動に伴なう損失(たとえば、フリクションロスやポンピングロス)と、エンジンの慣性系により消費される消費トルクとに基づいて、エンジンから出力される実質的な出力トルクを算出することができる。算出された出力軸トルクと、出力軸から駆動輪までの動力伝達経路における減速比とに基づいて、駆動輪において発現すると想定される車輪軸の出力トルクを算出することができる。

0053

好ましくは、エンジンECUは、車両に搭載される制動装置(図示せず)が作動していないときに、走行抵抗を推定する。車両に搭載された制動装置が作動すると、走行抵抗を推定したときに、推定された走行抵抗には、制動装置において発現する制動力が含まれる。そのため、制動装置が作動していないときに、制動力を除いた走行抵抗を推定することにより、精度よく走行抵抗を推定することができる。

0054

さらに好ましくは、エンジンECUは、車両の速度の変化量が予め定められた変化量以下であるときに、走行抵抗を推定する。車両の速度の変化量が予め定められた変化量以下であるとき、すなわち、車両が定速で走行しているときに、走行抵抗を推定することにより、精度よく走行抵抗を推定することができる。

0055

さらに好ましくは、エンジンECUは、エンジンへの燃料の供給が停止しているときに、走行抵抗を推定する。エンジンへの燃料の供給が停止しているときにおいては、車両は、駆動力を発現していない状態、すなわち、走行抵抗により減速している状態である。このような場合に、走行抵抗を推定することにより、精度よく走行抵抗を推定することができる。

0056

したがって、車両の挙動を制御する場合において要求される走行抵抗の精度に応じて、走行抵抗を推定する条件(上述したような精度を向上させる条件、あるいは、推定を実施する時間間隔等)を絞り込むことにより、適用される車両制御に要求される精度の走行抵抗を推定することができる。

0057

好ましくは、手動変速機が搭載された車両に図4に示すような構成を適用して走行抵抗を算出することが望ましい。手動変速機は、エンジンの出力軸からクラッチを介して変速機構の入力軸に直結される。そのため、エンジンECUが図4に示すような構成を有することにより、手動変速機が搭載された車両についての走行抵抗を推定することができる。

0058

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

図面の簡単な説明

0059

本実施の形態に係るエンジンの制御装置であるエンジンECUが搭載された車両の構成を示す図である。
エンジン回転数とフリクションロスとの関係およびエンジン回転数の時間変化を示す図である。
本実施の形態に係るエンジンの制御装置であるエンジンECUのブロック線図(その1)である。
本実施の形態に係るエンジンの制御装置であるエンジンECUのブロック線図(その2)である。

符号の説明

0060

100エンジン、102軸トルク演算器、104,118,202乗算器、106,204微分器、108消費トルク演算器、110エンジン出力演算器、112速度比演算器、114トルク比演算器、116コンバータ出力演算器、120走行抵抗演算器、200トルクコンバータ、206車輪軸トルク演算器、300自動変速機、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU、2100アクセル開度センサ、2200車輪速センサ。

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