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技術 廃水処理装置及び廃水の生物処理方法

出願人 オルガノ株式会社
発明者 前田香奈恵良彰
出願日 2004年12月15日 (16年8ヶ月経過) 出願番号 2004-362600
公開日 2006年6月29日 (15年2ヶ月経過) 公開番号 2006-167574
状態 特許登録済
技術分野 嫌気,嫌気・好気又は生物に特徴ある処理
主要キーワード 廃水処理コスト 想定範囲 無機炭素量 フッ素除去処理 独立栄養性細菌 アンモニア窒素 無機炭素源 生物固定担体
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

硝化細菌が活動するのに充分な無機炭素源を供給しつつ低コスト廃水のpH調整を行うことができ、さらにカルシウムスケールの発生を低減することのできる廃水処理装置及び廃水の生物処理方法を提供すること。

解決手段

この廃水処理装置Sは、アンモニア性窒素を含む無機性廃水生物処理によって硝化する廃水処理装置であって、無機性廃水と独立栄養性細菌とが混合される生物処理槽2と、生物処理槽2内に供給された無機性廃水のpHを検出するpH検出器8と、生物処理槽2内のpHを調整する水酸化ナトリウムを生物処理槽2に供給する水酸化ナトリウム供給部11と、生物処理槽2内に重炭酸ナトリウムを供給する重炭酸ナトリウム供給部12と、pH検出器8の検出結果に基づいて水酸化ナトリウムの供給量と重炭酸ナトリウムの供給量とを制御する供給量制御部とを有している。

概要

背景

従来より、ICなどの半導体の製造工程などでは、フッ酸、アンモニア硝酸などが使用される。このため、その廃液として、フッ素(フッ酸)、窒素(アンモニア、硝酸)を含む廃水が排出される。例えば、エッチング処理等の工程においてこれらの化学物質を含む薬品が用いられ、半導体基板超純水等で洗浄した際の洗浄廃液としてこれらの化学物質を含む廃水が排出される。 また、LCD(液晶ディスプレイ)製造工程も基本的に半導体製造工程と同様の工程を有しており、同様の廃水が排出される。さらに、石炭火力発電所ガラス表面加工工場等においても、フッ素、窒素を含む廃水が排出される。

廃水中のフッ素は物理化学的に、すなわちカルシウムを添加することによりフッ化カルシウムとして除去されるのが一般的である。上述の廃水についても、水酸化カルシウム等を添加してフッ化カルシウムを析出させることによりフッ素を除去している。なお、フッ化カルシウムは細かい微粒子になりやすい。そのため、これを除去するためにアルミニウム系などの無機凝集剤アクリル系高分子凝集剤を添加してフロックを形成させることにより、廃水中のフッ化カルシウムを沈殿除去している。

カルシウムによるフッ素除去は、2F−+Ca2+→CaF2という反応で表され、この場合の溶解度積Kspは3.45×10−11である。したがって、廃水中のフッ素を充分に除去するためには、相当量カルシウムイオン残留する条件とする必要がある。一般に、フッ素除去処理水中のフッ素濃度目標濃度は10mg/L以下程度とされ、この場合には処理水中の残留カルシウム濃度を100〜1000mg/L程度にする必要がある。

なお、廃水中にケイ素リン酸等が存在する場合には、それらがフッ化カルシウムの析出に悪影響を与えてしまう。したがって、そのような場合にはより多量のカルシウムの添加や無機凝集剤や高分子凝集剤による凝集処理が必要となる場合がある。

一方、窒素除去としては、一般的に生物学的脱窒が採用される。この生物学的脱窒は、通性嫌気性細菌である脱窒菌無酸素状態における硝酸呼吸を利用して窒素を除去するものである。この生物学的脱窒においては、まず廃水を硝化処理して廃水中のアンモニア性窒素亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素とし、その後メタノール等の水素供与体を添加して無酸素状態とすることによって脱窒処理を行う。上述したようなフッ素除去と窒素除去を組み合わせることにより、廃水中のフッ素や窒素が除去される。フッ素を多量に含む廃水は細菌を用いた生物処理に対して悪影響を与えるので、生物学的脱窒処理は廃水中のフッ素を除去した後に行われる。したがって、生物学的脱窒処理の対象となる廃水はカルシウムを多量に含む。

例えば、従来の好気性独立栄養性細菌の作用により廃水中のアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素へと変換する生物処理方法においては、その変換に伴って廃水のpHが低下する。この好気性独立栄養性細菌(硝化細菌)の生育状態は以下の化学反応式で表すことができる。

NH4++0.103CO2+1.86O2→0.0182C2H5NO2+0.00245C5H7NO2+0.979NO3−+1.98H++0.938H2O

すなわち、硝化細菌の増殖に必要な無機炭素と処理すべきアンモニア性窒素との重量比は、0.088g−C/g−Nと表すことができる。

一般に、活性汚泥法のような低負荷処理(例えば0.1〜0.3kg−N/m3/day)の場合は、曝気による廃水への炭酸ガス溶け込みにより上記の無機炭素量を確保することが可能である。しかし、生物固定担体を処理系内に投入して、その細菌を処理系内に留める生物膜法(例えば、固定床方式や流動床方式)では高負荷処理(例えば0.5〜1.0kg−N/m3/day)が行われるため、硝化細菌の増殖に必要な無機炭素が不足しがちとなる。そのため、無機炭素を補充するために、重炭酸塩を廃水中に添加する場合がある。この重炭酸塩はアルカリ剤としても機能させることが可能である。

なお、硝化細菌を利用した従来の廃水処理方法として、例えば特許文献1〜4に開示されたものがある。
特開昭54−33365号公報
特開昭61−118198号公報
特開平5−123696号公報
特開2003−33788号公報

概要

硝化細菌が活動するのに充分な無機炭素源を供給しつつ低コストに廃水のpH調整を行うことができ、さらにカルシウムスケールの発生を低減することのできる廃水処理装置及び廃水の生物処理方法を提供すること。この廃水処理装置Sは、アンモニア性窒素を含む無機性廃水を生物処理によって硝化する廃水処理装置であって、無機性廃水と独立栄養性細菌とが混合される生物処理槽2と、生物処理槽2内に供給された無機性廃水のpHを検出するpH検出器8と、生物処理槽2内のpHを調整する水酸化ナトリウムを生物処理槽2に供給する水酸化ナトリウム供給部11と、生物処理槽2内に重炭酸ナトリウムを供給する重炭酸ナトリウム供給部12と、pH検出器8の検出結果に基づいて水酸化ナトリウムの供給量と重炭酸ナトリウムの供給量とを制御する供給量制御部とを有している。

目的

本発明は上記の事情に鑑みて為されたもので、硝化細菌が活動するのに充分な無機炭素源を供給しつつ低コストに廃水のpH調整を行うことができ、さらにカルシウムスケールの発生を低減することのできる廃水処理装置及び廃水の生物処理方法を提供することを例示的な課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

アンモニア性窒素を含む無機性廃水生物処理によって硝化する廃水処理装置であって、前記無機性廃水と独立栄養性細菌とが混合される生物処理槽と、該生物処理槽内に供給された前記無機性廃水のpHを検出するpH検出器と、該生物処理槽内のpHを調整するpH調整剤を該生物処理槽に供給する第1の供給部と、該生物処理槽内に無機炭素源を供給する第2の供給部と、前記pH検出器の検出結果に基づいて前記pH調整剤の供給量と前記無機炭素源の供給量とを制御する供給量制御部とを有することを特徴とする廃水処理装置。

請求項2

前記pH調整剤が水酸化ナトリウムであり、かつ前記無機炭素源が重炭酸塩又は炭酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の廃水処理装置。

請求項3

前記無機性廃水が100mg/l以上のカルシウムを含有することを特徴とする請求項1に記載の廃水処理装置。

請求項4

アンモニア性窒素を含む無機性廃水を生物処理槽内へ供給する工程と、該供給された無機性廃水のpHを検出する工程と、前記生物処理槽内のpHを調整するpH調整剤を前記生物処理槽に供給する工程と、前記生物処理槽内へ前記無機性廃水のpHを調整するとともに独立栄養性細菌の炭素源として機能する重炭酸塩又は炭酸塩を供給する工程と、前記pHの検出結果に基づいて前記pH調整剤の供給量と前記重炭酸塩又は炭酸塩の供給量とを制御する工程とを有することを特徴とする廃水生物処理方法

請求項5

前記制御工程において、前記無機性廃水に含まれる前記アンモニア性窒素1kgあたりの前記重炭酸塩又は炭酸塩の供給量を炭素量として0.1kg以上となるように制御することを特徴する請求項4に記載の廃水の生物処理方法。

請求項6

前記制御工程において、前記pHの検出結果が6.5以上8.5以下となるように前記pH調整剤の供給量と前記重炭酸塩又は炭酸塩の供給量とを制御することを特徴とする請求項4に記載の廃水の生物処理方法。

技術分野

0001

本発明は、アンモニア性窒素を含む無機廃水生物処理によって硝化する廃水処理装置及び廃水処理方法係り、特に、窒素及びカルシウムを含む無機廃水を微生物を用いて硝化処理する廃水処理装置及び廃水処理方法に関する。本発明は、例えば生活廃水廃水処理のほか、半導体製造工程によって排出される産業廃水の廃水処理に適用可能である。

背景技術

0002

従来より、ICなどの半導体の製造工程などでは、フッ酸、アンモニア硝酸などが使用される。このため、その廃液として、フッ素(フッ酸)、窒素(アンモニア、硝酸)を含む廃水が排出される。例えば、エッチング処理等の工程においてこれらの化学物質を含む薬品が用いられ、半導体基板超純水等で洗浄した際の洗浄廃液としてこれらの化学物質を含む廃水が排出される。 また、LCD(液晶ディスプレイ)製造工程も基本的に半導体製造工程と同様の工程を有しており、同様の廃水が排出される。さらに、石炭火力発電所ガラス表面加工工場等においても、フッ素、窒素を含む廃水が排出される。

0003

廃水中のフッ素は物理化学的に、すなわちカルシウムを添加することによりフッ化カルシウムとして除去されるのが一般的である。上述の廃水についても、水酸化カルシウム等を添加してフッ化カルシウムを析出させることによりフッ素を除去している。なお、フッ化カルシウムは細かい微粒子になりやすい。そのため、これを除去するためにアルミニウム系などの無機凝集剤アクリル系高分子凝集剤を添加してフロックを形成させることにより、廃水中のフッ化カルシウムを沈殿除去している。

0004

カルシウムによるフッ素除去は、2F−+Ca2+→CaF2という反応で表され、この場合の溶解度積Kspは3.45×10−11である。したがって、廃水中のフッ素を充分に除去するためには、相当量カルシウムイオン残留する条件とする必要がある。一般に、フッ素除去処理水中のフッ素濃度目標濃度は10mg/L以下程度とされ、この場合には処理水中の残留カルシウム濃度を100〜1000mg/L程度にする必要がある。

0005

なお、廃水中にケイ素リン酸等が存在する場合には、それらがフッ化カルシウムの析出に悪影響を与えてしまう。したがって、そのような場合にはより多量のカルシウムの添加や無機凝集剤や高分子凝集剤による凝集処理が必要となる場合がある。

0006

一方、窒素除去としては、一般的に生物学的脱窒が採用される。この生物学的脱窒は、通性嫌気性細菌である脱窒菌無酸素状態における硝酸呼吸を利用して窒素を除去するものである。この生物学的脱窒においては、まず廃水を硝化処理して廃水中のアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素とし、その後メタノール等の水素供与体を添加して無酸素状態とすることによって脱窒処理を行う。上述したようなフッ素除去と窒素除去を組み合わせることにより、廃水中のフッ素や窒素が除去される。フッ素を多量に含む廃水は細菌を用いた生物処理に対して悪影響を与えるので、生物学的脱窒処理は廃水中のフッ素を除去した後に行われる。したがって、生物学的脱窒処理の対象となる廃水はカルシウムを多量に含む。

0007

例えば、従来の好気性独立栄養性細菌の作用により廃水中のアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素へと変換する生物処理方法においては、その変換に伴って廃水のpHが低下する。この好気性独立栄養性細菌(硝化細菌)の生育状態は以下の化学反応式で表すことができる。

0008

NH4++0.103CO2+1.86O2→0.0182C2H5NO2+0.00245C5H7NO2+0.979NO3−+1.98H++0.938H2O

0009

すなわち、硝化細菌の増殖に必要な無機炭素と処理すべきアンモニア性窒素との重量比は、0.088g−C/g−Nと表すことができる。

0010

一般に、活性汚泥法のような低負荷処理(例えば0.1〜0.3kg−N/m3/day)の場合は、曝気による廃水への炭酸ガス溶け込みにより上記の無機炭素量を確保することが可能である。しかし、生物固定担体を処理系内に投入して、その細菌を処理系内に留める生物膜法(例えば、固定床方式や流動床方式)では高負荷処理(例えば0.5〜1.0kg−N/m3/day)が行われるため、硝化細菌の増殖に必要な無機炭素が不足しがちとなる。そのため、無機炭素を補充するために、重炭酸塩を廃水中に添加する場合がある。この重炭酸塩はアルカリ剤としても機能させることが可能である。

0011

なお、硝化細菌を利用した従来の廃水処理方法として、例えば特許文献1〜4に開示されたものがある。
特開昭54−33365号公報
特開昭61−118198号公報
特開平5−123696号公報
特開2003−33788号公報

発明が解決しようとする課題

0012

重炭酸塩のアルカリ剤としての機能を利用し、例えば重炭酸ナトリウムのみを用いて廃水を中和する場合、処理すべきアンモニア性窒素1gに対して重炭酸ナトリウムは約9.6g/g−N(約1.4g−C/g−N)が必要となる。しかしながら、重炭酸ナトリウムは高価であるためアルカリ剤として重炭酸ナトリウムのみを用いると廃水処理コストが高くなってしまうという問題がある。さらに、重炭酸ナトリウムはスラリー状態での取扱いとなってしまうため、廃水中に添加するには複雑な注入設備が必要となってしまう。

0013

また、上述したように生物学的脱窒処理の対象となる廃水はカルシウムを多量に含むが、このような場合に廃水中に多量の重炭酸ナトリウムを添加すると廃水を貯留している槽内又は廃水が通る管内に炭酸カルシウムスケールが発生してしまうという問題もある。スケールの発生は、廃水処理装置内のデッドスペースの増加、廃水配管閉塞等の問題を生じさせ得る。流動床方式の場合は、さらに流動床の流動悪化も招いてしまう。

0014

一方、水酸化ナトリウムは重炭酸ナトリウムに比較して安価な上に、アルカリ剤として用いた場合には処理すべきアンモニア窒素1gに対して約5.7gの量で済むという利点もある。

0015

本発明は上記の事情に鑑みて為されたもので、硝化細菌が活動するのに充分な無機炭素源を供給しつつ低コストに廃水のpH調整を行うことができ、さらにカルシウムスケールの発生を低減することのできる廃水処理装置及び廃水の生物処理方法を提供することを例示的な課題とする。

課題を解決するための手段

0016

上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての廃水処理装置は、アンモニア性窒素を含む無機性廃水を生物処理によって硝化する廃水処理装置であって、無機性廃水と独立栄養性細菌とが混合される生物処理槽と、生物処理槽内に供給された無機性廃水のpHを検出するpH検出器と、生物処理槽内のpHを調整するpH調整剤を生物処理槽に供給する第1の供給部と、生物処理槽内に無機炭素源を供給する第2の供給部と、pH検出器の検出結果に基づいてpH調整剤の供給量と無機炭素源の供給量とを制御する供給量制御部とを有することを特徴とする。

0017

供給量制御部によってpH調整剤の供給量と無機炭素源の供給量とを制御することにより、pH調整剤及び無機炭素源の性質コストに応じてそれぞれの使用量を調整することができる。例えば、pH調整剤が比較的安価な水酸化ナトリウムであり、無機炭素源が水酸化ナトリウムに比較して高価でかつpH調整機能をも有する重炭酸塩又は炭酸塩である場合、高価な重炭酸塩又は炭酸塩の供給量を必要最小限に制御することが可能である。廃水のpHが検出されているので水酸化ナトリウムの供給量も容易に制御可能である。

0018

最小限の重炭酸塩又は炭酸塩を供給しつつ廃水が中和されるように水酸化ナトリウムを供給することにより、低コストで充分な廃水処理能力を得ることができる。しかも重炭酸塩又は炭酸塩を最小限とすることによってカルシウムスケールの発生も防止することができる。このカルシウムスケール発生の防止効果は、廃水中のカルシウム含有率が高い場合、例えば廃水が100mg/l以上のカルシウムを含有している場合には、より顕著に得られる。

0019

この廃水処理装置は、特に廃水中のC/NH4−N重量比が例えば0.1未満と小さく、無機炭素不足による処理能力の低下が懸念される場合に好適である。そのような廃水として、例えば半導体製造工程によって排出される産業廃水が考えられる。また、この廃水処理装置は、高負荷処理が行われ無機炭素不足が懸念される固定床方式や流動床方式の生物膜法処理に適している。

0020

本発明の他の例示的側面としての廃水の生物処理方法は、アンモニア性窒素を含む無機性廃水を生物処理槽内へ供給する工程と、供給された無機性廃水のpHを検出する工程と、生物処理槽内のpHを調整するpH調整剤を生物処理槽に供給する工程と、生物処理槽内へ無機性廃水のpHを調整するとともに独立栄養性細菌の炭素源として機能する重炭酸塩又は炭酸塩を供給する工程と、pHの検出結果に基づいてpH調整剤の供給量と重炭酸塩又は炭酸塩の供給量とを制御する工程とを有することを特徴とする。

0021

pH調整剤の供給量と重炭酸塩又は炭酸塩の供給量とを制御する工程を有しているので、pH調整剤や重炭酸塩又は炭酸塩の性質やコストに応じてそれぞれの使用量を調整することができる。例えば、pH調整剤として比較的安価な水酸化ナトリウムを用い、重炭酸塩又は炭酸塩として水酸化ナトリウムに比較して高価でかつpH調整機能をも有する重炭酸ナトリウムを用いる場合、高価な重炭酸ナトリウムの供給量を必要最小限に制御することが可能である。廃水のpHが検出されているので水酸化ナトリウムの供給量も容易に制御可能である。もちろん重炭酸塩又は炭酸塩としては、重炭酸ナトリウムの他に、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等も使用可能である。

0022

最小限の重炭酸ナトリウムを供給しつつ廃水が中和されるように水酸化ナトリウムを供給することにより、低コストで充分な廃水処理能力を得ることができる。しかも重炭酸ナトリウムの供給量を最小限とすることによって廃水中に多量のカルシウムが含まれている場合であってもカルシウムスケールの発生を防止することができる。

0023

なお、制御をより容易にするために、重炭酸塩又は炭酸塩の供給量は生物処理槽への無機性廃水の供給量(流入量)に応じて一定とし、pH調整剤の供給量のみを無機性廃水のpH検出結果に基づいて制御するようにしてももちろんかまわない。

0024

独立栄養性細菌による廃水処理能力が充分発揮できるよう無機炭素源を供給するためには、その制御工程において、無機性廃水に含まれるアンモニア性窒素1kgあたりの重炭酸塩又は炭酸塩の供給量を炭素量として0.1kg以上となるように制御することが好ましい。無機性廃水に含まれるアンモニア性窒素1kgあたりの重炭酸塩又は炭酸塩の供給量を炭素量として0.5kg以上となるように制御するとさらに望ましい。

0025

また、その制御工程において、pHの検出結果が6.5以上8.5以下となるようにpH調整剤の供給量と重炭酸塩又は炭酸塩の供給量とを制御することが望ましい。pHが中性に保たれることにより、独立栄養性細菌の処理能力が充分に発揮できるからである。

0026

本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。

発明の効果

0027

本発明によれば、独立栄養性細菌(硝化細菌)が活動するのに充分な無機炭素源を供給しつつ低コストに廃水のpH調整を行うことができ、さらにカルシウムスケールの発生を低減することができる。

発明を実施するための最良の形態

0028

[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る廃水処理装置Sの概略構成を示すブロック図である。この廃水処理装置Sは、廃水中に含まれるアンモニア性窒素を独立栄養性細菌を用いて硝化する、いわゆる生物処理を行うものである。廃水処理装置Sは、給水管1、生物処理槽2、排水管3、水酸化ナトリウム用タンク4、重炭酸ナトリウム用タンク5、水酸化ナトリウム供給ポンプ6、重炭酸ナトリウム供給ポンプ7、pH検出器8を有して大略構成される。この廃水処理装置Sは、給水管1から生物処理槽2内へと供給された無機性廃水が独立栄養性細菌と混合され、活性汚泥法又は生物膜法による無機性廃水の硝化処理が行われて排水管3から排水されるようになっている。排水管3から排水された処理後の廃水は、図示しない後段嫌気槽(脱窒槽)へと送られるようになっている。

0029

水酸化ナトリウム用タンク4内にはpH調整剤としての水酸化ナトリウムが貯留され、重炭酸ナトリウム用タンク5内には無機炭素源としての重炭酸ナトリウムが貯留されている。

0030

水酸化ナトリウム用タンク4及び水酸化ナトリウム供給ポンプ6は第1の供給部としての水酸化ナトリウム供給部11を構成し、pH検出器8の検出結果に基づいて生物処理槽2内に水酸化ナトリウムを供給する。水酸化ナトリウムの供給量は図示しない供給量制御部によって制御される。

0031

重炭酸ナトリウム用タンク5及び重炭酸ナトリウム供給ポンプ7は第2の供給部としての重炭酸ナトリウム供給部12を構成し、pH検出器8の検出結果に基づいて生物処理槽2に重炭酸ナトリウムを供給する。重炭酸ナトリウムの供給量は図示しない供給量制御部によって制御される。

0032

pH検出器8は、生物槽内の無機性廃水のpHを常に検出している。その検出結果は供給量制御部へと送られるようになっている。

0033

次にこの廃水処理装置Sの動作について説明する。供給管1を通って無機性廃水が生物処理槽2内へと供給される。この無機性廃水の供給量(流量)は図示しない制御手段によって制御されているが詳細については省略する。

0034

生物処理槽2内へと流入した無機性廃水のpHをpH検出器8が検出する。その検出結果は図示しない供給量制御部へと送られる。供給量制御部は、送られてきた検出結果に基づいて水酸化ナトリウム供給部11及び重炭酸ナトリウム供給部12を制御する。その制御に基づいて、水酸化ナトリウム供給部11及び重炭酸ナトリウム供給部12はそれぞれ水酸化ナトリウム及び重炭酸ナトリウムを生物処理槽2内へ供給する。

0035

重炭酸ナトリウムの供給量は、独立栄養性細菌が硝化能力を充分発揮するように、かつ廃水処理装置S内へのスケーリングが極力発生しないように調整される。また、水酸化ナトリウムの供給量は、pH検出器8の検出結果に基づいて重炭酸ナトリウムによる無機性廃水のアルカリ化の程度が考慮されて調整される。生物処理槽2内で処理された硝化後の廃水は処理水として排出管3から排出される。

0036

水酸化ナトリウム供給部11による水酸化ナトリウムの供給量と重炭酸ナトリウム供給部12による重炭酸ナトリウムの供給量とを一定の比率に設定し、例えばpH検出器8の検出結果が7.0以下になると両供給部11,12を稼働させ、検出結果が7.5以上になると両供給部11,12を停止させるように制御してもよい。

0037

また、処理前の無機性廃水のアンモニア性窒素濃度を常に検出し、その検出結果及び無機性廃水の供給量から単位時間当たりの重炭酸ナトリウムの必要供給量を演算し、その必要量に基づいて重炭酸ナトリウムの供給量を自動制御してもよい。この場合において、処理前の無機性廃水のアンモニア性窒素濃度やその供給量が想定範囲を下回った場合に重炭酸ナトリウムの供給量を0としてもかまわない。

0038

以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。

0039

本願発明の発明者らが、重炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムとを併用した場合の硝化能力について流動床方式担体充填率20%)を用いて鋭意検討した結果、以下の検討結果を得た。なお、通水に使用した無機性廃水の組成を表1に示す。希釈には水道水を使用し、通水流量は、容積負荷が1.0kg−N/m3/dayとなるように調整した。

0040

本実施例によって得られた結果を表2及び図2に示す。

0041

図面の簡単な説明

0042

本発明の実施の形態に係る廃水処理装置の概略構成を示すブロック図である。
本発明の実施例の結果を示すグラフである。

符号の説明

0043

S:廃水処理装置
1:給水管
2:生物処理槽
3:排水管
4:水酸化ナトリウム用タンク
5:重炭酸ナトリウム用タンク
6:水酸化ナトリウム供給ポンプ
7:重炭酸ナトリウム供給ポンプ
8:pH検出器
11:水酸化ナトリウム供給部(第1の供給部)
12:重炭酸ナトリウム供給部(第2の供給部)

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