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技術 転炉スラグ流出量定量化方法、転炉の操業方法およびそれらの装置

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 櫻敏臣川島章浩
出願日 2005年7月29日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2005-219780
公開日 2006年6月8日 (14年6ヶ月経過) 公開番号 2006-144114
状態 特許登録済
技術分野 炉の廃ガス処理、炉の付属装置(炉一般4) 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 金属性パイプ 球状物体 使用タイミング 算出モデル 算出用画像 中空円柱 幅基準 スラグ流量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

受鋼鍋内の流出スラグ量定量化を行い、過剰投与となっている改質アルミ投与量のミニマム化を行う転炉スラグ流出量定量化方法、転炉操業方法およびそれらの装置を提供することである。

解決手段

転炉1で吹錬が終了した後、炉体傾動して出鋼口2から溶鋼台車4上の受鋼鍋3へ、スラグ6が混入した溶鋼5を流し込んでいる出鋼状態を、可視カメラ7と赤外線カメラ8という2種類のカメラ撮像し、これら撮像された画像を用いて、スラグ流出量算出装置10では受鋼鍋3内のスラグ量の定量化および改質用アルミの投入量を決定などを行う。可視カメラ7は、出鋼流流速算出用画像を取り込むためのカメラであり、赤外線カメラ8は、出鋼流のスラグとメタル比率および溶鋼幅算出用画像を取り込むためのカメラである。

概要

背景

高炉からの溶銑は、転炉装入され、成分調整のために脱炭吹錬され溶鋼となる。この溶鋼は、出鋼時に転炉本体を傾動することにより、転炉炉内から出鋼口を通り、受鋼鍋とよばれるに移しかえられる。しかし、この時の出鋼流には脱炭吹錬時に生成されるスラグ混流して、溶鋼と同時に受鋼鍋に流出してしまう可能性がある。このため、スラグ検知装置を用いることによって、スラグが流出し始めたタイミングを検知し、そのタイミングをオペレーターに知らせて、倒している炉を直立の状態に戻すことにより、スラグの受鋼鍋への流出を防ぐようにしている。

スラグ検知に関する従来の技術としては、例えば、特開平9−182953号公報(特許文献1)に開示されているスラグ検知方法という検知技術がある。ここでは、赤外線カメラでスラグと溶鋼の放射率の違いから、スラグと溶鋼を弁別し、溶鋼に対するスラグの割合がある閾値を超えた時点で、スラグが流出していると判断する技術が開示されている。
特開平9−182953号公報

概要

受鋼鍋内の流出スラグ量定量化を行い、過剰投与となっている改質アルミ投与量のミニマム化を行う転炉スラグ流出量定量化方法、転炉の操業方法およびそれらの装置を提供することである。転炉1で吹錬が終了した後、炉体を傾動して出鋼口2から溶鋼台車4上の受鋼鍋3へ、スラグ6が混入した溶鋼5を流し込んでいる出鋼状態を、可視カメラ7と赤外線カメラ8という2種類のカメラ撮像し、これら撮像された画像を用いて、スラグ流出量算出装置10では受鋼鍋3内のスラグ量の定量化および改質用アルミの投入量を決定などを行う。可視カメラ7は、出鋼流の流速算出用画像を取り込むためのカメラであり、赤外線カメラ8は、出鋼流のスラグとメタル比率および溶鋼幅算出用画像を取り込むためのカメラである。

目的

本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、受鋼鍋内の流出スラグ量の定量化を行い、過剰投与となっている改質アルミ投与量のミニマム化を行う転炉スラグ流出量定量化方法、転炉の操業方法およびそれらの装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

転炉の出鋼口から流出する出鋼流を、可視カメラおよび赤外線カメラ撮像し、該撮像した画像の画像処理により、前記出鋼流の流速およびスラグ幅を算出し、それらに基づきスラグ流出量を算出することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法。

請求項2

請求項1記載の転炉スラグ流出量定量化方法において、前記スラグ幅を、赤外線カメラで撮像した画像の内、スラグ溶鋼が占める面積比を求め、該面積比と出鋼流の幅に基づき算出することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法。

請求項3

請求項2に記載の転炉スラグ流出量定量化方法において、前記面積比を、赤外線カメラで撮像した画像を輝度により3値化することにより算出することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法。

請求項4

請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化方法において、算出した出鋼流の流速およびスラグ幅から、前記出鋼口直後における出鋼流の流速およびスラグ幅を推定し、それらに基づきスラグ流出量を算出することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法。

請求項5

請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化方法において、出鋼末期スラグカットボールを使用した場合には、スラグカットボール使用開始のタイミングから中空円柱形出鋼流として演算することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法。

請求項6

転炉の出鋼口から流出する出鋼流を撮像するための可視カメラおよび赤外線カメラと、撮像画像の画像処理を行う画像処理手段と、該画像処理手段のデータに基づき出鋼流の流速およびスラグ幅を算出するスラグ流速算出手段およびスラグ幅算出手段と、それらに基づきスラグ流出量を算出するスラグ流出量算出装置とを有することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置。

請求項7

請求項6記載の転炉スラグ流出量定量化装置において、前記スラグ幅算出手段が、赤外線カメラで撮像した画像の内、スラグと溶鋼が占める面積比を求め、該面積比と出鋼流の幅に基づき算出するものであることを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置。

請求項8

請求項7記載の転炉スラグ流出量定量化装置において、前記スラグ幅算出手段が、前記面積比を、赤外線カメラで撮像した画像を輝度により3値化することにより算出するものであることを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置。

請求項9

請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化装置において、前記スラグ流出量算出装置が、算出した出鋼流の流速およびスラグ幅から、前記出鋼口直後における出鋼流の流速およびスラグ幅を推定し、それらに基づきスラグ流出量を算出するものであることを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置。

請求項10

請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化装置において、前記スラグ流出量算出装置が、出鋼末期にスラグカットボールを使用した場合には、スラグカットボール使用開始のタイミングから中空円柱形出鋼流として演算するものであることを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置。

請求項11

請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化方法により求めたスラグ流出量から受鋼鍋内でのスラグ厚リアルタイムに算出することを特徴とする受鋼鍋内のスラグ厚算出方法

請求項12

請求項11に記載の受鋼鍋内のスラグ厚算出方法により算出されたスラグ厚に基づいて、スラグ中のT.Feを推定することを特徴とする転炉スラグ中のT.Fe推定方法

請求項13

請求項11に記載の受鋼鍋内のスラグ厚算出方法により算出されたスラグ厚に基づいて、スラグ改質材投入量を決定し、スラグ改質材の投入量を制御することを特徴とする転炉の操業方法

請求項14

転炉の出鋼口から流出する出鋼流を撮像するための可視カメラおよび赤外線カメラと、撮像画像の画像処理を行う画像処理手段と、該画像処理手段のデータに基づき出鋼流の流速およびスラグ幅を算出するスラグ流速算出手段およびスラグ幅算出手段と、それらに基づきスラグ流出量を算出するスラグ流出量算出装置と、該スラグ流出量算出装置で算出されたスラグ流出量から受鋼鍋内でのスラグ厚を算出するスラグ厚算出装置と、該スラグ厚算出装置で算出されたスラグ厚に基づいて、スラグ改質材の投入量を決定し、スラグ改質材の投入量を制御するスラグ改質材演算・制御装置と、を備えることを特徴とする転炉の操業装置。

技術分野

0001

本発明は、転炉からの出鋼状態を、可視カメラおよび赤外線カメラ撮影画像処理することで、転炉炉内から受鋼鍋に流出したスラグ量を定量的に算出するとともに算出スラグ流出量にもとづいてスラグ改質材投入量を決定・制御する転炉スラグ流出量定量化方法、転炉の操業方法およびそれらの装置に関するものである。

背景技術

0002

高炉からの溶銑は、転炉に装入され、成分調整のために脱炭吹錬され溶鋼となる。この溶鋼は、出鋼時に転炉本体を傾動することにより、転炉炉内から出鋼口を通り、受鋼鍋とよばれるに移しかえられる。しかし、この時の出鋼流には脱炭吹錬時に生成されるスラグ混流して、溶鋼と同時に受鋼鍋に流出してしまう可能性がある。このため、スラグ検知装置を用いることによって、スラグが流出し始めたタイミングを検知し、そのタイミングをオペレーターに知らせて、倒している炉を直立の状態に戻すことにより、スラグの受鋼鍋への流出を防ぐようにしている。

0003

スラグ検知に関する従来の技術としては、例えば、特開平9−182953号公報(特許文献1)に開示されているスラグ検知方法という検知技術がある。ここでは、赤外線カメラでスラグと溶鋼の放射率の違いから、スラグと溶鋼を弁別し、溶鋼に対するスラグの割合がある閾値を超えた時点で、スラグが流出していると判断する技術が開示されている。
特開平9−182953号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、特許文献1で開示された技術は、出鋼末期に流出する後滓と呼ばれるスラグの流出量を最小限にするために使用されているものである。実際の操業では、前滓と呼ばれる、転炉から出鋼し始める瞬間に流出するスラグがあるため、特許文献1で開示された技術を使用しても、受鋼鍋内へのスラグ流出を完全には避けることができないのが現状である。

0005

このスラグ流出があるため、受鋼鍋に流出したスラグへアルミを投入し、スラグを改質するという改質作業を行っている。流出したスラグ量に見合った量の改質用アルミ(鋼種と流出スラグ量から決定される)を投与できればよいが、流出スラグ量の定量化がされていないため、改質用アルミの投与量も過剰投与となっている。流出スラグ量の特定には、オペレーターの目視による判断(受鋼鍋内のスラグ厚推定など)に頼っているのが現状である。

0006

本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、受鋼鍋内の流出スラグ量の定量化を行い、過剰投与となっている改質アルミ投与量のミニマム化を行う転炉スラグ流出量定量化方法、転炉の操業方法およびそれらの装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の請求項1に係る発明は、転炉の出鋼口から流出する出鋼流を、可視カメラおよび赤外線カメラで撮像し、該撮像した画像の画像処理により、前記出鋼流の流速およびスラグ幅を算出し、それらに基づきスラグ流出量を算出することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法である。

0008

また本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の転炉スラグ流出量定量化方法において、前記スラグ幅を、赤外線カメラで撮像した画像の内、スラグと溶鋼が占める面積比を求め、該面積比と出鋼流の幅に基づき算出することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法である。

0009

また本発明の請求項3に係る発明は、請求項2に記載の転炉スラグ流出量定量化方法において、前記面積比を、赤外線カメラで撮像した画像を輝度により3値化することにより算出することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法である。

0010

また本発明の請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化方法において、算出した出鋼流の流速およびスラグ幅から、前記出鋼口直後における出鋼流の流速およびスラグ幅を推定し、それらに基づきスラグ流出量を算出することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法である。

0011

また本発明の請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化方法において、出鋼末期にスラグカットボールを使用した場合には、スラグカットボール使用開始のタイミングから中空円柱形出鋼流として演算することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化方法である。

0012

また本発明の請求項6に係る発明は、転炉の出鋼口から流出する出鋼流を撮像するための可視カメラおよび赤外線カメラと、撮像画像の画像処理を行う画像処理手段と、該画像処理手段のデータに基づき出鋼流の流速およびスラグ幅を算出するスラグ流速算出手段およびスラグ幅算出手段と、それらに基づきスラグ流出量を算出するスラグ流出量算出装置とを有することを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置である。

0013

また本発明の請求項7に係る発明は、請求項6記載の転炉スラグ流出量定量化装置において、前記スラグ幅算出手段が、赤外線カメラで撮像した画像の内、スラグと溶鋼が占める面積比を求め、該面積比と出鋼流の幅に基づき算出するものであることを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置である。

0014

また本発明の請求項8に係る発明は、請求項7記載の転炉スラグ流出量定量化装置において、前記スラグ幅算出手段が、前記面積比を、赤外線カメラで撮像した画像を輝度により3値化することにより算出するものであることを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置である。

0015

また本発明の請求項9に係る発明は、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化装置において、前記スラグ流出量算出装置が、算出した出鋼流の流速およびスラグ幅から、前記出鋼口直後における出鋼流の流速およびスラグ幅を推定し、それらに基づきスラグ流出量を算出するものであることを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置である。

0016

また本発明の請求項10に係る発明は、請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化装置において、前記スラグ流出量算出装置が、出鋼末期にスラグカットボールを使用した場合には、スラグカットボール使用開始のタイミングから中空円柱形出鋼流として演算するものであることを特徴とする転炉スラグ流出量定量化装置である。

0017

また本発明の請求項11に係る発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の転炉スラグ流出量定量化方法により求めたスラグ流出量から受鋼鍋内でのスラグ厚をリアルタイムに算出することを特徴とする受鋼鍋内のスラグ厚算出方法である。

0018

また本発明の請求項12に係る発明は、請求項11に記載の受鋼鍋内のスラグ厚算出方法により算出されたスラグ厚に基づいて、スラグ中のT.Feを推定することを特徴とする転炉スラグ中のT.Fe推定方法である。

0019

また本発明の請求項13に係る発明は、請求項11に記載の受鋼鍋内のスラグ厚算出方法により算出されたスラグ厚に基づいて、スラグ改質材の投入量を決定し、スラグ改質材の投入量を制御することを特徴とする転炉の操業方法である。

0020

さらに本発明の請求項14に係る発明は、転炉の出鋼口から流出する出鋼流を撮像するための可視カメラおよび赤外線カメラと、撮像画像の画像処理を行う画像処理手段と、該画像処理手段のデータに基づき出鋼流の流速およびスラグ幅を算出するスラグ流速算出手段およびスラグ幅算出手段と、それらに基づきスラグ流出量を算出するスラグ流出量算出装置と、該スラグ流出量算出装置で算出されたスラグ流出量から受鋼鍋内でのスラグ厚を算出するスラグ厚算出装置と、該スラグ厚算出装置で算出されたスラグ厚に基づいて、スラグ改質材の投入量を決定し、スラグ改質材の投入量を制御するスラグ改質材演算・制御装置と、を備えることを特徴とする転炉の操業装置である。

発明の効果

0021

本発明は、転炉から受鋼する時に鍋に流出するスラグ量を定量化し、算出したスラグ厚によってスラグ中のT.Feを推定するとともに、スラグ厚にもとづいて、投入する改質材の量を決定・制御するようにしたので、改質材の適正化が可能となった。

発明を実施するための最良の形態

0022

図1は、本発明に係るスラグ流出量計測装置を示す図である。同図において、1は転炉、2は出鋼口、3は受鋼鍋、4は溶鋼台車、5は溶鋼、6はスラグ、7は可視カメラ、8は赤外線カメラ、9は転炉制御装置、および10はスラグ流出量算出装置をそれぞれ示す。転炉1で吹錬が終了した後、炉体を傾動して出鋼口2から溶鋼台車4上の受鋼鍋3へ、スラグ6が混入した溶鋼5を流し込んでいる様子を模式的に表している。転炉からの出鋼状態を、可視カメラ7と赤外線カメラ8という2種類のカメラで撮像し、これら撮像された画像を用いて、スラグ流出量算出装置10では受鋼鍋3内のスラグ量の定量化演算を行うと共に、場合によっては演算結果に基づき改質用アルミの投入量の決定なども行う。転炉制御装置9は、転炉1における吹錬、出鋼といった一連の作業を制御する装置であり、例えば、出鋼開始・完了信号、スラグカットボール使用/不使用などといった信号をスラグ流出量算出装置10へ送っている。

0023

可視カメラ7は、出鋼流の流速算出用画像を取り込むためのカメラであり、対象により装置の仕様・撮影の条件は種々あるが一例を挙げれば、シャッタースピードは1/10000秒、1秒間当りフレーム数は100枚である。また、赤外線カメラ8は、出鋼流のスラグと溶鋼の比率およびスラグ幅算出用画像を取り込むためのカメラであり、これも一例を挙げれば、カメラのフレーム数は、1秒間あたり30枚である。

0024

図2は、本発明の計測処理フローを示す図である。先ず、ステップ100で処理を開始し、ステップ101で出鋼開始信号の受信を待つ。転炉制御装置9から出鋼開始を受信すると、ステップ102で赤外線カメラからのデータ取込みを開始する。赤外線カメラからの画像データ処理については、後述する。

0025

ステップ103では、赤外線カメラ撮像範囲画素の内、溶鋼に該当する輝度となる閾値以上の画素の数がある数(所定値)以上になったかどうかの判断を行う。これを満足すれば、前滓と呼ばれるスラグ流出が終わり本格的な溶鋼の出鋼開始として判断し、可視カメラ7による画像の撮影を開始する(ステップ104)。可視カメラによる測定は、予め設定した間隔およびピッチで行う。出鋼後半は、後滓の混入が始まるので、短いピッチで測定するようにするとよい。出鋼中に何回も撮影を行うのは、出鋼流の流速が、出鋼開始から出鋼終了までの間に経時変化するためである。経時変化する原因は、出鋼に伴って転炉炉内に存在する溶鋼量が減少し、炉内レンガ出銑口)からの湯面高さが低くなるからである。スラグ流出量を算出する場合、スラグ量は、出鋼流の流速に比例するため、出鋼流の流速は重要なファクターとなっている。したがって、出鋼時間内で、なるべく多くの点で流速を測定する必要がある。より精密な計測が必要であれば、測定ピッチを短くして可視カメラによる測定を行うようにするとよい。

0026

ステップ105では、以下に示すスラグの流速算出を行う。出鋼中のあるタイミングで可視カメラにより、例えば1回あたり100枚の画像を撮影する。撮影した連続する2枚の画像を用いて、1枚目の画像内に基準となる解析領域を設定する。そして、1枚目と2枚目の画像を用いて解析領域の正規化相関演算を行う。1枚目と2枚目で輝度の相関をとり、相関の最も大きい部分が1枚目で決定した解析領域と同じ領域を示していると考え、1枚目における解析領域の位置から2枚目における解析領域まで何画素分移動したかを計算する。その移動量に、画像中の1画素あたりの実際の距離を乗じ、移動距離を算出する。上の例では、画像間の撮影間隔が1/100秒であるため、さきほどの移動距離を100倍することで、出鋼流の流速(秒速)を計算することができる。この処理を画像100枚まで連続して行い、それらの値の平均値を、そのタイミングの流速として使用する。また、取り込みタイミング以外の点では、その点の前後の取り込みタイミングの流速を使って線形補間した値を流速として使用する。本発明では、出鋼流の流速をスラグの流速と同じとして扱っている。

0027

ステップ106では、赤外線カメラ8による出鋼流中のスラグと溶鋼の比率およびスラグ幅算出を行う。処理の詳細を、図3処理フローとして示す。先ず、ステップ200で、画像データの取込みを行う。対象により異なるが、例えば、1秒間あたり30枚のフレーム取込む。次に、ステップ201で、画像データのそれぞれの画素を輝度によりデータを3値化する。すなわち、輝度の大中小によりそれぞれの画素が溶鋼、スラグおよび背景などその他で占められているかを判別するものである。

0028

そして、ステップ202で、3値化された画素数をそれぞれカウントする。さらに、ステップ203で、(1)式にて表されるスラグと溶鋼の面積比a(0.0〜1.0)を計算する。

0029

a =スラグ画素数/溶鋼画素数 ・・・・・(1)
次に、ステップ204でスラグ幅算出を行う。赤外線カメラによって得られる溶鋼幅をDとし、上記で求めたスラグと溶鋼の面積比aのまま、スラグを長さ方向に均等に並べたときのスラグ幅をd1とすると、次式(2)のように表される。

0030

d1 = D×a ・・・・・・・・・(2)
図4は、上記演算を模式的に表した図である。左端の画像データから、スラグと溶鋼の面積比a、およびスラグ幅d1を求める様子を表している。図5は、図4の右端の図に示す溶鋼流のA−A断面を表す図である。先に求めたスラグ幅d1は、出鋼流の表面に見えている部分を表すに過ぎず、実際は、スラグが出鋼流内に埋もれていると考えられる。そこで、埋もれている部分の真のスラグ直径をd2とし、次式(3)のように表すものとする。

0031

d2 = d1×k1 ・・・・・・・・・(3)
ここで、k1は、d1からd2に変換するためのパラメータである。以上が、赤外線カメラを用いた出鋼流のスラグと溶鋼の比率およびスラグ幅算出の処理手順である。

0032

では、図2の処理フローに戻って説明を続ける。ステップ105のスラグの流速算出とステップ106のスラグ幅算出を受けて、最終的にステップ107でスラグ流量Q の算出を以下の(4)式に基づいて行う。

0033

Q = (d2/2)2×π×v×T×k2 ・・・・・・・・・(4)
ここで、πは円周率、vは出鋼流の流速、Tは赤外線カメラのサンプリング周期、k2(>0.0)は、溶鋼の密度が小さくなっている可能性があるため、それを補正するためのパラメータである。

0034

転炉からの出鋼流は、受鋼鍋に落ちる途中で、常に空気を巻込んで落下しているので、空気を巻込んだ状態をカメラで撮影していることになっている。したがって、空気が巻込まれている分、溶鋼の幅が広がり見た目よりも密度が小さくなっている。そこで、このような影響を防ぐために、空気の巻込みが少ないと考えられる出鋼口付近の溶鋼幅を、撮影領域内の出鋼流の幅から計算するようにする。また、スラグの流速算出も撮影領域内の流速を表しており、出鋼口付近の流速より速くなっており、以下に示すように出鋼口付近の流速に補正を行うようにする。以上のように、出鋼口付近の出鋼流の幅および流速を求めることにより、スラグ流量算出の精度が一段と向上する。

0035

実際の測定では、出鋼口が必ずしも撮影できるとは限らず、出鋼口から受鋼鍋の間の途中部分が撮影される。この部分では、空気の巻き込みで溶鋼のかさ密度が小さくなっており、この部分の溶鋼幅と流速を用いると、出鋼量およびスラグ量が多く算出されてしまう。そこで、撮影画像内の溶鋼幅から、出鋼口付近の溶鋼幅を算出して、出鋼量およびスラグ量を計算する。以下、その手順を、図6を用いて説明する。

0036

赤外線カメラで撮影した画像に基づき、画像内の異なる高さ(画像の上下方向で異なる位置)溶鋼幅基準点(予め設定された所定位置図6中のaおよびbの位置)を定め、aおよびbの部分の溶鋼幅を算出する。このa、b間の幅の変化量に基づいて、これを外挿して出鋼口cでの出鋼流の幅を算出する。なお、この計算の結果、出鋼口cでの出鋼流の幅が所定の値(例えば、出鋼口の径)以下となった場合は、所定の値に設定し直す。
次に、出鋼流の流速については、可視カメラによる撮像データを用いて、a、b間の所定位置での流速Vabを算出する。そして、以下の(5)式により、出鋼口付近の流速Vcを算出する。

0037

Vc=(Vab2−2gh)1/2 ・・・・・・・・・(5)
ここで、gは重力加速度、hは先に流速を求めた所定位置から出鋼口までの高さを表す。
処理フローを示す図2戻り、ステップ108にて、出鋼終了信号を受信すると、ステップ109に行き処理を終了するが、それまでは、ステップ105および106に戻り、スラグ流量等の演算を所定の周期で繰返す。

0038

出鋼末期に、スラグの受鋼鍋への流出を最小限にするために、スラグカットボールと呼ばれる、スラグと溶鋼の中間比重のもので形成される球状物体を使用することがある。通常出鋼時およびスラグカットボールを使用したときの出鋼流の状態を、図7に示す。図中、2は出鋼口、13は溶鋼(スラグが混入している状態も含む)、11は炉体鉄皮、および12はスラグカットボールをそれぞれ表す。

0039

通常のスラグカットボールを使用していない状態(a)では、溶鋼13は、必然的に出鋼口2のレンガの幅と同じ幅で流れ出るが、スラグカットボールを使用した場合(b)、出鋼口2がスラグカットボール12によって完全ではないが、閉塞状態になるため、通常状態のように出鋼口全体から溶鋼が出鋼されず、出鋼口とスラグカットボールの隙間から溶鋼が流出するようになる。計測画像上では、出鋼流の幅は変らないが、中身のない中空円柱形となっているので、通常状態と同じスラグ算出モデルを使用すると、結果的にスラグ量が多く見積もられてしまう。そこで、さきほど述べたパラメータk2をスラグカットボール使用タイミング(例えば、転炉制御装置9からスラグカットボール使用開始の信号を受信するなど)から、出鋼開始から使っていたパラメータ値よりも小さな値に変化させることで、見た目の密度を小さくし、溶鋼形状中空になっている出鋼流の状態をモデル化する。

0040

上述したパラメータk1、k2のチューニングは、スラグ厚の実測値本装置によって算出したスラグ厚(スラグ流出量を受鋼鍋の断面積割り、厚さに換算)を比較して行う。スラグ厚の実測値の測定方法は、転炉から出鋼された溶鋼が入れられた受鋼鍋が次の製造プロセスである真空脱ガス設備到着したときに、受鋼鍋の溶鋼に対して、オペレータが金属のパイプ差込み、差し込まれた金属性パイプに付着したスラグの幅の測定値をスラグ厚の実測値としている。

0041

図8は、受鋼鍋内のスラグの厚みについて、本発明に基づく演算結果と、RH終了時のオペレータによる実測値との比較を行った一例を示した図である。図から、両者には良い相関が得られていることが分かる。このように、RH終了時のオペレータによる実測でした把握できなかったスラグ厚を、操業途中にリアルタイムに定量化できるようになった。

0042

さらに、発明者らは、スラグ厚演算値とスラグ中のT.Fe(重量%)との関係を数100点に上る操業データにて詳細に調査した。ここでスラグ中のT.Feとは、TotalFe(トータル鉄)と呼ばれているものであり、スラグ中の全ての鉄酸化物(FeO、Fe2O3など)の鉄分の合計値であり、RH終了後の成分分析により測定を行っている。図9は、スラグ厚演算値とスラグ中のT.Feとの関係を調べた一例を示す図である。両者にはバラツキはあるものの、スラグ厚が増せば、スラグ中のT.Feも増加するという両者に相関があることが確認できる。

0043

転炉操業では、スラグ中のT.Fe 値を低め(例えば、7%以下)かつ一定に保つことが望まれている。転炉におけるAl改質反応は、以下の式(6)に示すものである。
3FeO+2Al→3Fe+Al2O3・・・・・・(6)
改質Alが多い場合には、上記反応が進みFe発生量が多くなり、逆に改質Alが少ない場合には、上記反応が進まずFe発生量が少なくなると考えられる。

0044

このこと及びスラグ厚演算値とスラグ中のT.Feとの調査結果から、スラグ厚が厚いと計測された場合には、T.Feが高いことを示しているので、改質Al投入量が過多である操業状態と判定し、Al改質剤の投入量を減らすようにする。また逆に、スラグ厚が薄いと計測された場合には、T.Feが低いことを示しているので、改質Al投入量が不足している操業状態と判定し、Al改質剤の投入量を増やす操業アクションを行う。図10は、上述の本発明による操業方法を、模式的に示した図であり、楕円実線で示したスラグ厚が薄い又は厚い領域の操業を、それぞれT.Feが適正な楕円破線で示した領域の操業への操業アクションを示している。

0045

これまでオペレーターによるスラグ厚目視測定に頼っていたため、安全サイドの操業を行う必要から、過剰投与してきたスラグ改質用アルミを適正に投与することができるようになった。

0046

なお、本発明によるスラグ厚演算値にもとづいて、RH終了時のT.Feを決定する場合には、操業条件をいくつかのグループ分類して、それらのT.Feの実績値と算出したスラグ厚との相関を予め求めておき、最小自乗法等によって検量線を予め決定するようにしておけばよい。

図面の簡単な説明

0047

本発明に係るスラグ流出量計測装置を示す図である。
本発明の計測処理のフローを示す図である。
スラグと溶鋼の比率およびスラグ幅算出の処理フローを示す図である。
スラグ幅演算までを模式的に表した図である。
出鋼流断面を模式的に表した図である。
出鋼口での溶鋼幅および流速の算出を説明する図である。
通常出鋼時およびスラグカットボールを使用したときの出鋼流の状態を模式的に示す図である。
本発明を用いた受鋼鍋内のスラグ厚み測定結果の一例を示す図である。
スラグ厚演算値とスラグ中のT.Feとの関係を調べた一例を示す図である。
本発明による操業方法を、模式的に示した図である。

符号の説明

0048

1転炉
2 出鋼口
3受鋼鍋
4溶鋼台車
5 溶鋼
6スラグ
7可視カメラ
8赤外線カメラ
9 転炉制御装置
10スラグ流出量算出装置
11炉体鉄皮
12スラグカットボール
13 溶鋼(スラグが混入している状態も含む)

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