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技術 重合体及びその製造方法

出願人 木村良晴株式会社武蔵野化学研究所株式会社ミューチュアル
発明者 木村良晴
出願日 2005年2月20日 (15年4ヶ月経過) 出願番号 2005-080381
公開日 2006年8月31日 (13年10ヶ月経過) 公開番号 2006-225622
状態 特許登録済
技術分野 ポリエステル、ポリカーボネート 生分解性ポリマー
主要キーワード 温度抵抗性 収納部品 結晶性熱可塑性ポリマー サンプル試料 ビスマス系化合物 CDケース 環状ジエステル 射出成形サイクル
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

生分解性プラスチックであるポリ乳酸と比較してガラス転移温度を上げることが可能な重合体及びその製造方法を提供する。

解決手段

概要

背景

近年、自然環境保護の観点から、自然環境中で分解する生分解性ポリマー及びその成形品が求められ、脂肪族ポリエステルなどの自然分解性樹脂の研究が活発に行われている。特に、ポリ乳酸融点が130〜180℃と十分に高く、しかも透明性に優れるため、包装材料や透明性を生かした成形品等としての用途に使用されている。またポリ乳酸の原料となる乳酸は、植物等の再生可能資源から得られ、石油等の枯渇資源を使用しない点からも大いに期待されている。

ポリ乳酸は、結晶性熱可塑性ポリマーであるが、結晶化が非常に遅く、たとえば射出成形等による成形品は、剛性に優れているが、耐熱性が低く、あるいは耐熱性と耐衝撃性が共に低く、例えば包装容器では熱湯又は電子レンジを使用することができず、用途が限定されている。またCDケースカセットケース等の収納部品等では高温になると熱変形を起こし、自動車内等で使用することができない。

耐熱性を付与するために、ポリ乳酸を結晶化させることが検討されている。結晶化を促進させるための手法として核剤を添加する方法が知られている。生分解性を有するポリマーにこのような添加剤を加える例として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5が挙げられる。

特許文献1には、プラスチック製容器の材料として、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/ポリ−3−ヒドロキシバリレー共重合体ポリカプロラクトンあるいはポリ乳酸のような生分解性プラスチックに、平均粒径20μm以下の炭酸カルシウムタルク重量比で10〜40%混合することが開示されている。しかし、この技術は多量の無機充填剤の添加により廃棄後の生分解性プラスチックの分解を促進するものであり、ポリマーを結晶化させて耐熱性を向上させるものではない。

特許文献2には、ポリラクチド熱可塑性プラスチックへの、シリカカオリナイトのような無機化合物充填剤の添加により、硬度、強度、温度抵抗性性質を変えることが記載されており、その実施例には、L、DL−ラクチド共重合体に核剤として乳酸カルシウム5重量%を温度170℃の加熱ロールで5分間ブレンドしたところ、そのシートは剛性、強度がありかつっていて、結晶化度が増加した事が記載されている。

特許文献3には、核剤として乳酸塩安息香酸塩が記載されており、その実施例には、ポリラクチドコポリマーに1%の乳酸カルシウムを配合し、2分間の滞留時間で約85℃に保持した型で射出成形したが、結晶化が不十分のため、更に型中において約110〜135℃でアニーリングした例が記載されている。

特許文献4には、核剤としてポリグリコール酸及びその誘導体をポリL−ラクチド等に加え、結晶化速度を上昇させることにより、射出成形サイクル時間を短縮させ、かつ、優れた力学的性質を有することが記載されている。射出成形の例として、核剤なしの場合の結晶化温度は、冷却時間60秒で22.6%、核剤添加で45.5%が例示されている。しかし、特許文献5によると、実際に乳酸系ポリマーに核剤を入れないで射出成形を試みたところ、特許文献4に記載されているような、金型温度ガラス転移温度以上の条件では、成形することができなかったと記載されている。

一方、特許文献5には、実際に乳酸系ポリマーに核剤として通常のタルク、シリカ、乳酸カルシウム等を使用して射出成形を試みたが、結晶化速度が遅く、また成形物が脆いため、実用に耐えうる成形物を得ることができない。従って、このような乳酸系ポリマーは、通常のタルク、シリカ等を用いて一般の射出成形、ブロー成形圧縮成形に使用しても、結晶化速度が遅く、得られる成形物の実用耐熱性が100℃以下と低く耐衝撃性も強くないために用途面に制約があると記載されている。

しかしながら、ポリ乳酸を結晶化させると透明性が失われるという欠点がある。ポリ乳酸のガラス転移温度は約60℃であり、ガラス(非晶)状態で透明性を保ちながら耐熱性を上げるには、ポリマーのガラス転移温度を上げる必要があった。

なお、本発明者は乳酸と類似した構造を有し、かつ芳香環を有する天然物由来マンデル酸に着目しこれを重合させて高分子化させることも試みたが、環鎖平衡のため環状二量体の生成が生じ、鎖状分子としては重合度が10程度のオリゴマーにとどまり、高分子を得ることができなかった。
特開平5−70696号公報

特表平4−504731号公報(WO 90/01521号公報)

特表平6−504799号公報

特開平4−220456号公報

特開平8−193165号公報

概要

生分解性プラスチックであるポリ乳酸と比較してガラス転移温度を上げることが可能な重合体及びその製造方法を提供する。一般式(化1)で表される環状ジエステル開環重合させて重合体を得る。重合反応に用いる重合触媒としては、オクチル酸スズ等のスズ系化合物粉末スズ、酸化スズ亜鉛末ハロゲン化亜鉛酸化亜鉛有機亜鉛系化合物、テトラプロピルチタネート等のチタン系化合物ジルコニウムイソプロポキシド等のジルコニウム系化合物三酸化アンチモン等のアンチモン系化合物酸化ビスマス(III)等のビスマス系化合物酸化アルミニウムアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウム系化合物等を用いる。
なし

目的

本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、耐熱性を付与させるために、ガラス転移温度をポリ乳酸より向上させた重合体(脂肪族芳香族ポリエステル)及びその製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

一般式(化1)で表される環状ジエステル開環重合させることにより得られることを特徴とする重合体

請求項2

一般式(化2)で表される請求項1に記載の重合体。

請求項3

一般式(化1)で表される環状ジエステルを開環重合させることを特徴とする重合体の製造方法。

請求項4

一般式(化1)で表わされる環状ジエステルとラクチド類とを開環共重縮合することにより得られることを特徴とする重合体。

請求項5

一般式(化1)で表わされる環状ジエステルとラクチド類とを開環共重縮合することを特徴とする重合体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、重合体及びその製造方法に関し、特に、乳酸等のα−ヒドロキシカルボン酸マンデル酸を含有する構成単位を有する重合体、及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、自然環境保護の観点から、自然環境中で分解する生分解性ポリマー及びその成形品が求められ、脂肪族ポリエステルなどの自然分解性樹脂の研究が活発に行われている。特に、ポリ乳酸融点が130〜180℃と十分に高く、しかも透明性に優れるため、包装材料や透明性を生かした成形品等としての用途に使用されている。またポリ乳酸の原料となる乳酸は、植物等の再生可能資源から得られ、石油等の枯渇資源を使用しない点からも大いに期待されている。

0003

ポリ乳酸は、結晶性熱可塑性ポリマーであるが、結晶化が非常に遅く、たとえば射出成形等による成形品は、剛性に優れているが、耐熱性が低く、あるいは耐熱性と耐衝撃性が共に低く、例えば包装容器では熱湯又は電子レンジを使用することができず、用途が限定されている。またCDケースカセットケース等の収納部品等では高温になると熱変形を起こし、自動車内等で使用することができない。

0004

耐熱性を付与するために、ポリ乳酸を結晶化させることが検討されている。結晶化を促進させるための手法として核剤を添加する方法が知られている。生分解性を有するポリマーにこのような添加剤を加える例として、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5が挙げられる。

0005

特許文献1には、プラスチック製容器の材料として、ポリ−3−ヒドロキシブチレート/ポリ−3−ヒドロキシバリレー共重合体ポリカプロラクトンあるいはポリ乳酸のような生分解性プラスチックに、平均粒径20μm以下の炭酸カルシウムタルク重量比で10〜40%混合することが開示されている。しかし、この技術は多量の無機充填剤の添加により廃棄後の生分解性プラスチックの分解を促進するものであり、ポリマーを結晶化させて耐熱性を向上させるものではない。

0006

特許文献2には、ポリラクチド熱可塑性プラスチックへの、シリカカオリナイトのような無機化合物充填剤の添加により、硬度、強度、温度抵抗性性質を変えることが記載されており、その実施例には、L、DL−ラクチド共重合体に核剤として乳酸カルシウム5重量%を温度170℃の加熱ロールで5分間ブレンドしたところ、そのシートは剛性、強度がありかつっていて、結晶化度が増加した事が記載されている。

0007

特許文献3には、核剤として乳酸塩安息香酸塩が記載されており、その実施例には、ポリラクチドコポリマーに1%の乳酸カルシウムを配合し、2分間の滞留時間で約85℃に保持した型で射出成形したが、結晶化が不十分のため、更に型中において約110〜135℃でアニーリングした例が記載されている。

0008

特許文献4には、核剤としてポリグリコール酸及びその誘導体をポリL−ラクチド等に加え、結晶化速度を上昇させることにより、射出成形サイクル時間を短縮させ、かつ、優れた力学的性質を有することが記載されている。射出成形の例として、核剤なしの場合の結晶化温度は、冷却時間60秒で22.6%、核剤添加で45.5%が例示されている。しかし、特許文献5によると、実際に乳酸系ポリマーに核剤を入れないで射出成形を試みたところ、特許文献4に記載されているような、金型温度ガラス転移温度以上の条件では、成形することができなかったと記載されている。

0009

一方、特許文献5には、実際に乳酸系ポリマーに核剤として通常のタルク、シリカ、乳酸カルシウム等を使用して射出成形を試みたが、結晶化速度が遅く、また成形物が脆いため、実用に耐えうる成形物を得ることができない。従って、このような乳酸系ポリマーは、通常のタルク、シリカ等を用いて一般の射出成形、ブロー成形圧縮成形に使用しても、結晶化速度が遅く、得られる成形物の実用耐熱性が100℃以下と低く耐衝撃性も強くないために用途面に制約があると記載されている。

0010

しかしながら、ポリ乳酸を結晶化させると透明性が失われるという欠点がある。ポリ乳酸のガラス転移温度は約60℃であり、ガラス(非晶)状態で透明性を保ちながら耐熱性を上げるには、ポリマーのガラス転移温度を上げる必要があった。

0011

なお、本発明者は乳酸と類似した構造を有し、かつ芳香環を有する天然物由来のマンデル酸に着目しこれを重合させて高分子化させることも試みたが、環鎖平衡のため環状二量体の生成が生じ、鎖状分子としては重合度が10程度のオリゴマーにとどまり、高分子を得ることができなかった。
特開平5−70696号公報

0012

特表平4−504731号公報(WO 90/01521号公報)

0013

特表平6−504799号公報

0014

特開平4−220456号公報

0015

特開平8−193165号公報

発明が解決しようとする課題

0016

本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、耐熱性を付与させるために、ガラス転移温度をポリ乳酸より向上させた重合体(脂肪族芳香族ポリエステル)及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0017

本願発明者らは鋭意検討した結果、芳香族置換基を有する脂肪族芳香族ポリエステルが、上記目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0018

即ち、本発明に係る第1の重合体は、下記の一般式(化1)で表される環状ジエステル開環重合させることにより得られることを特徴とする重合体(脂肪族芳香族ポリエステル)である。

0019

0020

なお、R=Hの場合は一つ、R=CH3の場合は二つの不斉炭素が生じるが、その立体配置はいずれの場合も本発明の重合体の原料となり得る。得られる重合体として、下記の一般式(化2)で表される重合体が挙げられる。

0021

0022

もっとも、マンデル酸をM、乳酸(あるいはグリコール酸)をLとした場合に、常に「MLML」の順に繋がるわけではなく、M同士あるいはL同士で繋がる場合もあり得る。

0023

また、本発明に係る第1の重合体の製造方法は、一般式(化1)で表される環状ジエステルを開環重合させることを特徴とする重合体の製造方法である。

0024

本発明に係る第2の重合体は、一般式(化1)で表わされる環状ジエステルとラクチド類とを開環共重縮合することにより得られることを特徴とする重合体である。

0025

また、本発明に係る第2の重合体の製造方法は、一般式(化1)で表わされる環状ジエステルとグリコリドやL−ラクチドのようなラクチド類とを開環共重合することを特徴とする重合体の製造方法である。

発明の効果

0026

本発明に係る重合体は、開環重合によらない方法で製造された重合体よりもマンデル酸の含有比率が多く、これによりポリ乳酸よりもガラス転移温度を上げることができるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0027

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、式(化3)で表わされる環状ジエステルの合成方法について説明する。まず、トリメチルアミンジエチルエーテル溶液中において、L−マンデル酸に塩化ブロモアセチル(BrCH2COCl)を加えてエステル化を行い、L−2−(Bromoacetoxy)−2−phenylethanoic acid(L−BAP)を得る。その後、アセトン溶液中において、L−BAPに炭酸カルシウムを加えて環化反応を行い、環状ジエステルであるL−3−Phenyl−1,4−dioxane−2,5−dione(L−PDD)を得た。

0028

0029

本発明において、式(化4)で表わされる環状ジエステルの合成方法について説明する。まず、トリメチルアミン/ジエチルエーテル溶液中において、L−マンデル酸に塩化−2−ブロモプロピオニル(CH3(Br)CHCOCl)(BPC)を加えてエステル化を行い、L−2−(2−Bromopropionyloxy)−2−phenylethanoic acid(L−BPP)を得る。その後、アセトン溶液中において、L−BPPに炭酸カルシウムを加えて環化反応を行い、環状ジエステルである3−(S)−Methyl−(L)−6−Phenyl−1,4−dioxane−2,5−dione(L−MPDD)を得た。

0030

0031

本発明において、式(化5)で表わされる重合体である脂肪族芳香族ポリエステルの重合方法について説明する。前記式(化3)で表される環状ジエステルであるL−PDDに、例えばオクチル酸スズ等の重合触媒を加え、減圧下で加熱し開環重合することにより、脂肪族芳香族ポリエステルであるPoly(L−mandelic acid−co−glycolic acid)(PLMAGA)を得た。

0032

0033

本発明において、式(化6)で表わされる重合体である脂肪族芳香族ポリエステルの重合方法について説明する。前記式(化4)で表される環状ジエステルであるL−MPDDに、例えばオクチル酸スズ等の重合触媒を加え、減圧下で加熱し開環重合することにより、脂肪族芳香族ポリエステルであるPoly(L−mandelic acid−co−lactic acid)(PLMALA)を得た。

0034

0035

本発明において、式(化3)で表わされるL−PDDとラクチドとの共重合について説明する。L−PDDとグリコリドに、さらに重合触媒を加えて加熱し、開環重合することにより式(化5)で表わされるポリエステルよりグリコール酸単位を多く含む脂肪族芳香族ポリエステルであるPoly(L−mandelic acid−co−glycolic acid)(PLMAGA)を得た。同様に、L−PDDとラクチドに、さらに重合触媒を加え、減圧下で加熱し開環重合することにより、脂肪族芳香族ポリエステルであるPoly(L−mandelic acid−co−glycolic acid−co−lactic acid)(PLMAGALA)を得た。

0036

本発明において、式(化4)で表わされるL−MPDDとラクチドとの共重合について説明する。L−MPDDとラクチドに、さらに重合触媒を加え、減圧下で加熱し開環重合することにより、脂肪族芳香族ポリエステルであるPoly(L−mandelic acid−co−lactic acid)(PLMALA)を得た。

0037

以上に説明した重合反応に用いる重合触媒は、オクチル酸スズに限定されるものでなく、公知の各種乳酸重合用触媒を用いることができる。例えば、乳酸スズ、酒石酸スズ、ジカプリル酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジパルミチン酸スズ、ジステアリン酸スズ、ジオレイン酸スズ、α−ナフトエ酸スズ、β−ナフトエ酸スズ等のスズ系化合物粉末スズ、酸化スズ亜鉛末ハロゲン化亜鉛酸化亜鉛有機亜鉛系化合物、テトラプロピルチタネート等のチタン系化合物ジルコニウムイソプロポキシド等のジルコニウム系化合物三酸化アンチモン等のアンチモン系化合物酸化ビスマス(III)等のビスマス系化合物酸化アルミニウムアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウム系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、スズ又はスズ化合物からなる触媒活性の点から特に好ましい。

0038

また本発明に使用されるラクチド類としては、グリコリド、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、meso−ラクチド、又はこれらの混合物のいずれのラクチドを用いても良い。

0039

本発明及び以下の実施例において、1HNMRスペクトルは、Varian Gemini−200測定装置(200MHz)を用いて測定し、溶媒として重水素化クロロホルム(CDCl3)を用い、テトラメチルシラン内部標準として化学シフトを求め、分析した。DSC測定は、島津製作所製示差走査熱量計DSC−50)を用いて、サンプル試料3mgを窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で測定した。

0040

以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
3つ口ナスフラスコにL−マンデル酸3.347gを入れ、反応系を真空に加熱しL−マンデル酸を溶融乾燥させ、窒素置換した。その後室温まで放冷し、ジエチルエーテルを80ml加えて溶かし、氷浴に浸けて1時間冷却した。反応系が5℃以下で安定したら、塩化ブロモアセチル(BrCH2COCl)4.501gを加え、さらに反応系の温度が5℃以下にならないよう冷却しながらトリメチルアミン/ジエチルエーテル溶液3.339g/20mlを1滴/3秒の速度で滴下した。滴下終了後、氷浴をはずして12時間攪拌を続けた。得られた溶液に蒸留水を加えて反応を停止させ、分液漏斗に移し、蒸留水で十数回洗浄した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて、攪拌しながら15時間放置した。硫酸マグネシウムを濾別し、ロータリーエバポレーター濃縮し、室温で真空乾燥し、黄褐色で油状の液体である2−(bromoacetoxy)−2−phenylethanoic acid(L−BAP)を得た。得られたL−BAPを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:3.96(s,2H,CH2),5.98(s,1H,CH),7.42(m,5H,C6H5)であった。

0041

次にナスフラスコに炭酸ナトリウム0.2627gを入れ、アセトン300mlを加え、60℃まで加熱してアセトンを還流した。次に、L−BAP/アセトン1.3654g/200ml溶液を攪拌しながら6時間かけて滴下し、滴下終了後さらに30分反応を続けた。不溶物である臭化ナトリウムを濾別し、ロータリーエバポレーターでアセトンを濃縮し、2−プロパノール再沈殿を行い、白色粉末のL−PDDを得た。得られたL−PDDを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:4.78(q,2H,CH2),6.07(s,1H,CH),7.47(m,5H,C6H5)であった。また得られたL−PDDをDSC測定したところ、融点は131.4℃であった。収率90%、再結晶後の収率は14%であった。

0042

(実施例2)
2つ口ナスフラスコに塩化チオニル(SOCl2)8.994gを入れ、氷浴に浸けて攪拌しながら2−(S)−ブロモプロピオン酸(BPA)11.595gを、1滴/3秒の速度で滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌し、塩化−2−(S)−ブロモプロピオニル(BPC)を合成した。合成した粗BPCは、そのまま次の反応に使用した。

0043

次に3つ口ナスフラスコにL−マンデル酸3.347gを入れ、反応系を真空加熱してL−マンデル酸を溶融乾燥させ、窒素置換した。その後室温まで放冷し、ジエチルエーテル80ml加えて溶かし、氷浴に浸けて1時間冷却した。反応系が5℃以下で安定したら、先に合成したBPC2.36gを加え、さらにトリメチルアミン/ジエチルエーテル溶液3.339g/20mlを1滴/3秒の速度で滴下した。この時、反応系の温度が5℃より上昇しないように冷却した。滴下終了後、氷浴をはずして12時間攪拌を続けた。得られた溶液に蒸留水を加えて反応を停止させ、分液漏斗に移し、蒸留水で十数回洗浄した。この溶液に硫酸マグネシウムを加えて、攪拌しながら1晩放置した。硫酸マグネシウムを濾別し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、室温で真空乾燥することにより、乳白色で油状の液体である、2−(S)−2−bromopropionyloxy−2−phenylethanoic acid(L−BPP)を得た。得られたL−BPPを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:1.88(d,3H,CH3),14.50(q,1H,CH),5.97(s,1H,CH),7.43(m,5H,C6H5)であった。

0044

次にナスフラスコに炭酸ナトリウム0.2627gを入れ、アセトン300mlを加え、60℃まで加熱してアセトンを還流した。次に、L−BPP/アセトン1.3654g/200ml溶液を攪拌しながら6時間かけて滴下し、滴下終了後さらに30分反応を続けた。不溶物である臭化ナトリウムを濾別し、ロータリーエバポレーターでアセトンを濃縮し、2−プロパノールで再沈殿を行い、白色粉末のL−MPDDを得た。得られたL−MPDDを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:1.63(d,3H,CH3),5.18(q,1H,CH),5.93(s,1H,CH),7.44(m,5H,C6H5)であった。また得られたL−MPDDをDSC測定したところ、融点は132.2℃であった。収率99.7%、再結晶後の収率は30%であった。[α]20D=+109.8°(アセトン中、0.41g/dl)、元素分析の結果、Found:H=5.00,C=64.31;Calcd:H=4.85,C=64.08。

0045

(実施例3−1)
実施例1で作製したL−PDD96mgを試験管に入れ、減圧乾燥後窒素置換し、その後L−PDDに対してトルエン溶液希釈した0.1mol%のオクチル酸スズ(II)溶液を加えた。常圧下で5分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、150℃で1時間重合を行った。生成物をクロロホルムに溶解し、10倍容量のジエチルエーテル中に再沈殿した。デカンテーションで溶液を除去し、沈殿物を80℃、12時間減圧乾燥して白色粉末状のPLMAGAを得た。得られたPLMAGAを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:4.72(q,2H,CH2),6.09(s,1H,CH),7.35(m,5H,C6H5)であった。また得られたPLMAGAをDSC測定したところ、ガラス転移温度は79.4℃であった。

0046

(実施例3−2)
L−PDD300mgを試験管に入れ、減圧乾燥後窒素置換し、その後L−PDDに対してトルエン溶液に希釈した0.2mol%のオクチル酸スズ(II)溶液を加えた。常圧下で5分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、150℃で6時間重合を行った。生成物をクロロホルムに溶解し、10倍容量のジエチルエーテル中に再沈殿した。デカンテーションで溶液を除去し、沈殿物を80℃、12時間減圧乾燥して白色粉末状のPLMAGAを得た(収量255mg)。得られたPLMAGAのGPC分析の結果、分子量Mn=6800、分散度Mw/Mn=1.5であった。

0047

(実施例4−1)
実施例3と同様に、実施例2で作製したL−MPDD103mgを試験管に入れ、減圧乾燥後窒素置換し、その後L−MPDDに対してトルエン溶液に希釈した0.1mol%のオクチル酸スズ(II)溶液を加えた。常圧下で5分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、150℃で1時間重合を行った。生成物をクロロホルムに溶解し、10倍容量のジエチルエーテル中に再沈殿した。デカンテーションで溶液を除去し、沈殿物を80℃、12時間減圧乾燥して黄色粉末状のPLMALAを得た。得られたPLMALAを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:1.63(d,3H,CH3),5.16(q,1H,CH),5.96(s,1H,CH),7.38(m,5H,C6H5)であった。また得られたPLMALAをDSC測定したところ、ガラス転移温度は80.9℃であった。

0048

(実施例4−2)
実施例2で作製したL−MPDD300mgを試験管に入れ、減圧乾燥後窒素置換し、その後L−MPDDに対してトルエン溶液に希釈した0.2mol%のオクチル酸スズ(II)溶液を加えた。常圧下で5分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、180℃で3時間重合を行った。生成物をクロロホルムに溶解し、10倍容量のジエチルエーテル中に再沈殿した。デカンテーションで溶液を除去し、沈殿物を80℃、12時間減圧乾燥して黄色粉末状のPLMALAを得た(収量223mg)。得られたPLMAGAのGPC分析の結果、分子量Mn=3840、分散度Mw/Mn=2.3であった。

0049

(実施例4−3)
実施例4−2と同様の条件において、重合時間を6時間としたところ、収量287mgでPLMALAを得た。得られたPLMAGAのGPC分析の結果、分子量Mn=10400、分散度Mw/Mn=2.7、ガラス転移温度は75℃であった。

0050

(実施例5−1)
実施例3と同様に、実施例1で作製したL−PDDとL−ラクチドを試験管に、仕込み比5:95の割合で入れ、減圧乾燥後窒素置換した。これを150℃で溶融混合した後、トルエン溶液に希釈した全モノマー量に対して0.1mol%オクチル酸スズ(II)溶液を加えた。常圧下で5分攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、150℃で1時間重合を行った。生成物をクロロホルムに溶解し、10倍容量のジエチルエーテル中に再沈殿した。デカンテーションで溶液を除去し、沈殿物を80℃、12時間減圧乾燥してL−マンデル酸−グリコール酸−L−乳酸共重合体(PLMAGALA)を得た。得られたPLMAGALAを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:1.58(d,3H,CH3),4.72(q,2H,CH2),5.16(q,1H,CH),6.01(s,1H,CH),7.41(m,5H,C6H5)であった。また得られたPLMAGALAをDSC測定したところ、ガラス転移温度は73.4℃であった。

0051

(実施例5−2)
試験管にL−PDD150mg(0.785mmol)とL−ラクチド150mg(114mmol)を入れ、それらに対して0.002mol%オクチル酸スズ(II)トルエン溶液を加えた。これを3時間減圧乾燥後窒素置換した。さらに150℃で3時間加熱し、得られた褐色固体をクロロホルムに溶解し、メタノールで再沈殿した。再沈溶液を1時間遠心分離機にかけ、上澄みをデカンテーションで除去した。沈殿物を減圧乾燥して白色固体であるPLMAGALA(258mg)を得た。

0052

(実施例6−1)
実施例3と同様に、実施例2で作製したL−MPDDとL−ラクチドを試験管に、仕込み比5:95の割合で入れ、減圧乾燥後窒素置換した。これを150℃で溶融混合した後、トルエン溶液に希釈した全モノマー量に対して0.1mol%オクチル酸スズ(II)溶液を加えた。常圧下で5分攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、150℃で1時間重合を行った。生成物をクロロホルムに溶解し、10倍容量のジエチルエーテル中に再沈殿した。デカンテーションで溶液を除去し、沈殿物を80℃、12時間減圧乾燥してL−マンデル酸−乳酸−L−乳酸共重合体(PLMALALA)を得た。得られたPLMALALAを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:1.58(d,3H,CH3),5.16(q,1H,CH),6.01(s,1H,CH),7.41(m,5H,C6H5)であった。また得られたPLMALALAをDSC測定したところ、ガラス転移温度は75.1℃であった。

0053

(実施例6−2)
試験管にL−MPDD121mg(0.59mmol)とL−ラクチド85mg(0.6mmol)を入れ、0.002mol%オクチル酸スズ(II)トルエン溶液を加えた。これを3時間減圧乾燥し、175℃で6時間加熱した。得られた褐色固体をクロロホルムに溶解し、メタノールで再沈殿した。再沈溶液を1時間遠心分離機にかけ、上澄みをデカンテーションで除去し、沈殿物を減圧乾燥して白色固体であるPLMALALA(0.15g)を得た。

0054

(実施例7)
試験管にL−PDD150mg(0.781mmol)とグリコリド150mg(1.34mmol)を入れ、それらに対して1/500molのオクチル酸スズ(トルエン溶液)を加えて、真空ポンプを用いて常温で3時間減圧乾燥させた。その後、150℃で3時間加熱して重合を行った。重合により得られた白色固体をクロロホルムに溶解させ、大過剰のメタノール中に投入して再沈殿を行ったのち、上澄みをデカンテーションにより除去した。得られた固体生成物を真空乾燥することにより、白色固体状の共重合体288mgを得た。その1H NMRを測定したところ、実施例3−1で得られたPLMAGAと同じ化学シフト位置にシグナルを示すスペクトルが得られた。すなわち、共重合体はマンデル酸とグリコール酸を単位とするポリマーであり、各シグナルの積分比より、マンデル酸とグリコール酸単位のモル組成が1:4.4であった。その分子量は、GPC分析より数平均分子量が53,000であった。

0055

(比較例)
L−ラクチドを試験管に入れ、減圧乾燥後窒素置換し、その後L−ラクチドに対してトルエン溶液に希釈した0.1mol%のオクチル酸スズ(II)溶液を加えた。常圧下で5分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去し、150℃で1時間重合を行った。生成物をクロロホルムに溶解し、10倍容量のジエチルエーテル中に再沈殿した。デカンテーションで溶液を除去し、沈殿物を80℃、12時間減圧乾燥して白色粉末状のポリ−L−乳酸(PLLA)を得た。得られたPLLAを1H NMRで分析したところ、δ/ppm:1.63(d,3H,CH3),5.16(q,1H,CH),5.96(s,1H,CH),7.38(m,5H,C6H5)であった。また得られたPLLAをDSC測定したところ、ガラス転移温度は60.6℃であった。

0056

本発明は、包装材料や、コーティング材料、成形品用材料等に好適に用いることができる。

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