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技術 車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法及び粉体塗料の塗装方法

出願人 日本ペイントホールディングス株式会社日野自動車株式会社
発明者 牧野一宏橋本愛季蓬原正伸島倉俊明小林武彦村上栄光
出願日 2004年12月8日 (15年2ヶ月経過) 出願番号 2004-355455
公開日 2006年6月22日 (13年8ヶ月経過) 公開番号 2006-161110
状態 拒絶査定
技術分野 流動性材料の適用方法、塗布方法 金属の化成処理
主要キーワード 耐食性アルミニウム 脱脂洗浄液 変成層 廃水処理性 分キー 黒皮鋼板 粉体塗布 リン酸塩水溶液
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課題

リン元素を必須成分とせず、スラッジ発生が極めて少なく、廃水処理性が良好で、かつ、良好な密着性耐食性を有する化成皮膜を形成することができる車両のシャシ用金属表面塗装前処理方法を提供する。

解決手段

化成処理液によって車両のシャシ用金属表面を処理し、化成皮膜を形成する車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法であって、上記化成処理液は、金属元素換算50〜500ppmのジルコニウム、並びに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物からなる群から選択される少なくとも1のシラン化合物を含有し、pH2〜6である、車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法。

概要

背景

車両のシャシは、通常、熱間圧延等の鋼材ショットブラスト等で黒皮等の変成層を落とした鋼材等からなるものであり、その塗装においては、リン酸亜鉛処理剤による化成処理を行った後に、粉体塗装を行う。このような車両のシャシ用金属表面塗装前処理方法としては、特許文献1、2に記載されたような処理剤による処理方法が知られている。

特許文献1には、特定量リン酸イオン亜鉛イオンヒドロキシルアミン源等の特定成分を含有することにより、表面調整工程を省略しても、良好な塗装密着性耐食性を有する塗膜を形成することができるリン酸亜鉛系水溶液及びそれを用いた化成処理方法が開示されている。
特許文献2には、特定量のリン酸イオン、亜鉛イオン、マンガンイオンニッケルイオン等の特定成分を含有するリン酸亜鉛処理剤により、良好な耐食性を得ることができる熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法が開示されている。

しかし、リン酸亜鉛系処理剤は、金属イオン及び酸濃度が高く非常に反応性の強い処理剤であるため、排水処理における経済性、作業性が良好でない。更に、リン酸亜鉛系処理剤による金属表面処理に伴って、水に不溶塩類が生成して沈殿となって析出する。このような沈殿物は、一般にスラッジと呼ばれ、このようなスラッジを除去し、廃棄することによるコストの発生等が問題とされている。また、リン酸イオンは、富栄養化によって環境に対して負荷を与えるおそれがあるため、廃液の処理に際して労力を要し、使用しないことが好ましい。更に、リン酸亜鉛系処理剤による金属表面処理においては、表面調整を行うことが必要とされており、工程が長くなるという問題もある。

リン酸亜鉛系処理剤以外の金属表面処理剤として、ジルコニウム化合物からなる金属表面処理剤が知られている(例えば、特許文献3、4参照)。このようなジルコニウム化合物からなる金属表面処理剤は、スラッジの発生が抑制される点で上述したようなリン酸亜鉛系化成処理剤に比べて優れた性質を有している。
しかし、上述のような金属表面処理剤によって、車両のシャシ用金属表面を処理する場合、充分な塗膜の密着性や塗装後の耐食性を有する化成皮膜を形成することが困難であった。

特開平10−204649号公報
特開2002−220678号公報
特開2001−316845号公報
特表2001−516810号公報

概要

リン元素を必須成分とせず、スラッジ発生が極めて少なく、廃水処理性が良好で、かつ、良好な密着性や耐食性を有する化成皮膜を形成することができる車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法を提供する。化成処理液によって車両のシャシ用金属表面を処理し、化成皮膜を形成する車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法であって、上記化成処理液は、金属元素換算50〜500ppmのジルコニウム、並びに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物からなる群から選択される少なくとも1のシラン化合物を含有し、pH2〜6である、車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法。

目的

本発明は、上記現状に鑑み、リン元素を必須成分とせず、スラッジ発生が極めて少なく、廃水処理性が良好で、かつ、充分な密着性や耐食性を有する化成皮膜を形成することができる車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

化成処理液によって車両のシャシ用金属表面を処理し、化成皮膜を形成する車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法であって、前記化成処理液は、金属元素換算50〜500ppmのジルコニウム、並びに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物からなる群から選択される少なくとも1のシラン化合物を含有し、pH2〜6であることを特徴とする車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法。

請求項2

化成処理液は、50〜500ppmのγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン又はγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物を含有する請求項1記載の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法。

請求項3

化成処理液は、更に、50〜500ppmのマグネシウムイオン及び/又は50〜1000ppmの亜鉛イオンを含有する請求項1又は2記載の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法。

請求項4

化成処理液の温度は30〜60℃であり、処理時間は30〜300秒である請求項1、2又は3記載の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法。

請求項5

化成処理前に、表面調整工程を有さないものである請求項1、2、3又は4記載の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法。

請求項6

請求項1、2、3、4又は5記載の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法によって被処理物を処理する工程(1)と、前記工程(1)の処理を施した処理物粉体塗装する工程(2)とからなることを特徴とする粉体塗料塗装方法

技術分野

0001

本発明は、車両のシャシ用金属表面塗装前処理方法及び粉体塗料塗装方法に関する。

背景技術

0002

車両のシャシは、通常、熱間圧延等の鋼材ショットブラスト等で黒皮等の変成層を落とした鋼材等からなるものであり、その塗装においては、リン酸亜鉛処理剤による化成処理を行った後に、粉体塗装を行う。このような車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法としては、特許文献1、2に記載されたような処理剤による処理方法が知られている。

0003

特許文献1には、特定量リン酸イオン亜鉛イオンヒドロキシルアミン源等の特定成分を含有することにより、表面調整工程を省略しても、良好な塗装密着性耐食性を有する塗膜を形成することができるリン酸亜鉛系水溶液及びそれを用いた化成処理方法が開示されている。
特許文献2には、特定量のリン酸イオン、亜鉛イオン、マンガンイオンニッケルイオン等の特定成分を含有するリン酸亜鉛処理剤により、良好な耐食性を得ることができる熱間圧延鋼板又は鋼材の処理方法が開示されている。

0004

しかし、リン酸亜鉛系処理剤は、金属イオン及び酸濃度が高く非常に反応性の強い処理剤であるため、排水処理における経済性、作業性が良好でない。更に、リン酸亜鉛系処理剤による金属表面処理に伴って、水に不溶塩類が生成して沈殿となって析出する。このような沈殿物は、一般にスラッジと呼ばれ、このようなスラッジを除去し、廃棄することによるコストの発生等が問題とされている。また、リン酸イオンは、富栄養化によって環境に対して負荷を与えるおそれがあるため、廃液の処理に際して労力を要し、使用しないことが好ましい。更に、リン酸亜鉛系処理剤による金属表面処理においては、表面調整を行うことが必要とされており、工程が長くなるという問題もある。

0005

リン酸亜鉛系処理剤以外の金属表面処理剤として、ジルコニウム化合物からなる金属表面処理剤が知られている(例えば、特許文献3、4参照)。このようなジルコニウム化合物からなる金属表面処理剤は、スラッジの発生が抑制される点で上述したようなリン酸亜鉛系化成処理剤に比べて優れた性質を有している。
しかし、上述のような金属表面処理剤によって、車両のシャシ用金属表面を処理する場合、充分な塗膜の密着性や塗装後の耐食性を有する化成皮膜を形成することが困難であった。

0006

特開平10−204649号公報
特開2002−220678号公報
特開2001−316845号公報
特表2001−516810号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記現状に鑑み、リン元素を必須成分とせず、スラッジ発生が極めて少なく、廃水処理性が良好で、かつ、充分な密着性や耐食性を有する化成皮膜を形成することができる車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、化成処理液によって車両のシャシ用金属表面を処理し、化成皮膜を形成する塗装前処理方法であって、上記化成処理液は、金属元素換算50〜500ppmのジルコニウム、並びに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1のシラン化合物を含有し、pH2〜6であることを特徴とする車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法である。

0009

上記化成処理液は、50〜500ppmのγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン又はγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物を含有するものであることが好ましい。
上記化成処理液は、更に、50〜500ppmのマグネシウムイオン及び/又は50〜1000ppmの亜鉛イオンを含有するものであることが好ましい。

0010

上記化成処理液の温度は30〜60℃であり、処理時間は30〜300秒であることが好ましい。
上記化成処理前に、表面調整工程を有さないものであることが好ましい。
本発明はまた、上述の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法によって被処理物を処理する工程(1)と、上記工程(1)の処理を施した処理物を粉体塗装する工程(2)とからなることを特徴とする粉体塗料の塗装方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。

0011

本発明は、化成処理液によって車両のシャシ用金属表面を処理し、化成皮膜を形成する塗装前処理方法であって、上記化成処理液は、金属元素換算50〜500ppmのジルコニウム、並びに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1のシラン化合物を含有し、pH2〜6である。このため、リン元素を必須成分とせず、スラッジ発生が極めて少なく、廃液処理性が良好である。また、表面調整工程を必要とせずに、良好な密着性や耐食性を有する皮膜を形成することができる。

0012

本発明の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法では、弱酸性ジルコンフッ酸の水溶液に、例えば、ショットブラスト済みの黒皮鋼板等を接触させることにより、アノード部でエッチング反応によるFe2+イオン溶出が起こり、カソード部では水素還元反応により界面のpHが上昇しジルコニウムの水酸化物が析出する。アノード部では溶出したFe2+イオンが、ZrF6−の錯フッ素イオン中のフッ素奪うことで同様にジルコニウムの水酸化物の析出が生じる。析出したジルコニウム水酸化物の皮膜は緻密なアモルファス皮膜であり、水や塩素イオンなどの透過を抑制して金属の腐食を防止し得る。析出した水酸化ジルコニウム皮膜表面にはアミノシランシラノール基が金属表面の水酸基脱水縮合し、メタロキサン結合を形成して金属表面上に存在する。アミノシランのアミノ基は塗膜側に配向しており、塗膜の官能基と反応して強固な化学結合を形成することにより塗膜との密着性を高めると考えられる。このように本発明の塗装前処理方法により形成される処理皮膜は、耐食性、塗膜密着性の両者の観点から従来のリン酸亜鉛皮膜と同等以上の性能を有することができる。

0013

本発明の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法は、化成処理液によって車両のシャシ用金属表面を処理し、化成皮膜を形成するものである。これにより、鋼板防食性が付与され得る。
上記車両のシャシ用金属表面としては、熱間圧延、冷間圧延等の表面酸化により変成した鋼材表面、ショットブラスト等で黒皮等の変成層を落とした鋼材表面、並びに、Al−Cu系、Al−Zn−Mg系高張力アルミニウム合金、Al−Mg系、Al−Si系、Al−Si−Mg系の耐食性アルミニウム合金、アルマイト真鍮青銅、及び浸漬メッキ電気メッキからなる亜鉛メッキスズメッキニッケルメッキクロムメッキ等を挙げることができる。

0014

上記化成処理液は、金属元素換算50〜500ppmのジルコニウム、並びに、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1のシラン化合物を含有する。

0015

上記化成処理液は、金属元素換算で下限50ppm、上限500ppmであるジルコニウムを含有する。50ppm未満であると、皮膜形成が不充分であり、耐食性も不充分である。500ppmを超えると、それ以上の効果は望めず経済的に好ましくない。上記含有量は、75〜300ppmであることがより好ましい。

0016

上記ジルコニウムの供給源としては、特に限定されず、例えば、K2ZrF6等のアルカリ金属フルオロジルコネート;(NH4)2ZrF6等のフルオロジルコネート;H2ZrF6等のフルオロジルコネート酸等の可溶性フルオロジルコネート等;フッ化ジルコニウム;酸化ジルコニウム等を挙げることができる。なかでも、化成性に影響を与えないという点で、ジルコンフッ酸(H2ZrF6)又はジルコンフッ化アンモニウム(NH4)2ZrF6が好ましい。

0017

上記化成処理液はまた、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物からなる群より選択される少なくとも1のシラン化合物を含有する。上記シラン化合物は、分子中に少なくとも1つのアミノ基を有し、かつシロキサン結合を有する化合物である。これらの化合物が化成皮膜と塗膜の双方に作用することにより、両者の密着性が向上される。
なお、上記加水分解物としては、上記γ−アミノプロピルトリエトキシシラン又はγ−アミノプロピルトリメトキシシランが加水分解反応を起こして生成したものと、それらが縮合した加水分解反応縮合物とが挙げられる。

0018

上記化成処理液は、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランの加水分解物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン又はγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解物を50ppm〜500ppm含有するものであることが好ましい。50ppm未満であると、皮膜形成が不充分であり、耐食性も不充分であるおそれがある。500ppmを超えると、それ以上の効果は望めず経済的に好ましくないおそれがある。上記含有量は、75〜300ppmであることがより好ましい。

0019

上記γ−アミノプロピルトリエトキシシランの市販品としては、KBE−903(商品名、信越化学社製)、サイラエースS−330(商品名、チッソ社製)、等を挙げることができる。
上記γ−アミノプロピルトリメトキシシランの市販品としては、KBM−903(商品名、信越化学社製)、サイラエースS−360(商品名、チッソ社製)、等を挙げることができる。

0020

上記化成処理液は、更に、マグネシウムイオンを含有するものであることが好ましい。マグネシウムイオンを含有すると、より良好な密着性及び耐食性を有する化成皮膜を得ることができる。上記マグネシウムイオンの含有量は、下限50ppm、上限500ppmであることが好ましい。50ppm未満であると、皮膜形成が不充分であり、耐食性も不充分であるおそれがある。500ppmを超えると、それ以上の効果は望めず経済的に好ましくない。上記含有量は、75 〜400ppmであることがより好ましい。
上記マグネシウムイオンの供給源としては、硝酸マグネシウム硫酸マグネシウム又は炭酸マグネシウム等を挙げることができる。

0021

上記化成処理液は、更に、亜鉛イオンを含有するものであることが好ましい。上記亜鉛イオンを含有すると、より良好な密着性及び耐食性を有する化成皮膜を得ることができる。上記亜鉛イオンの含有量は、下限50ppm、上限1000ppmであることが好ましい。50ppm未満であると、皮膜形成が不充分であり、耐食性も不充分であるおそれがある。1000ppmを超えると、それ以上の効果は望めず経済的に好ましくない。上記含有量は、100〜750ppmであることがより好ましい。
上記亜鉛イオンの供給源としては、硝酸亜鉛硫酸亜鉛又は炭酸亜鉛等を挙げることができる。

0022

上記化成処理液は、pHが下限2、上限6である。2未満であると、エッチング過剰となり充分な皮膜形成ができなくなる。6を超えると、エッチングが不充分となり良好な皮膜が得られない。上記下限は、2.5であることがより好ましく、上記上限は、5.0であることがより好ましい。
上記化成処理液のpHを調整するために、硝酸硫酸等の酸性化合物、及び、水酸化ナトリウム水酸化カリウムアンモニア等の塩基性化合物を使用することができる。

0023

上記化成処理液は、実質的にリン酸イオンを含有しないものであることが好ましい。実質的にリン酸イオンを含まないとは、リン酸イオンが化成処理剤中の成分として作用する程含まれていないことを意味し、本発明において使用する化成処理剤は、実質的にリン酸イオンを含まないことから、環境負荷の原因となるリンを実質的に使用することがなく、リン酸亜鉛系処理剤を使用する場合に発生するリン酸鉄、リン酸亜鉛等のようなスラッジの発生を抑制することができる。

0024

上記化成処理液は、上記成分の他に必要に応じて、任意の成分を併用するものであってもよい。使用することができる成分としては、シリカ等を挙げることができる。このような成分を添加することで、塗装後耐食性を向上させることが可能である。

0025

本発明の塗装前処理方法における化成処理としては、特に限定されるものではなく、通常の処理条件によって化成処理液と黒皮鋼板等の被処理物とを接触させることによって行うことができる。化成処理方法としては、特に限定されず、例えば、浸漬法スプレー法ロールコート法等を挙げることができる。

0026

上記化成処理の条件として、化成処理液の温度は、30〜60℃であることが好ましい。30℃未満であると、化成反応性が低く充分な皮膜が得られないために耐食性が劣るおそれがある。60℃を超えると、それ以上の効果は望めず不経済である。上記化成液温度は、35〜50℃であることがより好ましい。また、処理時間は、30〜300秒であることが好ましい。30秒未満であると、充分な皮膜が得られず耐食性が劣るおそれがある。300秒を超えると、それ以上の効果は望めず不経済であるおそれがある。上記処理時間は、45〜240秒であることがより好ましい。

0027

本発明の塗装前処理方法により得られる化成皮膜は、皮膜量が化成処理剤に含まれる金属の合計量で下限5mg/m2、上限300mg/m2の範囲内であることが好ましい。5mg/m2未満であると、均一な化成皮膜が得られず好ましくない。300mg/m2を超えると、それ以上の効果は得られず、経済的に不利である。上記下限は、10mg/m2がより好ましく、上記上限は、200mg/m2がより好ましい。

0028

本発明の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法は、上記化成処理前に、表面調整工程を行わなくてもよい。
従来のリン酸塩水溶液による処理では、アルカリ脱脂及び水洗の後に、表面調整工程を必要としていたが、本発明の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法では、アルカリ脱脂及び水洗の後に、上記表面調整工程を必要とせず、より少ない工程で、良好な塗装密着性、耐食性を有する皮膜を得ることができる。

0029

上記アルカリ脱脂は、鋼板等の表面に付着している油分を除去するための脱脂工程であり、アルカリ脱脂洗浄液、無リン・無窒素脱脂洗浄液により、通常30〜55℃において数分程度の浸漬処理を行う。所望により、上記脱脂処理の前に、予備脱脂処理を行うことも可能である。その後、上記脱脂剤を水洗するために、大量の水洗水によって1回又はそれ以上のスプレー処理により脱脂後水洗処理が行われる。

0030

本発明の塗装前処理方法はまた、上記化成処理の後、水洗し、乾燥又はエアーブローした後、粉体塗装を行う方法であることが好ましい。
本発明において、上記化成処理の後、水洗が不充分であるとその後の粉体塗装において塗膜外観等に悪影響を及ぼすことから、2回又はそれ以上による化成後水洗処理が行われる。この場合、最終の水洗は、純水で行うことが適当である。上記純水の温度は、20〜80℃であることが好ましい。
本発明の方法はまた、アルカリ脱脂から化成処理後の純水洗までのすべての工程が、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでも行うことができるという点でも好ましい。このため、既存の設備転用することで本発明の方法を行うことができる。

0031

上記化成処理後の水洗処理の後は、乾燥又はエアーブローを行うことが好ましい。温度は、室温〜120℃であることが好ましい。乾燥時間は、5秒〜10分 であることが好ましい。
乾燥後に行う粉体塗装は、通常の粉体塗装の方法によって行うことができ、例えば、粉体塗料を被塗装物表面に、静電スプレー塗装法、流動層浸漬塗法等の手段によって塗布する粉体塗布工程と、被塗装物表面の粉体を加熱し、溶解・硬化させる加熱工程と、被塗装物を冷却する冷却工程とからなる方法等が挙げられる。
上記粉体塗料としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂アクリル樹脂ポリエステル樹脂等をメインバインダーとし、必要により多価カルボン酸ブロックイソシアネート等の硬化剤を配合しているもの等を挙げることができる。

0032

上述の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法によって被処理物を処理する工程(1)と、上記工程(1)の処理を施した処理物を粉体塗装する工程(2)とからなることを特徴とする粉体塗料の塗装方法もまた、本発明の一つである。上記工程(1)の後に、上述のように、必要に応じて、水洗、乾燥を行ってから、工程(2)を行ってもよい。

0033

本発明の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法は、特定量の特定成分からなる化成処理液によって車両のシャシ用金属表面を処理し、化成皮膜を形成するものであり、上記化成処理液がリン元素を含有しないため、環境への負荷が少なく、またスラッジの発生が極めて少なく廃水処理性が良好である。

0034

本発明の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法はまた、従来のリン酸亜鉛処理工程においては必要である表面調整工程を必要としないため、ラインの工程の短縮が可能となり、かつ従来のリン酸亜鉛皮膜と同等以上の塗装後性能(塗装密着性と耐食性)を有する処理皮膜を形成することができる。

発明の効果

0035

本発明の車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法は、上述した構成からなるため、リン元素を必須成分とせず、スラッジの発生が極めて少なく、廃水処理性が良好である。また、表面調整工程を必要とせずに従来のリン酸亜鉛皮膜と同等以上の塗装後性能(塗装密着性と耐食性)を有する処理皮膜を形成することができる。このため、車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法として好適に適用することができる。

発明を実施するための最良の形態

0036

以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、以下の実施例において、「部」又は「%」はそれぞれ「質量部」、「質量%」を意味する。

0037

実施例1の化成処理剤の調製
H2ZrF6(Zrとして200ppm)を水に溶かし、さらにMg(NO3)2(Mgとして200ppm)とZn(NO3)2(Znとして500ppm)を添加し、最後にγ−APS(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)を必要量添加し攪拌してよく混ぜた後、アンモニア水でpHを4.0に調整した。

0038

(実施例1)
ショットブラスト済みの黒皮鋼板(70×150×5mm、日本テストパネル社製)をアルカリ脱脂剤(サーフクリーナーEC92、日本ペイント社製)により42℃×2分で脱脂した後水洗し、実施例1の化成処理剤により40℃×90秒で化成処理を行った。その後水洗し、更に60℃の純水で水洗した後エアーブローして乾燥した。その後、粉体塗料(パウダクスP200ブラック、日本ペイント社製ポリエステル系粉体塗料)を静電スプレー塗装し、160℃×20分キープで焼付けを行い、膜厚が50μmとなるようにした。

0039

(実施例2〜6、比較例1〜3)
表1のように化成処理液の成分濃度と、化成処理の温度及び時間とを変えた以外は実施例1と同様の方法で化成処理を行い、その後水洗し、乾燥し、粉体塗装を行った。
(比較例4)
実施例1と同様の素材アルカリ脱脂後水洗し、表面調整剤(サーフファイン5N−8R、日本ペイント社製)により室温で30秒浸漬して表面調整した後、従来のリン酸亜鉛処理剤(サーフダインSD5350、日本ペイント社製)に35℃で2分間浸漬した後、実施例1と同様に、その後水洗し、乾燥し、粉体塗装を行った。

0040

評価方法
塩水噴霧試験SST)
粉体塗装した板にカッタークロスカット(10cm×10cm)を入れた後、5%NaCl水溶液で35℃にて360時間スプレー処理した。その後、カット部よりの両側の錆幅を測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示した。
〇:錆幅5mm以内
×:錆幅5mm以上

0041

0042

表1より、本発明の処理を行った処理物は、良好な耐食性が見られたが、比較例の処理を行った処理物は、耐食性に劣るものであった。また、本発明の処理を行った処理物は、表面調整工程を必要とせずに、従来のリン酸亜鉛による処理物(比較例4)と同等以上の耐食性を有するものであった。

0043

本発明は、廃水処理性が良好で、表面調整を行わなくても良好な密着性や耐食性を有する皮膜を形成することができる車両のシャシ用金属表面の塗装前処理方法として、好適に利用され得る。

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