図面 (/)

技術 四方弁

出願人 三菱電機株式会社
発明者 吉村寿守務若本慎一中島伸治関谷卓
出願日 2005年1月13日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2005-006082
公開日 2006年7月27日 (13年10ヶ月経過) 公開番号 2006-194338
状態 特許登録済
技術分野 弁ハウジング スライド弁 弁の細部(II) 多方弁 圧縮機、蒸発器、凝縮器、流体循環装置
主要キーワード 促進度合 熱遮断効果 滞留層 回転止 自己潤滑性樹脂 断面円弧 断熱スリーブ 流路中心
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年7月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

構造が簡単で、高温冷媒低温冷媒が接近して流れても、両者間で熱漏洩による熱損失の発生が抑制され、冷暖房能力が向上し、また圧縮機入口冷媒ガス過熱防止による圧縮機効率の向上により空調装置省エネ性が向上された四方弁を得る。

解決手段

弁室51を有するハウジング部材5と、上記弁室に設けられた座面部61を有する弁座6と、この弁座の座面部に互いに隣接する開口部1a、2aを有しそれぞれ該弁座を貫通して上記弁室の外に引き出された所定時に高温流体通流する第1の流路1及び低温流体を通流する第2の流路2と、上記弁座の座面部に対して移動するように設けられた弁体7とを備え、上記第1及び第2の流路相互間の上記開口部に近い位置に、これら流路相互間の熱移動を抑制する熱抵抗部8を形成したものである。

概要

背景

従来の四方弁としては、切換弁におけるスライド弁の少なくとも弁座に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、前記スライド弁の前記摺接面を除く残部を熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成したものがある(例えば特許文献1参照。)。
また、ポートBを高温高圧冷媒が導入されるポートAまたは低温低圧の冷媒が導出されるポートDと連通するよう切り換え三方切換弁のボディとポートCをポートAまたはポートDと連通するよう切り換える三方切換弁のボディとを分離し、共通のポートA、Dをパイプで接続し、各ボディの冷媒が流れる通路断熱スリーブおよび断熱プラグで囲い、かつ弁体を構成するプラグ熱伝導性の低い材料で構成したものがある(例えば特許文献2参照。)。

特開平11−201297号公報(第1頁、図2)
特開2003−254453号公報(第1頁、図1)

概要

構造が簡単で、高温冷媒低温冷媒が接近して流れても、両者間で熱漏洩による熱損失の発生が抑制され、冷暖房能力が向上し、また圧縮機入口冷媒ガス過熱防止による圧縮機効率の向上により空調装置省エネ性が向上された四方弁を得る。弁室51を有するハウジング部材5と、上記弁室に設けられた座面部61を有する弁座6と、この弁座の座面部に互いに隣接する開口部1a、2aを有しそれぞれ該弁座を貫通して上記弁室の外に引き出された所定時に高温流体通流する第1の流路1及び低温流体を通流する第2の流路2と、上記弁座の座面部に対して移動するように設けられた弁体7とを備え、上記第1及び第2の流路相互間の上記開口部に近い位置に、これら流路相互間の熱移動を抑制する熱抵抗部8を形成したものである。

目的

この発明は、上記のような従来技術の課題を解消するためになされたもので、本件発明者らが四方弁の熱損失について鋭意研究、分析を重ねた結果、高温冷媒が入口流路から弁室に流入し出口流路から流出する際、出口流路では、開口部での冷媒流衝突縮流などにより壁面付近表面流速増速して温度境界層が薄くなり、伝熱が促進されること、その促進度合いは、発達した管内流れのものに対して、数倍から十数倍にも及ぶこと、同様に、低温冷媒の出口流路でも伝熱促進され、結局、これら2つの伝熱促進が主要因となり、弁室または弁座に設けられた出口流路間、特にその開口部付近で、高温冷媒と低温冷媒の熱損失が集中して発生するとの知見を得、この発明を完成させたもので、構造が簡単でしかも熱漏洩による熱損失が少なく、空調装置の省エネ性を向上させることができる四方弁を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

四方弁において、弁室を有するハウジング部材と、上記弁室に設けられた座面部を有する弁座と、この弁座の座面部に互いに隣接する開口部を有しそれぞれ該弁座を貫通して上記弁室の外に引き出された所定時に高温流体出口流路となる第1の流路及び低温の流体の出口流路となる第2の流路と、上記弁座の座面部に対して移動するように設けられた弁体とを備え、上記第1及び第2の流路相互間の上記開口部に近い位置に、これら流路相互間の熱移動を抑制する熱抵抗部を設けてなることを特徴とする四方弁。

請求項2

弁室を有するハウジング部材と、上記弁室に設けられた座面部を有する弁座と、この弁座の座面部に互いに隣接する開口部を有しそれぞれ該弁座を貫通して上記弁室の外に引き出された第1の流路、第2の流路、及び第3の流路と、上記ハウジング部材の弁室に向けて開口し高温の流体を流入させる第4の流路と、上記弁座の座面部に対して移動するように設けられ、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第1の流路に流出させるときに上記第3の流路から流入される低温の流体を上記第2の流路に流出させ、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第3の流路に流出させるときに上記第1の流路から流入される低温の流体を上記第2の流路に流出させるように流路を切り替える弁体とを備えてなることを特徴とする四方弁。

請求項3

上記熱抵抗部は、上記弁座の座面部とは反対側の面に、上記第1及び第2の流路間で熱が移動する方向に対し交わる方向に形成された切れ目からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の四方弁。

請求項4

上記切れ目は、上記弁座の座面部と、この座面部とは反対側の面に交互に設けられてなることを特徴とする請求項3に記載の四方弁。

請求項5

上記切れ目は、スリット状の溝からなることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の四方弁。

請求項6

上記切れ目は、上記弁座の座面部とは反対側の面における上記第1及び第2の流路の少なくとも一方の流路外周部に沿って環状に形成された凹部からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の四方弁。

請求項7

上記熱抵抗部は、上記弁座を薄肉に形成したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の四方弁。

請求項8

上記熱抵抗部は、上記第1及び第2の流路の上記開口部近傍内周面に設けられた熱伝導率の低いコーティング層からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の四方弁。

請求項9

上記熱抵抗部は、上記第1及び第2の流路の上記開口部近傍の内周面に設けられたリング状のガス滞留層形成部材によって形成されたガス滞留層からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の四方弁。

請求項10

弁室を有するハウジング部材と、上記弁室に開口するように設けられた、高温の流体を流入させる第4の流路、低温の流体を流出させる第2の流路、流体の流出・流入方向が互いに逆になるように用いられる第1の流路、及び第3の流路からなる4つの流路と、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第1の流路に流出させるときに上記第3の流路から流入される低温の流体を上記第2の流路に流出させ、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第3の流路に流出させるときに上記第1の流路から流入される低温の流体を上記第2の流路に流出させるように流路を切り替える弁体とを備えた四方弁において、上記弁室における上記第4の流路の開口部に対向する位置に邪魔板を設けたことを特徴とする四方弁。

請求項11

弁室を有するハウジング部材と、上記弁室に開口するように設けられた、高温の流体を流入させる第4の流路、低温の流体を流出させる第2の流路、流体の流出・流入方向が互いに逆になるように用いられる第1の流路、及び第3の流路からなる4つの流路と、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第1の流路に流出させるときに上記第3の流路から流入される低温の流体を上記第2の流路に流出させ、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第3の流路に流出させるときに上記第1の流路から流入される低温の流体を上記第2の流路に流出させるように流路を切り替える弁体とを備えた四方弁において、上記弁体の内部に整流板を設けたことを特徴とする四方弁。

請求項12

上記4つの流路の内、低温の流体を流入もしくは流出させる流路は、上記弁室に向けて流路断面積が徐々に広がるように形成されてなることを特徴とする請求項11に記載の四方弁。

請求項13

弁室を有するハウジング部材と、上記弁室に開口するように設けられた、高温の流体を流入させる第4の流路、低温の流体を流出させる第2の流路、流体の流出・流入方向が互いに逆になるように用いられる第1の流路、及び第3の流路からなる4つの流路と、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第1の流路に流出させるときに上記第3の流路から流入される低温の流体を上記第2の流路に流出させ、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第3の流路に流出させるときに上記第1の流路から流入される低温の流体を上記第2の流路に流出させるように流路を切り替える弁体とを備えた四方弁において、上記弁室における弁体の外側に、上記第4の流路から流入された高温の流体を上記第1の流路もしくは第3の流路に導く整流部材を、該弁体と同時に移動するように設けたことを特徴とする四方弁。

技術分野

0001

この発明は、例えばヒートポンプ式空調装置冷媒回路における冷暖房切換弁などに好ましく用いられる四方弁に関するものである。

背景技術

0002

従来の四方弁としては、切換弁におけるスライド弁の少なくとも弁座に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、前記スライド弁の前記摺接面を除く残部を熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成したものがある(例えば特許文献1参照。)。
また、ポートBを高温高圧冷媒が導入されるポートAまたは低温低圧の冷媒が導出されるポートDと連通するよう切り換え三方切換弁のボディとポートCをポートAまたはポートDと連通するよう切り換える三方切換弁のボディとを分離し、共通のポートA、Dをパイプで接続し、各ボディの冷媒が流れる通路断熱スリーブおよび断熱プラグで囲い、かつ弁体を構成するプラグ熱伝導性の低い材料で構成したものがある(例えば特許文献2参照。)。

0003

特開平11−201297号公報(第1頁、図2
特開2003−254453号公報(第1頁、図1

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献1に例示される四方弁においては、圧縮機出口からの高温高圧冷媒圧縮機入口に戻る低温低圧冷媒が接近して流れるため、両者間で熱漏洩による熱損失が発生する。熱損失が発生すると、暖房モードで言えば、暖房能力減少を招き、さらに圧縮機入口冷媒ガス過熱されることにより圧縮機効率も低下するため、空調装置の効率が大幅に低下する問題があった。また、特許文献2に例示された四方弁においては、内部での熱損失が抑えられるが、樹脂など熱伝導性の低い材料からなるプラグをボディの中に設ける構造となっているので、部品数が増え、構造も複雑になるなどの課題があった。

0005

この発明は、上記のような従来技術の課題を解消するためになされたもので、本件発明者らが四方弁の熱損失について鋭意研究、分析を重ねた結果、高温冷媒入口流路から弁室に流入し出口流路から流出する際、出口流路では、開口部での冷媒流衝突縮流などにより壁面付近表面流速増速して温度境界層が薄くなり、伝熱が促進されること、その促進度合いは、発達した管内流れのものに対して、数倍から十数倍にも及ぶこと、同様に、低温冷媒の出口流路でも伝熱促進され、結局、これら2つの伝熱促進が主要因となり、弁室または弁座に設けられた出口流路間、特にその開口部付近で、高温冷媒と低温冷媒の熱損失が集中して発生するとの知見を得、この発明を完成させたもので、構造が簡単でしかも熱漏洩による熱損失が少なく、空調装置の省エネ性を向上させることができる四方弁を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

この発明に係る四方弁は、弁室を有するハウジング部材と、上記弁室に設けられた座面部を有する弁座と、この弁座の座面部に互いに隣接する開口部を有しそれぞれ該弁座を貫通して上記弁室の外に引き出された所定時に高温の流体の出口流路となる第1の流路及び低温の流体の出口流路となる第2の流路と、上記弁座の座面部に対して移動するように設けられた弁体とを備え、上記第1及び第2の流路相互間の上記開口部に近い位置に、これら流路相互間の熱移動を抑制する熱抵抗部を設けてなるものである。

発明の効果

0007

この発明によれば、弁座の座面部に互いに隣接して開口する2つの流路相互間の該開口部に近い位置に、これら流路相互間の熱移動を抑制する熱抵抗部を設けたことにより、熱移動が効果的に遮断され、熱損失が低減する。また、構造が比較的簡単なため、コスト増を招かないといった顕著な効果を奏するものである。このため、空調装置に用いたときには冷暖房能力が向上し、さらには、圧縮機に流入する低温冷媒の過熱が防止されて圧縮機効率も向上し、空調装置の省エネ性が向上する。

発明を実施するための最良の形態

0008

実施の形態1.
図1図4はこの発明の実施の形態1による四方弁の要部を概念的に説明する図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線における矢視断面図、図2図1の四方弁の変形例を示すもので、図2(a)は断面図、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb線における矢視断面図、図3図1の四方弁の他の変形例を示す要部断面図、図4図1の四方弁のさらに他の変形例を示す断面図である。図1において、四方弁10は、弁室51を有する略円筒状の両端部が塞がれたハウジング部材5と、上記弁室51に設けられた座面部61を有する弁座6と、この弁座6の座面部61に直線的に配置され互いに隣接する開口部1a、2a、3aを有し、それぞれ該弁座6を貫通して上記弁室51の外に引き出された何れもパイプ状の第1の流路1、第2の流路2、及び第3の流路3と、上記弁室51に開口され弁室5の外に引き出されたパイプ状の第4の流路4と、上記弁座6の座面部61に対して摺動するように設けられた弁体7とを備えている。

0009

上記弁体7は、この実施の形態1では例えば樹脂材料などの熱伝導率の低い材料を用いて構成されている。なお、該弁体7は、座面部61に対して密着させた状態で図1(a)の左右方向に移動(スライド)させて流路を切り替えるように構成されているが、そのための駆動機構は、公知の従来技術を特別な制限なく用いることができるものであり、この発明の要旨に直接関係しない部分であるので図示を省略している。

0010

上記弁座6の図の下面部における上記第1の流路1及び第2の流路2の間、並びに上記第2の流路2及び第3の流路3の間には、これら流路の開口部近傍相互間の熱移動を抑制する熱抵抗部としてのスリット状ないしは溝状の切れ目8が形成されている。なお、上記第1、第2、第3、及び第4の流路1、2、3、及び4は、何れも図示を省略している室内熱交換器、圧縮機入口、室外熱交換器、及び圧縮機出口にそれぞれ接続されて、ヒートポンプ式空調装置の冷媒回路を構成し、実線矢印RHは流体である高温冷媒の流れ、破線矢印RCは流体である低温冷媒の流れを示している。また、上記弁体7は、図1(a)に示す位置では、第4の流路4と第1の流路1を連通する一方、第2の流路2と第3の流路3を連通し、弁室51内を高温冷媒RHが流れる流路と低温冷媒RCが流れる流路の2つの流路に仕切っており、この場合暖房モードの冷媒回路構成となっている。なお、各図を通じて同一符号は同一もしくは相当部分を示すものとする。

0011

次に上記図1のように構成された実施の形態1の動作について説明する。図示省略している圧縮機出口から吐出された高温冷媒RHは第4の流路4から弁室51内に流入し、第1の流路1を通って室内熱交換器に送られ、該室内熱交換器に対して図示を省略している膨張弁を介して直列に接続された室外熱交換器を経由して戻ってきた低温冷媒RCは、第3の流路3から弁体7に流入し、弁体7内でUターンして、第2の流路2から外部に流出して圧縮機入口に戻るように循環されて、暖房モードの運転が行なわれる。一方、弁体7を座面部61に密着させた状態で図1(a)の左方向にスライドさせて、第1の流路1と第2の流路2、及び第3の流路3と第4の流路4をそれぞれ連通する流路に切り換えることにより、高温冷媒RHが第4の流路4から第3の流路3を通って室外熱交換器に送られ、室内熱交換器からの低温冷媒RCが第1の流路1から第2の流路2を通って圧縮機入口に戻る冷房モードの冷媒回路構成に切り換わる。

0012

四方弁10内では、このように高温冷媒RHと低温冷媒RCが接近して流れるため、両冷媒間で熱漏洩による熱損失が発生する。ここで、四方弁の熱損失についてさらに詳細に分析すると、次の通りである。すなわち、暖房モードの場合で説明すると、第4の流路4から流入した高温冷媒RHは噴流となって出口流路となる第1の流路1の開口部1aに衝突し、流出するため、まず第1の流路1の開口部1a及びその近傍の流出直後の壁面1bで冷媒流の衝突や縮流などにより壁面1b付近の表面流速が増速して温度境界層が薄くなり、伝熱が促進される。

0013

一方、第3の流路3から流入した低温冷媒RCは弁体7内でUターンして第2の流路2から流出するため、第2の流路2の流出前で流れが剥離して外周側に寄せられ、開口部2a近傍流路壁面2b付近の表面流速が増速して同様に伝熱が促進される。これらの伝熱促進度合いは、発達した管内流れのものに対して、数倍から十数倍にも及ぶ。このため、高温冷媒と低温冷媒の熱損失は、この伝熱促進が主要因となって、第1の流路1と第2の流路2の間、すなわち高温冷媒と低温冷媒の出口流路の開口部1a、2a付近で集中して発生する。なお、冷房モードの場合は同様の理由で、熱損失は第2の流路2と第3の流路3の間の開口部2a、3a付近に集中する。

0014

この実施の形態1では、第1の流路1と第2の流路2の間、すなわち熱損失の主要経路である第1及び第2の流路1、2間で熱が移動する方向に対し交わる方向に形成されたスリット状の切れ目8が設けられているため、該切れ目8による弁座6の薄肉部分が熱の移動方向に対する熱抵抗部を構成し、熱移動が効果的に遮断されることによって、四方弁10での熱損失が低減し、冷暖房能力が向上する。さらには、圧縮機入口冷媒ガスが過熱されるのを防止できるため、圧縮機効率も向上し、空調装置の省エネ性が大幅に向上する。また、熱損失の主要経路にスリット状の切れ目8を設けるという比較的簡単な構造で効果が得られるため、コスト増を招かないという効果を奏する。

0015

なお、熱抵抗部としてのスリット状の切れ目8は、例えば図2の変形例及び図3の他の変形例に示すように第1の流路1と、第2の流路2の外周部に流路の断面形状と同心円状に設けた環状の凹部からなる切れ目81(図2)によって構成し、あるいは流路を構成するパイプ材の先端部を外側に折り返して形成された袋状の空気層82(図3)で構成しても良い。環状の切れ目81(図2)の場合、流路からの熱が弁体7及び弁座6内で拡散して拡がるのを防止できるため、流路間の熱移動がより一層抑えられ、冷暖房能力の向上、空調装置の省エネ性が向上する。また、袋状の空気層82の場合も同様に流路間の熱移動がより一層抑えられ、弁座6または弁室51内での熱伝導による熱の拡散を抑制できるため、熱損失がより一層低減する。

0016

なお、これらの切れ目8、81は、弁座6の座面部61側に設けても良く、さらには、図4のさらに他の変形例に示すように、弁座6の内外両面に交互に熱抵抗部としての切れ目83を設けてもよい。この場合、図1のように片面に切れ目8を設けた場合に比べ、同一の切れ目幅(スリット幅)で比較すると、曲げ強度が向上するため、強度信頼性増し、また、同一曲げ強度で比較すると、切れ目幅(スリット幅)を大きくできるため、流路間の熱移動をより低減することができる。

0017

また、上記図1図4に示した例では、流路の開口部近傍に設ける熱抵抗部を直線状のスリット状の切れ目8、83、あるいは環状の切れ目81、袋状の空気層82などによって構成したが、熱抵抗部を熱伝導率の低い材料、例えばステンレス鋼セラミック硬質樹脂などを用いて構成しても、同様の熱遮断効果が得られる。さらに、この実施の形態1では、弁座6に3本の流路が接続された例で示したが、当然ながら弁座6に設ける流路の数や弁形式は特に限定されるものではなく、数や形式に限らず同様な熱遮断効果が得られる。なお、弁座6及び弁室51を形成するハウジング部材5についても上記例示した熱伝導率が低い材料を用いて構成することにより、さらに熱損失が低減され、合わせて強度の大きい材質を用いることで薄肉化による一層の熱損失低減効果が得られる。

0018

実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2による四方弁の要部を概念的に説明する図であり、図
5(a)は断面図、図5(b)は図5(a)のVb−Vb線における矢視断面図である。図において、50は弁座6と一体的に構成され、弁室51を構成する内周面の下部に弁座6の断面円弧状の座面部61が形成され、全体的に薄肉に構成された略円筒状で両端部が塞がれたハウジング部材である。弁体7は弁座6の座面部61の形状に対応して合わせ面が曲面に形成され、さらに第2の流路2の開口部2aは、座面部61よりも弁室51の中に突き出るように設けられており、弁体7の回転止めの機能を有している。84は弁座6(同時にハウジング部材50でもある)によって形成された薄肉材からなる熱抵抗部である。その他の構成は上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。

0019

上記のように構成された実施の形態2においては、弁座6がハウジング部材50と一体的に薄肉材によって形成されているので、該弁座6が、高温冷媒RHの出口流路となる第1の流路1と低温冷媒RCの出口流路となる第2の流路2の開口部1a、2a近傍、または冷房時には高温冷媒RHの出口流路となる第3の流路3と低温冷媒RCの出口流路となる第2の流路2の開口部3a、2a近傍の流路相互間の熱抵抗部84を形成して熱移動を抑制し、上記実施の形態1におけるスリット状の切れ目8、81、83、あるいは袋状の空気層からなる熱抵抗部82と同様な効果が得られる。

0020

実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による四方弁の要部を概念的に示す断面図である。図において、85は第1の流路1と第2の流路2の間における開口部1aと2a付近の流路壁面に施された熱抵抗部としてのコーティング層である。該コーティング層85は、例えば、0.1W/mK前後の低い熱伝導率の材料、例えば樹脂材料などを好ましく用いることができ、膜厚は0.1〜1mm程度である。この実施の形態3は、熱抵抗部をスリット状の切れ目に替えて熱伝導率の低いコーティング層によって構成したものであり、その他の構成は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。

0021

上記のように構成された実施の形態3では、実施の形態1と同様に例えば、暖房モードでは、第1の流路1と第2の流路2の間、すなわち冷媒の出口流路となる開口部1a、2a付近の流路壁面での伝熱促進が熱損失の主たる要因となるが、この部位に熱伝導率の低いコーティング層85が施されているため、該コーティング層85が断熱層となって、隣接する第1、第2の流路1、2間での熱移動が効果的に遮断され、四方弁10での熱損失を大幅に低減でき、空調装置の省エネ性が大きく向上する。また、比較的簡単な方法で断熱層を設けることができるため構造の簡素化を図ることができる。なお、図6では、第1の流路1と第2の流路2の間の開口部1a、2a付近の流路壁面の一部にコーティング層85を施しているが、コーティング層85は当然ながら該流路の開口部1a、2a付近の内周面の全周囲に設けても良く、さらに、第3の流路3の開口部3a近傍にもコーティング層を設けると、冷房、暖房何れのモードでも熱損失を低減する効果が得られる。

0022

実施の形態4.
図7及び図8はこの発明の実施の形態4による四方弁の要部を概念的に説明するもので、図7(a)は断面図、図7(b)は開口部近傍の詳細を示す拡大図、図8図7の四方弁の変形例(a)、及び他の変形例(b)を示す要部断面図である。図7において、9は熱抵抗部としてのガス滞留層86を形成するための先細りロート状に形成されたガス滞留層形成部材であり、直径の大きい図の上部が第1の流路1、または第2の流路2の開口部1aまたは2aに圧入固定され、直径の小さい図の下部が第1の流路1または第2の流路2内に、流路壁面から離間して流路中心部側で開口している。

0023

この実施の形態4では、図6に示すコーティング層の代わりに、上記部位にガス(冷媒ガス)が滞留するガス滞留層86を設けたものである。ガスの熱伝導率は低いため、コーティング層と同様の熱遮断効果が得られる。なお、ガス滞留層86は図8(a)の変形例に示すように、管端部を内側に折り返して形成された先端袋管によって構成してもよい。また、図8(b)の他の変形例に示すように、第1の流路1(第2の流路)を構成するパイプ(外管)の内側に、外径が該パイプよりも小径内管1c(2c)が間隙を保持して内装された2重管を用い、該内管1c(2c)と外管の間隙部をガス滞留層86としたものでも同様の効果が得られる。

0024

なお、図8(b)では、内管1c(2c)の保持部を示していないが、該内管1c(2c)の保持手段は特に限定されるものではなく、例えば図の下端部のみで固定し、開口部1a(2a)側の上端部が図8(b)のようにフリーであっても差し支えない。また、ガス滞留層86は弁室に開口していても、開口していなくても良い。図8(b)のように上端部が弁室に開口していても外管のパイプとの間隙が狭いので冷媒が流れにくく、内管1c(2c)の流れに比べればほぼ滞留層と見なすことができる。さらに、第3の流路3の開口部3aにガス滞留層86を設けても良いことは言うまでもない。このように、ガス滞留層86は、第1〜第3の流路1〜3を構成する例えば銅などの材料に比べて熱伝導率が低いため断熱効果があり、また、比較的簡単な方法で断熱層を設けることができるため構造の簡素化を図ることができる。

0025

実施の形態5.
図9はこの発明の実施の形態5による四方弁の要部を概念的に示す断面図である。図において、弁室51内には、第4の流路4から流入した流体である高温冷媒を衝突させ、弁室51内に拡散させる邪魔板11がハウジング部材5に対して図示省略している固定手段により固定して設けられ、また弁体7の内部には冷媒の通流方向に沿って滑らかに曲げられた整流板12が弁体7に対して図示省略している固定手段により固定して設けられている。さらに、第2の流路2と第3の流路3の間の開口部2a、3aの角部Rは、曲面状のR形状に形成されており、弁室51の方向に向かって流路断面積が徐々に広げられている。

0026

上記のように構成された実施の形態5においては、例えば、暖房モードでは、出口流路となる第1の流路1の開口部1aと、第2の流路2の開口部2aの間付近では、冷媒流の衝突、曲がりや流路面積縮小などによって偏流、縮流し、流路壁面付近の表面流速増加により、伝熱促進されることが熱損失の主たる要因であるが、邪魔板11により、冷媒が第1の流路1の開口部1aに直接衝突することが防止される。また、第3の流路3から流入した低温冷媒は弁体7内でUターンして第2の流路2に流出する際、開口部3a、2aの角がR形状で弁室51に向かって流路面積が除々に広がっているため、流れの剥離が抑制され、さらに、弁体7内の整流板12の整流効果により、流れが整流されるため、壁面付近の表面流速が増加することなく、伝熱促進が抑制される。

0027

このように、実施の形態5によれば、出口流路である第1の流路1、または第3の流路3の開口部1a、または3a付近の表面流速が増加することなく、伝熱促進が抑制されて熱移動が効果的に遮断され、熱損失が低減する。このため、冷暖房能力が向上し、さらには、圧縮機に流入する低温冷媒の過熱が防止されて圧縮機効率も向上し、空調装置の省エネ性が大幅に向上する。なお、弁体7の内部に設けられた整流板12は、冷房運転時に弁体7を図の左方向にスライドさせたときに弁体7と共に移動することはいうまでもない。また、冷房運転時の熱移動を抑制するために、第1の流路1の開口部1aもR形状にすることは望ましい。また、上記邪魔板11と整流板12は、何れか一方を単独で設けても相応の効果が得られる。更に、弁座6に上記実施の形態1〜4に示す切れ目、空気層、薄肉材、ガス滞留層やコーティング層などからなる熱抵抗部を設けることは更なる効果の増大が期待できる。

0028

実施の形態6.
図10はこの発明の実施の形態6による四方弁の要部を概念的に示す断面図である。図において、弁体7は上記実施の形態1と同様形状の内側の弁体7と、その外方に配設された整流部材71からなる2重構造となっており、外側の整流部材71は、上面が開口しており、第4の流路4から流入した高温冷媒を第1の流路1(暖房運転時)もしくは第3の流路3(冷房運転時)に導く通路を形成している。

0029

上記のように構成された実施の形態6においては、実施の形態5と同様、例えば、暖房モードでは、整流部材71が開口部4a近傍に伸びて設けられていることにより、冷媒が弁室51内壁や第1の流路1の開口部1aに直接衝突することを防止し、また、外側の整流部材71の形成する通路で流れが整流されるため、出口流路となる第1の流路1の開口部1a近傍における壁面付近の表面流速が増加することなく、伝熱促進が抑制される。また、弁体7が座面部61上を図の左方向にスライドし冷房モードになると、当然ながら整流部材71も左側に移動しているため、第4の流路4から流入した冷媒は弁体7の外周部と整流部材71の間を通過して第3の流路3に導かれるため、暖房モード同様の伝熱促進抑制効果が得られる。このように、熱移動が効果的に遮断され、熱損失が低減して、冷暖房能力が向上し、さらには、圧縮機に流入する低温冷媒の過熱が防止されて圧縮機効率も向上し、空調装置の省エネ性が大幅に向上する。

0030

なお、上記実施の形態の説明では、弁室51に設けられた弁座6の座面部61に3つの流路の開口部が直線的に並設され、弁室51に高温の流体を流入させ、弁体7を座面部61に摺接してスライド移動させる方式の四方弁を例に説明したが、特にこの方式や例に限定されるものではないことは勿論である。また、例えば図10に示す弁座6に図1に示す切れ目を設けるなど、各実施の形態に示した発明を適宜組み合わせて構成することは容易であり、複数の発明を組み合わせた場合には、断熱効果を更に高めることができる。さらに切れ目8、83はスリット状に設けた例で説明したが、該形状はスリット状に限定されるものではなく、例えばV字状、U字状の溝などであっても同様の効果が期待できる。

図面の簡単な説明

0031

この発明の実施の形態1による四方弁の要部を概念的に示す断面図。
図1に示す四方弁の変形例を示す断面図。
図1に示す四方弁の他の変形例を示す要部断面図。
図1に示す四方弁のさらに他の変形例を示す断面図。
この発明の実施の形態2による四方弁の要部を概念的に示す断面図。
この発明の実施の形態3による四方弁の要部を概念的に示す断面図。
この発明の実施の形態4による四方弁の要部を概念的に示す断面図。
図7に示す四方弁の変形例(a)及び他の変形例(b)を示す要部断面図。
この発明の実施の形態5による四方弁の要部を概念的に示す断面図。
この発明の実施の形態6による四方弁の要部を概念的に示す断面図。

符号の説明

0032

1 第1の流路、 1a 開口部、 1b 壁面、 1c内管、 2 第2の流路、 2a 開口部、 2c 内管、 3 第3の流路、 3a 開口部、 4 第4の流路、 4a 開口部、 5、50ハウジング部材、 51弁室、 6弁座、 61 座面部、 7弁体、 71整流部材、 8熱抵抗部(切れ目)、 81 熱抵抗部(環状の切れ目)、 82 熱抵抗部(空気層)、 83 熱抵抗部(切れ目)、 84 熱抵抗部(薄肉材)、 85 熱抵抗部(コーティング層)、 86 熱抵抗部(ガス滞留層)、 9 ガス滞留層形成部材、 10四方弁、 11邪魔板、 12整流板、 RC流体(低温冷媒)、 RH 流体(高温冷媒)。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日本電産トーソク株式会社の「 電動バルブ装置、新気通路機構、及び内燃機関」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】ブローバイガス通路からのガス漏れの有無検出の確からしさを向上させ、且つ新気通路の配管からの電動バルブ装置1の外れを検出することができる電動バルブ装置1を提供する。【解決手段】流入側配管部50と... 詳細

  • 株式会社ネリキの「 容器バルブ」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】流体貯蔵容器の内部に充填された流体を、所望の流量で安定して導出させること。【解決手段】容器バルブ10の内部には、流体貯蔵容器に取り付ける容器取付け部12からアウトレット13まで連通するとともに... 詳細

  • ダイキン工業株式会社の「 冷凍サイクル装置」が 公開されました。( 2020/04/09)

    【課題】冷媒回路に中間インジェクション管及びエコノマイザ熱交換器が設けられている冷凍サイクル装置において、中間インジェクション管を流れる冷媒の流量の増加を抑えつつ、利用側熱交換器の蒸発能力を大きくする... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ