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技術 圧延制御方法および圧延制御装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 服部哲篠田敏秀
出願日 2004年10月12日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2004-297081
公開日 2006年4月27日 (13年11ヶ月経過) 公開番号 2006-110550
状態 特許登録済
技術分野 圧延の制御
主要キーワード リパース 板幅方向中心 ロール軸線方向 修正量演算 方向板 シフト量δ 板厚方向中心 圧延動作
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重要な関連分野

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図面 (8)

課題

一台の圧延機を用いて一つの製品となる被圧延材をその圧延機で複数回圧延する場合に於いては、最終回の圧延が終了するまで最終的なエッジドロップ量が検出できないため方面品質を維持しつつ目標エッジドロップ量に制御するのが困難であった。

解決手段

複数回圧延する各圧延毎に目標エッジドロップ量を設定し、表面品質に影響を与えるようなエッジドロップ制御の動作を規制し、規制により制御不可となるエッジドロップ量の範囲をできるだけ小さくするように圧延毎の目標形状補正する。

概要

背景

従来より、圧延機を用いて被圧延材圧延し、再度、その圧延された被圧延材を同じ圧延機を用いて圧延し、これを繰り返すことで設定の板厚製品を得る技術がある。

一方、近年、圧延製品板幅方向端部近傍の制御(以下、エッジドロップ制御と呼ぶ)の精度が要求され、上記のような技術の装置において、出側に板幅方向板厚計を設け、この測定値に基づいて、圧延機のロールシフト位置を修正する技術が考えつかれた。このような技術は例えば特開04−294808号公報に知られている。

特開平04−294808号公報

概要

一台の圧延機を用いて一つの製品となる被圧延材をその圧延機で複数回圧延する場合に於いては、最終回の圧延が終了するまで最終的なエッジドロップ量が検出できないため方面品質を維持しつつ目標エッジドロップ量に制御するのが困難であった。 複数回圧延する各圧延毎に目標エッジドロップ量を設定し、表面品質に影響を与えるようなエッジドロップ制御の動作を規制し、規制により制御不可となるエッジドロップ量の範囲をできるだけ小さくするように圧延毎の目標形状補正する。

目的

本発明の目的は、エッジドロップ制御において精度向上が可能な圧延制御方法あるいは圧延制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

圧延ロール被圧延材を第1の圧延として圧延させ、前記圧延ロールで再度前記圧延した被圧延材を第2の圧延として圧延させる方法であって、前記第1の圧延と前記第2の圧延それぞれについて板幅方向端部近傍板厚に関する目標値を設定し、前記それぞれの目標値に近づくように前記圧延ロールを制御する圧延制御方法

請求項2

請求項1において、過去の圧延情報を記憶し、前記記憶情報に基づいて、前記目標値を得る圧延制御方法。

請求項3

請求項1において、被圧延材の板幅方向端部近傍の板厚、あるいは圧延された後の板幅方向端部近傍の板厚を検出する検出手段からの出力を受けて、前記目標値を補正する圧延制御方法。

請求項4

請求項1において、前記圧延ロールの内側へのシフトを制限することを特徴とする圧延制御方法。

請求項5

前記請求項1から請求項4において、前記圧延はシングルスタンドリバース圧延を含んでなされる圧延制御方法。

請求項6

前記請求項1から請求項5において、前記圧延はワンウェイのシングルスタンド圧延を含んでなされる圧延制御方法。

請求項7

前記請求項1から請求項6において、前記圧延はタンデム圧延を含んでなされる圧延制御方法。

請求項8

圧延機を用いて、被圧延材をその圧延機で複数回圧延し、所定の板厚の製品を得る圧延制御方法において、複数回圧延する場合の各々の圧延における目標となる板幅方向端部近傍の板厚に関する目標値を設定して制御を行うことを特徴とする圧延制御方法。

請求項9

圧延機で被圧延材を第一の圧延として圧延し、同じ圧延機で再度第1の圧延をした被圧延材を第2の圧延として圧延し、さらに、同じ圧延機で再度第2の圧延をした被圧延材を圧延し、これを繰り返して、最終回の圧延まで行う圧延制御方法において、第1の圧延から、最終回の圧延までそれぞれについて、板幅方向端部近傍の板厚に関する目標値を設定するよう構成した圧延制御方法。

請求項10

圧延ロールで被圧延材を第1の圧延として圧延させる第1の手段と、前記圧延ロールで再度前記圧延した被圧延材を第2の圧延として圧延させる第2の手段と、前記第1の圧延と前記第2の圧延それぞれについて板幅方向端部近傍の板厚に関する目標値を設定する手段と、前記それぞれの目標値に近づくように前記圧延ロールを制御する手段を有することを特徴とする圧延制御装置

請求項11

請求項10において、過去の圧延情報を記憶する記憶手段を有し、前記記憶情報に基づいて前記目標値を得ることを特徴とする圧延制御装置。

請求項12

請求項10において、被圧延材の板幅方向端部近傍の板厚、あるいは、圧延された後の板幅方向端部近傍の板厚を検出する検出手段からの出力を受けて、前記目標値を補正する手段を有することを特徴とする圧延制御装置。

請求項13

請求項10において、前記圧延ロールの内側へのシフトを制限する手段を有することを特徴とする圧延制御装置。

請求項14

圧延機を用いて、被圧延材をその圧延機で複数回圧延し、所定の板厚の製品を得る圧延制御装置において、複数回圧延する場合の各々の圧延における目標となる板幅方向端部近傍の板厚に関する目標値を設定して制御を行うことを特徴とする圧延制御装置。

請求項15

圧延機で被圧延材を第1の圧延として圧延し、同じ圧延機で再度第1の圧延をした被圧延材を第2の圧延として圧延し、さらに、同じ圧延機で再度第2の圧延をした被圧延材を圧延し、これを繰り返して、最終回の圧延まで行う圧延制御装置において、第1の圧延から、最終回の圧延までそれぞれについて、板幅方向端部近傍の板厚に関する目標値を設定するよう構成した圧延制御装置。

技術分野

0001

本発明は、圧延制御方法および圧延制御装置に関する。

背景技術

0002

従来より、圧延機を用いて被圧延材圧延し、再度、その圧延された被圧延材を同じ圧延機を用いて圧延し、これを繰り返すことで設定の板厚製品を得る技術がある。

0003

一方、近年、圧延製品板幅方向端部近傍の制御(以下、エッジドロップ制御と呼ぶ)の精度が要求され、上記のような技術の装置において、出側に板幅方向板厚計を設け、この測定値に基づいて、圧延機のロールシフト位置を修正する技術が考えつかれた。このような技術は例えば特開04−294808号公報に知られている。

0004

特開平04−294808号公報

発明が解決しようとする課題

0005

被圧延材のエッジドロップは、板厚が厚く軟らかい方が制御しやすいためタンデム圧延機においては入側に設置された圧延機のロールシフトすることにより制御が行われる。制御結果は、ロールシフト後の被圧延材が出側のエッジドロップ検出手段の位置まで来た段階で検出できるので、エッジドロップ量が予め設定した目標から外れた場合は更に制御を行うことで所定のエッジドロップ量とする事ができる。

0006

ところが、前述したように、同じ被圧延材を同じ圧延機で複数回圧延して所定の板厚を得るような作業を実施する場合は、最後の圧延が終了するまで最終的なエッジドロップ量が不明である。被圧延材を最後に圧延する時にロールシフトして制御するのは、何度も圧延された被圧延材は薄く硬くなっているため困難である。そのため、板が厚く軟らかい複数の圧延における早い回数のうちに制御しておく必要が有るが、ある目標のエッジドロップ値に制御した後、最終的な製品となるまでの間にさらに圧延されるため最終的なエッジドロップ値が目標とするエッジドロップ値と異なってしまう問題がある。

0007

また、最終的な製品となる複数の回の途中での圧延で、ロールをシフトして目標となるエッジドロップに制御する場合、シフトする方向によっては被圧延材の表面品質が問題となる場合がある。作業ロールは被圧延材との摩擦により磨耗するが、特に板端部での磨耗が激しい。そのため、今まで板端部にあったため大きく磨耗しているロール位置がロールシフトにより、被圧延材の板幅中に入ってくると表面に傷がつき、表面品質上問題となる。

課題を解決するための手段

0008

本発明の目的は、エッジドロップ制御において精度向上が可能な圧延制御方法あるいは圧延制御装置を提供することにある。

0009

上記目的を達成するために、本発明では圧延ロールで被圧延材を圧延させ(第1の圧延)さらに、前記圧延ロールで再度圧延した被圧延材を圧延させる(第2の圧延)ものにおいて、第1の圧延から第2の圧延それぞれについて板幅方向端部近傍の板厚に関する目標値を設定するよう構成した。なお、複数回の圧延のそれぞれをパスといい、一回目の圧延を1パス、2回目を2パス、以下続き最終回の圧延を最終パスと呼ぶ。

0010

上記目的を達成するために、本発明では圧延機で被圧延材を圧延し(第1の圧延)、同じ圧延機で再度第1の圧延をした被圧延材を圧延し(第2の圧延)、さらに、同じ圧延機で再度第2の圧延をした被圧延材を圧延し(第3の圧延)、以下これを繰り返して、最終回の圧延まで行う圧延方法において、第1の圧延から、最終回の圧延までそれぞれについて、板幅方向端部近傍の板厚に関する目標値を設定するよう構成した。

0011

好ましくは、過去に圧延した類似した被圧延材の実績より各パスにおけるエッジドロップ量のデータベースとそれから推定される各パスにおけるエッジドロップ目標値を与える各パス毎目標エッジドロップ設定手段を有するように構成する。

0012

好ましくは、圧延実績より、各パスの目標エッジドロップ量を修正し、以降の被圧延材の圧延時における目標エッジドロップ量を最適化させるための各パス毎目標エッジドロップ修正手段を有するように構成する。

0013

好ましくは、上記各パス毎目標エッジドロップ設定手段により設定された目標エッジドロップ量をロールシフトの動き規制されない範囲で除去可能な様に補正する、目標エッジドロップ補正手段を有するように構成する。

0014

好ましくは、被圧延材の表面品質維持の観点からエッジドロップを修正する手段であるロールシフトの動きを、上記目標エッジドロップ補正手段の設定に応じて規制するシフト規制手段を有するように構成する。以上の手段を用いて設定した目標エッジドロップ量とエッジドロップ量測定値の偏差をエッジドロップ制御にて除去するように構成する。この時、ロールのシフト方向には、上記シフト規制手段による規制がかかる。

発明の効果

0015

本発明では、板幅方向端部近傍の制御精度を向上させることができる。特に、表面品質に優れた被圧延材を生産することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明の実施例を、図1に示すようなシングルスタンドリバース圧延機を用いて被圧延材を複数回圧延する場合について説明する。

0017

シングルスタンドリバース圧延機は、圧延機1とその左側に設置された左テンションリール2、右側に設置された右テンションリール3より構成される。

0018

圧延機1の構成を図2を用いて説明する。

0019

軸方向より、被圧延材15を挟んで、上下作業ロール111,112(以下、上下作業ロール111及び112を総称して作業ロール11と呼ぶ)、上下中間ロール121,
122(以下、上下中間ロール121及び122を総称して中間ロール12と呼ぶ)、上下バックアップロール131,132(以下、上下バックアップロール131及び132を総称してバックアップロール13と呼ぶ)より構成される。上下作業ロール111,
112は、上下で被圧延材の板幅方向で逆の位置にテーパーを持ち、被圧延材15に対して、エッジドロップ制御可能な板端部が上下で逆となるように構成される。同様に上下中間ロール121,122も上下でエッジドロップ制御可能な板端部が逆となるように構成される。

0020

再び、図1もどり、圧延機の右側から左側に被圧延材15を圧延する場合を例として説明する。まず、右側テンションリール3に挿入されたコイル状になった被圧延材15は、圧延機1で圧延されて左テンションリール2にて巻き取られる(これを1パス目と呼ぶ)。右テンションリールに挿入されていた被圧延材15が左側に巻き取られてしまったら、今度は逆に左テンションリール2より右テンションリール3に向かって圧延を行い、左テンションリール2に巻かれていた被圧延材を全て右テンションリール3で巻き取るまで再度圧延する(これを2パス目と呼ぶ)。左テンションリール2に巻き取られていた被圧延材が無くなったら、再度右テンションリール3より左テンションリール2に向かって圧延する(これを3パス目と呼ぶ)。被圧延材15を圧延機で圧延する毎に被圧延材15は薄くなり、この圧延動作を繰り返すことにより、所定の板厚を得ることができる。所定の板厚を得るための最後の左または右テンションリールから右または左テンションリールヘの圧延を最終パスと呼ぶ。被圧延材15の板厚は、各パスを経る毎に徐々に薄くなっていく。本実施例においては、右テンションリール3より巻き出した被圧延材15を圧延機1で圧延後左テンションリールで巻き取るのを1パス目とし、以下順次5パス目まで圧延する(=5パス目を最終パスとする)場合を考える。

0021

図3を用いて、エッジドロップの定義とその制御方法の一例としてテーパー付き作業ロール11のシフト方法について説明する。圧延後の被圧延材15は板幅方向で一定の板厚とならず、特に板端部近傍で大きく板厚が減少する。この領域をエッジドロップと呼び、製品の歩留まり向上の観点からエッジドロップをできるだけ少なくするような制御が行われており、それをエッジドロップ制御と称する。エッジドロップ量は、板幅方向板端からある長さだけ内側の点(例えば、板端から10mm)としてエッジドロップ測定点を定義し、その位置における板厚と板幅方向中心部板厚(あるいは、板端から100mmの点の板厚を用いても良い)との偏差により定義する。なお、別な定義方法も有るが、本実施例ではこれに従って説明する。

0022

エッジドロップ量を制御する手段の一例として、図2の作業ロール111の拡大図を図3(b)に示すように、作業ロール111の下部に示すような端の部分にテーパーを板幅方向(ロール軸線方向)にシフトする場合を説明する。ロールの直径が小さいロール端部では被圧延材をつぶす力が小さくなるため板厚が厚くなる。これを利用して、作業ロール11を内側(板幅方向中心方向)にシフトすると、板厚分布は1点鎖線のようになりエッジドロップ量は減少する。一方、作業ロール11を外側(板幅方向板端部方向)にシフトすると、板厚分布は2点鎖線のようになりエッジドロップ量は増大する。

0023

再度図1にもどってエッジドロップ制御の概略を説明する。なお、概略説明の後、図4図7を用いて説明する。各パス毎目標エッジドロップ量設定装置31は、各パスに対応する目標エッジドロップ量En′ を設定する(nはパス数を示す。例えば、1パスではn=1であり、2パスではn=2となる。)。一方、各パス毎目標エッジドロップ量修正装置32は、過去のエッジドロップ制御の学習に基づいて、目標エッジドロップ量En′ を修正するための目標エッジドロップ修正値ΔE1′nを設定する。この値は各パスエッジドロップ量設定装置31に入力され、これに伴い、各パス毎目標エッジドロップ量設定装置31からは、指令値En′+ΔE1′nが出力される。

0024

一方、目標エッジドロップ量補正装置33は左エッジドロップ検出装置4(あるいは、右エッジドロップ検出装置5)の検出出力に基づいて目標エッジドロップ量補正値
ΔE2′nを設定する。目標エッジドロップ量補正値ΔE2′nは加算器41により加算され、目標エッジドロップ量En′+ΔE1′n+ΔE2′nとして出力される。

0025

目標エッジドロップ量En′+ΔE1′n+ΔE2′n と左エッジドロップ検出装置4(あるいは、右エッジドロップ検出装置5)で検出されるエッジドロップ量検出値Eは互いに減算器42で減算され、エッジドロップ偏差量(En′+ΔE1′n+ΔE2′n)−E が得られる。エッジドロップ制御装置30は偏差量(En′+ΔE1′n+ΔE2′n)−E に基づいて作業ロール11のシフト量δn を演算する。

0026

一方、目標エッジドロップ量補正装置33は作業ロール33のシフトを制限するシフト可否指令を出力する。シフト規制装置34は、目標エッジドロップ量補正装置33が出力するシフト可否指令に基づいて、エッジドロップ制御装置30からのシフト量δn をそのまま出力するか、あるいは、制限して、作業ロールシフト装置20に出力する。

0027

なお、作業ロールシフト装置20,エッジドロップ制御装置30,目標エッジドロップ量補正装置33,各パス毎目標エッジドロップ量設定装置31及び各パス毎目標エッジドロップ量修正装置32は、一つの計算機入力出力ソフトウェアとして動作されるように構成しても良く、グループに分けて、各グループを成す装置が一つの計算機として動作しても良い。

0028

各パス毎目標エッジドロップ量設定装置31を説明する。

0029

図3に、シングルスタンドリバース圧延機における被圧延材に製品としての目標エッジドロップ量(最終目標エッジドロップ量)を示す。板厚方向中心部板厚からの偏差量として目標エッジドロップ量En′ が一点鎖線で示される。エッジドロップ制御を行おうとした場合、図3のように最終目標エッジドロップ量とそれを達成するための各パス毎の目標エッジドロップ量En′ が必要となる。各パス毎目標エッジドロップ設定装置31によって、目標エッジドロップ量En′が設定される。

0030

各パス毎目標エッジドロップ設定装置31の詳細を説明する。図5に示すように各パス毎目標エッジドロップ設定装置31は目標エッジドロップ量データベース311及びデータベース検索装置312によりなる。目標エッジドロップ量データベース311には、過去の圧延実績より被圧延材を製品A,B,...として分類し、各製品毎に各パスにおける目標エッジドロップ量のテーブル(1パス目から5パス目までの目標エッジドロップ量En′ が格納されている)を作成し、目標エッジドロップ量データとして予め記憶しておく。圧延機のオペレータからのスイッチ入力によって製品種別が与えれれば、データベース検索装置312により目標エッジドロップ量データベース311内のデータが検索され、該当する製品種別用の各パス毎目標エッジドロップ量333(En′ )を得ることができる。

0031

例えば、製品Aに対しては、製品A用目標エッジドロップ量設定テーブル333が選ばれ、1パス目−5パス目までの目標値が選ばれる。

0032

次に、各パス毎目標エッジドロップ量補正装置32を説明する。

0033

先に述べたように、エッジドロップ制御は被圧延材の板厚が厚く軟らかい方が効果が有るので、1パス,2パスでエッジドロップする場合を考える。被圧延材が各パス毎目標エッジドロップ設定装置31と同じような各パスのエッジドロプ量となれば図3の様になって、最終目標エッジドロップ量が得られる。しかしながら、板端部が予想より軟らかい場合は、大きなエッジドロップ量となり、最終目標エッジドロップ量とならない。被圧延材の材質や作業ロールの状態が原因であるが、次に同じ製品種別の材料を圧延する場合にも同様となる可能性が有るため、このような場合は各パスの目標エッジドロップ量を修正する必要が有る。各パス毎目標エッジドロップ修正装置32で、目標エッジドロップ量
En′ を修正する値として、目標エッジドロップ量修正量ΔE1′nを得る。

0034

図5に示すように、各パス毎目標エッジドロップ修正装置32は、目標エッジドロップ修正量演算装置321及びデータベース検索装置322より成る。

0035

各パス毎目標エッジドロップ修正装置32においては、各パスのエッジドロップ量実績(過去のエッジドロップ制御の学習)から、最終目標エッジドロップ量を得るのに必要な各パス目標エッジドロップ量を目標エッジドロップ修正量演算装置321で求め、これに基づいて、各目標エッジドロップ量En′ を修正するエッジドロップ量修正量ΔE1′nを演算する。データベース検索装置322は修正すべきデータベースを検索して(例えば、製品A用目標エッジドロップ量設定テーブル333を選ぶ)、目標エッジドロップ量データベース311内の、各パス目標エッジドロップ量を修正する(目標エッジドロップ量データベースの値は、目標エッジドロップ量En′+エッジドロップ修正量ΔE1′n の値に書き替えられる)。

0036

図6に、各パス毎目標エッジドロップ量の修正の例を示す。エッジドロップ制御は1パス目,2パス目のみ実施している事から、最終目標エッジドロップ量と実績エッジドロップ量の偏差分を1パス目と2パス目の目標エッジドロップ量に加算する。3パス目,4パス目はエッジドロップ制御無なので自然減衰分を考慮して目標エッジドロップ量を修正する。1パス目と2パス目で修正後の目標エッジドロップ量となるようにエッジドロップ制御を実施することにより、5パス目では最終目標エッジドロップ量にする事が可能となる。

0037

次に、目標エッジドロップ量補正装置33を説明する。まず、エッジドロップ補正の概念を説明し、その後、具体的な構成を説明する。

0038

これまで、エッジドロップ制御は1パス目と2パス目のみとしていた。板厚が厚く軟らかい方が制御しやすいためであるが、3パス〜5パス目についても制御効果は小さくなるがロールシフトによる制御効果を得ることはできる。表面品質として問題となるのは、板端部で磨耗した作業ロール部分が被圧延材の板幅内に入ってきた場合であるから、作業ロールは常に外側にシフトすると規制して、3パス目以降に作業ロールをシフトするエッジドロップ制御を実施することで、表面品質上の問題を回避する。

0039

目標エッジドロップ量補正装置33は、3パス目以降でも作業ロールの外側シフトは可能と言う制約条件下でエッジドロップ制御するように機能する。外側へ作業ロールをシフトすることによってエッジドロップ量は大きくなることから、小さなエッジドロップ量を大きくすることは可能である。したがって、目標エッジドロップ量を小さめに設定しおけば、被圧延材のコイル毎材料特性のばらつき等でエッジドロップ量が大き目となった場合でも対応が可能となる。

0040

そこで、目標エッジドロップ補正装置33においては、図7(a)に示すように、1パス目および2パス目の目標エッジドロップ量について小さめ(板厚厚め)に設定する。

0041

すなわち、エッジドロップ補正量ΔE2′1及びΔE2′2を負の値に設定する。

0042

なお、エッジドロップ補正量ΔE2′nは被圧延材の材質に応じて演算される。

0043

被圧延材が予想に反して硬く、エッジ部板厚が厚め(エッジドロップ量小)となった場合は、図7(b)に示すように、エッジドロップ補正量ΔE2′3,ΔE2′4を大きくすることで、作業ロールを外側にシフトするエッジドロップ制御を行い、板厚を薄く(エッジドロップ量を大きく)する。エッジドロップ制御は、エッジドロップ制御装置30にて実施する。エッジドロップ制御装置30においては、左エッジドロップ検出装置4および右エッジドロップ検出装置5で測定したエッジドロップ量実績を用いて作業ロールシフト指令を出力する。右テンションリール3から左テンションリール2へ向かって圧延している場合は、圧延機で圧延された結果は左エッジドロップ検出装置4で測定できるので、左エッジドロップ検出装置4でのエッジドロップ量実績を用いてエッジドロップ制御する。エッジドロップ制御装置30からの作業ロールシフト指令は、シフト規制装置34によって規制されて作業ロールシフト装置20に出力され、作業ロールシフトが行われる。シフト規制装置34においては、エッジドロップ制御装置30よりの外側シフトのみ実施し、表面品質の悪化する内側シフトは禁止する。

0044

逆にエッジ部板厚が薄め(エッジドロップ量大)となった場合は、図7(c)のように、エッジドロップ補正量をに設定することで、エッジドロップ制御を行わず、自然減衰に任せる。この様に、目標エッジドロップ量を補正することにより、ある程度エッジドロップ量実績が予測に反して各パス毎目標エッジドロッブ量からはずれても表面品質を維持しつつ修正が可能である。

0045

以上、本実施例においては、一台の圧延機で被圧延材を右テンションリール3から左テンションリール2へ圧延し、次に左テンションリール2から右テンションリール3へ圧延するシングルリパース圧延機について説明したが、例えば左テンションリール2から右テンションリール3への圧延を繰り返すワンウェイ式の圧延機で複数回の圧延を実施する場合に於いても同様に適用可能である。

0046

また、右テンションリール3から左テンションリール2へ圧延中に左エッジドロップ検出装置4でのエッジドロップ量実績を用いて行うフィードバック制御の他、右エッジドロップ検出装置5でのエッジドロップ量実績を用いて行うフィードフォワード制御も可能である。

0047

また、エッジドロップ検出装置4,5が右側または左側にしかない場合でも本方式は適用可能である。

0048

また、本方式は、一台の圧延機だけでなく、複数台の圧延機を直列に並べたタンデム圧延機に於いても、一つの製品となる被圧延材をその圧延機で複数回圧延する場合に適用可能である。

図面の簡単な説明

0049

エッジドロップ制御装置のブロック図。
圧延機の構成図。
エッジドロップの定義とロールシフトを用いた制御の説明図。
各パス毎の実績エッジドロップ量と目標エッジドロップ量との関係図。
各パス毎目標エッジドロップ量の説明図。
各パス毎目標エッジドロップ量修正の動作図
目標エッジドロップ量補正の動作図。

符号の説明

0050

20…作業ロールシフト装置、30…エッジドロップ制御装置、31…右パス毎目標エッジドロップ量設定装置、32…各パス目標エッジドロップ量修正装置、33…目標エッジドロップ量補正装置、34…シフト規制装置。

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