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技術 銅の価数分別定量方法

出願人 住友金属鉱山株式会社
発明者 小林和範
出願日 2004年11月12日 (15年7ヶ月経過) 出願番号 2004-328328
公開日 2006年6月1日 (14年0ヶ月経過) 公開番号 2006-138730
状態 未査定
技術分野 電気化学的な材料の調査、分析
主要キーワード 硫化鉱石 共存元素 ポーラログラフ法 各試料液 不活性ガスパージ ピーク高 塩素浸出 分別定量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年6月1日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

1価と2価の銅が共存する溶液中の1価の銅のみを簡単且つ迅速に定量でき、工場生産ラインでの銅浸出液銅めっき液の管理に適した銅の価数分別定量方法を提供する。

解決手段

1価と2価の銅が共存する溶液にキレート試薬を添加して2価の銅を安定なキレート化合物とした後、ボルタンメトリーにより、2価の銅のピークを抑制した状態で、1価の銅を定量する。キレート試薬としては、銅を含まないエチレンジアミン四酢酸系の試薬を用いることが好ましい。

概要

背景

様々な元素共存する銅の湿式精錬の中間工程における銅浸出液や、銅のめっき液では、その溶液中に存在する銅の価数状態は、共存する元素と銅の分離、あるいは電解における電流効率に大きく左右する。そのため、銅浸出液や銅めっき液は、共存する1価と2価の銅の存在割合を定期的に分析して定量的に把握することが重要である。

従来、工場生産ラインなどでは、液の酸化還元電位を測定することにより、銅浸出液や銅めっき液中に共存する1価と2価の銅の割合を推測していた。しかし、この方法では、1価と2価の銅の割合を知ることはできるが、液中に共存する1価の銅又は2価の銅を定量的に測定することは困難であった。

また、銅の価数状態の分析方法としては、1価の銅を選択的に発色試薬と反応させ、吸光光度法により定量を行う方法(JIS M
8218:鉄鉱石−銅定量方法)がある。しかし、共存元素が多量に存在する場合には、共存元素により測定が妨害されることがあった。また、共存元素を除去しようとした場合、そのための前処理操作によって銅の価数が変化する可能性があった。

これらの問題を解決するため、例えば、特開2004−109088号公報には、アンモニア又はアンモニウム溶液中の1価銅の分析方法として、従来の吸光光度法やポーラログラフ法を改良した方法で、溶液の電気分解よる方法が提案されている。しかしながら、この方法は、装置や操作が面倒であり、工場の生産ラインでの銅浸出液や銅めっき液の簡易且つ迅速な分析には適していなかった。

特開2004−109088号公報

概要

1価と2価の銅が共存する溶液中の1価の銅のみを簡単且つ迅速に定量でき、工場の生産ラインでの銅浸出液や銅めっき液の管理に適した銅の価数分別定量方法を提供する。 1価と2価の銅が共存する溶液にキレート試薬を添加して2価の銅を安定なキレート化合物とした後、ボルタンメトリーにより、2価の銅のピークを抑制した状態で、1価の銅を定量する。キレート試薬としては、銅を含まないエチレンジアミン四酢酸系の試薬を用いることが好ましい。

目的

本発明は、このような従来の事情に鑑み、1価と2価の銅が共存する溶液中の1価の銅のみを簡単且つ迅速に定量でき、工場の生産ラインでの銅浸出液や銅めっき液の管理に適した銅の価数分別定量方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

1価と2価の銅が共存する溶液中の1価の銅を分析する方法であって、該溶液にキレート試薬を添加して2価の銅を安定なキレート化合物とした後、ボルタンメトリーにより、2価の銅のピークを抑制した状態で、1価の銅を定量することを特徴とする銅の価数分別定量方法

請求項2

前記キレート試薬として、銅を含まないエチレンジアミン四酢酸系の試薬を用いることを特徴とする、請求項1に記載の銅の価数分別定量方法。

技術分野

0001

本発明は、銅の湿式精錬の中間工程における銅浸出液や、銅めっき液などのように1価と2価の銅が共存する溶液について、その溶液中の1価の銅のみを分別定量する新規な方法に関する。

背景技術

0002

様々な元素が共存する銅の湿式精錬の中間工程における銅浸出液や、銅のめっき液では、その溶液中に存在する銅の価数状態は、共存する元素と銅の分離、あるいは電解における電流効率に大きく左右する。そのため、銅浸出液や銅めっき液は、共存する1価と2価の銅の存在割合を定期的に分析して定量的に把握することが重要である。

0003

従来、工場生産ラインなどでは、液の酸化還元電位を測定することにより、銅浸出液や銅めっき液中に共存する1価と2価の銅の割合を推測していた。しかし、この方法では、1価と2価の銅の割合を知ることはできるが、液中に共存する1価の銅又は2価の銅を定量的に測定することは困難であった。

0004

また、銅の価数状態の分析方法としては、1価の銅を選択的に発色試薬と反応させ、吸光光度法により定量を行う方法(JIS M
8218:鉄鉱石−銅定量方法)がある。しかし、共存元素が多量に存在する場合には、共存元素により測定が妨害されることがあった。また、共存元素を除去しようとした場合、そのための前処理操作によって銅の価数が変化する可能性があった。

0005

これらの問題を解決するため、例えば、特開2004−109088号公報には、アンモニア又はアンモニウム溶液中の1価銅の分析方法として、従来の吸光光度法やポーラログラフ法を改良した方法で、溶液の電気分解よる方法が提案されている。しかしながら、この方法は、装置や操作が面倒であり、工場の生産ラインでの銅浸出液や銅めっき液の簡易且つ迅速な分析には適していなかった。

0006

特開2004−109088号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、このような従来の事情に鑑み、1価と2価の銅が共存する溶液中の1価の銅のみを簡単且つ迅速に定量でき、工場の生産ラインでの銅浸出液や銅めっき液の管理に適した銅の価数分別定量方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するため、本発明が提供する銅の価数分別定量方法は、1価と2価の銅が共存する溶液中の1価の銅を分析する方法であって、該溶液にキレート試薬を添加して2価の銅を安定なキレート化合物とした後、ボルタンメトリーにより、2価の銅のピークを抑制した状態で、1価の銅を定量することを特徴とする。

0009

上記本発明による銅の価数分別定量方法において、前記キレート試薬として、銅を含まないエチレンジアミン四酢酸系の試薬を用いることが好ましい。

発明の効果

0010

本発明によれば、1価と2価の銅が共存する溶液にキレート試薬を添加して2価の銅のキレート化合物を生成させることにより、ボルタンメトリーで溶液中の銅の1価のみを簡単且つ迅速に定量でき、従って工場の生産ラインでの銅浸出液や銅めっき液における銅の組成管理に好適である。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明による方法は、2価の銅は多くのキレート試薬と安定なキレート化合物を生成することを利用して、1価と2価の銅が共存する溶液にキレート試薬を添加することにより2価の銅のみをキレート化合物とした後、その溶液をボルタンメトリーにより測定して1価の銅のみのボルタモグラムを得る。そのボルタモグラムのピーク高さから、溶液中の1価の銅濃度を求めるものである。

0012

ボルタンメトリーは、電位走査させて元素固有の酸化還元電位を検出することにより、元素の同定及び定量をおこなう方法ないし装置である。本発明方法により1価の銅を定量する場合は、1価の銅の酸化を防止するため、不活性ガスパージ機能を有したボルタンメトリーを用いることが望ましい。

0013

本発明に使用できるキレート試薬は、2価の銅と安定なキレート化合物を生成するものであれば特に限定されないが、銅を含まないエチレンジアミン四酢酸(EDTA)系の試薬を用いることが好ましい。EDTA系試薬の中でも、汎用され入手容易なEDTA−2Na塩エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)が便利である。

0014

本発明方法を更に詳しく説明する。通常のごとくボルタンメトリーにより1価及び2価の銅の測定を行うと、例えば図1に示すように、1価の銅(Cu+)と2価の銅(Cu2+)が同じ電位に検出される。従って、図1では便宜的に2つのピークについてCu+及びCu2+の銅のいずれであるか図示したが、実際にはどちらのピークが1価の銅のピークであるのか判断することができないため、通常のボルタンメトリーでは1価の銅のみを定量することは不可能である。

0015

そこで、本発明方法では、キレート試薬を添加して2価の銅を安定なキレート化合物に変えることにより、図2に示すように、2価の銅(Cu2+)の酸化還元反応が抑制され、ボルタンメトリーによる2価の銅(Cu2+)のピークの出現をほぼ消失させることができる。その結果、顕在する1価の銅(Cu+)のピークのみを検出することが可能となり、ボルタンメトリーで1価の銅(Cu+)のみを定量することができる。

0016

実際に、1価の銅と2価の銅の濃度を変えた溶液について、それぞれキレート試薬を添加してボルタンメトリーによる測定をおこない、1価の銅(Cu+)と2価(Cu2+)の銅の濃度と検出された電流値のピーク高さをプロットしたところ、図3グラフが得られた。この図3から分かるように、1価の銅(Cu+)については良好な直線性検量線が得られているが、2価の銅(Cu2+)では各濃度ともピークが検出されず検量線となり得なかった。

0017

銅の硫化鉱石塩素浸出し、塩素濃度:約200g/l、銅濃度:約30g/l、鉄濃度:約70g/l、pH:約1の銅の塩素浸出液を得た。尚、塩素浸出液の分析は、銅及び鉄に関してはICP法により、塩素については硝酸銀を添加して塩化銀沈殿させ、分光光度計による測定を行った。

0018

この塩素浸出液に金属鉄を添加して撹拌し、浸出液の酸化還元電位を調整することによって、1価の銅(Cu+)と2価(Cu2+)が共存する試料液1〜4を準備した。尚、各試料液の酸化還元電位(ORP)は、試料液1が222mV、試料液2が300mV、試料液3が350mV、試料液4が400mVである。

0019

各試料液7mlをそれぞれ測定容器に入れ、純水7mlとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.4gを加えて測定容器を密閉し、不活性ガスを流しながら十分に撹拌した後、不活性ガスパージ機能を有するボルタンメトリー(ビー・エー・エス株式会社製、Model
619B)により測定を行った。得られた1価の銅(Cu+)の割合とトータル銅(t−Cu)濃度を図4に示した。尚、トータル銅(t−Cu)濃度は、ICP法により測定した。

0020

この図4から明らかなように、試料液の酸化還元電位と1価の銅の濃度には相関が認められる。従って、本発明方法によれば、1価と2価の銅が混在する試料液においても、ボルタンメトリーを用いることにより1価の銅のみを短時間で簡単に分析することができる。

図面の簡単な説明

0021

キレート試薬を添加していない溶液で測定した1価の銅と2価の銅のボルタモグラムである。
キレート試薬を添加した溶液で測定した1価の銅と2価の銅のボルタモグラムである。
本発明方法による1価の銅と2価の銅の濃度と検出された電流値のピーク高さの関係を示すグラフである。
実施例により得られた1価の銅の割合とトータル銅濃度を示すグラフである。

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