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技術 受信アンテナ、非破壊検査装置及び非破壊検査の検査方法

出願人 三重津田電器産業株式会社
発明者 園川真隆大塚雅文
出願日 2005年1月19日 (15年11ヶ月経過) 出願番号 2005-011739
公開日 2006年8月3日 (14年4ヶ月経過) 公開番号 2006-200985
状態 拒絶査定
技術分野 マイクロ波、NMR等による材料の調査
主要キーワード 電磁波受信器 スクリュウネジ 軸方向移動台 電磁波発振器 電圧値間 検査媒体 透過電磁波 電圧値データ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

簡単な構成によって、精度良くかつ高速非破壊検査をすることのできる受信アンテナ非破壊検査装置及び非破壊検査の検査方法を提供することにある。

解決手段

ミリ波受信アンテナ61に、ミリ波入射される側の端部に長辺と短辺からなるスリット形状の入射開口部を形成した。入射開口部の長辺の長さを、長辺ののびる方向で被検査体Sの長さ以上とするとともに、入射開口部の短辺の長さを、ミリメートル単位以下とした。さらに、入射開口部に入射されるミリ波を、管体において入射開口部の長辺ののびる方向で収束させてから導波管を介してミリ波受信器60に入射されるようにした。

概要

背景

被検査体非破壊検査する装置としては、電波可視光線X線などの電磁波を検査媒体として被検査体に照射し、被検査体を透過、反射、又は散乱した電磁波を解析することで評価する非破壊検査装置が知られている。このような非破壊検査装置には、被検査体を反射、散乱、又は透過した電磁波を受信するための受信アンテナが備わっている。

ところで、従来の受信アンテナは、検査媒体を高感度で受信するために、検査媒体の受信方向に垂直な面で、入射開口部や受信面面積を大きく形成することが一般的である。(例えば、特許文献1、特許文献2)。入射開口部や受信面の面積が大きな受信アンテナでは、被検査体に対する検査媒体の反射波散乱波、又は透過波広範囲漏れなく受信することが可能である。
特開平5−206709号公報
特開2001−196832号公報

概要

簡単な構成によって、精度良くかつ高速非破壊検査をすることのできる受信アンテナ、非破壊検査装置及び非破壊検査の検査方法を提供することにある。ミリ波受信アンテナ61に、ミリ波入射される側の端部に長辺と短辺からなるスリット形状の入射開口部を形成した。入射開口部の長辺の長さを、長辺ののびる方向で被検査体Sの長さ以上とするとともに、入射開口部の短辺の長さを、ミリメートル単位以下とした。さらに、入射開口部に入射されるミリ波を、管体において入射開口部の長辺ののびる方向で収束させてから導波管を介してミリ波受信器60に入射されるようにした。

目的

本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成によって、精度良くかつ高速に非破壊検査をすることのできる受信アンテナ、非破壊検査装置及び非破壊検査の検査方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

電磁波を入射する入射開口部を有した管体を、基端部から前記入射開口部に向かって、前記入射開口部をその開口面の一方向に拡開して、前記入射開口部の形状をスリット形状に形成したことを特徴とする受信アンテナ

請求項2

被検査体と、ライン状に収束整形された電磁波を前記被検査体の入射面に入射する電磁波送信部と、前記被検査体の入射面に入射されたライン状に収束整形された電磁波が前記被検査体を透過、散乱又は反射して出射されたライン状の透過、散乱又は反射した電磁波を、受信アンテナが受信する電磁波受信部と、を備えた非破壊検査装置において、前記受信アンテナを、前記電磁波を入射する入射開口部を有した管体を、基端部から前記入射開口部に向かって、前記入射開口部の開口面の一方向に拡開して、前記入射開口部の形状をスリット形状に形成したことを特徴とする非破壊検査装置。

請求項3

請求項2に記載の非破壊検査装置において、前記被検査体を載置して、同被検査体を前記電磁波送信部と前記電磁波受信部との間を移動する移動手段を備えたことを特徴とする非破壊検査装置。

請求項4

請求項3に記載の非破壊検査装置において、前記移動手段は、前記被検査体を複数連続して前記電磁波送信部と前記電磁波受信部との間を移動させる搬送体であることを特徴とする非破壊検査装置。

請求項5

電磁波を被検査体に入射し、被検査体を透過、散乱又は反射した電磁波を受信して前記被検査体を解析する非破壊検査検査方法において、前記電磁波をライン状に収束整形して前記被検査体の入射面に入射して前記被検査体からライン状の電磁波を出射させ、そのライン状の電磁波を、入射開口部の形状をスリット形状に形成した受信アンテナで一括して入射し、透過、散乱又は反射した電磁波を解析するようにしたことを特徴とした非破壊検査の検査方法。

請求項6

請求項5に記載の非破壊検査の検査方法において、前記入射開口部のスリット形状を、短辺がミリメートル単位以下で形成するとともに、電磁波送信部及び電磁波受信部を静止させた状態で、前記入射開口部の短辺ののびる方向と同じ方向で、かつ短辺と平行に前記被検査体を移動させながら、被検査体を非破壊検査するようにしたことを特徴とする、非破壊検査の検査方法。

技術分野

0001

本発明は、電磁波を受信するための受信アンテナ非破壊検査装置及び非破壊検査検査方法に関するものである。

背景技術

0002

被検査体非破壊検査する装置としては、電波可視光線X線などの電磁波を検査媒体として被検査体に照射し、被検査体を透過、反射、又は散乱した電磁波を解析することで評価する非破壊検査装置が知られている。このような非破壊検査装置には、被検査体を反射、散乱、又は透過した電磁波を受信するための受信アンテナが備わっている。

0003

ところで、従来の受信アンテナは、検査媒体を高感度で受信するために、検査媒体の受信方向に垂直な面で、入射開口部や受信面面積を大きく形成することが一般的である。(例えば、特許文献1、特許文献2)。入射開口部や受信面の面積が大きな受信アンテナでは、被検査体に対する検査媒体の反射波散乱波、又は透過波広範囲漏れなく受信することが可能である。
特開平5−206709号公報
特開2001−196832号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、このような受信アンテナを用いる場合、検査媒体が広範囲で一括して受信されるため、微小範囲におけるパラメータの差を検出する場合には、検査精度限界があり、微小な異常を検出する必要がある検査には適していなかった。

0005

このような問題を解決するための手段として、電磁波の入射方向に直交する受信アンテナの開口面積を小さくすることが挙げられる。しかし、このような構成にした場合、被検査体の全面を非破壊検査するために、被検査体又は受信アンテナを駆動制御する必要があるため、非破壊検査装置に高度な制御回路が必要とされ、さらに、非破壊検査に多大な時間を有することになる。さらにこの問題を解決するために、開口面積の小さい受信アンテナを複数連設することが挙げられるが、このような構成とした場合、各受信アンテナに対応して電磁波受信器を設置する必要があるため、装置が大型化するとともに、コストも高騰する。電磁波受信器の増加を解決するための手段として、各受信アンテナのチャンネルを順次切換えることによって、受信アンテナから電磁波受信器に入力される電磁波を選択的に切換えることが挙げられる。しかし、このような構成としても、1つの受信アンテナから入力される電磁波を順次解析することになるので、検査時間の短縮には繋がらず、受信アンテナのチャンネルを切換えるための高精度な制御回路が必要となる。従って、上記いずれの場合も高精度な非破壊検査装置としては実用的ではない。

0006

本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成によって、精度良くかつ高速に非破壊検査をすることのできる受信アンテナ、非破壊検査装置及び非破壊検査の検査方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

請求項1の発明は、電磁波を入射する入射開口部を有した管体を、基端部から前記入射開口部に向かって、前記入射開口部をその開口面の一方向に拡開して、前記入射開口部の形状をスリット形状に形成したことを特徴とする受信アンテナ。

0008

請求項2の発明は、被検査体と、ライン状に収束整形された電磁波を前記被検査体の入射面に入射する電磁波送信部と、前記被検査体の入射面に入射されたライン状に収束整形された電磁波が前記被検査体を透過、散乱又は反射して出射されたライン状の透過、散乱又は反射した電磁波を、受信アンテナが受信する電磁波受信部とを備えた非破壊検査装置において、前記受信アンテナを、前記電磁波を入射する入射開口部を有した管体を、基端部から前記入射開口部に向かって、前記入射開口部の開口面の一方向に拡開して、前記入射開口部の形状をスリット形状に形成した。

0009

請求項3の発明は、請求項2に記載の非破壊検査装置において、前記被検査体を載置して、同被検査体を前記電磁波送信部と前記電磁波受信部との間を移動する移動手段を備えた。

0010

請求項4の発明は、請求項3に記載の非破壊検査装置において、前記移動手段は、前記被検査体を複数連続して前記電磁波送信部と前記電磁波受信部との間を移動させる搬送体である。

0011

請求項5の発明は、電磁波を被検査体に入射してその透過、散乱又は反射した電磁波を受信して前記被検査体を解析する非破壊検査の検査方法において、前記電磁波をライン状に収束整形して前記被検査体の入射面に入射して前記被検査体からライン状の電磁波を出射させ、そのライン状の電磁波を、入射開口部の形状をスリット形状に形成した受信アンテナで一括して入射し、透過、散乱又は反射した電磁波を解析するようにした。

0012

請求項6の発明は、請求項5に記載の非破壊検査の検査方法において、前記入射開口部のスリット形状を、短辺がミリメートル単位以下で形成するとともに、電磁波送信部及び電磁波受信部を静止させた状態で、前記入射開口部の短辺ののびる方向と同じ方向で、かつ短辺と平行に前記被検査体を移動させながら、被検査体を非破壊検査するようにした。

発明の効果

0013

請求項1の発明によれば、透過電磁波が入射される受信アンテナの入射開口部の形状をスリット形状にしたことにより、ライン状の透過電磁波を一括に受信することが可能となる。さらに、その入射開口部の形状をスリット形状にしたことにより、短辺方向における不要なノイズまでを受信することがない。

0014

請求項2の発明によれば、透過電磁波が入射される受信アンテナの入射開口部の形状をスリット形状にしたことにより、ライン状の透過電磁波を一括に受信することができ、簡単な構成で高速に検査を行うことができる。しかも、極めて微小範囲における異常でも、精度の高い検査を行うことができる。

0015

請求項3の発明によれば、被検査体全体を簡単な構成で高速に検査を行うことができる。
請求項4の発明によれば、複数の被検査体を連続して検査することができる。

0016

請求項5の発明によれば、ライン状の透過電磁波を一括に受信することができ、簡単な構成で高速に検査を行うことができる。しかも、極めて微小範囲における異常でも、精度の高い検査を行うことができる。

0017

請求項6の発明によれば、受信アンテナの入射開口部の短辺をミリメートル単位以下で形成し、短辺方向と同じ方向でかつ短辺と平行に被検査体を移動させることにより、入射開口部の短辺方向において極めて高精度な検査を実施することができる。

発明を実施するための最良の形態

0018

<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る受信アンテナ及び、受信アンテナを用いた非破壊検査装置について、図面に従って説明する。

0019

図1は、ミリ波を用いた非破壊検査装置の構成を説明するための要部全体斜視図を示す。
図1において、非破壊検査装置(以下、単に検査装置という)1は、そのテーブル2上に、大きく分けて、被検査載置部3、電磁波送信部としてのミリ波送信部4、電磁波受信部としてのミリ波受信部5がX軸線方向に併設されている。被検査載置部3は被検査体Sを載置する部位であり、ミリ波送信部4は被検査体Sにミリ波を照射し、ミリ波受信部5は、被検査体Sを透過した透過波(ミリ波)を受信する。

0020

(被検査載置部3)
被検査載置部3は、その基台11がテーブル2に固定されている。基台11は、枠体であって、その枠内であってX軸線方向と直交するY軸線方向に第1のスクリュウネジ12を回転可能に支持している。第1のスクリュウネジ12は、基台11の外側に取着した第1のモータM1によって正逆回転する。前記基台11には、第1の支持台13がY軸線方向にのみ移動可能に載置されている。第1の支持台13の基端部は、基台11の枠内に嵌合するとともに、前記第1のスクリュウネジ12に螺合している。従って、第1のスクリュウネジ12が第1のモータM1によって正逆回転すると、第1の支持台13は、基台11に対してY軸線方向に往復移動する。

0021

第1の支持台13は、Z軸線方向(X軸線とY軸線とで形成される面に対して垂直な軸線)にのびた枠体であって、その枠内であってZ軸線方向に第2のスクリュウネジ14を回転可能に支持している。第2のスクリュウネジ14は、第1の支持台13の上面に取着した第2のモータM2によって正逆回転する。第1の支持台13には、第1の昇降ブロック15がZ軸線方向にのみ移動可能に取着されている。第1の昇降ブロック15の基端部は、第1の支持台13の枠内に嵌合するとともに、前記第2のスクリュウネジ14に螺合している。従って、第2のスクリュウネジ14が第2のモータM2によって正逆回転すると、第1の昇降ブロック15は、第1の支持台13に対してZ軸線方向に往復移動する。

0022

第1の昇降ブロック15には、載置台16が固着されている。載置台16は、L字状に折り曲げた板よりなり、X軸線とY軸線とで形成される面と平行な部分を載置部16aとしその載置部16aに被検査体Sが載置される。従って、載置部16aに載置された被検査体Sは予め定めた範囲内で、Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。即ち、基台11、第1及び第2のスクリュウネジ12,14、第1の支持台13、第1の昇降ブロック15、第1及び第2のモータM1,M2は、第1の移動手段を構成するようになっている。

0023

(ミリ波送信部4)
被検査載置部3の一側にはミリ波送信部4が設けられている。ミリ波送信部4は、前記テーブル2に固定されたレール21を備えている。レール21は、X軸線方向に延び、そのレール21上に第1のレールキャリア22が同レール21に沿って(X軸線方向に)往復移動可能に載置されている。第1のレールキャリア22上には基台23が固着されている。

0024

基台23には、その上面中央からZ軸線方向に突出した第3のスクリュウネジ24が回転可能に支持されている。第3のスクリュウネジ24は、基台23の側面に設けた調整つまみ25によって正逆回転する。また、基台23には、その上面一側に第3のスクリュウ
ネジ24と平行にガイドバー26が突出形成されている。

0025

前記ガイドバー26は、Z軸方向移動台27を貫通支持している。Z軸方向移動台27は、ガイドバー26に沿って上下方向(Z軸線方向)に往復移動可能に支持されている。また、Z軸方向移動台27は、第3のスクリュウネジ24が螺合されている。従って、第3のスクリュウネジ24が調整つまみ25によって正逆回転すると、Z軸方向移動台27は、第3のスクリュウネジ24に連れ回りされることなくガイドバー26に沿って上下方向(Z軸線方向)に往復移動する。

0026

Z軸方向移動台27の上面には、Y軸線方向に溝が形成されており、Z軸方向移動台27の側面には、調整つまみ28が設けられている。Z軸方向移動台27の上面には、その溝に沿ってY軸方向移動台29がY軸線方向に往復移動可能に載置されている。Y軸方向移動台29は、その下面にはY軸方向にのびた凸部がZ軸方向移動台27に形成した溝に嵌合している。そして、Y軸方向移動台29は、Z軸方向移動台27の側面に設けた調整つまみ28によって、Z軸方向移動台27とY軸方向移動台29との間に設けた図示しない駆動機構を介してY軸線方向に往復移動する。Y軸方向移動台29の上面には、第2の支持台30が固定されて、その第2の支持台30の上側にはミリ波送信部ステージ31が支持固定されている。従って、ミリ波送信部ステージ31は、予め定めた範囲内で、X,Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。

0027

ミリ波送信部ステージ31には、電磁波発振器としてのミリ波発振器32が載置されている。ミリ波発振器32は、ミリ波送信部ステージ31に立設した固定部材35に取着したミリ波発振器用固定冶具36によってミリ波送信部ステージ31に対して位置決め固定されている。固定部材35は、ミリ波発振器用固定冶具36をミリ波送信部ステージ31に対して平行に固定するために、2個一組としてミリ波送信部ステージ31にそれぞれ立設されている。

0028

また、ミリ波送信部ステージ31であって前記被検査載置部3側には、ホーン34が被検査載置部3の被検査体Sと対峙するように載置されている。ホーン34は、ミリ波送信部ステージ31に立設した2個の固定部材35に取着したホーン用固定冶具37によってミリ波送信部ステージ31に対して位置決め固定されている。ホーン34は、導波管33を介してミリ波発振器32と連結されている。従って、ミリ波送信部ステージ31に対して位置決め固定されたミリ波発振器32、導波管33及びホーン34は、予め定めた範囲内で、X、Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。即ち、レール21、第1のレールキャリア22、基台23、第3のスクリュウネジ24、調整つまみ25,28、ガイドバー26、Z軸方向移動台27、Y軸方向移動台29は、第2の移動手段を構成するようになっている。

0029

そして、ミリ波発振器32が出力するミリ波は、導波管33を介してホーン34に送信され、ホーン34から被検査体Sに向かって出射する。ミリ波は、X軸線に対して特定の広がり角度をもって発散されて伝播するが、ホーン34によって出射することで、X軸線とほぼ平行な形状を維持したまま指向性良く伝播させることが可能となる。ホーン34によってX軸線とほぼ平行で指向性を持った状態で出射されたミリ波を、ガウシアンビームと呼ぶ。

0030

前記レール21であって前記第1のレールキャリア22の被検査載置部3側には、第2のレールキャリア38が、同レール21に沿って(X軸線方向に)往復移動可能に載置されている。第2のレールキャリア38上には、Z軸線方向にのびたスタンド39が固定されている。スタンド39の上部には、リング(円環状の支持枠)40がZ軸線方向に往復移動可能に取着されている。リング(円環状の支持枠)40は、スタンド39に設けた図
示しない調整つまみによってZ軸線方向に移動調整可能になっている。リング(円環状の支持枠)40には、その枠内に電磁波整形手段としてのシリンドリカルレンズ41が支持固定されている。

0031

シリンドリカルレンズ41は、ホーン34と前記被検査載置部3の被検査体Sとの間に配置されるようになっている。シリンドリカルレンズ41は、ホーン34から出射されたミリ波をZ軸線方向にのびたライン状に収束整形する。

0032

詳述すると、シリンドリカルレンズ41は、ホーン34から出射されたミリ波をZ軸線方向にのびたライン状に収束されたミリ波を被検査体Sに出射する。従って、シリンドリカルレンズ41と対峙した被検査体Sの面(照射面)には、Z軸線方向にのびたライン状に収束されたミリ波が、シリンドリカルレンズ41から照射される。ミリ波は、シリンドリカルレンズ41の形状や、又は、X軸線方向でのホーン34とシリンドリカルレンズ41との距離を調整することによって、X軸線方向で任意の距離だけ収束部が維持されるよう整形することが可能である。従って、ミリ波が、Z軸線方向にのびたライン状の形状を維持したまま被検査体Sの内部を透過するよう収束整形することができる。なお、Z軸線方向にのびたライン状に収束されたミリ波の、Z軸線方向での長さは、シリンドリカルレンズ41の形状又はホーン34とシリンドリカルレンズ41のX軸線方向での距離によって調節可能となっている。本実施形態においては、Z軸線方向にライン状にのびるミリ波のZ軸線方向での距離が、被検査体SのZ軸線方向での距離と同じ距離か又はそれ以上の距離に整形可能となるように、ホーン34及びシリンドリカルレンズ41の形状又は設置位置を設定している。
従って、被検査体SにZ軸線上に収束整形されるライン状のミリ波が入射されると、そのミリ波は被検査体Sを透過し、被検査体Sの反対側の面から透過波(透過ミリ波)として出射される。このとき、透過ミリ波は、入射したミリ波と同じZ軸線上に収束されたライン状のミリ波となって出射される。

0033

(ミリ波受信部5)
被検査載置部3の他側にはミリ波受信部5が設けられている。ミリ波受信部5は、その基台51がテーブル2に固定されている。基台51は、枠体であって、その枠内であってX軸線方向と直交するY軸線方向に第4のスクリュウネジ52を回転可能に支持している。第4のスクリュウネジ52は、基台51の外側に取着した第3のモータM3によって正逆回転する。前記基台51には、第3の支持台54がY軸線方向にのみ移動可能に載置されている。第3の支持台54の基端部53は、基台51の枠内に嵌合するとともに、前記第4のスクリュウネジ52に螺合している。従って、第4のスクリュウネジ52が第3のモータM3によって正逆回転すると、第3の支持台54は、基台51に対してY軸線方向に往復移動する。

0034

第3の支持台54は、枠体であって、その枠内であってX軸線方向に第5のスクリュウネジ55を回転可能に支持している。第5のスクリュウネジ55は、第3の支持台54の外側に取着した第4のモータM4によって正逆回転する。第3の支持台54には、第4の支持台56がX軸線方向にのみ移動可能に載置されている。第4の支持台56の基端部は、第3の支持台54の枠内に嵌合するとともに、前記第5のスクリュウネジ55に螺合している。従って、第5のスクリュウネジ55が第4のモータM4によって正逆回転すると、第4の支持台56は、第3の支持台54に対してX軸線方向に往復移動する。

0035

第4の支持台56は、Z軸線方向にのびた枠体であって、その枠内であってZ軸線方向に第6のスクリュウネジ57を回転可能に支持している。第6のスクリュウネジ57は、第4の支持台56の外側に取着した第5のモータM5によって正逆回転する。第4の支持台56には、第2の昇降ブロック58がZ軸線方向にのみ移動可能に取着されている。第
2の昇降ブロック58の基端部は、第4の支持台56の枠内に嵌合するとともに、第6のスクリュウネジ57に螺合している。従って、第6のスクリュウネジ57が第5のモータM5によって正逆回転すると、第2の昇降ブロック58は、第4の支持台56に対してZ軸線方向に往復移動する。

0036

第2の昇降ブロック58には、X軸線とY軸線とで形成される面と平行なミリ波受信部ステージ59が固着されている。従って、ミリ波受信部ステージ59は、予め定めた範囲内で、X、Y,Z軸線方向に位置調整されることになる。即ち、基台51,第4のスクリュウネジ52,第3の支持台54、第5のスクリュウネジ55、第4の支持台56、第6のスクリュウネジ57、第2の昇降ブロック58、第3〜第5のモータM3〜M5は、第3の移動手段を構成するようになっている。

0037

ミリ波受信部ステージ59には、電磁波受信器としてのミリ波受信器60が固定されている。ミリ波受信器60の被検査載置部3側の側面には、ミリ波を受信する受信アンテナとしてのミリ波受信アンテナ61がX軸線方向に延出形成されている。

0038

次に、ミリ波受信アンテナ61を図2図7に従って説明する。
ミリ波受信アンテナ61は,被検査体Sを透過するZ軸線上に収束されたライン状の透過ミリ波を受信してミリ波受信器60に出力するアンテナであって、導波管62と管体63を有している。

0039

導波管62は基端がミリ波受信器60とフランジ64を介して連結され、先端部に形成した管体63が受信したライン状の透過ミリ波をミリ波受信器60に導く。導波管62は、その断面形状が図7のようにY軸線方向に長い長方形に形成されている。導波管62は、透過ミリ波の周波数によって規格が規定されているので、非破壊検査に使用するミリ波の周波数に対して断面形状は一義的に決定される。

0040

導波管62の先端部に形成した管体63は、図2図3図6に示すように、前記被検査体Sに向かって、その開口面がZ軸線方向に拡開形成され、Y軸線方向に収束されて入射開口部63aが形成されており、入射開口部63aはZ軸線方向に細くのびたスリット形状に形成されている。ちなみに、基端開口部63bは導波管62の断面形状と一致している。

0041

図2図4において、入射開口部63aのZ軸線方向の辺(長辺)は、被検査体SのZ軸線方向の長さ程度かそれ以上にして、被検査体Sを透過したライン状の透過ミリ波のZ軸線方向の透過ミリ波を受容する。入射開口部63aのY軸線方向の辺(短辺)は、被検査体Sを透過したライン状の透過ミリ波のY軸線方向の透過ミリ波を受容する。本実施形態においては、長辺を100ミリメートル、短辺を1ミリメートルとして入射開口部63aを形成している。つまり、入射開口部63aの開口形状は、被検査体Sのミリ波が照射されるライン状の入射面と対向するライン状の透過ミリ波が透過して出射する出射面の形状と、必要とする検査精度に応じて決定する。要するに、長辺の長さを透過ミリ波の出射面でのZ軸線方向の長さ以上にするとともに、短辺の長さをミリメートル単位以下に形成する。

0042

従って、管体63は、被検査体Sを透過し被検査体Sの出射面から出射するライン状の透過ミリ波を受信して導波管62に導くようになっている。そして、導波管62は、管体63が受信した透過ミリ波をミリ波受信器60に出力する。その結果、被検査体Sにおけるライン状のミリ波の入射面とその入射面と相対向する出射面との間を透過するライン状の透過ミリ波は、1台のミリ波受信器60に出力されることになる。

0043

次に、上記のように構成した非破壊検査装置1の電気的構成図8に従って説明する。
図8において、非破壊検査装置1は、制御手段及び解析手段としてのコンピュータ70を備え、コンピュータ70は、ミリ波発振器32及びミリ波受信器60と電気的に接続している。コンピュータ70は、ミリ波発振器32を予め定めたプログラムに基づいて駆動制御する。コンピュータ70は、ミリ波受信アンテナ61を介してミリ波受信器60が受信した情報を入力する。詳述すると、ミリ波受信器60は、アンプ検波器を備えている。アンプによって増幅された振幅電力)が、検波器によって検波され、検波によって電力値に応じて電圧値に変換され、抽出された電圧値がコンピュータ70に入力され表示される。コンピュータ70は、このミリ波受信器60からの電圧値に基づいて被検査体Sの解析評価を行う。

0044

また、コンピュータ70は、制御手段を構成する第1〜第5モータ駆動回路71〜75と電気的に接続されている。コンピュータ70は、第1〜第5モータ駆動回路71〜75を介してそれぞれ対応する第1〜第5のモータM1〜M5を回転制御する。コンピュータ70は、位置調整のためのプログラムに従って第1〜第5のモータM1〜M5を適宜回転制御するとともに、検査のためのプログラムに従って第1〜第5のモータM1〜M5を適宜回転制御するようになっている。

0045

次に上記のように構成した被検査載置部3、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5の位置調整について説明する。
(ミリ波送信部4)
ミリ波送信部4から出射されたミリ波が、X軸線上の被検査体Sの位置で収束整形されるよう、ホーン34及びシリンドリカルレンズ41の位置調整をする。まず、シリンドリカルレンズ41のZ軸線方向の位置を任意に決定する。シリンドリカルレンズ41はY軸線方向では移動不可能であるため、この時点でシリンドリカルレンズ41のY軸線方向とZ軸線方向の位置が確定する。

0046

次に、確定したシリンドリカルレンズ41の位置に対するホーン34の位置合わせを行う。基台23の調節つまみ25とY軸方向移動台の調節つまみ28を回転操作することによって、ミリ波送信部ステージ31をY軸線方向及びZ軸線方向に移動調節し、ホーン34のY軸線方向とZ軸線方向の位置を確定する。Y軸線方向とZ軸線方向の位置が確定することで、ホーン34から出射されるミリ波は、X軸線にほぼ平行なガウシアンビームとして、シリンドリカルレンズ41に入射される。

0047

最後に、シリンドリカルレンズ41をX軸線方向に対して位置調整する。つまり、第2のレールキャリア38をレール21上でX軸線方向に摺動操作することによって、シリンドリカルレンズ41と被検査体Sとの距離を調節して、被検査体Sの入射面においてZ軸線方向にのびたライン状のミリ波が入射されるように収束整形されるように設定する。

0048

なお、ミリ波は空気による影響を受けて減衰しやすいため、伝播経路は短い方が好ましい。従って、ホーン34とシリンドリカルレンズ41の距離が近づくよう、レール21上の第1のレールキャリア22をX軸線方向で移動する。ただし、ホーン34とシリンドリカルレンズ41の距離に応じて、ミリ波の収束部が維持されるX軸線方向における距離が変化するため、ミリ波の収束整形の状態を考慮して移動させる必要がある。以上の操作によって、ミリ波送信部4の位置調整が終了する。また、ミリ波送信部4においては、被検査載置部3の載置部16aに載置された被検査体Sに対してその入射面においてZ軸線方向にのびたライン状のミリ波となるように収束整形されるように調整できればよいのであって、各々の位置調整は、なんら上記の手順に限定されるものではない。

0049

(被検査載置部3)
被検査載置部3では、被検査体Sの初期位置を定める。まず、被検査体SのY軸線方向の端部に、Z軸線方向にのびたライン状のミリ波が照射されるように、基台11に設けた第1のモータM1を回転させ、第1の支持台13をY軸線方向に移動させる。次に、Z軸線方向において、被検査体S全領域にミリ波が照射されるように、第1の支持台13に設けた第2のモータM2を回転させて、第1の昇降ブロック15を移動させる。以上の操作で被検査体Sの初期位置合わせが終了する。なお、被検査体Sの初期位置の位置合わせ操作は、Y,Z軸線方向で被検査体Sを意図する位置に位置合わせできればよく、操作する順序は上記に限定されるものではない。

0050

(ミリ波受信部5)
次に、ミリ波受信部5の位置調整を行う。ミリ波受信部5では、ミリ波受信アンテナ61の初期位置を定める。ミリ波受信アンテナ61のY軸線方向の位置が、ホーン34から出射されるミリ波のY軸線方向でほぼ中央部で出射されているミリ波を入射できる範囲、つまり、シリンドリカルレンズ41によってZ軸線上に収束整形されるライン状のミリ波と対峙するY軸線上に来るよう、基台51に設けた第3のモータM3を回転させる。次に、被検査体SのZ軸線方向における全領域で透過したミリ波が、ミリ波受信アンテナ61の入射開口部63aに入射されるように第4の支持台56に設けた第5のモータM5を回転させる。

0051

次いで、ミリ波受信アンテナ61で受信する際に、被検査体S、載置部16a、載置台16の移動時の干渉を受けないようにして被検査体Sに接触無しに可能な限り接近するようにした位置に、第3の支持台54に設けた第4のモータM4を回転し、第4の支持台56をX軸線方向に移動させる。以上の操作でミリ波受信アンテナ61の位置合わせが終了する。なお、ミリ波受信アンテナ61の初期位置の位置合わせ操作は、X,Y,Z軸線上でミリ波受信アンテナ61を意図する位置に位置合わせできればよく、操作する順序は上記に限定されるものではない。

0052

次に、非破壊検査の動作について説明する。
上記に示した位置調整が終了すると、コンピュータ70は、非破壊検査のプログラムに基づいて被破壊検査処理動作を実行する。

0053

まず、コンピュータ70は、ミリ波発振器32を駆動しホーン34からミリ波を出射させる。ホーン34から出射されたミリ波は、シリンドリカルレンズ41でZ軸線上に収束整形されて被検査体Sに入射され、被検査体S中を透過していく。被検査体Sを透過したミリ波は、透過ミリ波として対峙しているミリ波受信アンテナ61を介してミリ波受信器60で受信され非破壊検査を開始する。

0054

非破壊検査は、図9(b)(c)に示すように、ミリ波受信アンテナ61は、透過してくるZ軸線方向にのびるライン状の透過ミリ波のうち、被検査体Sの入射面とその入射面と相対向する出射面から出射するライン状の透過ミリ波を、ミリ波受信アンテナ61の管体63(入射開口部63a)が一括して受信する。従って、本実施形態では、ミリ波受信アンテナ61(ミリ波受信器60)をZ軸線方向に移動させることがない。

0055

次に、被検査体SをY軸線方向に移動させて、被検査体Sの新たな部分にライン状のミリ波を入射させる。そして、ミリ波受信アンテナ61(ミリ波受信器60)は、ミリ波が新たに入射された入射面と相対向する出射面から出射される透過ミリ波を受信して非破壊検査を行う。

0056

この動作を繰返すことによって、被検査体Sの全ての部分について非破壊検査が行われる。図9(a)は、非破壊検査を説明するための模式図である。図9(a)において、ま
ず、被検査体Sの最も手前のZ軸線方向にのびる部分(第1領域D1)から出射するライン状の透過ミリ波を、ミリ波受信アンテナ61(ミリ波受信器60)を固定させたままミリ波受信アンテナ61にて受信させる。次に、被検査体Sを手前に移動させて、第1領域D1の隣のZ軸線方向にのびる部分(第2領域D2)から出射するライン状の透過ミリ波をミリ波受信アンテナ61(ミリ波受信器60)を固定させたままミリ波受信アンテナ61にて受信させる。

0057

このように、ミリ波受信アンテナ61は検査中に移動させる必要がないため、ミリ波受信アンテナ61にてミリ波を受信させながら、被検査体Sを連続的に手前に移動させることで、第1領域D1、第2領域D2、第3領域D3、第4領域D4を連続的に非破壊検査することが可能である。

0058

要するに、本実施形態は、図9(a)において、ミリ波受信アンテナ61(ミリ波受信器60)を固定させたまま、第1のモータM1を制御して被検査体Sを連続的に手前に移動させるだけで、被検査体Sの全ての部分について非破壊検査が行われる。

0059

従って、本実施形態では、被検査載置部3(被検査体S)、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5の位置調整(セッティング)を一度した後は、被検査載置部3をY軸線方向にのみ移動制御するだけで、非破壊検査が行われる。つまり、ミリ波送信部4、及び、ミリ波受信部5は、非破壊検査中は、静止した状態のままでセッティングを変更する必要がない。詳述すると、ミリ波送信部4とミリ波受信部5を互いに同期をとって移動制御させるのにくらべ、制御は被検査載置部3のみなので、簡単かつ高精度に非破壊検査を行うことができる。しかも、被検査載置部3、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5は、検査中は、X軸線方向の移動は行わないので、位相等がずれることはなく、精度の高い検査が行える。さらに、Z軸線方向における、ライン状にのびるミリ波ののびる方向での距離とミリ波受信アンテナ61の入射開口部63aのZ軸線方向にのびる辺の長さを、被検査体Sに対応させて調整することで、あらゆる大きさの被検査体Sを極めて迅速に非破壊検査することが可能となる。

0060

ミリ波受信器60は、被検査体Sを透過し出射してきた透過ミリ波を受信すると、その受信したミリ波の電圧値データを出力する。
図10(a)及び(b)は、図9(a)で示した構成によって、ミリ波受信アンテナ61において入射されたミリ波をミリ波受信器60にて受信し、コンピュータ70によって電圧値の分布としてグラフで表示したものである。グラフの縦軸はミリ波の電圧値(V)であり、横軸図9(a)の被検査体Sにおける各領域(図9(a)においては、第1領域D1、第2領域D2、第3領域D3、第4領域D4に相当)に相当している。ミリ波受信器60は、被検査体Sを連続的にY軸線方向に移動させた状態で、被検査体Sを透過してくる透過ミリ波を連続的に受信するとともに、受信した透過ミリ波の電圧値をコンピュータ70に出力している。従って、電圧値の分布を示すグラフも、連続的な折れ線グラフとして表示されることになる。得られたグラフに基づき、電圧値の分布から電圧値間の絶対値の偏差を求め、被検査体Sの内部の状態が評価される。

0061

詳述すると、図10(a)に示すグラフにおける電圧値の分布では、電圧値は一様であり、電圧値間には有意な偏差が認められない。このような場合は、被検査体Sにおける第1領域D1から第4領域D4までの全ての領域において、被検査体Sの内部は一様であると評価することができ、つまり被検査体Sの内部には異常が存在しないと判断される。

0062

一方、図10(b)に示すグラフにおける電圧値の分布では、Y軸線方向のP1位置が、他のY軸線方向の位置に対して偏差が大きくなっている。このような場合は、被検査体SのP1位置における、Z軸線上のどこかの箇所が他とは異なる状態であると評価するこ
とができ、なんらかの異常が存在していると判断される。

0063

次に、上記のように構成した非破壊検査装置1の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、ミリ波受信アンテナ61(管体63)の入射開口部63aをZ軸線方向に細くのびたスリット形状にし、被検査体Sの入射面とその入射面と相対向する出射面から出射するライン状の透過ミリ波を一括して受信できるようにした。従って、簡単な構成で被検査体Sにおけるライン状のミリ波の入射面と相対向する出射面との間を透過するライン状の透過ミリ波を、1台のミリ波受信器60に出力することができる。その結果、被検査体Sを移動させるだけで、被検査体Sの全ての領域を、高速に非破壊検査することが可能となる。さらに、入射開口部63aのY軸線方向の辺(短辺)の長さを非常に短くしたので、低ノイズの受信が可能となる。しかも、短辺方向(Y軸線方向)に被検査体Sを移動させるようにしたので、極めて微小範囲の異常範囲までも検出することができる。
(2)本実施形態では、被検査載置部3(被検査体S)、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5の位置調整(セッティング)を一度した後は、被検査載置部3をY軸線方向にのみ移動制御するだけで、被検査体Sの全ての部分について非破壊検査を行うようにした。従って、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5は、非破壊検査中は、静止した状態のままでよく、被検査体SのみをY軸線方向に移動させるだけでよいので、制御を容易なものとすることができる。
さらに、被検査載置部3、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5は、検査中は、X軸線方向の移動は行わないので、位相等がずれることはなく、精度の高い検査が行える。
(3)被検査体Sに入射されるミリ波は、シリンドリカルレンズ41にてZ軸線方向にのびたライン状に収束されたミリ波なので、ミリ波受信器60では、高レベル高値)で安定した検出信号を得ることができる。
(4)上記実施形態では、ミリ波送信部4において、ホーン34とシリンドリカルレンズ41はそれぞれ独立にX軸線方向に対して移動可能にした。従って、ホーン34とともにシリンドリカルレンズ41をミリ波送信部ステージ31にセッティングする場合に、ホーン34に対するシリンドリカルレンズ41の位置決めをミリ波送信部ステージ31上で行うのにくらべ、位置調整が非常に容易となる。特に、ミリ波は、ホーンの形状や周波数によっても伝播する際の広がり角度が異なるため、任意の周波数のミリ波をガウシアンビームとして効率的に送信するためにミリ波の周波数に応じてホーン34の形状を変更する際に、そのホーン34に対するシリンドリカルレンズ41の位置調整が必要となる。また、導波管33は使用するミリ波の波長整数倍の長さ変更する必要があるが、ホーン34はまず導波管33に対して位置調整した後に、シリンドリカルレンズ41との位置調整をすればよいので位置調整が非常に容易となる。

0064

<第2実施形態>
次に、上記ミリ波受信アンテナ61を用いた非破壊検査装置の第2の実施形態について説明する。
図11は、上記実施例とは異なる非破壊検査装置の構成を説明するための斜視図を簡略化したものである。図11に記載の非破壊検査装置では、図1における被検査載置部3の代替として、搬送体としてのベルトコンベア3aを用いた。ベルトコンベア3aの上には、複数個の被検査体SがY軸方向に並べて載置されている。ベルトコンベア3aを挟んでホーン34、シリンドリカルレンズ41及びミリ波受信アンテナ61がX軸線上に併設されている。なお、ホーン34、シリンドリカルレンズ41及びミリ波受信アンテナ61は、上述した図1のミリ波送信部4及びミリ波受信部5と同等の構成要素の一部であるが、図11では省略して記載している。

0065

図11における非破壊検査装置の初期位置の位置合わせでは、ベルトコンベア3aに対して、ホーン34、シリンドリカルレンズ41及び、ミリ波受信アンテナ61のX,Y,
Z軸線上での位置調整を行うが、位置調整の詳細な手順については、上記実施例と同様に行うことが可能である。ただし、この実施形態においては、複数個の被検査体SがY軸線方向でミリ波を横断することになるため、被検査体SのY軸線方向での端部とZ軸線方向にのびるライン状に収束されたミリ波とをY軸線方向で一致させることは、必ずしも必要ではない。つまり、非破壊検査を開始したときに、被検査体Sの全てが、ミリ波をY軸線方向で横断されるようにすればよい。

0066

初期位置の位置合わせが終了すると、非破壊検査を実行することが可能となる。検査中は、ミリ波送信部4及びミリ波受信部5を移動させる必要はなく、ベルトコンベア3aを連続的にY軸線方向に移動するだけでよい。

0067

この実施形態において、被検査体Sの内部は上記実施形態と同じ方法で評価することが可能である。
以上詳述したように、本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、複数の被検査体Sをベルトコンベア3a上に載置しておくことで、複数の被検査体Sを連続的に、かつ、高速に高精度で非破壊検査することが可能となる。さらに、X軸線方向及び、Z軸線方向において一度セッティングをしてしまえば、非破壊検査中はミリ波送信部4とミリ波受信部5を静止させた状態で、ベルトコンベア3aのみをY軸線方向に駆動させるだけでよいので、極めて簡単な駆動制御で非破壊検査を行うことができる。

0068

発明の実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○前記実施形態では、パラメータとしてミリ波の電力値のデータを電圧値として検出して非破壊検査を行ったが、A/D変換でデジタル値に変換した値で検査を行ってもよく、さらにパラメータはミリ波の電力値だけでなく位相情報を用いて検査装置に応用してもよい。
○被検査体Sの各部位に対してライン状のミリ波が入射される順序は、上記に限定されるものでなく、最終的に被検査体Sの全面を検波できれば良い。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形する電磁波整形手段において、複数のレンズによって、ミリ波がZ軸線方向にのびるライン状に収束されるX軸線方向での位置を調整することで、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮するように実施してもよい。この場合、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮できるため、ミリ波の減衰を防ぐと共に装置を小型化させることが可能となる。この応用例では、予めミリ波の発散角度を拡大した後に収束整形することによって、ミリ波の焦点距離が短くなるというガウシアンビームの特性を利用したものである。従って、ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ凸レンズシリンドリカル凹レンズシリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ミリ波送信部4と被検査載置部3(被検査体S)との距離を短縮できるよう、ミリ波がZ軸線方向にのびたライン状に収束するX軸線方向での位置を調整できればよい。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形する電磁波整形手段において、複数のレンズによって、ライン状に収束されたミリ波のZ軸線方向での長さを調整できるようにして実施してもよい。この場合、Z軸線方向にのびるライン状に収束されたミリ波が、被検査体SのZ軸線方向の長さに対して、Z軸線方向で長すぎることにより、被検査体Sに入射されることなく伝播される領域が生じることを防ぐことができ、ミリ波の無駄な漏洩を防ぐことが可能となる。また、Z軸線方向にのびるライン状に収束されたミリ波が、被検査体SのZ軸線方向の長さに対して、Z軸線方向で短すぎることにより、検査工程が増えることを防止することが可能となる。ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、シリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、被検査体SのZ軸線方向での距離に応じて、Z軸線方向にのびたライン状に収束されたミリ波のZ軸線方向での距離を調節できればよい。
○ホーン34から出射されたミリ波を収束整形する電磁波整形手段において、複数のレンズによって、被検査体SのX軸線方向での距離に合わせて、ミリ波の収束部をX軸線方向で任意の距離だけ維持調整するように実施してもよい。この場合、ミリ波は、収束部を維持した状態で被検査体Sを透過させることができるため、精度の高い検査を実行することができる。この応用例では、複数のレンズによってミリ波の焦点距離を変化させた場合に、ミリ波の収束部が維持されるX軸線方向での距離も変化するというガウシアンビームの特性を利用したものである。従って、ここでいう複数のレンズとしては、凹レンズ、凸レンズ、シリンドリカル凹レンズ、シリンドリカル凸レンズなどのレンズが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ミリ波の収束部を任意の距離だけ維持調整できればよい。
○前記実施形態では、被検査体Sを透過するミリ波を受信するようにしたが、被検査体Sに対して散乱又は反射するミリ波を受信して非破壊検査する場合に応用してもよい。
○ミリ波受信アンテナ61を、複数個接続するようにしてもよい。この構成にすることにより、ミリ波受信アンテナ61の長辺の長さより長い被検査体Sを非破壊検査する場合であっても、非破壊検査装置のセッティングを容易に行うことができる。
○前記実施形態では、入射開口部63aの開口形状に関して、短辺の長さを1ミリメートルとしたが、必要とする検査精度に応じて0.7ミリメートル、0.5ミリメートル、0.1ミリメートルなどのように設定することができる。つまり、短辺の長さを短くするほど、短辺ののびる方向で高精度な非破壊検査を実施することが可能であり、短辺の長さは、特に限定するものではなく、必要とする検査精度に応じてミリメートル単位以下で任意に設定するこができる。
○第2実施形態において、非破壊検査装置はベルトコンベア3aを挟んで、ホーン34、シリンドリカルレンズ41及びミリ波受信アンテナ61をX軸線上に併設されるようにした。しかし、ベルトコンベア3aを、ミリ波の透過性が高い材質で構成し、ホーン34、シリンドリカルレンズ41及びミリ波受信アンテナ61を、ベルトコンベア3aを挟んでZ軸線上に併設されるようにしてもよい。
○第2実施形態においては、非破壊検査装置はベルトコンベア3aを挟んで、ホーン34、シリンドリカルレンズ41及びミリ波受信アンテナ61をX軸線上に併設されるようにした。しかし、図12に示すように、ベルトコンベア3b、3cをY軸線方向で隙間を介して直列近接させて設置し、ベルトコンベア3b、3c間に形成した隙間を挟んで、ホーン34、シリンドリカルレンズ41及びミリ波受信アンテナ61をZ軸線上に併設するようにしてもよい。つまり、Z軸線上の上方に設置したホーン34から被検査体Sにミリ波を入射して、被検査体Sを透過した透過ミリ波が、ベルトコンベア3b、3cの間の隙間を伝播してミリ波受信アンテナ61に入射されるよう設置する。このような構成にすることにより、ライン工程における省スペース化が可能となり、従って、ライン工程の幅方向での制限を受けることなく、非破壊検査装置を設置することが可能となる。この場合、ベルトコンベア3bとベルトコンベア3cとの間には、透過ミリ波の伝播を妨げないように隙間を設けておく必要があるが、被検査体Sの搬送に影響が生じないように、ベルトコンベア3b、3cの間隔は透過ミリ波の伝播が妨げられない範囲で最小限に設定することが好ましい。要するに、ミリ波の伝播を阻害しない形態であって、ミリ波受信アンテナ61の長辺ののびる方向とミリ波の出射方向の両方に直交する方向に被検査体Sを搬送可能であれば、搬送するための手段はなんら限定されない。

図面の簡単な説明

0069

本発明の非破壊検査装置の要部全体斜視図。
本発明の受信アンテナ前方斜視図。
本発明の受信アンテナ後方斜視図。
本発明の受信アンテナの左側面図。
本発明の受信アンテナの右側面図。
本発明の受信アンテナの断面図。
本発明の受信アンテナの図6におけるA−A線での断面図。
本発明の非破壊検査装置の電気的構成を説明するブロック図。
(a)非破壊検査を説明するための模式図、(b)同非破壊検査を説明するための模式図、(c)同非破壊検査を説明するための模式図。
(a)ミリ波受信器から出力される電圧値の分布を示すグラフ、(b)同ミリ波受信器から出力される電圧値の分布を示すグラフ。
本発明の受信アンテナを用いた第2実施形態としての非破壊検査装置の要部斜視図。
本発明の非破壊検査装置の別例を説明するための要部斜視図

符号の説明

0070

3…被検査載置部、4…電磁波送信部としてのミリ波送信部、5…電磁波受信部としてのミリ波受信部、61…受信アンテナとしてのミリ波受信アンテナ、62…導波管、63…管体、63a…入射開口部

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