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図面 (20)

課題

光束の2次元的な走査によって画像を表示する技術において、走査軌跡の改善によって必要主走査周波数の低下と必要副走査周波数の増加と走査線数の増加とのうちの少なくとも一つを可能にする。

解決手段

光走査型ディスプレイ10において、画像の1フレームが3以上のフィールドに分けて走査部60によって走査されて表示されるように、映像信号に基づいて輝度信号を生成し、各回の往復走査の全体期間のうちの有効走査期間中に、光源部34が実際に光束を出射することによって形成される有効走査線が同じフレームにおいて前記3以上のフィールド間で互いに重ならないように、前記生成された輝度信号を光源部34に出力する。

概要

背景

光束の2次元的な走査によって画像を表示する光走査型ディスプレイが既に知られている(例えば、特許文献1参照。)。その一例は、観察者外界割り当てられたスクリーンに画像を投影して表示するプロジェクタであり、別の例は、観察者の網膜上に光束を直接に投影し、その光束で網膜を走査する網膜走査型ディスプレイである。

いずれの例においても、この種の光走査型ディスプレイは、一般に、(a)輝度信号に応じた輝度で光束を出射する光源部と、(b)その光源部から出射した光束を互いに交差する主走査方向と副走査方向とにおいてそれぞれ往復走査することが可能な走査部と、(c)映像信号に基づいて前記輝度信号を生成し、その生成された輝度信号を前記光源部に出力することにより、前記走査部による走査軌跡を制御する制御部とを含むように構成される。通常、主走査方向は水平方向、副走査方向は垂直方向とそれぞれ等しくなるように設定されるため、主走査方向における走査は水平走査、副走査方向における走査は垂直走査と称されるが、各走査方向の向きはそれらに限定されない。

この種の光走査型ディスプレイにおいては、走査部が、各回の往復走査の全体期間のうちの有効走査期間中には、光源部が実際に光束を出射することにより、実在する走査線有効走査線として形成される一方、無効走査期間中には、光源部が実際に光束を出射しないことにより、実在しない走査線が無効走査線として形成されるように構成される。
特許第2988457号公報

概要

光束の2次元的な走査によって画像を表示する技術において、走査軌跡の改善によって必要主走査周波数の低下と必要副走査周波数の増加と走査線数の増加とのうちの少なくとも一つを可能にする。光走査型ディスプレイ10において、画像の1フレームが3以上のフィールドに分けて走査部60によって走査されて表示されるように、映像信号に基づいて輝度信号を生成し、各回の往復走査の全体期間のうちの有効走査期間中に、光源部34が実際に光束を出射することによって形成される有効走査線が同じフレームにおいて前記3以上のフィールド間で互いに重ならないように、前記生成された輝度信号を光源部34に出力する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

光束の2次元的な走査によって画像を表示する光走査型ディスプレイであって、輝度信号に応じた輝度で前記光束を出射する光源部と、その光源部から出射した光束を互いに交差する主走査方向と副走査方向とにおいてそれぞれ往復走査することが可能な走査部であって、前記画像の各フレームごとに、前記主走査方向において前記副走査方向におけるより多数回の往復走査を行うものと、前記画像の1フレームが3以上のフィールドに分けて前記走査部によって走査されて表示されるように、映像信号に基づいて前記輝度信号を生成し、各回の往復走査の全体期間のうちの有効走査期間中に、前記光源部が実際に光束を出射することによって形成される有効走査線が同じフレームにおいて前記3以上のフィールド間で互いに重ならないように、前記生成された輝度信号を前記光源部に出力する制御部とを含む光走査型ディスプレイ。

請求項2

前記制御部は、前記画像の各フレームごとに、前記副走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間との双方が前記有効走査期間となるように前記輝度信号を生成して前記光源部に出力する請求項1に記載の光走査型ディスプレイ。

請求項3

前記輝度信号は、前記光源部によって順次処理される信号であって、前記画像において一列に並んだ複数個画素の輝度をそれぞれ表す複数の輝度データに基づいて生成され、それら複数の輝度データは、前記一方向走査期間において前記有効走査線を形成するために前記光源部によって処理される第1の輝度データ群と、前記逆方向走査期間において前記有効走査線を形成するために前記光源部によって処理される第2の輝度データ群とを含み、前記制御部は、それら第1および第2の輝度データ群を、各輝度データ群に応じて前記画像が描画される向きがそれら第1および第2の輝度データ群の間において互いに逆となるように前記光源部に出力する請求項2に記載の光走査型ディスプレイ。

請求項4

前記制御部は、前記画像の各フレームごとに、前記主走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間とのいずれかが前記有効走査期間となるように前記輝度信号を生成して前記光源部に出力する請求項1ないし3のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

請求項5

前記制御部は、絶対空間において基準方向に延びるように設定された画像表示領域内において前記有効走査線がその画像表示領域に平行に延びるように前記輝度信号を生成して前記光源部に出力する請求項1ないし4のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

請求項6

前記走査部は、前記光束を前記主走査方向に走査する主走査と前記副走査方向に走査する副走査とに共通に設けられて往復運動させられるミラーと、前記主走査のために前記ミラーを往復運動させるためにそのミラーを振動させる第1振動部と、前記副走査のために前記ミラーを往復運動させるためにそのミラーを前記第1振動部と共に振動させる第2振動部とを含む請求項1ないし5のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

請求項7

前記ミラーは、そのミラーの共振を利用して前記主走査方向と前記副走査方向とに往復運動させられる請求項6に記載の光走査型ディスプレイ。

請求項8

前記走査部は、前記光束を前記主走査方向に走査するために往復運動させられる第1ミラーと、前記光束を前記副走査方向に走査するために往復運動させられる第2ミラーと、前記第1ミラーを往復運動させるためにその第1ミラーを振動させる第1振動部と、前記第2ミラーを往復運動させるためにその第2ミラーを振動させる第2振動部とを含む請求項1ないし5のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

請求項9

前記走査部は、前記光束の走査を、前記主走査方向において前記副走査方向におけるより高速で行う請求項1ないし8のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

請求項10

当該光走査型ディスプレイは、前記光束を眼の網膜上に直接に投影してその網膜上において走査することによって前記画像を表示する網膜走査型ディスプレイである請求項1ないし9のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

請求項11

光束の2次元的な走査によって画像を表示するために、(a)輝度信号に応じた輝度で前記光束を出射する光源部と、(b)その光源部から出射した光束を互いに交差する主走査方向と副走査方向とにおいてそれぞれ往復走査することが可能な走査部であって、前記画像の各フレームごとに、前記主走査方向において前記副走査方向におけるより多数回の往復走査を行うものとを含む光走査型ディスプレイを駆動する光走査型ディスプレイ駆動方法であって、前記画像の1フレームが3以上のフィールドに分けて前記走査部によって走査されて表示されるように、映像信号に基づいて前記輝度信号を生成する輝度信号生成工程と、各回の往復走査の全体期間のうちの有効走査期間中に、前記光源部が実際に光束を出射することによって形成される有効走査線が同じフレームにおいて前記3以上のフィールド間で互いに重ならないように、前記生成された輝度信号を前記光源部に出力する輝度信号出力工程とを含む光走査型ディスプレイ駆動方法。

請求項12

前記輝度信号生成工程は、前記画像の各フレームごとに、前記副走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間との双方が前記有効走査期間となるように前記輝度信号を生成する請求項11に記載の光走査型ディスプレイ駆動方法。

技術分野

0001

本発明は、光束の2次元的な走査によって画像を表示する技術に関するものであり、特に、その走査の軌跡を制御する技術に関するものである。

背景技術

0002

光束の2次元的な走査によって画像を表示する光走査型ディスプレイが既に知られている(例えば、特許文献1参照。)。その一例は、観察者外界割り当てられたスクリーンに画像を投影して表示するプロジェクタであり、別の例は、観察者の網膜上に光束を直接に投影し、その光束で網膜を走査する網膜走査型ディスプレイである。

0003

いずれの例においても、この種の光走査型ディスプレイは、一般に、(a)輝度信号に応じた輝度で光束を出射する光源部と、(b)その光源部から出射した光束を互いに交差する主走査方向と副走査方向とにおいてそれぞれ往復走査することが可能な走査部と、(c)映像信号に基づいて前記輝度信号を生成し、その生成された輝度信号を前記光源部に出力することにより、前記走査部による走査軌跡を制御する制御部とを含むように構成される。通常、主走査方向は水平方向、副走査方向は垂直方向とそれぞれ等しくなるように設定されるため、主走査方向における走査は水平走査、副走査方向における走査は垂直走査と称されるが、各走査方向の向きはそれらに限定されない。

0004

この種の光走査型ディスプレイにおいては、走査部が、各回の往復走査の全体期間のうちの有効走査期間中には、光源部が実際に光束を出射することにより、実在する走査線有効走査線として形成される一方、無効走査期間中には、光源部が実際に光束を出射しないことにより、実在しない走査線が無効走査線として形成されるように構成される。
特許第2988457号公報

発明が解決しようとする課題

0005

この種の光走査型ディスプレイにおいては、通常、走査部が、画像の各フレームごとに、主走査方向に往復走査を行いながら副走査方向に往復走査を行うように構成される。

0006

画像を表示するために光束を走査する方式として、ノンインターレース方式プログレッシブ方式ともいう。)とインターレース方式とがある。ノンインターレース方式においては、1フレームの画像を表示するための全有効走査線が1本ずつ順に走査される。これに対し、インターレース方式においては、画像の1フレームが2つのフィールドで構成され、それらフィールドは、それらフィールド同士で走査線が重ならないように、走査される。

0007

インターレース方式を採用する場合には、フリッカが目立たない程度に副走査周波数を高く(例えば、50Hz以上の周波数に)保ったまま、例えばその半分まで主走査周波数下げることが可能となり、さらに、画像の主走査方向(水平方向)における解像度を保ったまま、副走査方向(垂直方向)における解像度の低下をある程度抑制することが可能である。

0008

したがって、インターレース方式を採用する場合には、画像表示最小単位である画面(インターレース方式においてはフィールドに相当し、ノンインターレース方式においてはフレームに相当する。)1枚当たりの有効走査線が、ノンインターレース方式を採用する場合より半減する。よって、インターレース方式を採用する場合には、ノンインターレース方式を採用する場合より、必要主走査周波数を低下させることが容易であり、換言すれば、必要副走査周波数を増加させることが容易である。

0009

以上説明した事情背景にして、本発明は、光束の2次元的な走査によって画像を表示する技術において、走査軌跡の改善により、必要主走査周波数の低下と、必要副走査周波数の増加と、1フレーム当たりの有効走査線数の増加とのうちの少なくとも一つを可能にすることを課題としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。

0011

さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。

0012

(1) 光束の2次元的な走査によって画像を表示する光走査型ディスプレイであって、
輝度信号に応じた輝度で前記光束を出射する光源部と、
その光源部から出射した光束を互いに交差する主走査方向と副走査方向とにおいてそれぞれ往復走査することが可能な走査部であって、前記画像の各フレームごとに、前記主走査方向において前記副走査方向におけるより多数回の往復走査を行うものと、
前記画像の1フレームが3以上のフィールドに分けて前記走査部によって走査されて表示されるように、映像信号に基づいて前記輝度信号を生成し、各回の往復走査の全体期間のうちの有効走査期間中に、前記光源部が実際に光束を出射することによって形成される有効走査線が同じフレームにおいて前記3以上のフィールド間で互いに重ならないように、前記生成された輝度信号を前記光源部に出力する制御部と
を含む光走査型ディスプレイ。

0013

この光走査型ディスプレイにおいては、画像の1フレームが3以上のフィールドに分けて走査されて表示され、さらに、有効走査線が同じフレームにおいて3以上のフィールド間で互いに重ならないように形成される。

0014

このようにしても、1フレーム内の有効走査線同士の重なりなしで画像が形成されるため、前述の従来のインターレース方式やノンインターレース方式と同様に画像を表示できる。

0015

したがって、この光走査型ディスプレイによれば、前述の従来のインターレース方式やノンインターレース方式を採用する場合より、1フレームを構成するフィールドの数が増加し、その結果、前述の、画像表示の最小単位である画面1枚を表示するのに必要な有効走査線の数が減少する。よって、前述の従来のインターレース方式を採用する場合より、必要主走査周波数を低下させることが容易となる。

0016

1フレームにおいて同じ走査線数を実現するのに必要な主走査周波数が低い場合には、高い場合より、前記走査部のうち主走査を行う部分の設計および構造が容易化される。したがって、本項に係る光走査型ディスプレイによって必要主走査周波数を低下させることが容易となれば、例えば、走査部の設計および製造や、その走査部の性能向上が容易となる。

0017

1フレームを3以上のフィールドによって構成したうえで必要副走査周波数を増加させれば、1フレームが2以下のフィールドによって構成されるために必要副走査周波数を増加させることができない場合より、同じ主走査周波数および副走査周波数のもとに1フレームに形成される有効走査線の数が増加する。その有効走査線の数が増加することは、表示画像の解像度が副走査方向において向上することにつながる。したがって、本項に係る光走査型ディスプレイによって有効走査線数を増加させることが容易となれば、例えば、表示画像の解像度を向上させることが容易となる。

0018

(2) 前記制御部は、前記画像の各フレームごとに、前記副走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間との双方が前記有効走査期間となるように前記輝度信号を生成して前記光源部に出力する(1)項に記載の光走査型ディスプレイ。

0019

前記(1)項に係る光走査型ディスプレイは、画像の各フレームごとに、副走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間とのいずれかが有効走査期間として利用される態様で実施することが可能である。この態様においては、副走査方向における1回の往復走査により、1フィールドが形成されることになる。この点、前述の従来のインターレース方式を採用する場合と同様である。

0020

これに対し、本項に係る光走査型ディスプレイにおいては、一方向走査期間と逆方向走査期間との双方が有効走査期間として利用されるため、副走査方向における1回の往復走査によって2フィールドが形成される。したがって、この光走査型ディスプレイによれば、上述の態様に比較し、副走査方向における往復走査が主走査の有効利用につながり、このことは、主走査周波数がみかけ上低下することを意味する。

0021

(3) 前記輝度信号は、前記光源部によって順次処理される信号であって、前記画像において一列に並んだ複数個画素の輝度をそれぞれ表す複数の輝度データに基づいて生成され、
それら複数の輝度データは、前記一方向走査期間において前記有効走査線を形成するために前記光源部によって処理される第1の輝度データ群と、前記逆方向走査期間において前記有効走査線を形成するために前記光源部によって処理される第2の輝度データ群とを含み、
前記制御部は、それら第1および第2の輝度データ群を、各輝度データ群に応じて前記画像が描画される向きがそれら第1および第2の輝度データ群の間において互いに逆となるように前記光源部に出力する(2)項に記載の光走査型ディスプレイ。

0022

この光走査型ディスプレイにおいては、副走査方向における各回の往復走査の全体期間のうちの一方向走査期間において有効走査線を形成するために光源部によって処理される第1の輝度データ群と、逆方向走査期間において有効走査線を形成するために光源部によって処理される第2の輝度データ群とが、各輝度データ群に応じて画像が描画される向きがそれら第1および第2の輝度データ群の間において互いに逆となるように光源部に出力される。

0023

この光走査型ディスプレイにおいては、輝度信号が光源部によって順次処理されるのに対し、一方向走査期間と逆方向走査期間とにおいては、画像のうち各走査期間に対応する領域がそれぞれ互いに逆向きに描画される。この光走査型ディスプレイによれば、光源部に入力される輝度信号が、画像の描画方向合致するように並んだ複数の輝度データを反映するように生成され、それにより、画像が正常に表示される状態が保証される。

0024

(4) 前記制御部は、前記画像の各フレームごとに、前記主走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間とのいずれかが前記有効走査期間となるように前記輝度信号を生成して前記光源部に出力する(1)ないし(3)項のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

0025

前記(1)ないし(3)項のいずれかに係る光走査型ディスプレイにおいては、あるフィールドにおいて互いに平行にかつ同じ向きに進行する先の有効走査線と後の有効走査線との間の隙間が、後続するフィールドにおける少なくとも1本の有効走査線によって埋められる。

0026

そのため、特別の対策を講ずることなく、画像の各フレームごとに、主走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間との双方を有効走査期間として利用すると、あるフィールドにおいて、互いに平行にかつ同じ向きに進行する先の有効走査線と後の有効走査線との間に存在する、それらとは逆向きに進行する有効走査線が、後続するフィールドにおける少なくとも1本の有効走査線と交差する可能性がある。

0027

一方、互いに隣接したフィールド間において有効走査線同士が交差することは、各有効走査線の輝度が、その交差点において局部的に増加し、このことは輝度むらの原因となり得る。

0028

これに対し、本項に係る光走査型ディスプレイにおいては、画像の各フレームごとに、主走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間とのいずれかが有効走査期間として利用される。したがって、この光走査型ディスプレイによれば、互いに隣接したフィールド間において有効走査線同士が交差せずに済み、その結果、その交差に起因した輝度むらも発生せずに済む。

0029

(5) 前記制御部は、絶対空間において基準方向に延びるように設定された画像表示領域内において前記有効走査線がその画像表示領域に平行に延びるように前記輝度信号を生成して前記光源部に出力する(1)ないし(4)項のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

0030

一般に、光走査型ディスプレイによって画像が表示される画像表示領域の向きは、設計上、絶対空間に対し、予め定められた基準方向(例えば、水平方向)に延びるように設定される一方、現実には、複数本の走査線の向きによって決まる。設計上の画像表示領域の向きが現実の画像表示領域の向きと一致することが望ましいが、その現実の画像表示領域の向きは、複数本の走査線の向きに依存する。

0031

画像の1フレームが分割されるフィールドの数(以下、単に「1フレーム当たりのフィールド数」という。)が多いほど、同じフレームにおいて走査線の方向が前記基準方向に一致する程度(以下、「走査線方向一致度」という。)が低下する。一方、走査線方向の一致度が低いほど、すべての走査線が前記基準方向に対して傾斜する傾向が増すため、現実の画像表示領域も前記基準方向に対して傾斜する傾向が増す。

0032

そのため、前記(1)ないし(4)項のいずれかに係る光走査型ディスプレイにおいては、同じフレームにおける複数本の有効走査線の向きを、設計上の画像表示領域の向きに合わせて決定しないと、その設計上の画像表示領域の向きと現実の画像表示領域の向きとが互いに一致しない程度が増し、その結果、観察者が表示画像に対して違和感を覚える可能性がある。

0033

これに対し、本項に係る光走査型ディスプレイにおいては、絶対空間において基準方向に延びるように設定された画像表示領域内において有効走査線がその画像表示領域に平行に延びるように輝度信号が生成されて光源部に出力される。

0034

したがって、この光走査型ディスプレイによれば、絶対空間において基準方向に延びるように設定された設計上の画像表示領域の向きを、有効走査線によって形成される現実の画像表示領域の向きと一致させることが容易となる。その結果、この光走査型ディスプレイによれば、設計上の画像表示領域の向きと現実の画像表示領域の向きとの不一致に起因して、観察者が表示画像に対して違和感を覚える可能性が軽減される。

0035

(6) 前記走査部は、
前記光束を前記主走査方向に走査する主走査と前記副走査方向に走査する副走査とに共通に設けられて往復運動させられるミラーと、
前記主走査のために前記ミラーを往復運動させるためにそのミラーを振動させる第1振動部と、
前記副走査のために前記ミラーを往復運動させるためにそのミラーを前記第1振動部と共に振動させる第2振動部と
を含む(1)ないし(5)項のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

0036

この光走査型ディスプレイによれば、走査部が同じミラーを主走査と副走査とに共通に使用するために、その走査部の小型化が容易となる。

0037

本項および下記の各項における「往復運動」という用語は、例えば、ミラーに関連付けられた揺動軸線(ミラーの中心を通過してそのミラーに平行な揺動軸線や、ミラーの中心から外れた位置を通過してそのミラーに平行な揺動軸線)まわりにそのミラーが行わせられる揺動を意味するように解釈したり、ミラーに関連付けられた直線運動軸線に沿ってそのミラーが行わせられる往復直線運動を意味するように解釈することが可能である。

0038

(7) 前記ミラーは、そのミラーの共振を利用して前記主走査方向と前記副走査方向とに往復運動させられる(6)項に記載の光走査型ディスプレイ。

0039

一般に、光を反射するミラーの共振を利用して光の走査を行う場合には、そのミラーを駆動する駆動源によって消費される電力が、共振を利用しないで光の走査を行う場合より節減される一方で、実際の走査周波数が増加する傾向が生じる。

0040

これに対し、前記(1)項に係る光走査型ディスプレイによれば、前述のように、必要副走査周波数を増加させることが可能となるため、ミラーの共振を利用して副走査を行うことが可能となる。そこで、本項に係る光走査型ディスプレイにおいては、ミラーの共振を利用して主走査と副走査とが行われる。

0041

したがって、この光走査型ディスプレイによれば、走査周波数に関する問題を生じさせることなく、節減された消費電力で主走査および副走査を行うことが可能となる。

0042

(8) 前記走査部は、
前記光束を前記主走査方向に走査するために往復運動させられる第1ミラーと、
前記光束を前記副走査方向に走査するために往復運動させられる第2ミラーと、
前記第1ミラーを往復運動させるためにその第1ミラーを振動させる第1振動部と、
前記第2ミラーを往復運動させるためにその第2ミラーを振動させる第2振動部と
を含む(1)ないし(5)項のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

0043

この光走査型ディスプレイによれば、走査部が、互いに独立した2つのミラーを主走査と副走査とに別々に使用するために、それぞれの走査周波数を、相互干渉心配することなく、高い自由度で設定することが可能となる。よって、必要主走査周波数と必要副走査周波数とが両立するように走査部を設計および製造することが容易となる。

0044

この光走査型ディスプレイは、第1および第2ミラーの一方は、対応する振動部の共振を利用して往復運動を行うが、他方は、共振を利用することなく往復運動を行う態様で実施したり、それら第1および第2ミラーのいずれも、対応する振動部の共振を利用して往復運動を行う態様で実施したり、それら第1および第2ミラーのいずれも、対応する振動部の共振を利用することなく往復運動を行う態様で実施することが可能である。

0045

さらに、この光走査型ディスプレイは、それら第1および第2ミラーのうち、他方のミラーより高速で走査を行うことが要求されるものは、対応する振動部の共振を利用して往復運動を行うが、他方は、共振を利用することなく往復運動を行う態様で実施することも可能である。これに代えて、この光走査型ディスプレイは、それら第1および第2ミラーのうち、他方のミラーより低速で走査を行うことが要求されるものは、対応する振動部の共振を利用して往復運動を行うが、他方は、共振を利用することなく往復運動を行う態様で実施することも可能である。

0046

(9) 前記走査部は、前記光束の走査を、前記主走査方向において前記副走査方向におけるより高速で行う(1)ないし(8)項のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

0047

(10) 当該光走査型ディスプレイは、前記光束を眼の網膜上に直接に投影してその網膜上において走査することによって前記画像を表示する網膜走査型ディスプレイである(1)ないし(9)項のいずれかに記載の光走査型ディスプレイ。

0048

(11) 光束の2次元的な走査によって画像を表示するために、(a)輝度信号に応じた輝度で前記光束を出射する光源部と、(b)その光源部から出射した光束を互いに交差する主走査方向と副走査方向とにおいてそれぞれ往復走査することが可能な走査部であって、前記画像の各フレームごとに、前記主走査方向において前記副走査方向におけるより多数回の往復走査を行うものとを含む光走査型ディスプレイを駆動する光走査型ディスプレイ駆動方法であって、
前記画像の1フレームが3以上のフィールドに分けて前記走査部によって走査されて表示されるように、映像信号に基づいて前記輝度信号を生成する輝度信号生成工程と、
各回の往復走査の全体期間のうちの有効走査期間中に、前記光源部が実際に光束を出射することによって形成される有効走査線が同じフレームにおいて前記3以上のフィールド間で互いに重ならないように、前記生成された輝度信号を前記光源部に出力する輝度信号出力工程と
を含む光走査型ディスプレイ駆動方法。

0049

この方法によれば、前記(1)項に係る光走査型ディスプレイと基本的に同じ原理に従い、それと基本的に同じ作用効果を実現することが可能である。

0050

(12) 前記輝度信号生成工程は、前記画像の各フレームごとに、前記副走査方向における各回の往復走査の全体期間のうち一方向走査期間と逆方向走査期間との双方が前記有効走査期間となるように前記輝度信号を生成する(11)項に記載の光走査型ディスプレイ駆動方法。

0051

この方法によれば、前記(2)項に係る光走査型ディスプレイと基本的に同じ原理に従い、それと基本的に同じ作用効果を実現することが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0052

以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。

0053

図1には、本発明の第1実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ(以下、「RSD」と略称する。)10が示されている。このRSD10は、画像を表す光束の一例であるレーザビームを観察者の眼12の瞳孔14を経て網膜16上に直接に投影し、その投影された光束を網膜16上において走査することにより、画像を表示するように設計されている。

0054

図1に示すように、このRSD10は、光源ユニット18とスキャナユニット20とを含んでいる。光源ユニット18は、赤色光緑色光および青色光をそれぞれ出射するRレーザ22、Gレーザ24およびBレーザ26を備えている。それらRレーザ22、Gレーザ24およびBレーザ26から出射する3色のレーザビーム(光束の一例)の輝度(強度)は、Rレーザドライバ28、Gレーザドライバ30およびBレーザドライバ32によってそれぞれ変調される。本実施形態においては、それらRレーザ22、Gレーザ24およびBレーザ26とそれらに対応するRレーザドライバ28、Gレーザドライバ30およびBレーザドライバ32とが互いに共同して光源部34を構成している。

0055

図1に示すように、それらRレーザ22、Gレーザ24およびBレーザ26には、3個のコリメータレンズ40、42および44と、3個のダイクロイックミラー50、52および54とが設けられている。各レーザ22,24,26から出射したレーザビームは、対応するコリメータレンズ40,42,44によってコリメートされた後、対応するダイクロイックミラー50,52,54に入射する。それら3個のダイクロイックミラー50,52,54は、波長選択性を有しており、Rレーザ22、Gレーザ24およびBレーザ26から出射した3色のレーザビームを1つのレーザビームに合成するために設けられている。

0056

それら3個のダイクロイックミラー50,52,54を代表する1個のダイクロイックミラー、すなわち、本実施形態においては、ダイクロイックミラー50から合成レーザビームが出射し、その出射した合成レーザビームは、結合光学系56によって集光される。その集光された合成レーザビームは、光伝送媒体としての光ファイバ58と、その光ファイバ58の出射端に配置されたコリメータレンズ59とをそれらの順に経てスキャナユニット20に入射する。

0057

図1に示すように、スキャナユニット20は、水平走査と垂直走査とを行うスキャナ60を備えている。図2には、そのスキャナ60が拡大されて平面図で示されている。このスキャナ60は、振動体62を有し、その振動体62のねじり共振を利用して水平走査と垂直走査とを行う。振動体62は、例えば、シリコン等、弾性を有する板状または膜状の部材によって形成される。

0058

図2に示すように、振動体62は、それの厚さ方向に貫通するいくつかの貫通孔により、最も外側に位置する固定部64と、その固定部64の内側に位置する可動部である第1振動部70と、その第1振動部70の内側に位置する可動部である第2振動部72とに分割されている。この振動体62は、固定部64において、図1に示すスキャナ60のハウジングに固定される。図2に示すように、振動体62には、互いに直交する第1揺動軸線と第2揺動軸線とが振動体62の面内において設定されている。第1揺動軸線は、第2振動部72のために設定される一方、第2揺動軸線は、第1振動部70のために設定されている。

0059

図2に示すように、第1振動部70は、固定部64に対して第2揺動軸線まわりに揺動させられるのに対し、第2振動部72は、第1振動部70に対して第1揺動軸線まわりに揺動させられる。したがって、本実施形態においては、スキャナ60への入射光に対して水平走査と垂直走査との双方を行うために第2振動部72のみに反射面76が形成されている。同じ反射面76により、水平走査と垂直走査との双方が行われるようになっているのである。

0060

図2に示すように、その第2振動部72は、反射面76が形成されたミラー部80と、そのミラー部80を隔てて互いに対向する一対のはり部82,82とを含んでいる。ミラー部80は、走査すべき光束の入射面積を確保しつつ慣性モーメントを最小化するために、円形状を成している。

0061

一対のはり部82,82は、第1揺動軸線に沿って直線的に延びている。各はり部82,82は、ミラー部80から延びる1本の第1板ばね部84と、その第1板ばね部84から分岐して互いに平行に延びる2本の第2板ばね部86,86とを備えている。それら第1板ばね部84および第2板ばね部86,86は、いずれも、振動体62の厚さ方向と共通する厚さ方向を有している。

0062

2本の第2板ばね部86,86は、第1揺動軸線を隔てて互いに対向している。したがって、それら第2板ばね部86,86にそれぞれ互いに逆向きに曲げが加えられれば、第1板ばね部84が第1揺動軸線まわりにねじられ、ひいてはミラー部80が第1揺動軸線まわりに回転させられる。さらに、同じ第2板ばね部86に曲げが互いに逆向きに交互に加えられれば、ミラー部80が第1揺動軸線まわりに揺動させられることになる。

0063

そのような曲げを各第2板ばね部86,86に加えるために、各第2板ばね部86,86に駆動源90が設置されている。駆動源90は、例えば、印加された電界をその印加方向と交差する方向の変位に変換する素子を用いて構成することが可能であり、そのような素子の一例は、板状の圧電素子である。例えば、その圧電素子が各第2板ばね部86,86の、厚さ方向において互いに対向する両面のいずれかに貼り付けられた状態で、その圧電素子が長さ方向に振動させられれば、各第2板ばね部86,86に曲げ振動が発生させられる。

0064

図1に示すように、スキャナユニット20は、第2振動部72に設置された駆動源90を駆動するために水平走査駆動回路92を備えている。その水平走査駆動回路92は、例えば、発振回路を含むように構成される。

0065

図2に示すように、第1振動部70は、第2振動部72と基本的に同じ原理に従って第2揺動軸線まわりに揺動させられる。第1振動部70は、第2振動部72を支持する支持部100を備えており、その支持部100は、第2振動部72と一体的に、第2揺動軸線まわりに揺動させられる。その支持部100は、第2振動部72を隔てて互いに対向する一対のはり部102,102により、固定部64に支持されている。それら一対のはり部102,102は、第2振動部72における一対のはり部82,82と共通する構造を有するため、以下、簡単に説明する。

0066

それら一対のはり部102,102は、第2揺動軸線に沿って直線的に延びている。各はり部102,102は、支持部100の中心部から延びる1本の第1板ばね部104と、その第1板ばね部104から分岐して互いに平行に延びる2本の第2板ばね部106,106とを備えている。それら第1板ばね部104および第2板ばね部106,106は、いずれも、振動体62の厚さ方向と共通する厚さ方向を有している。

0067

2本の第2板ばね部106,106は、第2揺動軸線を隔てて互いに対向している。したがって、それら第2板ばね部106,106にそれぞれ互いに逆向きに曲げ振動が加えられれば、第1板ばね部102が第2揺動軸線まわりにねじられ、ひいては支持部100およびミラー部80が第2揺動軸線まわりに揺動させられる。

0068

そのような曲げ振動を各第2板ばね部106,106に加えるために、各第2板ばね部106,106に駆動源110が設置されている。駆動源110は、第2振動部72における駆動源90と共通する方式を採用することが可能である。

0069

図1に示すように、スキャナユニット20は、第1振動部70に設置された駆動源110を駆動するために垂直走査駆動回路112を備えている。その垂直走査駆動回路112は、例えば、発振回路を含むように構成される。

0070

ミラー部80の水平走査周波数は、第2振動部72の共振周波数によって決まり、その共振周波数は、主に、その第2振動部72の慣性モーメントおよび剛性によって決まる。そして、ミラー部80の水平走査周波数は、第2振動部72の慣性モーメントが大きいほど、低い。これに対し、ミラー部80の垂直走査周波数は、第1振動部70の共振周波数によって決まり、その共振周波数は、主に、その第1振動部70の慣性モーメントおよび剛性のみならず第2振動部72の慣性モーメントにも依存する。

0071

ミラー部80の垂直走査周波数は、第1振動部70および第2振動部72の合成慣性モーメントが大きいほど、低い。一方、その合成慣性モーメントは、第2振動部72の慣性モーメントより大きい。したがって、本実施形態においては、スキャナ60の構造上、垂直走査周波数が水平走査周波数より低い。

0072

図1に示すように、光源ユニット18は、さらに、信号処理回路120を備えている。その信号処理回路120は、図3に示すように、コンピュータ122を含んでいる。コンピュータ122は、CPU124とROM126とRAM128とがバス130によって互いに接続されて構成されている。このコンピュータ122には、外部から映像信号が供給される。

0073

ROM126には、図4フローチャート概念的に表されている画像表示プログラムを始めとし、各種プログラムが記憶されている。その画像表示プログラムがCPU124により、外部から供給された映像信号に基づき、かつ、RAM128を使用しつつ実行されることにより、観察者の眼10の網膜14上に画像が表示される。

0074

信号処理回路120においては、外部から供給された映像信号に基づき、表示すべき画像を構成する複数の画素の各々の輝度を表す複数の画素データ(輝度データ)が生成され、それら生成された画素データに基づき、RAM128を利用してデータ処理を行うなどして、赤色光のためのR輝度信号、緑色光のためのG輝度信号および青色光のためのB輝度信号が生成される。

0075

図3に示すように、信号処理回路120には、Rレーザドライバ28、Gレーザドラーバ30およびBレーザドライバ32を経てRレーザ22、Gレーザ24およびBレーザ26が接続されている。信号処理回路120は、Rレーザドライバ28にはR輝度信号を出力し、Gレーザドライバ30にはG輝度信号を出力し、Bレーザドライバ32にはB輝度信号を出力する。

0076

図3に示すように、この信号処理回路120において、コンピュータ122にフレームバッファ140が接続されている。フレームバッファ140は、画像の1フレームをレーザビームの走査によって再生するのに必要な画像データであって複数の画素データ(輝度信号を表すデータ)の集合走査線番号SLに関連付けて格納する。フレームバッファ140は、レーザビームの各色ごとに対応して設けられている。図5には、フレームバッファ140に画像データが格納される様子が概念的に示されているが、それについては後に図5を参照することによって詳細に説明する。

0077

図3に示すように、信号処理回路120には、さらに、スキャナ60の水平走査駆動回路92および垂直走査駆動回路112も接続されている。水平走査駆動回路92から駆動源90へは水平走査駆動信号、垂直走査駆動回路112から駆動源110へは垂直走査駆動信号がそれぞれ供給され、その結果、スキャナ60による水平走査と垂直走査とが行われる。

0078

図6には、水平走査駆動信号が上側のグラフ、垂直走査駆動信号が下側のグラフでそれぞれ表されている。それらグラフから明らかなように、本実施形態においては、水平走査駆動信号が垂直走査駆動信号より高い周波数を有している。垂直走査駆動信号の周波数は例えば、数百Hzに設定される。

0079

ここで、図7および図8を参照することにより、光源部34の作動タイミング強度変調)と、スキャナユニット20の作動タイミング(水平走査および垂直走査)との同期を詳細に説明する。

0080

図7には、光源部34およびスキャナユニット20が、信号処理回路120と共に、ブロック図で概念的に表されている。信号処理回路120は、映像信号に基づいて輝度信号を生成して光源部34に出力する輝度信号生成部150を備えている。この信号処理回路120は、さらに、その輝度信号生成部150にフレーム同期信号と水平走査同期信号とを供給する同期信号処理部152を備えている。輝度信号生成部150は、その同期信号処理部152からそれらフレーム同期信号(フィールド同期信号を含む。)と水平走査信号とがそれぞれ供給されるタイミングに応答して各色の輝度信号を光源部34に出力する。

0081

図7に示すように、スキャナユニット20においては、第1振動部70、駆動源90および水平走査駆動回路92によって水平走査部154が構成され、また、第2振動部72、駆動源110および垂直走査駆動回路112によって垂直走査部156が構成されている。本実施形態においては、水平走査駆動回路92が、水平走査のためのクロック信号に基づいて水平走査同期信号を生成し、同期信号処理部152に出力する。その同期信号処理部152は、その水平走査同期信号が供給されたタイミングに応答して垂直走査同期信号を垂直走査駆動回路112に出力する。

0082

図8には、それらフレーム同期信号、垂直走査同期信号および水平走査同期信号がそれぞれタイミングチャートで表されている。水平走査同期信号は、各走査線ごとに発生させられる。ここに、「走査線」という用語は、実在する(可視領域にある)有効走査線と、実在しない(不可視領域にある)無効走査線(画像表示領域外にあるために消去される走査線と、画像表示領域内にあるが帰線であるために消去される消去帰線とを含む。)とを含んでいる。水平走査同期信号は、画像の1フレーム当たりnH個、順次発生させられる。nHは、水平走査の1フレーム当たりの往復回数に等しい。

0083

同期信号処理部152は、ある回の水平走査同期信号の発生時期から初期位相差時間Δtが経過した時期に、フレーム同期信号を発生させる。このフレーム同期信号は、画像の各フレームごとに、その開始時期に同期して発生させられる。同期信号処理部152は、さらに、ある回の水平走査同期信号の発生時期から初期位相差時間Δtが経過した時期、すなわち、フレーム同期信号の発生時期と同じ時期に、nV個の垂直走査同期信号における最初の垂直走査同期信号を発生させる。nVは、垂直走査の1フレーム当たりの往復回数に等しい。同期信号処理部152は、それら発生させられたフレーム同期信号と水平走査同期信号とを輝度信号生成部150に出力する。

0084

本実施形態においては、輝度信号生成部150が、コンピュータ122のうち、後述の画像表示プログラムを実行する部分によって構成されており、同期信号処理部152は、コンピュータ122のうち、図示しない同期信号処理プログラムを実行する部分によって構成されている。

0085

一般に、ラスタースキャンによって画像表示を行う場合には、水平走査周波数は数kHzないし数十kHzであるのに対し、垂直走査周波数は60Hz前後であるというように、水平走査周波数と垂直走査周波数との間に大きな隔たりが存在する。そのため、従来においては、水平走査と垂直走査とを別々のスキャナを用いて行うのが一般的であった。

0086

一方、スキャナが用いられる分野においては、スキャナの小型化が要望される場合があり、このRSD10についても同様な要望が存在する。スキャナの小型化という要望は、例えば、光束を反復的に偏向する原理を改善することによって達成され得る。例えば、反射面が形成された振動体の共振を利用して光束の走査を行う場合には、別々のポリゴンミラーや別々のガルバノミラーを用いて光束の走査を行う場合より、スキャナを小型化することが可能である。また、スキャナの小型化という要望は、同じ反射面を用いて水平走査と垂直走査とを行うことによっても達成され得る。

0087

以上説明した事情を背景に、このRSD10においては、水平走査部154および垂直走査部156がいずれも、振動体62の共振を利用して光束の反復的偏向を行う形式とされたうえで、それら水平走査部154と垂直走査部156との間においてミラー部80が共通化されている。

0088

具体的には、このRSD10においては、振動体62のうちの支持部100が揺動させられればそれに伴って必ず第1振動部70の全体が揺動させられる構造が採用されている。その結果、垂直走査においては、振動体62のみかけの慣性モーメントすなわち前述の合成慣性モーメントが、第2振動部72の単独の慣性モーメントより増加し、垂直走査周波数が低下する。

0089

次に、図4を参照することにより、前述の画像表示プログラムをさらに詳細に説明するが、まず、その画像表示プログラムにおいて採用される画像表示原理を説明する。

0090

振動体62のうちの支持部100の慣性モーメントを増加させれば、垂直走査周波数を低下させることが可能である。しかしながら、支持部100は、第1振動部70と共通の振動体62を利用する関係上、その振動体62の厚さを支持部100のみにおいて局部的に増加させてその支持部100の慣性モーメントを増加させることは困難であるし、たとえ支持部100の厚さを局部的に増加させても、その効果が小さい。効果が大きいのは支持部100を半径方向に大型化することであるが、これでは、スキャナ60の小型化に反してしまう。

0091

そこで、本実施形態においては、振動体62の共振を利用した光束偏向原理の採用と、水平走査と垂直走査との間におけるミラー部80の共通化との共同によってスキャナ60の小型化が実現され、さらに、光束の走査によって画像表示を行う手法が改善することにより、垂直走査周波数がみかけ上上昇する。以下、その画像表示手法をさらに具体的に説明する。

0092

図9には、従来のインターレーススキャン方式に従って画像の1フレームが表示される様子が正面図(画面上の走査線の軌跡を示す図)で示されている。図9において、複数本の水平方向の実線は、奇数フィールドを構成する複数本の有効走査線を示しているのに対し、複数本の水平方向の破線は、偶数フィールドを構成する複数本の消去帰線を示している。その消去帰線は図示されていない。

0093

この従来のインターレーススキャン方式によれば、1フレームが2フィールドに分けて走査されて形成されるため、水平走査周波数についての条件も垂直走査周波数についての条件も同じであると仮定して比較すると、1フレームを構成する有効走査線の数が、ノンインターレーススキャン方式を採用する場合より増加し、このことは、有効走査線の数についての条件が同じであると仮定して比較すると、水平走査周波数がみかけ上低下して、垂直走査周波数がみかけ上上昇することを意味する。フィールド自体が1画面を形成し、フレーム周波数は下がっているものの、フィールド周波数垂直同期周波数)は下がっていないため、フリッカが目立たずに済むという効果を奏する。

0094

本発明者は、1フレームを3以上のフィールドに分けて走査して形成することにより、垂直走査周波数をみかけ上さらに上昇させる画像表示手法を提案した。図10には、その提案された画像表示手法に従って画像が表示される様子が正面図で示されている。

0095

図10(a)には、各フィールドにおいて、光束の走査面上において光束の可視走査点水平走査方向に往復運動しつつ垂直走査方向に一方向運動することにより、左側から右側に向かう走査線(以下、「往き走査線」という。)と右側から左側に向かう走査線(以下、「戻り走査線」という。)とが、共に有効走査線として、交互に並んで形成される。

0096

図9に示すように、従来のインターレーススキャン方式を採用する場合には、1フレームが2フィールドに分割され、一方のフィールドにおいて互いに隣接した2本の有効走査線が他方のフィールドにおける1本の有効走査線によって補間される。これに対し、本発明者の提案に従い、1フレームを3以上のフィールドによって構成する場合には、各フィールドにおいて互いに隣接した2本の有効走査線が、残りの2以上のフィールドにおける2本以上の有効走査線によって補間される。このことは、各フィールドにおいて互いに隣接した2本の有効走査線間の隙間が、従来のインターレーススキャン方式を採用する場合より広くなり、画像の鮮明さ(解像度)が低下することを意味する。

0097

そのような不都合を軽減するため、図10(a)に示すように、各フィールドにおいては、往き走査線のみならず戻り走査線も有効走査線として画像表示のために利用可能とされる。

0098

図10(b)には、図10(a)に示すフィールドを3以上用いて成る1フレームの一例が示されている。この例においては、3以上のフィールド間において互いに対応する、それらフィールドの数と同数の有効走査線が垂直走査方向に互いに平行にずれている。したがって、この例を採用する場合には、従来のインターレーススキャン方式を採用する場合より、往き走査線と戻り走査線とが互いに非平行である傾向が強いにもかかわらず、1フレーム内において解像度にむらが発生することが抑制される。

0099

さらに、図10(b)に示す例においては、いずれのフィールドにおいても、光束の走査面上において光束の可視走査点が水平走査方向に往復運動しつつ垂直走査方向に順方向、すなわち、上側から下側に向かって一方向運動する。すなわち、この例においては、水平走査のための走査点の往路も復路も画像表示に利用されるのに対し、垂直走査のための走査点の往路のみが画像表示に利用される。

0100

図10(c)には、図10(a)に示すフィールドを3以上用いて成る1フレームの別の例が示されている。この例においては、奇数フィールドにおいては、走査面上において可視走査点が水平走査方向に往復運動しつつ垂直走査方向に順方向、すなわち、上側から下側に向かって一方向運動するのに対し、偶数フィールドにおいては、走査面上において可視走査点が水平走査方向に往復運動しつつ垂直走査方向に逆方向、すなわち、下側から上側に向かって一方向運動する。すなわち、この例においては、水平走査のための走査点の往路も復路も画像表示に利用されるうえに、垂直走査のための走査点の往路も復路も画像表示に利用される。

0101

したがって、垂直走査周波数をみかけ上上昇させたい場合には、図10(c)に示す例を採用することが、図10(b)に示す例を採用するより望ましい。

0102

しかし、図10(c)に示す例を採用する場合には、図10(b)に示す例を採用する場合と同様に、図において丸印で囲む領域内において、ある回のフィールドにおける戻り走査線が、別の回のフィールドにおける往き走査線と重なってしまう。一方、1フレーム内において、有効走査線が重なり合う領域においては、重なり合わない領域より、画像の輝度が増加する。そのため、それら例のいずれを採用しても、有効走査線の重なり合いに起因して輝度むらが発生してしまう可能性がある。

0103

図11(a)には、そのような輝度むらを解消するために、往き走査線は有効走査線として発光するのに対し、戻り走査線すなわち帰線は消去されるように走査が行われる一例が示されている。この例においては、さらに、1フレームのうち往き走査線に平行な領域が画像表示領域(図において矩形の枠で示す領域)158とされ、その画像表示領域158の外側においては、往き走査線といえども消去される。

0104

しかし、図11(a)に示す例を採用する場合には、画像表示領域158が水平線に対して傾斜してしまい、観察者が違和感を抱く可能性がある。

0105

図11(b)には、図11(a)に示す例を、RSD10のうち、画像表示に関与する光学系(例えば、スキャナ60)に特別な対策を講じることなく、採用した場合に画像表示領域158が水平線に対して傾斜する角度を見込んで、最終的な画像表示領域158が水平に延びるように、その光学系の傾きを予め調整した場合の一例が示されている。すなわち、この例は、光束の走査に関する前述の特別な信号処理と、その光学系の傾き調整との共同により、実現されるものなのである。RSD10は、観察者が、図11(b)に示す画像表示領域158内に画像を、従来のRSDに対して遜色ない感覚で観察することが可能であるように設計されている。

0106

次に、図12および図13を参照することにより、スキャナ60によって形成される走査点の軌跡を説明する。

0107

本実施形態においては、走査点が、水平走査方向にも垂直走査方向にも、概して単振動させられるため、その走査点によって描かれる軌跡であるラスタは、厳密には、正弦波状を成すリサージュ図形である。

0108

したがって、垂直走査角度θVは、図12において式(1)で表されるように、垂直走査角度振幅(最大振れ角)ΘVを振幅とし、かつ、垂直走査の1フレーム当たりの往復回数nVとフレーム周波数f0との積に2πを乗じた値を角速度とする三角関数表現される。また、水平走査角度θHは、同図において式(2)で表されるように、水平走査角度振幅(最大振れ角)ΘHを振幅とし、水平走査の1フレーム当たりの往復回数nHとフレーム周波数f0との積に2πを乗じた値を角速度とし、かつ、初期位相差時間Δtを初期位相とする三角関数で表現される。

0109

一方、各フレームにおいて複数本の有効走査線を均一に分布させる(複数本の有効走査線が同じフレームにおいて複数のフィールド間で互いに重ならないようにする)ためには、図12に式(3)で表すように、nHの値とnVの値とが互いに素であり、かつ、初期位相差時間Δtが特定値であるようにすることが望ましい。

0110

図13には、nVが3に等しく、かつ、nHが7に等しい場合を例にとり、上記式(3)で表現される条件を満たす場合にスキャナ60によって形成されるラスタが、実際には複数本の正弦波状の曲線で表現されるところ、アークサイン補正された、複数本の直線で近似的に表現されている。

0111

ここで、図14ないし図18を参照することにより、RSD10によって画像が表示される原理をさらに詳細に説明する。

0112

図14ないし図16には、RSD10により複数本の走査線が形成される様子が時間的に展開されて正面図で示されている。各図において実線は有効走査線を示し、破線は消去帰線(無効走査線)を示している。図14ないし図16に示す例においては、画像の1フレームが8フィールドに分かれて走査される。図14には第1フィールドが示され、図15には第1および第2フィールドが一緒に示され、図16には、第1ないし第8フィールド、すなわち、今回のフレームを構成する全フィールドが一緒に示されている。

0113

図17には、図16に示す1フレームに対して設定される画像表示領域158が、RSD10のうち画像表示に関与する光学系(例えば、スキャナ60)の傾きを、従来のインターレーススキャン方式または従来のノンインターレーススキャン方式に適合するように設計した場合に、水平線に対して傾斜する様子が正面図で示されている。

0114

図18には、図17に示す画像表示領域158が、RSD10のうち画像表示に関与する光学系(例えば、スキャナ60)の傾き調整により、水平に延びる姿勢で示されている。さらに、図18には、図17に示す1フレーム中の複数本の走査線(有効走査線として可視化され得る走査線)のうち、画像表示領域158内に存在する部分のみが可視化され、その画像表示領域158の外側に存在する部分は消去される様子が示されている。RSD10は、観察者が、図18に示す画像表示領域158内において画像を観察することができるように設計されている。

0115

以上、前述の画像表示プログラムにおいて採用される画像表示原理を説明したが、次に、図4を参照することにより、その画像表示プログラムを説明する。

0116

この画像表示プログラムの実行がコンピュータ122によって開始されると、まず、ステップS1(以下、単に「S1」で表す。他のステップについても同じとする。)において、スキャナ60の作動が開始され、それにより、水平走査と垂直走査とが互いに同期して実行される。その結果、Rレーザ22、Gレーザ24およびBレーザ26のうちの少なくとも一つからレーザビームが出射されることを条件に、網膜上14においてレーザビームの走査点(再生点)の軌跡が所望の画像をリサージュ図形として描画可能な状態となる。

0117

次に、S2において、表示すべき映像を構成する一連の複数のフレームにそれぞれ付されるフレーム番号FRMの今回値が1にセットされる。続いて、S3において、同期信号処理部152から最新のフレーム同期信号が発生させられるのが待たれる。

0118

その最新のフレーム同期信号が発生させられたならば、このS3の判定がYESとなり、S4において、外部から供給された映像信号に基づき、今回のフレームを表示するための画像データ(画像における各画素の輝度を表すデータであり、輝度信号に相当する。)が生成される。

0119

その生成された1フレーム分の画像データは、フレームバッファ140に、各有効走査線ごとに区分されたラインデータとして、走査線番号SLに関連付けてストアされる。1フレーム分の画像データは、複数本の有効走査線にそれぞれ対応する複数のラインデータの集合として構成される。1フレームがnH本の有効走査線によって構成される場合には、フレームバッファ140には、画像データがnH行分、ストアされることになる。各ラインデータは、対応する有効走査線上に位置する複数の画素の輝度をそれぞれ表す複数の画素データの集合である。

0120

図5に示す例においては、1フレーム分の画像データが、9個のラインデータの集合として構成され、それらラインデータが9個の走査線番号SL1ないし9にそれぞれ関連付けてフレームバッファ140にストアされる。

0121

続いて、S5において、各フレームを構成する一連の複数のフィールドにそれぞれ付されるフィールド番号FLDの今回値が1にセットされる。

0122

その後、S6において、今回のフィールド番号FLDが奇数であるか否かが判定される。奇数である場合には、その判定がYESとなり、S7において、今回の奇数フィールドを構成する各有効走査線に関連付けてフレームバッファ140にストアされているラインデータのうち、画像表示領域158内に存在する画素に対応するデータであるとしてそのフレームバッファ140から読み出すことが適当である読出領域が計算によって設定される。各有効走査線に対応するラインデータは、その有効走査線上に位置する複数の画素をそれぞれ表す複数の画素データによって構成される。

0123

その読出領域は、例えば、各有効走査線に対応するラインデータのうちの読出開始位置アドレス)と読出終了位置(アドレス)とを、各有効走査線のもとの傾斜角、すなわち、図17に示す各有効走査線の水平線に対する傾斜角と、画像表示領域158の位置およびサイズとに応じて特定することにより、設定される。

0124

続いて、図4のS8において、フレームバッファ140の、その設定された読出領域内に存在する複数の画素データが、そのフレームバッファ140から、それら画素データが並んでストアされている順序と同じ方向、すなわち、今回の奇数フィールドにおいて各有効走査線が左側から右側へ進行するにつれてそれら画素データが再生される順序と同じ方向に読み出される。

0125

本実施形態においては、そもそも、画像表示領域158の左上隅走査開始点右下隅走査終了点にそれぞれ設定されているため、今回の奇数フィールドにおける各有効走査線の進行方向は、画像表示領域158が走査される順方向に等しい。

0126

以上、今回のフィールド番号FLDが奇数である場合を説明したが、偶数である場合には、S6の判定がNOとなり、S9に移行する。

0127

このS9においては、S7に準じて、今回の偶数フィールドを構成する各有効走査線に関連付けてフレームバッファ140に格納されているラインデータのうち、画像表示領域158内に存在する画素に対応するデータであるとしてそのフレームバッファ140から読み出すことが適当である読出領域が計算によって設定される。

0128

続いて、S10において、フレームバッファ140の、その設定された読出領域内に存在する複数の画素データが、そのフレームバッファ140から、それら画素データが並んでストアされている順序とは逆方向、すなわち、今回の偶数フィールドにおいて各有効走査線が右側から左側へ進行するにつれてそれら画素データが再生される順序と同じ方向に読み出される。

0129

前述のように、本実施形態においては、そもそも、画像表示領域158の左上隅が走査開始点、右下隅が走査終了点にそれぞれ設定されているため、今回の偶数フィールドにおける各有効走査線の進行方向は、画像表示領域158が走査される逆方向に等しい。

0130

本実施形態においては、表示すべき画像を表す画像データが、その画像において一列に並んだ複数個の画素の輝度をそれぞれ表す複数の画素データ(または輝度データ)として構成されている。それら複数の画素データに基づき、光源部34によって順次処理される輝度信号が生成される。

0131

それら複数の画素データは、奇数フィールドにおいて各有効走査線が順方向に走査される期間(一方向走査期間)において有効走査線を形成するために光源部34によって処理される第1の輝度データ群と、偶数フィールドにおいて各有効走査線が逆方向に走査される期間(逆方向走査期間)において有効走査線を形成するために光源部34によって処理される第2の輝度データ群とを含んでいる。図5に示す例においては、走査線番号SLが1であるラインデータが、第1の輝度データ群に相当し、走査線番号SLが2であるラインデータが、第2の輝度データ群に相当する。

0132

今回のフィールドが奇数フィールドである場合にも偶数フィールドである場合にも、その後、S11において、走査線番号SLの今回値が1にセットされる。続いて、S12において、同期信号処理部152から最新の水平走査同期信号が発生させられるのが待たれる。

0133

その最新の水平走査同期信号が発生させられると、S12の判定がYESとなり、S13において、S8またはS10において読み出された画像データに対応する走査線番号が、走査線番号SLの今回値に一致するか否かが判定される。一致する場合には、判定がYESとなり、S14において、S8またはS10において読み出された画像データが、各色ごとに、輝度信号に変換されて、各ドライバ28,30,32に転送される。

0134

それに応答し、各レーザ22,24,26は、各画素ごとに、対応する輝度信号に応じた輝度(強度)を有するように、各色のレーザビームを出射する。その出射した各色のレーザビームは、合成レーザビームとしてスキャナ60に入射する。

0135

その結果、図14ないし図18に示す例においては、図16に示すように、今回のフィールドが奇数フィールド(第1、第3、第5または第7フィールド)である場合には、今回の奇数フィールドにおける各有効走査線(往き走査線のみ)が上側から下側に向かって順方向にレーザビームによって形成されることにより、今回の奇数フィールドが表示される。これに対し、今回のフィールドが偶数フィールド(第2、第4、第6または第8フィールド)である場合には、図16に示すように、今回の偶数フィールドにおける各有効走査線(往き走査線のみ)が下側から上側に向かって逆方向にレーザビームによって形成されることにより、今回の偶数フィールドが表示される。

0136

その後、図4のS15において、走査線番号SLの今回値が最大値SLmax以上であるか否かが判定される。その最大値SLmaxは、今回のフィールドに属する有効走査線の数に等しい。今回は、走査線番号SLの今回値が最大値SLmax以上ではないと仮定すれば、その判定がNOとなり、S16において、走査線番号SLの今回値が1だけインクリメントされた後、S12に戻る。

0137

それらS12ないしS16の実行が必要回数繰り返された結果、S15の判定がYESとなれば、S17において、フィールド番号FLDの今回値が最大値FLDmax以上であるか否かが判定される。その最大値FLDmaxは、今回のフレームに属するフールドの数に等しい。今回は、フィールド番号FLDの今回値が最大値FLDmax以上ではないと仮定すれば、その判定がNOとなり、S18において、フィールド番号FLDの今回値が1だけインクリメントされた後、S6に戻る。

0138

それらS6ないしS18の実行が必要回数繰り返された結果、S17の判定がYESとなれば、S19において、フレーム番号FRMの今回値が最大値FRMmax以上であるか否かが判定される。その最大値FRMmaxは、今回の映像に属するフレームの数に等しい。今回は、フレーム番号FRMの今回値が最大値FRMmax以上ではないと仮定すれば、その判定がNOとなり、S20において、フレーム番号FRMの今回値が1だけインクリメントされた後、S3に戻る。

0139

それらS3ないしS20の実行が必要回数繰り返された結果、S19の判定がYESとなれば、以上で、この画像表示プログラムの一回の実行が終了する。

0140

以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、RSD10が前記(1)項に係る「光走査型ディスプレイ」の一例および前記(11)項における「光走査型ディスプレイ」の一例を構成し、図4に示す画像表示プログラムが前記(11)項に係る「光走査型ディスプレイ駆動方法」の一例を構成し、光源部34が前記(1)項および(11)項のそれぞれにおける「光源部」の一例を構成し、スキャナ60が前記(1)項および(11)項のそれぞれにおける「走査部」の一例を構成し、信号処理回路120が前記(1)項における「制御部」の一例を構成しているのである。

0141

さらに、本実施形態においては、ミラー部80が前記(6)項および(7)項における「ミラー」の一例を構成し、水平走査および垂直走査がそれぞれ同項における「主走査」の一例および「副走査」の一例を構成し、はり部82が同項における「第1振動部」の一例を構成し、支持部100およびはり部102が互いに共同して同項における「第2振動部」の一例を構成しているのである。

0142

さらに、本実施形態においては、図4におけるS4ないしS10が前記(11)項における「輝度信号生成工程」の一例を構成し、同図におけるS11ないしS16が同項における「輝度信号出力工程」の一例を構成しているのである。

0143

次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態に対してスキャナが異なるのみで、他の要素については共通するため、スキャナについてのみ詳細に説明し、他の要素については、第1実施形態と同一の符号または名称を使用して引用することにより、詳細な説明を省略する。

0144

図19に示すように、本実施形態に従うRSD160は、光源ユニット18と、光走査系162とを備えている。光源ユニット18は、第1実施形態と同様に、光源部34と、信号処理回路120とを含んでいる。その信号処理回路120は、コンピュータ122を主体として構成されており、そのコンピュータ122は、画像処理回路164において光源部34に電気的に接続されるとともに、インターフェース166において光走査系162に電気的に接続されている。画像処理回路164は、外部から供給された映像信号に基づいて輝度信号を生成して光源部34に出力する。RSD160におけるコンピュータ122の機能は第1実施形態と共通するため、重複した説明を省略する。

0145

光走査系162は、図20に示すように、水平走査部170と、垂直走査部172と、同期信号処理回路174とを含むように構成されている。それら水平走査部170および垂直走査部172はそれぞれ、互いに独立した第1ミラー180および第2ミラー182を備えており、この点、水平走査と垂直走査とを同じミラー部80を用いて行う第1実施形態とは異なる。

0146

水平走査部170においては、第1ミラー180が第1振動体184によって支持されており、その第1振動体184の共振現象を利用することにより、第1ミラー180が第1揺動軸線まわりに揺動させられる。第1ミラー180の揺動角すなわち走査角は、図20において「θH」で表されている。この水平走査部170は、水平走査駆動回路190を備えており、その水平走査駆動回路190は、第1振動体184に装着された駆動源200に駆動信号を供給することにより、第1振動体184を振動させて第1ミラー180を揺動させる。駆動源200は、電圧または電界を変位に変換する素子(例えば、圧電素子)を含むように構成される。

0147

これに対し、垂直走査部172においては、第2ミラー182が第2振動体186によって支持されており、その第2振動体186の共振現象を利用することにより、第2ミラー182が、上記第1揺動軸線と交差する第2揺動軸線まわりに揺動させられる。第2ミラー182の揺動角すなわち走査角は、図20において「θV」で表されている。この垂直走査部172は、垂直走査駆動回路192を備えており、その垂直走査駆動回路192は、第2振動体186に装着された駆動源202に駆動信号を供給することにより、第2振動体186を振動させて第2ミラー182を揺動させる。駆動源202は、電圧または電界を変位に変換する素子(例えば、圧電素子)を含むように構成される。

0148

本実施形態においては、第1振動体184と第2振動体186とが、相互に振動を伝達しないように、互いに独立して設置されており、よって、水平走査部170の水平走査周波数と、垂直走査部172の垂直走査周波数とをそれぞれ、互いに独立して設定することが可能である。

0149

画像表示の分野においては、水平走査周波数は高い周波数、垂直走査周波数は低い周波数となり、一方、共振を利用して達成される走査周波数は共振を利用せずに達成される走査周波数より高いのが通常である。したがって、それら水平走査周波数と垂直走査周波数とのうち少なくとも水平走査周波数を共振を利用して達成することが可能である。

0150

図20に示すように、同期信号処理回路174は、第1実施形態とは異なり、信号処理回路120から独立した電気回路として構成されているが、この同期信号処理回路174の機能は、第1実施形態における同期信号処理部152(図7参照)と共通する。具体的には、この同期信号処理回路174は、図8にタイミングチャートで示すように、水平走査部170から供給された水平走査同期信号に基づいて垂直走査同期信号とフレーム同期信号とを生成する。この同期信号処理回路174は、図20に示すように、その生成された垂直走査同期信号を垂直走査部172に出力する一方、その生成された水平走査同期信号およびフレーム同期信号を、望ましくは垂直走査同期信号と共に、信号処理回路120に出力する。

0151

以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、信号処理回路120と同期信号処理回路174とが互いに共同して前記(1)項における「制御部」の一例を構成し、第1および第2ミラー180,182がそれぞれ前記(7)項における「第1ミラー」の一例および「第2ミラー」の一例を構成し、水平走査および垂直走査がそれぞれ同項における「主走査」の一例および「副走査」の一例を構成し、第1振動体184が同項における「第1振動部」の一例を構成し、第2振動体186が同項における「第2振動部」の一例を構成しているのである。

0152

以上、本発明の実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。

図面の簡単な説明

0153

本発明の第1実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ10を示す系統図である。
図1におけるスキャナ60を示す平面図である。
図1におけるスキャナユニット20、光源部34および信号処理回路120を概念的に表すブロック図である。
図3におけるコンピュータ122によって実行される画像表示プログラムを概念的に表すフローチャートである。
図3におけるフレームバッファ140の論理的構造表形式で説明するための図である。
図3における水平走査駆動回路92から駆動源90に供給される水平走査駆動信号と、垂直走査駆動回路112から駆動源110に供給される垂直走査駆動信号とを示すグラフである。
図1におけるスキャナユニット20、光源部34および信号処理回路120をそれぞれが果たす機能に着目して表すブロック図である。
図7における水平走査同期信号、垂直走査同期信号およびフレーム同期信号を示すタイミングチャートである。
従来のインターレーススキャン方式で画像を表示するために形成される複数本の有効走査線を示す正面図である。
画像の各フレームを3以上のフィールドに分けて走査する方式で画像を表示するために形成される複数本の有効走査線の一例を示す正面図である。
画像の各フレームを3以上のフィールドに分けて走査する方式で画像を表示するために形成される複数本の有効走査線の別の例を示す正面図である。
水平走査と垂直走査との共同によってリサージュ図形として形成される複数本の走査線の幾何学的特性を式で説明する図である。
図12に示す式で表現される複数本の走査線の一例を示す正面図である。
図4に示す画像表示プログラムの実行による走査線の形成を説明するための図である。
図4に示す画像表示プログラムの実行による走査線の形成を説明するための別の図である。
図4に示す画像表示プログラムの実行による走査線の形成を説明するためのさらに別の図である。
図4に示す画像表示プログラムの実行による走査線の形成を説明するためのさらに別の図である。
図4に示す画像表示プログラムの実行による走査線の形成を説明するためのさらに別の図である。
本発明の第2実施形態に従う網膜走査型ディスプレイ160を示す系統図である。
図19における光走査系162を信号処理回路120と共に概念的に表すブロック図である。

符号の説明

0154

10網膜走査型ディスプレイ
34光源部
80ミラー部
82 はり部
102 はり部
120信号処理回路
140フレームバッファ
160 網膜走査型ディスプレイ
162光走査系
180 第1ミラー
182 第2ミラー
184 第1振動体
186 第2振動体

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