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課題

複数の発光ユニットを積層した有機EL素子発光効率改善。

解決手段

陰極陽極の間に複数の発光ユニットと、前記発光ユニットの間に中間ユニットを備え、前記中間ユニットが、陽極側の電子輸送層陰極側電子引き抜き層とを有し、前記電子引き抜き層の最低空分子軌道エネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、前記隣接層最高被占分子軌道のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、前記中間ユニットが、電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を陽極側の発光ユニットに供給する有機EL素子であって、最低空分子軌道のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(C)|が、|HOMO(B)|>|LUMO(C)|>|LUMO(A)|の電子引き抜き促進材料が、前記電子引き抜き層にドープされている。

概要

背景

有機エレクトロルミネッセント素子有機EL素子)は、ディスプレイ照明への応用の観点から活発に開発が行われている。有機EL素子の駆動原理は、以下のようなものである。すなわち、陽極及び陰極からそれぞれホール電子注入され、これらが有機薄膜中を輸送され、発光層において再結合励起状態が生じ、この励起状態から発光が得られる。発光効率を高めるためには、効率良くホール及び電子を注入させ、有機薄膜中を輸送させることが必要である。しかしながら、有機EL素子内のキャリアの移動は、電極と有機薄膜間のエネルギー障壁や、有機薄膜内のキャリア移動度の低さにより制限を受けるため、発光効率の向上にも限界がある。

一方、発光効率を向上させる他の方法として、複数の発光層を積層する方法が挙げられる。例えば、補色関係にあるオレンジ色発光層青色発光層とを直接接するように積層することにより、1層の場合より高い発光効率を得ることができる場合がある。例えば、青色発光層の発光効率が10cd/Aであり、オレンジ色発光層の発光効率が8cd/Aである場合に、これらを積層して白色発光素子とした場合に、15cd/Aの発光効率が得られている。

しかしながら、発光層を3層以上それぞれ直接接するように積層した場合には、発光効率の向上が得られない。これは、電子とホールの再結合領域拡がり限度があり、再結合領域が3層以上にまたがらないからである。

非特許文献1においては、V2O5、ITOなどの無機半導体層を介して2つの発光ユニットを積層し、無機半導体層の内部でキャリアを発生させて、2つの発光層にキャリアを供給する方法が報告されている。この方法は、無機半導体層中に含まれるキャリアを利用する方法であり、キャリアを発生させるためには高い電圧印加しなければならない。このため、駆動電圧が高くなり、携帯機器などの低電圧駆動には適用することができないものであった。

特許文献1〜4においても、電荷発生層などを介して複数の発光ユニットを積層した有機EL素子が提案されているが、高い電圧で駆動することが必要であり、高い発光効率が得られるものではなかった。

非特許文献2には、後述するHAT−CN6の製造方法が記載されている。
特開2003−272860号公報
特開2003−264085号公報
特開平11−329748号公報
特開2004−39617号公報
2004年季第51回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集No.3 1464頁 講演番号28p−ZQ−14「二重絶縁層をもつキャリア再結合型有機EL素子」
SYNTHESIS,April,1994,378〜380頁“Improved Synthesis of 1,4,5,8,9,12-Hexaazatriphenylenehexacarboxylic Acid”

概要

複数の発光ユニットを積層した有機EL素子の発光効率改善。陰極と陽極の間に複数の発光ユニットと、前記発光ユニットの間に中間ユニットを備え、前記中間ユニットが、陽極側の電子輸送層陰極側電子引き抜き層とを有し、前記電子引き抜き層の最低空分子軌道エネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、前記隣接層最高被占分子軌道のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、前記中間ユニットが、電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を陽極側の発光ユニットに供給する有機EL素子であって、最低空分子軌道のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(C)|が、|HOMO(B)|>|LUMO(C)|>|LUMO(A)|の電子引き抜き促進材料が、前記電子引き抜き層にドープされている。

目的

本発明の目的は、複数の発光ユニットを積層した有機EL素子において、発光効率が高い有機EL素子及びこれを用いた有機EL表示装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
19件

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請求項1

陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、前記発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、前記中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、前記電子引き抜き層は、前記電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、前記電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、前記隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、前記中間ユニットが、前記電子引き抜き層による前記隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を前記電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(C)|が、|HOMO(B)|>|LUMO(C)|>|LUMO(A)|の関係にある電子引き抜き促進材料が、前記電子引き抜き層にドープされていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項2

陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、前記発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、前記中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、前記電子引き抜き層は、前記電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、前記電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、前記隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、前記中間ユニットが、前記電子引き抜き層による前記隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を前記電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(C)|が、|HOMO(B)|>|LUMO(C)|>|LUMO(A)|の関係にある電子引き抜き促進材料からなる電子引き抜き促進層が、前記電子引き抜き層と前記隣接層の間に設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項3

陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、前記発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、前記中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、前記電子引き抜き層は、前記電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、前記電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、前記隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、前記中間ユニットが、前記電子引き抜き層による前記隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を前記電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(D)|が、前記電子輸送層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|及び|LUMO(A)|に対し、|LUMO(A)|>|LUMO(D)|>|LUMO(E)|の関係にある電子注入有機材料が、前記電子輸送層及び/または前記電子引き抜き層にドープされていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項4

陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、前記発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、前記中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、前記電子引き抜き層は、前記電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、前記電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、前記隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、前記中間ユニットが、前記電子引き抜き層による前記隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を前記電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(D)|が、前記電子輸送層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|及び|LUMO(A)|に対し、|LUMO(A)|>|LUMO(D)|>|LUMO(E)|の関係にある電子注入有機材料からなる電子注入有機材料層が、前記電子引き抜き層と前記電子輸送層の間に設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項5

アルカリ金属アルカリ土類金属、及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる電子注入層が、前記電子引き抜き層と前記電子輸送層の間に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項6

アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる電子注入層が、前記電子引き抜き層と前記電子注入有機材料層の間に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項7

陰極と、陽極と、前記陰極及び前記陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、前記発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、前記中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、前記電子引き抜き層は、前記電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、前記電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、前記隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、前記中間ユニットが、前記電子引き抜き層による前記隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を前記電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる電子注入層が、前記電子引き抜き層と前記電子輸送層の間に設けられており、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(D)|が、前記電子輸送層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|及び|LUMO(A)|に対し、|LUMO(A)|>|LUMO(D)|>|LUMO(E)|の関係にある電子注入有機材料、または前記電子引き抜き層の材料が、前記電子注入層にドープされていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項8

前記発光ユニットのうちの少なくとも1つが、2つの発光層を直接接するように積層した構造を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項9

前記隣接層が、前記発光ユニット内に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項10

前記隣接層が、前記中間ユニット内に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項11

前記隣接層が、ホール輸送性材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項12

前記隣接層が、アリールアミン系ホール輸送性材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。

請求項13

前記電子引き抜き層が、以下に示す構造式で表わされるピラジン誘導体から形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。(ここで、Arはアリール基を示し、Rは水素炭素数1〜10のアルキル基アルキルオキシ基ジアルキルアミン基、またはF、Cl、Br、IもしくはCNを示す。)

請求項14

前記電子引き抜き層が、以下に示す構造式で表わされるヘキサアザトリフェニレン誘導体から形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子。(ここで、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基、ジアルキルアミン基、またはF、Cl、Br、IもしくはCNを示す。)

請求項15

陽極と陰極に挟まれた素子構造を有する有機エレクトロルミネッセント素子と、表示画素毎に対応した表示信号を前記有機エレクトロルミネッセント素子に供給するための能動素子が設けられたアクティブマトリックス駆動基板と、該アクティブマトリックス駆動基板と対向して設けられる透明な封止基板とを備え、前記有機エレクトロルミネッセント素子を前記アクティブマトリックス駆動基板と前記封止基板の間に配置し、前記陰極及び前記陽極のうち前記封止基板側に設けられる電極透明電極としたトップエミッション型有機エレクトロルミネッセント表示装置であって、前記有機エレクトロルミネッセント素子が、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント表示装置。

請求項16

前記有機エレクトロルミネッセント素子が白色発光素子であり、前記有機エレクトロルミネッセント素子と前記封止基板との間に、カラーフィルターが配置されていることを特徴とする請求項15に記載の有機エレクトロルミネッセント表示装置。

技術分野

背景技術

0002

有機エレクトロルミネッセント素子(有機EL素子)は、ディスプレイ照明への応用の観点から活発に開発が行われている。有機EL素子の駆動原理は、以下のようなものである。すなわち、陽極及び陰極からそれぞれホール電子注入され、これらが有機薄膜中を輸送され、発光層において再結合励起状態が生じ、この励起状態から発光が得られる。発光効率を高めるためには、効率良くホール及び電子を注入させ、有機薄膜中を輸送させることが必要である。しかしながら、有機EL素子内のキャリアの移動は、電極と有機薄膜間のエネルギー障壁や、有機薄膜内のキャリア移動度の低さにより制限を受けるため、発光効率の向上にも限界がある。

0003

一方、発光効率を向上させる他の方法として、複数の発光層を積層する方法が挙げられる。例えば、補色関係にあるオレンジ色発光層青色発光層とを直接接するように積層することにより、1層の場合より高い発光効率を得ることができる場合がある。例えば、青色発光層の発光効率が10cd/Aであり、オレンジ色発光層の発光効率が8cd/Aである場合に、これらを積層して白色発光素子とした場合に、15cd/Aの発光効率が得られている。

0004

しかしながら、発光層を3層以上それぞれ直接接するように積層した場合には、発光効率の向上が得られない。これは、電子とホールの再結合領域拡がり限度があり、再結合領域が3層以上にまたがらないからである。

0005

非特許文献1においては、V2O5、ITOなどの無機半導体層を介して2つの発光ユニットを積層し、無機半導体層の内部でキャリアを発生させて、2つの発光層にキャリアを供給する方法が報告されている。この方法は、無機半導体層中に含まれるキャリアを利用する方法であり、キャリアを発生させるためには高い電圧印加しなければならない。このため、駆動電圧が高くなり、携帯機器などの低電圧駆動には適用することができないものであった。

0006

特許文献1〜4においても、電荷発生層などを介して複数の発光ユニットを積層した有機EL素子が提案されているが、高い電圧で駆動することが必要であり、高い発光効率が得られるものではなかった。

0007

非特許文献2には、後述するHAT−CN6の製造方法が記載されている。
特開2003−272860号公報
特開2003−264085号公報
特開平11−329748号公報
特開2004−39617号公報
2004年季第51回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集No.3 1464頁 講演番号28p−ZQ−14「二重絶縁層をもつキャリア再結合型有機EL素子」
SYNTHESIS,April,1994,378〜380頁“Improved Synthesis of 1,4,5,8,9,12-Hexaazatriphenylenehexacarboxylic Acid”

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、複数の発光ユニットを積層した有機EL素子において、発光効率が高い有機EL素子及びこれを用いた有機EL表示装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の第1の局面に従う有機EL素子は、陰極と、陽極と、陰極及び陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、電子引き抜き層は、電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、中間ユニットが、電子引き抜き層による隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(C)|が、|HOMO(B)|>|LUMO(C)|>|LUMO(A)|の関係にある電子引き抜き促進材料が、電子引き抜き層にドープされていることを特徴としている。

0010

本発明の第2の局面に従う有機EL素子は、陰極と、陽極と、陰極及び陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、電子引き抜き層は、電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、中間ユニットが、電子引き抜き層による隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(C)|が、|HOMO(B)|>|LUMO(C)|>|LUMO(A)|の関係にある電子引き抜き促進材料からなる電子引き抜き促進層が、電子引き抜き層と隣接層の間に設けられていることを特徴としている。

0011

本発明の第3の局面に従う有機EL素子は、陰極と、陽極と、陰極及び陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、電子引き抜き層は、電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、中間ユニットが、電子引き抜き層による隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(D)|が、電子輸送層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|及び|LUMO(A)|に対し、|LUMO(A)|>|LUMO(D)|>|LUMO(E)|の関係にある電子注入有機材料が、電子輸送層及び/または電子引き抜き層にドープされていることを特徴としている。

0012

本発明の第4の局面に従う有機EL素子は、陰極と、陽極と、陰極及び陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、電子引き抜き層は、電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、中間ユニットが、電子引き抜き層による隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(D)|が、電子輸送層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|及び|LUMO(A)|に対し、|LUMO(A)|>|LUMO(D)|>|LUMO(E)|の関係にある電子注入有機材料からなる電子注入有機材料層が、電子引き抜き層と電子輸送層の間に設けられていることを特徴としている。

0013

本発明の第5の局面に従う有機EL素子は、陰極と、陽極と、陰極及び陽極の間に配置される複数の発光ユニットと、発光ユニットの間に配置される中間ユニットとを備え、中間ユニットが、陽極側に設けられる電子輸送層と、陰極側に設けられる電子引き抜き層とを有し、電子引き抜き層は、電子引き抜き層の陰極側に隣接する隣接層から電子を引き抜くための層であり、電子引き抜き層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|と、隣接層の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値|HOMO(B)|が、|HOMO(B)|−|LUMO(A)|≦2.0eVの関係にあり、中間ユニットが、電子引き抜き層による隣接層からの電子の引き抜きにより発生したホールを陰極側の発光ユニットに供給するとともに、引き抜いた電子を電子輸送層を介して陽極側の発光ユニットに供給する有機エレクトロルミネッセント素子であって、アルカリ金属アルカリ土類金属、及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる電子注入層が、前記電子引き抜き層と前記電子輸送層の間に設けられており、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(D)|が、電子輸送層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|及び|LUMO(A)|に対し、|LUMO(A)|>|LUMO(D)|>|LUMO(E)|の関係にある電子注入有機材料、または電子引き抜き層の材料が、電子注入層にドープされていることを特徴としている。

0014

以下、本発明の第1の局面〜第5の局面に共通している中間ユニットの機能について説明する。

0015

本発明においては、複数の発光ユニットの間に中間ユニットを配置し、該中間ユニットからキャリアを供給することにより、発光ユニットを発光させている。以下、本発明の中間ユニットの機能について説明する。なお、以下の説明では、発光ユニットを2つとし、陰極側の発光ユニットを第1の発光ユニット、陽極側の発光ユニットを第2の発光ユニットとして説明している。

0016

本発明によれば、第1の発光ユニットと第2の発光ユニットの間に、中間ユニットが設けられ、中間ユニットに、電子引き抜き層が設けられている。電子引き抜き層の陰極側には、隣接層が設けられている。隣接層のHOMOのエネルギーレベルの絶対値│HOMO(B)│と、電子引き抜き層のLUMOのエネルギーレベルの絶対値│LUMO(A)│とは、│HOMO(B)│−│LUMO(A)│≦2.0eVの関係にある。すなわち、電子引き抜き層のLUMOのエネルギーレベルは、隣接層のHOMOのエネルギーレベルに近い値となっている。このため、電子引き抜き層は隣接層から電子を引き抜くことができる。この隣接層からの電子の引き抜きにより、隣接層にはホールが発生する。隣接層が第1の発光ユニット内に設けられている場合には、第1の発光ユニットにホールが発生する。また、隣接層が電子引き抜き層と第1の発光ユニットの間に設けられている場合、すなわち中間ユニット内に設けられている場合には、隣接層に発生したホールが、第1の発光ユニットに供給される。第1の発光ユニットに供給されたホールは、陰極または隣接する中間ユニットからの電子と再結合し、これによって第1の発光ユニットが発光する。

0017

一方、電子引き抜き層に引き抜かれた電子は、第2の発光ユニットに供給され、陽極または隣接する中間ユニットから供給されたホールと再結合し、これによって第2の発光ユニットが発光する。

0018

従って、本発明によれば、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのそれぞれにおいて再結合領域を形成することができ、これによって第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットをそれぞれ別個に発光させることができる。

0019

本発明において、電子引き抜き層が隣接層から電子を引き抜くためには、電子引き抜き層のLUMOのエネルギーレベルが、隣接層のLUMOのエネルギーレベルよりも、隣接層のHOMOのエネルギーレベルに近いことが好ましい。すなわち、隣接層のLUMOのエネルギーレベルの絶対値│LUMO(B)│は、以下の関係を満足することが好ましい。
│HOMO(B)│−│LUMO(A)│<│LUMO(A)│−│LUMO(B)│

0020

また、電子引き抜き層として用いる材料のLUMOのエネルギーレベルの絶対値は、一般に隣接層のHOMOをエネルギーレベルの絶対値よりも小さいので、このような場合、それぞれのエネルギーレベルの絶対値は、以下の関係式で示される。
0eV<│HOMO(B)│−│LUMO(A)│≦2.0eV

0021

本発明における第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、それぞれ単一の発光層から形成されていてもよいし、複数の発光層を直接接するように積層して構成されていてもよい。しかしながら、本発明は、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのうちの少なくとも一方が、2つの発光層を直接接するように積層した構造を有する場合に、特に有用である。すなわち、このような場合において、第1の発光ユニットと第2の発光ユニットを直接積層させると、3つまたは4つの発光層を直接積層した構造となり、上述のように、電子とホールの再結合領域の拡がりに限度があるため、再結合領域は3つまたは4つの発光層をまたがることがない。このため、3つまたは4つの発光層の厚み方向の1箇所で再結合が生じ、高い発光効率を得ることができない。また、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのそれぞれが別個に発光した場合の再結合領域と異なる領域で再結合するため、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットの組合せの発光色と異なる色が発光する場合がある。

0022

本発明に従い、第1の発光ユニットと第2の発光ユニットの間に中間ユニットを設けることにより、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのそれぞれにおいて再結合させることができる。すなわち、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットのそれぞれに再結合領域を形成することができ、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットをそれぞれ独自に発光させることができる。このため、高い発光効率を得ることができるとともに、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットの組合せの発光色と同一の色を発光することができる。

0023

本発明において、隣接層は、ホール輸送性材料から形成されていることが好ましく、特にアリールアミン系ホール輸送性材料から形成されていることが好ましい。

0024

本発明において、隣接層は第1の発光ユニット内に設けられていてもよい。特に、第1の発光ユニット内において中間ユニット側に位置する発光層のホスト材料が隣接層として適するホール輸送性材料である場合には、第1の発光ユニット内の中間ユニット側の発光層を隣接層とすることができる。

0025

また、本発明において、隣接層は中間ユニット内に設けられていてもよい。第1の発光ユニット内の中間ユニット側の発光層のホスト材料が隣接層として適するホール輸送性材料でない場合には、隣接層として機能させることができない場合があるので、このような場合には、中間ユニット内に隣接層を設けることができる。このような場合、隣接層は、電子引き抜き層と第1の発光ユニットの間に配置される。

0026

本発明において、電子引き抜き層は、LUMOのエネルギーレベルの絶対値が、隣接層のHOMOのエネルギーレベルの絶対値より2.0eV小さいものであれば特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、以下に示す構造式で表わされるピラジン誘導体から形成することができる。

0027

0028

(ここで、Arはアリール基を示し、Rは水素炭素数1〜10のアルキル基アルキルオキシ基ジアルキルアミン基、またはF、Cl、Br、IもしくはCNを示す。)
本発明において、さらに好ましくは、以下に示す構造式で表わされるヘキサアザトリフェニレン誘導体から電子引き抜き層を形成することができる。

0029

0030

(ここで、Rは水素、炭素数1〜10のアルキル基、アルキルオキシ基、ジアルキルアミン基、またはF、Cl、Br、IもしくはCNを示す。)
本発明における発光ユニットを構成する発光層は、ホスト材料とドーパント材料から形成されていることが好ましい。必要に応じてキャリア輸送性の第2のドーパント材料が含有されていてもよい。ドーパント材料としては、1重項発光材料であってもよいし、3重項発光材料(燐光発光材料)であってもよい。

0031

本発明の第1の局面に従う有機EL素子は、上記本発明の有機EL素子において、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(C)|が、|HOMO(B)|>|LUMO(C)|>|LUMO(A)|の関係にある電子引き抜き促進材料が、電子引き抜き層にドープされていることを特徴としている。電子引き抜き促進材料のLUMOのエネルギーレベルは、隣接層のHOMOのエネルギーレベルと、電子引き抜き層のLUMOのエネルギーレベルの間の値を有している。このため、このような電子引き抜き促進材料がドープされた電子引き抜き層においては、隣接層からの電子の引き抜きが容易になる。従って、本発明の第1の局面によれば、電子引き抜き層が隣接層から効率良く電子を引き抜くことができるので、発光効率をさらに高めることができる。

0032

本発明の第2の局面に従う有機EL素子、上記本発明の有機EL素子において、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(C)|が、|HOMO(B)|>|LUMO(C)|>|LUMO(A)|の関係にある電子引き抜き促進材料からなる電子引き抜き促進層が、電子引き抜き層と隣接層の間に設けられていることを特徴としている。本発明の第2の局面では、電子引き抜き促進材料からなる電子引き抜き促進層が、電子引き抜き層と隣接層の間に設けられている。上述のように、電子引き抜き促進材料のLUMOのエネルギーレベルは、隣接層のHOMOのエネルギーレベルと、電子引き抜き層のLUMOのエネルギーレベルの間の値を有している。このため、電子引き抜き層が隣接層に直接接している場合に比べ、隣接層からの電子の引き抜きをより容易に行うことができる。従って、本発明の第2の局面によれば、隣接層からの電子を効率良く引き抜くことができるので、発光効率をさらに高めることができる。

0033

本発明の第3の局面に従う有機EL素子は、上記本発明の有機EL素子において、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(D)|が、電子輸送層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|及び|LUMO(A)|に対し、|LUMO(A)|>|LUMO(D)|>|LUMO(E)|の関係にある電子注入有機材料が、電子輸送層及び/または電子引き抜き層にドープされていることを特徴としている。電子注入有機材料のLUMOのエネルギーレベルは、電子引き抜き層のLUMOのエネルギーレベルと、電子輸送層のLUMOのエネルギーレベルの間の値である。このような電子注入有機材料が、電子輸送層及び/または電子引き抜き層にドープされているため、電子引き抜き層と電子輸送層の間に中間的なエネルギーレベルを設けることができ、これによって電子引き抜き層から電子輸送層への電子の注入を促進することができる。従って、本発明の第3の局面によれば、効率良く電子引き抜き層から電子輸送層に電子を注入することができるため、発光効率をさらに高めることができる。

0034

本発明の第4の局面に従う有機EL素子は、上記本発明の有機EL素子において、最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(D)|が、電子輸送層の最低空分子軌道(LUMO)のエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|及び|LUMO(A)|に対し、|LUMO(A)|>|LUMO(D)|>|LUMO(E)|の関係にある電子注入有機材料からなる電子注入有機材料層が、電子引き抜き層と電子輸送層の間に設けられていることを特徴としている。第4の局面においては、電子注入有機材料からなる電子注入有機材料層が、電子引き抜き層と電子輸送層の間に設けられている。このため、電子引き抜き層のLUMOのエネルギーレベルと、電子輸送層のLUMOのエネルギーレベルの間に、これらの間の中間の値を有する電子注入有機材料層のLUMOのエネルギーレベルが設けられることとなり、電子引き抜き層から電子輸送層への電子の注入が促進される。従って、本発明の第4の局面によれば、電子引き抜き層から電子輸送層へ電子を効率良く注入することができ、発光効率をさらに向上させることができる。

0035

本発明の第1の局面〜第3の局面においては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる電子注入層が、電子引き抜き層と電子輸送層の間に設けられていることが好ましい。電子注入層のLUMOのエネルギーレベルの絶対値|LUMO(F)|または仕事関数の絶対値|WF(F)|は、電子引き抜き層のLUMOのエネルギーレベルの絶対値|LUMO(A)|より小さいことが好ましい。電子引き抜き層より引き抜かれた電子は、電子注入層に移動し、電子注入層から電子輸送層を介して発光ユニットに供給される。

0036

また、電子輸送層のLUMOのエネルギーレベルの絶対値|LUMO(E)|は、電子注入層のLUMOのエネルギーレベルの絶対値|LUMO(F)|または仕事関数の絶対値|WF(F)|より小さいことが好ましい。電子注入層に移動した電子は、電子輸送層を通り発光ユニットに供給される。

0037

本発明の第4の局面においては、上記電子注入層が、電子引き抜き層と電子注入有機材料層の間に設けられていることが好ましい。電子引き抜き層と電子注入有機材料層の間に電子注入層を設けることにより、電子引き抜き層からの電子を、より効率良く電子輸送層に供給することができる。

0038

本発明の第5の局面においては、上記電子注入層が、電子引き抜き層と電子輸送層の間に設けられており、上記電子注入有機材料または電子引き抜き層の材料が、電子注入層にドープされていることを特徴としている。電子注入有機材料または電子引き抜き層の材料が、電子注入層にドープされることにより、電子引き抜き層からの電子を、より効率良く電子輸送層に供給することができる。電子注入有機材料及び電子引き抜き層の材料をドープした電子注入層は、複数の層から構成されていてもよい。例えば、電子引き抜き層の材料をドープした第1の電子注入層を陰極側に配置し、電子注入有機材料をドープした第2の電子注入層を陽極側に配置した積層構造から電子注入層が構成されていてもよい。

0039

電子注入層を形成するアルカリ金属としては、Li、Csなどが挙げられる。アルカリ金属酸化物としては、Li2Oなどが挙げられる。アルカリ土類金属としては、Mgなどが挙げられる。また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩(例えばCs2CO3など)によっても電子注入層を形成することができる。

0040

本発明における中間ユニット内の電子輸送層は、有機EL素子において一般に電子輸送性材料として用いられている材料から形成することができる。例えば、フェナントロリン誘導体シロール誘導体トリアゾール誘導体キノリノール金属錯体誘導体オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。

0041

本発明の有機エレクトロルミネッセント表示装置は、陽極と陰極に挟まれた素子構造を有する有機エレクトロルミネッセント素子と、表示画素毎に対応した表示信号を有機エレクトロルミネッセント素子に供給するための能動素子が設けられたアクティブマトリックス駆動基板と、該アクティブマトリックス駆動基板と対向して設けられる透明な封止基板とを備え、有機エレクトロルミネッセント素子をアクティブマトリックス駆動基板と封止基板の間に配置し、陰極及び陽極のうち封止基板側に設けられる電極を透明電極としたトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセント表示装置であって、有機エレクトロルミネッセント素子が、上記本発明の第1の局面〜第5の局面のいずれかに従う有機エレクトロルミネッセント素子であることを特徴としている。

0042

有機エレクトロルミネッセント素子が白色発光素子である場合、封止基板と有機エレクトロルミネッセント素子の間にカラーフィルターを配置することが好ましい。

0043

本発明の有機エレクトロルミネッセント表示装置は、トップエミッション型の表示装置であるので、有機エレクトロルミネッセント素子で発光した光は、アクティブマトリックスが設けられている側と反対側の封止基板から出射される。一般にアクティブマトリックス回路は多数の層を積層して形成するものであり、ボトムエミッション型の場合はこのようなアクティブマトリックス回路の存在により出射光減衰するが、本発明の有機エレクトロルミネッセント表示装置はトップエミッション型であるため、このようなアクティブマトリックス回路による影響を受けることなく光を出射することができる。特に、本発明の有機エレクトロルミネッセント素子は複数の発光ユニットを有するものであるため、トップエミッション型の場合ボトムエミッション型に比べ発光した光が通過する膜数が少なくて済むので、光の干渉による出射光の減衰あるいは出射光の視野角の減衰を制御するための設計の自由度を高めることができる。

発明の効果

0044

本発明の有機EL素子及び有機EL表示装置は、複数の発光ユニットを積層して備えるものであり、高い発光効率を示す。

0045

本発明の第1の局面及び第2の局面に従えば、電子引き抜き促進材料が、電子引き抜き層にドープされているか、あるいは電子引き抜き促進材料からなる電子引き抜き促進層が、電子引き抜き層と隣接層の間に設けられている。このため、隣接層からの電子引き抜き層による電子の引き抜きをより効率良く行うことができ、発光効率をさらに高めることができる。本発明の第3の局面〜第5の局面に従えば、電子注入有機材料が、電子輸送層及び/または電子引き抜き層にドープされているか、あるいは電子注入有機材料または電子引き抜き層の材料が電子注入層にドープされているか、あるいは電子注入有機材料からなる電子注入有機材料層が電子引き抜き層と電子輸送層の間に設けられている。これにより、電子引き抜き層から電子輸送層への電子の注入をより効率良く行うことができる。このため、発光効率をさらに高めることができる。

発明を実施するための最良の形態

0046

図1は、本発明に従う有機EL素子を示す模式的断面図である。図1に示すように、陰極51と陽極52の間には、第1の発光ユニット41及び第2の発光ユニット42が設けられている。第1の発光ユニット41と第2の発光ユニット42の間には、中間ユニット30が設けられている。第1の発光ユニット41は、中間ユニット30に対し陰極51側に設けられており、第2の発光ユニット42は、中間ユニット30に対し陽極52側に設けられている。

0047

中間ユニット30内には、電子引き抜き層31及び電子輸送層33が設けられている。

0048

本発明の第1の局面に従えば、電子引き抜き層31に、電子引き抜き促進材料がドープされている。電子引き抜き層31における電子引き抜き促進材料の含有量は、0.1〜50重量%の範囲内が好ましく、さらに好ましくは1〜45重量%である。

0049

本発明の第2の局面に従えば、電子引き抜き層31と、第1の発光ユニット41の間に、電子引き抜き促進層34が設けられる。電子引き抜き促進層34の厚みは、0.1〜100nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5〜50nmの範囲内である。

0050

本発明の第3の局面に従えば、電子輸送層33及び/または電子引き抜き層31に、電子注入有機材料がドープされている。電子注入有機材料の含有量は、0.1〜50重量%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは1〜45重量%の範囲内である。

0051

本発明の第4の局面に従えば、電子引き抜き層31と電子輸送層33の間に、電子注入有機材料からなる電子注入有機材料層35が設けられる。電子注入有機材料層35の厚みは、0.1〜100nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜50nmの範囲内である。

0052

本発明において、電子注入層32が設けられる場合には、電子引き抜き層31と電子輸送層33の間に設けられ、電子注入有機材料層35が存在する場合には、電子引き抜き層31と電子注入有機材料層35の間に設けられる。電子注入層32の厚みは、0.1〜100nmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜50nmの範囲内である。電子注入層32の厚みは非常に薄いので、隣接する電子注入有機材料層35や電子輸送層33の表面に拡散してドープされた状態で形成されていてもよい。

0053

図2は、本発明の第1の局面に従う一実施例の中間ユニット周辺エネルギーダイヤグラムを示す図である。中間ユニット30は、電子引き抜き層31、電子注入層32及び電子輸送層33から構成されている。電子引き抜き層31の陰極側には、第1の発光ユニット41の中間ユニット30側の発光層である隣接層40が設けられている。また、中間ユニット30の陽極側には、第2の発光ユニット42が設けられている。図2においては、第2の発光ユニット42の中間ユニット30側の発光層のみが図示されている。

0054

図2に示す実施例において、電子引き抜き層31は、ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル(以下、「HAT−CN6」という)から形成されている。HAT−CN6は、例えば非特許文献2に記載された方法により製造することができる。

0055

電子注入層32は、Li(金属リチウム)から形成されている。

0056

電子輸送層33は、BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)から形成されている。

0057

隣接層(発光層)40は、NBP(N,N′−ジ(ナフタセン−1−イル)−N,N′−ジフェニルベンジジン)をホスト材料として含有している。

0058

第2の発光ユニット42として示している発光層は、TBADN(2−ターシャリーブチル−9,10−ジ(2−ナフチルアントラセン)をホスト材料として含有している。

0059

図2に示す実施例においては、電子引き抜き層31に、4F−TCNQ(2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノ−キノジメタン)がドープされている。すなわち、4F−TCNQが、電子引き抜き促進材料としてドープされている。4F−TCNQは、以下の構造を有している。

0060

0061

後述する実施例において、電子引き抜き促進材料として用いるOHBBDT(4,5,6,7,4′,5′,6′,7′−オクタヒドロ−〔2,2′〕ビ〔ベンゾ〔1,3〕ジチオリリデン〕)は、以下の構造を有している。

0062

0063

また、後述する実施例において、電子引き抜き促進材料として用いるTPBT(2,2,2′,2′−テトラフェニル−ビ−チアピラン−4,4′−ジイリデン)は、以下の構造を有している。

0064

0065

また、後述する実施例において電子注入有機材料として用いるDTN(2,3−ジフェニル−1,4,6,11−テトラアザ−ナフタセン)は、以下の構造を有している。

0066

0067

電子引き抜き層31を形成しているHAT−CN6は、以下の構造を有している。

0068

0069

BCPは、以下の構造を有している。

0070

0071

NPBは、以下の構造を有している。

0072

0073

TBADNは、以下の構造を有している。

0074

0075

図2に示すように、電子引き抜き層31のLUMOエネルギーレベルの絶対値(4.4eV)と、隣接層40のHOMOエネルギーレベルの絶対値(5.4eV)との差は、2.0eV以内であり、図2の場合、1.0eVとなっている。この値が2.0eVの場合、電子引き抜き層31は、陽極及び陰極に電圧が印加された際、隣接層40から電子を引き抜くことができる。さらに、この値が小さい方が電子引き抜き効果は大きい。例えば、この値が1.5eVの場合は、この値が2.0eVの場合より、より電子の引き抜き効果が大きく、さらに図2のように1.0eV以下のものが最も好ましい。電子引き抜き層31には、4F−TCNQがドープされており、この4F−TCNQのLUMOのエネルギーレベルの絶対値は、4.6eVである。従って、電子引き抜き促進材料をドープすることにより、隣接層40からの電子の引き抜きが容易になり、効率良く電子を引き抜くことができる。引き抜かれた電子は、電子注入層32及び電子輸送層33を通り、第2の発光ユニット42に供給される。

0076

隣接層40においては、電子が引き抜かれるのでホールが発生する。このホールは、第1の発光ユニット内において陰極から供給された電子と再結合する。この結果、第1の発光ユニット内で発光する。

0077

第2の発光ユニットに供給された電子は、陽極から供給されたホールと第2の発光ユニット42内で再結合する。この結果第2の発光ユニット42内で発光する。

0078

以上のように、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニット内でそれぞれ再結合領域を形成することができ、発光させることができる。従って、発光効率を高めることができるとともに、第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットの発光色を発光させることができる。

0079

図3は、本発明の第1の局面及び第4の局面に従う中間ユニット周辺のエネルギーダイヤグラムを示す図である。図3に示す実施例においては、電子引き抜き層31と電子輸送層33の間に、DTNからなる電子注入有機材料層35が設けられている。

0080

電子引き抜き層31には、図2に示す実施例と同様に、4F−TCNQが、電子引き抜き促進材料としてドープされている。従って、隣接層40から容易に電子を引き抜くことができる。電子引き抜き層31により引き抜かれた電子は、電子輸送層33に供給されるが、電子引き抜き層31と電子輸送層33の間に、電子注入有機材料層35が設けられており、そのLUMOのエネルギーレベルは、電子引き抜き層31と電子輸送層33の間の値であるので、電子輸送層33に効率良く電子を注入することができる。

0081

図3に示す実施例においては、電子注入有機材料からなる電子有機材料層35を電子引き抜き層31と電子輸送層33の間に設けているが、本発明の第3の局面に従い、DTNからなる電子注入有機材料を、電子引き抜き層31及び/または電子輸送層33にドープしても、同様の効果を得ることができる。

0082

図2及び図3に示すそれぞれの実施例では、電子引き抜き層31内に、電子引き抜き促進材料である4F−TCNQをドープしているが、4F−TCNQからなる電子引き抜き促進層34を、隣接層40と電子引き抜き層31の間に設けても、同様の効果を得ることができる。

0083

実験1>
(実施例1〜12及び比較例1〜3)
表1に示す陽極、ホール注入層、第2の発光ユニット、中間ユニット、第1の発光ユニット、電子輸送層、及び陰極を有する実施例1〜12及び比較例1〜3の有機EL素子を作製した。

0084

陽極は、ITO(インジウム錫酸化物)膜が形成されたガラス基板の上に、フルオロカーボン(CFX)層を形成することにより作製した。フルオロカーボン層は、CHF3ガスプラズマ重合により形成した。フルオロカーボン層の厚みは1nmとした。

0085

以上のようにして作製した陽極の上に、ホール注入層、第2の発光ユニット、中間ユニット、第1の発光ユニット、電子輸送層、及び陰極を蒸着法により順次堆積して形成した。

0086

第1の発光ユニット及び第2の発光ユニットは、オレンジ色発光層(NPB+10%tBuDPN+3.0%DBzR)及び青色発光層(TBADN+20%NPB+2.5%TBP)を積層して形成している。いずれの発光ユニットにおいても、オレンジ色発光層が陽極側に位置し、青色発光層は陰極側に位置している。なお、%は特に断らない限り重量%である。

0087

オレンジ色発光層においては、NPB及びtBuDPNをホスト材料として用い、DBzRをドーパント材料として用いている。DBzRは、5,12−ビス{4−(6−メチルベンゾチアゾール−2−イル)フェニル}−6,11−ジフェニルナフタセンであり、以下の構造を有している。

0088

0089

tBuDPNは、5,12−ビス(4−ターシャリー−ブチルフェニル)ナフタセンであり、以下の構造を有している。

0090

0091

青色発光層は、TBADN及びNPBをホスト材料として用いており、TBPをドーパント材料として用いている。

0092

TBPは、2,5,8,11−テトラ−ターシャリー−ブチルペリレンであり、以下の構造を有している。

0093

0094

作製した各有機EL素子について、発光効率を測定し、測定結果を駆動電圧と共に表1に示した。なお、発光効率は10mA/cm2における値である。

0095

0096

表1に示すように、実施例1においては、4F−TCNQを電子引き抜き促進材料として電子輸送層中にドープしている。実施例2においては、OHBBDTを電子引き抜き促進材料として電子引き抜き層にドープしている。実施例3においては、TPBTを電子引き抜き促進材料として電子引き抜き層にドープしている。

0097

実施例4においては、TPBTからなる電子引き抜き促進層を、電子輸送層と、隣接層である第1の発光ユニットのオレンジ色発光層との間に設けている。

0098

実施例5においては、電子注入有機材料であるDTNからなる電子注入有機材料層を、BCPからなる電子輸送層と、Li2Oからなる電子注入層の間に設けている。

0099

実施例6においては、BCPからなる電子輸送層と、Li2Oからなる電子注入層の間に、50%DTNをドープしたBCPの層を設けている。従って、電子輸送層の表面にDTNからなる電子注入有機材料がドープされている。

0100

実施例7においては、BCPからなる電子輸送層と、Li2Oからなる電子注入層の間にDTNからなる電子注入有機材料層が設けられている。また、電子引き抜き層においては、4F−TCNQからなる電子引き抜き促進材料がドープされている。

0101

実施例8においては、BCPからなる電子輸送層と、Li2Oからなる電子注入層との間に、DTNからなる電子注入有機材料層が設けられている。また、電子引き抜き層には、4F−TCNQがドープされており、隣接層として、中間ユニット内にNPBからなる層が設けられている。

0102

実施例9においては、電子引き抜き層とBCPからなる電子輸送層との間に、50%DTNをドープしたHAT−CN6からなる層が設けられている。従って、電子引き抜き層の表面にDTNからなる電子注入有機材料がドープされている。

0103

実施例10においては、BCPからなる電子輸送層と、Liからなる電子注入層の間に、DTNからなる電子注入有機材料層が設けられている。電子引き抜き層には、4F−TCNQがドープされており、中間ユニット内に、NPBからなる隣接層が設けられている。

0104

実施例11においては、BCPからなる電子輸送層と、Csからなる電子注入層の間に、DTNからなる電子注入有機材料層が設けられている。また、電子引き抜き層には、4F−TCNQからなる電子引き抜き促進材料がドープされている。また、中間ユニットには、NPBからなる隣接層が設けられている。

0105

実施例12においては、電子引き抜き層に、4F−TCNQからなる電子引き抜き促進材料がドープされている。

0106

実施例13においては、Mgからなる電子注入層に、電子引き抜き層の材料としてHAT−CN6が50%ドープされている。なお、Mgの仕事関数は、−3.7eVである。

0107

実施例14においては、Mgからなる電子注入層に、電子注入有機材料としてDTNが50%ドープされている。

0108

実施例15においては、Mgに50%のHAT−CN6をドープした第1の電子注入層と、Mgに50%のDTNをドープした第2の電子注入層が設けられている。第1の電子注入層は陰極側に配置されており、第2の電子注入層は陽極側に配置されている。

0109

比較例1においては、中間ユニット内に、電子引き抜き層と電子輸送層のみが設けられている。

0110

比較例2においては、電子引き抜き層と、電子注入層と、電子輸送層のみが設けられている。

0111

比較例3においては、中間ユニットが設けられていない。

0112

表1に示す結果から明らかなように、本発明の第1の局面に従う実施例1〜3は、比較例1〜3に比べ、良好な発光効率を示している。

0113

本発明の第2の局面に従う実施例4は、比較例1〜3に比べ、良好な発光効率を示している。

0114

本発明の第4の局面に従う実施例5は、比較例1〜3に比べ、良好な発光効率を示している。

0115

本発明の第3の局面に従う実施例6は、比較例1〜3に比べ、良好て発光効率を示している。

0116

本発明の第1の局面及び第4の局面に従う実施例7及び8は、比較例1〜3に比べ、良好な発光効率を示している。

0117

本発明の第3の局面に従う実施例9は、比較例1〜3に比べ、良好な発光効率を示している。

0118

本発明の第1の局面及び第4の局面に従う実施例10及び11は、比較例1〜3に比べ、良好な発光効率を示している。

0119

本発明の第1の局面に従う実施例12は、比較例1〜3に比べ、良好な発光効率を示している。

0120

本発明の第5の局面に従う実施例13〜15は、比較例1〜3に比べ、良好な発光効率を示している。

0121

表2は、4F−TCNQ、OHBBDT、TPBT、DTN、HAT−CN6、NPB、及びBCPのHOMOエネルギーレベルの絶対値及びLUMOのエネルギーレベルの絶対値を示している。

0122

0123

表2に示すように、本発明において、電子引き抜き促進材料として用いている4F−TCNQ、OHBBDT、及びTPBTのLUMOのエネルギーレベルの絶対値は、電子引き抜き層のHAT−CN6のLUMOのエネルギーレベルの絶対値より高く、隣接層のホスト材料であるNPBのHOMOのエネルギーレベルの絶対値より低い値となっている。

0124

また、本発明において、電子注入有機材料として用いているDTNのLUMOのエネルギーレベルは、電子引き抜き層のHAT−CN6のLUMOのエネルギーレベルの絶対値より小さく、電子輸送層のBCPのLUMOのエネルギーレベルの絶対値より大きくなっている。

0125

図4は、本発明に従う実施例の有機EL素子を備えた有機EL表示装置を示す断面図である。この有機EL表示装置においては、能動素子としてTFTを用いて各画素における発光を駆動している。なお、能動素子としてダイオードなども用いることができる。また、この有機EL素子においては、カラーフィルターが設けられている。この有機EL表示装置は、矢印で示しているように基板1の下方に光を出射して表示するボトムエミッション型の表示装置である。

0126

図4を参照して、ガラスなどの透明基板からなる基板1の上には、第1の絶縁層2が設けられている。第1の絶縁層2は、例えばSiO2及びSiNXなどから形成されている。第1の絶縁層2の上には、ポリシリコン層からなるチャネル領域20が形成されている。チャネル領域20の上には、ドレイン電極21及びソース電極23が形成されており、またドレイン電極21とソース電極23の間には、第2の絶縁層3を介してゲート電極22が設けられている。ゲート電極22の上には、第4の絶縁層4が設けられている。第2の絶縁層3は、例えばSiNX及びSiO2から形成されており、第3の絶縁層4は、SiO2及びSiNXから形成されている。

0127

第3の絶縁層4の上には、第4の絶縁層5が形成されている。第4の絶縁層5は、例えば、SiNXから形成されている。第4の絶縁層5の上の画素領域の部分には、カラー
ィルター層7が設けられている。カラーフィルター層7としては、R(赤)、G(緑)、またB(青)などのカラーフィルターが設けられる。カラーフィルター層7の上には、第1の平坦化膜6が設けられている。ドレイン電極21の上方の第1の平坦化膜6にはスルーホール部が形成され、第1の平坦化膜6の上に形成されているITO(インジウムスズ酸化物)からなるホール注入電極8がスルーホール部内に導入されている。画素領域におけるホール注入電極(陽極)8の上には、ホール注入層10が形成されている。画素領域以外の部分においては、第2の平坦化膜9が形成されている。

0128

ホール注入層10の上には、本発明に従い積層した白色発光の発光素子層11が設けられている。発光素子層11は、第2の発光ユニットの上に中間ユニットを介して第1の発光ユニットを積層した本発明に従う構造を有している。発光素子層11の上には、電子輸送層12が設けられ、電子輸送層12の上には、電子注入電極(陰極)13が設けられている。

0129

以上のように、本実施例の有機EL素子においては、画素領域の上に、ホール注入電極(陽極)8と、ホール注入層10と、本発明に従う構造を有する発光素子層11と、電子輸送層12と、電子注入電極(陰極)13とが積層されて有機EL素子が構成されている。

0130

発光素子層11からは白色の発光がなされる。この白色の発光は、基板1を通り外部に出射するが、発光側にカラーフィルター層7が設けられているので、カラーフィルター層7の色に応じて、R、GまたはBの色が出射される。

0131

図5は本発明に従う実施例の有機EL表示装置を示す断面図である。本実施例の有機EL表示装置は、矢印で図示してるように基板1の上方に光を出射して表示するトップエミッション型の有機EL表示装置である。

0132

基板1から陽極8までの部分は、図4に示す実施例とほぼ同様にして作製されている。但し、カラーフィルター層7は、第4の絶縁層5の上に設けられておらず、有機EL素子の上方に配置されている。具体的には、ガラスなどからなる透明な封止基板10の上にカラーフィルター層7を取り付け、この上にオーバーコート層15をコーティングし、これを透明接着剤層14を介して陽極8の上に貼り付けることにより取り付けられている。また、本実施例では、陽極と陰極の位置を図4に示す実施例とは逆にしている。

0133

陽極8として、透明な電極が形成されており、例えば、膜厚100nm程度のITOと膜厚20nm程度の銀とを積層することにより形成されている。陰極13としては、反射電極が形成されており、例えば、膜厚100nm程度のアルミニウムクロム、または銀の薄膜が形成されている。オーバーコート層15は、アクリル樹脂などにより厚み1μm程度に形成されている。カラーフィルター層7は、顔料タイプのものであってもよいし染料タイプのものであってもよい。その厚みは1μm程度である。

0134

発光素子層11から発光された白色光は、封止基板16を通り外部に出射されるが、発光側にカラーフィルター層7が設けられているので、カラーフィルター層7の色に応じてR、GまたはBの色が出射される。本実施例の有機EL表示装置はトップエミッション型であるので、薄膜トランジスタが設けられている領域も画素領域として用いることができ、図4に示す実施例よりも広い範囲にカラーフィルター層7が設けられている。発光素子層11は本発明に従う有機EL素子から形成されており、発光効率の高い発光素子層であるが、本実施例によればより広い領域を画素領域として用いることができるので、発光効率の高い発光素子層の利点を十分に活用することができる。また、複数の発光ユニットを有する発光素子層の形成も、アクティブマトリックスによる影響を考慮せずに行うことができるので、設計の自由度を高めることができる。

0135

上記実施例では、封止基板としてガラス板を用いているが、本発明において封止基板はガラス板に限定されるものではなく、例えば、SiO2などの酸化膜やSiNxなどの窒化膜などの膜状のものも封止基板として用いることができる。この場合、素子上に膜状の封止基板を直接形成できるので、透明接着剤層を設ける必要がなくなる。

0136

上記各実施例においては、陽極及び陰極の間に2つ発光ユニット(第1の発光ユニット及び第2の発光ユニット)を配置した有機EL素子を例示しているが、本発明における発光ユニットの数は2つに限定されるものではなく、3つ以上発光ユニットを設け、各発光ユニットの間に中間ユニットを設けてもよい。

図面の簡単な説明

0137

本発明に従う一実施例の有機EL素子を示す模式的断面図。
中間ユニット周辺のエネルギーダイヤグラムを示す図。
中間ユニット周辺のエネルギーダイヤグラムを示す図。
本発明に従う実施例の有機EL素子を用いたボトムエミッション型の有機EL表示装置を示す断面図。
本発明に従う実施例の有機EL表示装置を示す断面図。

符号の説明

0138

1…基板
2…第1の絶縁層
3…第2の絶縁層
4…第3の絶縁層
5…第4の絶縁層
6…第1の平坦化膜
7…カラーフィルター層
8…ホール注入電極
9…第2の平坦化膜
10…ホール注入層
11…発光素子層
12…電子輸送層
13…電子注入電極
14…透明接着剤層
15…オーバーコート層
16…封止基板
20…チャネル領域
21…ドレイン電極
22…ゲート電極
23…ソース電極
30…中間ユニット
31…電子引き抜き層
32…電子注入層
33…電子輸送層
34…電子引き抜き促進層
35…電子注入有機材料層
40…隣接層
41…第1の発光ユニット
42…第2の発光ユニット
51…陰極
52…陽極

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