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技術 委託保証金・委託証拠金自動維持システム及び委託保証金・委託証拠金の自動維持方法

出願人 カブドットコム証券株式会社
発明者 齋藤正勝
出願日 2005年2月9日 (15年9ヶ月経過) 出願番号 2005-032923
公開日 2006年8月24日 (14年3ヶ月経過) 公開番号 2006-221331
状態 特許登録済
技術分野 金融・保険関連業務,支払い・決済
主要キーワード ヘッダーレコード 維持条件 論理チェック 取引ルール 最低保証 維持システム 手持ち資金 諸経費
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

信用取引における委託保証金、又は先物オプション取引における委託証拠金について、残高の上限や下限を定めて一定水準に維持することが可能な、委託保証金・委託証拠金自動維持システムを提供する。

解決手段

アプリケーションサーバ11は、営業日毎取引時間終了後に預り資産評価プログラム起動して値洗い処理を実行し、信用取引口座を開設している顧客については、信用取引管理プログラムによって委託保証金維持率等を算出する。顧客・注文データベース13から取得する取引基本情報の一部には、委託保証金を一定水準に維持する維持契約の有無と維持条件が含まれていて、維持契約が有る場合は、維持条件に従って委託保証金の過不足を算出する。入出金が必要な場合は、銀行システム30に不足金額口座振替依頼超過金額振込依頼が送信される。

概要

背景

顧客から証券取引委託を受ける証券会社では、株式等の売買代金決済するための顧客からの預り金、株式の信用取引のための委託保証金株価指数等の先物オプション取引のための委託証拠金などの資金を、顧客からを受け入れている。これらの預り金や保証金は、それぞれの受け入れの目的によって、また証券会社毎のルールによって、維持しなければならない水準が定められている。

例えば、売買代金を決済するための預り金については、各々の証券会社が定めるルールによって買い注文の可能な範囲が異なることになっている。約定予定金額預り金残高の範囲内でないと買い注文を受け付けない証券会社もあれば、保有株式などの預り資産全体から買い注文の受付可能額を決定し、預り金が決済金額に満たない場合には受渡日までに不足金額入金を求める証券会社もある。

顧客が維持する預り金の残高水準は、かかる証券会社の取引条件によって異なることが通常であり、前者のケースで急な買い注文を発注できるようにするためには、預り金の残高を比較的高水準に維持しておかなければならない。しかしながら、証券会社の預り金に手持ち資金を集中することができない場合も少なくないため、例えば、顧客が指定する預金口座の残高を預り金と同様にみなして買い注文の発注可能額を決定し、売買代金の決済に必要な金額を預金口座においてフリーズして、決済金額の確定後に必要金額を預金口座から移動させる発明が開示されている(特許文献1参照。)。

また、後者のケースでは、預り金の残高は比較的低水準に維持しながら、不足金が生じるごとに振込み等により証券会社への送金が行われているケースが少なくない。このようなケースにおいて、不足金が生じる都度、顧客が振込み等の手続を行うのは手間となるため、預り金のみでは決済代金に足りずに不足金額が発生した場合には、予め顧客が指定した預金口座からの口座振替によって、不足金額を自動的に引落自動引落サービスが提供されている。

特開2003−63522号公報

概要

信用取引における委託保証金、又は先物・オプション取引における委託証拠金について、残高の上限や下限を定めて一定水準に維持することが可能な、委託保証金・委託証拠金自動維持システムを提供する。アプリケーションサーバ11は、営業日毎取引時間終了後に預り資産評価プログラム起動して値洗い処理を実行し、信用取引口座を開設している顧客については、信用取引管理プログラムによって委託保証金維持率等を算出する。顧客・注文データベース13から取得する取引基本情報の一部には、委託保証金を一定水準に維持する維持契約の有無と維持条件が含まれていて、維持契約が有る場合は、維持条件に従って委託保証金の過不足を算出する。入出金が必要な場合は、銀行システム30に不足金額の口座振替依頼超過金額の振込依頼が送信される。

目的

本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、信用取引における証券会社への委託保証金、又は先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金について、残高の上限や下限を定めて一定水準に維持することが可能な、証券会社のコンピュータシステムに備えられる委託保証金・委託証拠金自動維持システム、及び証券会社のコンピュータシステムにより実行される委託保証金・委託証拠金の自動維持方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

信用取引における証券会社への委託保証金を所定の水準に維持するための委託保証金自動維持システムであって、顧客が委託保証金についての資金移動のために予め指定した預金口座に関する情報を含む顧客の基本情報を格納する顧客情報格納手段と、委託保証金を所定の水準に維持するための維持条件合致すると前記預金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納手段と、信用取引の建玉、委託保証金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納手段と、前記預り資産情報格納手段から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価手段と、前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価手段が評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定手段と、前記資金移動判定手段において資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額と、前記顧客情報格納手段より取得した顧客の基本情報に含まれる前記預金口座に関する情報から、前記必要移動金額の資金移動処理金融機関システムに指示するための指示電文を作成する指示電文作成手段と、前記指示電文を金融機関システムに送信する指示電文送信手段と、を備えることを特徴とする委託保証金自動維持システム。

請求項2

前記維持条件には、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率を所定の値以上に維持することが定められていて、前記預り資産評価手段は、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から保証金率を算出して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座から振替処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とする請求項1記載の委託保証金自動維持システム。

請求項3

前記維持条件には、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率を所定の値以下に維持することが定められていて、前記預り資産評価手段は、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から保証金率を算出して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座に振込処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とする請求項1又は2記載の委託保証金自動維持システム。

請求項4

前記維持条件には、委託保証金を証券会社が指定する委託保証金の最低限度額から一定額以上の金額に維持することが定められていて、前記預り資産評価手段は、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出される前記最低限度額から一定額以上の金額とを対比して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座から振替処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とする請求項1記載の委託保証金自動維持システム。

請求項5

前記維持条件には、委託保証金を証券会社が指定する委託保証金の最低限度額から一定額以下の金額に維持することが定められていて、前記預り資産評価手段は、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出される前記最低限度額から一定額以下の金額とを対比して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座に振込処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とする請求項1又は4記載の委託保証金自動維持システム。

請求項6

信用取引における証券会社への委託保証金を所定の水準に維持するための委託保証金の自動維持方法であって、顧客が委託保証金についての資金移動のために予め指定した預金口座に関する情報を含む顧客の基本情報を格納する顧客情報格納部と、委託保証金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると前記預金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納部と、信用取引の建玉、委託保証金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納部と、を備える証券会社のコンピュータシステムが、前記預り資産情報格納部から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価ステップと、前記コンピュータシステムが、前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価ステップで評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定ステップと、前記コンピュータシステムが、前記資金移動判定ステップにおいて資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額と、前記顧客情報格納部より取得した顧客の基本情報に含まれる前記預金口座に関する情報から、前記必要移動金額の資金移動処理を金融機関システムに指示するための指示電文を作成する指示電文作成ステップと、前記コンピュータシステムが、前記指示電文を金融機関システムに送信する指示電文送信ステップと、を有することを特徴とする委託保証金の自動維持方法。

請求項7

前記維持条件には、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率を所定の値以上に維持することが定められていて、前記預り資産評価ステップにおいては、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から保証金率を算出して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座から振替処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とする請求項6記載の委託保証金の自動維持方法。

請求項8

前記維持条件には、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率を所定の値以下に維持することが定められていて、前記預り資産評価ステップにおいては、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から保証金率を算出して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座に振込処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とする請求項6又は7記載の委託保証金の自動維持方法。

請求項9

前記維持条件には、委託保証金を証券会社が指定する委託保証金の最低限度額から一定額以上の金額に維持することが定められていて、前記預り資産評価ステップにおいては、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出される前記最低限度額から一定額以上の金額とを対比して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座から振替処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とする請求項6記載の委託保証金の自動維持方法。

請求項10

前記維持条件には、委託保証金を証券会社が指定する委託保証金の最低限度額から一定額以下の金額に維持することが定められていて、前記預り資産評価ステップにおいては、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出される前記最低限度額から一定額以下の金額とを対比して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座に振込処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とする請求項6又は9記載の委託保証金の自動維持方法。

請求項11

信用取引における証券会社への委託保証金を所定の水準に維持するための委託保証金自動維持システムであって、委託保証金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると顧客からの預り金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納手段と、信用取引の建玉、委託保証金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納手段と、前記預り資産情報格納手段から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価手段と、前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価手段が評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預り金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定手段と、前記資金移動判定手段において資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額について、前記預り金口座との資金移動処理を実行する資金移動処理手段と、を備えることを特徴とする委託保証金自動維持システム。

請求項12

信用取引における証券会社への委託保証金を所定の水準に維持するための保証金の委託自動維持方法であって、委託保証金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると顧客からの預り金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納部と、信用取引の建玉、委託保証金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納部と、を備える証券会社のコンピュータシステムが、前記預り資産情報格納部から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価ステップと、前記コンピュータシステムが、前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価ステップで評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預り金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定ステップと、前記コンピュータシステムが、前記資金移動判定ステップにおいて資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額について、前記預り金口座との資金移動処理を実行する資金移動処理ステップと、を有することを特徴とする委託保証金の自動維持方法。

請求項13

先物オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための委託証拠金自動維持システムであって、顧客が委託証拠金についての資金移動のために予め指定した預金口座に関する情報を含む顧客の基本情報を格納する顧客情報格納手段と、委託証拠金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると前記預金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納手段と、先物・オプション取引の建玉、委託証拠金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納手段と、前記預り資産情報格納手段から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価手段と、前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価手段が評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定手段と、前記資金移動判定手段において資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額と、前記顧客情報格納手段より取得した顧客の基本情報に含まれる前記預金口座に関する情報から、前記必要移動金額の資金移動処理を金融機関システムに指示するための指示電文を作成する指示電文作成手段と、前記指示電文を金融機関システムに送信する指示電文送信手段と、を備えることを特徴とする委託証拠金自動維持システム。

請求項14

先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための委託証拠金の自動維持方法であって、顧客が委託証拠金についての資金移動のために予め指定した預金口座に関する情報を含む顧客の基本情報を格納する顧客情報格納部と、委託証拠金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると前記預金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納部と、先物・オプション取引の建玉、委託証拠金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納部と、を備える証券会社のコンピュータシステムが、前記預り資産情報格納部から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価ステップと、前記コンピュータシステムが、前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価ステップで評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定ステップと、前記コンピュータシステムが、前記資金移動判定ステップにおいて資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額と、前記顧客情報格納部より取得した顧客の基本情報に含まれる前記預金口座に関する情報から、前記必要移動金額の資金移動処理を金融機関システムに指示するための指示電文を作成する指示電文作成ステップと、前記コンピュータシステムが、前記指示電文を金融機関システムに送信する指示電文送信ステップと、を有することを特徴とする委託証拠金の自動維持方法。

請求項15

先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための委託証拠金自動維持システムであって、委託証拠金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると顧客からの預り金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納手段と、先物・オプション取引の建玉、委託証拠金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納手段と、前記預り資産情報格納手段から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価手段と、前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価手段が評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預り金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定手段と、前記資金移動判定手段において資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額について、前記預り金口座との資金移動処理を実行する資金移動処理手段と、を備えることを特徴とする委託証拠金自動維持システム。

請求項16

先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための委託証拠金の自動維持方法であって、委託証拠金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると顧客からの預り金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納部と、先物・オプション取引の建玉、委託証拠金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納部と、を備える証券会社のコンピュータシステムが、前記預り資産情報格納部から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価ステップと、前記コンピュータシステムが、前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価ステップで評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預り金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定ステップと、前記コンピュータシステムが、前記資金移動判定ステップにおいて資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額について、前記預り金口座との資金移動処理を実行する資金移動処理ステップと、を有することを特徴とする委託証拠金の自動維持方法。

技術分野

0001

本発明は、信用取引における証券会社への委託保証金、又は先物オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための、証券会社のコンピュータシステムに備えられる委託保証金・委託証拠金自動維持システム、及び証券会社のコンピュータシステムにより実行される委託保証金・委託証拠金の自動維持方法に関するものである。

背景技術

0002

顧客から証券取引委託を受ける証券会社では、株式等の売買代金決済するための顧客からの預り金、株式の信用取引のための委託保証金、株価指数等の先物・オプション取引のための委託証拠金などの資金を、顧客からを受け入れている。これらの預り金や保証金は、それぞれの受け入れの目的によって、また証券会社毎のルールによって、維持しなければならない水準が定められている。

0003

例えば、売買代金を決済するための預り金については、各々の証券会社が定めるルールによって買い注文の可能な範囲が異なることになっている。約定予定金額預り金残高の範囲内でないと買い注文を受け付けない証券会社もあれば、保有株式などの預り資産全体から買い注文の受付可能額を決定し、預り金が決済金額に満たない場合には受渡日までに不足金額入金を求める証券会社もある。

0004

顧客が維持する預り金の残高水準は、かかる証券会社の取引条件によって異なることが通常であり、前者のケースで急な買い注文を発注できるようにするためには、預り金の残高を比較的高水準に維持しておかなければならない。しかしながら、証券会社の預り金に手持ち資金を集中することができない場合も少なくないため、例えば、顧客が指定する預金口座の残高を預り金と同様にみなして買い注文の発注可能額を決定し、売買代金の決済に必要な金額を預金口座においてフリーズして、決済金額の確定後に必要金額を預金口座から移動させる発明が開示されている(特許文献1参照。)。

0005

また、後者のケースでは、預り金の残高は比較的低水準に維持しながら、不足金が生じるごとに振込み等により証券会社への送金が行われているケースが少なくない。このようなケースにおいて、不足金が生じる都度、顧客が振込み等の手続を行うのは手間となるため、預り金のみでは決済代金に足りずに不足金額が発生した場合には、予め顧客が指定した預金口座からの口座振替によって、不足金額を自動的に引落自動引落サービスが提供されている。

0006

特開2003−63522号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上記の2つの例は、いずれも株式等の売買代金を決済するための預り金に関するものであるが、証券会社ではこの他に、株式の信用取引を行う顧客に対しては委託保証金を、株価指数等の先物・オプション取引を行う顧客に対しては委託証拠金を差し入れることを求めている。信用取引の委託保証金と先物・オプション取引の委託証拠金は、いずれも必要水準の考え方は共通するものであるので、以下では信用取引の委託保証金について説明する。

0008

株式の信用取引とは、証券会社に委託保証金を担保として差し入れることにより、その担保に対して許容される範囲内において、資金を借りて株を買う、又は株券を借りて売る、といった取引のことである。この委託保証金の法定下限が現在は30万円と定められている他、証券会社は委託保証金に応じて取引可能な範囲を定めていて、取引可能額に対する委託保証金の比率(委託保証金率)を33%、つまり差し入れた委託保証金の約3倍までの取引を可能としている証券会社が一般的である。例えば、図1に示したように、100万円の委託保証金を差し入れたとすると、303万円までの取引が可能になる。尚、信用取引において、借り入れた資金により保有する株式や借り入れた株式など、未決済の株式の残高を建玉と呼んでいる。

0009

ここで差し入れた委託保証金については、信用取引を行った建玉が値下がりして含み損が発生した場合、委託保証金の額が評価損の分だけマイナスして評価されるというルールが存在する。委託保証金の評価額が減じられた場合、その評価額に対して取引可能な範囲も減じられることとなるため、建玉の評価額が委託保証金に対する取引可能額を超える場合には、委託保証金率を満たすように追加で担保を差し入れること(追証)が必要になる。尚、委託保証金の評価額に対する取引可能額の算出には、委託保証金率より若干低い水準(例えば委託保証金率33%に対して30%)の最低保証維持率が定められることが一般的である。

0010

図2は、図1の例で100万円の委託保証金を差し入れて300万円の株式を購入したところ、株価が下がって30万円の含み損が発生した例を示している。この例では、含み損の30万円が委託保証金の評価から差し引かれ、委託保証金の評価額は70万円となる。ところが、70万円の委託保証金に対して30%の最低保証金維持率から取引可能な金額は233万円となるため、委託保証金が不足して追証が発生することになる。追証の金額は図3のように算出され、300万円の建玉に対して委託保証金率の33%となる99万円の評価額となるように、29万円の委託保証金を追加入金することが求められる(尚、この例では諸経費等を考慮していない。)。

0011

委託保証金については、現金の他に、保有する株式を代用証券として差し入れることも可能である。株式を代用証券として差し入れる場合の評価額は、上場株式であれば時価の80%として評価するのが一般的であるが、担保として差し入れた株式の値下がりによっても、委託保証金の評価額が減じられることになる。

0012

例えば、図4のように100万円の評価額の代用証券を委託保証金として差し入れて、300万円の株式を購入したケースで、図5のように代用証券が20%値下がりして、20万円の評価損が発生したとする。この場合、委託保証金の評価額は80万円となるので、30%の最低保証金維持率から取引可能な金額は267万円となり、委託保証金が不足して追証が発生することになる。追証の金額は図6のように算出され、300万円の建玉に対して委託保証金率の33%となる99万円の評価額となるように、19万円の委託保証金を追加入金することが求められる(この例でも諸経費等は考慮していない。)。

0013

このように、顧客が差し入れなければならない委託保証金の金額は、建玉や代用証券の評価によって変動し、株価の値下がりで建玉や代用証券の評価額が減じられた場合には、追加で委託保証金を入金することが必要な場合が発生する。これを先に説明した株式等の売買代金を決済するための預り金と比較すると、預り金の不足は新たな買注文の約定によって発生するのに対し、委託保証金の不足は株価の下落による建玉や代用証券の評価損によって発生するという相違点を有している。従って、前記特許文献1や決済資金の自動引落サービスをそのまま用いるだけでは、銀行預金を委託保証金とみなして過不足を判定したり、追証を自動的に引き落としたりすることはできない。

0014

また、買注文が約定しないと不足が生じない預り金は、顧客が買注文を行わない限りは追加入金の必要も生じないのに対し、委託保証金は建玉や代用証券の評価減によって発生するため、顧客が何らアクションをとらなくても発生することが少なくないため、顧客にとって必要入金額の発生を予測しにくいという性質を有している。従って、不足が生じた場合の入金額についても、預り金のケースと比較すると、ある程度余裕を持った水準まで追証を差し入れておきたいというニーズが生じやすく、取引ルール上必要な金額を入金するのみでなく、余裕を持たせた水準に顧客が任意に入金額を設定できることが好ましい。

0015

さらに、委託保証金の水準は必ずしも高水準に維持することが好ましいというわけではない。委託保証金には分配金利息が付されないことが通常なので、実際に信用取引を行う以上に委託保証金を差し入れても、運用資産の効率が低下する恐れがある。そこで、委託保証金が一定以上の水準に達した場合には、その一部を一旦顧客の預金口座に振替えて、他の運用手段に振り分けたいというニーズも存在している。

0016

本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、信用取引における証券会社への委託保証金、又は先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金について、残高の上限や下限を定めて一定水準に維持することが可能な、証券会社のコンピュータシステムに備えられる委託保証金・委託証拠金自動維持システム、及び証券会社のコンピュータシステムにより実行される委託保証金・委託証拠金の自動維持方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0017

本願にかかる課題を解決する第1の発明は、信用取引における証券会社への委託保証金を所定の水準に維持するための委託保証金自動維持システムであって、顧客が委託保証金についての資金移動のために予め指定した預金口座に関する情報を含む顧客の基本情報を格納する顧客情報格納手段と、委託保証金を所定の水準に維持するための維持条件合致すると前記預金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納手段と、信用取引の建玉、委託保証金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納手段と、前記預り資産情報格納手段から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価手段と、前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価手段が評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定手段と、前記資金移動判定手段において資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額と、前記顧客情報格納手段より取得した顧客の基本情報に含まれる前記預金口座に関する情報から、前記必要移動金額の資金移動処理金融機関システムに指示するための指示電文を作成する指示電文作成手段と、前記指示電文を金融機関システムに送信する指示電文送信手段と、を備えることを特徴とする委託保証金自動維持システムである。

0018

前記維持条件には、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率を所定の値以上に維持することが定められていて、前記預り資産評価手段は、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から保証金率を算出して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座から振替処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とすることもできる。前記維持条件には、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率を所定の値以下に維持することが定められていて、前記預り資産評価手段は、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から保証金率を算出して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座に振込処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴としてもよい。

0019

前記維持条件には、委託保証金を証券会社が指定する委託保証金の最低限度額から一定額以上の金額に維持することが定められていて、前記預り資産評価手段は、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出される前記最低限度額から一定額以上の金額とを対比して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座から振替処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とすることもできる。前記維持条件には、委託保証金を証券会社が指定する委託保証金の最低限度額から一定額以下の金額に維持することが定められていて、前記預り資産評価手段は、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出される前記最低限度額から一定額以下の金額とを対比して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成手段は、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座に振込処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴としてもよい。

0020

第1の発明においては、委託保証金の残高を一定水準に維持することを希望する顧客を判別するために自動維持契約が有ることを顧客情報として登録し、最低保証金維持率を割り込んでいないかを確認するための日々の建玉等の値洗い処理保有資産を時価を反映して再評価する処理)を行う際に、かかる情報の検出された顧客については維持条件との照合処理を実行するよう構成している。かかる構成によって、値洗いを行う際に、保証金維持率に対する不足の有無のみでなく、維持条件に合致させるための必要金額についての資金移動を自動的に実行することが可能になる。

0021

委託保証金の維持条件の基準をどのように定めるかについて特に限定されるものではないが、上記のように、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率や、証券会社が指定する委託保証金の最低限度額を基準として維持条件を設定すれば、顧客は委託保証金の水準を把握しやすくなるものと考えられる。

0022

維持条件に過不足が生じた場合の資金移動処理の一般的な方法としては、建玉や代用証券の評価減等によって委託保証金が所定の基準値に不足する場合は、預金口座からの口座振替によって委託保証金に資金移動を行い、建玉や代用証券の評価増等によって委託保証金が所定の基準値を超過する場合は、預金口座への口座振込によって預り金からの資金移動を行うことが好ましいが、資金移動処理にはデビット決済など他の方法を用いてもよく、特に限定されるものではない。

0023

本発明の対象となる委託保証金は、通常は証券会社の社内勘定において区分されるものであり、証券会社の勘定処理上は、委託保証金の入出金は顧客の預り金勘定を一旦経由して振替えられることが一般的であるが、顧客の預金口座との間で資金移動が行われるものであれば、勘定の区分については特に限定されるものではない。また、資金移動を行う預金口座は、通常は銀行に開設された普通預金や当座預金が該当するが、口座振替や振込等に利用可能な口座であれば、特に限定されるものではない。

0024

本願にかかる課題を解決する第2の発明は、信用取引における証券会社への委託保証金を所定の水準に維持するための委託保証金自動維持システムであって、委託保証金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると顧客からの預り金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納手段と、信用取引の建玉、委託保証金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納手段と、前記預り資産情報格納手段から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価手段と、前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価手段が評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預り金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定手段と、前記資金移動判定手段において資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額について、前記預り金口座との資金移動処理を実行する資金移動処理手段と、を備えることを特徴とする委託保証金自動維持システムである。

0025

第2の発明も、委託保証金の残高を一定水準に維持することを希望する顧客を判別するために自動維持契約が有ることを顧客情報として登録し、日々の建玉等の値洗い処理を行う際にかかる情報の検出された顧客については維持条件との照合処理を実行するよう構成した点においては第1の発明と同様であるが、過不足が生じた場合の資金移動を銀行等の預金口座との間で行うのではなく、証券会社の預り金勘定との間で行うこととしている。

0026

本願にかかる課題を解決する第3の発明は、先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための委託証拠金自動維持システムであって、顧客が委託証拠金についての資金移動のために予め指定した預金口座に関する情報を含む顧客の基本情報を格納する顧客情報格納手段と、委託証拠金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると前記預金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納手段と、先物・オプション取引の建玉、委託証拠金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納手段と、前記預り資産情報格納手段から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価手段と、前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価手段が評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定手段と、前記資金移動判定手段において資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額と、前記顧客情報格納手段より取得した顧客の基本情報に含まれる前記預金口座に関する情報から、前記必要移動金額の資金移動処理を金融機関システムに指示するための指示電文を作成する指示電文作成手段と、前記指示電文を金融機関システムに送信する指示電文送信手段と、を備えることを特徴とする委託証拠金自動維持システムである。

0027

第3の発明は、先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を対象に、第1の発明と同様の構成によって委託証拠金を一定水準に自動維持することを可能にするものである。

0028

本願にかかる課題を解決する第4の発明は、先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための委託証拠金自動維持システムであって、委託証拠金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると顧客からの預り金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納手段と、先物・オプション取引の建玉、委託証拠金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納手段と、前記預り資産情報格納手段から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価手段と、前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価手段が評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納手段に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預り金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定手段と、前記資金移動判定手段において資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額について、前記預り金口座との資金移動処理を実行する資金移動処理手段と、を備えることを特徴とする委託証拠金自動維持システムである。

0029

第4の発明は、先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を対象に、第2の発明と同様の構成によって委託証拠金を一定水準に自動維持することを可能にするものである。

0030

また、第1の発明乃至第4の発明にかかる委託保証金・委託証拠金自動維持システムは、各々の発明にかかる委託保証金・委託証拠金自動維持システムを用いた委託保証金・委託証拠金の自動維持方法として把握することもできる。

0031

つまり、第1の発明に対応する委託保証金の自動維持方法は、信用取引における証券会社への委託保証金を所定の水準に維持するための委託保証金の自動維持方法であって、顧客が委託保証金についての資金移動のために予め指定した預金口座に関する情報を含む顧客の基本情報を格納する顧客情報格納部と、委託保証金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると前記預金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納部と、信用取引の建玉、委託保証金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納部と、を備える証券会社のコンピュータシステムが、前記預り資産情報格納部から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価ステップと、前記コンピュータシステムが、前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価ステップで評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定ステップと、前記コンピュータシステムが、前記資金移動判定ステップにおいて資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額と、前記顧客情報格納部より取得した顧客の基本情報に含まれる前記預金口座に関する情報から、前記必要移動金額の資金移動処理を金融機関システムに指示するための指示電文を作成する指示電文作成ステップと、前記コンピュータシステムが、前記指示電文を金融機関システムに送信する指示電文送信ステップと、を有することを特徴とする委託保証金の自動維持方法である。

0032

前記維持条件には、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率を所定の値以上に維持することが定められていて、前記預り資産評価ステップにおいては、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から保証金率を算出して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座から振替処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とすることもできる。前記維持条件には、委託保証金の建玉に対する比率である保証金率を所定の値以下に維持することが定められていて、前記預り資産評価ステップにおいては、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から保証金率を算出して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座に振込処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴としてもよい。

0033

前記維持条件には、委託保証金を証券会社が指定する委託保証金の最低限度額から一定額以上の金額に維持することが定められていて、前記預り資産評価ステップにおいては、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出される前記最低限度額から一定額以上の金額とを対比して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座から振替処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴とすることもできる。前記維持条件には、委託保証金を証券会社が指定する委託保証金の最低限度額から一定額以下の金額に維持することが定められていて、前記預り資産評価ステップにおいては、信用取引の建玉がある場合は前記建玉の評価額を、委託保証金の代用証券がある場合は前記代用証券の評価額を算出し、前記資金移動判定ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出される前記最低限度額から一定額以下の金額とを対比して前記維持条件に合致しているかを確認し、前記指示電文作成ステップにおいては、前記代用証券の評価額を含む委託保証金の評価額と前記建玉の評価額から算出された前記維持条件を充足するための必要移動金額について、前記預金口座に振込処理を行うことを指示する指示電文を作成することを特徴としてもよい。

0034

第2の発明に対応する委託保証金の自動維持方法は、信用取引における証券会社への委託保証金を所定の水準に維持するための保証金の委託自動維持方法であって、委託保証金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると顧客からの預り金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納部と、信用取引の建玉、委託保証金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納部と、を備える証券会社のコンピュータシステムが、前記預り資産情報格納部から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価ステップと、前記コンピュータシステムが、前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価ステップで評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預り金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定ステップと、前記コンピュータシステムが、前記資金移動判定ステップにおいて資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額について、前記預り金口座との資金移動処理を実行する資金移動処理ステップと、を有することを特徴とする委託保証金の自動維持方法である。

0035

第3の発明に対応する委託証拠金の自動維持方法は、先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための委託証拠金の自動維持方法であって、顧客が委託証拠金についての資金移動のために予め指定した預金口座に関する情報を含む顧客の基本情報を格納する顧客情報格納部と、委託証拠金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると前記預金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納部と、先物・オプション取引の建玉、委託証拠金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納部と、を備える証券会社のコンピュータシステムが、前記預り資産情報格納部から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価ステップと、前記コンピュータシステムが、前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価ステップで評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定ステップと、前記コンピュータシステムが、前記資金移動判定ステップにおいて資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額と、前記顧客情報格納部より取得した顧客の基本情報に含まれる前記預金口座に関する情報から、前記必要移動金額の資金移動処理を金融機関システムに指示するための指示電文を作成する指示電文作成ステップと、前記コンピュータシステムが、前記指示電文を金融機関システムに送信する指示電文送信ステップと、を有することを特徴とする委託証拠金の自動維持方法である。

0036

第4の発明に対応する委託証拠金の自動維持方法は、先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金を所定の水準に維持するための委託証拠金の自動維持方法であって、委託証拠金を所定の水準に維持するための維持条件に合致すると顧客からの預り金口座との間で資金移動を行うことを定める自動維持契約の有無と、前記維持条件に関する情報を含む顧客の取引情報を格納する取引情報格納部と、先物・オプション取引の建玉、委託証拠金の代用証券の少なくとも一つを含む前記顧客の預り資産に関する情報を格納する預り資産情報格納部と、を備える証券会社のコンピュータシステムが、前記預り資産情報格納部から顧客の預り資産に関する情報を取得して、前記預り資産の時価を反映した預り資産の評価額を算出する預り資産評価ステップと、前記コンピュータシステムが、前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記自動維持契約の有無から自動維持契約有りと判定された顧客について、前記預り資産評価ステップで評価した預り資産の評価額を用いて前記取引情報格納部に格納された取引情報に含まれる前記維持条件に合致しているかを確認して、前記預り金口座との資金移動の要否を判定する資金移動判定ステップと、前記コンピュータシステムが、前記資金移動判定ステップにおいて資金移動を要と判定された場合に、前記預り資産の評価額及び前記維持条件から算出された必要移動金額について、前記預り金口座との資金移動処理を実行する資金移動処理ステップと、を有することを特徴とする委託証拠金の自動維持方法である。

発明の効果

0037

本発明により、証券会社に委託された信用取引における証券会社への委託保証金、又は先物・オプション取引における証券会社への委託証拠金について、それぞれの顧客の希望に応じて、上限や下限を定めて委託保証金又は委託証拠金を一定水準に維持することが可能になる。顧客にとっては、委託保証金や委託証拠金の不足による追証の発生を未然に防止することができるとともに、委託保証金や委託保証金の余裕部分をより効率的に運用することが可能になる。証券会社にとっては、信用取引や先物・オプション取引を行う顧客の多様なニーズに応じることが可能になる。

発明を実施するための最良の形態

0038

本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明では、証券会社に委託された信用取引の委託保証金と銀行の普通預金口座の間で資金移動を行う例について説明するが、以下の説明における資金移動手段等は本発明の実施形態の一例であって、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。また、先物・オプション取引の委託証拠金を対象にする場合も、対象となる資産を置き換えることで同様の実施形態を実施することが可能である。

0039

図1図6は、信用取引における委託保証金の必要金額を算出する方法を示す、それぞれ第1〜第6の図である。図7は、本発明にかかる委託保証金自動維持システムの実施形態の概要を示す図である。図8は、本発明にかかる委託保証金自動維持システムの構成を示すブロック図である。図9図10は、本発明にかかる委託保証金自動維持システムにおける、それぞれ顧客基本情報テーブル、取引基本情報テーブルの一例を示す図である。図11図13は、本発明にかかる委託保証金自動維持システムの処理フローを示すそれぞれ第1〜第3のフローチャートである。図14は、顧客端末に表示される建玉可能額と委託保証金維持率等を示す画面の一例を示す図である。このうち、図1〜6については、本発明の前提となる委託保証金の算出方法について解決課題において説明したので、ここでは図7図14を用いて説明する。

0040

図7において、本発明にかかる委託保証金自動維持システムは、証券会社システムの一部として構成されている。証券会社システムには、パーソナルコンピュータ携帯電話などの顧客端末からインターネットを通じてアクセスすることが可能であり、顧客端末から株式等の売買注文を受け付けると、注文情報注文データベースに書き込まれるとともに、委託を受けた注文は取引所システムに発注される。

0041

顧客が取引を行った結果、保有することとなった建玉や代用証券を含む株式等に関する情報については、預り資産として顧客データベースに格納される。顧客の預り資産については、取引時間の終了後に当日終値基準の時価を反映した値洗い処理を行い、預り資産の評価額が更新される。信用取引口座を開設している顧客については、建玉、代用証券の値洗い処理から委託保証金の過不足を算出し、追証が発生した場合には顧客に委託保証金の追加入金依頼通知する。先物・オプション取引口座を開設している顧客についても同様に、委託証拠金に不足が生じた場合には顧客に委託証拠金の追加入金依頼を通知する。

0042

委託保証金の追加入金は、通常は銀行振込や口座振替によって行われ、振込入金や口座振替の結果が銀行システムから証券会社システムに通知される。追加入金額が証券会社の指定口座に入金されたことが確認されると、証券会社システムでは入金金額を顧客の委託保証金勘定に振替えて、顧客データベースの委託保証金残高を更新する。この際の証券会社での勘定の振替は、当該顧客の預り金勘定に一旦振替えた後に、預り金から委託保証金への振替を行うこととしてもよい。尚、先物・オプション取引の委託証拠金を対象とする場合にも、同様の処理が行われる。

0043

ここで本発明においては、追証が発生することを未然に防止するために、値洗い処理を行った建玉等の評価額から委託保証金について所定の維持条件に対して不足が生じていないかを確認し、追証が発生する前のタイミングの委託保証金が所定の水準を下回ることとなった時点で、顧客の指定する預金口座から所定の水準を維持し得る金額を自動的に引き落とす処理を実行する。逆に、委託保証金が過剰な水準に達して資金運用の効率が低下することを防止するために、値洗い処理を行った建玉等の評価額から委託保証金について所定の維持条件に対して超過が生じていないかを確認し、委託保証金が所定の水準を上回ることとなった場合には、顧客の指定する預金口座へ所定の水準を超過して余剰となった委託保証金を振込む処理を実行する。本発明を先物・オプション取引の委託証拠金に適用する場合にも、同様の処理が行われる。

0044

さらに具体的には、維持条件に対して不足が生じる場合は、顧客が予め指定した預金口座から、口座振替によって委託保証金(又は委託保証金に振替えるための預り金)に不足資金を入金するように、口座振替を依頼するための標準フォーマット(通常は全銀フォーマット)の電文を作成して、銀行システムに対して送信する。維持条件を超過する場合には、顧客が予め指定した預金口座に振込によって超過分を入金するように、振込を依頼するための標準フォーマット(通常は全銀フォーマット)の電文を作成して、銀行システムに対して送信する。

0045

口座振替や振込の依頼を受け付けた銀行システムは、標準フォーマットの電文の内容に基づいて、所定の預金口座の口座ファイル記帳を行う。所定の期日に口座振替の振替金額に預金口座の残高が不足している場合には、振替ができないことが証券会社システムに通知される。尚、顧客が預金口座の残高確認や入出金を行う際には、パーソナルコンピュータや携帯電話を用いたインターネットバンキングATMを利用して、銀行システムにアクセスすることができる。

0046

図8を用いて、本発明にかかる預り金自動維持システムの構成と動作について説明する。本発明にかかる委託保証金自動維持システムは証券会社システム10の一部として構成されるが、証券会社システム10は、ネットワークを通じて顧客端末40等とのデータ通信を制御するためのゲートウェイサーバ11、証券会社のサービス執行するための様々なアプリケーションを動作させるアプリケーションサーバ12、証券会社が受け付けた注文に関する情報や顧客に関する情報等を格納する注文・顧客データベース13、取引所システム20やマーケット情報提供システム50から最新株価情報等を取得して顧客への株価情報の提供等を行う時価情報管理サーバ14を、少なくとも含んで構成されている。

0047

注文・顧客データベース13には、顧客の氏名、住所年齢投資経験等の顧客属性に関する基本情報、有料情報提供サービス申込状況、信用取引口座の開設の有無等の取引条件に関する基本情報、顧客から受け付けた注文の注文内容約定状況に関する注文情報、顧客が保有する現物株や建玉等の預り資産に関する情報などが格納されている。ここで本発明においては、取引基本情報を記憶するテーブルに、図10の例に示した情報が含まれることを特徴としている。

0048

図9は、顧客基本情報テーブルの一例を示しているが、口座単位で設けられたレコードには、入金時の口座振替や出金時の振込に用いられる指定口座に関する情報が記憶されている。図10は、取引基本情報テーブルの一例を示しているが、口座単位で設けられたレコードには、委託保証金の残高を一定水準に維持するための「保証金自動維持契約」の有無と、委託保証金を維持する水準についての維持条件が記憶されている。維持条件については、委託保証金の上限と下限それぞれ設定するフィールドに、保証金維持率(建玉に対する委託保証金の比率)ベース、又は最低保証金維持率を維持するための必要保証金に対する金額ベースで、条件を登録することができる。

0049

図10の例では、保証金自動維持契約は申込済(=契約有り)となっていて、建玉や代用証券の評価額が減少しても保証金維持率の下限が50%以上になるように不足金額を指定口座から振り替えること、建玉や代用証券の評価額が増加しても保証金維持率の上限が100%以下になるように余剰金額を指定口座に振り込むこと、が維持条件として定められている。維持条件については、最低保証金維持率を維持するための必要保証金の金額を基準にして、例えば「下限条件2」として建玉や代用証券の時価から算出された最低保証金維持率を維持するための必要保証金から30万円以上になるように不足金額を指定口座から振り替えること、「上限条件2」として建玉や代用証券の時価から算出された最低保証金維持率を維持するための必要保証金から100万円以下になるように余剰金額を指定口座に振り込むこと、等を維持条件として定めることもできる。

0050

アプリケーションサーバ12には、営業日毎の取引時間終了後に預り資産の値洗いを行う預り資産評価プログラムと、値洗いが行われた後の建玉や代用証券の評価額を用いて新規建玉可能額や委託保証金の必要金額等を演算する信用取引管理プログラムと、委託保証金に過不足が生じて入出金を行う際に、口座振替依頼振込依頼の電文等を作成して銀行システム30に送信する資金移動処理プログラムが少なくとも格納されている。

0051

アプリケーションサーバ12は、営業日毎に取引時間終了後に預り資産評価プログラムを起動し、注文・顧客データベース13から顧客の預り資産に関する情報を、時価情報管理サーバ14から各々の預り資産の時価情報を取得して、預り資産の時価評価を行う。このような値洗いにかかる処理は全ての口座を対象に行われ、預り資産の時価評価に関するデータは注文・顧客データベース13に格納される。顧客は残高一覧等の画面でこのデータを参照することにより、自ら保有する資産の含み損益の状況を確認することができる。

0052

このうち信用取引口座を開設している顧客については、建玉や代用証券に評価損が生じて最低保証金維持率を割り込んだ場合には追加保証金の入金を依頼しなければならないため、信用取引管理プログラムを起動して、時価評価の行われた建玉や代用証券の評価額から新規建玉の可能額や保証金維持率等を算出、保証金維持率が最低保証金維持率を下回る場合には必要な入金額を算出し、顧客に対して追加保証金の入金を依頼する。

0053

図14は、顧客端末に表示される建玉可能額と委託保証金維持率等を示す画面の一例を示す画面の一例を示したものであるが、受入保証金に代用証券が含まれる場合には代用証券の時価評価額が用いられ、建玉に評価損が生じている場合には保証金維持率は評価損分を反映して算出される。保証金維持率が最低保証金維持率を下回る場合には、例えば顧客がアクセスする専用ページでの表示や電子メール等によって、追証の差入を促すサービスがネット証券等で行われている。

0054

ここで本発明においては、委託保証金維持率等の演算処理時に、注文・顧客データベース13の取引基本情報テーブルで「保証金自動維持契約」の有無を参照して、自動維持契約有りとなっている場合には登録された維持条件に関する情報を取得して、保証金維持率等が維持条件を満たしているかを確認する。

0055

例えば、図10のケースであれば「保証金維持率の下限50%」となっているが、例えば建玉等の時価評価を行った後の保証金維持率が40%となった場合、最低保証金維持率の30%を上回っているため追証は発生しないが、維持条件として設定された50%を下回ることとなるため、保証金維持率を50%以上とするために差額の10%相当が必要入金額として算出される。

0056

このようにして必要入金額が算出されると、必要入金額を顧客が指定した預金口座から口座振替によって引き落すために、アプリケーションサーバ12において資金移動処理プログラムが起動され、口座振替を依頼するための銀行に対する振替指示電文が作成される。振替指示電文には、顧客基本情報テーブルから取得した口座振替を行う預金口座を特定するための金融機関コード・店番・預金種別口座番号に関する情報と、上記のように算出された必要入金額と入金日を用いて、振替を行う口座番号、振替金額、振替日等が指定され、金融機関間の標準フォーマットである全銀フォーマットに従って作成される。

0057

作成された振替指示電文には、送信する電文の論理チェック等に用いられるヘッダーレコード及びトレイラーレコードが付されて、ゲートウェイサーバ11からネットワークを介して銀行システム30に送信される。振替指示電文の送信は、一般的には口座振替契約提携を行っている銀行の銀行システム30に、全銀手順に従って送信されるが、送信方法については特に限定されるものではない。

0058

銀行システム30で振替指示電文を受け付けると、電文の内容をチェックして、口座振替の受付けが可能か否かを確認して、確認結果が証券会社システム10に送信される。証券会社システム10は確認結果を受信して、口座振替が可能である場合は所定の期日の入金処理をセットし、顧客端末40に口座振替について通知を送信する。預金口座の残高不足等で口座振替が不可能である場合は、顧客端末40に口座振替ができなかった旨を通知する。

0059

また、図10のケースでは「保証金維持率の上限100%」という維持条件も指定されているが、例えば建玉等の時価評価を行った後の保証金維持率が110%となった場合、最低保証金維持率の30%を上回っているため追証が発生しないことは勿論であるが、維持条件として設定された100%を上回ることとなるため、保証金維持率を100%以下とするために差額の10%相当が必要出金額として算出される。

0060

このように算出された必要出金額を顧客の指定した預金口座に振込むために、アプリケーションサーバ12は資金移動処理プログラムを起動して、預金口座への振込を依頼するための銀行に対する振込指示電文が作成される。振込指示電文には、顧客基本情報テーブルから取得した振込を行う預金口座を特定するための金融機関コード・店番・預金種別・口座番号に関する情報と、上記のように算出された必要出金額と出金日を用いて、振込を行う口座番号、振込金額振込日等が指定され、金融機関間の標準フォーマットである全銀フォーマットに従って作成される。

0061

以降、振込指示電文を銀行システム30に送信して、結果を受信するフローは口座振替の場合と同様である。顧客の預金口座への振込の場合は、残高不足によるエラーは生じないが、指定された預金口座が存在しない等のケースでは、振込不可の結果を受信する場合がある。

0062

図10の例では、維持条件を保証金維持率ベースで設定しているが、最低保証金維持率を維持するための必要保証金に対する金額ベースで設定することもできる。例えば、保証金下限額を30万円と設定すれば、最低保証金維持率を満たすために必要な保証金に30万円を加えた金額を基準に必要入金額の判定が行われ、保証金上限額を100万円と設定すれば、最低保証金維持率を満たすために必要な保証金に100万円を加えた金額を基準に必要出金額の判定が行われる。このようにして算出された必要入金額又は必要出金額は、上記のケースと同様の手順で入金又は出金処理が行われる。

0063

尚、これまでの説明では、顧客の預金口座からの入金は証券会社の委託保証金勘定用口座への口座振替、顧客の預金口座への出金は証券会社の委託保証金勘定用口座からの振込によって行うこととしているが、証券会社の委託保証金勘定と顧客の預金口座との資金移動はこれらの手段に限定されるものではない。現段階において、顧客、証券会社、銀行の三社間契約による決済手段として利用可能という意味では上記の手段を用いることが好ましいが、デビット決済等の他の手段によっても口座間の資金移動が可能になれば、特に限定されるものではない。

0064

また、証券会社への入金について、どのような勘定で受け入れるかは証券会社内部の問題であるため特に限定されるものではなく、例えば預り金勘定用の口座で入金を受け付けて、証券会社内の勘定で預り金を委託保証金に振替えることとしてもよい。証券会社からの出金についても同様で、証券会社内で委託保証金勘定から預り金勘定に振替えて、預り金勘定用の口座から振込を行うこととしてもよい。

0065

さらに、顧客が証券会社の預り金勘定に十分な残高を積んでいる場合であれば、必要入金額を銀行等の預金口座から引き落とすことなく、証券会社内の預り金から委託保証金への勘定の振替によって、必要出金額を銀行等の預金口座に振り込むのではなく、証券会社内の委託保証金から預り金への勘定の振替によって、維持条件どおりの水準に委託保証金を維持することとして、銀行口座を用いた入出金を行わない形態をとってもよい。

0066

以上の図7図10を用いて説明した信用取引における委託保証金を所定の水準に維持する方法は、先物・オプション取引における委託証拠金についても、委託保証金を委託証拠金と置き換えることによって、同様の方法を適用することができる。

0067

図11図13を用いて、本発明にかかる委託保証金自動維持システムの処理フローについて説明する。尚、以下に説明する処理フローは、委託保証金を委託証拠金と置き換えることによって、先物・オプション取引における委託証拠金にも適用することができる。

0068

証券会社のコンピュータシステムは、営業日の取引時間が終了すると、全ての顧客の取引状況をチェックして、預り資産の値洗い処理を実行する。まず、注文・顧客データベースに格納された預り資産に関する情報から、当日時点での建玉や代用証券を含む預り資産の状況に関する情報を取得する(S01)。また、注文・顧客データベースに格納された執行中の注文に関する情報など、建玉可能額や委託保証金維持率の算出に必要な注文情報を取得する(S02)。

0069

次に、時価情報管理サーバから、各々の建玉や代用証券の時価情報を取得して(S03)、建玉や代用証券の時価評価を行う(S04)。これらの時価評価額と現金で差し入れられている委託保証金から、保証金維持率を演算する(S05)。ここで、注文・顧客データベースに格納された顧客の取引条件に関する基本情報を参照して、当該顧客について自動維持契約を締結しているか否かを確認する(S06)。自動維持契約が無い場合は、追加保証金の要否を判定する通常の処理に移行する。

0070

自動維持契約が有る場合は、注文・顧客データベースに格納された顧客の取引条件に関する基本情報から委託保証金の維持条件を取得し(S07)、委託保証金の下限として設定された維持条件と時価を反映した保証金維持率等とを対比して(S08)、委託保証金が下限金額を下回るかを確認する(S09)。下限金額を下回らない場合、又は下限の条件が設定されていない場合は、上限についての確認処理に移行する。

0071

下限を下回る場合は、委託保証金が下限金額を下回らないための必要入金額を算出する(S10)。算出された必要入金額について、口座振替依頼を行うための銀行への指示電文を作成して、銀行システムに送信する(S11)。また、顧客に対しても必要入金額の口座振替を知らせる通知を送信して(S12)、処理を終了する。顧客への通知は、銀行システムからの口座振替の結果を受信した後に送信することが好ましい。

0072

自動維持契約が無い場合の追加保証金の要否を判定する通常の処理は、図12のフローのように行われる。まず、時価を反映した委託保証金維持率から、追加保証金が発生しているかを確認する(S21)。追加保証金が発生していない場合はそのまま処理を終了するが、追加保証金が発生する場合は、必要な差入保証金の入金額を算出する(S22)。

0073

続いて、追加保証金について自動引落サービスを提供しているという前提であれば、当該顧客について、追加保証金の自動引落のための口座振替契約を締結しているか否かを確認する(S22)。口座振替契約が無い場合は、追加保証金の必要入金額についての入金依頼通知を、電子メール等で顧客宛に送信して(S26)、処理を終了する。

0074

口座振替契約が有る場合は、算出された必要入金額について、口座振替依頼を行うための銀行への指示電文を作成して、銀行システムに送信する(S24)。また、顧客に対しても必要入金額の口座振替を知らせる通知を送信して(S25)、処理を終了する。顧客への通知は、銀行システムからの口座振替の結果を受信した後に送信することが好ましい。

0075

維持条件に定められた上限についての確認処理は、図13のフローのように行われる。委託保証金の上限として設定された維持条件と時価を反映した保証金維持率等とを対比して(S31)、上限金額を上回るかを確認する(S32)。上限金額を上回らない場合、又は上限の条件が設定されていない場合は、そのまま処理を終了する。

0076

上限を上回る場合は、委託保証金が上限金額を上回らないための必要出金額を算出する(S33)。算出された必要出金額について、顧客の預金口座への振込依頼を行うための銀行への指示電文を作成して、銀行システムに送信する(S34)。また、顧客に対しても必要出金額の預金口座への振込を知らせる通知を送信して(S35)、処理を終了する。顧客への通知は、銀行システムからの振込結果を受信した後に送信することが好ましい。

図面の簡単な説明

0077

信用取引における委託保証金の必要金額を算出する方法を示す第1の図である。
信用取引における委託保証金の必要金額を算出する方法を示す第2の図である。
信用取引における委託保証金の必要金額を算出する方法を示す第3の図である。
信用取引における委託保証金の必要金額を算出する方法を示す第4の図である。
信用取引における委託保証金の必要金額を算出する方法を示す第5の図である。
信用取引における委託保証金の必要金額を算出する方法を示す第6の図である。
本発明にかかる委託保証金自動維持システムの実施形態の概要を示す図である。
本発明にかかる委託保証金自動維持システムの構成を示すブロック図である。
本発明にかかる委託保証金自動維持システムにおける顧客基本情報テーブルの一例を示す図である。
本発明にかかる委託保証金自動維持システムにおける取引基本情報テーブルの一例を示す図である。
本発明にかかる委託保証金自動維持システムの処理フローを示す第1のフローチャートである。
本発明にかかる委託保証金自動維持システムの処理フローを示す第2のフローチャートである。
本発明にかかる委託保証金自動維持システムの処理フローを示す第3のフローチャートである。
顧客端末に表示される建玉可能額と委託保証金維持率等を示す画面の一例を示す図である。

符号の説明

0078

10証券会社システム
11ゲートウェイサーバ
12アプリケーションサーバ
13注文・顧客データベース
14時価情報管理サーバ
20取引所システム
30銀行システム
40顧客端末
50マーケット情報提供システム

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