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技術 焼成炉、及びこれを用いた被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法

出願人 京セラ株式会社
発明者 米倉典宏
出願日 2004年12月27日 (15年10ヶ月経過) 出願番号 2004-375128
公開日 2006年7月13日 (14年4ヶ月経過) 公開番号 2006-183886
状態 未査定
技術分野 トンネル炉(炉3) 炉の細部、予熱、排出物処理(炉一般3) 光起電力装置 光起電力装置
主要キーワード 湾曲形 鋳造コスト ウォーキングビーム式 焼成電極 セクション毎 近赤外線ヒーター 再焼結 中赤外線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年7月13日)のものです。
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図面 (7)

課題

焼成炉内部における温度のばらつきがあったとしても、焼成炉温度条件を変えることなく、焼成時に被処理体が受ける影響を低減させることができる焼成炉を提供し、この焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

内側に処理空間15を有する炉体と、積載面1aを有するとともに、積載面に被処理体5を積載して処理空間内所定方向に移動させる搬送手段1と、処理空間内に配置され、被処理体を加熱するヒーター2a、2bと、を備えた焼成炉であって、積載面は、所定方向と略直交する方向に対して、被処理体を載置可能な載置部を有する複数のセクション8を含むとともに、少なくとも一つのセクションの載置部の高さを、隣接するセクションの載置部の高さと異ならせている。

概要

背景

一般的な太陽電池素子は、半導性を有する単結晶シリコン多結晶シリコン等の半導体基板pn接合が形成され、光が照射されたときに電力を取り出せるように、例えば銀やアルミニウム等を主成分とする電極が、半導体基板の表面や裏面に形成されている。

このような太陽電池素子の電極は、例えば特許文献1に記載されているように、アルミニウム等を主成分とするペーストを半導体基板の非受光面側の一部を除いた大部分に塗布して乾燥したあと、このアルミニウム等を主成分とするペーストを塗布していない部分とその周辺部を覆うように銀等を主成分とするペーストを塗布して乾燥したあと、最後に半導体基板の受光面側に銀等を主成分とするペーストを塗布して乾燥させ、同時に焼成する同時焼成法が用いられることが多い。

このような電極の焼成には連続式焼成炉が用いられるのが一般的である。連続式の焼成炉を用いることにより、電極を形成するペーストを塗布した半導体基板を大量に処理することができ、極めて生産性が高いという特徴がある。

このような連続式の焼成炉の一例として、ベルト式連続焼成炉がある。これは、焼成炉の加熱部を貫通させた、耐熱性金属メッシュ等から成るエンドレスベルト等の搬送手段上に被処理体積載してエンドレスベルトを回転させることで、焼成炉の加熱部を通過させ焼成を行うものである。なお、焼成炉の断熱性を高めるため、焼成炉内の空間は断熱材により囲まれており、被処理体が積載されるエンドレスベルトを中心として上下にヒーターが設けられている。
特開平10−335267号公報

概要

焼成炉内部における温度のばらつきがあったとしても、焼成炉の温度条件を変えることなく、焼成時に被処理体が受ける影響を低減させることができる焼成炉を提供し、この焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。内側に処理空間15を有する炉体と、積載面1aを有するとともに、積載面に被処理体5を積載して処理空間内所定方向に移動させる搬送手段1と、処理空間内に配置され、被処理体を加熱するヒーター2a、2bと、を備えた焼成炉であって、積載面は、所定方向と略直交する方向に対して、被処理体を載置可能な載置部を有する複数のセクション8を含むとともに、少なくとも一つのセクションの載置部の高さを、隣接するセクションの載置部の高さと異ならせている。

目的

本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、焼成炉内部における温度のばらつきがあったとしても、焼成炉の温度条件を変えることなく、焼成時に被処理体が受ける影響を低減させることができる焼成炉を提供し、この焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

内側に処理空間を有する炉体と、積載面を有するとともに、前記積載面に被処理体積載して前記処理空間内所定方向に移動させる搬送手段と、前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱するヒーターと、を備えた焼成炉であって、前記積載面は、前記所定方向と略直交する方向に対して、前記被処理体を載置可能な載置部を有する複数のセクションを含むとともに、少なくとも一つのセクションの載置部の高さを、隣接するセクションの載置部の高さと異ならせた焼成炉。

請求項2

前記複数のセクションは3つであり、この3つのセクションのうち、中央のセクションの載置部の高さを隣接する両側のセクションの載置部の高さと異ならせた請求項1に記載の焼成炉。

請求項3

前記ヒーターは、中赤外線若しくは近赤外線放射するヒーターである請求項1又は請求項2に記載の焼成炉。

請求項4

前記被処理体は、前記複数のセクションの載置部に対応した位置に前記所定方向に列をなして積載されるとともに、前記被処理体の各列が前記処理空間内を通過する際に前記ヒーターから受ける熱量のばらつきが少なくなるように前記複数のセクションの載置部の高さが調整されている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成するようにした被処理体の焼成方法

請求項5

金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、請求項4に記載の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成して前記焼成電極を形成する太陽電池素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、被処理体焼成炉内の温度のばらつきの影響を受けにくくした焼成炉、及びこの焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法に関する。

背景技術

0002

一般的な太陽電池素子は、半導性を有する単結晶シリコン多結晶シリコン等の半導体基板pn接合が形成され、光が照射されたときに電力を取り出せるように、例えば銀やアルミニウム等を主成分とする電極が、半導体基板の表面や裏面に形成されている。

0003

このような太陽電池素子の電極は、例えば特許文献1に記載されているように、アルミニウム等を主成分とするペーストを半導体基板の非受光面側の一部を除いた大部分に塗布して乾燥したあと、このアルミニウム等を主成分とするペーストを塗布していない部分とその周辺部を覆うように銀等を主成分とするペーストを塗布して乾燥したあと、最後に半導体基板の受光面側に銀等を主成分とするペーストを塗布して乾燥させ、同時に焼成する同時焼成法が用いられることが多い。

0004

このような電極の焼成には連続式の焼成炉が用いられるのが一般的である。連続式の焼成炉を用いることにより、電極を形成するペーストを塗布した半導体基板を大量に処理することができ、極めて生産性が高いという特徴がある。

0005

このような連続式の焼成炉の一例として、ベルト式連続焼成炉がある。これは、焼成炉の加熱部を貫通させた、耐熱性金属メッシュ等から成るエンドレスベルト等の搬送手段上に被処理体を積載してエンドレスベルトを回転させることで、焼成炉の加熱部を通過させ焼成を行うものである。なお、焼成炉の断熱性を高めるため、焼成炉内の空間は断熱材により囲まれており、被処理体が積載されるエンドレスベルトを中心として上下にヒーターが設けられている。
特開平10−335267号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、焼成炉内の端部と中央部で温度のばらつきが大きくなるという問題があり、焼成炉内ではヒーターで発生した熱が被処理体に直接達する以外に、焼成炉内部の側壁からの輻射熱が影響していると思われる。被処理体は焼成炉の端部と中央部のどちらか一方、もしくは両方において最適な焼成温度で焼成されない可能性があり、過剰加熱もしくは加熱不足となり、太陽電池素子の電気特性や、半導体基板との表裏両面の電極の接着強度に大きく影響し、太陽電池素子の品質を著しく低下させる要因となる。

0007

この焼成温度のばらつきの問題を解決するため、焼成炉内の中央部のみ、もしくは端部のみに被処理体を供給して処理する方法もあるが、このような方法では焼成炉の一部を使用しないことになり焼成炉の処理能力を大きく低下させる要因となる。

0008

本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、焼成炉内部における温度のばらつきがあったとしても、焼成炉の温度条件を変えることなく、焼成時に被処理体が受ける影響を低減させることができる焼成炉を提供し、この焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために本発明の請求項1に係る焼成炉は、内側に処理空間を有する炉体と、積載面を有するとともに、前記積載面に被処理体を積載して前記処理空間内所定方向に移動させる搬送手段と、前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱するヒーターと、を備えた焼成炉であって、前記積載面は、前記所定方向と略直交する方向に対して、前記被処理体を載置可能な載置部を有する複数のセクションを含むとともに、少なくとも一つのセクションの載置部の高さを、隣接するセクションの載置部の高さと異ならせるようにした。

0010

本発明の請求項2に係る焼成炉は、請求項1に記載の焼成炉において、前記複数のセクションは3つであり、この3つのセクションのうち、中央のセクションの載置部の高さを隣接する両側のセクションの載置部の高さと異ならせるようにした。

0011

本発明の請求項3に係る焼成炉は、請求項1又は請求項2に記載の焼成炉において、前記ヒーターは、中赤外線若しくは近赤外線放射するヒーターとした。

0012

本発明の請求項4に係る被処理体の焼成方法は、前記被処理体は、前記複数のセクションの載置部に対応した位置に前記所定方向に列をなして積載されるとともに、前記被処理体の各列が前記処理空間内を通過する際に前記ヒーターから受ける熱量のばらつきが少なくなるように前記複数のセクションの載置部の高さが調整されている本発明の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成するようにした。

0013

本発明の請求項5に係る太陽電池素子の製造方法は、金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、本発明の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成して前記焼成電極を形成するようにした。

0014

なお、本明細書において、中赤外線若しくは近赤外線とは、波長が0.7μm〜3μmの赤外線を指すものとする。なお、一般的には、中赤外線は、1.5〜3μm、近赤外線は波長が0.7〜1.5μmのように区分される場合があるが、ここでは厳密には区別しない。

0015

また、被処理体を「載置する」とは、被処理体を置いたときに動かない状態でその場に留まった状態であることを意味し、被処理体への固定の有無は問わない。さらに、被処理体は動かない状態であれば傾斜した状態で載置されていてもよい。この場合、或るセクションの載置部の高さが、隣接するセクションの載置部の高さと異なっているかどうかは、各載置部に被処理体(密度が均等に分散しているもの)を載置したときの重心位置の高さが異なっているかどうかで判断すればよい。

発明の効果

0016

以上のように本発明の焼成炉は、内側に処理空間を有する炉体と、積載面を有するとともに、前記積載面に被処理体を積載して前記処理空間内を所定方向に移動させる搬送手段と、前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱するヒーターと、を備えた焼成炉であって、前記積載面は、前記所定方向と略直交する方向に対して、前記被処理体を載置可能な載置部を有する複数のセクションを含むとともに、少なくとも一つのセクションの載置部の高さを、隣接するセクションの載置部の高さと異ならせるようにした。このように構成したので、セクション毎に載置された被処理体の加熱状態を変えることができるから、被処理体が焼成炉内の温度ばらつきによって受ける影響を少なくすることができる。

0017

また、本発明の被処理体の焼成方法は、前記被処理体は、前記複数のセクションの載置部に対応した位置に前記所定方向に列をなして積載されるとともに、前記被処理体の各列が前記処理空間内を通過する際に前記ヒーターから受ける熱量のばらつきが少なくなるように前記複数のセクションの載置部の高さが調整されている本発明の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成するようにしたようにしたので、焼成炉の温度条件を変えなくても、炉内の温度ばらつきの影響を吸収させ、被処理体を載置したセクション毎の各列におけるヒーターから受ける熱量のばらつきを合わせ込むことができ、被処理体を均一に焼成処理することができる。

0018

本発明の太陽電池素子の製造方法は、金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、本発明の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成し、前記焼成電極を形成するようにした。このように、焼成炉内の温度ばらつきの影響を少なくすることができる本発明の被処理体の焼成方法によって太陽電池素子の焼成電極を形成するようにしたので、太陽電池素子の電気特性や、半導体基板と電極の接着強度等に影響を与えることがなく、高品質の太陽電池素子を製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような連続式の焼成炉の一例として、ベルト式連続焼成炉について説明する。

0020

図1は本発明に係る焼成炉の第一の実施形態の構造を説明する図である。図1(a)は焼成炉の炉長方向の断面を、図1(b)は焼成炉の炉幅方向の断面を、図1(c)は焼成炉の上部からの断面を示している。

0021

図1において、1は搬送手段(ベルト)、1aは搬送手段に設けられた積載面、2はヒーターであり2aは上部ヒーター、2bは下部ヒーター、3は断熱材、4は支持体、5は被処理体(太陽電池素子)、6はカバー、7はローラー、8(8a〜8c)はセクション、15は処理空間である。

0022

被処理体5を処理する焼成炉は、外気との雰囲気遮断するためにカバー6や、断熱性、安全性のために断熱材3によって構成された炉体を有している。この炉体の内側には被処理体5を処理するための処理空間15が存在している。

0023

また、炉体内部の処理空間15を炉長方向に貫通した搬送手段1が設けられている。この搬送手段1は、例えば、ステンレス等の耐熱性の合金等によって構成されたエンドレスベルト等が用いられ、ローラー7が回転することによりエンドレス循環し、搬送手段1の積載面1a上に積載された被処理体5を所定方向、すなわちこの場合は炉長方向に移動させる。また搬送手段1としてベルトを用いる場合、回転中にたるまないように、支持体4によって支えるようにしてもよい。なお、図1(b)に示すように、搬送方向に対して複数列となるように被処理体5を搬送手段1上に並べて処理することによって、同時に多数の被処理体5を処理することができる。

0024

また、処理空間15の内部には搬送手段1に積載した被処理体5を加熱処理するためのヒーター2が配置されている。このヒーター2は、例えば、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーター(以下、中、近赤外線ヒーター略記する)を用いることができ、具体的には、ランプヒーター等が好適に用いられる。

0025

なお、図1に示す例では、搬送手段1を境にして上部ヒーター2aと下部ヒーター2bが配置されている。特に、搬送手段1としてエンドレスに搬送されるメッシュベルトを用いた場合、下部ヒーター2bから放射された熱は、メッシュベルトを通して、被処理体5をベルトに載置した面に到達するから、被処理体5を上面側と下面側の両面から処理することができる。ただし本発明は、これに制限されるものでなく、上部ヒーター2aや下部ヒーター2bのどちらか一方だけであってもかまわない。

0026

さらに図1(a)に示す例では、上部ヒーター2aと下部ヒーター2bを搬送方向に対して3分割したものを記載している。このように搬送方向に対して、複数に分割して独立にヒーターを設けておくことによって、被処理体5に対する焼成プロファイルを変更することが容易になるので望ましい。ただし、本発明はこの構造に限られるものではない。さらに図1(c)において分割した上部ヒーター2a間に隙間が存在し、この隙間を通して被処理体5が見えている例によって記載したが、これについても制限されるものではない。

0027

なお、焼成炉で被処理体5を処理する場合、通常、被処理体5には塗布剤が塗布されている。例えば、太陽電池素子の場合、後述するように所定の金属粉末と、バインダー有機溶媒等を含む金属ペーストが所定形状に塗布されている。このような塗布剤中に含まれるバインダー等の成分は、焼成処理中に焼成炉内で被処理体5から蒸発、あるいは燃焼してガス化する。このガスが焼成炉内に充満すると、焼成処理中に製品特性に悪影響を及ぼすため、焼成炉には排気ガスを外部に排出する排気装置(不図示)や炉内にエアーを供給する供給装置(不図示)が設けられている。

0028

ここで本発明の特徴部について、図1及び図2を用いて説明する。図2は本発明に係る搬送手段の要部拡大図であり、9aは本発明に係る載置部の一例である載置台である。

0029

搬送手段1の積載面1aが次のような特徴を有している。まず、積載面1aは搬送方向(この例では炉長方向)と略直交する方向(この例では炉幅方向)に対して、被処理体5を載置可能な載置部9を有する複数のセクション8を有している。そしてこれらの複数のセクション8は、少なくとも一つのセクション8の載置部9の高さが、隣接するセクション8の載置部9の高さと異なっている。具体的には、図1(b)、図1(c)で示されるセクション8a、8b、8cがこれに該当する。また、各セクション8は、いずれも図2に示されるような載置部9の一例である載置台9aが設けられ、被処理体5を載置可能としている。セクション8bは、隣接するセクション8a、セクション8cよりも高い段差となるような形状で設けられているので、セクション8bの載置部は、隣接するセクション8a、セクション8cの載置部よりも高い位置となる。したがって、各々のセクション8に被処理体5を載置したとき、セクション8bに載置した被処理体5が他のセクション8a、8cに載置したものよりも高い位置に存在するようになる。

0030

このように被処理体5を載置するセクション8の載置部の高さを異ならせることによって、セクション8毎に載置された被処理体5の加熱状態を変えることができるから、被処理体5が焼成炉内の温度ばらつきから受ける影響を少なくすることができる。例えば、焼成炉内で側壁からの輻射の熱の影響を受けると考えられる搬送手段1の端部側のセクション8a、8cの載置部高さを、搬送手段1の中央部側のセクション8bの載置部高さより低くする。このようにすることで、搬送手段1上に積載される被処理体5に到達する熱は、搬送手段1の中央部ではヒーター2から受ける熱は多く、搬送手段1の端部ではヒーター2から受ける熱は少なくなるがその代わりに焼成炉の側壁からの輻射の熱を得ることで、搬送手段1の中央部と端部の被処理体5に到達する熱量はより均一となり、被処理体5の焼成ばらつきが低減できる。

0031

このように被処理体5は、図1に示すように複数のセクション8の載置部9に対応した位置に搬送方向(炉長方向)に列をなして積載され、被処理体5の各列が処理空間15内を通過する際にヒーター2から受ける熱量のばらつきが少なくなるように複数のセクション8の載置部の高さが調整されている。このような本発明の焼成炉を用いて被処理体5を焼成する本発明の被処理体の焼成方法によれば、焼成炉の温度条件を変えなくても、炉内の温度ばらつきの影響を吸収させ、被処理体5を載置したセクション8毎の各列におけるヒーター2から受ける熱量のばらつきを合わせ込むことができ、被処理体5を均一に焼成処理することができる。

0032

なお、搬送手段1の積載面1aに設けた複数のセクション8については、図1(b)では焼成炉内の中央部のセクション8bと端部のセクション8a、8cの3つとした例で説明した。通常の焼成炉においては、中央部はヒーター2からの輻射の影響が大きく、炉壁からの輻射の影響は少ない。また逆に、両端部はヒーター2からの輻射の影響は小さく、炉壁からの輻射の影響が大きい。このように中央部と両端部とは対照的な関係にあるため、中央部から両端に向かって温度勾配が生ずることが多い。したがって、このように3つのセクションを設け、中央部のセクション8bを他の2つのセクション8a、8cと載置部の高さを異ならせることによって、簡単に被処理体5がヒーター2から受ける熱量を調整することができる。

0033

なお、このとき端部のセクション8a、8cについては、載置部を略同一の高さにしても良いが、温度分布度合いに応じて、高低を調整しても良い。また、各セクション8に複数の被処理体5の列を載置するようにしても良い。例えば、図1(a)にはセクション8bに2列の被処理体5を載置した例が示されている。さらに、セクション8自体を焼成炉の炉幅方向に対して3つ以上設けても良く、焼成炉内の温度のばらつきや被処理体5の焼成のばらつきに応じて変更することができる。

0034

また、ヒーター2としては、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーターとすることが望ましい。中、近赤外線ヒーターは、急昇温特性等に優れているが、小サイズに分割されたヒーターを焼成炉内に配置するのは困難であり、焼成炉内での温度ばらつきが大きく、また焼成炉内の温度をコントロールしにくいという欠点を持っていた。したがって、これを太陽電池素子の焼成電極の形成に用いた場合、焼成炉内では温度ばらつきが生じ、被処理体の焼成温度が焼成炉の中央部と端部で焼成温度が異なるという問題があった。

0035

しかしながら、本発明の構成によれば、上述したように被処理体5を載置するセクション8の載置部の高さを異ならせることによって、セクション8毎に載置された被処理体5の加熱状態を変えることができるから、被処理体5が焼成炉内の温度ばらつきから受ける影響を少なくすることができる。したがって、急昇温特性に優れた中、近赤外線ヒーターの特徴を十分生かすことができるものとなる。具体的には、このような中、近赤外線ヒーターを太陽電池素子の焼成電極の形成に用いた場合、電極以外の部分(例えば、pn接合部等)を長時間高熱曝露させることを避けられるので、太陽電池素子の特性に影響を与えることが少なくなる。また、焼成の時間を短縮することができるためタクトタイムにも優れる。

0036

次に、本発明に係る焼成炉の第二の実施形態について図3及び図4を用いて説明する。

0037

図3は本発明に係る焼成炉の第二の実施形態の構造を説明する図である。焼成炉は、第一の実施形態と同様のベルト式連続焼成炉であり、図3(a)は焼成炉の炉長方向の断面を、図3(b)は焼成炉の炉幅方向の断面を、図3(c)は焼成炉の上部からの断面を示している。図4は第二の実施形態に係る搬送手段の要部拡大図である。

0038

図3図4において、1は搬送手段(ベルト)、1aは搬送手段に設けられた積載面、2はヒーターであり2aは上部ヒーター、2bは下部ヒーター、3は断熱材、4は支持体、5は被処理体(太陽電池素子)、6はカバー、7はローラー、8(8d〜8g)はセクション、9は載置部の一例である載置台、9b、9cは本発明に係る載置部の一例である載置台、15は処理空間である。基本的な構造と動作原理については、第一の実施形態と同じであるので、ここでは第二の実施形態の特徴的な箇所のみ説明する。

0039

本実施形態では、搬送手段1の積載面1aが、積載面1aは搬送方向(この例では炉長方向)と略直交する方向(この例では炉幅方向)に対して、被処理体5を載置可能な載置部9を有する複数のセクション8(8d、8e、8f、8g)を有している点について、文言上は第一の実施形態と違いがない。具体的な形態の違いとしては、第一の実施形態では、図1(b)に示されているように、各セクション8(8a、8b、8c)は、搬送手段1が段差形状をなして形成されているのに対して、第二の実施形態では、図3(b)に示されているように、搬送手段1が上部に凸状の湾曲をなしており、これに対して載置部9が設けられることによって、複数のセクション8(8d〜8g)が形成されている点にある。

0040

第二の実施形態は、このような構成となっているので、少なくとも一つのセクション8の載置部9の高さが、隣接するセクション8の載置部9の高さと異なっているという本発明の構成とすることができ、第一の実施形態と同様に本発明の作用効果を奏するものとなる。

0041

なお、ここでは、この湾曲形状が一箇所のみ上部に凸状となった例を示しているが、この曲率や数に制限はなく、例えば焼成炉の炉幅方向に対して複数の曲率を含む波状にすることも可能である。焼成炉内における被処理体5のの温度のばらつきを抑制することができるように湾曲形状の曲率を設計すればよい。

0042

また、図4に第二の実施形態における載置部の例を示す。図4(a)、図4(b)に示すように、被処理体5の端縁部を保持する載置台9bを搬送手段1(ベルト)上に設けて複数のセクション8が形成されている。図4(a)は、載置台9bに被処理体5を載置したときに略水平となるように載置台9bの高さが調整されている例であり、図4(b)は、載置台9bに被処理体5を載置したときに、搬送手段1の曲率にしたがって傾斜した状態となるように構成されている例である。このように被処理体5が傾斜して載置されていても、それぞれの被処理体5の重心位置G1、G2同士を比較して、載置部の高さが異なるかどうかを判断することができる。図4(b)のように、重心位置同士の高さに差がある場合には、本発明の効果を奏するものとなる。さらに、図4(c)のように搬送手段1の上に直接、被処理体5を載置し、滑り止め部9cを搬送手段1の上に設けることによって、複数のセクション8を形成するようにしても良い。以上のように本発明では、隣接するセクション8同士は必ずしも、直接接していなくても良く、図4に示すように、セクション8同士の間に被処理体5の載置に関与しない領域が存在していても構わない。

0043

以上、本発明の焼成炉、並びにこれを用いた被処理体の焼成方法について説明した。次に、本発明の被処理体の焼成方法の最適な応用例の一つである、本発明の太陽電池素子の製造方法について結晶系シリコン太陽電池を例にとり簡単に説明する。

0044

図6は太陽電池素子の断面である。10は半導体基板、10aは拡散領域、14は反射防止膜、11は表面電極であり11aはバスバー電極、11bはフィンガー電極、12は裏面電極であり、12aは取出電極、12bは裏面電極の集電電極、13はBSF層である。

0045

太陽電池素子として多く用いられる半導体基板10は単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなる。この半導体基板10はボロン(B)等の一導電型半導体不純物を1×1016atoms・cm−3程度含有し、比抵抗は1〜5Ω・cm程度である。単結晶半導体基板の場合は引上げ法等により形成され、多結晶半導体基板の場合は鋳造法等によって形成される。多結晶半導体基板は、大量生産が可能であり鋳造コスト面で単結晶半導体基板より有利であるので、ここでは多結晶半導体基板を用いた例について説明する。

0046

例えば鋳造法によって形成された多結晶シリコンのインゴットを10cm×10cm又は15cm×15cm等、適当な大きさに切断して500μm以下、より好ましくは300μm以下の厚みにスライスして半導体基板10とする。

0047

次に半導体基板10を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl3)等不純物元素を含むガス中熱処理をすることによって、半導体基板10の表面部にリン原子を1×1016〜1018atoms・cm−3程度拡散させ、厚み0.3〜0.5μm程度の拡散領域10aを形成する。

0048

そして半導体基板10の表面側に反射防止膜14を形成する。この反射防止膜14は、例えば窒化シリコン膜(SiNX)等からなり、シラン(SiH4)とアンモニア(NH3)の混合ガスを用いて、プラズマCVD法等で厚み500〜1000nm、屈折率1.90〜2.30程度に形成される。この反射防止膜14は半導体基板10の表面で光が反射するのを防止して、半導体基板10内に光を有効的に取り込むために設ける。

0049

次に表面電極11と裏面電極12を形成する。図5は一般的な太陽電池素子を受光面側、非受光面側から見た図であり、図5(a)は受光面側、図5(b)は非受光面側を示す。この表面電極11、裏面電極12は、いずれも金属を主成分とする焼成電極であり、これらの焼成電極は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板10を被処理体として、本発明の被処理体の焼成方法を用いて、焼成することによって得られる。具体的には次の通りである。

0050

まず、半導体基板10の受光面側に設けられる表面電極11は、バスバー電極11aとフィンガー電極11bから形成されている。バスバー電極11aは半導体基板10の全長にわたって1本あるいは複数本が平行に形成されており、フィンガー電極11bはバスバー電極11aと交差するように多数本が半導体基板10の全長にわたって形成されている。表面電極11は主に銀粉、バインダー、ガラスフリット等からなる銀ペーストスクリーン印刷法等で半導体基板10の表面に所定形状に塗布し形成される。

0051

次に、半導体基板10の非受光面側に設けられる裏面電極12は主に銀粉、バインダー、ガラスフリット等からなる銀ペーストを取出電極12aの形成予定位置にスクリーン印刷法等で所定形状に塗布し乾燥させたあと、主にアルミニウム粉、バインダー、ガラスフリット等からなるアルミニウムペーストを集電電極12bの形成予定位置にスクリーン印刷法等で所定形状に塗布して形成する。裏面電極12を形成する順番は特に問わず、すなわち、アルミニウムペーストをスクリーン印刷して集電電極12bを形成してから、銀ペーストをスクリーン印刷して取出電極12aを形成してもよい。

0052

上述のように両面にペーストを所定形状で塗布した半導体基板10はペーストを乾燥させたあと、本発明の被処理体の焼成方法によって、600〜800℃で1〜30分程度焼き付けることによって、表面電極11と裏面電極12が形成される。また半導体基板10の非受光面側では裏面電極12の集電電極12bであるアルミニウムペーストを焼き付けられてBSF層13が形成される。裏面電極12としては上述した以外に銀ペーストのみを焼き付ける方法を用いても良い。

0053

このように電極を焼成する際に、本発明の被処理体の焼成方法を用いるが、これは例えば、図1に示す本発明に係る焼成炉を用いて、所定形状に金属ペーストを塗布した半導体基板10を被処理体5とすればよい。この半導体基板10は、複数のセクション8の載置部9に対応した位置に搬送方向(炉長方向)に列をなして積載される。本発明に係る焼成炉は、半導体基板10の各列が処理空間15内を通過する際にヒーター2から受ける熱量のばらつきが少なくなるように複数のセクション8の載置部の高さが調整されているので、半導体基板10を載置したセクション8毎の各列におけるヒーター2から受ける熱量のばらつきを合わせ込むことができ、半導体基板10を均一に焼成処理することができる。

0054

その結果、半導体基板10に所定形状で設けられた金属ペーストが焼成されて焼成電極となるが、このとき半導体基板10の焼成状態がより均一なため、それぞれの太陽電池素子の電気特性や、半導体基板10との表裏両面の電極の接着強度のばらつきが小さく品質に優れたものとなる。

0055

なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。

0056

例えば、図1(b)や、図3(b)では、搬送手段1の積載面1aに設けた複数のセクション8において、焼成炉の中央部で凸状になる場合によって説明したが、これに限るものではなく、例えば、逆に焼成炉のヒーター2からの輻射の影響が強い等の理由により、端部よりも中央部の温度が高くなる場合には、中央部が凹状となるようにしても良い。

0057

また搬送手段1を境にして上下にヒーター2が配備された焼成炉においては、上部ヒーター2aと下部ヒーター2bのバランスに応じて搬送手段1のセクションを自由に変更すればよい。

0058

また、搬送手段1に設けたセクション8については、焼成炉の中央部を中心に左右対称に設けた例によって説明したが、これに限るものではなく、焼成炉内の温度のばらつき、もしくは被処理体5の焼成のばらつきがなくなるように自由に変更することができる。さらに、搬送手段1に設けたセクション8によって、焼成炉のばらつきを抑えるだけでなく、逆に焼成温度が異なる被処理体5を同時に焼成することも可能である。

0059

さらに、図1(b)や図3(b)においては、搬送手段1として一本のエンドレスベルトを焼成炉内で回転させて用いた例によって説明しているが、これに限るものではなく、例えば、搬送手段1をセクション8毎に分割した複数の分割搬送手段を設けても良い。この時、各分割搬送手段が独立に搬送速度を制御できるようにすれば、被処理体5に対する焼成具合をさらに細かく調整することが可能となる。

0060

例えば上述の説明として搬送手段1としてベルトを用いたベルト式連続焼成炉について説明したが、特に搬送手段1に制限はなく、例えばウォーキングビーム式連続焼成炉や、ローラー搬送体を用いた連続焼成炉であっても本発明の効果は十分に得られる。

0061

また、例えば太陽電池素子の電極の焼成方法については同時焼成法を例にとり説明したが、これに限定されるものではなく複数回の焼成を行う場合でも有効にその効果を発揮する。つまり裏面の電極材料を焼き付けた後に本発明に係る焼成炉を使用しても、裏面電極材料再焼結により与えられる影響を抑止することができる。また裏面電極としてアルミニウムからなる集電電極12bと銀からなる取出電極12aで構成される太陽電池素子を例にとり説明したが、これも制限されるものではない。

0062

さらに上述の説明として近赤外線ヒーターについて説明をしたが、特にヒーターに制限はなく、例えば遠赤外線ヒーターやランプ抵抗加熱等であっても本発明の効果は十分に得られる。

図面の簡単な説明

0063

本発明の焼成炉の第一の実施形態を示す模式図であり、(a)は炉長方向の断面模式図、(b)は炉幅方向の断面模式図、(c)は上部からの断面模式図である。
本発明の焼成炉に係るセクションの載置部の一例を示す部分拡大図である。
本発明における焼成炉の第二の実施形態を示す模式図であり、(a)は炉長方向の断面模式図、(b)は炉幅方向の断面模式図、(c)は上部からの断面模式図である。
本発明の焼成炉に係るセクションの載置部の一例を示す部分拡大図である。
一般的な太陽電池素子の断面構造を示す模式図である。
一般的な太陽電池素子の構造を示す模式図であり、(a)は表面の模式図、(b)は裏面の模式図である。

符号の説明

0064

1:搬送手段
1a:積載面
2:ヒーター
2a:上部ヒーター
2b:下部ヒーター
3:断熱材
4:支持体
5:被処理体
6:カバー
7:ローラー
8:セクション
8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g:セクション
9:載置部
9a:載置台
9b:載置台
9c:滑り止め部
10:半導体基板
10a:拡散領域
11:表面電極
11a:バスバー電極
11b:フィンガー電極
12:裏面電極
12a:取出電極
12b:集電電極
13:BSF層
14:反射防止膜
15:処理空間
G1、G2:重心位置

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