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技術 トランスジェニック非ヒト動物の作成方法

出願人 国立研究開発法人理化学研究所
発明者 水谷英二大田浩若山照彦
出願日 2005年2月18日 (14年0ヶ月経過) 出願番号 2005-042661
公開日 2006年8月31日 (12年5ヶ月経過) 公開番号 2006-223220
状態 拒絶査定
技術分野 動物の育種及び生殖細胞操作による繁殖 微生物、その培養処理
主要キーワード 顕微授精 膨大部 圧電パルス まだら 遺伝子導入率 系統間 精子頭部 ノックアウト非ヒト動物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年8月31日)のものです。
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図面 (1)

課題

どのようなES細胞でも使用可能であり、ES細胞由来動物が確実に得られ、得られた動物において選択マーカーの影響が残らない、トランスジェニック動物あるいはノックアウト動物作成方法、ならびに該方法により得られるトランスジェニック動物あるいはノックアウト動物を提供する。

解決手段

(a)(i)適当なマーカーで標識したホスト胚、ならびに(ii)特定の遺伝子を導入した、あるいは特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞を用意し、(b)該ホスト胚に該ES細胞を導入し、これを仮親に移植して雄性キメラ個体を得て、(c)該キメラ個体中の該マーカーを発現していない生殖細胞を用いて受精させて子孫を得て、次いで,(d)該特定の遺伝子を導入した、あるいは該特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞由来の動物を選別することを含む方法。

概要

背景

トランスジェニック動物は、遺伝子組み替え技術を用いて外部DNAをゲノムに導入することによって生産される動物であり、医学薬学生物学等の研究分野幅広く利用されている。特定の遺伝子を発現させないようにしたノックアウト動物トランシジェニック動物の範疇に含まれている。トランスジェニック動物あるいはノックアウト動物の一般的な作成方法は、例えば、特定の遺伝子を導入またはノックアウトしたES細胞胚盤胞注入してキメラ化し、これを仮親に戻してキメラ個体を得て、このキメラ個体の生殖細胞の中からES細胞由来細胞選別し、これを用いて子孫を得て、該特定の遺伝子が導入またはノックアウトされたES細胞由来の動物を選別するというものである。しかしながら、上記方法にはいくつかの問題点がある。その主な問題点は、キメラ個体の生殖細胞の中からES細胞由来の細胞を正確に選別することが困難であり、そのため、所望動物を得るために時間と労力を要し、かつ所望動物が得られる頻度も低いという点である。かかる問題点を解決するためにES細胞に選択マーカーを付すことが行われたが(非特許文献1参照)、この方法では、使用可能なES細胞が限定されること、ならびに、得られたトランスジェニック動物あるいはノックアウト動物中に該マーカーが残存し、後の実験に影響を及ぼす可能性があること等の問題がある。
水谷ら、2004年国際分化学会ポスター(ポスター番号44)

概要

どのようなES細胞でも使用可能であり、ES細胞由来の動物が確実に得られ、得られた動物において選択マーカーの影響が残らない、トランスジェニック動物あるいはノックアウト動物の作成方法、ならびに該方法により得られるトランスジェニック動物あるいはノックアウト動物を提供する。 (a)(i)適当なマーカーで標識したホスト胚、ならびに(ii)特定の遺伝子を導入した、あるいは特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞を用意し、(b)該ホスト胚に該ES細胞を導入し、これを仮親に移植して雄性キメラ個体を得て、(c)該キメラ個体中の該マーカーを発現していない生殖細胞を用いて受精させて子孫を得て、次いで,(d)該特定の遺伝子を導入した、あるいは該特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞由来の動物を選別することを含む方法。なし

目的

したがって、本発明の解決課題は、ES細胞を用いるトランスジェニック動物あるいはノックアウト動物の作成において、キメラ個体の生殖細胞の中からES細胞由来の細胞を効率的に選別することができ、どのようなES細胞でも使用可能であり、得られた動物において選択マーカーの影響が残らないような、トランスジェニック動物あるいはノックアウト動物を得る方法を開発することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

トランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物作成方法であって、下記工程:(a)(i)選択マーカーで標識したホスト胚、ならびに(ii)特定の遺伝子を導入した、あるいは特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞を用意し、(b)該ホスト胚に該ES細胞を導入し、これを仮親に移植して雄性キメラ個体を得て、(c)該キメラ個体中の該選択マーカーを発現していない生殖細胞を用いて受精させて子孫を得て、次いで(d)該特定の遺伝子を導入した、あるいは該特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞由来動物選別することを含む方法。

請求項2

該生殖細胞が精子である請求項1記載の方法。

請求項3

該受精が顕微受精法により行われるものである請求項2記載の方法。

請求項4

該精子が成熟期直前の動物の精子である請求項3記載の方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により得られる、トランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物。

請求項6

該動物がマウスである請求項1〜4のいずれか1項記載に方法、あるいは請求項5記載の動物。

技術分野

0001

本発明は、トランスジェニック非ヒト動物新規作成方法ならびにそれにより得られる動物に関する。

背景技術

0002

トランスジェニック動物は、遺伝子組み替え技術を用いて外部DNAをゲノムに導入することによって生産される動物であり、医学薬学生物学等の研究分野幅広く利用されている。特定の遺伝子を発現させないようにしたノックアウト動物トランシジェニック動物の範疇に含まれている。トランスジェニック動物あるいはノックアウト動物の一般的な作成方法は、例えば、特定の遺伝子を導入またはノックアウトしたES細胞胚盤胞注入してキメラ化し、これを仮親に戻してキメラ個体を得て、このキメラ個体の生殖細胞の中からES細胞由来細胞選別し、これを用いて子孫を得て、該特定の遺伝子が導入またはノックアウトされたES細胞由来の動物を選別するというものである。しかしながら、上記方法にはいくつかの問題点がある。その主な問題点は、キメラ個体の生殖細胞の中からES細胞由来の細胞を正確に選別することが困難であり、そのため、所望動物を得るために時間と労力を要し、かつ所望動物が得られる頻度も低いという点である。かかる問題点を解決するためにES細胞に選択マーカーを付すことが行われたが(非特許文献1参照)、この方法では、使用可能なES細胞が限定されること、ならびに、得られたトランスジェニック動物あるいはノックアウト動物中に該マーカーが残存し、後の実験に影響を及ぼす可能性があること等の問題がある。
水谷ら、2004年国際分化学会ポスター(ポスター番号44)

発明が解決しようとする課題

0003

したがって、本発明の解決課題は、ES細胞を用いるトランスジェニック動物あるいはノックアウト動物の作成において、キメラ個体の生殖細胞の中からES細胞由来の細胞を効率的に選別することができ、どのようなES細胞でも使用可能であり、得られた動物において選択マーカーの影響が残らないような、トランスジェニック動物あるいはノックアウト動物を得る方法を開発することである。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。そして驚くべきことに、ホスト動物に選択マーカーを付して、これに選択マーカーを含まないES細胞を導入することによりキメラを作成し、そのキメラ個体中の該マーカーを発現していない生殖細胞由来の子孫を得ることにより、ES細胞由来の子孫を確実に得ることができ、上記課題も解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。このような本発明の方法では、数的に圧倒的に多いホスト胚由来の細胞を標識するので標識のシグナルが強くなりすぎて、比較的少数となるES細胞由来の細胞を識別できないのではないかと予想された。しかしながら予想に大きく反して、ES細胞由来の生殖細胞をホスト胚由来の生殖細胞から正確かつ容易に選別可能であることがわかった。

0005

すなわち、本発明は:
(1)トランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物の作成方法であって、下記工程:
(a)(i)選択マーカーで標識したホスト胚、ならびに(ii)特定の遺伝子を導入した、あるいは特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞を用意し、
(b)該ホスト胚に該ES細胞を導入し、これを仮親に移植して雄性キメラ個体を得て、
(c)該キメラ個体中の該選択マーカーを発現していない生殖細胞を用いて受精させて子孫を得て、次いで
(d)該特定の遺伝子を導入した、あるいは該特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞由来の動物を選別すること
を含む方法、
(2)該生殖細胞が精子である(1)記載の方法、
(3)該受精が顕微受精法により行われるものである(2)記載の方法、
(4)該精子が成熟期直前の動物の精子である(3)記載の方法、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法により得られる、トランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物、
(6)該動物がマウスである(1)〜(4)のいずれかに記載の方法、あるいは(5)に記載の動物
を提供するものである。

発明の効果

0006

キメラ個体の生殖細胞の中からES細胞由来の細胞を効率的に選別することができ、どのようなES細胞でも使用可能であり、ES細胞由来の動物が確実に得られ、得られた動物において選択マーカーの影響が残らない、トランスジェニック動物あるいはノックアウト動物の作成方法、ならびに該方法により得られるトランスジェニック動物あるいはノックアウト動物が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0007

上述のごとく、本発明は、トランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物の作成方法に関するものである。本発明の方法が適用される動物はヒトを除くいずれの動物であってもよいが、好ましくは哺乳動物である。好適な哺乳動物の例としては、マウス、ラットモルモットウサギウシヒツジヤギウマ、ならびにアカゲザルチンパンジーなどの霊長類が挙げられるが、これらの動物に限られない。現在、トランスジェニック動物やノックアウト動物に関して研究が最も進んでいる実験動物としてはマウスが挙げられ、マウスは本発明の方法を適用するに最も好ましい動物の一例である。

0008

本発明の方法を、手順を追って説明する。
適当な選択マーカーで標識したホスト胚を用意する。ホスト胚は、選択マーカーを導入され、これを発現するようになった動物から得ることができる。選択マーカーとしては、動物に対する安全性が高く、ES細胞を導入した胚から生じるキメラ個体の体内移行可能であり、後の工程においてキメラ個体中のES細胞由来の生殖細胞とES細胞由来でない生殖細胞とを識別することを可能にするマーカーであればいずれのマーカーであってもよい。選択マーカーとして緑色蛍光蛋白(GFP)、赤色蛍光蛋白(RFP)、黄色蛍光蛋白(YFP)などの可視的手段により識別可能な選択マーカーを用いることが簡便性および作業効率等の点で好ましい。

0009

このように、ホスト胚に選択マーカーを付しておくと、後の工程において、ホスト胚に付した選択マーカーを含まない生殖細胞を選択することにより、ES細胞由来の生殖細胞を選択することができる。このことは、実験に使用する際にホスト胚のマーカーの影響を受けないという利点を生じる。

0010

本発明に用いる「ホスト胚」とは、後述のES細胞が由来する動物と同種の動物に由来する胚をいう。ES細胞とホストが由来する動物は、同種の動物であればよく、系統は異なっていてもあるいは同じであってもよい。特に、本発明において、ホスト胚として胚盤胞を用いることが好ましい。また、本発明において、ホスト胚として8細胞期胚を用いることもできる。

0011

特定の遺伝子を導入した、あるいは特定の遺伝子をノックアウト(すなわち、特定の遺伝子を破壊または消失)したES細胞を用意する。ここに、ES細胞とは、胚盤胞期受精卵内部細胞塊に由来する、インビトロ未分化状態を保ったまま培養維持できる細胞をいう。ES細胞はすべての組織に分化可能である。ES細胞は、例えば、胚盤胞期の受精卵の内部細胞塊をほぐすことにより得ることができる。また、マウスのES細胞系のいくつかは市販されている(例えば、E14細胞など)。特定の遺伝子を導入した、あるいは特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞の作成は、当該分野において公知の一般的方法を用いて行うことができる。例えば、マイクロインジェンクションによる遺伝子導入方法ウイルスベクターを用いる遺伝子導入方法、エレクトロポレーションによる遺伝子導入法などの遺伝子導入方法により、特定の遺伝子をES細胞に導入することができる。また、当該分野において公知の方法、例えば、相同性組み換えにより、ES細胞のゲノム中の遺伝子を破壊または修飾することができる。

0012

特定の遺伝子を導入あるいは特定の遺伝子をノックアウトしたES細胞を、ホスト胚に導入する。本発明の方法においては、すでにホスト胚に選択マーカーを付してあるので、ES細胞をマーカーで標識する必要がなく、本発明の方法はどのようなES細胞にも適用可能であるという利点を有する。マーカーをES細胞に付する必要はないが、作出した動物の実験上の特性に影響を及ぼさないようなマーカー(例えば、体毛および目の色)をES細胞に付しておくことは差し支えない。

0013

かかる変異が導入されたES細胞のホスト胚への導入も、当該分野において公知の方法を用いて行うことができる。ES細胞を胚盤胞に導入するには、顕微鏡下でマイクロマニピュレーターを用い、ES細胞を胚盤胞の割腔内にマイクロインジェクションする方法が一般的である。好ましくは、圧電動型マイクロインジェクション装置を用いて行う。また、ES細胞を8細胞期胚に導入するには、その透明帯内にES細胞を注入することが一般的である。

0014

次に、ES細胞が導入され、キメラ化されたホスト胚を仮親に移植して、子供を産ませ、キメラ個体を得る。一般的には、ES細胞を導入した胚を、仮親の卵管内または子宮内に移植する。仮親は、ES細胞が由来する動物と同種の動物であればよく、系統は異なっていてもあるいは同じであってもよい。常法により仮親を飼育し、キメラ個体を出産させる。キメラ個体の判別は体毛を指標として用い、まだらになっている個体を選別することにより行うのが一般的である。

0015

次に、得られたキメラ個体からES細胞由来の生殖細胞を取得する。キメラ個体中の組織はES細胞由来の部分とホスト胚由来の部分からなっており、ES細胞由来の組織はホスト胚に含まれる選択マーカーを含まない。したがって、上述のごとく、ホスト胚のマーカーを含まない組織部位から生殖細胞を選別取得することにより、ES細胞由来の生殖細胞を得ることができる。ES細胞由来の生殖細胞を取得する際の組織、取得手段・方法は様々であり、適宜、選択して行うことができる。一度に多くの生殖細胞が得られることから、雄性キメラ個体を用いることが好ましい。雄性生殖細胞としては精子、精細胞円形精子細胞などがあり、通常には、成熟した精子を取得して受精に用いる。

0016

生殖細胞は成熟したキメラ個体から取得するのが通常であるが、顕微受精法により受精させる場合には、成熟直前の雄性キメラ個体(例えば、生後約20日の雄性マウス)から生殖細胞を得て受精させることもできる。このことにより、所望のトランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物を得るまでの時間が短縮される。

0017

得られた生殖細胞を用いて受精を行い、子孫を得て、その中から所望のトランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物を選別する。受精は交雑法により行うことができるが、顕微受精法を用いることが好ましい。交雑による方法よりもはるかに高い受精率が得られ、交雑では困難な系統間でも受精が可能となる。また、顕微受精法を用いると、成熟直前の若い個体由来の生殖細胞を受精させることもできる。具体的には、顕微鏡下でマイクロピペットを使用して精子をに注入して受精させることにより行う。顕微受精法には、顕微操作には部分的透明帯開孔法、透明帯内精子注入法細胞質内精子注入法があり、細胞質内精子注入法が一般的であるが、これらの方法を適宜選択することができる。顕微受精に用いる卵は成熟した卵母細胞が好ましい。卵母細胞は、精子を得た動物と同種の成熟雌性動物から得られるものが好ましい。成熟卵母細胞取得方法は当該分野で知られた方法であってよく、例えば、排卵過度になったメスの動物から取得することができる。受精後、常法により、受精卵をメスの体内に戻した後、飼育して子供を産ませ、所望のトランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物を選別する。

0018

上述のごとく、本発明の方法により作成されるトランスジェニック非ヒト動物あるいはノックアウト非ヒト動物は、ホスト胚に含まれる選択マーカーを発現しないので、以後の実験において該選択マーカーが影響を及ぼす心配がないという利点を有する。

0019

次に、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものではない。

0020

GFP遺伝子を導入した胚盤胞着床後3.5日目(3.5dpc)のICRマウス株(Shizuoka Laboratory Animal Center)の胞胚腔に、圧電作動型マイクロインジェクション装置(Prime Tech社製)を用いてES細胞を導入した。ES細胞としては、E14細胞、EB3細胞およびRet9細胞を使用した。E14細胞は広く用いられているES細胞系である。EB3細胞およびRet9細胞は理化学研究所の榎本博士から提供されたものである。Ret9細胞系においては、RET蛋白のTyr1015およびTyr1062がフェニルアラニンに変化している。使用したすべての細胞系は黒色色素を発現し、体毛および目の色を、それらに由来する子孫を示す指標とすることができる。

0021

ES細胞を導入した胚盤胞を偽妊娠した雌性ICRマウス(2.5dpc)の子宮に移植し、常法により出産させ、体毛を指標にして雄性キメラ個体を選別した。

0022

ES細胞由来の精子を下記のようにして得た。得られた成体雄性キメラマウス(生後8週目)の精巣図1AおよびA’)から輸精管を取り出し、顕微鏡観察した(図1BおよびB’)。輸精管は、蛍光を発するホスト胚由来の領域と、蛍光を発しないES細胞得由来の領域とのコロニーあるいはセグメントを形成していた(図1B’)。蛍光立体顕微鏡下で蛍光を発していない輸精管の領域を集め、小型のハサミを用いて細かく切り刻み、Hepes−CZB媒体中に懸濁し、精子懸濁液を得た。また、同様にして蛍光を発する領域からも精子懸濁液を得た。

0023

成熟卵母細胞を、生後8〜12週目の雌性ICRマウスから下記のようにして得た。5IUの妊娠メス血清ゴナドトロピン(帝国臓器社製)を雌性ICRマウスに注射し、その48時間後に5IUのヒト絨毛膜ゴナドトロピン(帝国臓器社製)を注射した。ヒト絨毛膜ゴナドトロピン注射13〜15時間後に、卵管膨大部から成熟卵母細胞を得た。Hepes−CZB媒体中0.1%ウシ精巣ヒアルロニダーゼ卵丘を処理することにより、卵母細胞を遊離させた。空気中5% CO2雰囲気下において卵母細胞を37℃の新鮮なCZB媒体ですすいだ後、ES細胞由来の精子との顕微授精を行った。

0024

顕微授精は下記の手順で行った。約2μLの精子懸濁液を、12%ポリビニルピロリドンを含有する1滴のHepes−CZB媒体と混合した。圧電パルスを精子の首の部分に2〜3回与えることにより、精子の頭部と尾部を分離させた。得られた精子頭部を、顕微鏡下で卵母細胞の細胞質内にマイクロインジェクションした。受精した卵母細胞を、空気中5% CO2雰囲気下、37℃にてCZB媒体中でインキュベーションした。2細胞期胚を雌性ICRマウス(0.5dpc)の卵管中に移植した。

0025

常法に従い雌性ICRマウスを出産させ、子供を観察した。結果を表1に示す。



* すべての胚を、2細胞期において偽妊娠レシピエントに移植した。
E14細胞、EB3細胞、Ret9細胞のいずれのES細胞を用いた場合にも、雄性キメラの輸精管の緑色蛍光を発しない領域から得た精子を受精させて得られた子孫はすべて目の色が黒色で、ES細胞由来の形質を有することがわかった。Ret9細胞を用いた場合の変異RET蛋白遺伝子導入率は49%であった。輸精管の蛍光を発しない領域から得た精子に由来する子孫はすべて励起光下で蛍光を発しなかったが、輸精管の蛍光を発する領域から得た精子に由来する子孫はすべて励起光下で蛍光を発した(図1CおよびC’)。このように、得られたES細胞由来の動物は、ホスト胚の選択マーカーとして使用したGFPを発現していなかった。このように、本発明の方法によれば、いずれのES細胞を用いた場合にも、確実にES細胞由来の子孫が得られることがわかった。

0026

上述のキメラ個体取得方法に従って生後20日目の若い雄性キメラマウスを得て、球形精子細胞を取り出して上記手順により顕微授精を行ったところ、同様に受精可能であり、本発明の方法に使用可能であることがわかった(データ示さず)。

0027

本発明は、どのようなES細胞でも使用可能であり、ES細胞由来の動物が確実に得られ、得られた動物において選択マーカーの影響が残らない、トランスジェニック動物あるいはノックアウト動物の作成方法、ならびに該方法により得られるトランスジェニック動物あるいはノックアウト動物を提供するものであるため、病理学的研究や新治療法の開発に用いる実験動物の製造、新薬の創製をはじめとする多くの産業分野において利用可能である。

図面の簡単な説明

0028

図1Aは、成体雄性キメラ個体(生後8週目)から得られた精巣の写真である。図1A’は同じ精巣を励起光下で観察したものである。蛍光が精巣全体に見られた。図1Bは、図1Aに示す精巣から得られた輸精管の写真である。図1B’は同じ輸精管を励起光下で観察したものである。図1Cは、図1Bに示す輸精管の蛍光を発しない部分から得た精子に由来する子孫(左3匹)および蛍光を発する部分に由来する子孫(右3匹)の写真である。図1C’は同じ子孫を励起光下で観察したものである。

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