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技術 被検物質分析装置及び定量方法

出願人 旭化成株式会社
発明者 森下朋浩山本裕二郎ラディボイエエス.ポポビックジョバンニボエロマークレニー
出願日 2004年10月15日 (16年1ヶ月経過) 出願番号 2004-302142
公開日 2006年4月27日 (14年6ヶ月経過) 公開番号 2006-112976
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 磁気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 磁気測定法 コアコイル 磁気検出コイル 磁場周波数 パワースプリッター 被測定サンプル プリントボード 磁気発生源
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

磁性粒子を用いた被検物質分析において、高感度で、かつ被測定サンプルの厚みに対して高い自由度を有する、高汎用性の被検物質分析装置及び定量方法を提供する。

解決手段

プラスチック樹脂4からなる被測定サンプル20の底面に、抗原抗体反応を利用して磁性粒子を固定し、被測定サンプル20には、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の固定部19が設けられ、この固定部19をどちらか一方の磁気検出コイル3上に配置してある。2種類の周波数を発生する第1の磁場発生源1及び第2磁場発生源2と、この磁場発生源1,2からの磁場中に配置された磁気検出コイル3からなるとともに、この磁気検出コイル3上に配置された、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の磁性粒子量を検出する磁気検出部とを備え、この磁気検出部により被検物質の磁束変化量を検出することにより、この被検物質を定量する。

概要

背景

試料中の被検物質量を測定する方法として、酵素免疫測定法蛍光免疫測定法などの光学的測定法が広く用いられている。
酵素免疫測定法では、被検物質と特異的に反応する物質酵素で標識し、被検物質が存在する場合には、例えば、酵素反応による発色を光学的に計測する方法である。しかしながら、酵素安定性の問題や検出系の感度が低いなどの問題がある。

また、蛍光免疫測定法では、被検物質と特異的に反応する物質を蛍光体で標識し、被検物質が存在する場合の蛍光体からの蛍光強度を計測し、被検物質量を測定する方法である。この蛍光免疫測定法は、一般的に高感度測定法として知られているが、迷光の影響を受け易くバックグラウンドノイズ発生の問題や蛍光体の褪色の問題がある。

上述した光学測定法に対して、近年、磁気センサ磁性粒子を用いて被検物質を測定する磁気測定法が注目されている。磁気測定法では、バックグラウンドノイズの発生源磁性体のみであり、蛍光免疫測定法に代表される光学測定法と比較すると外部からのバックグラウンドノイズが低く有効な測定法である。

高感度磁気測定装置としては、超伝導量子緩衝装置(Superconducting Quantum Interface Device;以下、SQUIDという)が知られている。このSQUIDは、超伝導ループにおける磁束の量子化を利用したデバイスで、2個のジョセフソン素子超伝導配線で超伝導ループを形成した高感度素子である。しかしながら、このSQUIDのピックアップループを冷却された温度に維持しなければならないという実質的な問題点がある。

本発明の先行技術文献として、誘導センサコイルを用いた磁性粒子検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載されている方式は、数100kHz程度の高周波数強磁場を発生させて磁性体を高感度に検出するものである。

また、SQUIDを用いて抗原抗体反応を利用した免疫測定法については、特許文献2に開示されている。この特許文献2に記載のものは、一つの抗原又は抗体に磁性体超微粒子を標識して磁性体標識体とし、この磁性体標識体と検体を抗原抗体反応させ、その後の検体から、未反応の磁性体標識体を分離除去し、その後の検体の磁化をSQUIDで測定するものである。

米国特許第6,046,585号明細書
特開昭63−90765号公報
August 2003 Quantum Design社技術資料

概要

磁性粒子を用いた被検物質分析において、高感度で、かつ被測定サンプルの厚みに対して高い自由度を有する、高汎用性の被検物質分析装置及び定量方法を提供する。プラスチック樹脂4からなる被測定サンプル20の底面に、抗原抗体反応を利用して磁性粒子を固定し、被測定サンプル20には、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の固定部19が設けられ、この固定部19をどちらか一方の磁気検出コイル3上に配置してある。2種類の周波数を発生する第1の磁場発生源1及び第2磁場発生源2と、この磁場発生源1,2からの磁場中に配置された磁気検出コイル3からなるとともに、この磁気検出コイル3上に配置された、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の磁性粒子量を検出する磁気検出部とを備え、この磁気検出部により被検物質の磁束変化量を検出することにより、この被検物質を定量する。

目的

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁性粒子を用いた被検物質分析において、高感度で、かつ被測定サンプルの厚みに対して高い自由度を有する、高汎用性の被検物質分析装置及び定量方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

2種類の周波数を発生する複数の磁場発生手段と、該磁場発生手段からの磁場中に配置された磁気検出コイルからなり、該磁気検出コイル上に配置された、被検物質が特異的に結合した磁性粒子複合体の磁性粒子量を検出する磁気検出手段とを備え、該磁気検出手段により前記複合体の磁束変化量を検出することにより、該被検物質を定量することを特徴とする被検物質分析装置

請求項2

前記2種類の周波数が、1Hz以上で1kHz以下の低周波数と、100kHz以上で10MHz以下の高周波数であることを特徴とする請求項1に記載の被検物質分析装置。

請求項3

前記低周波数の磁場発生手段による磁場中及び前記高周波数の磁場発生手段による磁場中に、前記磁気検出コイルを配置したことを特徴とする請求項2に記載の被検物質分析装置。

請求項4

前記特異的な結合が、特異的な親和性を有する物質間での結合で、抗原と抗体、糖とレクチンヌクレオチド鎖とそれに相補的なヌクレオチド鎖、リガンドレセプターなどであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の被検物質分析装置。

請求項5

2種類の周波数を発生する複数の磁場発生手段と、該磁場発生手段からの磁場中に配置された磁気検出コイルからなり、該磁気検出コイル上に配置された、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の磁性粒子量を検出する磁気検出手段とを備えた被検物質分析装置を用いた被検物質定量方法であって、前記被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を前記磁気検出コイル上に配置するステップと、低周波数の前記磁場発生手段と高周波数の前記磁場発生手段により2種類の周波数を各々同時に発生するステップと、前記磁場発生手段の磁場中に前記被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を配置することによって生じる該複合体の磁束変化量を、前記磁気検出コイルで検出して前記被検物質を定量するステップとを有することを特徴とする被検物質定量方法。

請求項6

前記被検物質が抗原の場合に、前記配置するステップが、抗体を表面に有する基材に、前記被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を抗原抗体反応固定化させ、前記基材ごと前記磁気検出コイル上に配置することを特徴とする請求項5に記載の被検物質定量方法。

請求項7

前記被検物質が抗原の場合に、前記配置するステップが、前記磁気検出コイルの表面に直接抗体を結合させることを特徴とする請求項5に記載の被検物質定量方法。

技術分野

0001

本発明は、被検物質分析装置及び定量方法に関し、より詳細には、標識として磁性粒子を用い、磁気検出手段として磁気センサを用いた試料中の被検物質の濃度を定量的に測定する被検物質分析装置及び定量方法に関する。特に、医療診断環境計測などに好適である。

背景技術

0002

試料中の被検物質量を測定する方法として、酵素免疫測定法蛍光免疫測定法などの光学的測定法が広く用いられている。
酵素免疫測定法では、被検物質と特異的に反応する物質酵素で標識し、被検物質が存在する場合には、例えば、酵素反応による発色を光学的に計測する方法である。しかしながら、酵素安定性の問題や検出系の感度が低いなどの問題がある。

0003

また、蛍光免疫測定法では、被検物質と特異的に反応する物質を蛍光体で標識し、被検物質が存在する場合の蛍光体からの蛍光強度を計測し、被検物質量を測定する方法である。この蛍光免疫測定法は、一般的に高感度測定法として知られているが、迷光の影響を受け易くバックグラウンドノイズ発生の問題や蛍光体の褪色の問題がある。

0004

上述した光学測定法に対して、近年、磁気センサと磁性粒子を用いて被検物質を測定する磁気測定法が注目されている。磁気測定法では、バックグラウンドノイズの発生源磁性体のみであり、蛍光免疫測定法に代表される光学測定法と比較すると外部からのバックグラウンドノイズが低く有効な測定法である。

0005

高感度磁気測定装置としては、超伝導量子緩衝装置(Superconducting Quantum Interface Device;以下、SQUIDという)が知られている。このSQUIDは、超伝導ループにおける磁束の量子化を利用したデバイスで、2個のジョセフソン素子超伝導配線で超伝導ループを形成した高感度素子である。しかしながら、このSQUIDのピックアップループを冷却された温度に維持しなければならないという実質的な問題点がある。

0006

本発明の先行技術文献として、誘導センサコイルを用いた磁性粒子検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載されている方式は、数100kHz程度の高周波数強磁場を発生させて磁性体を高感度に検出するものである。

0007

また、SQUIDを用いて抗原抗体反応を利用した免疫測定法については、特許文献2に開示されている。この特許文献2に記載のものは、一つの抗原又は抗体に磁性体超微粒子を標識して磁性体標識体とし、この磁性体標識体と検体を抗原抗体反応させ、その後の検体から、未反応の磁性体標識体を分離除去し、その後の検体の磁化をSQUIDで測定するものである。

0008

米国特許第6,046,585号明細書
特開昭63−90765号公報
August 2003 Quantum Design社技術資料

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、上述した特許文献1のものは、高周波数で強磁場を発生させる際、コイルのインダクタンスの影響による発熱やコイルの破壊の問題がある。そのためこの特許文献1では、極めて狭いギャップを持つ環状コア型の電磁石を用いて、このギャップ内に高周波数の強磁場を発生させ、このギャップ内に被測定サンプルを設置して測定を行っている。

0010

すなわち、このことは被測定サンプルの厚みが大きく制限され、測定汎用性が低いことを意味している。そして、ギャップの大きさは、非特許文献1では、0.43mmとされており、被測定サンプルの厚みは必然的に0.43mm以下に制限されることとなることからもこの方式を採用する装置が被測定サンプルの厚みが大きく制限され、測定汎用性が低いという課題を持っていることは明らかである。

0011

本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁性粒子を用いた被検物質分析において、高感度で、かつ被測定サンプルの厚みに対して高い自由度を有する、高汎用性の被検物質分析装置及び定量方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、2種類の周波数を発生する複数の磁場発生手段と、該磁場発生手段からの磁場中に配置された磁気検出コイルからなり、該磁気検出コイル上に配置された、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の磁性粒子量を検出する磁気検出手段とを備え、該磁気検出手段により前記複合体の磁束変化量を検出することにより、該被検物質を定量することを特徴とする。

0013

また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記2種類の周波数が、1Hz以上で1kHz以下の低周波数と、100kHz以上で10MHz以下の高周波数であることを特徴とする。

0014

また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記低周波数の磁場発生手段による磁場中及び前記高周波数の磁場発生手段による磁場中に、前記磁気検出コイルを配置したことを特徴とする。

0015

また、請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、前記特異的な結合が、特異的な親和性を有する物質間での結合で、抗原と抗体、糖とレクチンヌクレオチド鎖とそれに相補的なヌクレオチド鎖、リガンドレセプターなどであることを特徴とする。

0016

また、請求項5に記載の発明は、2種類の周波数を発生する複数の磁場発生手段と、該磁場発生手段からの磁場中に配置された磁気検出コイルからなり、該磁気検出コイル上に配置された、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の磁性粒子量を検出する磁気検出手段とを備えた被検物質分析装置を用いた被検物質定量方法であって、前記被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を前記磁気検出コイル上に配置するステップと、低周波数の前記磁場発生手段と高周波数の前記磁場発生手段により2種類の周波数を各々同時に発生するステップと、前記磁場発生手段の磁場中に前記被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を配置することによって生じる該複合体の磁束変化量を、前記磁気検出コイルで検出して前記被検物質を定量するステップとを有することを特徴とする。

0017

また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記被検物質が抗原の場合に、前記配置するステップが、抗体を表面に有する基材に、前記被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を抗原抗体反応で固定化させ、前記基材ごと前記磁気検出コイル上に配置することを特徴とする。

0018

また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記被検物質が抗原の場合に、前記配置するステップが、前記磁気検出コイルの表面に直接抗体を結合させることを特徴とする。

0019

本発明者は、上述した課題を解決するため鋭意検討した結果、2種類の周波数の磁場、すなわち、1kHz以下の低周波数の磁場と100kHz以上の高周波の磁場を被測定サンプルに印加して、磁性粒子の透磁率変化非線形性を利用して検出することに着目した結果、高感度で、かつ被測定サンプルの厚みに対する自由度の高い、高汎用性の被検物質分析装置及び定量方法を完成させるに至ったものである。

発明の効果

0020

本発明によれば、2種類の周波数を発生する複数の磁場発生手段と、この磁場発生手段からの磁場中に配置された磁気検出コイルからなり、この磁気検出コイル上に配置された、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の磁性粒子量を検出する磁気検出手段とを備え、この磁気検出手段により複合体の磁束変化量を検出することにより、被検物質を定量するようにしたので、高感度で、かつ被測定サンプルの厚みに対して高い自由度を有する、高汎用性の被検物質分析装置及び定量方法を実現することができる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る被検物質分析装置の一実施例を説明するための構成図で、図中符号1は低周波磁場発生の第1の磁場発生源、2は励磁コイルなどによる高周波磁場発生の第2の磁場発生源、3a,3bは2個の磁気検出コイルを示している。図2は、図1における第2の磁場発生源2と2個の磁気検出コイル3a,3bを示す図で、図3は、図1において磁気検出コイル3a,3b上に、被検物質を設けたプラスチック樹脂4を配置した図である。なお、符号5はリード、Aは励磁コイル2のX方向の長さで12mm、Bは磁気検出コイル3a,3bの内径で2.8mmを示している。

0022

本発明の被検物質分析装置は、2種類の周波数を各々同時に発生する第1の磁場発生源(低周波磁場発生)1及び第2の磁場発生源(高周波磁場発生)2と、この磁場発生源1,2からの磁場中に配置された磁気検出コイル3a,3bからなるとともに、この磁気検出コイル3a,3b上に配置された、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の磁性粒子量を検出する磁気検出部とを備え、この磁気検出部により複合体の磁束変化量を検出することにより、この被検物質を定量するように構成されている。

0023

このように、本発明の被検物質分析装置は、2種類の周波数を同時に発生しうる磁場発生源1,2と、磁化の変化を検出する磁気検出コイル3a,3bとを備えており、本発明における低周波数磁場の磁場発生源1による磁場周波数は、1Hz以上で1kHz以下であり、コイルのインダクタンスによる発熱という点から、好ましくは1Hz以上で100Hz以下である。

0024

磁場発生源1の磁場強度は、磁性粒子の透磁率非線形効果が生じる磁場強度を磁性粒子に対して印加する必要があるため、少なくとも50ガウス以上、好ましくは100ガウス以上、より好ましくは200ガウス以上である。

0025

また、高周波数磁場の磁場発生源2による磁場周波数は、100kHz以上で10MHz以下であり、検出感度の点から、1MHz以上で10MHz以下が好ましい。また、磁場強度は感度の点から大きい方が好ましいが、コイルのインダクタンスによる発熱及びコイル破壊を考慮して、好ましくは0.1ガウス以上で10ガウス以下である。

0026

低周波磁場発生の磁場発生源1としては、フェライト環コアコイルヘルムホルツコイルなどがあげられるがこれらに限定されるものではない。また、高周波磁場発生の磁場発生源2としては、銅線からなるプリントコイルなどがあげられるがこれらに限定されるものではない。さらに、磁気検出コイルは、この磁気検出コイルに生じる誘導起電力変化から磁化の変化を検出する形態のものであり、磁気検出コイルを貫く磁束変化によって生じる誘導起電力から、磁場変化を検出するものである。また、磁気検出コイルは、例えば、銅線からなるプリントコイルなどが考えられ、このプリントコイル上に高分子膜などを有していても構わない。

0027

磁気検出コイルの形状はどのような形状でもよく、円形や角型などが考えられるが、これらに限定されるものではない。複数の検出コイルを使用することも可能であり、この場合には差動形式で接続して使用することも可能である。

0028

本発明は、上述したような2種類の周波数を同時に発生しうる磁場発生源1,2と、磁気検出コイル3a,3bを備えた被検物質分析装置であって、この被検物質分析装置を用いて被検物質の定量を行うことができる。

0029

具体的には、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を、被検物質分析装置の磁気検出部に配置させることによって生じる磁束変化量を、磁気検出コイルで検出して被検物質の定量をする被検物質の定量方法である。

0030

ここで特異的結合とは、特異的な親和性を有する物質間での結合のことであり、特異的結合の例として、抗原と抗体、糖とレクチン、ヌクレオチド鎖とそれに相補的なヌクレオチド鎖、リガンドとレセプターなどの結合が挙げられる。例えば、被検物質が抗原の場合、本発明で分析する対象物は、磁性粒子表面に予め固定された抗体と被検物質の抗原とが特異的結合したものを測定することになる。

0031

また、本発明で用いられる磁性粒子は、少なくとも外部から磁場を作用させた際に磁化する粒子であればよく、強磁性体を含有した粒子などが挙げられる。

0032

強磁性体としては、例えば、鉄、コバルトニッケルなどの強磁性金属、この強磁性金属を含む合金非磁性体中に強磁性金属又は強磁性金属を含む合金を含有するもの、強磁性金属中又は強磁性金属を含む合金中に非磁性体を含有するものなどを挙げることができる。

0033

また、磁性粒子の粒子径は、反応効率の点から大きすぎないことが好ましく、測定感度の点から小さすぎないことが好ましい。したがって、本発明の磁性粒子の平均粒子径は、0.001μm〜10μm、好ましくは0.01μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜3μmである。平均粒子径は、動的光散乱法電子顕微鏡など公知の方法で測定することができる。

0034

この磁性粒子は、一般的に超常磁性体といわれるもので、外部から磁石を作用させている間は磁化し、外部からの磁石の遮断により速やかに減磁する性質を持つことが特に好ましい。そのような磁性粒子としては、例えば、Dynal社製Dynabeads登録商標)M−450、Dynabeads (登録商標)M−280、Dynabeads(登録商標)Myone(商標)、Merck Chime, S.A.,S社製Estapor(登録商標)M1−070−40、Estapor(登録商標)M1−070−60、Estapor(登録商標)M1−030−40、Seradyn社製Sera−mag(商標)等が挙げられる。磁性粒子は、適用される免疫反応物質等の種類に応じて、適切な表面処理がなされたもの、適切な官能基を有するもの等が選択される。

0035

なお、磁性粒子には、予め被検物質と特異的結合する物質、例えば、被検物質が抗原の場合には、抗体が公知の方法により化学的吸着または物理的吸着により付与されている場合が多く、このような磁性粒子に被検物質が特異的結合してなる磁性粒子の複合体を本発明の被検物質分析装置で測定するものである。

0036

図1には、低周波磁場発生の磁場発生源1としてヘルムホルツコイルを使用しているが、これに限定されるものではない。また、図2では、高周波磁場発生の磁場発生源2と磁気検出コイル3a,3bは同一面内にあるプリントコイルとなっているが、磁場発生源2が磁気検出コイル3a,3bを包含している形態であれば、これらに限定されない。また、図2において磁気検出コイルとして、2つの磁気検出コイル3a,3bが差動形式で接続された形態となっているが、これらに限定されるものではない。

0037

被検物質の分析においては、図1に示す配置で磁気検出コイル3a,3b上に被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を配置することで、磁性粒子量の測定を介して被検物質を定量することが出来る。

0038

また、図2に示すように、2つの磁気検出コイル3a,3bを使用する場合、どちらか一方にのみ被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を配置し、もう一方は参照用磁気センサとして使用する。

0039

本発明で、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を磁気検出部に配置して分析する方法を、被検物質を抗原とした場合について具体的に説明する。

0040

磁気検出部に被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を配置する方法は、以下の2つの方法がある。

0041

まず、第1の方法は、抗体を表面に有する基材に被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を抗原抗体反応で固定化させて基材ごと配置する方法である。ここに用いる基材の材料は、ポリアクリルニトリル等のような抗体を公知の方法で表面に結合できるものであればかまわない。

0042

このような、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を基材に固定化したものを用いて分析する方法は、被検物質の種類が変わっても基材ごと取り替えれば直ぐに分析することが可能であるため数多くの被検物質測定サンプルを迅速に分析できる点において有効である。

0043

第2の方法は、磁気検出コイルの表面に直接抗体を結合させて、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体を抗原抗体反応によって固定化させて分析するものである。このような方法は、上述した第1の方法に比べて、厚みを有する基材を配置する必要が無い点において、より高い磁界を発生させることが可能となる点において有効である。

0044

次に、本発明の被検物質分析装置における磁気検出方法について以下に説明する。以下、2つの磁気検出コイル3a,3bを用いた場合について説明するが、磁気検出コイルは2つに限定されない。

0045

図2に示すように、磁気検出コイル3a,3bは差動形式で接続されており、この2つの磁気検出コイル3a,3bは同一の形状を有し、かつ巻き方向が反対となる形態をとる。磁性粒子の検出時には、図1に示すように、磁場発生源1と磁場発生源2から磁気検出コイル3a,3bに対して同時に磁場を印加する形態をとる。磁場発生源1と磁場発生源2からの磁場は、周波数をもって変動している交番磁場であるため、磁気検出コイル3a,3bを貫く磁束が時間変化し、各々の磁気検出コイル3a,3bにおいて誘導起電力が生じる。誘導起電力は印加磁場強度印加磁場周波数に比例するため、本発明における磁気検出コイル3a,3bが検出する誘導起電力は、磁場発生源2による被検物質の磁束変化によるものである。

0046

図2において、2つの磁気検出コイル3a,3bの結合形態から、各々の磁気検出コイル3a,3bに生じる誘導起電力は、同強度・逆位相となる。図2に示すように、2つのセンサコイルは差動形式で接続されているため、磁性粒子の存在しない状態では信号出力打ち消される。

0047

次に、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の検出方法について説明する。
図4は、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の磁化曲線を示す図である。この図4に示すように、磁性粒子の透磁率は外部からの印加磁場強度に対して非線形応答する。本発明に示すように、磁場発生源1により、磁性粒子の透磁率が非線形効果を示す程度の磁場を該磁性粒子に印加した場合、磁場発生源1による磁場の大きさが最大となるポイント5の点では、磁性粒子の透磁率変化は小さい。

0048

一方、磁場発生源1による磁場の大きさが最小となるポイント6では、磁性粒子の透磁率変化は線形領域にあり、磁性粒子の透磁率変化は最大となる。磁場発生源1により交番磁場を磁性粒子に印加した状態で、磁場発生源2により高周波数の交番磁界を磁性粒子に印加すると、ポイント5における磁場発生源2による磁性粒子の透磁率変化は最小となり、磁気検出コイル3a,3bに生じる誘導起電力も最小となる。

0049

一方、ポイント6における磁場発生源2による磁性粒子の透磁率変化は最大となり、磁気検出コイル3a,3bに生じる誘導起電力は最大となる。ポイント5及びポイント6で生じる誘導起電力の差を計測することにより、被測定サンプルである磁性粒子量を計測することができる。

0050

図5は、磁気発生源に対する磁性粒子の信号出力波形を示した図である。図5から磁場発生源1による磁場の大きさが最大となる点において磁場発生源2に対する磁性粒子による誘導起電力の変化は最小となり、また、磁場発生源1による磁場の大きさが最小となる点において、磁場発生源2に対する磁性粒子による誘導起電力の変化は最大となることがわかる。

0051

以上、本発明の被検物質分析装置及び定量方法について説明した。
次に、本発明の被検物質分析装置を用いた被検物質の磁性粒子の検出方法について以下に説明する。

0052

<磁性粒子の検出システム
図6、磁性粒子の検出システムにおける磁気検出コイルを示す図である。
磁気検出コイルとして図6に示すように、内径Bは2.8mm、巻き数5のプリントコイルを使用し、本発明では2つの磁気検出コイル3a,3bを差動形式で接続して磁性粒子の検出を行った。

0053

磁場発生源2は、図6に示すように、磁気検出コイル3a,3bを包含する形態であり、内径Ax×Ay(12mm×7mm)、巻き数5のプリントコイルを使用した。交流電流を用いて磁場発生源2に交番磁場を発生させた。磁場発生源2の磁場周波数は、2.24MHzとし、磁場強度は1ガウスとして磁性粒子の検出を行った。

0054

磁場発生源1には、空芯のヘルムホルツコイルを使用した。交流電流を用いて磁場発生源1のギャップ部に交番磁場を発生させた。磁場発生源1の磁場周波数は63Hzとし、磁場強度は150ガウスとして磁性粒子の検出を行った。

0055

図7は、本発明の被検物質分析装置における信号処理系を示す構成図で、図中符号7,17は周波数発生器、8はパワースプリッター、9,12,15,18は増幅器、10はプリントボード、13は周波数混合器、16はロックインアンプ、20は被測定サンプルを示している。

0056

周波数発生器7による交流電流をパワースプリッター8により2分割し、一方は周波数混合器13に入力する。他方は増幅器9により増幅して磁場発生源2に入力し、磁場発生源2による交番磁場を発生させ、磁気検出コイル3a,3bに磁場を印加した。本発明では、磁場発生源2と磁気検出コイル3a,3bとが一体となった形態のプリントボード10を使用した。このプリントボード10には、被測定サンプル20が設けられていて、この被測定サンプル20は、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体として機能する。

0057

配線14から、磁気検出コイル3a,3bから得られた信号を取り出し、信号増幅器12で信号を増幅し、周波数混合器13に増幅信号を入力した。この周波数混合器13により、周波数発生器7からの入力信号と増幅信号を周波数混合し、得られた磁気信号を信号増幅器15により増幅し、ロックインアンプ16に入力した。

0058

一方、周波数発生器17による交流電流は、増幅器18により磁場発生源1に入力し、この磁場発生源1による交番磁場を発生させ、磁気検出コイル3a,3bに磁場を印加すると同時に、ロックインアンプ16に参照信号として入力した。

0059

周波数発生器17からの参照信号と磁気信号を、ロックインアンプ16を用いた周知の技術である位相検波技術を用いて検出することにより磁気信号の検出を行った。

0060

<被測定サンプルの準備>
厚み約6mmのプラスチック樹脂4からなる被測定サンプル20の底面に、抗原抗体反応を利用して磁性粒子を固定した。磁性粒子は直径約2mmの円形状に固定した。また、磁性粒子として、DynabeadsMyoneを使用した。

0061

図8は、磁性粒子の検出方法を説明するための被検物質分析装置の構成図で、図中19は磁性粒子の固定部、20は被測定サンプル、その他、図3と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。

0062

図8に示すように、被測定サンプル20には、被検物質が特異的に結合した磁性粒子の複合体の固定部19が設けられ、この固定部19をどちらか一方の磁気検出コイル3a,3b上に配置して測定を行った。

0063

上述した磁性粒子の検出システム及び被測定サンプルを用いた磁性粒子の検出の結果を表1に以下に示す。

0064

0065

表1に示すように、本発明の被検物質分析装置は、被測定サンプルの厚みに対して高い自由度で、高感度に磁性粒子を検出することができる。

図面の簡単な説明

0066

本発明に係る被検物質分析装置の一実施例を説明するための構成図である。
図1における第2の磁場発生源と2個の磁気検出コイルを示す図である。
図1において磁気検出コイル上に被検物質を設けたプラスチック樹脂を配置した図である。
被検物質が特異的に結合した磁性粒子の磁化曲線を示す図である。
磁気発生源に対する磁性粒子の信号出力波形を示した図である。
磁性粒子の検出システムにおける磁気検出コイルを示す図である。
本発明の被検物質分析装置における信号処理系を示す構成図である。
磁性粒子の検出方法を説明するための被検物質分析装置の構成図である。

符号の説明

0067

1 第1の磁場発生源
2 第2の磁場発生源
3a,3b 2個の磁気検出コイル
4被検物質を設けたプラスチック樹脂
5リード
7,17周波数発生器
8パワースプリッター
9,12,15,18増幅器
10プリントボード
13周波数混合器
14配線
16ロックインアンプ
19磁性粒子の固定部
20 被測定サンプル

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