図面 (/)

技術 熱伝導性シート及びその製造方法

出願人 スリーエムイノベイティブプロパティズカンパニー
発明者 依田真樹山崎好直
出願日 2004年12月3日 (16年0ヶ月経過) 出願番号 2004-351422
公開日 2006年6月22日 (14年6ヶ月経過) 公開番号 2006-160830
状態 特許登録済
技術分野 高分子成形体の製造 高分子組成物
主要キーワード 硬度変化率 発熱板 ドウソナイト 初期硬度 非シリコーン系樹脂 ポリフェノール系酸化防止剤 モノフェノール系酸化防止剤 アルキルアクリレート単量体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年6月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

非シリコーン系である(メタアクリル重合体系の熱伝導性シートであって、高い熱伝導率熱安定性両立させ得る熱伝導性シートを提供する。

解決手段

(A)(メタ)アクリル重合体、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性シートを提供する。

概要

背景

近年電子機器の小型化や高集積化が進むことにより、チップ等の発熱体周辺発熱密度はますます増大し、より熱伝導率の高い熱伝導性シートの要求が大きくなっている。同時に、電子機器の接点不良を起こす可能性の少ない非シリコーン系樹脂バインダー成分として用いた熱伝導性シートが求められている。

非シリコーン系の熱伝導性シートやシートに使用し得る組成物としては、例えば、アクリル系樹脂熱伝導性フィラー充填した成形体やシートが開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、(メタアルキルアクリレート単量体と熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性接着剤やこれを重合した熱伝導性接着剤が開示されている(例えば、特許文献3及び4参照)。

なお、ポリオレフィン系樹脂においては、熱や光などによる劣化に対する安定性の改良が種々試みられており、タルクなどのフィラーポリオレフィンに充填した系において種々の熱安定剤の使用が提案されている(例えば、特許文献5及び6参照)。

特開2001−310984号公報
特開2003−238760号公報
特開2004−059851号公報
特開平10−316953号公報
特許第2615829号公報
特許第3133375号公報

概要

非シリコーン系である(メタ)アクリル重合体系の熱伝導性シートであって、高い熱伝導率と熱安定性両立させ得る熱伝導性シートを提供する。(A)(メタ)アクリル重合体、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性シートを提供する。なし

目的

本発明は、上述した課題に対応するものであり、非シリコーン系である(メタ)アクリル重合体系の熱伝導性シートであって、高い熱伝導率と熱安定性を両立させ得る熱伝導性シートを提供することを特徴とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

請求項2

(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性組成物硬化させて形成される請求項1に記載の熱伝導性シート。

請求項3

(C)フェノール系酸化防止剤を、(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分100質量部に対して0.05〜2質量部含む請求項1又は2に記載の熱伝導性シート。

請求項4

(D)イオウ系酸化防止剤を、(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分100質量部に対して0.05〜3質量部含む請求項1〜3の何れかに記載の熱伝導性シート。

請求項5

(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性シート又は熱伝導性組成物100体積%に対して、前記水酸化アルミニウムを10〜75体積%含む請求項1〜4の何れかに記載の熱伝導性シート。

請求項6

(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性シート又は熱伝導性組成物100体積%に対して、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラーを55体積%以上含む請求項1〜5の何れかに記載の熱伝導性シート。

請求項7

(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性組成物を硬化させて形成する熱伝導性シートの製造方法。

技術分野

0001

本発明は(メタアクリル重合体及び熱伝導性フィラーを含む熱伝導性シートに関し、更に詳しくは、高い熱伝導性を有するとともに、熱安定性に優れた熱伝導性シート及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年電子機器の小型化や高集積化が進むことにより、チップ等の発熱体周辺発熱密度はますます増大し、より熱伝導率の高い熱伝導性シートの要求が大きくなっている。同時に、電子機器の接点不良を起こす可能性の少ない非シリコーン系樹脂バインダー成分として用いた熱伝導性シートが求められている。

0003

非シリコーン系の熱伝導性シートやシートに使用し得る組成物としては、例えば、アクリル系樹脂に熱伝導性フィラーを充填した成形体やシートが開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、(メタ)アルキルアクリレート単量体と熱伝導性フィラーとを含む熱伝導性接着剤やこれを重合した熱伝導性接着剤が開示されている(例えば、特許文献3及び4参照)。

0004

なお、ポリオレフィン系樹脂においては、熱や光などによる劣化に対する安定性の改良が種々試みられており、タルクなどのフィラーポリオレフィンに充填した系において種々の熱安定剤の使用が提案されている(例えば、特許文献5及び6参照)。

0005

特開2001−310984号公報
特開2003−238760号公報
特開2004−059851号公報
特開平10−316953号公報
特許第2615829号公報
特許第3133375号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1〜4に開示されているような(メタ)アクリル重合体系熱伝導性シートでは高い熱伝導率と熱安定性を達成することが困難であった。特に高い熱伝導性を得るために熱伝導性フィラーの充填量を増やすと、熱安定性が低下し、シートの柔軟性が持続しないという問題があった。また、特許文献5及び6に開示されているようなオレフィン系樹脂組成物は、柔軟性が低く熱伝導性フィラーの充填量も少ないため熱伝導性シートには適していない。従って、高い熱伝導率と熱安定性を両立させ得る非シリコーン系の熱伝導性シートが求められている。

0007

本発明は、上述した課題に対応するものであり、非シリコーン系である(メタ)アクリル重合体系の熱伝導性シートであって、高い熱伝導率と熱安定性を両立させ得る熱伝導性シートを提供することを特徴とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題に対応すべく検討を行った結果、以下のことが見出された。即ち、適当な粒度の熱伝導性フィラーを選択することにより、熱伝導性フィラーを高充填した(メタ)アクリル重合体系熱伝導性シートを作ることは可能であるが、金属酸化物金属水和化合物等の熱伝導性フィラーを高充填した際には、熱安定性が大きく低下する。この熱安定性の低下は、金属酸化物や金属水和化合物等が表面に水酸基を多く有するため大きな酸化促進作用を示すことに起因すると考えられる。そして、このような系において、フェノール系酸化防止剤イオウ系酸化防止剤とを組み合わせて用いることにより熱酸化を抑制する相乗効果が得られ、非常に大きな熱安定性改良効果を示すことを見出した。本発明は上述の知見に基づきなされたものであり、本発明により以下の(メタ)アクリル重合体系熱伝導性シート及びその製造方法が提供される。

0009

[1](A)(メタ)アクリル重合体、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性シート。

0010

[2](A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性組成物硬化させて形成される上記[1]に記載の熱伝導性シート。

0011

[3](C)フェノール系酸化防止剤を、(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分100質量部に対して0.05〜2質量部含む上記[1]又は[2]に記載の熱伝導性シート。

0012

[4](D)イオウ系酸化防止剤を、(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分100質量部に対して0.05〜3質量部含む上記[1]〜[3]の何れかに記載の熱伝導性シート。

0013

[5](A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性シート又は熱伝導性組成物100体積%に対して、前記水酸化アルミニウムを10〜75体積%含む上記[1]〜[4]の何れかに記載の熱伝導性シート。

0014

[6](A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性シート又は熱伝導性組成物100体積%に対して、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラーを55体積%以上含む上記[1]〜[5]の何れかに記載の熱伝導性シート。

0015

[7](A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分、(B)水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性組成物を硬化させて形成する熱伝導性シートの製造方法。

発明の効果

0016

本発明の熱伝導性シートは、(メタ)アクリル重合体及び熱伝導性フィラーを含む系にフェノール系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤を組み合わせて用いるため熱伝導率が高くかつ熱安定性に優れる。また、本発明のアクリル系熱伝導性シートの製造方法は、このような熱伝導性シートを好適に作ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明を具体例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、以下において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」のことをいい、「(メタ)アクリル単量体」とは、「アクリル酸アクリル酸エステル等のアクリル系単量体、又はメタクリル酸メタクリル酸エステル等のメタクリル系単量体」のことをいう。

0018

本発明の熱伝導性シートは、(A)成分として(メタ)アクリル重合体、(B)成分として水酸化アルミニウムを含む熱伝導性フィラー、(C)成分としてフェノール系酸化防止剤、及び(D)成分としてイオウ系酸化防止剤を含む。以下、各成分について具体的に述べる。

0019

(A)成分:(メタ)アクリル重合体
(メタ)アクリル重合体は、(A’)(メタ)アクリル単量体を含む単量体成分を重合及び任意的架橋して得られる重合体である。(メタ)アクリル単量体としては、一般的な(メタ)アクリル重合体を形成するために用いられる単量体であればよく、特に限定されるものではない。好適例としては、炭素数が20以下のアルキル基エステル基として有する単官能(メタ)アクリル単量体が挙げられ、より具体的には、エチル(メタ)アクリレートブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、アクリル酸、メタクリル酸等も好適例として挙げられる。なお、このような単官能(メタ)アクリル単量体は、単独で使用しても二種以上を混合して使用してもよい。更には、炭素数の異なる少なくとも二種の単官能(メタ)アクリレートを使用することによってシートの柔軟性を調節することができる。

0020

(A’)単量体成分が、上述の単官能(メタ)アクリル単量体に加え、多官能(メタ)アクリル単量体を含むことも好ましい。(A’)単量体成分が多官能(メタ)アクリル単量体を含むことにより、重合体を架橋することができ、シートの強度を向上させることができる。多官能(メタ)アクリル単量体としては、アクリルオキシ基及びメタクリルオキシ基からなる群より選択される官能基を2個以上含む化合物が好ましい。具体的な好適例としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレートジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレートポリ(ブタンジオール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリイソプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートビスフェノールAジメタクリレート等のジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートトリメチロールプロパントリメタクリレートペンタエリトリトールモノヒドロキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート等のトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート等のテトラアクリレート、ジペンタエリトリトール(モノヒドロキシ)ペンタアクリレート等のペンタアクリレートが挙げられる。多官能(メタ)アクリル単量体は単独で使用しても、二種以上を混合して使用してもよい。

0021

(A’)単量体成分が上述の多官能(メタ)アクリル単量体を含む場合に、その含有量に特に制限はない。しかし、その含有量が少なすぎると多官能(メタ)アクリル単量体による架橋の効果が十分に表れない場合があり、多すぎるとシートの柔軟性が低下する場合がある。その含有量は単官能(メタ)アクリル単量体100質量部に対して通常、0.01〜5質量部である。

0022

(B)熱伝導性フィラー
熱伝導性フィラーは、熱伝導性シートに実質的な熱伝導性を発揮させるための必須の成分である。具体的に採用される熱伝導性フィラーは、水酸化アルミニウムを含む。水酸化アルミニウムを必須成分とする熱伝導性フィラーを含むことで、フィラーの充填性に優れ、かつ難燃性に優れた熱伝導性シートとすることができる。更に、水酸化アルミニウムに加えて、その他の金属水和化合物や金属酸化物を熱伝導性フィラーが含むことができる。難燃性を十分発揮するには、水酸化アルミニウムの含有量は熱伝導性組成物中、通常10体積%以上である。また、熱伝導性シートとして柔軟性が損なわれたり、フィラーを充填できない等のことを防ぐため、水酸化アルミニウムの含有量は熱伝導性組成物中、通常75体積%以下である。

0023

金属酸化物の具体例としては、酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化ベリリウム酸化チタン酸化ジルコニウム酸化亜鉛等が挙げられる。この中でも酸化アルミニウム(アルミナ)が、熱伝導性が高くかつ高充填し易いという点で特に好ましい。金属水和化合物は、難燃剤としても作用するため、熱伝導性シートが水酸化アルミニウム以外の金属水和化合物を含むことも好ましい。水酸化アルミニウム以外の金属水和化合物としては、水酸化マグネシウム水酸化バリウム水酸化カルシウムドウソナイトハイドロタルサイトホウ酸亜鉛アルミン酸カルシウム酸化ジルコニウム水和物等を挙げることができる。

0024

また、上述の熱伝導性フィラー以外の熱伝導性フィラーを熱伝導性シートが更に含んでもよい。他の熱伝導性フィラーとしては、窒化ホウ素窒化アルミニウム窒化ケイ素炭化ホウ素炭化アルミニウム炭化ケイ素等を挙げることができる。

0025

これらの熱伝導性フィラーは、通常、粒子の状態で添加される。なお、その平均粒径が5〜50μmである比較的大きな粒子径群と、その平均粒径が5μm未満である比較的小さな粒子径群とを組み合わせて用いることで、熱伝導性フィラーの添加量(充填量)を高めることができる。更に、シラン系カップリング剤チタネート系カップリング剤、又は脂肪酸等の表面処理剤で、熱伝導性フィラーを表面処理することで、得られる熱伝導性シートの強度(例えば、引張強度)を向上させることができる。この中でも、チタネート系カップリング剤は、フィラーを多く含む熱伝導性組成物の粘度を低下させる効果に優れるため製造工程上特に好ましい。なお、予め熱伝導性フィラーをこのような表面処理剤で処理した後に他の成分と混合してもよいが、表面処理剤を熱伝導性フィラーとともに熱伝導性組成物中に加え混合した後硬化させることでも表面処理の効果を得ることができる。

0026

熱伝導性シートの熱伝導率は、1W/m・K以上であることが好ましく、3W/m・K以上であることが更に好ましい。従って、熱伝導率をより向上させる観点から熱伝導性フィラーの含有量は多いほうが好ましい。熱伝導性組成物中の熱伝導性フィラーの含有量は熱伝導性組成物に対して通常55体積%以上である。一方、熱伝導性フィラーが多すぎるとシートが脆くなりすぎたり製造が困難になる場合がある。従って、熱伝導性フィラーの含有量は熱伝導性組成物に対して通常85体積%以下である。このように熱伝導性フィラーの含有量が非常に多い場合において、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤の組み合わせによる効果がより明確に示される。従って、本発明は、熱伝導性フィラーの含有量が非常に多い場合、特に熱伝導性組成物に対して55体積%以上の場合に特に有効である。また、水酸化アルミニウムを含む金属水和化合物の総含有量は、難燃性の観点から、熱伝導性組成物中通常10体積%以上含まれる。

0027

(C)フェノール系酸化防止剤
フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系酸化防止剤などの通常使われているものを挙げることができる。好適な例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、t−ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート等のモノフェノール系酸化防止剤;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等のビスフェノール系酸化防止剤;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系酸化防止剤を挙げることができる。これらは単独で使用しても、二種以上を混合して使用してもよい。

0028

フェノール系酸化防止剤の量に特に制限はないが、少なすぎると十分な熱安定性改良効果が得られない場合がある。従って、フェノール系酸化防止剤は(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分100質量部に対して、通常0.05質量部以上含む。一方、フェノール系酸化防止剤の量が多すぎるとブリードアウトの問題が生じる場合がある。更に、単量体成分と熱伝導性フィラーを混合した後硬化させてシートを形成する場合に、硬化速度が低下する場合がある。従って、(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分100質量部に対して、通常2質量部以下含む。なお、本発明はフェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤を併用する相乗効果により、酸化防止剤の添加量が少なくても十分な熱安定性を得ることができ、フェノール系酸化防止剤の量を減らすことができる。従って、上述のように単量体成分と熱伝導性フィラーとを混合した後硬化させてシートを形成する場合に、硬化反応を大きく阻害することなく熱安定性を改良できるという点でフェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤との組み合わせは特に有効である。

0029

(D)イオウ系酸化防止剤
イオウ系酸化防止剤としては、チオエーテル系酸化防止剤などの通常使われているものを使用することができる。好適な例としては、チオジプロピオン酸エステルアルキルチオプロピオン酸エステルを挙げることができ、具体的にはジラウリルチオジプロピオネートジステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートジトリデシルチオジプロピオネートペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などを挙げることができる。これらは単独で使用しても、二種以上を混合して使用してもよい。

0030

イオウ系酸化防止剤の量に特に制限はないが、少なすぎると十分な熱安定性改良効果が得られない場合がある。従って、イオウ系酸化防止剤は(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分100質量部に対して、通常0.05質量部以上含む。一方、イオウ系酸化防止剤の量が多すぎると、臭気が発生する場合がある。従って、(A)(メタ)アクリル重合体又は(A’)(メタ)アクリル単量体含有単量体成分100質量部に対して、通常3質量部以下含む。

0031

熱伝導性シートの熱や光に対する安定性を更に改良するために、リン系酸化防止剤を更に併用してもよい。リン系酸化防止剤の好適な例としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンジホスフォイト等が挙げられる。

0032

その他の添加剤
本実施形態の熱伝導性シートには、熱伝導性シートの特性が損なわれない限りにおいて種々の添加剤を添加することができる。具体的には、粘着付与剤可塑剤、難燃剤、難燃助剤沈降防止剤増粘剤超微粉シリカ等のチクソトロピー剤界面活性剤消泡剤着色剤導電性粒子静電気防止剤金属不活性化剤等を挙げることができる。なお、これらの添加剤を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。

0033

次に、本発明の熱伝導性シートの製造方法について説明する。本実施形態の熱伝導性シートは、例えば、特開平11−292998号公報、特開平10−316953号公報、特開平10−330575号公報等の従来公知の文献に記載された方法に従って製造することができる。

0034

(A’)単量体成分、(B)熱伝導性フィラー、(C)フェノール系酸化防止剤、及び(D)イオウ系酸化防止剤を含む熱伝導性組成物に必要に応じて重合開始剤を添加し、プラネタリーミキサー等で脱気・混合して混合物を得、得られた混合物をシート状に成形等した後に、重合及び必要に応じて架橋を行って、シート状の成形物を硬化させることにより熱伝導性シートを得ることができる。このような方法は、熱伝導性フィラーの高充填、例えば熱伝導性組成物に対して55体積%以上の含有量となるように充填することを可能とする。従って、特に熱伝導性フィラーの含有量が多い熱伝導性シートの製造に好適である。

0035

重合は種々の方法によって行うことができる。具体的には、熱重合紫外線重合電子線重合、γ−線照射重合、イオン化線照射重合等を挙げることができる。熱伝導性組成物を熱重合する場合には、熱伝導性組成物に熱重合開始剤を適当量含有させて、シート状の成形物を50〜200℃程度に加熱する。また、紫外線重合する場合には、熱伝導性組成物に光重合開始剤を適当量含有させて、シート状の成形物に紫外線を照射する。但し、熱伝導性フィラーの添加量(充填量)が多い場合には、紫外線の透過が制限されることがある。このような場合には、紫外線重合に代えて熱重合を採用することが好ましい。なお、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で重合を行うことが、酸素による重合の阻害を抑制することができるために好ましい。また、電子線重合をはじめとする粒子エネルギー線を用いて重合する場合には、通常、重合開始剤は不要である。

0036

熱重合開始剤としては、ジアシルパーオキシド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキシド類、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネート類等の有機過酸化物を用いることができる。より具体的には、ラウロイルパーオキシドベンゾイルパーオキシドシクロヘキサノンパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキシド等を挙げることができる。なお、パースルフェートとビスルファイトを組み合わせたものを用いてもよい。

0037

光重合開始剤としては、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル類アニインエチルエーテル、アニソインイソプロピルエーテル、ミヒラーケトン(4,4’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(例えば、商品名:KB−1(サルトマー社製)、商品名:イルガキュア651(Irgacure651)(チバスシャルティーケミカルズ社製))、2,2−ジエトキシアセトフェノン等の置換アセトフェノン類を挙げることができる。その他、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン等の置換α−ケトール類、2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド類、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニルオキシム等の光活性オキシム化合物等を挙げることができる。なお、上述してきた熱重合開始剤や光重合開始剤を任意に組み合わせて用いることもできる。重合開始剤の量に特に制限はないが、通常は(A’)単量体成分100質量部に対して0.1〜2.0質量部である。

0038

(A’)単量体成分は、熱伝導性フィラーと混合する前にあらかじめ予備重合して増粘させてもよい。予備重合は、通常5〜10000mPa・s程度の粘度となるまで行う。予備重合は種々の方法によって行うことができる。具体的には、熱重合、紫外線重合、電子線重合、γ−線照射重合、イオン化線照射重合等を挙げることができる。熱や紫外線により予備重合を行う場合には、単量体成分に上述したような熱重合開始剤、光重合開始剤等の重合開始剤を添加することができる。

0039

上述してきたような熱伝導性シートは、電子部品、特にパワートランジスタグラフィック集積回路(IC)、チップセットメモリセット中央処理装置(CPU)等の半導体・電子部品と、ヒートシンク放熱器等の間に配設され、これらの間で熱を伝達するために好適に用いることができる。熱伝導性シートの厚みに特に制限はないが、実質的な製造可能性や取り扱い性等の観点からは、0.1mm以上であればよい。

0040

以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0041

(実施例1及び比較例1〜3)
表1に記載の各バインダー成分をプラネタリーミキサーに一括仕込み減圧下(50mmHg)、30分間混練することによって、熱伝導性組成物を各々得た。各熱伝導性組成物中の熱伝導性フィラーの含有量を表2に示す。得られた各熱伝導性組成物を、シリコーン離型剤で処理された2枚のポリエチレンテレフタレート(PET)ライナーで挟持し、硬化後の厚みが1mm(PETライナーの厚みを除く)のシート状となるようにカレンダー成形した。得られた成形物を、140℃のオーブンで15分間加熱することにより硬化させ、厚さ1mmの熱伝導性シートを各々作成した。

0042

0043

0044

(実施例2〜6及び比較例4〜8)
表3及び4に記載のバインダー成分及び配合量とした以外は、実施例1と同様にして厚さ1mmの熱伝導性シートを各々作成した。各熱伝導性組成物中の熱伝導性フィラーの含有量を表5及び6に示す。実施例4では、炭素数の異なる二種類の(メタ)アクリレートを使用した。また、実施例5では、極性モノマーであるアクリル酸を使用した。なお、比較例8の配合では、組成物の粘度が非常に高いためにPETライナーへのコーティングが困難となり、シートに成形することができなかった。

0045

0046

0047

0048

0049

得られた各熱伝導性シートについて、以下の方法により硬度経時変化を測定し、熱安定性の指標とした。併せて、熱伝導率も以下の方法により測定した。

0050

[硬度の経時変化−1]:実施例1及び比較例1〜3(表1及び表2に記載の配合)で作成した熱伝導性シートを各々10枚積層して測定用サンプルとし、アスカーC硬度計により、サンプルの初期硬度荷重1kgで測定した。その後サンプルを110℃のオーブン中に4週間保管した後、サンプルを25℃に降温させて硬度を測定した。得られた初期硬度及び4週間後の硬度から次式により硬度変化率ΔH(%)を求めた。ここで、ΔHが小さいほど柔軟性が保持され、熱安定性に優れていることを示す。

0051

ΔH(%)={〔(4週間後の硬度)−(初期硬度)〕/初期硬度}×100

0052

[硬度の経時変化−2]:実施例1〜6及び比較例1〜7で作成した熱伝導性シートについて、180℃のオーブン中に12時間保管したことを除き、上記と同様にして硬度変化率ΔH(%)を求めた。なお、比較例8のサンプルについては、シートに成形できなかったため、評価することができなかった。

0053

[熱伝導率]:作成した熱伝導性シートから0.01m×0.01mの切片面積が1.0×10-4m2、厚さがL(m))を切出し、この切片を発熱板冷却板で挟み、7.6×104N/m2の一定荷重の下、4.8Wの電力を加えて5分間保持したときの発熱板と冷却板との温度差を測定し、次式により熱抵抗RLを求めた。なお、次式において測定面積は上記切片の面積である。

0054

RL(K・m2/W)=温度差(K)×測定面積(m2)/電力(W)

0055

更に、切片を2枚積層したサンプルを作成し、厚みが2L(m)の場合の熱抵抗R2L(K・m2/W)を上記と同様に測定した。得られたRLとR2Lとを用いて次式により熱伝導率λ(W/m・K)を求めた。

0056

λ(W/m・K)=(2L(m)−L(m))/(R2L(K・m2/W)−RL(K・m2/W))

0057

評価結果を表7及び表8に示す。表7に示すように、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤とを組み合わせた実施例1のシートは熱伝導性フィラーの含有量が多いにもかかわらず良好な熱安定性を示した。また、熱伝導性フィラーの含有量が多いため、非常に高い熱伝導率を示した。フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤を各々単独で用いた比較例1及び2のシートは、低い熱安定性を示した。また、熱伝導性フィラーの含有量が比較的少ない比較例3のシートは、表7に示す温度条件においては、良好な熱安定性を示したが表8に示す温度条件においては、低い熱安定性を示した。

0058

表8に示すように、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤を組み合わせた実施例1〜6のシートは、より高温の温度条件においても良好な熱安定性を示した。フェノール系酸化防止剤単独で使用した場合には、その添加量を増やしても良好な熱安定性は得られなかった(比較例5参照)。また、フェノール系酸化防止剤を増やした比較例5において重合阻害に起因して、表面にべたつきがみられアクリルモノマー臭が顕著となった。このような現象は作業性や環境に与える影響の観点から好ましくない。なお、表には示さなかったが、フェノール系酸化防止剤を単独で用い、その添加量を15質量部まで増やした場合には、硬化せず、シートを得ることができなかった。

0059

また、ヒンダードアミン系酸化防止剤単独で用いても、ヒンダードアミン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤とを組み合わせて用いても、低い熱安定性を示した(比較例4及び6参照)。なお、ヒンダードアミン系酸化防止剤を1.0質量部添加した比較例6のシートにおいて、表面にブルームがみられ、低い取り扱い性を示した。

0060

また、各シートについて、Underwriters Laboratories Inc. Standard No.94「プラスチック材料燃焼性試験(1996年)」(以下、UL94規格という)に基づく難燃性の評価も行った。その結果、実施例6及び比較例7で得られたシート以外のシートは、UL94規格のV−2をクリアする難燃性を示したが、比較例7で得られたシートは難燃性に劣り、その基準をクリアできなかった。実施例6において、フェノール系安定剤とイオウ系安定剤との併用による本発明の熱安定性の改良効果が見られたが、水酸化アルミニウムの量が少ないために難燃性という点では他の実施例に比べて劣っていた。なお、熱伝導性シートの難燃性の尺度としてUL94規格に基づく試験がよく用いられ、通常はV−2以上の難燃性を有することが好ましい。

0061

0062

0063

上述してきたように、本発明の熱伝導性シートは、熱安定性に優れ、電子機器等の熱伝導性シートとして好適に用いることができる。また、本発明の熱伝導性シートの製造方法は、このような熱伝導性シートを好適に製造することができる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ