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技術 前後輪駆動車両の制御装置

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 西田健三
出願日 2004年12月8日 (16年0ヶ月経過) 出願番号 2004-355040
公開日 2006年6月22日 (14年6ヶ月経過) 公開番号 2006-160101
状態 特許登録済
技術分野 動力伝達装置の配置~駆動
主要キーワード 各電気モータ 配分割合 照射角θ 後輪付近 照射角制御 検出信号値 通常制御処理 ゼロ点補正
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

走行中でも、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に決定することができ、それにより、路面への駆動力の伝達効率燃費および運転性をいずれも向上させることができる前後輪駆動車両制御装置を提供する。

解決手段

前後輪駆動車両Vの制御装置1のAWD・ECU2aは、駆動力伝達機構8を介して後輪W3,W4に供給すべき目標リヤ伝達トルクRTDCMDを算出し(ステップ12)、車高差変化量DDVHの移動平均値DDVHAVEを算出し(ステップ24〜27)、移動平均値DDVHAVEに応じて変化量補正係数KDDVを算出し、これで目標リヤ伝達トルクRTDCMDを補正することにより、リヤ伝達トルクRTDを算出する(ステップ28,29)。

概要

背景

従来、この種の制御装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。この駆動力制御装置は、車速を検出する車速センサと、車両の前輪付近および後輪付近車高をそれぞれ検出する前輪車高センサおよび後輪車高センサと、前後トランスファクラッチ装置に制御油圧を供給する制御油圧発生装置と、これらの3つのセンサおよび制御油圧発生装置が接続されたコントローラなどを備えている。この制御装置では、以下に述べるように、コントローラにより、3つのセンサの検出信号に基づき、制御油圧発生装置を介して前輪および後輪に供給される駆動力の配分が制御される。

すなわち、車両が停止状態にある場合、前後輪の車高を算出し、空積時の前後輪の車高と算出した現在の前後輪の車高との差に基づき、現在の積載状態に起因する前輪側および後輪側の重量配分を算出する。そして、算出された重量配分に対応して、前輪および後輪に供給される駆動力の配分が決定されるとともに、その駆動力の配分が走行開始から次回の車両の停止時まで保持される。

実開平5−76847号公報

概要

走行中でも、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に決定することができ、それにより、路面への駆動力の伝達効率燃費および運転性をいずれも向上させることができる前後輪駆動車両の制御装置を提供する。前後輪駆動車両Vの制御装置1のAWD・ECU2aは、駆動力伝達機構8を介して後輪W3,W4に供給すべき目標リヤ伝達トルクRTDCMDを算出し(ステップ12)、車高差変化量DDVHの移動平均値DDVHAVEを算出し(ステップ24〜27)、移動平均値DDVHAVEに応じて変化量補正係数KDDVを算出し、これで目標リヤ伝達トルクRTDCMDを補正することにより、リヤ伝達トルクRTDを算出する(ステップ28,29)。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、走行中でも、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に決定することができ、それにより、路面への駆動力の伝達効率、燃費および運転性をいずれも向上させることができる前後輪駆動車両の制御装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

原動機からの駆動力により前輪および後輪を駆動可能に構成され、当該前輪および当該後輪に供給される駆動力の配分を駆動力可変機構により変更する前後輪駆動車両制御装置であって、前記駆動力を算出する駆動力算出手段と、前記駆動力可変機構を介して前記前輪および前記後輪に供給すべき前記駆動力の配分を決定する駆動力配分決定手段と、前記前後輪駆動車両の前側の所定部位の高さを前側車高として検出する前側車高検出手段と、前記前後輪駆動車両の後ろ側の所定部位の高さを後ろ側車高として検出する後ろ側車高検出手段と、前記検出された前側車高および後ろ側車高の偏差である車高差変化度合を算出する車高差変化度合算出手段と、当該算出された車高差の変化度合に応じて、前記駆動力の配分を補正する配分補正手段と、を備えることを特徴とする前後輪駆動車両の制御装置。

請求項2

前記配分補正手段は、複数の制御サイクルにおいてそれぞれ得られた複数の前記車高差の変化度合の平均値に応じて、前記駆動力の配分を補正することを特徴とする請求項1に記載の前後輪駆動車両の制御装置。

請求項3

前記車高差の正負反転したときには、前記配分補正手段は、前記駆動力の配分補正を中止し、前記駆動力配分決定手段は、前記後輪に配分される駆動力を当該正負の反転前の値に保持することを特徴とする請求項1に記載の前後輪駆動車両の制御装置。

請求項4

前記前後輪駆動車両は、前照灯照射角を変更する照射角可変機構を有しており、前記車高差に応じて、前記照射角可変機構を介して前記前照灯の照射角を制御する照射角制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の前後輪駆動車両の制御装置。

請求項5

前記照射角制御手段および前記照射角可変機構を含む照射角制御部の故障を判定する故障判定手段をさらに備え、前記照射角制御手段は、前記車高差を算出するとともに、当該算出された車高差に応じて、前記前照灯の照射角を制御し、前記車高差変化度合算出手段は、前記故障判定手段により前記照射角制御部が正常であると判定されたときには、前記照射角制御手段により算出された前記車高差に基づいて、前記車高差の変化度合を算出し、前記照射角制御部が故障していると判定されたときには、前記車高差を算出するとともに、当該算出した車高差に基づいて、前記車高差の変化度合を算出することを特徴とする請求項4に記載の前後輪駆動車両の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、原動機からの駆動力により前輪および後輪が駆動可能な前後輪駆動車両において、前輪および後輪に配分される駆動力を制御する前後輪駆動車両の制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、この種の制御装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。この駆動力制御装置は、車速を検出する車速センサと、車両の前輪付近および後輪付近車高をそれぞれ検出する前輪車高センサおよび後輪車高センサと、前後トランスファクラッチ装置に制御油圧を供給する制御油圧発生装置と、これらの3つのセンサおよび制御油圧発生装置が接続されたコントローラなどを備えている。この制御装置では、以下に述べるように、コントローラにより、3つのセンサの検出信号に基づき、制御油圧発生装置を介して前輪および後輪に供給される駆動力の配分が制御される。

0003

すなわち、車両が停止状態にある場合、前後輪の車高を算出し、空積時の前後輪の車高と算出した現在の前後輪の車高との差に基づき、現在の積載状態に起因する前輪側および後輪側の重量配分を算出する。そして、算出された重量配分に対応して、前輪および後輪に供給される駆動力の配分が決定されるとともに、その駆動力の配分が走行開始から次回の車両の停止時まで保持される。

0004

実開平5−76847号公報

発明が解決しようとする課題

0005

一般に、車両の前後輪の車高は、走行中の路面の勾配の変化に伴って変化するので、それに伴って、前輪および後輪に供給すべき適切な駆動力の配分も変化する。すなわち、登坂走行中または降坂走行中では、前輪および後輪に供給すべき駆動力の適切な配分は、平坦路を走行しているときのものと比べて変化する。これに対して、上記従来の制御装置によれば、前輪および後輪に供給される駆動力の配分は、停車中に決定された以降、次の停車時まで変更されないので、走行中、路面の勾配が変化した場合には、それに応じて前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に決定することができず、その結果、路面への駆動力の伝達効率の低下、それに伴う燃費の低下および運転性の低下を招くおそれがある。

0006

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、走行中でも、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に決定することができ、それにより、路面への駆動力の伝達効率、燃費および運転性をいずれも向上させることができる前後輪駆動車両の制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、原動機(内燃機関3)からの駆動力により前輪W1,W2および後輪W3,W4を駆動可能に構成され、前輪および後輪に供給される駆動力の配分を駆動力可変機構駆動力伝達機構8)により変更する前後輪駆動車両Vの制御装置1であって、駆動力(駆動トルクDTD)を算出する駆動力算出手段(AWD・ECU2a、ステップ11)と、駆動力可変機構を介して前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を決定する駆動力配分決定手段(AWD・ECU2a、ステップ10,12)と、前後輪駆動車両Vの前側の所定部位の高さを前側車高FVHとして検出する前側車高検出手段(前側車高センサ23)と、前後輪駆動車両Vの後ろ側の所定部位の高さを後ろ側車高RVHとして検出する後ろ側車高検出手段(後ろ側車高センサ24)と、検出された前側車高および後ろ側車高の偏差である車高差DVHの変化度合車高差変化量DDVH、車高差変化量の移動平均値DDVHAVE)を算出する車高差変化度合算出手段(AWD・ECU2a、ステップ24〜27)と、算出された車高差の変化度合に応じて、駆動力の配分を補正する配分補正手段(AWD・ECU2a、ステップ28,29)と、を備えることを特徴とする。

0008

この前後輪駆動車両の制御装置によれば、駆動力配分決定手段により、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分が決定され、そのように決定された駆動力の配分が、配分補正手段により前側車高および後ろ側車高の偏差である車高差の変化度合に応じて補正されるので、停車中にのみ駆動力の配分を変更可能な従来の制御装置と異なり、前後輪駆動車両の走行中においても、車高差の変化度合すなわち走行中の路面勾配変化状態に応じて、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に補正することができる。それにより、路面への駆動力の伝達効率、燃費および運転性をいずれも向上させることができる。

0009

請求項2に係る発明は、請求項1に記載の前後輪駆動車両Vの制御装置1において、配分補正手段は、複数の制御サイクルにおいてそれぞれ得られた複数の車高差の変化度合の平均値(移動平均値DDVHAVE)に応じて、駆動力の配分を補正することを特徴とする。

0010

この前後輪駆動車両の制御装置によれば、配分補正手段により、駆動力の配分が、複数の制御サイクルにおいてそれぞれ得られた複数の車高差の変化度合の平均値に応じて補正されるので、路面の凹凸などに起因して、車高差の変化度合が一時的にばらついた場合でも、その影響を回避しながら、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に補正することができる。その結果、駆動力制御の安定性および制御精度を向上させることができる。

0011

請求項3に係る発明は、請求項1に記載の前後輪駆動車両Vの制御装置1において、車高差DVHの正負反転したとき(ステップ21の判別結果がYESのとき)には、配分補正手段は、駆動力の配分補正を中止し、駆動力配分決定手段は、後輪に配分される駆動力(リヤ伝達トルクRTD)を正負の反転前の値(前回値RTDZ)に保持する(ステップ32)ことを特徴とする。

0012

この前後輪駆動車両の制御装置によれば、車高差の正負が反転したときには、配分補正手段による駆動力の配分補正が中止され、駆動力配分決定手段により、後輪に配分される駆動力が正負の反転前の値に保持されるので、路面の凹凸などに起因して、車高差の正負が一時的に反転した場合でも、その影響を回避しながら、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に補正することができる。その結果、駆動力制御の安定性および制御精度を向上させることができる。

0013

請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の前後輪駆動車両Vの制御装置1において、前後輪駆動車両Vは、前照灯11aの照射角(左右の照射角θLR1,θLR2、上下の照射角θUD1,θUD2)を変更する照射角可変機構11bを有しており、車高差DVHに応じて、照射角可変機構11bを介して前照灯11aの照射角を制御する照射角制御手段(AFS・ECU2b、ステップ70〜74)をさらに備えることを特徴とする。

0014

一般に、前後輪への駆動力の配分制御と、前照灯の照射角制御とを並行して実行する場合、両者を互いに無関係に制御すると、駆動力の配分制御が照射角制御に干渉することで、照射角制御の制御精度が低下する可能性がある。すなわち、駆動力の配分が変化することで、車両の姿勢が変化すると、その影響により前照灯の適切な照射角が変化してしまうため、照射角制御の制御精度が低下する可能性がある。これに対して、この前後輪駆動車両の制御装置によれば、前述したように、車高差の変化度合に応じて駆動力の配分が制御されるのに加えて、照射角制御手段により、車高差に応じて、照射角可変機構を介して前照灯の照射角が制御されるので、車高差という共通のパラメータに応じて2つの制御が実行されることにより、両者の協調制御を実現することができる。その結果、制御の安定性および制御精度をさらに向上させることができる。これに加えて、2つの制御において、前側車高検出手段および後ろ側車高検出手段が共用されるので、前側車高検出手段および後ろ側車高検出手段を2つの制御用別個に設ける場合と比べて、その分、製造コストを削減することができる。

0015

請求項5に係る発明は、請求項4に記載の前後輪駆動車両Vの制御装置1において、照射角制御手段および照射角可変機構を含む照射角制御部の故障を判定する故障判定手段(FI/AT・ECU2c、ステップ86〜88)をさらに備え、照射角制御手段は、車高差DVHを算出するとともに、算出された車高差DVHに応じて、前照灯11aの照射角(左右の照射角θLR1,θLR2、上下の照射角θUD1,θUD2)を制御し、車高差変化度合算出手段は、故障判定手段により照射角制御部が正常であると判定されたとき(ステップ1の判別結果がYESのとき)には、照射角制御手段により算出された車高差に基づいて、車高差の変化度合を算出し(ステップ20、24〜27)、照射角制御部が故障していると判定されたときには(ステップ5の判別結果がNOのときには)、車高差DVHを算出する(ステップ50〜60)とともに、算出した車高差DVHに基づいて、車高差の変化度合を算出することを特徴とする。

0016

この前後輪駆動車両の制御装置によれば、車高差変化度合算出手段は、故障判定手段により照射角制御部が故障していると判定された場合には、車高差を算出するとともに、算出した車高差に基づいて、車高差の変化度合を算出するので、照射角制御手段が故障しているときでも、前輪および後輪に供給すべき駆動力の配分を適切に制御することができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る前後輪駆動車両の制御装置について説明する。図1は、本実施形態の制御装置が適用された前後輪駆動車両(以下「車両」という)Vの概略構成を示している。同図に示すように、車両Vは、その前部に横置きに搭載された原動機としての内燃機関(以下「エンジン」という)3と、エンジン3と一体に設けられた自動変速機4などを備えている。

0018

この自動変速機4は、エンジン3の出力軸に連結されたトルクコンバータと、「1,2,3,D4,D5,N,R,P」からなる8つのシフト位置を選択可能なシフトレバーと、1〜5速ギヤ位置およびリバースギヤ位置からなる6種類の変速比ギヤ位置に切換可能なギヤ機構などを備えている(いずれも図示せず)。

0019

この自動変速機4のトルクコンバータの出力軸(図示せず)は、フロント終減速機構5およびフロントドライブシャフト6,6を介して、左右の前輪W1,W2に連結されており、それにより、エンジン3の駆動力(すなわち駆動トルク)が左右の前輪W1,W2に伝達される。このフロント終減速機構5は、ディファレンシャルギヤを備えた一般的な構造のものである。

0020

さらに、トルクコンバータの出力軸は、フロント終減速機構5、プロペラシャフト7、駆動力伝達機構8、リヤ終減速機構9および左右のリヤドライブシャフト10,10を介して、左右の後輪W3,W4に連結されている。このリヤ終減速機構9も、ディファレンシャルギヤを備えた一般的な構造のものである。

0021

また、駆動力伝達機構8(駆動力可変機構)は、具体的には、本出願人が特願2004−341230号で提案済みのものと同様に構成されており、油圧クラッチおよび増速機構(いずれも図示せず)を有している。油圧クラッチは、プロペラシャフト7とリヤ終減速機構9の間を接続・遮断するものであり、油圧クラッチが遮断状態にあるときには、エンジン3の駆動力が前輪W1,W2に全て伝達される。それにより、車両Vは前輪駆動走行状態となる。

0022

一方、油圧クラッチが接続状態にあるときには、エンジン3の駆動力が前輪W1,W2に加えて後輪W3,W4にも配分され、それにより、車両Vは全輪駆動走行状態となる。また、油圧クラッチの締結力は、後述するAWD・ECU2aによって制御され、それにより、後輪W3,W4への駆動力の配分が自在に変更される。また、上記増速機構は、油圧クラッチが接続状態にあるときには、プロペラシャフト7の回転を、その速度を維持した状態または増速した状態で終減速機構9に伝達する。この増速機構による増速のON/OFFも、AWD・ECU2aにより制御される。

0023

また、車両Vの前部には、左右の可変前照灯装置11,11が設けられている。各可変式前照灯装置11は、本出願人が特開2004−203086号公報で提案済みのものと同様に構成されており、前照灯11aおよび照射角可変機構11bなどを備えている。この照射角可変機構11bは、前照灯11aの左右照射角θLRおよび上下照射角θUDを自在に変更するものであり、複数の電気モータおよびギヤ機構(いずれも図示せず)などを備えている。照射角可変機構11bの各電気モータは、後述するAFS・ECU2bに電気的に接続されており、その回転がAFS・ECU2bによって制御される。それにより、後述するように、前照灯11aの照射角が制御される。

0024

一方、図2に示すように、制御装置1は、AWD・ECU2a、AFS・ECU2b、FI/AT・ECU2cおよび各種のセンサ20〜34などを備えている。これらの3つのECU2a〜2cはいずれも、RAM、ROM、CPUおよびI/Oインターフェースなどからなるマイクロコンピュータ(いずれも図示せず)で構成され、CAN(Controller Area Network)を介して互いにシリアル通信可能に接続されている。これにより、3つのECU2a〜2cには、センサ20〜34の検出信号がいずれも入力される。

0025

AWD・ECU2aには、前述した駆動力伝達機構8、4つの車輪速度センサ20、ヨーレートセンサ21、操舵角センサ22、前側車高センサ23、後ろ側車高センサ24および横加速度センサ25が接続されている。

0026

4つの車輪速度センサ20はそれぞれ、前後の車輪W1〜W4の車輪速度VW1〜VW4を表す検出信号をAWD・ECU2aに出力する。また、ヨーレートセンサ21は車両VのヨーレートYARを表す検出信号を、操舵角センサ22は図示しないハンドル操舵角θSTを表す検出信号をそれぞれ、AWD・ECU2aに出力する。

0027

さらに、前側車高センサ23(前側車高検出手段)は、車両Vの図示しないフロントサスペンション付近に設けられ、車両Vの前側車高FVHを表す検出信号をAWD・ECU2aに出力する。また、後ろ側車高センサ24(後ろ側車高検出手段)は、車両Vの図示しないリヤサスペンションの付近に設けられ、車両Vの後ろ側車高RVHを表す検出信号をAWD・ECU2aに出力する。また、横加速度センサ25は、車両Vの横加速度GTRを表す検出信号をAWD・ECU2aに出力する。

0028

AWD・ECU2aは、以上のセンサ20〜25の検出信号などに応じて、後述するように、駆動力伝達機構8を介して後輪W3,W4に配分する駆動力(すなわち駆動トルク)を制御する。なお、以下の説明では、AWD・ECU2a、センサ20〜25および駆動力伝達機構8を含めた構成をAWD制御部という。

0029

一方、AFS・ECU2bには、前述した2つの照射角可変機構11b,11bおよび4つのセンサ22〜25に加えて、左側用および右側用の左右照射角センサ26,27と、左側用および右側用の上下照射角センサ28,29が接続されている。

0030

これらの左側用の左右照射角センサ26および上下照射角センサ28はそれぞれ、左側前照灯11aの左右照射角θLR1および上下照射角θUD1を表す検出信号をAFS・ECU2bに出力する。これと同様に、右側用の左右照射角センサ27および上下照射角センサ29はそれぞれ、右側前照灯11aの左右照射角θLR2および上下照射角θUD2を表す検出信号をAFS・ECU2bに出力する。

0031

AFS・ECU2bは、以上の各種のセンサ22〜29の検出信号に応じ、後述するように、照射角可変機構11b,11bを介して、2つの前照灯11aにおける左右照射角θLR1,θLR2および上下照射角θUD1,θUD2をそれぞれ制御する。なお、以下の説明では、AFS・ECU2b、センサ22〜29および照射角可変機構11b,11bを含めた構成をAFS制御部という。

0032

さらに、FI/AT・ECU2cには、ギヤ位置センサ30、シフト位置センサ31、エンジン回転数センサ32、アクセル開度センサ33およびメインシャフト回転数センサ34がそれぞれ接続されている。ギヤ位置センサ30およびシフト位置センサ31はそれぞれ、前述した自動変速機4のギヤ位置SFTおよびシフト位置POSIを表す検出信号をFI/AT・ECU2cに出力する。

0033

また、エンジン回転数センサ32はエンジン回転数NEを表す検出信号をFI/AT・ECU2cに出力し、アクセル開度センサ33は図示しないアクセルペダル踏み込み量であるアクセル開度APを表す検出信号をFI/AT・ECU2cに出力し、メインシャフト回転数センサ34は、自動変速機4のメインシャフト(図示せず)の回転数NMを表す検出信号をFI/AT・ECU2cに出力する。

0034

FI/AT・ECU2cは、後述する故障判定処理を実行するとともに、以上の各種のセンサ30〜34の検出信号に応じて、エンジン3が発生するエンジントルクTECおよびトルクコンバータの入出力回転ETRなどを算出する。具体的には、エンジントルクTECは、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに基づいて算出された基本エンジントルクTEを、各種の運転パラメータエンジン水温吸気温など)に基づいて補正することにより、算出される。また、トルクコンバータの入出力回転比ETRは、メインシャフトの回転数NMをエンジン回転数NEで除算することにより算出される(ETR=NM/NE)。

0035

なお、本実施形態では、AWD・ECU2aが駆動力算出手段、駆動力配分決定手段、車高差変化度合算出手段および配分補正手段に相当し、AFS・ECU2bが照射角制御手段に相当し、FI/AT・ECU2cが故障判定手段に相当する。

0036

次に、図3を参照しながら、AWD・ECU2aにより実行される駆動力制御処理について説明する。本処理は、以下に述べるように、後輪W3,W4への駆動力の配分を制御するものであり、所定の制御周期ΔT(例えば10msec)で実行される。

0037

まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)において、AWD故障フラグF_AWDNG、センサ故障フラグF_VHSNGおよびAFS故障フラグF_AFSNGがいずれも「0」であるか否かを判別する。

0038

このAWD故障フラグF_AWDNGは、後述する故障判定処理において、AWD制御部が正常であると判定されたときには「0」に、故障していると判定されたときには「1」にそれぞれ設定される。また、センサ故障フラグF_VHSNGも、後述する故障判定処理において、2つの車高センサ23,24がいずれも正常であると判定されたときには「0」に、2つの車高センサ23,24の少なくとも一方が故障していると判定されたときには「1」にそれぞれ設定される。さらに、AFS故障フラグF_AFSNGも、後述する故障判定処理において、AFS制御部が正常であると判定されたときには「0」に、故障していると判定されたときには「1」にそれぞれ設定される。

0039

ステップ1の判別結果がYESで、AWD制御部、2つの車高センサ23,24およびAFS制御部がいずれも正常であるときには、ステップ2に進み、後述する通常制御処理を実行した後、本処理を終了する。

0040

一方、ステップ1の判別結果がNOのときには、ステップ3に進み、AWD故障フラグF_AWDNGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、AWD制御部が故障しているときには、ステップ4に進み、AWD故障時制御を実行した後、本処理を終了する。このAWD故障時制御処理の詳細な説明に関しては、ここでは省略するが、駆動力伝達機構8を介して後輪W3,W4に供給される駆動力が値0まで漸減するように制御される。すなわち、車両Vが前輪駆動走行状態に徐々に移行するように制御される。

0041

一方、ステップ3の判別結果がNOのときには、ステップ5に進み、センサ故障フラグF_VHSNGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、2つの車高センサ23,24の少なくとも一方が故障しているときには、ステップ6に進み、後述するセンサ故障時制御を実行した後、本処理を終了する。

0042

一方、ステップ5の判別結果がNOで、AFS制御部が故障しているときには、ステップ7に進み、後述するAFS故障時制御を実行した後、本処理を終了する。

0043

次に、図4を参照しながら、前述した通常制御処理について説明する。同図に示すように、この処理では、まず、ステップ10で、リヤ配分割合RRTを算出する。このリヤ配分割合RRTは、エンジン3から全ての車輪W1〜W4に伝達されていると推定されるトルクの総和(以下「駆動トルク」という)DTDから、後輪W3,W4側に配分すべきトルクの割合を表すものであり、具体的には、以下に述べるように算出される。

0044

すなわち、リヤ配分割合RRTは、直進走行中は所定の基本値(例えば値0.3)に設定され、車両Vの停車時や図示しないブレーキペダルが踏み込まれているときには値0に設定され、エンジンブレーキ時には所定値(例えば値0.5)に設定される。さらに、リヤ配分割合RRTは、旋回時において、ギヤ位置が1速ギヤ位置のときには上記基本値に設定され、それ以外のときには基本値に補正値加算した値に設定される。この補正値は、後述するリヤデフロストルクDRDLOSSによる損失分を補正するためのものである。

0045

次いで、ステップ11に進み、下式(1)により駆動トルクDTD(駆動力)を算出する。
DTD=TEC・KETR・NI−TM−DRDLOSS……(1)

0046

ここで、エンジントルクTECは、前述したようにFI/AT・ECU2cにより算出される。また、KETRは、トルコン増幅率であり、前述したトルコンの入出力回転比ETRに応じて、図示しないテーブルを検索することにより算出される。さらに、NIは、ギヤレシオであり、シフト位置POSIおよびギヤ位置SFTに応じて算出される。また、TMは、慣性補正トルクであり、加速の際に4つの車輪W1〜W4を回転させるためのトルクがギヤ位置ごとに異なるので、これを駆動トルクDTDの算出に反映させるための補正量である。具体的には、慣性補正トルクTMは、車両Vが減速中または停車中のときには値0に設定され、それ以外のときにはシフト位置POSI、ギヤ位置SFTおよび平均前輪加速度G02に応じて算出される。なお、平均前輪加速度G02は、左前輪W1の加速度と右前輪W2の加速度の加算平均値であり、左前輪速度VW1および右前輪速度VW2に応じて算出される。

0047

さらに、リヤデフロストルクDRDLOSSは、旋回時にリヤ終減速機構9のディファレンシャルギヤで損失するトルクに相当するものであり、前述したリヤ配分割合RRTに応じて、図示しないロストルク算出用のテーブルを検索することによって算出される。なお、このロストルク算出用のテーブルは、前述した駆動力伝達機構8の増速機構による増速のON/OFFにそれぞれ対応した2つのテーブルで構成されており、両テーブルでは、リヤデフロストルクDRDLOSSは、リヤ配分割合RRTが大きいほどより大きな値に設定され、増速ONの場合は、増速OFFの場合よりも大きな値に設定されている。

0048

次に、ステップ12で、目標リヤ伝達トルクRTDCMDを、駆動トルクDTDとリヤ配分割合RRTとの積DTD・RRTに設定する。

0049

次いで、ステップ13に進み、リヤ伝達トルクRTDを算出する。このリヤ伝達トルクRTDは、左右の後輪W3,W4に伝達すべきトルクの総和に相当するものであり、具体的には、図5に示すように算出される。

0050

まず、ステップ20で、車高差DVHの値を読み込む。この車高差DVHは、前側車高FVHと後ろ側車高RVHとの偏差FVH−RVHであり、AFS・ECU2bにより後述するように算出される。

0051

次いで、ステップ21で、車高差DVHの正負の符号が反転したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ22に進み、車高差DVHに応じて、図6に示すテーブルを検索することにより、車高差補正係数KDVHを算出する。同図において、−DVH1は車高差DVHの負の所定値を表しており、KDVH1は、0<KDVH1<1.0が成立するような所定値を表している。

0052

このテーブルでは、車高差補正係数KDVHは、車高差DVHが正値の領域にあるときには、車高差DVHが大きいほど、より大きい値に設定されている。これは、車高差DVHが大きいほど、すなわち車両Vの後傾状態が大きいほど、登坂走行中で登り勾配がより大きい状態にあると推定されるので、それに応じてリヤ伝達トルクRTDをより大きい値に設定するためである。

0053

また、車高差補正係数KDVHは、車高差DVHが負値の領域にあって、所定の負値−DVH1未満の範囲では、値1.0よりも小さい正の所定値KDVH1に設定され、−DVH1≦DVH<0の範囲では、車高差DVHが小さいほど、より小さい値に設定されている。これは、車高差DVHが負値の領域にある場合、すなわち車両Vが前傾状態にある場合には、降坂走行状態にあると推定されるので、それに応じてリヤ伝達トルクRTDをより小さい値に設定するとともに、リヤ伝達トルクRTDの最小値を値0としないためである。

0054

次に、ステップ23に進み、車速VPに応じて、図7に示すテーブルを検索することにより、車速補正係数KVPを算出する。同図において、VP1,VP2は0<VP1<VP2が成立する車速VPの所定値を、KVP1は0<KVP1<1.0が成立するような所定値を表している。

0055

このテーブルにおいては、車速補正係数KVPは、VP1≦VP≦VP2の範囲では、車速VPが高いほど、より小さい値に設定されている。これは、車速VPが高いほど、車両Vの運動エネルギが大きいことで、後輪W3,W4側を駆動するのに要求されるトルクがより小さくなるためである。また、車速補正係数KVPは、VP<VP1の範囲では値1.0に、VP2<VPの範囲では値1.0よりも小さい所定値KVP1に設定されている。

0056

ステップ23に続くステップ24では、車高差変化量DDVHを下式(2)により算出する。
DDVH=DVH(n)−DVH(n−1) ……(2)
ここで、DVH(n)は、今回の制御サイクルで算出された車高差の今回値を表しており、DVH(n−1)は、前回の制御サイクルで算出された車高差の前回値を表している。なお、本実施形態では、車高差変化量DDVHが車高差の変化度合に相当する。

0057

次に、ステップ25に進み、車高差変化量の絶対値|DDVH|が所定値DREFよりも小さいか否かを判別する。この判別結果がYESで、車高差DVHが急激に変化していないときには、ステップ26に進み、RAMに記憶されている、前回以前m個(mは正の整数)の車高差変化量DDVHの値を更新する。具体的には、RAM内の車高差変化量DDVHの各々の値を、駆動力制御における1制御サイクル分、古い値としてセットする(例えば、今回値DDVH(n)を前回値DDVH(n−1)として、前回値DDVH(n−1)を前々回値DDVH(n−2)としてそれぞれセットする)とともに、ステップ24で算出された車高差変化量DDVHを今回値DDVH(n)にセットする。

0058

次いで、ステップ27に進み、下式(3)により、車高差変化量の移動平均値DDVHAVEを算出する。なお、本実施形態では、この移動平均値DDVHAVEが車高差の変化度合の平均値に相当する。

0059

ステップ27に続くステップ28で、移動平均値DDVHAVEに応じて、図8に示すテーブルを検索することにより、変化量補正係数KDDVを算出する。同図において、DD1は正の所定値を表している。

0060

このテーブルにおいては、変化量補正係数KDDVは、−DD1≦DDVHAVE≦DD1の範囲では値1.0に設定されている。これは、そのような範囲では、車高差DVHの変化が小さいことで、リヤ伝達トルクRTDを補正する必要がないことによる。また、
、変化量補正係数KDDVは、DD1<DDVHAVEの範囲では、移動平均値DDVHAVEが大きいほど、より大きい値に設定されている。これは、車高差DVH>0のとき、すなわち車両Vが後傾状態で登坂走行中である場合、移動平均値DDVHAVEが大きいほど、登り勾配がよりきつくなっていると推定されるので、それに応じてリヤ伝達トルクRTDを増大させるためである。一方、車高差DVH<0のとき、すなわち車両Vが前傾状態で降坂走行中であるときには、移動平均値DDVHAVEが大きいほど、下り勾配がより緩やかになっていると推定されるので、それに応じてリヤ伝達トルクRTDを増大させるためである。

0061

また、変化量補正係数KDDVは、DDVHAVE<−DD1の範囲では、移動平均値DDVHAVEがより負値側の値であるほど、より小さい値に設定されている。これは、移動平均値DDVHAVEがDDVHAVE<−DD1の範囲にある場合において、車高差DVH>0のとき、すなわち車両Vが後傾状態で登坂走行中であるときには、移動平均値DDVHAVEがより負値側の値であるほど、登り勾配がより緩やかになり、より水平な状態に移行していると推定されるので、それに応じてリヤ伝達トルクRTDを減少させるためである。一方、車高差DVH<0のとき、すなわち車両Vが前傾状態で降坂走行中であるときには、移動平均値DDVHAVEがより負値側の値であるほど、下り勾配がよりきつくなっていると推定されるので、それに応じてリヤ伝達トルクRTDを減少させるためである。

0062

ステップ28に続くステップ29で、下式(4)によりリヤ伝達トルクRTDを算出した後、本処理を終了する。
RTD=RTDCMD・KDHV・KVP・KDDV ……(4)

0063

一方、ステップ25の判別結果がNOで、車高差DVHが急激に変化したときには、ステップ30に進み、RAMに記憶されている、前回以前のm個(mは正の整数)の車高差変化量DDVHの値をクリアする。その後、ステップ31で、変化量補正係数KDDVを値1に設定する。次いで、前述したようにステップ29を実行した後、本処理を終了する。

0064

一方、ステップ21の判別結果がYESで、車高差DVHの正負の符号が反転したときには、ステップ32に進み、リヤ伝達トルクRTDをその前回値RTDZ(=RTD(n−1))に設定する。すなわち、リヤ伝達トルクRTDの値を更新することなく、保持する。これは、例えば、路面の凹凸に起因して、車高差DVHの正負の符号が一時的に反転した場合、そのような車高差DVHの値を用いて、リヤ伝達トルクRTDを補正すると、駆動力制御が不安定になるおそれがあるので、それを回避するためである。その後、本処理を終了する。なお、本実施形態では、リヤ伝達トルクの前回値RTDZが正負の反転前の値に相当する。

0065

図4戻り、以上のようにステップ13でリヤ伝達トルクRTDを算出した後、ステップ14に進み、左後輪伝達トルクRTDLおよび右後輪伝達トルクRTDRを算出する。これらの左右の後輪伝達トルクRTDL,RTDRはそれぞれ、左右の後輪W3,W4に伝達すべきトルクであり、その算出手法の詳細な説明はここでは省略するが、リヤ伝達トルクRTD、横加速度GTRおよびヨーレートYARなどに基づいて算出される。この後、本処理を終了する。

0066

以上のように、この通常制御では、左右の後輪伝達トルクRTDL,RTDRがそれぞれ算出される。そして、AWD・ECU2aは、これらの値に相当するトルクが後輪W3,W4に供給されるように、駆動力伝達機構8を制御する。その結果、駆動トルクDTDからリヤ伝達トルクRTDを差し引いた分に相当するトルクが、前輪W1,W2側に自動的に供給される。

0067

次に、前述したセンサ故障時制御処理について説明する。このセンサ故障時制御処理は、前述した図4の通常制御処理と比べて、ステップ13のRTD算出処理の内容のみが異なっているので、以下、図9を参照しながら、センサ故障時制御処理におけるRTD算出処理について説明する。

0068

同図に示すように、この処理では、まず、ステップ40で、車速VPに応じて、前述した図7のテーブルを検索することにより、車速補正係数KVPを算出する。

0069

次いで、ステップ42で、リヤ伝達トルクRTDを目標リヤ伝達トルクと車速補正係数との積RTDCMD・KVPに設定した後、本処理を終了する。以上のように、センサ故障時制御処理では、2つの車高センサ23,24の少なくとも一方が故障していると推定されている状態にあるため、車高差DVHおよび車高差変化量DDVHに応じた目標リヤ伝達トルクRTDCMDの補正を実行することなく、リヤ伝達トルクRTDが算出される。

0070

次に、前述したAFS故障時制御処理について説明する。このAFS故障時制御処理は、前述した図4の通常制御処理と比べて、ステップ20に代えて図10に示すDVH算出処理を実行する点のみが異なっているので、以下、同図を参照しながら、DVH算出処理について説明する。

0071

この処理では、まず、ステップ50で、RAMに記憶されている複数の前側車高センサ23の検出信号値FSENを読み込む。次いで、ステップ51に進み、車速VPに応じて、図示しない複数のテーブルを検索することにより、複数の前側用のフィルタ係数をそれぞれ算出する。これらの前側用のフィルタ係数は、検出信号値FSENにローパスフィルタ処理を施すためのものであり、そのテーブル値は、車速VPが高いほど、ローパスフィルタ遮断周波数高周波になるように設定されている。

0072

次に、ステップ52で、上記ステップ51で算出した複数の前側用のフィルタ係数を、上記ステップ50で読み込んだ複数の検出信号値FSENにそれぞれ乗算することにより(すなわちローパスフィルタ処理を施すことにより)、前側用のフィルタ値FSEN_Fを算出する。

0073

ステップ52に続くステップ53で、前側用の補正後値FCOMPを、前側用のフィルタ値FSEN_Fから前側ゼロ点値FZEROを減算した値FSEN_F−FZEROに設定する。この前側ゼロ点値FZEROは、検出信号値FSENのゼロ点補正を行うためのものであり、車両Vの製作時に予め設定されている。

0074

次いで、ステップ54に進み、前側用の補正後値FCOMPに応じて、図11に示すテーブルを検索することにより、前側車高FVHを算出する。このテーブルでは、前側用の補正後値FCOMPが大きいほど、前側車高FVHが大きくなるように設定されている。

0075

次に、ステップ55で、RAMに記憶されている複数の後ろ側車高センサ24の検出信号値RSENを読み込む。次いで、ステップ56に進み、車速VPに応じて、図示しない複数のテーブルを検索することにより、複数の後ろ側用のフィルタ係数をそれぞれ算出する。これらの後ろ側用のフィルタ係数は、検出信号値RSENにローパスフィルタ処理を施すためのものであり、そのテーブル値は、車速VPが高いほど、ローパスフィルタの遮断周波数が高周波になるように設定されている。

0076

次いで、ステップ57で、上記ステップ56で算出した複数の後ろ側用のフィルタ係数を、上記ステップ55で読み込んだ複数の検出信号値RSENにそれぞれ乗算することにより(すなわちローパスフィルタ処理を施すことにより)、後ろ側用のフィルタ値RSEN_Fを算出する。

0077

ステップ57に続くステップ58で、後ろ側用の補正後値RCOMPを、後ろ側用のフィルタ値RSEN_Fから後ろ側ゼロ点値RZEROを減算した値RSEN_F−RZEROに設定する。この後ろ側ゼロ点値RZEROは、検出信号値RSENのゼロ点補正を行うためのものであり、車両Vの製作時に予め設定されている。

0078

次いで、ステップ59に進み、後ろ側用の補正後値RCOMPに応じて、図12に示すテーブルを検索することにより、後ろ側車高RVHを算出する。このテーブルでは、後ろ側用の補正後値RCOMPが大きいほど、後ろ側車高RVHが大きくなるように設定されている。

0079

ステップ59に続くステップ60で、車高差DVHを、前側車高FVHと後ろ側車高RVHとの偏差FVH−RVHに設定した後、本処理を終了する。

0080

次に、図13を参照しながら、AFS・ECU2bにより実行されるAFS制御処理について説明する。本処理は、照射角可変機構11b,11bを介して、2つの前照灯11a,11aにおける左右照射角θLR1,θLR2および上下照射角θUD1,θUD2をそれぞれ制御するものであり、前述した制御周期ΔTで実行される。

0081

この処理では、まず、ステップ70で、前述した図10のステップ50〜60と同じ手法により、車高差DVHを算出する。次いで、ステップ71に進み、目標左右照射角θLRCMDを算出する。具体的には、まず、操舵角θST、横加速度GTRおよびヨーレートYARに応じて、図示しないマップおよびテーブルを検索し、これらの検索値に基づいて目標左右照射角θLRCMDを算出する。

0082

次に、ステップ72で、車高差DVHに応じて、図示しないテーブルを検索することにより、目標上下照射角θUDCMDを算出する。

0083

次いで、ステップ73で、左右照射角θLR1,θLR2を、目標左右照射角θLRCMDに追従させるようにフィードバック制御する。

0084

ステップ73に続くステップ74で、上下照射角θUD1,θUD2を、目標上下照射角θUDCMDに追従させるようにフィードバック制御する。その後、本処理を終了する。

0085

次に、図14を参照しながら、FI/AT・ECU2cにより実行される故障判定処理について説明する。この処理は、以下に述べるように、AWD制御部、2つの車高センサ23,24の少なくとも一方、およびAFS制御部が故障しているか否かを判定するものであり、所定の制御周期で実行される。

0086

この処理では、まず、ステップ80で、AWD制御部が故障状態にあるか否かを判別する。この判別では、駆動力伝達機構8内に設けられた、油圧クラッチまたは増速機構の動作状態を検出するセンサの検出信号が、油圧クラッチまたは増速機構の故障を示している状態が所定時間以上、継続した場合、AWD制御部が故障状態にあると判別される。

0087

ステップ80の判別結果がNOのときには、ステップ81に進み、AWD制御部が正常であることを表すために、AWD故障フラグF_AWDNGを「0」に設定する。一方、ステップ80の判別結果がYESのときには、ステップ82に進み、AWD制御部が故障状態にあることを表すために、AWD故障フラグF_AWDNGを「1」に設定する。

0088

ステップ81または82に続くステップ83では、2つの車高センサ23,24の少なくとも一方が故障状態にあるか否かを判別する。この判別では、2つの車高センサ23,24の少なくとも一方の検出信号がそれらの故障状態を示している状態が所定時間以上、継続したときには、2つの車高センサ23,24の少なくとも一方が故障状態にあると判別される。

0089

ステップ83の判別結果がNOのときには、ステップ84に進み、2つの車高センサ23,24がいずれも正常であることを表すために、センサ故障フラグF_VHSNGを「0」に設定する。一方、ステップ83の判別結果がYESのときには、ステップ85に進み、2つの車高センサ23,24の少なくとも一方が故障状態にあることを表すために、センサ故障フラグF_VHSNGを「1」に設定する。

0090

ステップ84または85に続くステップ86では、AFS制御部が故障状態にあるか否かを判別する。この判別は、前述した左右照射角θLR1,θLR2と目標左右照射角θLRCMDとの比較結果、および、上下照射角θUD1,θUD2と目標上下照射角θUDCMDとの比較結果に基づいて実行される。より具体的には、例えば、上下照射角θUD1が目標上下照射角θUDCMDに対して大きく離間している状態が所定時間以上、継続したときに、AFS制御部が故障状態にあると判別される。

0091

ステップ86の判別結果がNOのときには、ステップ87に進み、AFS制御部が正常であることを表すために、AFS故障フラグF_AFSNGを「0」に設定する。一方、ステップ86の判別結果がYESのときには、ステップ88に進み、AFS制御部が故障状態にあることを表すために、AFS故障フラグF_AFSNGを「1」に設定する。その後、本処理を終了する。

0092

以上のように構成された本実施形態の制御装置1によれば、リヤ配分割合RRTを駆動トルクDTDに乗算することにより、目標リヤ伝達トルクRTDCMDが算出され、これに、車高差補正係数KDVH、車速補正係数KVPおよび車高差変化量補正係数KDDVを乗算することにより、リヤ伝達トルクRTDが算出される。この車高差変化量補正係数KDDVは、車高差変化量DDVHの移動平均値DDVHAVEに応じて算出されることにより、リヤ伝達トルクRTDは、車高差変化量DDVHの移動平均値DDVHAVEに応じて補正された値として算出されることになるので、停車中にのみ駆動力の配分を変更可能な従来の制御装置と異なり、車両Vの走行中においても、車高差変化量DDVHすなわち走行中の路面勾配の変化状態に応じて、後輪W3,W4に供給すべきトルクを適切に補正でき、それにより、前輪W1,W2および後輪W3,W4へのトルク配分を適切に補正することができる。その結果、路面への駆動力の伝達効率、燃費および運転性をいずれも向上させることができる。

0093

また、車高差変化量DDVHの移動平均値DDVHAVEを用いているので、路面の凹凸などに起因して、車高差変化量DDVHが一時的にばらついた場合でも、その影響を回避しながら、前輪W1,W2および後輪W3,W4へのトルク配分を適切に補正することができる。さらに、車高差DVHの正負が反転したときには、リヤ伝達トルクRTDがその前回値RTDZに保持されるので、路面の凹凸などに起因して、車高差DVHの正負が一時的に反転した場合でも、その影響を回避しながら、前輪W1,W2および後輪W3,W4へのトルク配分を適切に補正することができる。以上により、駆動力制御の安定性および制御精度を向上させることができる。

0094

また、駆動力制御およびAFS制御が、車高差DVHという共通のパラメータに応じて実行されることにより、駆動力制御がAFS制御に干渉するのを回避でき、両者の協調制御を実現することができる。その結果、AFS制御の安定性および制御精度を向上させることができる。これに加えて、2つの制御において、前側車高センサ23および後ろ側車高センサ24が共用されるので、これらの車高センサ23,24を2つの制御用に別個に設ける場合と比べて、その分、製造コストを削減することができる。

0095

さらに、AFS制御部が故障しているときには、車高差DVHの算出をAWD・ECU2a側で実行するように構成されているので、AFS・ECU2bおよび照射角可変機構11bなどが故障しているときでも、駆動力制御を適切に実行することができる。

0096

なお、実施形態は、原動機を内燃機関3とした例であるが、原動機はこれに限らず、電気モータなどの駆動力を発生するものであればよい。

0097

また、実施形態は、本発明の制御装置1を左右一対の前輪W1,W2および左右一対の後輪W3,W4を備えた車両Vに適用した例であるが、本発明の制御装置を適用可能な車両はこれに限らないことは言うまでもない。例えば、本発明の制御装置を、左右二対以上の前輪を備えた車両や、左右二対以上の後輪を備えた車両に適用してもよく、前輪と後輪との間に駆動されない車輪を備えた車両に適用してもよい。

0098

さらに、実施形態は、車高差として前側車高FVHと後ろ側車高RVHとの偏差FVH−RVHを用いた例であるが、車高差として後ろ側車高と前側車高との偏差RVH−FVHを用いてもよい。

0099

また、実施形態は、車高差の変化度合として車高差の今回値と前回値との偏差[DVH(n)−DVH(n−1)]である車高差変化量DDVHを用いた例であるが、車高差の変化度合はこれに限らず、車高差の変化の度合を表すものであればよい。例えば、車高差の変化度合として、車高差の変化割合(FVH/RVHまたはRVH/FVH)を用いてもよく、車高差の前回値と今回値との偏差[DVH(n−1)−DVH(n)]を用いてもよい。

0100

さらに、実施形態は、車高差の変化度合の平均値として移動平均値DDVHAVEを用いた例であるが、車高差の変化度合の平均値はこれに限らず、加重平均値および相加平均値などの車高差の変化度合の平均値を表すものであればよい。

0101

また、実施形態は、車高差変化量の移動平均値DDVHAVEに応じて算出した変化量補正係数KDDVを目標リヤ伝達トルクRTDCMDに乗算することにより、リヤ伝達トルクRTDを算出した例であるが、リヤ配分割合RRTを、車高差変化量の移動平均値DDVHAVEに応じて算出してもよい。例えば、リヤ配分割合RRTを、移動平均値DDVHAVEおよび他のパラメータに応じたマップ検索により算出してもよい。

図面の簡単な説明

0102

本発明の一実施形態に係る制御装置を適用した前後輪駆動車両の概略構成を示す模式図である。
制御装置の概略構成を示すブロック図である。
駆動力制御処理を示すフローチャートである。
通常制御処理を示すフローチャートである。
リヤ伝達トルクRTDの算出処理を示すフローチャートである。
車高差補正係数KDVHの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
車速補正係数KVPの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
変化量補正係数KDDVの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
センサ故障時制御処理におけるリヤ伝達トルクRTDの算出処理を示すフローチャートである。
AFS故障時制御処理における車高差DVHの算出処理を示すフローチャートである。
前側車高FVHの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
後ろ側車高RVHの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
AFS制御処理を示すフローチャートである。
故障判定処理を示すフローチャートである。

符号の説明

0103

V前後輪駆動車両
W1,W2前輪
W3,W4後輪
1制御装置
2a AWD・ECU(駆動力算出手段、駆動力配分決定手段、車高差変化度
合算出手段、配分補正手段)
2bAFS・ECU(照射角制御手段)
2c FI/AT・ECU(故障判定手段)
3内燃機関(原動機)
8駆動力伝達機構(駆動力可変機構)
11a前照灯
11b照射角可変機構
23 前側車高センサ(前側車高検出手段)
24後ろ側車高センサ(後ろ側車高検出手段)
FVH 前側車高
RVH 後ろ側車高
DVH 車高差
DDVH車高差変化量(車高差の変化度合)
DDVHAVE 車高差変化量の移動平均値(車高差の変化度合の平均値)
DTD駆動トルク(駆動力)
RTDリヤ伝達トルク(後輪に配分される駆動力)
RTDZ リヤ伝達トルクの前回値(正負の反転前の値)
θLR1 左右の照射角
θLR2 左右の照射角
θUD1 上下の照射角
θUD2 上下の照射角

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