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技術 擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置及びそれを用いる目的の物質の製造方法

出願人 株式会社ダイセル
発明者 蓑田稔冶
出願日 2004年11月9日 (15年3ヶ月経過) 出願番号 2004-324858
公開日 2006年5月25日 (13年8ヶ月経過) 公開番号 2006-133160
状態 特許登録済
技術分野 クロマトグラフィによる材料の調査、分析 吸着剤による液体の処理一般 固体収着剤及びろ過助剤 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 一体成型体 流路切り替え装置 pHメータ 接続用流路 排出箇所 製造当初 製造運転 近赤外分光分析装置
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重要な関連分野

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図面 (2)

課題

擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置起動時から移動相回収することができる手段を提供する。

解決手段

供給された光学異性体混合物含有液から光学異性体を分離する複数のカラム直列に接続してなる無端状の流路13からエクストラクトを排出するためのエクストラクト抜き出しライン16と、ラフィネートを排出するためのラフィネート抜き出しライン17とを、バイパスライン18で接続し、三方弁30及び31の操作によって、エクストラクト抜き出しライン16におけるエクストラクトの純度が所定の値未満であればエクストラクト抜き出しライン16aとラフィネート抜き出しライン17bとを接続し、エクストラクトの純度が所定の値以上であればエクストラクト抜き出しライン16aとエクストラクト抜き出しライン16bとを接続する。

概要

背景

擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置には、試料中の目的の物質を分離するための複数のカラム直列に接続して形成されている無端状の流路と、無端状の流路における任意の箇所に接続される各種の流路、例えば無端状の流路に移動相を供給するための流路、無端状の流路に試料を供給するための流路、無端状の流路から移動相を排出するための複数の流路、と、無端状の流路から排出された移動相を濃縮するための濃縮装置とを有する装置が知られている。このような擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、移動相の濃縮は、無端状の流路における排出箇所排出流路)ごとに行われる。濃縮装置から留出した移動相は、回収され、無端状の流路に供給される移動相に再利用される(例えば、特許文献1参照)。

前記擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、分離能力に優れることから、通常のクロマトグラフィーでは分離が困難とされている光学異性体の分離に用いられている。このため、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、医薬製薬等の薬剤の有用な製造装置として利用されている。このような薬剤等の光学異性体を製造する場合では、その品質管理の観点から、製造運転時においても慎重運転管理が要求される。

前記運転管理の一例としては、例えば擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置における光学異性体の分離において、無端状流路における光学異性体の分離の状態が安定しても、無端状の流路から排出される、目的の物質を含有する移動相の品質が定められた基準を満たすまでは、無端状の流路から排出された移動相を濃縮装置に供給しないように擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を運転することが挙げられる。このような運転管理は、分離当初における濃縮装置でのコンタミネーションの発生を抑制し、高品質の製品を安定して製造する観点から有効である。

前述した運転管理では、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を起動してから、排出される移動相の品質が確認され、濃縮装置に供給され、移動相が回収されるまでの間は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で使用される移動相は使い捨てられる。

擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で使用される移動相は、通常、タンク回収槽)に貯蔵され、移動相の回収が始まった後には、回収された移動相が回収槽に供給される。したがって、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時から回収開始時までの間は、回収槽に貯蔵されている有限量の移動相が使用される。

このため、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時において、分離状態の最適化のために、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の運転条件の検討を行う必要が生じた場合では、回収槽における移動相の残量を考慮しながら擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の運転を操作しなければならない。

このように、従来の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、移動相の回収開始までの間の運転操作において、心理的及び肉体的に過酷な運転操作が作業員に要求されるという問題点があった。
特開平6−239767号公報

概要

擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時から移動相を回収することができる手段を提供する。 供給された光学異性体混合物含有液から光学異性体を分離する複数のカラムを直列に接続してなる無端状の流路13からエクストラクトを排出するためのエクストラクト抜き出しライン16と、ラフィネートを排出するためのラフィネート抜き出しライン17とを、バイパスライン18で接続し、三方弁30及び31の操作によって、エクストラクト抜き出しライン16におけるエクストラクトの純度が所定の値未満であればエクストラクト抜き出しライン16aとラフィネート抜き出しライン17bとを接続し、エクストラクトの純度が所定の値以上であればエクストラクト抜き出しライン16aとエクストラクト抜き出しライン16bとを接続する。

目的

本発明は、前述した従来技術の問題点を解決し、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時から移動相を回収することができる手段を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

目的の物質を含有する試料中の目的の物質を分離するための複数のカラムと、カラムを直列に接続する接続用流路とによって形成されている無端状の流路と、無端状の流路における任意の接続用流路に接続することができ、無端状の流路に移動相を供給するための第一の流路と、無端状の流路における任意の接続用流路に接続することができ、無端状の流路に試料を供給するための第二の流路と、無端状の流路における任意の接続用流路に接続することができ、無端状の流路から移動相を排出するための第三及び第四の流路と、前記第三の流路に接続され、第三の流路を介して無端状の流路から排出された移動相を濃縮するための第一の濃縮装置と、前記第四の流路に接続され、第四の流路を介して無端状の流路から排出された移動相を濃縮するための第二の濃縮装置と、第一及び第二の濃縮装置から留出した移動相を回収して前記第一の流路に供給するための移動相回収装置とを有し、無端状の流路に供給された試料から目的の物質を分離し、目的の物質を主に含有する移動相を第三又は第四の流路から排出し、第一又は第二の濃縮装置で濃縮して、得られた濃縮液から目的の物質を得るための擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置において、前記第三の流路と第四の流路とを接続するバイパス流路と、第三又は第四の流路の移動相が前記バイパス流路を介して第四又は第三の流路に流れるように流路を切り替えるための流路切り替え装置とをさらに有することを特徴とする擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置。

請求項2

前記目的の物質は光学異性体であり、前記試料は光学異性体の混合物であることを特徴とする請求項1記載の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置。

請求項3

前記カラムは、カラム管と、このカラム管に収容され、光学異性体を分離するための分離剤とを有することを特徴とする請求項2記載の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置。

請求項4

前記分離剤は、光学異性体を分離することができる多糖又は多糖誘導体であることを特徴とする請求項3記載の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置。

請求項5

前記多糖誘導体は、セルロースエステル誘導体セルロールのカルバメート誘導体アミロースのエステル誘導体、及びアミロースのカルバメート誘導体から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項4記載の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置。

請求項6

請求項1から5のいずれか一項に記載の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を用い、前記試料から目的の物質を分取して目的の物質を製造する方法であって、前記第三又は第四の流路から排出される移動相中の目的の物質の純度を測定し、測定された純度が所定の純度未満の場合には、第三又は第四の流路の移動相を前記バイパス流路を介して第二又は第一の濃縮装置の一方に供給し、測定された純度が所定の純度以上の場合には、第三の流路の移動相を第一の濃縮装置に供給し、第四の流路の移動相を第二の濃縮装置に供給することを特徴とする方法。

技術分野

0001

本発明は、移動相回収装置を有する擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置に関する。

背景技術

0002

擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置には、試料中の目的の物質を分離するための複数のカラム直列に接続して形成されている無端状の流路と、無端状の流路における任意の箇所に接続される各種の流路、例えば無端状の流路に移動相を供給するための流路、無端状の流路に試料を供給するための流路、無端状の流路から移動相を排出するための複数の流路、と、無端状の流路から排出された移動相を濃縮するための濃縮装置とを有する装置が知られている。このような擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、移動相の濃縮は、無端状の流路における排出箇所排出流路)ごとに行われる。濃縮装置から留出した移動相は、回収され、無端状の流路に供給される移動相に再利用される(例えば、特許文献1参照)。

0003

前記擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、分離能力に優れることから、通常のクロマトグラフィーでは分離が困難とされている光学異性体の分離に用いられている。このため、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、医薬製薬等の薬剤の有用な製造装置として利用されている。このような薬剤等の光学異性体を製造する場合では、その品質管理の観点から、製造運転時においても慎重運転管理が要求される。

0004

前記運転管理の一例としては、例えば擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置における光学異性体の分離において、無端状流路における光学異性体の分離の状態が安定しても、無端状の流路から排出される、目的の物質を含有する移動相の品質が定められた基準を満たすまでは、無端状の流路から排出された移動相を濃縮装置に供給しないように擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を運転することが挙げられる。このような運転管理は、分離当初における濃縮装置でのコンタミネーションの発生を抑制し、高品質の製品を安定して製造する観点から有効である。

0005

前述した運転管理では、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を起動してから、排出される移動相の品質が確認され、濃縮装置に供給され、移動相が回収されるまでの間は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で使用される移動相は使い捨てられる。

0006

擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で使用される移動相は、通常、タンク回収槽)に貯蔵され、移動相の回収が始まった後には、回収された移動相が回収槽に供給される。したがって、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時から回収開始時までの間は、回収槽に貯蔵されている有限量の移動相が使用される。

0007

このため、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時において、分離状態の最適化のために、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の運転条件の検討を行う必要が生じた場合では、回収槽における移動相の残量を考慮しながら擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の運転を操作しなければならない。

0008

このように、従来の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、移動相の回収開始までの間の運転操作において、心理的及び肉体的に過酷な運転操作が作業員に要求されるという問題点があった。
特開平6−239767号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、前述した従来技術の問題点を解決し、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時から移動相を回収することができる手段を提供することを課題とする。

0010

また、本発明は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を用いて目的の物質を製造する方法において、製造当初から移動相を回収することができる方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、前記課題を解決する手段として、無端状の流路と濃縮装置とを接続する複数の移動相排出用の流路がバイパス流路によって接続された擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を提供する。

0012

すなわち、本発明は、目的の物質を含有する試料中の目的の物質を分離するための複数のカラムと、カラムを直列に接続する接続用流路とによって形成されている無端状の流路と、無端状の流路における任意の接続用流路に接続することができ、無端状の流路に移動相を供給するための第一の流路と、無端状の流路における任意の接続用流路に接続することができ、無端状の流路に試料を供給するための第二の流路と、無端状の流路における任意の接続用流路に接続することができ、無端状の流路から移動相を排出するための第三及び第四の流路と、第三の流路に接続され、第三の流路を介して無端状の流路から排出された移動相を濃縮するための第一の濃縮装置と、第四の流路に接続され、第四の流路を介して無端状の流路から排出された移動相を濃縮するための第二の濃縮装置と、第一及び第二の濃縮装置から留出した移動相を回収して第一の流路に供給するための移動相回収装置とを有し、無端状の流路に供給された試料から目的の物質を分離し、目的の物質を主に含有する移動相を第三又は第四の流路から排出し、第一又は第二の濃縮装置で濃縮して、得られた濃縮液から目的の物質を得るための擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置において、第三の流路と第四の流路とを接続するバイパス流路と、第三又は第四の流路の移動相がバイパス流路を介して第四又は第三の流路に流れるように流路を切り替えるための流路切り替え装置とをさらに有する擬似移動床式クロマトグラフィー装置を提供する。

0013

また、本発明は、本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を用い、試料から目的の物質を分取して目的の物質を製造する方法であって、第三又は第四の流路から排出される移動相中の目的の物質の純度を測定し、測定された純度が所定の純度未満の場合には、第三又は第四の流路の移動相を前記バイパス流路を介して第二又は第一の濃縮装置の一方に供給し、測定された純度が所定の純度以上の場合には、第三の流路の移動相を第一の濃縮装置に供給し、第四の流路の移動相を第二の濃縮装置に供給する方法を提供する。

0014

通常、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置によって光学異性体を分離し、前述した薬剤を製造する場合では、光学異性体中の一方の化合物が製品とされ、もう一方の化合物が不要成分とされている。

0015

本発明では、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時において、製品とされる目的の物質を含有する移動相を、不要成分とされるその他の成分を含有する移動相の濃縮装置にバイパス流路を介して供給し、製品を含有する移動相と不要成分を含有する移動相とをまとめて、不要成分側の濃縮装置に供給する。これにより、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置においても濃縮装置による移動相の回収が可能となる。このため、前記回収槽における移動相の量が一定に保たれる。

発明の効果

0016

本発明によれば、従来の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置に、前記バイパス流路と前記流路切り替え装置とをさらに有することから、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時から移動相を回収することができる。

0017

さらに本発明によれば、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時に、製品の分離状態を最適にするための擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の運転条件の検討を行う必要が生じた場合にも、回収槽に貯蔵された移動相の残量等の予め用意された移動相の残量に制限されずに運転条件の検討を行うことができる。

0018

また、本発明は、光学異性体の分離、製造において、より一層効果的である。

発明を実施するための最良の形態

0019

本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、無端状の流路と、無端状の流路の任意の箇所に接続することができる第一から第四の流路と、第三の流路に接続される第一の濃縮装置と、第四の流路に接続される第二の濃縮装置と、第一及び第二の濃縮装置に接続される移動相回収装置と、第三及び第四の流路を接続するバイパス流路と、第三の流路、第四の流路及びバイパス流路における移動相の流路を切り替える流路切り替え装置とを有する。

0020

前記無端状の流路は、複数のカラムと、カラムを直列に接続する接続用流路とによって形成されている流路である。無端状の流路に設けられるカラムの数は、複数であれば特に限定されないが、4〜24であることが好ましく、4〜8であることがより好ましい。

0021

前記カラムは、前記試料中の目的の物質を分離することができるカラムであれば特に限定されない。前記カラムには、カラム管と、カラム管に収容され目的の物質を分離するための分離剤とを有する通常のカラムを用いることができる。

0022

前記接続用流路は、前記カラムを直列に接続することができ、また他の流路を接続することができる部材であれば特に限定されない。前記接続用の流路は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で通常用いられる管、分岐管、及び開閉弁等の公知の部材によって構成することができる。

0023

前記第一の流路は、前記無端状の流路における任意の前記接続用流路に接続することができ、無端状の流路に移動相を供給することができる流路であれば特に限定されない。前記第一の流路は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で通常用いられる管、分岐管、開閉弁、ポンプ及び移動相を収容するタンク等の公知の部材によって構成することができる。

0024

前記第二の流路は、前記無端状の流路における任意の前記接続用流路に接続することができ、無端状の流路に試料を供給することができる流路であれば特に限定されない。前記第二の流路は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で通常用いられる管、分岐管、開閉弁、ポンプ及び試料の供給源(例えば試料を収容するタンクや試料用の注入装置)等の公知の部材によって構成することができる。

0025

前記第三及び第四の流路は、前記無端状の流路における任意の前記接続用流路に接続することができ、無端状の流路から移動相を排出することができる流路であれば特に限定されない。前記第三及び第四の流路は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で通常用いられる管、分岐管、開閉弁及びポンプ等の公知の部材によって構成することができる。

0026

前記第一から第四の流路の無端状の流路における任意の接続用流路への接続は、通常の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で行われているように、全ての接続用流路に第一から第四の全ての流路を接続しておき、第一から第四の流路のうちのいずれかの流路を開き、他の流路を閉じることによって行うことができる。

0027

前記無端状の流路における前記第一から第四の流路の接続位置は、目的の物質を主に含有する移動相が第三又は第四の流路から排出される位置であれば特に限定されない。前記第一から第四の流路は、通常は、無端状の流路における移動相の流れ方向において、第一の流路、第三の流路、第二の流路、及び第四の流路の順で無端状の流路における接続用流路に接続される。

0028

無端状の流路における第一から第四の流路の接続の間隔は、等間隔であっても良いし、不規則な間隔であっても良い。無端状の流路における第一から第四の流路の接続の間隔は、試料中の目的の物質の種類やカラムの設置数、及び分離剤の種類等の種々の条件に応じて適宜決めることができる。

0029

前記第一の濃縮装置は、前記第三の流路に接続され、第三の流路の移動相を所望の濃度に濃縮することができる装置であれば特に限定されない。また前記第二の濃縮装置は、前記第四の流路に接続され、第四の流路の移動相を所望の濃度に濃縮することができる装置であれば特に限定されない。前記第一及び第二の濃縮装置には、例えば特開平6−239767号公報に記載されているように、直列に接続され、段階的に移動相を濃縮するための複数の蒸発器を用いることができる。なお、この蒸発器は一台であっても良い。

0030

前記移動相回収装置は、前記第一及び第二の濃縮装置に接続され、第一及び第二の濃縮装置から留出した移動相を回収して第一の流路に供給することができる装置であれば特に限定されない。前記移動相回収装置は、例えば特開平6−239767号公報に記載されているように、第一及び第二の濃縮装置の留出成分を第一及び第二の濃縮装置から排出するための留出成分排出管と、留出成分を収容する回収槽と、回収槽と第一の流路とを接続する移動相供給管とによって構成することができる。

0031

前記バイパス流路は、前記第三の流路と前記第四の流路とを接続する流路であれば特に限定されない。前記バイパス流路は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で通常用いられる管や分岐管等の公知の部材によって構成することができる。

0032

前記流路切り替え装置は、前記第三の流路を、第三の流路から前記バイパス流路を介して第四の流路に至る流路に切り替え、又は前記第四の流路を、第四の流路からバイパス流路を介して第三の流路に至る流路に切り替える装置であれば特に限定されない。前記流路切り替え装置は、第三の流路、第四の流路及びバイパス流路のそれぞれに設けられる二方弁や、第三の流路とバイパス流路との接続箇所及び第四の流路とバイパス流路との接続箇所にそれぞれ設けられる三方弁等の弁によって構成することができる。

0033

本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、前述した各種装置や部材以外の他の装置や部材をさらに有していても良い。例えば、本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置には、無端状の流路から排出された移動相中の目的の物質の純度を検出するための純度検出装置をさらに設けても良い。

0034

前記純度検出装置には、第三又は第四の流路の移動相に含まれる、移動相や試料の溶剤以外の成分に対する目的の物質の濃度を測定することができる装置を用いることができる。このような装置としては、例えばガスクロマトグラフィー装置高速液体クロマトグラ
フィー装置等の分析装置が挙げられる。

0035

また前記純度検出装置には、特開平9−206502号公報に記載されているような、インラインで目的の物質の濃度を測定することが可能な濃度検出器を用いることができる。このような濃度検出器としては、例えばUV検出器IR検出器蛍光検出器色センサーLE検出器pHメータ伝導度検出器、電気化学検出器、示査屈折計超音波検出器、及び濁度計等の種々の濃度検出器が挙げられる。いずれの濃度検出器を採用するかは溶質の種類に応じて決定することができる。

0036

また、本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置には、移動相回収装置に回収された移動相の組成を検出する濃度検出装置をさらに設けても良い。前記濃度検出装置には、移動相回収装置に回収された移動相に含まれる、移動相の各成分の濃度を測定することができる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば近赤外分光分析装置が挙げられる。

0037

また、本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置には、移動相回収装置において所望の移動相の成分を補給するための溶剤補給装置をさらに設けても良い。前記溶剤補給装置には、補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、補給用槽から所望の量の溶剤を回収された移動相に供給するための弁及びポンプとからなる装置を用いることができる。

0038

また、本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置には、前述した検出装置の検出結果に基づき所定の条件にしたがって各流路における弁の開閉やポンプの運転を制御する制御装置をさらに設けても良い。前記制御装置には、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置において通常用いられている制御装置を用いることができる。前記所定の条件としては、例えば前記純度検出装置によって検出される目的の物質の純度についての設定値や、前記濃度検出装置によって検出される移動相の組成についての設定値や、無端状の流路における第一から第四の流路の接続位置を変更する時間の設定値等が挙げられる。

0039

また、本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置には、各流路や槽における移動相の温度を検出する温度計、槽における移動相の量を検出する液面計、各流路に設けられる弁やポンプ、濃縮装置から留出した成分を冷却して凝縮するコンデンサ等の各種装置や部材を適宜設けることができる。

0040

前記目的の物質は特に限定されないが、本発明は、高い純度での目的の物質の分取が望ましい目的の物質の分離、製造に好適に適用することができる。例えば、本発明は、前記試料がラセミ体等の光学異性体の混合物であり、高品質の製品が要求される光学異性体を目的の物質とする場合に好適に用いることができる。

0041

目的の物質が光学異性体である場合では、前記カラムに収容される分離剤は、光学異性体を分離することができる分離剤であれば特に限定されないが、光学異性体を分離することができる多糖又は多糖誘導体であることが好ましい。

0042

前記多糖は、光学活性な多糖であれば特に限定されず、合成多糖、天然多糖、及び天然物変性多糖のいずれかであっても良い。前記多糖は、結合様式規則性の高い多糖であることが好ましく、また鎖状の多糖が好ましい。前記多糖としては、種々の多糖を例示することができるが、セルロースアミロースが特に好ましい。

0043

前記多糖誘導体は、前記多糖と、目的の物質である光学異性体の分離に有利に作用する官能基とを有する化合物であれば特に限定されない。前記多糖誘導体は、セルロースのエステル誘導体セルロールのカルバメート誘導体、アミロースのエステル誘導体、及びア
ロースのカルバメート誘導体から選ばれるいずれかであることが好ましい。前記多糖誘導体としては、例えば国際公開95/23125号パンフレットに記載されている種々の多糖誘導体が挙げられる。

0044

前記分離剤は、分離剤そのものがカラム管に収容されても良いし、適当な担体担持された状態でカラム管に収容されても良い。分離剤は、例えば、粒子状に形成され、シリカ等の粒子状の担体に担持され、カラム管に収容される一体成型体に形成され、又はシリカロッド等の多孔質の一体成型体に担持されて用いられる。これらの形態の分離剤の生成及び担体への分離剤の担持は、公知の技術を利用して行うことが可能である。

0045

前記試料は、前記目的の物質を含有する組成物溶液であれば特に限定されない。試料用の溶剤は、移動相であることが好ましいが、他の有機溶剤を用いても良い。

0046

前記移動相は、前記分離剤の種類や、前記目的の物質の種類等の諸条件に応じて適宜選択される。前記移動相には、例えば有機溶剤や、水、及びこれらの混合液等の、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置で通常用いられる溶剤を用いることができる。

0047

前記有機溶剤としては、例えばエタノールアミンメタノールエタノール、及びイソプロピルアルコール等の低級アルコールノルマルヘキサン等の低極性の溶剤、アセトニトリル酢酸エチル等の極性溶剤、及びこれらを混合した混合溶剤酢酸等の酸性の溶剤、ジエチルアミン等の塩基性の溶剤等が挙げられる。

0048

前記混合溶剤の混合比は特に限定されないが、目的の物質の溶出時間の適正化や良好な分離を行う観点からは、第一の溶剤と前記第二の溶剤との体積比(第一の溶剤:第二の溶剤)が10:90〜50:50であることが好ましい。また前記酸性の溶剤や塩基性の溶剤は、目的の物質の安定化や分離剤に対する悪影響の抑制の観点から、移動相全体に対して0.01〜0.5体積%であることが好ましく、0.01〜0.2体積%であることがより好ましい。

0049

本発明では、本発明の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置を用いて試料から目的の物質を分取して目的の物質を製造することができる。この目的の物質の製造では、前記第三又は第四の流路から排出される移動相中の目的の物質の純度を測定し、測定された純度が所定の純度未満の場合には、第三又は第四の流路の移動相を前記バイパス流路を介して第二又は第一の濃縮装置の一方に供給し、測定された純度が所定の純度以上の場合には、第三の流路の移動相を第一の濃縮装置に供給し、第四の流路の移動相を第二の濃縮装置に供給する。

0050

このような操作によれば、一方の濃縮装置には、高純度の目的の物質を含有する移動相のみを供給することができ、濃縮装置でのコンタミネーションの発生を抑制することができ、高品質の目的の物質が得られる。

0051

また、このような操作によれば、目的の物質の純度が規定に達しない移動相を他方の濃縮装置で濃縮することができ、高品質の目的の物質が得られる前に、無端状の流路から排出された移動相の回収と再利用とが可能となる。したがって、無端状の流路に供給可能な移動相の残量の減少に伴う作業員の種々の負担が軽減される。

0052

前記所定の純度は、本発明によって分取される目的の物質に要求される品質に応じて適宜決めることができる。前記所定の純度は、高品質の目的の物質を得る観点から、95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、98%以上であることがより一層好ましい。

0053

移動相中の目的の物質の純度は、第三又は第四の流路から移動相を採取して分析することによって測定しても良いし、第三又は第四の流路に設けられた前記純度検出装置(例えば前記濃度検出器)によって測定しても良い。また、移動相中の目的の物質の純度の測定は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の運転中において、常に、又は断続的に行っても良いし、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の運転中の特定の時のみ行っても良い。このような特定の時の運転としては、例えば擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時から安定した条件での運転が行われるまでの起動運転や、移動相の組成を変化させる運転等が挙げられる。

0054

以下、本発明の一実施の形態をより具体的に説明する。
本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、図1に示すように、無端状の流路13と、無端状の流路13に接続されている脱離液供給ライン14と、無端状の流路13に接続されている光学異性体混合物含有液供給ライン15と、無端状の流路13に接続されているエクストラクト抜き出しライン16と、無端状の流路13に接続されているラフィネート抜き出しライン17と、エクストラクト抜き出しライン16及びラフィネート抜き出しライン17を接続するバイパスライン18と、エクストラクト抜き出しライン16に直列に接続されている三体の蒸発器19〜21と、ラフィネート抜き出しラインに直列に接続されている三体の蒸発器22〜24と、蒸発器21の缶出液を収容する貯留槽25と、蒸発器24の缶出液を収容する貯留槽26と、蒸発器19〜21、22〜24で留出した留出成分を収容する回収槽27と、回収槽27及び脱離液供給ライン14を接続する脱離液供給ライン28とを有する。

0055

無端状の流路13は、12本のカラム1〜12と、カラムを直列に接続する接続用流路(一部省略)とによって構成されている。カラム12とカラム1とを接続する接続用流路には循環ポンプ29が設けられている。

0056

前記接続用流路のそれぞれには、脱離液供給ライン14、光学異性体混合物含有液供給ライン15、エクストラクト抜き出しライン16、及びラフィネート抜き出しライン17のそれぞれが接続されており、これらのラインには二方弁が設けられている。いずれかの二方弁を開けることによって、いずれかのラインと無端状の流路とが接続される。脱離液供給ライン14は前記第一の流路に相当し、光学異性体混合物含有液供給ライン15は前記第二の流路に相当し、エクストラクト抜き出しライン16は前記第三の流路に相当し、ラフィネート抜き出しライン17は前記第四の流路に相当する。

0057

エクストラクト抜き出しライン16には三方弁30が設けられている。ラフィネート抜き出しライン17にも三方弁31が設けられている。バイパスライン18は、三方弁30及び31を接続することによって、エクストラクト抜き出しライン16及びラフィネート抜き出しライン17を接続している。バイパスライン18は前記バイパス流路に相当し、三方弁30、31は前記流路切り替え装置に相当する。

0058

また、蒸発器19〜21は前記第一の濃縮装置に相当し、蒸発器22〜24は前記第二の濃縮装置に相当し、回収槽27及び脱離液供給ライン28は前記移動相回収装置に相当する。

0059

次に、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動から、目的の物質の製造までを説明する。本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、脱離液供給ライン14に接続されている不図示の脱離液用槽に、移動相である脱離液が適当量予め用意され、収容されているものとする。また、カラム1〜12には、シリカ粒子とこのシリカ粒子に担持されているアミロースのカルバメート誘導体等の多糖誘導体と
からなる粒子状の充填剤充填されているものとする。また、前記試料である光学異性体混合物含有液は光学異性体のラセミ体であるものとする。また、目的の物質は、薬剤に用いられる光学異性体であり、光学異性体のうち、分離剤により吸着されやすい成分であるものとする。また、前記接続用流路における各ラインは、前記二方弁によって全て閉じられているものとする。

0060

無端状の流路13では、カラム12とカラム1との間の接続用流路における脱離液供給ライン14が開き、脱離液供給ライン14を介して前記脱離液用槽から用意されていた脱離液が供給される。無端状の流路13では、循環ポンプ29によって脱離液が紙面に対して反時計回りの方向に循環する。また、無端状の流路13では、カラム3とカラム4との間の接続用流路におけるエクストラクト抜き出しライン16が開き、カラム9とカラム10との間の接続用流路におけるラフィネート抜き出しライン17が開き、カラム6とカラム7との間の接続用流路における光学異性体混合物含有液供給ライン15が開く。

0061

起動時において、三方弁30は、三方弁30よりも上流側のエクストラクト抜き出しライン16aと、バイパスライン18とを接続しており、三方弁31は、バイパスライン18と、三方弁31よりも下流側のラフィネート抜き出しライン17aとを接続している。したがって、エクストラクト抜き出しライン16の脱離液は、バイパスライン18を介してラフィネート抜き出しライン17に送られる。このようにして、エクストラクト抜き出しライン16及びラフィネート抜き出しライン17を介して無端状の流路13から排出された脱離液は、全て蒸発器22、23、及び24に順次送られる。

0062

蒸発器22〜24では脱離液の濃縮が行われ、蒸発器22〜24のそれぞれから留出した留出成分は、回収槽27に収容される。回収槽27に収容された留出成分は、脱離液供給ライン28及び14を介して、脱離液として無端状の流路13に供給される。

0063

無端状の流路13に供給された光学異性体混合物含有液は、カラム7の分離剤に対して吸着及び脱着を繰り返しながら、脱離液の流れる方向に沿って徐々にカラム7内を移動する。光学異性体混合物含有液中における分離剤により吸着されやすい成分(エクストラクト)はカラム7内をより遅く移動し、分離剤により吸着されにくい成分(ラフィネート)はカラム7内をより早く移動する。

0064

エクストラクト及びラフィネートがカラム7を通過したら、各ラインの相対的な位置関係を保ったまま、各ラインを、無端状の流路13における脱離液の流れ方向においてカラム一本分下流側に切り替える。すなわち、カラム12とカラム1との間の接続用流路における脱離液供給ライン14を閉じ、カラム1とカラム2との間の接続用流路における脱離液供給ライン14を開く。また、カラム3とカラム4との間の接続用流路におけるエクストラクト抜き出しライン16を閉じ、カラム4とカラム5との間の接続用流路におけるエクストラクト抜き出しライン16を開く。また、カラム11とカラム12との間の接続用流路におけるラフィネート抜き出しライン17を閉じ、カラム10とカラム11との間の接続用流路におけるラフィネート抜き出しライン17を開く。また、カラム6とカラム7との間の接続用流路における光学異性体混合物含有液供給ライン15を閉じ、カラム7とカラム8との間の接続用流路における光学異性体混合物含有液供給ライン15を開く。

0065

エクストラクト及びラフィネートがカラム7を通過する時間を1ピリオドとしたときに、1ピリオドごとに上記のようなラインの切り替えを行う。エクストラクト及びラフィネートがカラム7を通過する時間は、カラム7とカラム8との間の接続用流路で脱離液を採取して分析することによって求めても良いし、またコンピュータによる模擬実験から算出しても良い。

0066

数ピリオドが経過すると、無端状の流路13において、光学異性体混合物含有液供給ライン15の接続位置よりも下流側の無端状の流路13では、ラフィネートが偏在しかつ濃縮され、上流側の無端状の流路13では、エクストラクトが偏在しかつ濃縮された状態となる。そして、エクストラクト抜き出しライン16には、エクストラクトを含有する脱離液が排出され始め、ラフィネート抜き出しライン17には、ラフィネートを含有する脱離液が排出され始める。

0067

エクストラクト抜き出しライン16にエクストラクトを含有する脱離液が排出され始めたら、エクストラクト抜き出しライン16aの脱離液のエクストラクトの純度を測定する。エクストラクトの純度が所定の値(例えば97%)を下回る間は、エクストラクト抜き出しライン16の脱離液はバイパスライン18へ供給される。エクストラクトの純度の測定は、エクストラクト抜き出しライン16aに設けられた検出器によって自動的に行っても良いし、エクストラクト抜き出しライン16aの脱離液の採取及び分析によって行っても良い。

0068

前述した無端状の流路13におけるピリオドごとの各ラインの切り替えをさらに継続すると、無端状の流路13への光学異性体混合物含有液の供給と、無端状の流路13からのエクストラクト及びラフィネートの排出とがほぼ一定となり、エクストラクト抜き出しライン16の脱離液のエクストラクトの純度が向上し、安定する。

0069

エクストラクト抜き出しライン16aの脱離液のエクストラクトの純度が所定の値(例えば97%)以上となったことが確認されたら、三方弁30及び31を操作し、エクストラクト抜き出しライン16aと16bとを接続し、ラフィネート抜き出しライン17aと17bとを接続する。三方弁30及び31の操作は、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の弁の開閉を制御する制御装置によって行っても良いし、作業員が手動で行っても良い。

0070

エクストラクト抜き出しライン16の脱離液は、蒸発器19、20及び21によって順次濃縮される。貯留槽25には、高純度のエクストラクトを含有する脱離液の濃縮液が収容される。この濃縮液は、必要に応じて精製され、製品となる。また、蒸発器19、20及び21から留出する留出成分は回収槽27に供給され、脱離液供給ライン28及び14を介して、無端状の流路13に脱離液として供給される。

0071

無端状の流路13から排出され始めた当初のエクストラクト抜き出しライン16中の脱離液は、微量の不純物が含まれ易く、またエクストラクトの含有量の少ないことから、脱離液中のエクストラクトの純度は比較的低いことがある。しかしながら、本実施の形態では、脱離液中のエクストラクトの純度を測定してから所定の値以上の純度のエクストラクトの脱離液のみを蒸発器19に供給する。したがって、蒸発器19〜21への前記不純物の供給及び飛散が抑制される。したがって、エクストラクトの純度が高い濃縮液を得ることができ、高純度のエクストラクトが安定して得られる。

0072

本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、バイパスライン18と三方弁30、31とを有し、エクストラクト抜き出しライン16aの脱離液におけるエクストラクトの純度に応じて三方弁30、31を操作し、エクストラクトが所定の純度未満のエクストラクト抜き出しライン16a中の脱離液を、バイパスライン18を介してラフィネート抜き出しライン17bに供給することから、純度が不十分なエクストラクト含有脱離液とラフィネート含有脱離液との両方を蒸発器22〜24によって濃縮し、脱離液を回収することができる。したがって、高純度品の分離を要する擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の起動時から脱離液を回収することができる

0073

また、従来の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、脱離液の回収開始までの間の運転操作において、心理的及び肉体的に過酷な運転操作が作業員に要求されることがあったが、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、起動運転時からほぼ全量の脱離液の回収が可能であることから、脱離液の残量に制限されずに起動時における運転条件の検討の操作を行うことができる。したがって、このような運転操作において作業員にかかる種々の負担を軽減することができる。

0074

また、従来の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、エクストラクト抜き出しライン16aの脱離液中のエクストラクトの純度が所定の値未満の場合に使用した脱離液の全てを廃棄していたが、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、起動当初から脱離液を回収することができることから、脱離液に係るコストをより一層削減することができる。

0075

また、従来の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では、運転開始時に用意した脱離液で運転条件を設定できなかった場合では、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の運転を一旦停止して脱離液を再度調製する必要があったが、本実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置は、起動当初から脱離液を回収することができることから、用意した脱離液の残量に関わらず運転条件を設定することができる。したがって、従来の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置では脱離液の再調製を要する程の運転条件の検討を、より一層簡易に、かつ迅速に行うことができる。

0076

また、本実施の形態では、光学異性体を分離するための分離剤として、アミロースのカルバメート誘導体等の多糖誘導体を用いることから、種々の光学異性体を効率よく分離、製造することができる。

0077

なお、本実施の形態では、起動時に用いられる脱離液を収容する前記脱離液用槽と、用意された脱離液を脱離液用槽から無端状の流路13に供給する脱離液供給ライン14と、無端状の流路13から排出され回収槽27に回収された脱離液を脱離液供給ライン14に供給する脱離液供給ライン28とを有する構成を示したが、本発明はこの形態に限定されず、前記脱離液用槽を有さず、初期に用意する脱離液を回収槽27に収容し、回収槽27から脱離液供給ライン28及び14を介して無端状の流路に供給しても良い。このような構成によれば、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の構成をより一層簡易にすることができる。

0078

また、本実施の形態では、回収槽27に収容された脱離液をそのまま脱離液供給ライン28及び14を介して無端状の流路13に供給する構成を示したが、本発明はこの形態に限定されず、脱離液に含まれる溶剤であって補給すべき溶剤を収容する補給用槽と、補給用槽から回収槽27へ補給すべき溶剤を供給するための補給用ライン、弁、及びポンプと、回収槽27に回収される脱離液の組成を検出する近赤外分光分析装置等の濃度検出器と、濃度検出器の検出結果に応じて前記弁及びポンプを制御する補給用制御装置とをさらに設けても良い。このような構成によれば、回収され再利用される脱離液の組成を精密に制御することができ、擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置における精度の高い分離及び製造を安定して行う観点からより一層効果的である。

0079

また、本実施の形態では、エクストラクトを製品として必要とされる成分とし、ラフィネートを不要な成分として、エクストラクトを製造する形態を示したが、本発明はこれに限定されず、ラフィネートを製品とすることも可能である。また、貯蔵槽26に収容された濃縮液を、熱処理酵素による処理によってラセミ化し、光学異性体混合物含有液に再利用しても良い。

図面の簡単な説明

0080

本発明の一実施の形態の擬似移動床式クロマトグラフィー分離装置の構成を概略的に示す図である。

符号の説明

0081

1〜12カラム
13 無端状の流路
14、28脱離液供給ライン
15光学異性体混合物含有液供給ライン
16a、16bエクストラクト抜き出しライン
17a、17bラフィネート抜き出しライン
18バイパスライン
19〜24蒸発器
25、26貯留槽
27回収槽
29循環ポンプ
30、31 三方弁

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