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技術 粉粒体の分離装置、分離方法及び分離処理システム

出願人 カワサキプラントシステムズ株式会社
発明者 福本康二政本学柴田泰典多喜川昇
出願日 2004年11月29日 (16年1ヶ月経過) 出願番号 2004-344664
公開日 2006年6月15日 (14年6ヶ月経過) 公開番号 2006-150231
状態 特許登録済
技術分野 静電分離 固体相互の分離
主要キーワード 気流流速 粒度分離 加温機 ジェットパック車 粉粒体投入口 水分割合 粉粒体層 水分付与
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図面 (8)

課題

粉粒体比重分離において、気流による粒子搬出を工夫することにより、比重分離単独、又は比重分離、静電分離あるいは粒度分離を組み合わせ、安定した高い分離能力分離効率を達成する。

解決手段

流動化空気供給口8から空気を供給し、かつ上記振動機3より振動を与えることにより、上記粉粒体投入口1から比重分離容器2a内に供給された粉粒体Aを分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて上記第1の排出口7aから排出し、比重の大きい粒子を上記第2の排出口13aから排出する比重分離装置において、上記比重分離容器2aの上部に空気吸引口6を形成し、かつ上記第1の排出口7aから内部の空気を吸引して排出する空気吸引手段を設ける。

概要

背景

比重や形状が異なる粒子が多く混在した粉粒体、及び/又は導電性粒子カーボン、金属など)が絶縁性粒子中に多く混在した粉粒体としては、石炭灰製紙スラッジ灰下水汚泥焼却灰ごみ焼却灰、バイオマス焼却灰などの廃棄物、穀物等の食品医薬品原料肥料農薬原料鉱物などが挙げられる。
これらの粉粒体から、成分の異なる粒子や導電性の異なる粒子を分離する場合に、粉粒体の状態(温度、水分、粒度、比重、不純物割合など)により、分散状態流動状態浮遊状態、又は帯電状態などが異なり、静電分離のみでは、分離能力(単位時間あたりの所定粒子排出量)、分離効率(原料中の所定粒子量に対する分離後の所定粒子量の割合)に限界があることが知られている。
したがって、比重や粒度により、成分、導電性粒子、又は絶縁性粒子の割合が異なる粉粒体において、静電分離の前処理又は後処理として、比重分離又は粒度分離を行うことが有効である。

比重分離においては、粉粒体を分散させることが重要であり、流動化空気を付与して粉粒体を流動化することにより良好な分散状態が得られ、比重の軽い粒子を粉粒体層の表面に移動し、偏在させることができる。また、平均粒径が100μm以下程度の粉体を流動化するためには、流動化空気に加えて振動を付与することが有効である。

静電分離においては、導電性粒子と絶縁性粒子の誘電率の差の大きい方が望ましく、粒子本来の誘電率のみでなく、粒子の親水性又は疎水性の差や多孔度の違いを活用して、誘電率が大きい水分を介在させることにより、分離効率を向上させることができる。即ち、粉粒体を冷却、加温又は調湿しながら、粒子の表面水を除去し、さらに粒子の細孔内に水分を選択的に保持させると、振動、流動及び電圧印可により、良好な分散状態のもとで誘電率の高い粒子(導電性粒子)を粉粒体層の表面部に浮遊させ、空気により装置外へ排出することができるので、より分離効率を高めることができる。
なお、導電性粒子の割合が多い場合には、比重分離等により導電性粒子の割合を減少させた後、静電分離を行うことが、安定運転スパーク発生抑制)、分離能力、及び分離効率の面からより望ましいことである。

粒度分離において、粒子の成分により比重や粒度が異なる場合には、サイクロン又は回転ロータ等による分級機を用いることにより、異種粒子を分離することができる。
このように粉粒体の分離において、粉粒体の状態により、比重分離、静電分離又は粒度分離を単独又は組み合わせることによって、安定運転を維持しながら分離能力や分離効率を高めることができる。

比重分離については、特開昭63−258685号公報、及び特開昭64−80477号公報に開示されているような先行技術がある。
上記特開昭63−258685号公報に開示されている技術は、粉粒体に流動化空気と振動を付与して流動化し、終末速度に達している微粉気流に同伴して飛散回収し、粗粉流動層高内に設けられた排出口から排出するものである。このような方法では、100μm程度以下の粉粒体を扱う場合には、気流流速が5cm/s以下程度と非常に遅くなり、処理スピードが遅く分離能力が低くなってしまう。

また、上記特開昭64−80477号公報に開示されている技術は、粉粒体に流動化空気と振動を付与して流動化し、流動層内における粉粒体の見かけ密度の差を利用して偏在させ、流動層の上部から見かけ密度の小さい粉粒体を回収し、下部からは見かけ密度の大きい粉粒体を回収して分離する方法である。このような方法では、少なからず粉体層の混合が発生するため高い分離効率を得ることは困難である。
そして、上記どちらの文献に開示された技術においても、原料中の水分が多くなると粉粒体の凝集が強くなり、分離効率が低下することになる。

静電分離については、再公表特許2002−76620号公報、及び特表2001−512369号公報に開示されているような先行技術がある。
上記再公表特許2002−76620号公報に開示されている技術は次の通りである。
先ず、導電性粒子の回収は、分離ゾーン電界強度を上げて、導電性粒子の帯電量を大きくし、上部電極の開口部を通過させて、分離ゾーンの上方に移動して分離するようにしている。このような方法では、原料中の導電性粒子の濃度が高い場合(15%以上含まれている場合)にはスパーク発生率が高くなり、安定運転のためには電界強度を低くするか、又は処理量下げざるを得ず、分離能力や分離効率が低下する。

また、上記特表2001−512369号公報に開示されている技術は、粉粒体雰囲気湿度を5〜30%とすることにより粉粒体の凝集をなくして、帯電程度に差を付けて、分離能力や分離効率を向上することである。即ち、粉粒体の分離能力や分離効率は、粉粒体雰囲気の湿度に大きく影響されるので、この粉粒体雰囲気の湿度を5〜30%に調整することに関するものである。粉粒体雰囲気の湿度調整の具体的な手段としては、粉粒体の搬送用空気を加熱すること、水又は水蒸気を添加すること、粉粒体を流動化させるための空気を加熱することが開示されている。
しかしながら、この文献には、振動や流動による前処理装置において、粉粒体の状態を調整すること、及び該前処理装置で比重分離した後に、静電分離を行うことについては、開示されていない。

特開昭63−258685号公報
特開昭64−80477号公報
再公表特許2002−76620号公報
特表2001−512369号公報

概要

粉粒体の比重分離において、気流による粒子の搬出を工夫することにより、比重分離単独、又は比重分離、静電分離あるいは粒度分離を組み合わせ、安定した高い分離能力と分離効率を達成する。流動化空気供給口8から空気を供給し、かつ上記振動機3より振動を与えることにより、上記粉粒体投入口1から比重分離容器2a内に供給された粉粒体Aを分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて上記第1の排出口7aから排出し、比重の大きい粒子を上記第2の排出口13aから排出する比重分離装置において、上記比重分離容器2aの上部に空気吸引口6を形成し、かつ上記第1の排出口7aから内部の空気を吸引して排出する空気吸引手段を設ける。

目的

本発明の課題は、粉粒体の比重分離において、気流による粒子の搬出を工夫することにより、また異種粒子が多い粉粒体においても、粉粒体の状態に応じて、比重分離単独、又は比重分離、静電分離あるいは粒度分離を組み合わせることにより、安定した高い分離能力と分離効率を達成し、粉粒体より異種粒子を分離することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

粉粒体投入口と、流動化空気供給口と、流動化空気の分散手段と、上部に設けた第1の排出口と、下部に設けた第2の排出口とを備え、基台上に振動自在に支持された比重分離容器と、上記比重分離容器に振動を与える振動機とから成り、上記流動化空気供給口から空気を供給し、かつ上記振動機により振動を与えることにより、上記粉粒体投入口から比重分離容器内に供給された粉粒体を分散・横移動させながら、比重の小さい粒子粉粒体層の上部に移動・浮遊させて上記第1の排出口から排出し、比重の大きい粒子を上記第2の排出口から排出する比重分離装置において、上記比重分離容器の上部に空気吸引口を形成し、かつ上記第1の排出口から内部の空気を吸引して排出する空気吸引手段を設けることにより、上記空気吸引口から吸引される空気でもって、比重の小さい粒子を回収して上記第1の排出口から排出することを特徴とする粉粒体の比重分離装置。

請求項2

上記流動化空気供給口に調温調湿手段を設けることにより、流動化空気の温度又は湿度を制御して、上記比重分離容器内の粉粒体を冷却、加熱、又は調湿することを特徴とする請求項1に記載の粉粒体の比重分離装置。

請求項3

上記比重分離容器において、空気吸引口から第1の排出口までの空気の流路断面積縮小・拡大させることにより、比重の小さい粒子を搬送する空気の流速を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粉粒体の比重分離装置。

請求項4

前段比重分離部と後段静電分離部の間に仕切板を介在させて、これら両分離部を一体として、基台上に振動自在に支持された比重・静電分離容器と、上記比重・静電分離容器に振動を与える振動機とから成り、上記比重分離部の比重・静電分離容器は、粉粒体投入口と、流動化空気供給口と、流動化空気の分散手段と、上部に設けた空気吸引口及び空気吸引手段により内部の空気を吸引して排出する第1の排出口とを備え、上記静電分離部の比重・静電分離容器は、流動化空気供給口と、流動化空気の分散手段と、上部に設けた空気吸引口及び上記空気吸引手段により内部の空気を吸引して排出する第1の排出口と、下部に設けた第2の排出口と、上部電極及び下部電極とを備えており、上記各流動化空気供給口から空気を供給し、上記振動機により振動を与え、かつ上記上部電極及び下部電極に高電圧印可することにより、上記比重分離部では、上記粉粒体投入口から比重・静電分離容器内に供給された粉粒体を分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて、上記空気吸引口から吸引される空気でもって、比重の小さい粒子を回収して上記第1の排出口から排出し、比重の大きい粒子を上記静電分離部へ移動させ、上記静電分離部では、上記比重分離部から移動された粉粒体を分散・横移動させながら、静電気により導電性粒子飛散させて、上記空気吸引口から吸引される空気でもって、導電性粒子を回収して上記第1の排出口から排出し、絶縁性粒子を上記第2の排出口から排出することを特徴とする粉粒体の比重・静電分離装置

請求項5

前段に比重分離装置を配置し、後段に静電分離装置を配置した粉粒体の分離装置において、上記比重分離装置は、請求項1に記載の比重分離装置から成り、上記静電分離装置は、流動化空気供給口と、流動化空気の分散手段と、上部に設けた空気吸引口及び空気吸引手段により内部の空気を吸引して排出する第1の排出口と、下部に設けた第2の排出口と、上部電極及び下部電極とを備え、基台上に振動自在に支持された静電分離容器と、上記静電分離容器に振動を与える振動機とから成り、上記流動化空気供給口から空気を供給し、上記振動機により振動を与え、かつ上記上部電極及び下部電極に高電圧を印可することにより、上記比重分離装置の第2の排出口から上記静電分離容器の粉粒体投入部に供給された粉粒体を分散・横移動させながら、静電気により導電性粒子を飛散させて、上記空気吸引口から吸引される空気でもって、導電性粒子を回収して上記第1の排出口から排出し、絶縁性粒子を上記第2の排出口から排出することを特徴とする粉粒体の分離装置。

請求項6

請求項5に記載の分離装置において、さらに第1の分級機と第2の分級機を設けた粉粒体の分離装置であって、上記比重分離装置と静電分離装置の第1の排出口から排出された粉粒体を上記第1の分級機により粗粒微粒に分離し、そのうちの微粒を上記静電分離容器の粉粒体投入部に投入し、上記静電分離装置の第2の排出口から排出された粉粒体を上記第2の分級機により粗粒と微粒に分離し、そのうちの粗粒を同様に静電分離容器の粉粒体投入部に投入することを特徴とする粉粒体の分離装置。

請求項7

比重分離装置の比重分離容器内に供給された粉粒体を、振動と流動化空気により分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて、該比重の小さい粒子を上記比重分離容器の上部から排出し、比重の大きい粒子を下部から排出することにより、比重の小さい粒子と比重の大きい粒子を分離する比重分離方法において、上記比重分離容器の上部において外部から吸引する空気でもって、比重の小さい粒子を回収して排出することを特徴とする粉粒体の比重分離方法。

請求項8

粉粒体を比重分離部において比重分離した後、比重の大きい粒子を静電分離部において静電分離する粉粒体の分離方法において、上記比重分離部では、粉粒体を振動と流動化空気により分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて、該比重分離部の上部において外部から吸引する空気でもって、比重の小さい粒子を回収して該比重分離部の上部から排出し、比重の大きい粒子を上記静電分離部に供給し、この静電分離部では、比重の大きい粒子を振動と流動化空気により分散・横移動させながら、静電気により導電性粒子を飛散させて、該静電分離部の上部において外部から吸引する空気でもって、導電性粒子を回収して該静電分離部の上部から排出し、絶縁性粒子を該静電分離部の下部から排出することを特徴とする粉粒体の分離方法。

請求項9

請求項1〜請求項6のいずれかに記載の分離装置によって分離された粉粒体である石炭灰の一方を燃料としてボイラに投入し、他方を建設土木資材原料として建設・土木資材製造プラントに投入することを特徴とする石炭灰の分離処理ステム

技術分野

0001

本発明は、比重や形状の異なる粒子が混在した粉粒体、及び/又は導電性粒子絶縁性粒子が混在した粉粒体について、比重分離処理、静電分離処理、又は粒度分離処理を行うことより、高効率に均質な粉粒体とする分離装置分離方法及び分離処理ステムに関する。

背景技術

0002

比重や形状が異なる粒子が多く混在した粉粒体、及び/又は導電性粒子(カーボン、金属など)が絶縁性粒子中に多く混在した粉粒体としては、石炭灰製紙スラッジ灰下水汚泥焼却灰ごみ焼却灰、バイオマス焼却灰などの廃棄物、穀物等の食品医薬品原料肥料農薬原料鉱物などが挙げられる。
これらの粉粒体から、成分の異なる粒子や導電性の異なる粒子を分離する場合に、粉粒体の状態(温度、水分、粒度、比重、不純物割合など)により、分散状態流動状態浮遊状態、又は帯電状態などが異なり、静電分離のみでは、分離能力(単位時間あたりの所定粒子排出量)、分離効率(原料中の所定粒子量に対する分離後の所定粒子量の割合)に限界があることが知られている。
したがって、比重や粒度により、成分、導電性粒子、又は絶縁性粒子の割合が異なる粉粒体において、静電分離の前処理又は後処理として、比重分離又は粒度分離を行うことが有効である。

0003

比重分離においては、粉粒体を分散させることが重要であり、流動化空気を付与して粉粒体を流動化することにより良好な分散状態が得られ、比重の軽い粒子を粉粒体層の表面に移動し、偏在させることができる。また、平均粒径が100μm以下程度の粉体を流動化するためには、流動化空気に加えて振動を付与することが有効である。

0004

静電分離においては、導電性粒子と絶縁性粒子の誘電率の差の大きい方が望ましく、粒子本来の誘電率のみでなく、粒子の親水性又は疎水性の差や多孔度の違いを活用して、誘電率が大きい水分を介在させることにより、分離効率を向上させることができる。即ち、粉粒体を冷却、加温又は調湿しながら、粒子の表面水を除去し、さらに粒子の細孔内に水分を選択的に保持させると、振動、流動及び電圧印可により、良好な分散状態のもとで誘電率の高い粒子(導電性粒子)を粉粒体層の表面部に浮遊させ、空気により装置外へ排出することができるので、より分離効率を高めることができる。
なお、導電性粒子の割合が多い場合には、比重分離等により導電性粒子の割合を減少させた後、静電分離を行うことが、安定運転スパーク発生抑制)、分離能力、及び分離効率の面からより望ましいことである。

0005

粒度分離において、粒子の成分により比重や粒度が異なる場合には、サイクロン又は回転ロータ等による分級機を用いることにより、異種粒子を分離することができる。
このように粉粒体の分離において、粉粒体の状態により、比重分離、静電分離又は粒度分離を単独又は組み合わせることによって、安定運転を維持しながら分離能力や分離効率を高めることができる。

0006

比重分離については、特開昭63−258685号公報、及び特開昭64−80477号公報に開示されているような先行技術がある。
上記特開昭63−258685号公報に開示されている技術は、粉粒体に流動化空気と振動を付与して流動化し、終末速度に達している微粉気流に同伴して飛散回収し、粗粉流動層高内に設けられた排出口から排出するものである。このような方法では、100μm程度以下の粉粒体を扱う場合には、気流流速が5cm/s以下程度と非常に遅くなり、処理スピードが遅く分離能力が低くなってしまう。

0007

また、上記特開昭64−80477号公報に開示されている技術は、粉粒体に流動化空気と振動を付与して流動化し、流動層内における粉粒体の見かけ密度の差を利用して偏在させ、流動層の上部から見かけ密度の小さい粉粒体を回収し、下部からは見かけ密度の大きい粉粒体を回収して分離する方法である。このような方法では、少なからず粉体層の混合が発生するため高い分離効率を得ることは困難である。
そして、上記どちらの文献に開示された技術においても、原料中の水分が多くなると粉粒体の凝集が強くなり、分離効率が低下することになる。

0008

静電分離については、再公表特許2002−76620号公報、及び特表2001−512369号公報に開示されているような先行技術がある。
上記再公表特許2002−76620号公報に開示されている技術は次の通りである。
先ず、導電性粒子の回収は、分離ゾーン電界強度を上げて、導電性粒子の帯電量を大きくし、上部電極の開口部を通過させて、分離ゾーンの上方に移動して分離するようにしている。このような方法では、原料中の導電性粒子の濃度が高い場合(15%以上含まれている場合)にはスパーク発生率が高くなり、安定運転のためには電界強度を低くするか、又は処理量下げざるを得ず、分離能力や分離効率が低下する。

0009

また、上記特表2001−512369号公報に開示されている技術は、粉粒体雰囲気湿度を5〜30%とすることにより粉粒体の凝集をなくして、帯電程度に差を付けて、分離能力や分離効率を向上することである。即ち、粉粒体の分離能力や分離効率は、粉粒体雰囲気の湿度に大きく影響されるので、この粉粒体雰囲気の湿度を5〜30%に調整することに関するものである。粉粒体雰囲気の湿度調整の具体的な手段としては、粉粒体の搬送用空気を加熱すること、水又は水蒸気を添加すること、粉粒体を流動化させるための空気を加熱することが開示されている。
しかしながら、この文献には、振動や流動による前処理装置において、粉粒体の状態を調整すること、及び該前処理装置で比重分離した後に、静電分離を行うことについては、開示されていない。

0010

特開昭63−258685号公報
特開昭64−80477号公報
再公表特許2002−76620号公報
特表2001−512369号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の課題は、粉粒体の比重分離において、気流による粒子の搬出を工夫することにより、また異種粒子が多い粉粒体においても、粉粒体の状態に応じて、比重分離単独、又は比重分離、静電分離あるいは粒度分離を組み合わせることにより、安定した高い分離能力と分離効率を達成し、粉粒体より異種粒子を分離することである。

課題を解決するための手段

0012

上記課題に対する解決手段は、粉粒体を比重分離する場合に、比重の小さい粒子が移動・浮遊する粉粒体層の上部において、外部から吸引する搬送用の空気により比重の小さい粒子を回収して搬出することが基本となるものである。

0013

〔解決手段1〕(請求項1に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段1は、粉粒体投入口と、流動化空気供給口と、流動化空気の分散手段と、上部に設けた第1の排出口と、下部に設けた第2の排出口とを備え、基台上に振動自在に支持された比重分離容器と、
上記比重分離容器に振動を与える振動機とから成り、
上記流動化空気供給口から空気を供給し、かつ上記振動機により振動を与えることにより、上記粉粒体投入口から比重分離容器内に供給された粉粒体を分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて上記第1の排出口から排出し、比重の大きい粒子を上記第2の排出口から排出する比重分離装置前提として、次の要件(イ)〜(ハ)を備えるものである。
(イ) 上記比重分離容器の上部に空気吸引口を形成すること。
(ロ) 上記第1の排出口から内部の空気を吸引して排出する空気吸引手段を設けること。
(ハ) 上記空気吸引口から吸引される空気でもって、比重の小さい粒子を回収して上記第1の排出口から排出すること。

0014

〔作 用〕
振動と流動化空気により粉粒体を分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させ、比重分離容器の上部の空気吸引口から吸引する空気でもって、比重の小さい粒子を回収して上部の第1の排出口から排出し、比重の大きい粒子を下部の第2の排出口から排出することにより、比重の小さい粒子と比重の大きい粒子が分離される。この結果、流動化空気とは別のより流速の速い気流により、比重の小さい粒子を回収することができる。また、比重の小さい粒子が粉粒体層の上部に移動・浮遊して直ぐに回収することができる。
比重が小さく成分の異なる粒子が多い場合、又は比重が小さく導電性のよい粒子が多い場合には、より有効な分離手段であり、単独でも分離手段として利用することができる。一方、粉粒体の成分分布が比重のみでなく、導電性/絶縁性でもある場合には、静電分離装置の前処理装置として用いれば、より分離能力及び分離効率を高めることができる。即ち、比重の小さい粒子が導電性粒子の場合、前処理として比重分離装置を用いることにより、静電分離装置への負荷を軽減でき、かつ静電分離装置においてスパーク発生を防止することができるので安定運転が可能となる。

0015

〔実施態様1〕(請求項2に対応)
実施態様1は、上記解決手段1の比重分離装置において、流動化空気供給口に調温・調湿手段を設けることにより、流動化空気の温度又は湿度を制御して、比重分離容器内の粉粒体を冷却、加熱、又は調湿することである。
〔作 用〕
比重分離装置における流動化空気の温度と湿度を調整することにより、比重分離容器内に供給された粉粒体の温度と水分の調整を行うことができる。これにより、粉粒体の温度と水分を適正な状態にすることができ、効率よく比重分離を行うことができる。また、静電分離装置の前処理装置として用いる場合にも、粉粒体の温度と水分を調整することは有効である。

0016

〔実施態様2〕(請求項3に対応)
実施態様2は、上記解決手段1又は実施態様1の比重分離装置において、比重分離容器における空気吸引口から第1の排出口までの空気の流路断面積縮小・拡大させることにより、比重の小さい粒子を搬送する空気の流速を変化させることである。
〔作 用〕
比重の小さい粒子を搬送する気流の流路断面積を比重分離容器内において縮小・拡大することより、搬送用の空気の流速を変化させる。この結果、流路断面積が縮小され流速が速くなる部分では、粉粒体層表面からの粉粒体の巻き上げが積極的に行われ、流路断面積が拡大され流速が遅くなる部分では、気流に搬送される粉粒体のうちより比重の大きいものが沈降する。これにより、比重による選択性(分離効率)を損なうことなく、粉粒体の飛散を促進することができる。

0017

〔解決手段2〕(請求項4に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段2は、前段の比重分離部と後段の静電分離部の間に仕切板を介在させて、これら両分離部を一体として、基台上に振動自在に支持された比重・静電分離容器と、
上記比重・静電分離容器に振動を与える振動機とから成り、
上記比重分離部の比重・静電分離容器は、粉粒体投入口と、流動化空気供給口と、流動化空気の分散手段と、上部に設けた空気吸引口及び空気吸引手段により内部の空気を吸引して排出する第1の排出口とを備え、
上記静電分離部の比重・静電分離容器は、流動化空気供給口と、流動化空気の分散手段と、上部に設けた空気吸引口及び上記空気吸引手段により内部の空気を吸引して排出する第1の排出口と、下部に設けた第2の排出口と、上部電極及び下部電極とを備えており、
上記各流動化空気供給口から空気を供給し、上記振動機により振動を与え、かつ上記上部電極及び下部電極に高電圧を印可することにより、
上記比重分離部では、上記粉粒体投入口から比重・静電分離容器内に供給された粉粒体を分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて、上記空気吸引口から吸引される空気でもって、比重の小さい粒子を回収して上記第1の排出口から排出し、比重の大きい粒子を上記静電分離部へ移動させ、
上記静電分離部では、上記比重分離部から移動された粉粒体を分散・横移動させながら、静電気により導電性粒子を飛散させて、上記空気吸引口から吸引される空気でもって、導電性粒子を回収して上記第1の排出口から排出し、絶縁性粒子を上記第2の排出口から排出することである。

0018

〔作 用〕
前段の比重分離部では、振動と流動化空気により粉粒体を分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させ、また、後段の静電分離部では、振動と流動化空気により粉粒体を分散・横移動させながら、上部及び下部電極に高圧直流電圧を負荷し静電気を発生させて導電性粒子を飛散させることにより、比重・静電分離容器の上部の空気吸引口から吸引する空気でもって、比重の小さい粒子と導電性粒子を回収して上部の第1の排出口から排出し、絶縁性粒子を下部の第2の排出口から排出する。
この結果、比重が異なり導電性が異なる粒子が混在する粉粒体であっても、前段で比重分離を、後段で静電分離をすることができ、異種粒子を一括飛散させて搬送用の空気により回収して装置外に排出することができる。また、比重の小さい導電性の粒子が多い場合も、先に比重分離をすることにより導電性粒子量を低減することができる。

0019

〔解決手段3〕(請求項5に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段3は、前段に比重分離装置を配置し、後段に静電分離装置を配置した粉粒体の分離装置において、
上記比重分離装置は、上記解決手段1の比重分離装置であり、
上記静電分離装置は、流動化空気供給口と、流動化空気の分散手段と、上部に設けた空気吸引口及び空気吸引手段により内部の空気を吸引して排出する第1の排出口と、下部に設けた第2の排出口と、上部電極及び下部電極とを備え、基台上に振動自在に支持された静電分離容器と、
上記静電分離容器に振動を与える振動機とから成り、
上記流動化空気供給口から空気を供給し、上記振動機により振動を与え、かつ上記上部電極及び下部電極に高電圧を印可することにより、上記比重分離装置の第2の排出口から上記静電分離容器の粉粒体投入部に供給された粉粒体を分散・横移動させながら、静電気により導電性粒子を飛散させて、上記空気吸引口から吸引される空気でもって、導電性粒子を回収して上記第1の排出口から排出し、絶縁性粒子を上記第2の排出口から排出することである。

0020

〔作 用〕
比重分離装置により粉粒体を比重分離した後、比重の大きい粒子を静電分離装置により静電分離する。その結果、比重分離装置と静電分離装置において個別に操作条件を設定することができ、幅広い粉粒体の状態に対応することができる。
即ち、粉粒体が高温の場合には、比重分離装置における流動化空気の温度を低く湿度を高くすること、また比重の小さい導電性の粒子が多い場合には、比重分離装置における流動化空気量を少なくすること等ができる。そして、比重分離後の粒度が小さい場合には、静電分離装置における印可電圧を大きくすること、また導電性粒子が多い場合には印可電圧を下げること等ができる。

0021

〔解決手段4〕(請求項6に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段4は、上記解決手段3の分離装置において、さらに第1の分級機と第2の分級機を設けた粉粒体の分離装置であって、上記比重分離装置と静電分離装置の第1の排出口から排出された粉粒体を上記第1の分級機により粗粒微粒に分離し、そのうちの微粒を上記静電分離容器の粉粒体投入部に投入し、上記静電分離装置の第2の排出口から排出された粉粒体を上記第2の分級機により粗粒と微粒に分離し、そのうちの粗粒を同様に静電分離容器の粉粒体投入部に投入することである。
〔作 用〕
比重分離装置と静電分離装置の第1の排出口から排出された粉粒体を第1の分級機によって粗粒と微粒に分離して、そのうちの微粒を静電分離装置に投入し、また、静電分離装置の第2の排出口から排出された粉粒体を第2の分級機によって粗粒と微粒に分離して、そのうちの粗粒を静電分離装置に投入する。これにより、粉粒体の成分が粒度や比重によって異なっている場合には、サイクロンや回転ロータのついた分級機により分級した粗粒又は微粒を静電分離装置に投入することにより、より高い効率で所定の粉粒体(導電性粒子/絶縁性粒子)に分離することができる。

0022

〔解決手段5〕(請求項7に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段5は、比重分離装置の比重分離容器内に供給された粉粒体を、振動と流動化空気により分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて、該比重の小さい粒子を上記比重分離容器の上部から排出し、比重の大きい粒子を下部から排出することにより、比重の小さい粒子と比重の大きい粒子を分離する比重分離方法を前提として、次の要件(ニ)を備えることである。
(ニ) 比重分離容器の上部において外部から吸引する空気でもって、比重の小さい粒子を回収して排出すること。

0023

〔作 用〕
振動と流動化空気により粉粒体を分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させ、比重分離容器の上部において吸引する空気でもって、比重の小さい粒子を回収して上部から排出し、比重の大きい粒子を下部から排出することにより、比重の小さい粒子と比重の大きい粒子が分離される。この結果、流動化空気とは別のより流速の速い気流により、比重の小さい粒子を回収することができる。また、比重の小さい粒子が粉粒体層の上部に移動・浮遊して直ぐに回収することができる。
比重が小さく成分の異なる粒子が多い場合、又は比重が小さく導電性のよい粒子が多い場合には、より有効な分離方法であり、単独の分離方法として利用することができる。一方、粉粒体の成分分布が比重のみでなく、導電性/絶縁性でもある場合には、静電分離方法の前処理として適用すれば、より分離能力及び分離効率を高めることができる。即ち、比重の小さい粒子が導電性粒子の場合、前処理として比重分離方法を適用することにより、静電分離方法での負荷を軽減でき、かつ静電分離方法においてスパーク発生を防止することができるので安定運転が可能となる。

0024

〔解決手段6〕(請求項8に対応)
上記課題を解決するために講じた解決手段6は、粉粒体を比重分離部において比重分離した後、比重の大きい粒子を静電分離部において静電分離する粉粒体の分離方法において、
上記比重分離部では、粉粒体を振動と流動化空気により分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させて、該比重分離部の上部において外部から吸引する空気でもって、比重の小さい粒子を回収して該比重分離部の上部から排出し、比重の大きい粒子を上記静電分離部に供給し、
この静電分離部では、比重の大きい粒子を振動と流動化空気により分散・横移動させながら、静電気により導電性粒子を飛散させて、該静電分離部の上部において外部から吸引する空気でもって、導電性粒子を回収して該静電分離部の上部から排出し、絶縁性粒子を該静電分離部の下部から排出することである。

0025

〔作 用〕
比重分離部では、振動と流動化空気により粉粒体を分散・横移動させながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の上部に移動・浮遊させ、また、静電分離部では、振動と流動化空気により粉粒体を分散・横移動させながら、静電気により導電性粒子を飛散させることにより、比重分離部及び静電分離部の上部の空気吸引口から吸引する空気でもって、比重の小さい粒子と導電性粒子を回収して上部から排出し、絶縁性粒子を静電分離部の下部から排出する。
この結果、比重が異なり導電性が異なる粒子が混在する粉粒体であっても、比重分離をした後、静電分離をすることができ、異種粒子を飛散させて搬送用の空気により回収して装置外に排出することができる。また、比重の小さい導電性の粒子が多い場合も、先に比重分離をすることにより導電性粒子量を低減することができる。

発明の効果

0026

本発明の効果を主な請求項毎に整理すると、次ぎのとおりである。
(1) 請求項1及び請求項7に係る発明
流動化空気とは別のより流速の速い気流(搬送用の空気)によって比重の小さい粒子を回収することができるので、回収速度が高まり分離能力を大きく改善することができる。また、比重の小さい粒子が粉粒体層の上部に移動・浮遊して直ぐに回収されるため、再混合されることがなく分離効率を向上することができる。
(2) 請求項2に係る発明
比重分離容器内に投入された粉粒体の温度と水分を調整することにより、粉粒体の温度と水分を適正な状態にすることができるので、より高効率の比重分離が可能である。

0027

(3) 請求項3に係る発明
流路断面積が縮小され流速が速くなる部分では、粉粒体層表面からの粉粒体の巻き上げが積極的に行われ、流路断面積が拡大され流速が遅くなる部分では、気流に搬送される粉粒体のうちより比重の大きいものの沈降が起こる。このため、単純に搬送用の空気量を増やし流速を上げる場合に比べて、比重による選択性(分離効率)を損なうことなく、粉粒体の飛散を促進することができ、分離能力を向上することができる。

0028

(4) 請求項4に係る発明
前段の比重分離部で比重分離をし、後段の静電分離部で静電分離をすることにより、比重が異なり導電性が異なる粒子が混在する粉粒体であっても、異種粒子を一括飛散させて搬送用の空気により回収して装置外に排出することができるので、分離装置のコンパクト化を図ることができる。また、比重の小さい導電性粒子が多い場合でも、先に比重分離を行うことにより導電性粒子量を低減することができるので、静電分離におけるスパーク発生を抑制することができ、安定した運転ができると共に、導電性粒子を分離することにより、分散性が良くなるので、高い分離能力と分離効率を得ることができる。

0029

(5) 請求項5に係る発明
比重分離装置によって比重分離した後、静電分離装置によって静電分離することにより、比重分離装置と静電分離装置において個別に操作条件を設定することができ、幅広い粉粒体の状態に対応することができるので、より高い分離能力や分離効率を得ることができる。
即ち、粉粒体が高温の場合には、比重分離装置における流動化空気の温度を低く湿度を高くすること、また比重の小さい導電性粒子が多い場合には、比重分離装置における流動化空気量を少なくすること等ができる。そして、比重分離後の粒度が小さい場合には、静電分離装置における印可電圧を大きくすること、また導電性粒子が多い場合には印可電圧を下げること等ができる。これにより、より高い分離能力や分離効率を得ることができる。

0030

(6) 請求項6に係る発明
比重分離装置と静電分離装置の第1の排出口から排出された粉粒体を第1の分級機によって粗粒と微粒に分離して、そのうちの微粒を静電分離装置に投入し、また、静電分離装置の第2の排出口から排出された粉粒体を第2の分級機によって粗粒と微粒に分離して、そのうちの粗粒を静電分離装置に投入するので、粉粒体の成分が粒度や比重によって異なっている場合には、より高い効率で所定の粉粒体(導電性粒子/絶縁性粒子)に分離することができる。

0031

(7) 請求項8に係る発明
比重分離部で比重分離した後、静電分離部で静電分離をすることにより、比重が異なり導電性が異なる粒子が混在する粉粒体であっても、異種粒子を飛散させて搬送用の空気により回収して装置外に排出することができる。また、比重の小さい導電性の粒子が多い場合でも、先に比重分離を行うことにより導電性粒子量を低減することができるので、静電分離におけるスパーク発生を抑制することができ、安定した運転ができると共に、導電性粒子を分離することにより、分散性が良くなるので、高い分離能力と分離効率を得ることができる。

0032

(8) 請求項9に係る発明
比重分離、比重分離と静電分離、又は比重分離と静電分離と粒度分離をした後、一方の粉粒体をボイラに投入し、他方の粉粒体を建設土木資材原料として建設・土木資材製造プラントに投入することにより、次のような効果を生じる。
即ち、上記一方の粉粒体(異種粒子)がカーボンである場合には、燃料としてボイラに投入することにより、石炭等の燃料を節約することができ、他方はカーボンが減少した粉粒体であり、水和固化させると高強度となるので、建設・土木資材原料として利用することができる。
また、上記一方の粉粒体が金属Alの場合には、ボイラに投入することにより、酸化されて安定物となり、他方は金属Alが減少した粉粒体であり、軟弱土水分調整材として利用することができる。

発明を実施するための最良の形態

0033

粉粒体の比重分離において、気流による粒子の搬出を工夫することにより、安定した高い分離能力と分離効率を達成するという目的を、比重分離装置における比重分離容器の上部に空気吸引口を形成し、この空気吸引口から吸引される空気でもって、比重の小さい粒子を回収して排出することにより実現するものである。

0034

本発明の実施例1(請求項1及び請求項7に対応)について、図1を参照しながら説明する。図1は比重分離装置の模式図である。
図1に示されているように、比重分離装置30は、原料である粉粒体Aを投入する粉粒体投入口1と、比重の大きい粒子を排出する下部の排出口13aとを有し、基台(図示を省略)上に振動自在に支持される比重分離容器2aを備えている。この比重分離容器2aは振動機3により振動が付与されるようになっており、その内側下部には流動化空気を分散する多孔板5を設けることにより風箱4が形成され、この風箱4には流動化空気供給口8が設けられている。また、この比重分離容器2aの上部には空気吸引口6と排出口7aが設けられており、この排出口7aは排出管7に連結され、ブロワー等の空気吸引手段(図示を省略)によって比重分離容器2a内の空気を吸引して排出するので、上記空気吸引口6から搬送用の空気が導入される。

0035

この実施例1の比重分離装置30においては、粉粒体投入口1より比重分離容器2a内に供給された粉粒体Aを、振幅0.5〜5mm、振動数700〜3000回/minで振動する振動機3による振動と、流動化空気の供給口8から風箱4に供給され、多孔板5により線速度0.1〜10cm/sとされた流動化空気とによって、分散・横移動しながら、比重の小さい粒子を粉粒体層の表面に移動・浮遊させる。そして、上記比重分離容器2aの上部の空気吸引口6より導入して、比重分離容器2a内で流速10〜200cm/sとされた搬送用の空気でもって、移動・浮遊している比重の小さい粒子を回収し、上部の排出口7aより排出する一方、比重の大きい粒子を下部の排出口13aより排出する。
粉粒体Aの微粒子が多い場合には、流動化の促進を目的として、振幅0.5〜2mm、振動数1500〜3000回/minとし、流動化空気量を下げて多孔板5における線速度を0.1〜3cm/sとすればよい。

0036

次に、上記実施例1において説明した比重分離装置30(図1参照)を用いて、火力発電用ボイラ等から排出される石炭灰を、以下の条件で比重分離を行った具体例について説明する。
流動化空気の供給口8から風箱4に対して、温度20℃で湿度40%RHの流動化空気を、多孔板5での線速度が8cm/sとなるように供給すると共に、温度20℃で湿度40%RHの搬送用の空気を、比重分離容器2a内での流速が50cm/sとなるように空気吸引口6から吸引する。また、比重分離容器2a全体を振幅1.8mm、振動数1700回/minにて振動させて、上下間隔150mmの空間に、温度20℃の石炭灰(導電性粒子(未燃分)割合:28%、水分:0.15%)を7kg/minで供給する。そして、該比重分離容器2aの上部の排出口7aから比重の小さい粒子(導電性粒子)を排出しながら、分離ゾーンでの滞留時間が180秒で30分間運転を行った。
その結果、上部の排出口7aより回収した石炭灰は、供給量の17%であり、導電性粒子(未燃分)割合が82%であった。また、下部の排出口13aより回収した石炭灰は、供給量の83%であり、導電性粒子割合が17%であった。

0037

これに対して、従来の比重分離装置(搬送用の空気により回収しないもの)では、100μm程度以下の微粉を処理する場合に処理速度が大きく低下してしまう、あるいは分離すべき粉粒体の選択性が不十分なものであるため、この実施例1の比重分離装置は大量処理及び高効率分離の点において非常に優れているものである。
この実施例1の比重分離装置によって良好に分離処理することができる粉粒体は、導電性粒子の割合が5〜95%、水分割合が0〜0.2%の状態のものである。この場合における比重分離容器内の雰囲気の湿度は50%以下にすることが望ましい。この湿度が50%より高いと吸湿による粒子の凝集が起こり、分離能力、分離効率が低下する場合がある。また、搬送用空気の流速は、10〜200cm/sにする必要があり、10cm/s以下では導電性粒子の除去が不十分であり、200cm/s以上では選択性が低下し、導電性粒子を除去した粉粒体の回収量が不十分となる。

0038

本発明の実施例2(請求項2に対応)について、図2を参照しながら説明する。図2は比重分離装置の模式図である。
この実施例2は、図2示されているように、上記実施例1(図1参照)の比重分離装置30において、供給口8から供給される流動化空気の温度と湿度を調整することができる調温・調湿手段を備えたものである。この調温・調湿手段は除湿機9、加湿機10、加温機11及び冷却機12から構成されている。
このような調温・調湿手段が、他の実施例の分離装置においても適宜設けられることは言うまでもない。

0039

この実施例2の比重分離装置30においては、粉粒体投入口1より比重分離容器2a内に供給された粉粒体Aを、振幅0.5〜5mm、振動数700〜3000回/minで振動する振動機3による振動と、除湿機9、加湿機10、加温機11、又は冷却機12を選択的に経由して、流動化空気の供給口8から風箱4に供給され、多孔板5により線速度0.1〜10cm/sとされた流動化空気とによって、分散・横移動しながら、冷却、加温又は調湿して、比重の小さい粒子を粉粒体層の表面に移動・浮遊させる。そして、上記比重分離容器2aの上部の空気吸引口6より導入して、比重分離容器2a内で流速10〜200cm/sとされた搬送用の空気でもって、移動・浮遊している比重の小さい粒子を回収し、上部の排出口7aより排出する一方、比重の大きい粒子を下部の排出口13aより排出する。

0040

流動化空気の条件は、粉粒体の状態によって調整する。即ち、原料である粉粒体の温度が200℃程度の場合には、冷却と水分付与を目的として、空気量を多くし、加湿機10と冷却機12を経由し、湿度50〜95%、温度10〜25℃として比重分離容器2aの供給口8に供給する。また、粉粒体の温度が10℃程度であって水分が多い場合には、加温と水分低減を目的として、除湿機9と加温機11を経由し、湿度10〜40%、温度40〜100℃として比重分離容器2aの供給口8に供給する。

0041

次に、上記実施例2において説明した比重分離装置30(図2参照)を用いて、火力発電用ボイラ等から排出される石炭灰を、以下の条件で比重分離を行った具体例について説明する。
流動化空気の供給口8から風箱4に対して、温度10℃で湿度85%RHの流動化空気を、多孔板5での線速度が8cm/sとなるように供給すると共に、温度20℃で湿度55%RHの搬送用の空気を、比重分離容器2a内での流速が50cm/sとなるように空気吸引口6から吸引する。また、比重分離容器2a全体を振幅1mm、振動数2000回/minにて振動させて、上下間隔150mmの空間に、温度200℃の石炭灰(導電性粒子(未燃分)割合:28%、水分:0%)を7kg/minで供給する。そして、該比重分離容器2aの上部の排出口7aから比重の軽い粒子(導電性粒子)を排出しながら、分離ゾーンでの滞留時間150秒で30分間運転を行った。
その結果、上部の排出口7aより回収した石炭灰は、供給量の20%であり、導電性粒子(未燃分)割合が85%であった。また、下部の排出口13aより回収した石炭灰は、供給量の80%であり、導電性粒子割合が14%であった。

0042

この実施例2においては、上記実施例1における効果に加え、粉粒体の冷却・加湿(あるいは乾燥)機能により粉粒体の温度・水分を適正な状態にでき、効率よく比重分離を行うことができるとともに、静電分離の前処理装置として位置付けることも可能となるという利点がある。

0043

本発明の実施例3(請求項3に対応)について、図3を参照しながら説明する。図3は比重分離装置の模式図である。
この実施例3は、図3示されているように、上記実施例1(図1参照)の比重分離装置30において、比重分離容器2aの天板凹凸流速変化手段)を付けて、比重の小さい粒子を搬送する搬送用の空気の流速を10〜50%変化させるように構成したものである。このような搬送用空気の流速変化手段は、他の実施例の比重分離装置においても適宜設けることが可能である。

0044

次に、上記実施例3において説明した比重分離装置30(図3参照)を用いて、火力発電用ボイラ等から排出される石炭灰を、以下の条件で比重分離を行った具体例について説明する。
流動化空気の供給口8から風箱4に対して、温度20℃で湿度40%RHの流動化空気を、多孔板5での線速度が8cm/sとなるように供給すると共に、温度20℃で湿度40%RHの搬送用の空気を、比重分離容器2a内での流速が50cm/sとなるように空気吸引口6から吸引する。また、比重分離容器2a全体を振幅1mm、振動数2000回/minにて振動させて、上下間隔150〜200mmの空間に、温度20℃の石炭灰(導電性粒子(未燃分)割合:28%、水分:0.15%)を13kg/minで供給する。そして、比重分離容器2aの上部の排出口7aから比重の小さい粒子(導電性粒子)を排出しながら、分離ゾーンでの滞留時間が120秒で30分間運転を行った。
その結果、上部の排出口7aより回収した石炭灰は、供給量の19%であり、導電性粒子(未燃分)割合が79%であった。また、下部の排出口13aより回収した石炭灰は、供給量の81%であり、導電性粒子割合が16%であった。

0045

この実施例3においては、上記実施例1における効果に加え、さらに滞留時問を短くすることができ、装置を小型化できるという利点がある。

0046

本発明の実施例4(請求項4及び8に対応)について、図4を参照しながら説明する。図4は比重・静電分離装置の模式図である。
図4に示されているように、比重・静電分離装置40は、原料である粉粒体Aを供給する粉粒体投入口1と、前段の比重分離部2a'と後段の静電分離部2b'とを仕切る仕切板16と、比重の大きい絶縁性粒子を排出する下部の排出口13とを有し、基台(図示を省略)上に振動自在に支持される比重・静電分離容器2を備えている。この比重・静電分離容器2は振動機3により振動が付与されるようになっており、その比重分離部2a'と静電分離部2b'の内側下部には、それぞれ流動化空気を分散する多孔板5,5が設けられることにより風箱4,4が形成され、この各風箱4,4にはそれぞれ流動化空気の供給口8,8が設けられている。また、上記比重分離部2a'と静電分離部2b'の上部には、それぞれ空気吸引口6,6と排出口7a,7aが設けられており、これらの排出口7a,7aは排出管7に連結され、ブロワー等の空気吸引手段(図示を省略)によって比重・静電分離容器2内の空気を吸引して排出するので、上記空気吸引口6,6から搬送用の空気が導入される。
さらに、上記比重・静電分離容器2の静電分離部2b'には、直流高電圧を印可して電界を発生させる下部電極14と上部電極15が設けられている。

0047

この実施例4の比重・静電分離装置40においては、粉粒体投入口1より比重・静電分離容器2に投入された粉粒体Aを、振幅0.5〜5mm、振動数700〜3000回/minで振動する振動機3による振動と、流動化空気の供給口8,8から風箱4,4に供給され、多孔板5,5により線速度0.1〜10cm/sとされた流動化空気とによって、分散・横移動しながら、冷却、加温又は調湿して、比重の小さい粒子を粉粒体層の表面に移動・浮遊させる。そして、比重・静電分離容器2の前段(比重分離部2a')上部の空気吸引口6より導入し、比重・静電分離容器2内で流速10〜200cm/sとされた搬送用の空気でもって、移動・浮遊している比重の小さい粒子を回収し、上部の排出口7aより排出すると共に、比重の大きい粒子を上記比重・静電分離容器2の後段(静電分離部2b')に移動させる。

0048

上記後段の静電分離部2b'では、下部電極14と上部電極15の間に電界強度が0.05〜0.5kV/mmとなるように直流高電圧を印可して、導電性粒子を飛散させ、後段(静電分離部2b')上部の空気吸引口6より導入し、比重・静電分離容器2内で流速10〜200cm/sとされた搬送用の空気でもって回収し、上部の排出口7aより排出する一方、絶縁性粒子を下部の排出口13より排出する。
上記比重・静電分離装置40の前段の比重分離部2a'と後段の静電分離部2b'とは流動層高や流動化空気量などが異なるので、仕切板16を設けている。電界強度は粉粒体の誘電率や粒度などに応じて調整するが、粒度が大きくなり、誘電率が大きくなると電界強度を小さくする。

0049

次に、上記実施例4において説明した比重・静電分離装置40(図4参照)を用いて、火力発電用ボイラ等から排出される石炭灰を、以下の条件で比重分離及び静電分離を行った具体例について説明する。
上記比重・静電分離装置40における比重・静電分離容器2の前段(比重分離部2a')の風箱4には、温度15℃で湿度85%RHの流動化空気を、多孔板5での線速度が7cm/sとなるように供給し、後段(静電分離部2b')の風箱4には温度20℃で湿度55%RHの流動化空気を、多孔板5での線速度が1cm/sとなるように供給すると共に、温度20℃で湿度45%RHの搬送用の空気を、比重・静電分離容器2内での流速が50cm/sとなるように空気吸引口6から吸引する。また、上記比重・静電分離容器2全体を振幅2mm、振動数1500回/minにて振動させて、上下間隔100mmの空間に、温度150℃の石炭灰(導電性粒子(未燃分)割合:28%、水分:0%)を6kg/minで供給する。そして、上記比重分離部2a'の上部の排出口7aから比重の小さい粒子(導電性粒子)を排出し、比重の大きい粒子は滞留時間120秒保持した後、後段の静電分離部2b'に移動させる。

0050

この静電分離部2b'では、下部電極14と上部電極15の間に電界強度が0.25kV/mmとなるように直流高電圧を印可して、導電性粒子を飛散させ、上部の空気吸引口6より導入した搬送用の空気でもって、該導電性粒子を排出口7aより排出し、上記比重分離部2a'の上部より排出された粒子と排出管7にて合流させる一方、絶縁性粒子は滞留時間180秒保持した後、下部の排出口13より排出する。
その結果、上部の排出口7aより回収した石炭灰は、供給量の27%であり、導電性粒子(未燃分)割合が86%であった。また、下部の排出口13より回収した石炭灰は、供給量の73%であり、導電性粒子割合が6.5%であった。

0051

この実施例4においては、上記実施例1における効果に加え、粉粒体の冷却・加湿(あるいは乾燥)機能、後段静電分離部の付加により、さらに導電性粒子の分離効率を高めることができるという利点がある。
この実施例4の比重・静電分離装置によって良好に分離処理することができる粉粒体は、導電性粒子の割合が1〜95%、水分割合が0〜0.3%の状態のものである。この場合における比重・静電分離容器内の静電分離部での粉粒体の温度は、95℃以下にする必要があり、この温度が95℃より高いと粒子中に水分を吸湿することができず、導電性粒子の分離効率が低下する。また、搬送用空気の流速は、10〜200cm/sにする必要があり、10cm/s以下では導電性粒子の除去が不十分であり、200cm/s以上では選択性が低下し、導電性粒子を除去した粉粒体の回収量が不十分となる。

0052

本発明の実施例5(請求項5及び8に対応)について、図5−1を参照しながら説明する。図5−1は比重分離装置と静電分離装置を組み合わせた粉粒体の分離装置の模式図である。
この実施例5の分離装置は、図5−1に示されているように、比重分離装置30と静電分離装置50を組み合わせたものであり、該比重分離装置30の構成は、上記実施例1において説明した比重分離装置(図1参照)と同じである。

0053

上記静電分離装置50は、上記実施例4の比重・静電分離装置40(図4参照)における静電分離部2b'と類似する構成であり、絶縁性粒子を排出する下部の排出口13を有し、基台(図示を省略)上に振動自在に支持される静電分離容器2bを備えている。この静電分離容器2bは振動機3により振動が付与されるようになっており、その内側下部には流動化空気を分散する多孔板5が設けられることにより風箱4が形成され、この風箱4には流動化空気の供給口8が設けられている。また、上記静電分離容器2bの上部には、空気吸引口6と排出口7aが設けられており、この排出口7aは排出管7に連結され、ブロワー等の空気吸引手段(図示を省略)によって静電分離容器2b内の空気を吸引して排出するので、上記空気吸引口6から搬送用の空気が導入される。そして、該静電分離容器2bへの粉粒体投入口は、上記比重分離装置30の下部の排出口13aが兼ねている。
さらに、上記静電分離容器2bには、直流高電圧を印可して電界を発生させる下部電極14と上部電極15が設けられている。

0054

この実施例5の分離装置においては、粉粒体投入口1より比重分離容器2aに投入された粉粒体Aを、振幅0.5〜5mm、振動数700〜3000回/minで振動する振動機3による振動と、流動化空気の供給口8から風箱4に供給され、多孔板5により線速度0.1〜10cm/sとされた流動化空気とによって、分散・横移動しながら、冷却、加温又は調湿して、比重の小さい粒子を粉粒体層の表面に移動・浮遊させる。そして、上記比重分離容器2aの上部の空気吸引口6より導入し、比重分離容器2a内で流速10〜200cm/sとされた搬送用の空気でもって、移動・浮遊している比重の小さい粒子を回収し、上部の排出口7aより排出する一方、比重の大きい粒子を比重分離容器2aの下部の排出口13aより排出することにより、静電分離装置50の静電分離容器2bに供給する。
この静電分離容器2bでは、下部電極14と上部電極15の間に電界強度が0.05〜0.5kV/mmとなるように直流高電圧を印可して、導電性粒子を飛散させ、上部の空気吸引口6より導入し、静電分離容器2b内で流速10〜200cm/sとされた搬送用の空気でもって回収し、上部の排出口7aより排出し、上記比重分離容器2aの上部より排出された粒子と排出管7にて合流する一方、絶縁性粒子は下部の排出口13より排出する。

0055

次に、上記実施例5において説明した分離装置(図5−1参照)を用いて、火力発電用ボイラ等から排出されるスラッジ灰を、以下の条件で比重分離及び静電分離を行った具体例について説明する。(なお、スラッジ灰は、製紙工程で発生する製紙スラッジ(汚泥)を、RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel:廃プラスチック産業古紙類を原料とした高カロリー固形燃料)等の助燃材一緒に、自家発電用ボイラ等の燃料として利用した場合に発生するものである。)
流動化空気の供給口8から風箱4に対して、温度90℃で湿度35%RHの流動化空気を、多孔板5での線速度が7cm/sとなるように供給すると共に、温度20℃で湿度45%RHの搬送用の空気を、比重分離容器2a内での流速が50cm/sとなるように空気吸引口6から吸引する。また、比重分離容器2a全体を振幅2mm、振動数1500回/minにて振動させて、上下間隔400mmの空間に、温度20℃のスラッジ灰(未燃分割合:6%、金属Al割合:0.5%、水分:0.25%)を7kg/minで供給し、比重分離容器2aの上部の排出口7aより比重の小さい粒子(未燃分)を排出しながら、分離ゾーンでの滞留時間150秒で30分間運転を行い、下部の排出口13aより比重の大きい粒子を排出する。

0056

そして、上記排出口13aより排出され静電分離容器2bに供給された比重の大きい粒子は、下部電極14と上部電極15の間(80mm)に電界強度が0.15kV/mmとなるように直流高電圧を印可することにより、導電性粒子を飛散させ、上部の空気吸引口6より導入した搬送用の空気でもって、上部の排出口7aより排出し、上記比重分離容器2aの上部より排出された粒子と排出管7にて合流する一方、絶縁性粒子は滞留時間180秒保持した後、下部の排出口13より排出する。
この場合、流動化空気は温度60℃で湿度40%RHであり、多孔板5での線速度が2cm/sとなるように供給すると共に、搬送用空気は温度20℃で湿度45%RHであり、静電分離容器2b内での流速が50cm/sとなるように空気吸引口6から吸引する。また、静電分離容器2bは、全体を振幅2mmで振動数1700回/minにて振動させる。
その結果、上部の排出口7aより回収したスラッジ灰は、供給量の30%であり、未燃分割合が18%、金属Al割合が1.6%であった。また、下部の排出口13より回収したスラッジ灰は、供給量の70%であり、未燃分割合が0.9%、金属Al割合が0.01%であった。

0057

この実施例5においては、上記実施例1における効果に加え、静電分離効果の追加と流動化空気の温度・湿度・流量、搬送用空気の温度・湿度・流量、分離容器の振幅・振動数の個別調整が可能となり、より広範囲な状態の粉粒体が処理可能になるという利点がある。
この実施例5の分離装置によって良好に分離処理することができる粉粒体は導電性粒子の割合が0.1〜95%、水分割合が0〜0.5%の状態のものである。

0058

次に、上記実施例5の分離装置を粉粒体の分離処理システムに適用した例(請求項9に対応)について、図5−2を参照しながら説明する。図5−2は石炭焚流動層ボイラから排出される飛灰の分離処理システムの模式図である。
この飛灰の分離処理システムは、図5−2に示されているように、上記実施例5の分離装置(比重分離装置30と静電分離装置50を組み合わせたもの、図5−1を参照)を用いて、流動層ボイラ17から排出される飛灰を処理して、建設・土木資材の原料を調整するものである。この分離処理システムは、流動層ボイラ17の燃焼ガスから飛灰を回収する2段の集塵器22,22と、飛灰の未燃分を溜める飛灰リサイクルホッパ18と、上記2段の集塵器22,22で回収した飛灰を溜める集積ホッパ23と、該集積ホッパ23に溜まった飛灰を分離処理する比重分離装置30及び静電分離装置50と、該静電分離装置50の下部から排出される粉粒体を貯蔵する原料サイロ20とから構成される。
なお、19は流動層ボイラ17の石炭供給口、21は建設・土木資材製造プラント、24は流動層ボイラ17の燃焼ガスを放出する煙突である。

0059

この図5−2に示されている飛灰の分離処理システムでは、2段の集塵器22,22によって回収された飛灰を比重分離装置30と静電分離装置50により比重分離及び静電分離を行い、各分離装置30,50の上部から排出される粉粒体(未燃分濃縮灰)は、飛灰リサイクルホッパ18に投入して流動層ボイラ17の燃料として利用する。また、上記静電分離装置50の下部より排出される粉粒体(未燃分低減灰)は、建設・土木資材製造プラント21に供給して建設・土木資材の原料として利用する。この原料となる粉粒体の製造プラント21への輸送方法は、この製造プラント21の立地条件等により、空気輸送コンベア輸送ジェットパック車輸送などを適宜選択することができる。

0060

次に、上述した分離処理システムを用いて、実施例4と同一条件で比重分離及び静電分離を行った場合について説明する。この分離処理システムにおいて、集積ホッパ23から比重分離装置30に投入される粉粒体(石炭灰)は、実施例4におけるものと同じである。
未燃分が多い粉粒体(石炭灰)は燃料として流動層ボイラ19に投入し、未燃分が少ない粉粒体は、建設・土木資材製造プラント21の原料サイロ20に空気輸送で搬送した。この未燃分が多い粉粒体を流動層ボイラ19に投入することにより、石炭の使用量を5%削減することができた。また、未燃分の少ない粉粒体(石炭灰)を建設・土木資材の原料に用いることにより、添加材が不要となり、水和固化体の強度が約2倍の15N/mm2となった。
ここでは、粉粒体の分離装置として、実施例5のもの(図5−1を参照)を適用した場合について説明したが、これに限定されることなく、実施例1〜実施例6(次に説明する実施例)の分離装置のうち、いずれかを選択して適用し得ることは言うまでもない。

0061

本発明の実施例6(請求項6に対応)について、図6を参照しながら説明する。図6は比重分離装置と静電分離装置と粒度分離装置を組み合わせた分離装置の模式図である。
この実施例6の分離装置は、図6に示されているように、比重分離装置30、静電分離装置50、及び粒度分離装置(分級機)60a,60bを組み合わせたものであり、上記実施例5の分離装置(図5−1を参照)において、さらに2つの分級機60a,60bを設けたものである。この分級機60aは、上記比重分離装置30と静電分離装置50の上部の排出口7aからそれぞれ排出される粉粒体(比重の小さい粒子と導電性粒子)を分級し、また分級機60bは、上記静電分離装置50の下部の排出口13から排出される粉粒体(絶縁性粒子)を分級するものである。

0062

この実施例6の分離装置(図6参照)においては、粉粒体投入口1より比重分離容器2aに投入された粉粒体Aを、振幅0.5〜5mm、振動数700〜3000回/minで振動する振動機3による振動と、流動化空気の供給口8から風箱4に供給され、多孔板5により線速度0.1〜10cm/sとされた流動化空気とによって、分散・横移動しながら、冷却、加温又は調湿して、比重の小さい粒子を粉粒体層の表面に移動・浮遊させる。そして、上記比重分離容器2aの上部の空気吸引口6より導入し、比重分離容器2a内で流速10〜200cm/sとされた搬送用の空気でもって、移動・浮遊している比重の小さい粒子を回収し、上部の排出口7aより排出する一方、比重の大きい粒子を下部の排出口13aより排出することにより、静電分離装置50の静電分離容器2bに供給する。
上記静電分離容器2bでは、下部電極14と上部電極15の間に電界強度が0.05〜0.5kV/mmとなるように直流高電圧を印可して、導電性粒子を飛散させて、上部の空気吸引口6より導入し、静電分離容器2b内で流速10〜200cm/sとされた搬送用の空気でもって回収し、上部の排出口7aより排出して、上記比重分離容器2aの上部より排出された粒子と排出管7にて合流する一方、絶縁性粒子を下部の排出口13より排出する。

0063

そして、上記分級機60aでは、上記比重分離容器2aの上部より排出された比重の小さい粒子と、上記静電分離容器2bの上部より排出された導電性粒子とが合流され、粗粒と微粒に分級されて、そのうちの粗粒は分級機60aの下部より排出され、微粒は静電分離容器2bの粉粒体投入部に投入される。また、分級機60bでは、静電分離容器2bの下部の排出口13より排出された粉粒体が粗粒と微粒に分級されて、そのうちの粗粒(導電性粒子)は静電分離容器2bの粉粒体投入部に投入され、微粒(絶縁性粒子)は分級機60bより排出される。この場合、粗粒分が減少しているため、分級機としてはいが好適である。
このように各分級機60a,60bにより処理することによって、不純物や異種粒子が粗粒側に移行するので、より均質な粉粒体とすることができる。

0064

次に、上記実施例6において説明した分離装置(図6参照)を用いて、火力発電用ボイラ等から排出される石炭灰を、以下の条件で比重分離、静電分離、及び粒度分離を行った具体例について説明する。
流動化空気の供給口8から風箱4に対して、温度20℃で湿度30%RHの流動化空気を、多孔板5での線速度が1cm/sとなるように供給すると共に、温度20℃で湿度40%RHの搬送用の空気を、比重分離容器2a内での流速が50cm/sとなるように空気吸引口6から吸引する。また、比重分離容器2a全体を振幅1.5mm、振動数2000回/minにて振動させて、上下間隔400mmの空間に、温度20℃の石炭灰(未燃分割合:26%、水分:0.15%)を9kg/minで供給し、比重分離容器2aの上部の排出口7aより比重の小さい粒子(未燃分)を排出して、これを分級機60aで分級を行い、そのうちの微粒を静電分離容器2bの粉粒体供給部に投入した。比重の大きい粒子は滞留時間180秒保持し、下部の排出口13aより排出することにより、上記静電分離容器2bに供給した。

0065

上記静電分離装置50の静電分離容器2bに供給された比重の大きい粒子は、該静電分離容器2bにおいて、上部電極14と上部電極15の間(80mm)に電界強度が0.15kV/mmとなるように直流高電圧を印可することにより、導電性粒子を飛散させ、上部の空気吸引口6より導入した搬送用の空気でもって、上部の排出口7aより排出させて、上記比重分離装置30の上部より排出された粒子と合流させた後、それを分級機60aにより分級して、そのうちの微粒を静電分離容器2bの粉粒体投入部に投入した。滞留時間180秒に保持した後、静電分離容器2bの下部の排出口13より絶縁性粒子を排出した後、それを分級機60bにより分級して、そのうちの粗粒を静電分離容器2bの粉粒体投入部に投入した。
この場合、上記静電分離容器2bにおいて、流動化空気は温度20℃で湿度40%RHであり、多孔板5での線速度が1cm/sとなるように供給すると共に、搬送用空気は温度20℃で湿度45%RHであり、静電分離容器2b内での流速が50cm/sとなるように空気吸引口6から吸引する。また、この静電分離容器2bは、全体を振幅2mmで振動数1700回/minにて振動させる。
その結果、上部の排出口7aより回収して分級機60aにより分級した石炭灰は、供給量の28%であり、未燃分割合が82.5%であった。また、下部の排出口13より回収して分級機60bにより分級した石炭灰は、供給量の72%であり、未燃分割合が4.0%であった。

0066

この実施例6においては、上記実施例5における効果に加え、さらに分離粉粒体の純度を各々ともに向上できるという利点がある。
この実施例6の分離装置によって良好に分離処理することができる粉粒体は導電性粒子の割合が0.1〜95%、水分割合が0〜0.5%の状態のものである。

図面の簡単な説明

0067

は、本発明の実施例1に関する比重分離装置についての模式図である。
は、同じく実施例2に関する比重分離装置についての模式図である。
は、同じく実施例3に関する比重分離装置についての模式図である。
は、同じく実施例4に関する比重・静電分離装置についての模式図である。
は、同じく実施例5に関する、比重分離装置と静電分離装置を組み合わせた分離装置についての模式図である。
は、石炭焚流動層ボイラから排出される飛灰の分離処理システムについての模式図である。
は、本発明の実施例6に関する、比重分離装置と静電分離装置と粒度分離装置を組み合わせた分離装置についての模式図である。

符号の説明

0068

1‥‥粉粒体投入口2‥‥比重・静電分離容器
2a‥‥比重分離容器2b‥‥静電分離容器
3‥‥振動機4‥‥風箱
5‥‥多孔板6‥‥空気吸引口
7‥‥排出管7a‥‥第1の排出口(上部の排出口)
8‥‥(流動化空気の)供給口 9‥‥除湿機
10‥‥加湿機11‥‥加温機
12‥‥冷却機
13,13a‥‥第2の排出口(下部の排出口)
14‥‥下部電極15‥‥上部電極
16‥‥仕切板17‥‥石炭焚流動層ボイラ
18‥‥飛灰リサイクルホッパ 19‥‥石炭供給口
20‥‥原料サイロ21‥‥建設・土木資材製造プラント
22‥‥集塵器23‥‥集積ホッパ
24‥‥煙突
30‥‥比重分離装置
40‥‥比重・静電分離装置
50‥‥静電分離装置
60a,60b‥‥分級機(粒度分離装置)
A‥‥粉粒体

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