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技術 画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置

出願人 株式会社リコー
発明者 名取潤一郎谷内將浩楠本弘河内雅史広瀬明長野竜明久保宏
出願日 2005年8月2日 (15年3ヶ月経過) 出願番号 2005-224100
公開日 2006年7月27日 (14年3ヶ月経過) 公開番号 2006-197546
状態 特許登録済
技術分野 感材、原版の支持 ガラスの表面処理 FAXの走査装置
主要キーワード 突起状部材 粘着両面テープ 撥水性表面処理 連絡部材 濡れ防止 フロロサーフ 眼鏡ガラス ステンレス製焼結フィルター
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年7月27日)のものです。
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課題

画像読み取り装置、及び記録装置における粘着系と浮遊系の異物双方に対する防汚性付与およびその持続に有効な画像読み取り装置を提供すること。

解決手段

画像読み取り部と原稿Pの間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の原稿と相対する面に、異物が画像読み取り装置、及び記録装置のコンタクトガラス3に付着しないような構造あるいは低表面エネルギー防汚層が設けられ、該防汚層が加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有パーフルオロポリエーテル化合物を含有することを特徴とする画像読み取り装置。

概要

背景

従来技術では、画像読み取り装置シートスルー方式と称して、原稿副走査方向に移送させ、固定位置に置かれた読み取り部により読み取る方式のものがある。
この方式によると、原稿は読み取りの際、コンタクトガラスに接触しながら通過するので原稿の画像面側に付いた粉塵粘着剤接着剤油性インク修正液等のコンタクトガラス上への付着が避けられない。この付着物がコンタクトガラスの読み取り位置に付着すると、読み取った画像信号にその影響が現れ、画像を劣化させる。

コンタクトガラス上への粉塵等の付着物は、原稿固定の画像読み取り装置では、黒点として発生するだけであるのに対し、シートスルー方式の画像読み取り装置の場合、副走査方向に繋がる、いわゆる黒スジの発生となってしまい、その影響は遥かに大きい。
これらの付着防止としては、パーフルオロアルキルポリエーテル化合物と側鎖がモノアミノアルキル基またはジアミノアルキル基を含むアミノ基で変性されたポリジメチルシロキサン板ガラスに塗布する(特許文献1、2参照)、あるいはガラス表面に光触媒のような汚れ分解機能を有する材料をコーティングする(特許文献3、4参照)といった方法が挙げられる。しかし、これらの方法では防汚性汚れの付着防止)は充分であるが持続性がない、や脂といった汚染物質の分解には有効ではあるが防汚性に劣る等の理由により、画像の劣化を防止する画像読み取り装置としては充分なものではなかった。

特開2001−226145号公報

特開2001−238044号公報

特開2000−39680号公報

特開平09−179197号公報

概要

画像読み取り装置、及び記録装置における粘着系と浮遊系の異物双方に対する防汚性付与およびその持続に有効な画像読み取り装置を提供すること。画像読み取り部と原稿Pの間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の原稿と相対する面に、異物が画像読み取り装置、及び記録装置のコンタクトガラス3に付着しないような構造あるいは低表面エネルギー防汚層が設けられ、該防汚層が加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有パーフルオロポリエーテル化合物を含有することを特徴とする画像読み取り装置。

目的

そこで本発明の目的は、上述した実情を考慮して、画像読み取り装置、及び記録装置における粘着系と浮遊系の異物双方に対する防汚性付与およびその持続に有効な画像読み取り装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の原稿と相対する面に防汚層が設けられ、該防汚層が加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有パーフルオロポリエーテル化合物を含有することを特徴とする画像読み取り装置。

請求項2

前記画像読み取り装置における前記防汚層は、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物および加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物の2成分を主成分とする原料より形成された第1層と、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を主成分とする原料より形成され、前記第1層上に接する第2層とを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。

請求項3

前記画像読み取り装置における前記防汚層は、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物が予め混合され塗布されることにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。

請求項4

前記画像読み取り装置における前記防汚層は、少なくとも該加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物を含む成分が加熱、減圧下で前記透光性部材の基材上に蒸着により形成されたものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の画像読み取り装置。

請求項5

前記加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物が、少なくともフッ素置換アルキル基パーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像読み取り装置。

請求項6

前記有機ケイ素化合物は、含有されるパーフルオロポリエーテル基に対するフッ素置換アルキル基のモル比が0.1〜10のものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像読み取り装置。

請求項7

前記加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物の分子量が1000〜20000であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像読み取り装置。

請求項8

前記請求項1乃至7のいずれかに記載の画像読み取り装置を有することを特徴とする画像読み取り装置付き記録装置

請求項9

画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置の清掃方法であって、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を含む液状成分含浸させてなる清掃用基材にて前記透光性部材を払拭することを特徴とする画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置の清掃方法。

請求項10

画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置付き記録装置の清掃方法であって、該画像読み取り装置が前記請求項1乃至7のいずれかに記載の画像読み取り装置であることを特徴とする画像読み取り装置の清掃方法。

請求項11

画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置の製造方法であって、該透光性部材は、原稿と相対する面に防汚層が設けられたものであり、該防汚層が、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を含有し、且つ、該加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物および該加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物の2成分を主成分とする原料より構成される第1層を形成し、前記ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を主成分とする原料より構成される第2層を該第1層上に接して形成する段階を有することを特徴とする画像読み取り装置の製造方法。

請求項12

前記防汚層を、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を予め混合してから塗布することにより形成することを特徴とする請求項11に記載の画像読み取り装置の製造方法。

請求項13

前記防汚層を、少なくとも該加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物を含む成分を減圧下で加熱し、該透光性部材上に蒸着させて形成することを特徴とする請求項11に記載の画像読み取り装置の製造方法。

請求項14

画像読み取り装置付き記録装置の製造方法であって、該画像読み取り装置を前記請求項11乃至13のいずれかに記載の画像読み取り装置の製造方法により製造する段階を有することを特徴とする画像読み取り装置付き記録装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ファクシミリスキャナ複写機および複合機等に適用される画像読み取り装置及び画像読み取り装置付き記録装置(複写機)に関するものである。
特に、画像読み取り装置で問題となるコンタクトガラス上の汚れ対策に関する。

背景技術

0002

従来技術では、画像読み取り装置をシートスルー方式と称して、原稿副走査方向に移送させ、固定位置に置かれた読み取り部により読み取る方式のものがある。
この方式によると、原稿は読み取りの際、コンタクトガラスに接触しながら通過するので原稿の画像面側に付いた粉塵粘着剤接着剤油性インク修正液等のコンタクトガラス上への付着が避けられない。この付着物がコンタクトガラスの読み取り位置に付着すると、読み取った画像信号にその影響が現れ、画像を劣化させる。

0003

コンタクトガラス上への粉塵等の付着物は、原稿固定の画像読み取り装置では、黒点として発生するだけであるのに対し、シートスルー方式の画像読み取り装置の場合、副走査方向に繋がる、いわゆる黒スジの発生となってしまい、その影響は遥かに大きい。
これらの付着防止としては、パーフルオロアルキルポリエーテル化合物と側鎖がモノアミノアルキル基またはジアミノアルキル基を含むアミノ基で変性されたポリジメチルシロキサン板ガラスに塗布する(特許文献1、2参照)、あるいはガラス表面に光触媒のような汚れ分解機能を有する材料をコーティングする(特許文献3、4参照)といった方法が挙げられる。しかし、これらの方法では防汚性(汚れの付着防止)は充分であるが持続性がない、や脂といった汚染物質の分解には有効ではあるが防汚性に劣る等の理由により、画像の劣化を防止する画像読み取り装置としては充分なものではなかった。

0004

特開2001−226145号公報

0005

特開2001−238044号公報

0006

特開2000−39680号公報

0007

特開平09−179197号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の対象としての画像読み取り装置、及び記録装置における異物の種類を大別すると浮遊系と粘着系のものがある。浮遊系の異物はホコリ紙粉トナー等で、粘着系の異物は、原稿についた粘着性物質がコンタクトガラスに付着し、原稿を通紙することによって、コンタクトガラスに付着した粘着性物質に原稿に乗っているトナーが堆積してできると考えられる。このようにコンタクトガラスに浮遊系の異物が溜まってしまい、画像劣化に繋がる可能性が高い。

0009

特許文献に記載されている技術では粘着系及び浮遊系の異物をコンタクトガラスに付着させないように防汚性を付与し、画像読み取りを行なうようにしているが、経時で防汚層の摩滅等により、防汚性が低下してしまい粘着系及び浮遊系の異物がコンタクトガラスに付着してしまい、画像を劣化させてしまう。

0010

そこで本発明の目的は、上述した実情を考慮して、画像読み取り装置、及び記録装置における粘着系と浮遊系の異物双方に対する防汚性付与およびその持続に有効な画像読み取り装置を提供することにある。

0011

具体的には、このような異物が画像読み取り装置、及び記録装置のコンタクトガラスに付着しないような構造あるいは低表面エネルギーの防汚層を設け、仮にこのような異物がコンタクトガラスの画像読み取り部に存在しても、簡単に除去できるような構造、さらに耐摩耗性および潤滑性を付与する防汚層構造を提案するものである。
さらに、このような異物が付着しにくい画像読み取り装置を有することにより、常時高画質を維持できる記録装置(複写機)を提案するものである。

課題を解決するための手段

0012

本発明は上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層を設けた画像読み取り装置であって、該防汚層に加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有パーフルオロポリエーテル化合物を含有させることにより、防汚性、耐摩耗性及び潤滑性を付与し、ゴミ等の異物付着を防止し、経時での防汚層の摩滅を防止し、画質劣化の問題の解消が図られた画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置が得られることを見出し、本発明に至った。

0013

上記課題は、本発明(1)「画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の原稿と相対する面に防汚層が設けられ、該防汚層が加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を含有することを特徴とする画像読み取り装置」、(2)「前記画像読み取り装置における前記防汚層は、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物および加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物の2成分を主成分とする原料より形成された第1層と、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を主成分とする原料より形成され、前記第1層上に接する第2層とを有するものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像読み取り装置」、(3)「前記画像読み取り装置における前記防汚層は、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物が予め混合され塗布されることにより形成されたものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像読み取り装置」、(4)「前記画像読み取り装置における前記防汚層は、少なくとも該加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物を含む成分が加熱、減圧下で前記透光性部材の基材上に蒸着により形成されたものであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項のいずれかに記載の画像読み取り装置」、(5)「前記加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物が、少なくともフッ素置換アルキル基パーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の画像読み取り装置」、(6)「前記有機ケイ素化合物は、含有されるパーフルオロポリエーテル基に対するフッ素置換アルキル基のモル比が0.1〜10のものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の画像読み取り装置」、(7)「前記加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物の分子量が1000〜20000であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の画像読み取り装置」、(8)「前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の画像読み取り装置を有することを特徴とする画像読み取り装置付き記録装置」、(9)「画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置の清掃方法であって、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を含む液状成分含浸させてなる清掃用基材にて前記透光性部材を払拭することを特徴とする画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置の清掃方法」、(10)「画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置付き記録装置の清掃方法であって、該画像読み取り装置が前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の画像読み取り装置であることを特徴とする画像読み取り装置の清掃方法」、(11)「画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置の製造方法であって、該透光性部材は、原稿と相対する面に防汚層が設けられたものであり、該防汚層が、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を含有し、且つ、該加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物および該加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物の2成分を主成分とする原料より構成される第1層を形成し、前記ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を主成分とする原料より構成される第2層を該第1層上に接して形成する段階を有することを特徴とする画像読み取り装置の製造方法」、(12)「前記防汚層を、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を予め混合してから塗布することにより形成することを特徴とする前記第(11)項に記載の画像読み取り装置の製造方法」、(13)「前記防汚層を、少なくとも該加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物を含む成分を減圧下で加熱し、該透光性部材上に蒸着させて形成することを特徴とする前記第(11)項に記載の画像読み取り装置の製造方法」、(14)「画像読み取り装置付き記録装置の製造方法であって、該画像読み取り装置を前記第(11)項乃至第(13)項のいずれかに記載の画像読み取り装置の製造方法により製造する段階を有することを特徴とする画像読み取り装置付き記録装置の製造方法」によって解決される。

発明の効果

0014

本発明によれば、画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の該原稿と相対する面に防汚層を設けた画像読み取り装置であって、該防汚層に加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を含有させることにより、防汚性、耐摩耗性及び潤滑性を付与し、ゴミ等の異物付着を防止し、経時での防汚層の摩滅を防止し、画質劣化の問題の解消が図られ優れた画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置が得られる。

0015

請求項1、8、11に記載の発明は、画像読み取り装置画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の原稿と相対する面に防汚層が設けられ、該防汚層が少なくとも加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を含有することを特徴とする。これにより、透光性部材の画像読み取り位置に異物、ゴミ等の付着がなく、それらを画像データとして読み取ることがないため、原稿画像をより忠実に読み取ることのできる画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置を実現できた。

0016

また、請求項2、14に記載の発明は、該防汚層が2層構成になっており、より防汚性の優れた第1層の上に潤滑性に優れた第2層が形成されていることを特徴とする。これにより、防汚層の耐久性を上げることができ、長期にわたり原稿画像を忠実に読み取ることのできる画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置を実現できた。

0017

また、請求項3、12、14に記載の発明は、該防汚層を形成するにあたり、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を予め混合してから塗布することを特徴とする。これにより、上記効果に加え、防汚層の形成における工数を少なくすることができた。

0018

また、請求項4、13、14に記載の発明は、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物を含む成分を減圧下で加熱し、該透光性部材上に蒸着させて防汚層を形成することを特徴とする。これにより、透光性部材に対する防汚層の密着力が向上するので防汚層の耐久性を上げることができ、長期にわたり原稿画像を忠実に読み取ることのできる画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置を実現できた。

0019

また、請求項5に記載の発明は、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物が、少なくともフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする。これにより、パーフルオロポリエーテル基の分子構造由来する低表面エネルギー、分子鎖フレキシビリティ・可撓性・潤滑性、および透光性部材との強固な接着性といった特性と、フッ素置換アルキル基の分子構造に由来する撥水撥油性離型性といった特性を併せ持ち、層分離を引き起こすことがなく、均一に透明な塗膜を形成することができる。また、有機ケイ素化合物であることから、透光性部材との強固な接着性に相乗効果が発揮される。したがって、経時での防汚層の摩滅を防止し、且つ、十分な防汚性を有する防汚層を設けた画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置を実現できた。

0020

また、請求項6に記載の発明は、前記有機ケイ素化合物が、含有されるパーフルオロポリエーテル基に対するフッ素置換アルキル基のモル比が0.1〜10のものであることを特徴とする。これにより、撥水撥油性(離型性)と耐久性(耐摩耗性、潤滑性)の両特性のバランスに優れる防汚層を設けた画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置を実現できた。

0021

また、請求項7に記載の発明は、該防汚層の形成に用いられるケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物の分子量が1000〜20000であることを特徴とする。これにより、防汚層の形成に際して成膜性加工性に優れ、且つ、十分な防汚性を有する防汚層を設けた画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置を実現できた。

0022

また、請求項9、10に記載の発明は、該透光性部材の清掃において、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を含む成分を布等に含浸させて該透光性部材上を払拭することを特徴とする。これにより、仮に防汚層が汚染された場合でも容易に清浄化でき、さらに防汚性または潤滑性が低下した場合でもその性能を回復させることができ、長期にわたり原稿画像を忠実に読み取ることのできる画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置を実現できた。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
一般に複写機とは、いわゆるカールソンプロセスとして知られる電子写真方式の複写機を指す。すなわち、感光体ドラム(あるいはベルトシート)上に静電潜像を形成し、それをトナーによって顕像化(現像)し、そのトナー像を紙等に転写し、その後、加圧/加熱して、トナー像を紙等に定着させて画像形成を行なう記録原理のものを指している。

0024

以下に説明する本発明の画像読み取り装置は、このような記録原理の複写機に画像の読み取り情報を好適に作成し、データを送るものである。なお、近年、インクジェット記録原理も技術が完成し、カールソンプロセスとともに2大記録原理として存在している。
すなわち、本発明の画像読み取り装置は、カールソンプロセスのみならずインクジェット原理の記録装置、さらにはこの2方式以外の記録原理(例えばサーマルヘッドを利用した感熱記録方式や熱転写方式等)であっても、好適に適用されるものである。よって、本文中、複写機という表現があっても、それは、単にカールソンプロセスによるものを指すのではなく、画像読み取り装置を有する記録装置全般を指すものと理解されたい。

0025

コンタクトガラス上に防汚層を設けることにより、粘着系の異物(や修正液)を付着防止することができる。しかし、平面なコンタクトガラスを装着している場合、コンタクトガラスと原稿が常時、接触している状態で搬送される。
このため、原稿の通紙枚数が増えるにつれ、コンタクトガラス上の防汚層が剥離し、粘着系の異物に対する付着防止の効果がなくなってしまう。その際、原稿からは紙の成分であるセルロース繊維や、タルククレー炭酸カルシウム二酸化チタン粒子サイズが0.5〜10μmのてん料粒子、さらには紙表面に塗工したカオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、炭酸カルシウム(CaCO3)、サチンホワイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・31〜32H2O)等の粒子サイズが0.5〜10μmの表面改質粒子等が紙粉として脱落し、このコンタクトガラス面に付着する。

0026

また、原稿面に付着しているトナーや、切り貼り原稿作成時に使用した糊等の粘着質物質もこの面に付着する。さらには、空気中に浮遊する塵埃等が付着すること、不用意に手を触れた際に汗や脂等が指紋状に付着することも多々ある。そして上記トナー、糊、汗、脂等は、他の粘着性がない異物をコンタクトガラス面に付着させるというさらに悪い影響を及ぼすものである。

0027

なお本発明においては、画像読み取り部と原稿の間の部材を便宜上コンタクトガラスと記して説明するが、本発明はガラスのみに適用されるものではないため、より厳密な表現をするならば、画像読み取り部と原稿との間に設置される部材は、光を透過する部材、すなわち透光性部材である。つまり、ガラスも含めアクリル樹脂等のプラスチック材料等、光を透過する部材、すなわち透光性部材全般を、便宜上コンタクトガラスと表現している。

0028

ところで、通常、複写機等で原稿を固定し、画像読み取り部を移動させて画像読み取りを行なう場合、コンタクトガラス面の汚染が最終画像品質に与える影響は、その汚染部分のみ黒いスポット状の画像劣化となる。しかしながら、本発明のように画像読み取り部を固定し、原稿を移動させて画像読み取りを行なう場合は、コンタクトガラス面に存在する1個のスポット状の汚染であっても、副走査方向に繋がる、いわゆる黒スジの発生となってしまい、単なる黒いスポット状の画像劣化ではなく、その影響ははるかに大きい。

0029

このような不具合を解消するために、本発明では、このコンタクトガラスの原稿と相対する面ができるだけ汚染されないようにすることを検討した。具体的には、このコンタクトガラスの原稿と相対する面の表面改質である。
一般に、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物を主成分とする層は、分子構造由来の低表面エネルギー、および分子鎖のフレキシビリティ、可撓性、潤滑性、基材との高い密着性等により、良好な防汚性、耐久性を有する。また、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物を主成分とする層は、撥水性を有しつつ、硬い皮膜が形成されるため耐擦傷性が良好である。さらに、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を主成分とする層は、撥水性および潤滑性が極めて良好である。

0030

本発明者らは、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物に加え、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物により耐擦傷性も向上させ、さらに、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物の利点である表面の摩擦を低減させる特性、即ち、潤滑性も向上させることを目的として鋭意検討を行なった。

0031

その結果、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物を主成分とする原料より構成される防汚層が優れた防汚性および耐久性を有することを見出した。

0032

加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物としては、特に限定されず、その例として以下の一般式(I)または(II)で表せる化合物を挙げることができる。

0033

(式中、Rf1は炭素数1〜100の直鎖状パーフルオロアルキル基、Xは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、R1は加水分解可能な基、aは1〜100の整数、bは0〜2の整数、cは1〜10の整数)

0034

(式中、Rf1は炭素数1〜100の直鎖状パーフルオロアルキル基、Xは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、R1は加水分解可能な基、aは1〜100の整数、bは0〜2の整数、cは1〜10の整数)

0035

また、上記R1で示される加水分解可能な基としてはアミノ基、アルコキシ基塩素原子等が挙げられるが、アルコキシ基の場合にはアルキル基の炭素数が1または2であるものが好ましい。

0036

本発明で用いられるこれらの化合物は、成膜性が良好であるという観点から、分子量が1000〜20000、特に2000〜10000であるものが好ましい。分子量が1000未満のものは防汚性、耐摩耗性に劣り、20000を超えるものは成膜性が悪く、高粘度のために加工性が劣るので好ましくない。

0037

さらに、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物であって、少なくともフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素化合物としては、以下の一般式(III)または(IV)で表される構造を有する化合物がより好ましく用いられる。

0038

(式中、Rf1は炭素数1〜100の直鎖状パーフルオロアルキル基、Yは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子、R1は加水分解可能な基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、dは1〜100の整数、eは1〜3の整数、fは0〜2の整数、e+f=3)

0039

なお、パーフルオロポリエーテル基(OCF2CF2CF2)に対するフッ素置換アルキル基(Rf1)のモル比は0.1〜10が好ましい。モル比が0.1未満の場合には防汚層の撥水撥油性が低下するので、離型性も低下してしまう。モル比が10を超える場合には、紙粉やゴミが静電的に付着し易くなり、また防汚層の可撓性や潤滑性が低下して耐久性が低下するので好ましくない。

0040

(式中、Rf1は炭素数1〜100の直鎖状パーフルオロアルキル基、Yは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子、R1は加水分解可能な基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、dは1〜100の整数、eは1〜3の整数、fは0〜2の整数、e+f=3)

0041

また、パーフルオロポリエーテル基(OCF2CF2)に対するフッ素置換アルキル基(Rf1)のモル比は0.1〜10が好ましい。モル比が0.1未満の場合には防汚層の撥水撥油性が低下するので、離型性も低下してしまう。モル比が10を超える場合には、紙粉やゴミが静電的に付着し易くなり、また防汚層の可撓性や潤滑性が低下して耐久性が低下するので好ましくない。

0042

上記加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物としては、特に限定されず、その例として以下の一般式(V)または(VI)で表せる化合物を挙げることができる。

0043

(式中、R2は炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1〜5のアルキレン基、pは1以上の整数)

0044

(式中、R3は炭素数1〜5のアルキレン基、qは1以上の整数)

0045

本発明で用いられるこれらの化合物は、成膜性が良好であるという観点から、分子量が300〜1000であるものが好ましい。

0046

例えば、一般式(V)で表される加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物としては、CF3CH2CH2Si(OCH3)3、n−C8F17CH2CH2Si(CH3O)3等が挙げられる。

0047

また、例えば、一般式(VI)で表される加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物としては、CF3CH2CH2Si(NH2)3、n−C3F7CH2CH2Si(NH2)3、n−C4F9CH2CH2Si(NH2)3、n−C6F13CH2CH2Si(NH2)3、n−C8F17CH2CH2Si(NH2)3等が挙げられる。

0048

なお、これら材料は通常の製造方法によれば混合物として得られることが知られており、例えば、本発明とは分野や使用目的が異なるが眼鏡ガラスレンズ曇り防止のため、或いは水に対する濡れ防止のため用いることが提案され、また一部は市販品として入手可能なもの(例えばオプツールDSX)もあるが、本発明における該化合物は、通常市販されているパーフルオロポリエーテルを原料として用い、末端に、例えば、ヨウ素を導入した後、これに、シラン化合物を反応させること等により得ることができる。例えば、本発明における加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物としては、特開平10−264264号公報、特開2002−156767号公報、特開2004−86011号公報等に開示されているフッ素含有有機ケイ素を挙げることができる。

0049

つまり、試薬として例えば、ヒドラ化学:12275-4(HFPO oligomer)、12341-4(Hexafluropropene oxide telomere, metyl esters)、15343-7(2H-Perfluoro-5,8,11,14-pentamethyl-3,6,9,12,15,18-hexaoxaheneicosane)、アズマックス:F05992NA(Perfluoro-3,6-dioxadecanoic acid methyl ester)、F05992NH(Perfluoro-3,6-dioxaheptanoic acid methyl ester)、等が挙げられ、また例えば、下記のような合成方法類似化合物を得ることができる。

0050

[合成例1]
攪拌機滴下ロート還流冷却器及び温度計を備えた2.0L4つ口フラスコ中に2617g(10.3モル)のヨウ素、213.2g(1.54モル)の炭酸カリウム、および9000gのヘキサクロロ−1,3−ブタジエン仕込み、系の温度を160℃に維持しながら窒素気流下に、化学式F−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2COFで表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンアシルフルオライド(平均分子量3900)4000g(1.03モル)を10mL/minの速度で滴下した。滴下終了後、反応温度を185℃に上昇させ、20時間反応させた。反応終了後、系を冷却したのちカリウム塩濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用いて下層分取した。これをアセトンで数回洗浄したのち、1Lのパーフルオロヘキサンに溶解し、ガラスフィルターによって微細不溶物を濾別した。得られた溶液から減圧下揮発分を完全に留去することによって3890g(収率95%)の化学式F−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2Iで表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物を得た。赤外吸収スペクトルより、1890cm−1の−C(=O)Fの吸収が完全に消失し、910cm−1に新たに−CF2Iの吸収が生じた。

0051

[合成例2]
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコ中に合成例1にて合成した化学式F−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2Iで表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物40gをヘキサフルオロテトラクロロブタン〔ダイフロンソルベントS−316(ダイキン工業社製)〕80gに溶解したもの、及び、ジt−ブチルパーオキシド1.5g(1×10−2モル)を仕込み、充分に系内を窒素置換したのち、窒素気流下滴下ロートよりビニルトリクロロシラン16.1g(0.10モル)を滴下した。滴下終了後系内の温度を120℃に昇温させ、4時間反応させた。反応終了後減圧下揮発分を完全に留去することによって末端にヨウ素を有するケイ素含有有機含フッ素ポリマー(A)38.7g(収率90%)を得た。

0052

[合成例3]
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコ中に合成例2にて合成したケイ素含有有機含フッ素ポリマー(A)34.4g(8×10−3モル)をパーフルオロヘキサン50gに溶解したものを仕込み、亜鉛2.1g(3.2×10−2モル)を強攪拌分散させた。氷水浴で系を冷却し、窒素気流下無水メタノール10gを滴下した。滴下終了後氷水浴を取り除き、加熱還流下2時間反応させた。反応終了後不溶物を濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用いて下層を分取した。得られた溶液を無水メタノールで3回洗浄したのち、減圧下揮発分を完全に留去することによって、末端が水素化されたケイ素含有有機含フッ素ポリマー(B:分子中にフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する)31.6g(収率92%)を得た。

0053

ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物は、分子内にケイ素を含有しない以下の一般式(VII)で表される単位からなるものが好ましく用いられ、分子量が1000〜20000、特に成膜性が良好であるという観点から2000〜10000であるものが好ましい。分子量が1000未満のものは防汚性、耐摩耗性に劣り、20000を超えるものは成膜性が悪く、高粘度のために加工性が劣るので好ましくない。

0054

(式中、Rf2は炭素数1〜3のパーフルオロアルキレン基

0055

上記Rf2は炭素数1〜3のパーフルオロアルキレン基であり、具体的にはCF2、CF2CF2、CF2CF2CF2、CF(CF3)CF2等の基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのパーフルオロポリエーテル化合物は常温で液状であり、いわゆるフッ素オイルと称されるものである。

0056

次に、図面により本発明の装置形態を詳細に説明するが、これに限定されるものではない。図1は本発明による基本的な原稿読み取り搬送装置(ADF)及び読み取り装置を説明する概略図である。

0057

図1において、給紙/分離部(F)は原稿テーブル(2)に積み重ねられた原稿(P)を最上位から一枚ずつ順番に搬送する。底板(4)は原稿テーブル(2)上の原稿給紙側を支持して呼び出しコロ(5)に接する位置まで上昇させる。給紙部材(6)は給紙方向に回転して呼び出しコロ(5)によって呼び出された原稿(P)を取り込み、分離部材(7)は給紙方向と逆方向に回転し、給紙された原稿(P)の最上位の一枚のみを分離する。搬送部(9)は、搬送ローラ対(8)、(8a)、中間搬送ローラ(11)、(11a)等から構成されており、給紙/分離部(F)から搬送された原稿(P)をコンタクトガラス(3)上の読み取り位置まで搬送する。搬送ローラ対(8)、(8a)により狭持されてきた原稿(P)はコンタクトガラス(3)上を移動して装置本体(20)の本体側ガイド(20c)に掬い取られた後、原稿(P)が搬送ローラ対(8)、(8a)および中間搬送ローラ(11)、(11a)に狭持されている間は原稿(P)が張った状態で、コンタクトガラス(3)と非接触となり、且つ、読み取りガイド部材(原稿押さえ部材)(21)との接触面が小さい状態を維持する。原稿(P)の画像面を読み取る読み取り装置(1)はコンタクトガラス(3)の下方の装置本体(20)に設けられ、画像読み取りの際にコンタクトガラス(3)の下方で図の左右方向に移動、または読み取り位置下方で停止可能になっている。排紙部は読み取り後の原稿(P)を排紙トレイ(15)に排出する。

0058

本実施の形態におけるADF(10)は図示していないヒンジ等の連絡部材によって装置本体(20)に連結され、装置本体(20)の操作部におけるスタートタン押し下げによりADF側にスタート信号が送られることによって、最上位から順番に一枚ずつ給紙されるように構成されている。

0059

コンタクトガラス(3)面を所定の速度で原稿(P)を搬送し、画像の読み取りを行なう読み取り装置でコンタクトガラス(3)の原稿通紙面より所定量高いガイド面がコンタクトガラス(3)の原稿搬送面原稿読み取りライン位置より上流位置に形成されている。本体側ガイド(突起状部材)(20c)がコンタクトガラス(3)の下流端にコンタクトガラス(3)の原稿通紙面より原稿(P)を掬い上げる傾斜面を有すると共に、コンタクトガラス(3)の上面には、原稿(P)の上方へのバタつきを抑える原稿押さえ部材(21)を配置している。

0060

本実施の形態では、ADF(10)により原稿を一枚ずつ搬送し、読み取り装置(1)のコンタクトガラス(3)の上を通過する間に画像を読み取る。画像の読み取りは、読み取り装置(1)で行なう。

0061

原稿(P)上の画像は読み取り装置(1)のミラー(31)、(32)、(33)、レンズ(34)を通って、CCD(35)によって取り込まれた画像データは画像処理を施された後、プリンタ部へ送られ出力される。このように原稿(P)がコンタクトガラス(3)表面を繰り返し通過する毎に、通常の防汚層は大きく削られ、原稿(P)によって運ばれ、コンタクトガラス(3)表面からなくなっていくため、防汚効果を持続させることが困難である。本発明によると潤滑性、耐摩耗性を付与することができ、原稿(P)の汚れ(粘着性汚れや紙粉等)が付着し難くなり、経時の防汚性を維持することが可能となる。

0062

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本発明の防汚層を設けた透光性部材(コンタクトガラス(3))の性能評価、および画像読み取り装置の評価は下記のように実施した。
(1)防汚性
透光性部材に、以下実施例の如く表面改質を施したサンプルを用い、紙粉を散布した後、それをブロワーで吹き飛ばした場合の紙粉の残留状況、また、トナーを散布した後、それをブロワーで吹き飛ばした場合のトナーの残留状況、さらに、指紋を付けて拭き取った場合の汚れの残留状況を評価した。
(2)耐久性
実施例に従って防汚層が形成された透光性部材を実際の電子写真デジタル複写機読み取り部のコンタクトガラス(3)として使用し、アクリル粘着両面テープを貼り付けた原稿を多数枚通紙後、ハーフトーン原稿を多数枚通紙し、黒スジ発生や紙詰まりの有無といった画像劣化の評価(初期)、及び10万枚通紙後に同様の評価を実施し、黒スジ発生の有無といった画像劣化が生じるかどうかを評価した(経時)。結果を表1に示した。

0063

実施例1
下記式(VIII)で表される加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロエーテル化合物(分子量:約5000)、下記式(IX)で表される加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物:デムナムS−20(ダイキン工業(株)製、分子量:約2500)の混合物をパーフルオロヘキサンで希釈した0.1重量%の溶液を調製し、フロートガラス(日本板硝子(株)製、化学強化ガラスFL3.2)をこの溶液に浸漬し、毎分15cmの速度で引き上げて塗布した。塗布後は室温で一昼夜放置して溶剤揮発させ、防汚層(膜厚:約0.03μm)が形成された透光性部材を得た。

0064

0065

0066

実施例2
加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロエーテル化合物として下記式(X)で表される化合物を用いた以外は実施例1と同様の方法で、防汚層(膜厚:約0.03μm)が形成された透光性部材を得た。

0067

0068

実施例3
下記式(XI)で表される加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物(分子量:約4000)、および前記式(IX)で表される加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物をパーフルオロヘキサンで希釈した0.1重量%溶液を調製し、実施例1と同様の方法で第1の防汚層(膜厚:約0.03μm)が形成された透光性部材を得た。

0069

0070

また、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物:デムナムS−20(ダイキン工業(株)製、分子量:約2500)をパーフルオロヘキサンで希釈した0.1重量%溶液を別途調製し、実施例1と同様の方法で第1の防汚層に重ねて第2の防汚層(膜厚:合計約0.05μm)が形成された透光性部材を得た。

0071

実施例4
下記式(XII)で表される加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物(Rf1/(OCF2CF2)=1.1)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で第1の防汚層(膜厚:約0.03μm)が形成された透光性部材を得た。

0072

0073

また、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物:デムナムS−20(ダイキン工業(株)製、分子量:約2500)をパーフルオロヘキサンで希釈した0.1重量%溶液を別途調製し、実施例1と同様の方法で第1の防汚層に重ねて第2の防汚あ層(膜厚:合計約0.05μm)が形成された透光性部材を得た。

0074

実施例5
加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロエーテル化合物:オプツールDSX(単独の加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物ではなく、混合物で、式(VIII),(X),(XI)の同等品、ダイキン工業(株)製)、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物:KBM7803(信越化学工業(株)製)、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物:デムナムS−20(ダイキン工業(株)製、分子量:約2500)の混合物をパーフルオロヘキサンで希釈した0.1重量%の溶液を調製した。その溶液を0.15ml含浸させたステンレス製焼結フィルター細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を真空蒸着装置内にセットし、該焼結フィルター全体を電子銃により加熱して防汚層(膜厚:約0.02μm)が形成された透光性部材を得た。
真空度:3.1×10−4〜8.0×10−4Pa(2.3×10−6〜6.0×10−6Torr)、加速電圧:6kV、印加電流:40mA、照射面積:3.5×3.5cm2、蒸着時間:5秒

0075

実施例6
加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロエーテル化合物:オプツールDSX、および加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物:KBM7803(信越化学工業(株)製)をパーフルオロヘキサンで希釈した0.1重量%の溶液を調製した。その溶液を実施例4と同様の方法で蒸着させて第1の防汚層(膜厚:約0.02μm)が形成された透光性部材を得た。その後、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物:デムナムS−20(ダイキン工業(株)製、分子量:約2500)をパーフルオロヘキサンで希釈した0.1重量%の溶液を調製して、実施例4と同様の方法で第1の防汚層に重ねて第2の防汚層(膜厚:合計約0.04μm)が形成された透光性部材を得た。

0076

実施例7
実施例5にて作成した透光性部材にて耐久性評価を実施した後、同様の溶液を不織布(旭化成工業(株)製、ベンコットM−3)に含浸させて透光性部材表面を払拭した。そのサンプルを用いて、再び同じ評価を実施した。

0077

比較例1
フロロサーフFG−5010(株式会社フロロテクノロジーフッ素コート材フッ素樹脂不燃性フッ素溶剤有機溶剤に溶解した溶液で、コーティング後室温で乾燥し、塗膜を形成。低摩擦用途に使用され、高密着・高硬度性質を持つ)をスプレーコートし、防汚層(膜厚:約0.5μm)が形成された透光性部材を得た。

0078

比較例2
KBM7803:(含フッ素シランカップリング剤(信越化学工業(株)社製)、C8F17CH2CH2Si(OCH3)3、溶剤は含まず、有効成分100%溶液、無色透明液体、粘度4cSt、比重1.53、屈折率1.3300)をスプレーコートし、防汚層(膜厚:約0.01μm)が形成された透光性部材を得た。

0079

比較例3
KP801M:撥水性表面処理剤(信越化学工業(株)社製、m−キシレンヘキサフロライド溶液で、無色透明、粘度0.6cSt、比重1.4、有効成分3%の撥水性表面処理剤、希釈せずにそのままスプレー塗工可能)スプレーコートし、防汚層(膜厚:約0.01μm)が形成された透光性部材を得た。

0080

比較例4
式(VIII)で表される加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物を除いた以外は実施例1と同様の方法で、防汚層(膜厚:約0.03μm)が形成された透光性部材を得た。

0081

比較例5
フロートガラスを未処理のまま、コンタクトガラスとして評価した。

0082

0083

評価基準
◎:防汚効果が大きく、実用的である。
○:防汚効果が認められ、実用上問題なし。
△:防汚効果は認められるが、実用に際して問題が生じる可能性あり。
×:防汚効果は認められるが、実用性に乏しい。
−:光の透過性が悪く、評価せず。
総合評価結果は以上の評価を踏まえ、実用に供するかを示しており、優>良>不良の順で実用面への良好度を表現している(優が最適)。

0084

以上の結果より、加水分解性基を有するケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物、加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物、およびケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル化合物からなる防汚層は防汚効果が高く、且つ、耐久性に優れることが分かった。

0085

また、少なくともケイ素含有パーフルオロポリエーテル化合物および加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物とからなる第1層の上に、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテルからなる第2層を設けることにより、耐久性をさらに向上させることが分かった。なお、ケイ素含有パーフルオロポリエーテル、ケイ素非含有のパーフルオロポリエーテル、および加水分解性基を有するフッ素置換アルキル基含有オルガノシラン化合物を含む防汚層であれば、各成分の混合物からなる単層のみでも十分な防汚性と耐久性が得られることが分かった。

図面の簡単な説明

0086

本発明による基本的な原稿読み取り搬送装置(ADF)および読み取り装置を説明する概略図である。

符号の説明

0087

1読み取り装置
2原稿テーブル
3コンタクトガラス
4底板
5呼び出しコロ
6給紙部材
7分離部材
8、8a搬送ローラ対
9 搬送部
10 ADF
11、11a中間搬送ローラ
15排紙トレイ
20 装置本体
20c本体側ガイド(突起状部材)
21読み取りガイド部材
31ミラー
32 ミラー
33 ミラー
34レンズ
35 CCD
F 給紙/分離部
P 原稿

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