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技術 化学的機械的研磨方法

出願人 ルネサスエレクトロニクス株式会社
発明者 青柳雅博中条朱希土山洋史
出願日 2004年12月28日 (15年3ヶ月経過) 出願番号 2004-378751
公開日 2006年7月13日 (13年8ヶ月経過) 公開番号 2006-186131
状態 拒絶査定
技術分野 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削 洗浄、機械加工
主要キーワード 凹凸起伏 演算コンピュータ 起伏状況 現場技術者 対数近似 起伏状態 所定押圧力 適用状況
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

積層膜構造を対象とした化学的機械的研磨における研磨レート研磨時間の設定を、精度高く、簡単に行えるようにする。

解決手段

研磨対象積層構造Sの化学的機械的研磨において、複数の積層膜の研磨レートを、ある一つの基準とする積層膜に換算することで、基準の積層膜に対しての研磨条件統一した状態で化学的機械的研磨を行う。かかる化学的機械的研磨においては、化学的機械的研磨の状況を示す曲線のうち、目標研磨量を示す側の部分を良く近似する式を算出式として用いる。かかる算出式では、研磨対象の膜の膜性状に関するパラメータAと、膜表面の起伏状態に関するパラメータBと、化学的機械的研磨装置装置間機差に関するパラメータCとが演算子で結合されている。

概要

背景

以下に説明する技術は、本発明を完成するに際し、本発明者によって検討されたものであり、その概要は次のとおりである。

化学的機械的研磨技術は、近年、益々半導体装置高集積化が要求されるなか、半導体ウエハの高精度平坦化において極めて重要な技術として位置づけられている。化学的機械的研磨は、回転する研磨パッドと半導体ウエハの被研磨面との間に、砥粒薬液とからなるスラリーを供給しながら行う研磨である。

かかる化学的機械的研磨では、実際の製品ウエハの研磨に先立ちダミーウエハを用いて使用する化学的機械的研磨装置での基準の研磨レートを設定する。かかる設定された基準研磨レートで実際のウエハを何枚か先行研磨し、先行研磨した結果から研磨時間の過不足を確認し、先に設定した基準研磨レートに適した最適研磨時間を設定してその後の製品研磨を行う。基準研磨レートは、研磨時間の設定精度を含めて、研磨の良否を左右する極めて重要なファクターであるため、その後の製品研磨において、定期的に見直しを行いできるだけ正確な値を用いるようにしている。

このように、化学的機械的研磨においては製品ウエハの研磨を開始する前に、ダミーウエハを用いたり、先行研磨を行ったり等して、製品ウエハの基準研磨レートの設定をも含めて諸種の研磨条件を設定するためにかなりの前作業を行っている。

また、適切な基準研磨レートが設定できない場合には、かかる研磨レートに基づき所定時間かけて化学的機械的研磨した結果が研磨不足や過剰研磨となり、追加研磨あるいは研磨済みウエハ廃棄に繋がり、結果として化学的機械的研磨工程のスループットを著しく低下させることとなる。

そこで、かかる研磨レートを効率よく、高精度に算出する技術が求められている。かかる技術の一つとして、研磨前の膜厚データ研磨後の膜厚データの差と、実際の研磨時間とから、最新の研磨レートを算出し、工場ホストコンピュータからプロセスレシピ情報を最適レシピとして化学的機械的研磨装置へ設定する技術が提案されている(特許文献1参照)。

被研磨材の研磨前の厚さ、研磨時間、研磨後の厚さ及び被研磨体の厚さの目標値を含むパラメータ演算子を用いて、任意に設定された計算式に基づき被研磨体の最適研磨時間を算出する技術も提案されている(特許文献2参照)。

さらには、推定研磨レートを算出して、品種/工程/製造設備ごと推定研磨時間を決定する技術も提案されている(特許文献3参照)。

また、STI(Shallow Trench Isolation)構造における積層膜の化学的機械的研磨を、積層膜の凹凸に関わる位相状況を考慮した上で、例えば、かかる化学的機械的研磨対象の酸化シリコンシリコン窒化膜を、シリコン窒化膜に換算して一律に研磨レートの算出を行い研磨する技術が提案されている(特許文献4)。
特開平11−186204号公報
特開2002−154053号公報
特開2002−334135号公報
米国特許公開:US2004−0023490号公報

概要

積層膜構造を対象とした化学的機械的研磨における研磨レートや研磨時間の設定を、精度高く、簡単に行えるようにする。研磨対象積層構造Sの化学的機械的研磨において、複数の積層膜の研磨レートを、ある一つの基準とする積層膜に換算することで、基準の積層膜に対しての研磨条件に統一した状態で化学的機械的研磨を行う。かかる化学的機械的研磨においては、化学的機械的研磨の状況を示す曲線のうち、目標研磨量を示す側の部分を良く近似する式を算出式として用いる。かかる算出式では、研磨対象の膜の膜性状に関するパラメータAと、膜表面の起伏状態に関するパラメータBと、化学的機械的研磨装置の装置間機差に関するパラメータCとが演算子で結合されている。

目的

本発明の目的は、積層膜構造を対象とした化学的機械的研磨における研磨レートや研磨時間の設定を簡単に行えるようにすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

半導体ウエハ上に複数の異なる層が積層された積層構造化学的機械的研磨する化学的機械的研磨方法であって、前記積層構造のうち化学的機械的研磨の研磨対象となる層の研磨時間を、層形成材料研磨条件との組み合わせで決まる研磨レートが読み取れる換算表に基づき決定することを特徴とする化学的機械的研磨方法。

請求項2

請求項1記載の化学的機械的研磨方法において、前記換算表は、基準として定める基準層形成材料と、基準として定める基準研磨条件との組み合わせで決まる基準研磨レートに対する比として、それぞれの研磨レートが示されていることを特徴とする化学的機械的研磨方法。

請求項3

請求項1記載の化学的機械的研磨方法において、前記研磨対象となる層のうち同一の層を順次異なる研磨条件で研磨する場合の研磨時間は、前記換算表からの異なる前記研磨条件に基づく研磨レートにより算出した研磨時間の総和で算出されることを特徴とする化学的機械的研磨方法。

請求項4

請求項1記載の化学的機械的研磨方法において、前記研磨対象となる層のうち異なる層形成材料で形成された層についての研磨時間が、前記換算表からの同一の研磨条件に基づく研磨レートにより算出されることを特徴とする化学的機械的研磨方法。

請求項5

請求項1記載の化学的機械的研磨方法において、前記研磨対象となる層のうち異なる層形成材料で形成された層についての研磨条件は、前記換算表により同一の研磨レートとなるように設定されることを特徴とする化学的機械的研磨方法。

請求項6

請求項1記載の化学的機械的研磨方法において、前記研磨対象となる層のうち異なる層形成材料で形成された層についての研磨時間が、前記換算表からの異なる研磨条件に基づく研磨レートにより算出されることを特徴とする化学的機械的研磨方法。

請求項7

請求項1記載の化学的機械的研磨方法において、前記積層構造の研磨終了時間が所定の時間になるように、前記研磨対象となる層のうち異なる層形成材料で形成された層についての研磨時間を、前記換算表から選択された研磨条件に基づく研磨レートにより算出して規定することを特徴とする化学的機械的研磨方法。

請求項8

半導体ウエハ上に単一層が形成された単層構造を化学的機械的研磨する化学的機械的研磨方法であって、前記単一層の研磨終了時間が所定の時間になるように、前記単一層の研磨時間を、層形成材料と研磨条件との組み合わせで決まる研磨レートが読み取れる換算表から選択された研磨条件に基づく研磨レートにより算出して規定することを特徴とする化学的機械的研磨方法。

請求項9

半導体ウエハ上に形成された単一層を化学的機械的研磨する化学的機械的研磨方法であって、化学的機械的研磨の研磨対象となる前記単一層の研磨時間は、層形成材料と研磨条件との組み合わせで決まる研磨レートが読み取れる換算表に基づき、異なる研磨条件に対応した研磨レートにより算出される研磨時間の総和で決定されることを特徴とする化学的機械的研磨方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体装置の製造技術等で用いられる化学的機械的研磨技術に関し、特に、積層膜の化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)に際しての研磨レート等の研磨条件研磨実績に基づき精度高く算出するのに適用して有効な技術に関するものである。

背景技術

0002

以下に説明する技術は、本発明を完成するに際し、本発明者によって検討されたものであり、その概要は次のとおりである。

0003

化学的機械的研磨技術は、近年、益々半導体装置の高集積化が要求されるなか、半導体ウエハの高精度平坦化において極めて重要な技術として位置づけられている。化学的機械的研磨は、回転する研磨パッドと半導体ウエハの被研磨面との間に、砥粒薬液とからなるスラリーを供給しながら行う研磨である。

0004

かかる化学的機械的研磨では、実際の製品ウエハの研磨に先立ちダミーウエハを用いて使用する化学的機械的研磨装置での基準の研磨レートを設定する。かかる設定された基準研磨レートで実際のウエハを何枚か先行研磨し、先行研磨した結果から研磨時間の過不足を確認し、先に設定した基準研磨レートに適した最適研磨時間を設定してその後の製品研磨を行う。基準研磨レートは、研磨時間の設定精度を含めて、研磨の良否を左右する極めて重要なファクターであるため、その後の製品研磨において、定期的に見直しを行いできるだけ正確な値を用いるようにしている。

0005

このように、化学的機械的研磨においては製品ウエハの研磨を開始する前に、ダミーウエハを用いたり、先行研磨を行ったり等して、製品ウエハの基準研磨レートの設定をも含めて諸種の研磨条件を設定するためにかなりの前作業を行っている。

0006

また、適切な基準研磨レートが設定できない場合には、かかる研磨レートに基づき所定時間かけて化学的機械的研磨した結果が研磨不足や過剰研磨となり、追加研磨あるいは研磨済みウエハ廃棄に繋がり、結果として化学的機械的研磨工程のスループットを著しく低下させることとなる。

0007

そこで、かかる研磨レートを効率よく、高精度に算出する技術が求められている。かかる技術の一つとして、研磨前の膜厚データ研磨後の膜厚データの差と、実際の研磨時間とから、最新の研磨レートを算出し、工場ホストコンピュータからプロセスレシピ情報を最適レシピとして化学的機械的研磨装置へ設定する技術が提案されている(特許文献1参照)。

0008

被研磨材の研磨前の厚さ、研磨時間、研磨後の厚さ及び被研磨体の厚さの目標値を含むパラメータ演算子を用いて、任意に設定された計算式に基づき被研磨体の最適研磨時間を算出する技術も提案されている(特許文献2参照)。

0009

さらには、推定研磨レートを算出して、品種/工程/製造設備ごと推定研磨時間を決定する技術も提案されている(特許文献3参照)。

0010

また、STI(Shallow Trench Isolation)構造における積層膜の化学的機械的研磨を、積層膜の凹凸に関わる位相状況を考慮した上で、例えば、かかる化学的機械的研磨対象の酸化シリコンシリコン窒化膜を、シリコン窒化膜に換算して一律に研磨レートの算出を行い研磨する技術が提案されている(特許文献4)。
特開平11−186204号公報
特開2002−154053号公報
特開2002−334135号公報
米国特許公開:US2004−0023490号公報

発明が解決しようとする課題

0011

ところが、上記研磨レートの設定技術においては、以下の課題があることを本発明者は見出した。

0012

すなわち、特許文献1記載の技術では、被研磨パターン形状または被研磨膜質によって研磨レートが異なるため、多品種生産には不向きな研磨レートの設定技術である。

0013

特許文献2記載の方法では、装置消耗部材の状態により時々刻々と変化する研磨レートの変動が考慮されておらず、研磨レート算出の精度を高めることは期待できない。また、かかる技術では、最適研磨時間を算出するための計算式の決定方法が述べられておらず、どのようにして研磨レートの算出を行えばよいか不明である。

0014

一方、特許文献3に記載の技術では、重み付けを用いて推定研磨レートの算出を行うことができるように配慮されている。しかし、かかる重み付けの定義が不明確である。そのため、推定研磨レート自体の定義が曖昧となり、算出する推定研磨レートの精度を確保することができない。さらには、モデル式が実際とズレていた場合には、その補正機能がないため、研磨量あるいは研磨時間のコントロールができない不都合もある。

0015

また、実際の化学的機械的研磨においては、研磨対象としている膜の凹凸パターンによって、研磨状況が大きく変わるが、かかる点の研磨レートへの配慮を行った技術は見られない。

0016

さらに、化学的機械的研磨においては、同一ロットの製品ウエハの研磨においても、複数台の化学的機械的研磨装置を使用したり、あるいは一台の化学的機械的研磨装置でも、複数の研磨ヘッドを使用したりする場合があり、かかる装置間あるいはヘッド間の差としての所謂機差の研磨レートへの影響を考慮した技術が見当たらない。本発明者は、精度の高い研磨レートの算出には、かかる点の配慮を行うことが重要であると考えた。

0017

さらに化学的機械的研磨対象が複数の層が積層された積層構造である場合には、異なる研磨条件で化学的機械的研磨を行うのが一般的対応であった。一台の化学的機械的研磨装置で、複数の層が積層した積層構造の化学的機械的研磨を行おうとすれば、当然に、間に洗浄等の作業を入れた研磨条件の切り換えが必要となり、効率的に化学的機械的研磨は望めない。

0018

そのため、複数台の化学的機械的研磨装置を配置し、膜種毎に化学的機械的研磨装置を変えるようにした対応も見られる。さらには、研磨ヘッドをマルチ構成にして、対応する場合も見られる。しかし、かかる構成では、設備的にはかなりコストが嵩む対応である。

0019

さらに、近年多品種少量生産が求められており、小ロットで、製品替えが目まぐるしく変わる場合もあり、その時々に対応するのは上記構成でも殆ど不可能に近い。

0020

そこで、本発明者は、複数の層が積層した積層構造の化学的機械的研磨において、一つの層に換算して他の層の研磨レート、研磨時間の設定が行えれば、基準とする層の研磨レートに換算だけで他の層の化学的機械的研磨を、基準とする層の研磨条件で行える筈と考えた。

0021

かかる点については、前掲特許文献4にも見られるが、換算して研磨時間を算出するには種々のファクタを考慮した式を用いて行わなければならず、所要の入力を行ってコンピュータ演算する等の対応が求められ、素早い対応は難しい。本発明者は、化学的機械的研磨の現場精通している観点からは、もっと簡明な換算ができるようにして、機敏な対応ができるようにすることが必要であると考えていた。

0022

さらに、基準となる層の選定は、積層構造に基づき適宜変更する必要がある。かかる変更に臨機応変に対応できることが望ましい。また、現場技術者にとっては、どのように対応するかイメージとして、できれば視覚訴えることができるようにすることが望ましい。式に各種パラメータ代入して計算する方法では、そのイメージが掴め難く、その分対応、判断も遅くなる。

0023

本発明の目的は、積層膜構造を対象とした化学的機械的研磨における研磨レートや研磨時間の設定を簡単に行えるようにすることにある。

0024

他の本発明の目的は、化学的機械的研磨における研磨レートや研磨時間の設定に際して、装置間の機差を考慮できるようにすることにある。

0025

本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

0026

本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。

0027

層形成材料と研磨条件から設定される研磨レートが簡単に読み取れる換算表を用いることで、積層構造の一方の層の研磨時間の設定を、ある特定の層に換算して行うことが容易にできる。

発明の効果

0028

本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。

0029

本発明を適用すれば、積層した複数の積層膜の化学的機械的研磨を、ある一つの積層膜の化学的機械的研磨に換算して研磨するに際して、その換算が容易に行える。併せて、研磨レートあるいは研磨時間の算出式に、膜質に関するパラメータ、凹凸パターンに関するパラメータ、化学的機械的研磨装置の装置間機差に関するパラメータを含めることで、積層構造における高精度の化学的機械的研磨を行うことができる。

0030

かかる研磨レートを、実際の製品ウエハの研磨実績に基づき補正することで、より研磨レートの算出精度を高めることができ、より一層の研磨工程の効率化を図ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0031

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材等には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。

0032

本発明の複数の積層膜からなる積層構造における化学的機械的研磨方法では、化学的機械的研磨対象の複数の積層膜のうち、ある一つの積層膜の研磨レートに他の積層膜の研磨レートを換算して、研磨対象の複数の積層膜の化学的機械的研磨の研磨時間を設定するに際し、換算結果が極めて容易に判断できる新規の換算表を用いるものである。

0033

さらに、かかる積層構造の化学的機械的研磨では、本発明者により案出された新規の算出式を用いればよく、研磨レートあるいは研磨時間等の研磨条件を算出して、化学的機械的研磨をより精度高く行うことができる。

0034

本発明の複数の積層膜からなる積層構造における化学的機械的研磨方法の説明に際して、先ず、本発明を適用するに際して使用する本発明者により案出された新規の算出式について説明する。

0035

図1(a)、(b)は、それぞれ本発明で使用する算出式の概念を説明する説明図である。図2は、化学的機械的研磨における研磨レートの推移状況を示す図である。図3は、算出式を構成するパラメータの補正概念を説明する説明図である。図4は、本発明の一実施の形態における化学的機械的研磨システムの一例を示す説明図である。図5(a)は、本発明に係る化学的機械的研磨方法の研磨対象の一例としての積層構造を示す説明図であり、(b)は研磨対象が複数の積層膜である本発明に係る化学的機械的研磨方法における算出式の適用状況を示す説明図である。図6は、本発明に係る化学的機械的研磨方法で使用する換算表の一例を示す説明図である。

0036

(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の適用に際して使用する本発明者の提案の新規算出式について、以下説明する。

0037

本発明の適用に際して使用する新規の算出式は、化学的機械的研磨対象の製品ウエハに依存する項、製品ウエハを化学的機械的研磨する装置に依存する項とから構成され、かかる各々の項が演算子により結合されている。

0038

製品ウエハに依存する項は、使用する化学的機械的研磨装置の研磨条件への影響が同様と見做せる条件で、研磨条件への膜質等の膜性状の影響を専ら示すパラメータAと、研磨条件への研磨対象の膜の凹凸パターン等の起伏状態の影響を専ら示すパラメータBとを少なくとも有している。パラメータAとパラメータBとは各々独立に数値設定することができるものとする。かかるパラメータA、Bは、それぞれ演算子で結合され、製品ウエハに依存する項を構成している。

0039

また、パラメータA、Bの数値データは、設計データ、あるいは製品ウエハの研磨実績の測定結果等に基づき、必要に応じて、変更あるいは編集等して更新することができる。

0040

本明細書で製品ウエハとは、化学的機械的研磨を施す生産対象であるウエハを意味し、化学的機械的研磨の条件出し等に使用されるダミーウエハと区別するために用いた言葉である。

0041

パラメータAに関しての膜性状とは、研磨条件に影響を及ぼす膜の化学的性状、あるいは物理的性状を意味するもので、膜性状の一例としては、膜の硬さや柔らかさを示す膜質が挙げられる。

0042

パラメータBに関しての起伏状態とは、化学的機械的研磨の対象となる膜面の凹凸の状態を意味するもので、膜がカバーしている下層パターン密度成膜時の膜厚均一性乱れ等に起因して発生する起伏の状態を意味している。

0043

研磨実績とは、製品ウエハの化学的機械的研磨を実際に行ってその研磨状況を数値として把握できるものを意味し、例えば、研磨後の膜厚、研磨量等がその意味するものの一例として挙げられる。

0044

研磨条件とは、化学的機械的研磨装置で実際に化学的機械的研磨を行わせるにあたり、考慮する条件を意味し、例えば、研磨量、研磨速度、研磨レート、あるいは研磨時間等を一例として挙げることができる。

0045

また、装置に依存する項は、研磨対象とする製品ウエハの研磨条件への影響が同様と見做せる条件で、研磨条件への化学的機械的研磨装置の影響を専らに示すパラメータCを有する。パラメータCは化学的機械的研磨装置毎に設定することができるものとし、装置に依存する項を構成する。

0046

パラメータCは、複数台の化学的機械的研磨装置を使用する場合には、上記のように、個々の化学的機械的研磨装置毎に各々設定することができる。また、例えば、1台の化学的機械的研磨装置でも複数の研磨ヘッドを有するマルチヘッド構成の場合には、複数の研磨ヘッド毎にパラメータCを設定する。従って、かかるパラメータCは、装置間の機差を示すパラメータとして把握することができる。

0047

加減乗除(+、−、×、÷)のいずれかを示す演算子を記号*で示せば、本発明者が案出した新規算出式は、次のように表すことができる。すなわち、
研磨条件(研磨レート、研磨時間等)=製品ウエハ依存項*装置依存項・・・式1
製品ウエハ依存項=f(A、B)、装置依存項=g(C);f、gは関数・・・式2
上記算出式をより具体的に示す一例としては、以下の式を挙げることができる。以下の算出式では、膜性状に依存するパラメータA、膜の起伏状態に依存するパラメータB、装置間機差に依存するパラメータCがそれぞれ演算子を介して結合されている。すなわち、
研磨レート={(研磨前膜厚−目標膜厚)−(B+C)}/(A×研磨時間)・・・式3
研磨時間={(研磨前膜厚−目標膜厚)−(B+C)}/(A×研磨レート)・・・式4
上記式4は、式3を変形したもので同一式である。

0048

上記式3あるいは式4の研磨量を示す(研磨前膜厚−目標膜厚)は、A×(研磨レート×研磨時間)+(B)の項と、Cからなる項とが、演算子で結合された式である。A×(研磨レート×研磨時間)+(B)は、パラメータA、Bが演算子で結合された製品ウエハ依存の項と言える。Cの項は、装置間の機差を示すパラメータCからなる装置依存項と言うことができる。すなわち、式3あるいは式4は、式1、あるいは式2をより具体的に例示したものと言える。

0049

本発明者は、かかる提案の算出式を、製品ウエハの実際の化学的機械的研磨を観察する中で、化学的機械的研磨状況をよく近似するものとして見出した。

0050

すなわち、実際の製品ウエハの化学的機械的研磨で、化学的機械的研磨を行いながら、膜厚をモニタリングすると、対数近似的に膜厚が研磨時間と共に変化する。かかる様子を研磨量と研磨時間との2軸のグラフとして示すと、例えば、図1(a)、(b)に示すようになる。すなわち、化学的機械的研磨の状況は、対数近似曲線hで把握することができる。対数近似曲線h上の点Pが、目標研磨量を示す点である。

0051

尚、図1(a)に示す場合は、研磨対象の製品ウエハの膜表面における凹凸パターンの凸部で膜厚モニタリングを行った場合であり、図1(b)の場合は凹部で膜厚モニタリングを行った場合である。

0052

本発明者は、対数近似曲線hは、図1(a)、(b)に示すように、研磨開始から目標研磨量に達して研磨が終了するまでの推移が、研磨される側の製品ウエハの状況に依存して、大きく2パターンに分けられることに気がついた。かかるパターンを、図1(a)、(b)に示すように、被研磨パターンI、IIとして示した。

0053

研磨前の膜表面に凹凸起伏がある状態から、化学的機械的研磨を開始してある程度に膜表面が平らになる迄のパターン(図中、被研磨パターンIと表示)と、膜表面がある程度平らになった後、目標膜厚まで膜表面全体が化学的機械的研磨されて行く迄のパターン(図中、被研磨パターンIIと表示)とに分けられることに気がついた。実際の研磨状況は、図1(a)、(b)に示すように、被研磨パターンIを経て、被研磨パターンIIに推移すると把握することができる。

0054

図1(a)の場合を例に挙げて説明すると、被研磨パターンIでは、化学的機械的研磨が開始されると、研磨対象の膜表面の凹凸パターンの凸部が当初研磨されて行くため、単位時間当たりの研磨量は大きく急峻に上昇している。研磨が進行して、凸部が少なくなるにつれて、単位時間当たりの研磨量を示す急峻なカーブの傾きは鈍ってくる。

0055

図1(a)に示すように、研磨開始からt1時間経過後には、単位時間当たりの研磨量は略一定の傾きの直線で近似できるようになってくる。かかる時間t1が、被研磨パターンIから被研磨パターンIIへの変わり目の時間である。被研磨パターンIは、膜の起伏状態の影響が専ら研磨量、研磨速度、研磨時間等の研磨条件に影響を与えているパターンと理解することができる。

0056

一方、研磨時間t1経過後は、化学的機械的研磨の上記研磨条件に影響するファクターは、膜表面の凹凸パターン等の起伏状態ではなくなり、膜質等の膜性状の影響が主として出てくると理解することができる。すなわち、被研磨パターンIの領域ではパラメータBの影響が大きく効き、被研磨パターンIIの領域ではパラメータAの影響が大きく効くものと、本発明者は把握した。

0057

化学的機械的研磨に際しては、理想的には、かかる実際の化学的機械的研磨状況を示す対数近似曲線hの式を求めて、かかる式から研磨レートあるいは研磨時間等の必要な研磨条件を算出して、化学的機械的研磨を行えば、実際の化学的機械的研磨状況に則した研磨レートあるいは研磨時間の推定ができ好ましい。しかし、現実には、種々の要因を考慮した対数近似曲線hは複雑な式となることが予想され、数式として実際に関数表示することは現実的には困難である。

0058

そこで、如何に、かかる対数近似曲線hで示される実際の化学的機械的研磨状況に合わせた近似式を算出式として導き出すことができるかが、より正確な研磨レート、あるいは研磨時間の推定算出に際して必要なこととなる。

0059

本発明者は、このような中、対数近似曲線hの近似といっても、対数近似曲線hの全体を近似する必要はないと考えた。対数近似曲線hのうち、被研磨パターンIの領域に属する部分は、上記説明のように、化学的機械的研磨開始当初の状況を示す部分で、最終研磨量を示す研磨終点は、被研磨パターンIIの領域に存在する筈である。

0060

そこで、被研磨パターンIIの領域における対数近似曲線h部分の近似が行えればよいのではないかと着想した。

0061

図1(a)に示すように、被研磨パターンIIの領域では、対数近似曲線hは、傾きが一定の直線で推移しており、かかる部分は対数近似曲線hの漸近線として十分に良好な近似を行うことができると考えた。研磨終点を示す点、すなわち、最終研磨量を示す点は、かかる漸近線の直線式上にあると仮定しても十分に有効なものと考えられる。かかる漸近線を直線i(図中、太線表示)として示す。直線iは、切片を有する直線式で示される筈である。

0062

直線iは、図1(a)に示すように、被研磨パターンIIの領域では、膜質等の膜性状に依存し、且つ、研磨時間、研磨レート(単位時間当たりの研磨量)に比例する関数として表現できる筈である。膜質等の膜性状に関するパラメータと研磨時間との関数となる。

0063

一方、切片部分は、研磨対象の膜表面の凹凸パターン等の起伏状態の影響を示す被研磨パターンIの領域に起因しているものと見做すことができる。そこで、かかる切片部分は、凹凸パターンに関係するパラメータの関数となるものと思われる。

0064

そこで、本発明者は、上記諸点を考慮して、前述の如く膜質等の膜性状に関してのパラメータをA、膜の凹凸パターン等の起伏状態に関するパラメータをB、装置間機差に関してのパラメータをCとすれば、例えば、以下の近似式が成立するものと着想した。

0065

すなわち、
研磨量=(A×研磨レート×研磨時間+B)*C・・・式5
上記式5では、装置間機差に関してのパラメータCは、加減乗除のいずれかの演算子を用いて、研磨パラメータA、Bに関与していることを示している。

0066

本発明者は、装置間の機差として、現実的に化学的機械的研磨に影響を及ぼす場合としては、例えば、研磨時間の計時開始と実際の研磨開始とに時間差が発生している場合を挙げることができる。すなわち本来0であるべき時間差が0でない場合がある。かかる時間差は、化学的機械的研磨装置間で、同一時間を設定しても、実際の研磨時間が装置毎に異なるもので、装置間の機差として研磨量等の研磨条件に影響を及ぼすこととなる。

0067

例えば、かかる計時開始と研磨開始との時間差を示すものとして機差を示すパラメータCを定義すれば、パラメータCは、図1(a)における対数近似曲線hの立ち上がり位置原点0ではなく、ズレた位置から立ち上がることとなり、結果的には、直線iの切片の値に影響を及ぼすものとなる筈である。

0068

そこで、機差を示すパラメータCとして、例えば、計時開始と研磨開始の時間差等を挙げれば、上記式5は、以下のように表すことができる。すなわち、
研磨量=A×研磨レート×研磨時間+B+C・・・式6
ここで、研磨量は、化学的機械的研磨を施す前の膜厚と、目標膜厚との差に依存するため、研磨量に研磨前膜厚−目標膜厚を代入することで、上記式6は、前述の式3あるいは式4に帰属することとなる。

0069

このように本発明で用いる算出式は、実際の化学的機械的研磨状況を示す対数近似曲線hの実際の目標研磨量に係る部分を直線として近似することで得られた式であり、実際の化学的機械的研磨状況に沿って精度高く、研磨レート、研磨時間の算出を行うことができる式と言える。

0070

一方、化学的機械的研磨において、パラメータA、Bを考慮しないこれまでの方法では、対数表示の研磨量は研磨時間に比例するという仮定を行っていた。かかる場合を、図1(a)で示すと、縦軸に対数研磨量、横軸に研磨時間を示すグラフで、原点0と目標研磨量を示す点Pとを通る直線gとして近似して、化学的機械的研磨状況の把握をしていたこととなる。すなわち、目標研磨量を示す点Pに至るまでは、研磨レートは一定で、研磨量は時間に比例すると仮定する考え方である。

0071

直線gによるこれまでの近似方法では、図1(a)からも明らかなように、実際の化学的機械的研磨状況を示す対数近似曲線hとの相似部分は見つけ難い。一方、本発明で提案する式3、あるいは式4、あるいは式6として表現される算出式は、前述の如く、被研磨パターンIIの領域で対数近似曲線hを十分に近似している。

0072

そのため本発明で提案する算出式を用いることで、最適な研磨時間を精度高く設定することができる。例えば、目標研磨量を示す点Pまで化学的機械的研磨を行ったが、目標研磨量の設定不具合等により、さらに追加研磨を行い最終研磨量を示す点Qを再設定する必要が発生したとする。

0073

この場合、最終研磨量を示す点Qは、対数近似曲線hの被研磨パターンII領域の点Pより先にある筈である。かかる場合に、追加研磨に必要な時間は、図1(a)に示すように、研磨時間tp、tqの差であるΔtqとなる。

0074

一方、これまでの方法では化学的機械的研磨状況は、目標研磨量を示す点Pと原点を結ぶ直線gで近似しているため、追加研磨の時間は、直線gにおける最終研磨量を示す点Q1における研磨時間tq1と、点Pにおける時間tpとの差であるΔtq1となる。しかし、図1(a)に示す如く、Δtq1<<Δtqで、大きな誤差が発生することが分かる。これに反して、本発明での式は、漸近線を良く近似する直線iとなる算出式を用いているため、かなりの精度でΔtqに近い追加研磨に必要な時間を算出することができる。

0075

上記説明では、本発明で提案する式が、実際の化学的機械的研磨状況を良く近似するものであることを、図1(a)に示す場合、すなわち、研磨対象の製品ウエハの膜表面における凹凸パターンの凸部で膜厚モニタリングを行った場合を例に挙げて説明したが、膜厚モニタリングを凹部で行った図1(b)に示す場合からも同様にその有効性について説明することができる。本発明で提案する算出式は、化学的機械的研磨対象の膜表面の凹凸いずれのパターンにも適う式である。

0076

以下、本発明における提案の算出式が、凹部で膜厚モニタリングを行った図1(b)に示す場合からも、十分にその有効性が検証できることを説明する。

0077

実際の化学的機械的研磨状況が図1(b)の対数近似曲線hで示される凹部で膜厚モニタリングを行った場合は、化学的機械的研磨が開始されると、被研磨パターンIでは、研磨対象の膜表面の凹凸パターンの凹部は当初研磨されないため、単位時間当たりの当初研磨量はそれ程大きくはならないが、研磨が進行するにつれ研磨量は次第に増えて行く。さらに、研磨が進行すると、被研磨パターンIから被研磨パターンIIへ移行する。この変わり目を時間t1とすると、研磨開始からt1時間経過後には、単位時間当たりの研磨量は略一定の傾きの直線で近似できるようになってくる。

0078

そこで、図1(b)に示す場合にも、図1(a)に示す場合と同様に、被研磨パターンIは、膜の起伏状態の影響が専ら研磨量、研磨速度、研磨時間等の研磨条件に影響を与えているパターンと理解することができる。研磨時間t1経過後は、化学的機械的研磨の上記研磨条件に影響するファクターは、膜表面の凹凸パターン等の起伏状態ではなくなり、膜質等の膜性状の影響が主として出てくると理解することもできる。

0079

すなわち、図1(b)に示す場合も、図1(a)に示す場合と同様に、被研磨パターンIの領域ではパラメータBの影響が大きく効き、被研磨パターンIIの領域ではパラメータAの影響が大きく効くものと把握しても構わない。

0080

また、化学的機械的研磨の研磨レート、研磨時間等の研磨条件の算出に際しては、図1(b)の場合も、図1(a)と同様に考えて、対数近似曲線hの全体を近似する必要はなく、最終研磨量に関わる研磨終点の情報が得られる被研磨パターンIIの領域における対数近似曲線h部分の近似が行えればよいと考えることができる。

0081

図1(b)に示す場合も、前記のように、被研磨パターンIIの領域では、対数近似曲線hは、傾きが一定の直線で推移しており、かかる部分は対数近似曲線hの漸近線として十分に良好な近似を行うことができる筈である。かかる漸近線を直線i(図中、太線表示)として示すと、直線iは切片を有する直線式で示される筈である。

0082

また、かかる直線iは、図1(b)に示す場合も、図1(a)に示すと同様に、パラメータAの影響が大きく効く被研磨パターンIIの領域では、膜質等の膜性状に依存し、且つ、研磨時間、研磨レート(単位時間当たりの研磨量)に比例する関数として表現できる筈で、膜質等の膜性状に関するパラメータAと研磨時間との関数となる。切片部分は、研磨対象の膜表面の凹凸パターン等の起伏状態の影響を示す被研磨パターンIの領域に起因しているものと見做すことができ、凹凸パターンに関係するパラメータBの関数となる筈である。そこで、直線iに適う式としては、前述の式5で示す近似式を想定することができる。

0083

また、機差を示すパラメータCを、例えば、計時開始と研磨開始の時間差等を示すものとして把握し、研磨量を研磨前膜厚−目標膜厚と把握することで、図1(b)に示す対数近似曲線hの被研磨パターンII部分を良く近似する式として提案した式5は、図1(a)の場合と同様に、式6として、さらには式3あるいは式4として表現することができる。

0084

従って、本発明で用いる算出式は、化学的機械的研磨対象の膜表面の凹凸パターンの如何に関わらず適用できる式であることが分かる。膜表面の凹凸パターンのいずれか一方のモデルにしか適わないという性質のものではなく、双方のモデルに有効に適用できるもので、極めて汎用性の高い算出式ということができる。かかる算出式を用いれば、実際の化学的機械的研磨状況に沿って精度高く、研磨レート、研磨時間の算出を行うことができる。

0085

さらに、図1(b)に示す場合でも、これまでの近似方法と、提案する算出式を用いた場合とでは、例えば、追加研磨における精度は、図1(a)に示す場合と同様に、はるかに提案の算出式を用いた方が精度が高い。

0086

図1(b)に示す場合も、これまでの近似方法では、前述の説明の如く、原点と目標研磨量の点Pとを結ぶ直線gで近似が行われている。かかる場合に、目標研磨量を示す点Pまで化学的機械的研磨を行ったが、目標研磨量の設定不具合等により、さらに追加研磨を行い最終研磨量を示す点Qを再設定する必要が発生したと想定する。

0087

この場合、最終研磨量を示す点Qは、対数近似曲線hの被研磨パターンII領域の点Pより先にある筈で、追加研磨に必要な時間は、図1(b)に示すように、研磨時間tp、tqの差であるΔtqとなる。

0088

一方、直線gで近似するこれまでの方法では、追加研磨の時間は、直線gにおける最終研磨量を示す点Q1における研磨時間tq1と、点Pにおける時間tpとの差であるΔtq1となる。しかし、図1(b)に示す如く、Δtq1>>Δtqで、大きな誤差が発生することとなる。

0089

図1(b)の場合においては、直線gによるこれまでの近似方法を用いた追加研磨時間の設定では、過剰研磨が行われ製品ウエハの廃棄に繋がる極めて重大な障害パターンとなる可能性が高いと言える。しかし、本発明で使用する式は、漸近線を良く近似する直線iとなる算出式を用いているため、かなりの精度でΔtqに近い追加研磨に必要な時間を算出することができ、追加研磨における製品ウエハの過剰研磨による廃棄の危険性を十分に回避することができる。

0090

本発明の化学的機械的研磨方法では、前記式3あるいは式4等で表現される上記説明の算出式を用いて、研磨条件である研磨レートあるいは研磨時間を算出し、それに基づき化学的機械的研磨を行う。次に、かかる提案の算出式の使い方について説明する。

0091

前記説明のように、これまでは、製品ウエハの研磨に際しては、ダミーウエハを用いて基準研磨レートを設定していた。基準研磨レートから必要な研磨時間を求め、実際に製品ウエハを用いて先行研磨を行い、その研磨結果から研磨時間の過不足を補正して以降の製品ウエハを所定枚数化学的機械的研磨していた。

0092

所定枚数の製品ウエハの化学的機械的研磨が終了した時点で、そのときの実際の研磨量を研磨時間で割ることにより、研磨レートを再設定する。再設定した研磨レートに見合った研磨時間を再度設定して、この再設定研磨時間で所定枚数の製品ウエハの化学的機械的研磨を行う。このようにして、基準研磨レートを定期的に再設定しながら、製品ウエハの化学的機械的研磨を行っている。

0093

これまでの基準研磨レートは、所定枚数化学的機械的研磨を行う間は、設定した基準研磨レートが変化しないとの大前提に立っている。しかし、実際は、化学的機械的研磨は、所定押圧力で研磨パッドを被研磨面に当て、間に砥粒を含むスラリーで研磨するため、研磨パッド等の消耗材は時々刻々消耗している筈である。しかし、これまでの方法では、かかる研磨パッド等の消耗材は消耗しないとの前提に立っているのである。

0094

図2に、縦軸に研磨レート、横軸に消耗材使用時間を取った場合の実際の研磨レートの推移を模式的に曲線で示した。研磨レートは、時間と共に研磨パッド等の消耗材が消耗して行くために、模式的には、研磨レートは連続的に下がる曲線で示すことができる。

0095

しかし、図2階段状の破線で示すように、製品ウエハを所定枚数毎に化学的機械的研磨し終えた状態で、品質管理QC)時毎に段階的に基準研磨レートの見直しを行うこれまでの手法では、基準研磨レートを設定し直した直後は実際の研磨レートとのズレは少ないものの、所定枚数の化学的機械的研磨を行って基準研磨レートを見直す必要が生じた時点では、当初設定していた基準研磨レートより実際の研磨レートは低くなっており、追加研磨処理が必要な場合が発生する筈である。かかる基準研磨レートの差を図ではΔrとして示した。

0096

しかし、提案の算出式は、前述の如く、以下の式3として示されるので、
研磨レート={(研磨前膜厚−目標膜厚)−(B+C)}/(A×研磨時間)・・・式3
この式3において、目標膜厚を実際の研磨に際して得られた研磨後の膜厚とすることにより、
基準研磨レート={(研磨前膜厚−研磨後膜厚)−(B+C)}/(A×研磨時間)・・・式7
と変形することができ、この式7にパラメータA、B、Cの値と、直前の化学的機械的研磨の研磨実績に基づく研磨時間、実際の研磨量とを代入することで、直前の製品ウエハの化学的機械的研磨の実際に基づく最新の研磨レートを基準研磨レートとして算出することができる。すなわち、常に、消耗材の消耗に伴う低下を反映した研磨レートをリアルタイムに算出して、基準研磨レートとすることができる。

0097

かかる算出式は、次のように表現することができる。すなわち、
(最適研磨時間)n={(研磨前膜厚−目標膜厚)−(B+C)}/A×(基準研磨レート)n−1・・・式8
(最適研磨時間)n:n番目の製品ウエハの最適研磨時間
(基準研磨レート)n−1:n−1番目の製品ウエハの研磨実績により求めた研磨レート
そこで、製品ウエハの最適研磨時間は、これから化学的機械的研磨を行おうとする製品ウエハの直前の製品ウエハの研磨実績を踏まえた最新の研磨レートを基準研磨レートとして採用しながら設定できることとなり、例えば、図2に示すような、研磨レートの連続的推移を反映した最適な研磨時間で化学的機械的研磨を行うことができる。

0098

そのため、研磨終了後の追加研磨、あるいは過剰研磨による廃棄を避けることができる。結果として、化学的機械的研磨工程におけるスループットの向上を図ることができる。

0099

このように、提案の算出式を用いれば、常に最新の研磨レートを基準研磨レートとして用いることで、一度設定した基準研磨レートを所定枚数の製品ウエハの化学的機械的研磨の間は一定であるとの仮定を設けることなく、直前の研磨実績に基づく精度の高い値を基準研磨レートとして使用して、研磨時間を精度高く設定することができる。

0100

このように算出式を用いることで、実際の化学的機械的研磨の研磨実績を常に研磨レートに反映することができる。さらには、実際の化学的機械的研磨の研磨実績に基づき、パラメータA、Bの値をも実際の研磨状況に算出式が沿うように補正することもできる。

0101

パラメータA、B、Cは、当初より固定値を用いても、かかるパラメータA、B、Cを用いない場合より、研磨レートあるいは研磨時間の算出を精度高く行うことができることは前述の通りであるが、より精度を高める手段として、パラメータA、Bの自己補正を行うようにしてもよい。

0102

かかるパラメータA、Bの自己補正は、次のようにして行う。すなわち、現在行っている化学的機械的研磨について、製品ウエハ毎に研磨が終了したら、研磨実績を、研磨時間、研磨量をそれぞれ示す2軸上の点として把握する。例えば、図3に示すように、研磨実績を打点する。研磨実績の打点は化学的機械的研磨を行う製品ウエハの処理数に応じて増えるので、ある程度の打点数が確保された時点で、例えば、最小二乗法等用いて、複数打点に対応した相関係数が高くなる適切な直線式を設定することができる。かかる直線式に重なるように算出式のパラメータA、Bを変えることで、パラメータA、Bの値を補正することができる。かかる操作は、実際には、コンピュータの演算機能を用いて行うようにすれば、容易に行える。

0103

図3には、かかる様子を示した。すなわち、横の破線で示す目標研磨量に対して、研磨実績を示す打点が複数図示されている。かかる打点は、設計データ等から設定したパラメータA、B、Cを用いて表現した算出式により算出した研磨条件で、実際に研磨を行って、その研磨毎の実績を示したものである。

0104

図3では、研磨実績を示す打点数が多くなるにつれて、当初の設計データ等から設定したパラメータA、B、Cを用いた算出式を示す直線jと打点との相関関係が低くなり、直線kが研磨実績の打点との相関係数が高い直線となっている様子を示す。この場合に、直線kを示す式のパラメータA、Bに相当する項がα、βの値を示しているとすれば、当初設定していたパラメータA、Bをα、βに自己補正することで、より現状の研磨実績に沿った形の算出式に変更することができる。すなわち、
研磨量=α×研磨レート×研磨時間+β+C・・・式6
上記パラメータA、Bの補正を適宜行うことで、常に現在行っている化学的機械的研磨状況に合わせた算出式を形成していることとなる。パラメータA、B、Cを固定方式とする場合は、当初の算出式で表現された化学的機械的研磨モデルに実際の化学的機械的研磨状況が固定される場合を前提としているが、かかるパラメータA、Bの自己補正を行う方法では、実際の化学的機械的研磨状況を示す化学的機械的研磨モデルが微妙に変化していることを受けた対応と言える。

0105

次に、算出式におけるパラメータA、B、Cの扱いについて説明する。パラメータAは化学的機械的研磨対象の膜質等の膜性状に関するもので、製品ウエハの化学的機械的研磨に際しては、既に同種の製品ウエハにおいて、かかる算出式を用いた化学的機械的研磨実績がある場合には、そこで用いたパラメータAの値を踏襲して化学的機械的研磨を開始する。化学的機械的研磨の開始後、前記説明のように、実際の研磨状況に合わせてパラメータを自己補正することで、より実際に行っている化学的機械的研磨の状況を反映したパラメータAの設定を行うことができる。

0106

パラメータBは、前述の如く、化学的機械的研磨対象の膜の凹凸パターン等の起伏状態に関してのものである。かかるパラメータBに関しては、上記パラメータAと同様に、既に算出式を用いた化学的機械的研磨実績がある場合には、そこで用いた値を当初使用すればよい。その後は、実際の化学的機械的研磨状況に合わせて、パラメータBの補正を行いながら、より実際の化学的機械的研磨状況に合わせるようにすればよい。

0107

パラメータCは、前述の如く、複数台の化学的機械的研磨装置を使用する場合の研磨量等の研磨条件における装置間機差、あるいは、同一化学的機械的研磨装置における複数の研磨ヘッドを用いる際のヘッド間機差を表すものである。化学的機械的研磨装置、研磨ヘッドに係る以外の製品ウエハ側の条件を同様と見做せる下で、化学的機械的研磨を行った際の装置間の研磨状況の差を示すものとして定義すればよい。

0108

かかるパラメータCは、装置毎、ヘッド毎に予め設定しておき、実際の化学的機械的研磨を行う装置、ヘッド毎にその値を選定して使用すればよい。パラメータCは、このように装置あるいはヘッドに固有の値として設定するもので、製品ウエハの研磨実績につれて変化するものではない。かかるパラメータCとしては、例えば、前述の如く、研磨時間の計時開始と実際の研磨開始の時間差等として定義することができる。

0109

上記時間差としてパラメータCを定義する場合は、パラメータCは、式3等に示すように、加算(+)の演算子を用いて算出式中に含ませればよい。パラメータCの定義の仕方に応じて、適宜、算出式中に、乗算(×)、あるいは除算(÷)の演算子を用いて含ませるようにしても構わない。

0110

また、上記パラメータA、B、Cの算出に際して、新品種の製品ウエハ、あるいは新しい工程の実施等で、過去に研磨実績がない場合には、製品ウエハの設計データを用いればよい。あるいは、製品ウエハに類似した製品ウエハの過去の実績データを用いるようにしても構わない。

0111

新品種、新工程においては、上記の如くパラメータを新たに設定する必要があるが、算出式のパラメータAは、研磨対象の膜質等の膜性状に依存しており、パラメータBは研磨対象の膜表面の起伏状態に依存しているので、半導体デバイスの設計データ、例えばパターン占有率、パターンの疎密、パターンの高さ等のデータから決定することができる性質のものである。

0112

このように予めパラメータを設計データ等から決定することができるため、パラメータ決定のための条件出しが不要となり、ダミーウエハを用いたり、先行研磨を行ったり等する必要がなく、人手を要する面倒な条件出し処理の手間が省け、省人化、工数削減を図ることができる。

0113

さらには、条件出しに際しては、実際に使用する化学的機械的研磨装置を用いて行うため、これまでは条件出しの処理を行う間は、実際の製品ウエハの化学的機械的研磨を行うことができなかった。しかし、かかる条件出しを不要とすることができるため、化学的機械的研磨装置の生産能力を損なわずに済む。

0114

上記説明の算出式を用いることで、これまでの方法とは異なり、より実際に適用している化学的機械的研磨の状況に沿った精度の高い基準研磨レート、あるいは最適研磨時間を設定して化学的機械的研磨が行えることについては、前述の説明の如くであるが、半導体装置の製造においてかかる化学的機械的研磨方法を実施する際に有効に使用することができる化学的機械的研磨システムについて、以下説明する。

0115

図4は、半導体装置の製造に際しての化学的機械的研磨方法を行うための化学的機械的研磨システムの構成を模式的に示す図である。

0116

図4に示す化学的機械的研磨システムの構成では、化学的機械的研磨工程より以前の工程で成膜した製品ウエハの膜厚を測定する測定手段10、化学的機械的研磨を行う化学的機械的研磨手段20、化学的機械的研磨後の製品ウエハの膜厚を測定する測定手段30を有する。かかる測定手段10、30、化学的機械的研磨手段20は、化学的機械的研磨工程の管理手段40としてのホストコンピュータ40aにデータのやりとり可能に接続されている。

0117

また、ホストコンピュータ40aは、化学的機械的研磨手段20の製品ウエハの研磨レート、あるいは研磨時間等の研磨条件を演算する演算手段50としての演算コンピュータ50aに、データのやりとり可能に接続されている。演算コンピュータ50aは、製品ウエハの堆積パターンや目標膜厚等の半導体デバイス等の半導体装置の設計データを有するデータ記憶手段60にデータのやりとり可能に接続されている。

0118

さらに、演算コンピュータ50aの処理に際して、使用する算出式のパラメータを必要に応じて変更、編集等して必要の都度、クリーンルームの外等からパラメータのデータ更新を行うことができるように、演算コンピュータ50aはデータ更新手段70としてのコンピュータ70aにデータ更新可能に接続されている。

0119

かかる図4に示す化学的機械的研磨システムを用いて、製品ウエハの化学的機械的研磨を行うに際しては、先ず、化学的機械的研磨工程の管理手段40としてのホストコンピュータ40aで、これから行う化学的機械的研磨における製品ウエハの種類、半導体装置の製造工程のどの工程に当該化学的機械的研磨工程が該当するか、どの化学的機械的研磨装置を使用するか等の設定がレシピに合わせて行われる。

0120

ホストコンピュータ40aからの指令により、演算コンピュータ50aでは、前記説明の式4で示す算出式に基づき、製品ウエハの化学的機械的研磨を行うに際しての研磨条件の算出を行う。算出に際して必要なデータは、演算コンピュータ50a内に予め保持されたパラメータテーブル51内から選択される。

0121

パラメータテーブル51内には、図4に示すように、算出式に含まれるパラメータA、B、Cの数値データが、過去の研磨実績等に基づき保持されている。パラメータA、Bは、製品ウエハの品種、工程毎に個々に数値データとして保持されている。パラメータCは、化学的機械的研磨装置毎に、1台に複数の研磨ヘッドを有する場合にはヘッド毎に、設定された数値データが保持されている。

0122

前述のように、これから行おうとする製品ウエハが新品種の場合、あるいは新工程での化学的機械的研磨等の場合には、過去の研磨実績に基づく数値データは存在しないので、演算コンピュータ50aは、記憶手段60にアクセスして、記憶手段60に保持されている製品ウエハ毎の設計データから、パラメータA、Bとして使用する数値データを選択する。

0123

また、算出式で必要とする目標膜厚の値は、ホストコンピュータ40aが有する化学的機械的研磨のレシピから得られる。勿論、記憶手段60の有する設計データを参照して取得するようにしても構わない。

0124

併せて、化学的機械的研磨対象の製品ウエハの膜厚については、測定手段10を構成する非接触式膜厚測定装置10a等を用いて製品ウエハ毎に測定し、かかる膜厚測定データをホストコンピュータ40aを介して演算コンピュータ50aが入手する。精度は劣るが、場合によっては、記憶手段60にアクセスして、設計データから化学的機械的研磨対象とする膜の成膜時の目標膜厚データを使用することも考えられる。

0125

研磨レートは、過去の研磨実績があればその数値データを用いればよいが、過去の研磨実績が全くない場合、もしくは人為的要因により研磨レートの変動が予想される場合には、初回に限り品質管理(QC)を実施し設定すればよい。

0126

このようにして、研磨前膜厚、目標膜厚、パラメータA、B、C、研磨レートを設定することにより、演算コンピュータ50aでは、算出式として例えば以下の式4を用いて、
研磨時間={(研磨前膜厚−目標膜厚)−(B+C)}/(A×研磨レート)・・・式4
から最初の製品ウエハの研磨時間を算出する。

0127

かかる算出した研磨時間をホストコンピュータ40aは入手し、化学的機械的研磨のレシピに合わせてかかる研磨時間で、特定した化学的機械的研磨手段20の化学的機械的研磨装置20aで化学的機械的研磨を行う。

0128

化学的機械的研磨終了後は、製品ウエハの研磨後の膜厚が、測定手段30を構成する非接触式の膜厚測定装置30a等で測定され、ホストコンピュータ40aに送られる。最初の製品ウエハの化学的機械的研磨の進行に応じて、2枚目の製品ウエハの研磨前膜厚も測定手段10により測定され、ホストコンピュータ40aに前記要領で送られる。

0129

2枚目の製品ウエハの研磨時間は、演算コンピュータ50aにより、最初の製品ウエハの研磨後の膜厚データを用いて式7により算出した基準研磨レート、最初の製品ウエハの研磨時間の算定に使用したパラメータA、B、Cと、2枚目の製品ウエハの研磨前の膜厚実測データとから、式8を用いて、2枚目の製品ウエハの研磨時間を算出する。

0130

算出した2枚目の製品ウエハの研磨時間を用いて化学的機械的研磨を実際に行う。このようにして、直前の製品ウエハの研磨実績から算出した研磨レートを基準として次の製品ウエハの化学的機械的研磨を行う。

0131

尚、基準研磨レートとして、上記説明では、直前の製品ウエハの研磨実績から算定した研磨レートを基準とする場合について説明したが、製品ウエハが新品種、あるいは新工程での研磨等の場合には、製品ウエハの化学的機械的研磨が安定していない場合も十分に想定されるため、化学的機械的研磨が安定したと見做されるまでは、初期設定の研磨レートを基準として化学的機械的研磨を行い、その後に、化学的機械的研磨が安定したと見做された段階で、直前の製品ウエハの研磨実績を次の製品ウエハの研磨時間の算出に使用するようにしてもよい。

0132

さらには、直前の製品ウエハの研磨実績のみを基準研磨レートとして採用する場合には、万が一、直前の製品ウエハの研磨が異常である場合には、かかる異常値を基準として採用する虞も十分にあるため、直前の製品ウエハ迄の過去の複数枚の製品ウエハの研磨実績に基づき、例えば、平均研磨レートを用いる等して、基準研磨レートを算出する方法を採用しても勿論構わない。

0133

このようにして上記構成の化学的機械的研磨システムを使用することで、半導体装置の製造における化学的機械的研磨工程では、これまでとは異なり、製品ウエハの化学的機械的研磨に先立ってのダミーウエハ、あるいは先行研磨を行う等の条件出しを省くことができ、半導体装置の製造コストの低減等を図ることができる。

0134

また、上記構成の化学的機械的研磨システムを使用することで、演算コンピュータ50aで演算するに際して使用する算出式中の当初設定のパラメータA、Bを、研磨実績に合わせて適正値に適宜補正することもできる。例えば、上記説明の要領で当初設定したパラメータA、B、Cを用いて製品ウエハの化学的機械的研磨を実施し、研磨実績を前記説明のように研磨量、研磨時間の2軸で示す象限内に打点し、この打点との相関係数が高くなるように当初の算出式のパラメータを変更する。

0135

上記算出式の変更に際しては、演算コンピュータ50a等の演算手段50を用いて、パラメータA、Bに種々の値を入力しながら行えばよい。このようにして研磨実績を示す打点との相関係数が高くなるように変更した場合のパラメータA、Bの値を、当初設定のパラメータA、Bの値と置き換えることで漸次算出式を自己補正して、より実際の化学的機械的研磨状況に合った化学的機械的研磨を行うようにすることができる。

0136

尚、かかるパラメータA、Bの自己補正に関しても、研磨実績の数が少ない場合には、異常値を元に補正する虞もあるため、ある程度の研磨時実績が蓄積されるまでは、かかるパラメータの自己補正を行わないように、パラメータの補正機能の設定、解除が自在に行えるようにしておいても構わない。

0137

また、演算コンピュータ50aにおける研磨時間、研磨レート等の研磨条件の算出に用いる算出式に関しては、パラメータの定義を変えたり、あるいは、別系統の化学的機械的研磨における状況からパラメータの値を全く異なる値に変更したり、あるいは、別のパラメータを追加したり、あるいは減らしたりする等のパラメータ編集が必要となる場合も十分に想定される。

0138

かかる場合には、図4に示す化学的機械的研磨システムでは、データ更新手段70としてのコンピュータ70a等から演算コンピュータ50a内の算出式に含まれるパラメータの編集を適宜行って更新することができる。かかるコンピュータ70aは、製品ウエハの化学的機械的研磨を行う当該化学的機械的研磨装置が接続されているネットワーク、あるいは、かかるネットワークが接続されている基幹ネットワークに接続させておく等して、当該化学的機械的研磨装置が収容されているクリーンルームの外から、パラメータの編集等の更新処理が行えるようにしておいても構わない。

0139

このようなシステム構成にしておけば、クリーンルームの外で、現在進行中の化学的機械的研磨の状況を把握することができ、都度クリーンルーム内に立ち入って化学的機械的研磨の状況確認、あるいは、ホストコンピュータ40aからのパラメータ更新処理を行わなくても済み、かかる間接業務の省力化、効率化をも図ることができる。

0140

尚、上記説明では膜性状に関するパラメータとして膜質に関する場合を一例として挙げたが、膜質以外の他の膜性状を示すパラメータを用いて構わない。

0141

また、装置間機差を示すパラメータとして、計時開始と研磨開始の時間差を示す場合を一実施例として挙げたが、これ以外の機差を示すパラメータを用いても構わない。

0142

さらに、上記説明の化学的機械的研磨システムの構成では、測定手段と化学的機械的研磨手段とを独立して図示説明したが、化学的機械的研磨手段を構成する化学的機械的研磨装置が測定手段を併有する構成であっても構わない。

0143

さらには、ホストコンピュータ、演算手段、記憶手段をそれぞれ独立して図示説明したが、適宜、各々の手段として機能する装置内に他の手段を併有しても構わないことは言うまでもない。各手段間のデータのやりとりはケーブルを介しても、無線でも構わない。勿論、必要に応じて、運搬可能なCD、DVD、FD等のデータ格納手段を用いても構わない。

0144

(実施の形態2)
本実施の形態では、前記実施の形態1で説明した算出式を用いて、本発明に係る複数の積層膜の化学的機械的研磨を行う場合について説明する。本発明に係る化学的機械的研磨方法では、化学的機械的研磨対象の複数の積層膜のうち、ある一つの積層膜の研磨レートに他の積層膜の研磨レートを換算して、研磨対象の複数の積層膜の化学的機械的研磨の研磨時間を設定する。特に、かかる研磨レートの換算に際しては、換算結果が極めて容易に把握、判断できる換算表を用いることを新たに提案するものである。

0145

前記実施の形態1では、化学的機械的研磨の研磨対象が、凹凸の起伏を有する単層の膜を研磨する例を挙げて説明した。すなわち、実際の研磨状況を示す対数近似曲線hが、膜表面の凹凸パターン等の起伏状況に大きく影響される被研磨パターンIと、膜質等の膜性状に大きく影響される被研磨パターンIIとに大きくは区分できる場合を例に挙げて説明した。

0146

しかし、化学的機械的研磨の研磨対象としては、かかる単層膜ばかりでなく、複数の膜が積層した積層膜を対象とする場合もある。かかる複数の積層膜からなる積層構造についても、前記実施の形態1で説明の本発明者提案の算出式を用いることで、より精度の高い化学的機械的研磨を行うことができる。

0147

研磨対象が複数の積層膜からなる積層構造に前記算出式を適用するに際しては、本発明者は、実際の化学的機械的研磨を効率よく行うために、異なる膜種からなる複数の積層膜を、ある特定の膜種に換算した上で、その特定の膜種の研磨レートで化学的機械的研磨を行うとした場合の研磨時間で統一的に研磨することを着想した。

0148

これまでは、異なる膜種の複数の積層膜からなる積層構造の化学的機械的研磨においては、膜種ごとに研磨条件が異なるのが一般的であるため、それぞれの膜種毎に化学的機械的研磨装置を割り当て、複数台の化学的機械的研磨装置で研磨していた。あるいは、マルチヘッドを用いた化学的機械的研磨装置で、異なる膜種毎に研磨ステージを変えて対応することが行われていた。

0149

しかし、本発明者は、研磨対象が異なる膜種の積層膜からなる積層構造の場合でも、複数の化学的機械的研磨装置、あるいは研磨ヘッドを使い分けることなしに、化学的機械的研磨が行えれば、装置構成の面でも、装置の稼働効率の面でも、さらには化学的機械的研磨の作業効率面でも好ましいと考えた。

0150

例えば、化学的機械的研磨の研磨対象が図5(a)に示すように、積層構造Sが、半導体ウエハの上に形成された層100の上に、配線等で使用する膜種が金属の金属膜200aである積層膜200が設けられ、その上に、膜種が例えば亜リン酸トリメチル等の絶縁膜300aである積層膜300が設けられた場合には、積層膜200に起因して、積層膜300表面には凸部310が形成されているものとする。

0151

かかる積層構造Sに対して、化学的機械的研磨を矢印で示す破線まで、すなわち第1層(最上層)の積層膜300から、その下の第2層の積層膜200を削り込んだ破線Lまで化学的機械的研磨するものとする。かかる場合には、実際の研磨状況を示す対数近似曲線hは、図5(b)に示すように、当初は第1層の積層膜300の凸部310の研磨に関わる被研磨パターンIと、凸部310を削り込んで平坦になった第1層の積層膜300を削り込むのに対応した被研磨パターンIIと、積層膜300の研磨を終了して第2層の積層膜200を削り込むのに対応した被研磨パターンIIIを示す筈である。

0152

かかる構成で、前記実施の形態1で説明したように対応するには、図5(b)に示すように、被研磨パターンIIの領域で示す対数近似曲線hの漸近線を用いて研磨時間の算出を行えばよく、被研磨パターンIIIに属する積層膜200部分の研磨時間は、積層膜200の研磨レートを積層膜300に換算した研磨レートで算出すればよい。かかる研磨レートの換算に際して、本発明者は、換算表を用いて簡単に換算できるようにした。

0153

かかる換算表は、積層膜を構成する膜種と、研磨条件との組み合わせから決定できる研磨レートをマトリックス形式で示すように構成しておけばよい。図6には、かかる換算表の一例を示した。

0154

図6に示す換算表では、縦方向に積層膜を構成する膜種を、横方向には化学的機械的研磨の研磨条件を示し、膜種と研磨条件とが交差した位置で研磨レートが読めるように構成されている。特に、図6に示す場合には、研磨レートの換算が行い易いように、膜種A、B、C・・・等に対して、化学的機械的研磨の研磨条件をα、β、γ等とした場合の基準とする膜種Aと基準とする研磨条件αとで決定される研磨レートに対する比(選択比)として示している。

0155

すなわち、膜種Aと研磨条件αで決定される研磨レートを1.0とした場合に、その他の膜種と研磨条件で決定される研磨レートがどの程度の割合であるか容易に判断できるようになっている。

0156

尚、研磨条件とは、前記実施の形態1でも述べたが、本実施の形態で使用する場合には、例えば、研磨圧力、回転速度、研磨剤材料、研磨材流量、さらには2液以上の液体を研磨剤として使用する場合のそれらの混合比等研磨レートに影響するパラメータの組み合わせによって決定されるものである。

0157

図6に示すように、予め設定される選択比に関する情報を示す換算表の作成は、所定の積層構造に関しての実際の膜種、研磨条件に基づいた研磨レートを示すようにすればよい。あるいは、種々の研磨条件について、実験を行って求めるようにしても構わない。

0158

また、かかる換算表に示す研磨レートは、前記実施の形態1で説明したように、研磨実績に基づき、適正な研磨レートの設定が行えるように、適宜使用する算出式のパラメータの変更を行うようにすることができる。かかる処理は、前記実施の形態1で説明の図4に示す化学的機械的研磨システムの構成を用いて行えば容易に行える。

0159

例えば、図5(a)に示す積層構造Sの化学的機械的研磨を行う場合に、例えば第1層の積層膜300は膜種Aで構成され、第2層の積層膜200は膜種Bで構成されているものとする。かかる構成の積層構造Sの実際の化学的機械的研磨状況を示す対数近似曲線hは、膜種Aの積層膜300に関しては研磨条件αで化学的機械的研磨を行い、膜種Bの積層膜200に関しては研磨条件γで行ったものとする。

0160

かかる場合に、積層膜200の研磨時間の算出を、膜種Bで構成される積層膜200を膜種Aの積層膜300に見立て、研磨条件αで化学的機械的研磨を行った場合として換算するとする。かかる場合には、図6に示す換算表に基づき、膜種Bと研磨条件αとが交差する位置での研磨レートの選択比が0.5であることから、積層膜200の研磨時間は、積層膜300の研磨時間の1/0.5倍、すなわち2倍と設定すればよいことが一目瞭然に分かる。

0161

一方、積層膜300の目標研磨量、積層膜200の目標研磨量は、化学的機械的研磨前の実際の膜厚と、目標膜厚とからから決定することができる。実際の膜厚は、膜厚測定によって把握することができる。また、目標膜厚は、設計値から確認することができる。

0162

このようにして、積層膜300、200についての研磨レートの選択比、及び目標研磨量とから、それぞれの積層膜300、200についての研磨時間を算出することができる。

0163

上記説明では、積層膜300の具体例としては亜リン酸トリメチル(TMP)膜を適用する場合を、積層膜200として金属膜を適用する場合を例示したが、かかる積層膜300、200の膜種は、かかる場合に限定されるものではないことは当然である。

0164

因みに、前記実施の形態1で示した図1(a)の被研磨パターンI、IIに関わる漸近線iで近似する化学的機械的研磨の算出式が適用される場合とは、例えば、図5(a)の破線L1で示される積層膜300の単層内で化学的機械的研磨を終了する場合である。

0165

(実施の形態3)
前記実施の形態2では、図5(a)に示すような積層構造Sが第1層(最上層)の積層膜300と、非最上層に相当する第2層の積層膜200とから構成され、第2層の積層膜200の研磨レートを積層膜300の研磨レートに換算して研磨時間の算出を行う場合について説明したが、図6に示す換算表を用いると、これ以外の化学的機械的研磨方法について適用できることが、新たに判明した。

0166

すなわち、前記実施の形態2の説明は、異なる膜種の積層膜を、いずれかの積層膜に換算して、同一の研磨条件で化学的機械的研磨を行う場合であった。しかし、換算表からは、膜種Aと研磨条件αとの組み合わせと、膜種Bと研磨条件γとの組み合わせとでの選択比が同一であることが分かる。

0167

そこで、前記実施の形態2とは異なり、膜種Aで構成される積層膜300については
研磨条件αで、膜種Bで構成される積層膜200については研磨条件γで化学的機械的研磨を行わせるようにすることもできる。すなわち、異なる膜種の複数の積層膜を、異なる研磨条件を敢えて使用することで、同一の研磨レートで研磨することとなる。積層膜300、200の研磨レートが同一に設定されることとなり、研磨時間が目標研磨量のみに依存することとなり、研磨時間の管理が極めて容易に行える。

0168

(実施の形態4)
前記実施の形態2では、積層膜200を積層膜300に換算して、同一の研磨条件αで研磨し続ける場合について説明したが、研磨効率を向上させるために、積層膜200より研磨量の多い積層膜300の化学的機械的研磨を、当初は研磨精度は粗いが速く研磨できる条件で、その後、積層膜200に近づいた時点では、速度を落として研磨精度が図れる遅い研磨条件で、化学的機械的研磨を行うようにしても構わない。

0169

例えば、膜種Aで構成される積層膜300の研磨を、当初研磨条件γで行い、その後、膜種Cで構成される積層膜200に近づいた時点で、研磨条件αで研磨を行うようにしても構わない。すなわち、かかる化学的機械的研磨方法は、換算表を用いて、同一層について、研磨条件を変えることで研磨レートを変え、研磨速度を速い→遅いに変更して、研磨効率の向上を図る方法である。

0170

かかる構成は、通常は同一層の研磨に際しては同一の研磨レートで研磨するこれまでの方法とは異なり、研磨速度を優先的に考えて研磨する場合と、研磨精度を考えて研磨する場合とを併有させた本発明者により提案される新たな化学的機械的研磨方法である。

0171

尚、上記研磨方法の適用は、積層構造を構成する場合だけではなく、単層構造単一層部分に対しての化学的機械的研磨に適用できることは言うまでもない。

0172

(実施の形態5)
本実施の形態では、積層構造Sの化学的機械的研磨を、図5(b)に示す実際の研磨状況を示す対数近似曲線hに対しての漸近線iの式で算出した研磨時間に基づき研磨するに際して、研磨条件を適宜選択して、化学的機械的研磨の終了時間を制御する場合について説明する。化学的機械的研磨工程の処理時間が、例えば、化学的機械的研磨工程の前後の工程に比べて極端に速い場合とか、遅い場合には、工程間での待ち時間が発生する。工程間の待ち時間が発生すると、一時的に処理ウエハ等を保管するストッカ等の設備が必要となり、できればかかるストッカ等を用いることなく円滑に工程間の流れが調整できることが好ましい。特に、枚葉処理では、その傾向は大きい。

0173

その場合には、前記実施の形態2で説明したように、研磨条件αで統一して膜種A、Bに関わる積層膜300、200の化学的機械的研磨を行うのではなく、例えば、研磨条件γに統一して、化学的機械的研磨の全体処理時間を短く調整するようにしても構わない。

0174

あるいは、研磨条件βに設定して、わざと全体の処理時間を遅くして、化学的機械的研磨工程の前後での待ち時間が発生しないようにしても構わない。あるいは、両積層膜300、200について、研磨条件を統一することなく、例えば膜種Aの積層膜300に関しては研磨条件βで、膜種Bの積層膜200に関しては研磨条件γで行うようにして、化学的機械的研磨工程の全体の処理時間を自在に調整しても構わない。

0175

以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。

0176

前記実施の形態2〜5では、図5(a)に示すように、化学的機械的研磨対象が積層膜300、200からなる2層積層膜についての場合を例に挙げたが、しかし、積層構造は2層構造に限定する必要はなく、3層以上の積層構造に適用できることは言うまでもない。

0177

また、前記実施の形態2では、最上層の積層膜300に、最上層ではない積層膜200を換算した場合を例示したが、積層膜200に換算しても、あるいは3層以上の積層構造では中間層の積層膜に換算する等しても構わない。換算の基準となる積層膜は、任意に、例えば、最上層、中間層、最下層等、適宜設定して構わない。

0178

本発明は、半導体装置の製造等における研磨対象が積層構造の場合の化学的機械的研磨の分野で利用することができる。

図面の簡単な説明

0179

(a)、(b)は、それぞれ本発明で使用する算出式の概念を説明する説明図である。
化学的機械的研磨における研磨レートの推移状況を示す図である。
算出式を構成するパラメータの補正概念を説明する説明図である。
本発明の一実施の形態における化学的機械的研磨システムの一例を示す説明図である。
(a)は、本発明に係る化学的機械的研磨方法の研磨対象の一例としての積層構造を示す説明図であり、(b)は研磨対象が複数の積層膜である本発明に係る化学的機械的研磨方法における算出式の適用状況を示す説明図である。
本発明に係る化学的機械的研磨方法で使用する換算表の一例を示す説明図である。

符号の説明

0180

10測定手段
10a膜厚測定装置
20化学的機械的研磨手段
20a化学的機械的研磨装置
30 測定手段
30a 膜厚測定装置
40 管理手段
40aホストコンピュータ
50演算手段
50a演算コンピュータ
51パラメータテーブル
60 記憶手段
70データ更新手段
70aコンピュータ
100 層
200積層膜
200a金属膜
300 積層膜
300a絶縁膜
310 凸部
P 点
Q 点
Q1 点
g 直線
h対数近似曲線
i 直線
j 直線
k 直線
L破線
L1 破線
S積層構造
t研磨時間
t1 研磨時間
tp 研磨時間
tq 研磨時間
tq1 研磨時間
Δr基準研磨レートの差

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