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技術 半導体素子の製造方法及び製造装置

出願人 米澤雅人
発明者 米澤雅人
出願日 2004年9月3日 (16年3ヶ月経過) 出願番号 2004-256659
公開日 2006年3月16日 (14年9ヶ月経過) 公開番号 2006-073849
状態 未査定
技術分野 光起電力装置 光起電力装置
主要キーワード 堆積順 短尺側 レーザー切断装置 側取り出し電極 補助ローラー 導線部分 裏面電極間 償却費
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図面 (10)

課題

半導体素子製造工程を簡素化し、工程で消費する材料、光熱費を少量に抑える。そして製造装置の簡素化及び低価格化を目的とする。具体的には、パターニング専用の高価な装置及び工程を省くことを目的とする。

解決手段

本特許による方法は、基板上に半導体層を形成する時、基板の端を折り込むことによって基板自体をマスクとし、パターニングする方法である。パターニングは、基板搬送装置中に設置する補助ローラーだけで基板端を折り曲げ、実施することができる。本特許である製造方法及び製造装置により、メタルマスクレーザー等、パターニング専用の高価な装置及び工程は不要となる。また、装置群の簡素化により設備償却費は削減できる。そして太陽電池製造原価も大幅に下げることができる。結果、本特許である製造方法及び製造装置により、安価な太陽電池の製造が容易になる。

概要

背景

安価な太陽電池を製造するため、太陽電池製造装置の簡素化及び低価格化は急務である。製造工程を簡素化すれば、工程で消費する材料、光熱費は少量で済み、製造装置の簡素化及び低価格化は容易になる。

安価な太陽電池の一種として非単結晶シリコン薄膜太陽電池の開発が行われている。非単結晶シリコンは、アモルファスシリコン微結晶シリコン多結晶シリコンを指す。

図1(1)に一般的な薄膜太陽電池の断面図を示す。薄膜太陽電池は半導体層103の一方の面から光105を入射させ厚さ方向に電位差106を発生させる。薄膜半導体光入射側には、光を透過する透明電極104を設ける。薄膜半導体の、光入射側と反対側には裏面電極102を設ける。透明電極及び裏面電極には、それぞれ導線を接続し、外部に電流を取り出す。

しかし、透明電極、裏面電極各々に導線を接続する場合、透明電極と裏面電極を接触させないように注意すべきである。各電極は厚さ1μm程度で高抵抗薄膜半導体層103によって隔てられているだけである。特に裏面電極は透明電極及び薄膜半導体層に覆われている為直接接続できない。裏面電極へ、透明電極側から接続しようとすると、透明電極側との接触及び電流漏れを防ぐ為特殊な工夫をしなければならない。例えば、図1(2)に示すように、透明電極と半導体層のみを絶縁物112によって分断する事である。また、図1(3)に示すように、透明電極に導線113を接続する場合も、圧着すると半導体層を突き破り透明電極と裏面電極が接触してしまう。透明電極と裏面電極を接触させると、両電極間の電位差が失われる。

前記透明電極、裏面電極各々と導線を接続する場合、図1(4)に示すように、透明電極、裏面電極、半導体層を各々ずらせて形成すると便利である。前記透明電極、裏面電極、半導体層を各々ずらせて、各形状に形成する方法をパターニングと呼ぶ。パターニングを用いて形成した電極の場合、図1(5)に示すように、導線と各電極を圧着しても透明電極、裏面電極間は接触しない。そして電流漏れは発生しない。

パターニングの従来技術に、マスクによる方法がある(例えば特許文献1、特許文献2)。図2にマスクによる方法を用いた太陽電池の製造工程を示す。(1)まず透明基板211上に透明電極201を形成する。(2)透明電極201上に樹脂202を印刷し形成する。(3)透明電極201をエッチングする。透明電極201の樹脂202で覆った部分はエッチングされずに残る。(4)樹脂202を剥離する。(5)メタルマスク221と透明電極201の位置を合わせる。そして半導体層203を堆積形成する。メタルマスク221の開口部に半導体層203が堆積形成される。(6)メタルマスク222と半導体層203の位置を合わせる。そして裏面電極204を堆積形成する。メタルマスク222の開口部に裏面電極204が堆積形成される。前記(1)から(6)記載の工程でパターニングは完成する。

図2に於いて、透明電極201はフォトリソグラフィ方式と呼ばれるパターニング、半導体層203、裏面電極204はメタルマスク方式と呼ばれるパターニングで形成されている。フォトリソグラフィ方式と呼ばれるパターニングに於いては、印刷した樹脂がマスクとなり、マスクに覆われない部分の透明電極がエッチングされる。メタルマスク方式と呼ばれるパターニングに於いては、メタルマスクの開口部に半導体層、裏面電極層が堆積形成される。

マスクによるパターニングの問題点はマスク自体の製作維持管理が大変なことである。フォトグラフィー方式に於いては、マスクとなる樹脂、印刷版印刷機乾燥機、樹脂除去液等が必要である。メタルマスク方式に於いては、メタルマスク上に堆積膜堆積し、一定の膜厚に達したときに清掃しなければならない。またメタルマスクを使い捨てにする場合、メタルマスクの面積は太陽電池本体基板と同じ面積分製造することが必要である。

パターニングの従来技術は、他にレーザー切断による方法がある(例えば特許文献3、特許文献4)。図3にレーザー切断による方法を用いた太陽電池の製造工程を示す。(1)まず透明基板311上に透明電極301を堆積形成する。(2)レーザー321を走査し、透明電極301を切断する。(3)半導体層302を堆積形成する。(4)レーザー321を走査し、半導体層302を切断する。(5)裏面電極303を堆積形成する。(6)レーザー321を走査し、裏面電極303を切断する。前記図3(1)から(6)でパターニングは完成する。

レーザー切断による方法の問題点は、レーザー切断装置が高価なことである。レーザー切断装置にはレーザー光源とレーザーを走査する機構が必要である。レーザーを走査する機構にはXYステージレーザー光反射鏡を動かす機構等がある。レーザー切断装置は複雑、高価である。
特開平10−12904
特開2001−177136
特開平10−27918
特開2000−252360

概要

半導体素子製造工程を簡素化し、工程で消費する材料、光熱費を少量に抑える。そして製造装置の簡素化及び低価格化を目的とする。具体的には、パターニング専用の高価な装置及び工程を省くことを目的とする。本特許による方法は、基板上に半導体層を形成する時、基板の端を折り込むことによって基板自体をマスクとし、パターニングする方法である。パターニングは、基板搬送装置中に設置する補助ローラーだけで基板端を折り曲げ、実施することができる。本特許である製造方法及び製造装置により、メタルマスクやレーザー等、パターニング専用の高価な装置及び工程は不要となる。また、装置群の簡素化により設備償却費は削減できる。そして太陽電池製造原価も大幅に下げることができる。結果、本特許である製造方法及び製造装置により、安価な太陽電池の製造が容易になる。

目的

太陽電池製造工程を簡素化し、工程で消費する材料、光熱費を少量に抑える。そして製造装置の簡素化及び低価格化を目的とする。具体的には、パターニング専用の高価な装置及び工程を省くことを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

基板上に堆積膜原料飛来させ堆積膜を形成してゆく半導体素子の製造方法であって、基板の、一方の面の端を、前記一方の面側又は前記一方の面の裏面側に折り込み、堆積膜原料を飛来させる方向から前記一方の面の端を隠し、前記一方の面の端を除く一方の面部分に第一の堆積膜を形成する第一の行程と、一方の面の端を、折り込みから元に戻し、堆積膜原料を飛来させる方向に曝し、一方の面上で、第一の堆積膜及び前記一方の面の端にわたって第二の堆積膜を形成する第二の工程を有する半導体素子の製造方法。

請求項2

請求項1記載の基板は、帯状の可撓性基板であることを特徴とする、半導体素子の製造方法。

請求項3

請求項2記載の、半導体素子の製造方法に於いて、ロール状に巻かれた帯状基板を、そのロールから引き出し、引き出した前記帯状基板をロール状に巻き取るロールツーロール方式基板搬送機構を用いることを特徴とする、半導体素子の製造方法。

請求項4

基板上に堆積膜原料を飛来させ堆積膜を形成してゆく半導体素子の製造装置であって、基板の、一方の面の端を、前記一方の面側又は前記一方の面の裏面側に折り込み、堆積膜原料を飛来させる方向から前記一方の面の端を隠し、前記一方の面の端を除く一方の面部分に第一の堆積膜を形成する第一の行程と、一方の面の端を、折り込みから元に戻し、堆積膜原料を飛来させる方向に曝し、一方の面上で、第一の堆積膜及び前記一方の面の端にわたって第二の堆積膜を形成する第二の工程を実施する機構を有する半導体素子の製造装置。

請求項5

請求項4記載の基板は、帯状の可撓性基板であることを特徴とする、半導体素子の製造装置。

請求項6

請求項5記載の、半導体素子の製造装置に於いて、ロール状に巻かれた帯状基板を、そのロールから引き出し、引き出した前記帯状基板をロール状に巻き取るロールツーロール方式の基板搬送機構を備えていることを特徴とする、半導体素子の製造装置。

技術分野

0001

半導体薄膜堆積形成で、マスク法によるパターニングに関する技術分野である。基板の搬送はロールツーロール法を使用する。可撓性基板は、PET、PEN、セルロース等の樹脂基板、SUS等の金属薄板、紙を含む。半導体薄膜で作製する半導体素子は、光電変換素子太陽電池ダイオードを含む。半導体薄膜堆積形成方法には、プラズマCVDスパッタリング蒸着、塗布、スプレー法を含む。

背景技術

0002

安価な太陽電池を製造するため、太陽電池製造装置の簡素化及び低価格化は急務である。製造工程を簡素化すれば、工程で消費する材料、光熱費は少量で済み、製造装置の簡素化及び低価格化は容易になる。

0003

安価な太陽電池の一種として非単結晶シリコン薄膜太陽電池の開発が行われている。非単結晶シリコンは、アモルファスシリコン微結晶シリコン多結晶シリコンを指す。

0004

図1(1)に一般的な薄膜太陽電池の断面図を示す。薄膜太陽電池は半導体層103の一方の面から光105を入射させ厚さ方向に電位差106を発生させる。薄膜半導体光入射側には、光を透過する透明電極104を設ける。薄膜半導体の、光入射側と反対側には裏面電極102を設ける。透明電極及び裏面電極には、それぞれ導線を接続し、外部に電流を取り出す。

0005

しかし、透明電極、裏面電極各々に導線を接続する場合、透明電極と裏面電極を接触させないように注意すべきである。各電極は厚さ1μm程度で高抵抗薄膜半導体層103によって隔てられているだけである。特に裏面電極は透明電極及び薄膜半導体層に覆われている為直接接続できない。裏面電極へ、透明電極側から接続しようとすると、透明電極側との接触及び電流漏れを防ぐ為特殊な工夫をしなければならない。例えば、図1(2)に示すように、透明電極と半導体層のみを絶縁物112によって分断する事である。また、図1(3)に示すように、透明電極に導線113を接続する場合も、圧着すると半導体層を突き破り透明電極と裏面電極が接触してしまう。透明電極と裏面電極を接触させると、両電極間の電位差が失われる。

0006

前記透明電極、裏面電極各々と導線を接続する場合、図1(4)に示すように、透明電極、裏面電極、半導体層を各々ずらせて形成すると便利である。前記透明電極、裏面電極、半導体層を各々ずらせて、各形状に形成する方法をパターニングと呼ぶ。パターニングを用いて形成した電極の場合、図1(5)に示すように、導線と各電極を圧着しても透明電極、裏面電極間は接触しない。そして電流漏れは発生しない。

0007

パターニングの従来技術に、マスクによる方法がある(例えば特許文献1、特許文献2)。図2にマスクによる方法を用いた太陽電池の製造工程を示す。(1)まず透明基板211上に透明電極201を形成する。(2)透明電極201上に樹脂202を印刷し形成する。(3)透明電極201をエッチングする。透明電極201の樹脂202で覆った部分はエッチングされずに残る。(4)樹脂202を剥離する。(5)メタルマスク221と透明電極201の位置を合わせる。そして半導体層203を堆積形成する。メタルマスク221の開口部に半導体層203が堆積形成される。(6)メタルマスク222と半導体層203の位置を合わせる。そして裏面電極204を堆積形成する。メタルマスク222の開口部に裏面電極204が堆積形成される。前記(1)から(6)記載の工程でパターニングは完成する。

0008

図2に於いて、透明電極201はフォトリソグラフィ方式と呼ばれるパターニング、半導体層203、裏面電極204はメタルマスク方式と呼ばれるパターニングで形成されている。フォトリソグラフィ方式と呼ばれるパターニングに於いては、印刷した樹脂がマスクとなり、マスクに覆われない部分の透明電極がエッチングされる。メタルマスク方式と呼ばれるパターニングに於いては、メタルマスクの開口部に半導体層、裏面電極層が堆積形成される。

0009

マスクによるパターニングの問題点はマスク自体の製作維持管理が大変なことである。フォトグラフィー方式に於いては、マスクとなる樹脂、印刷版印刷機乾燥機、樹脂除去液等が必要である。メタルマスク方式に於いては、メタルマスク上に堆積膜堆積し、一定の膜厚に達したときに清掃しなければならない。またメタルマスクを使い捨てにする場合、メタルマスクの面積は太陽電池本体基板と同じ面積分製造することが必要である。

0010

パターニングの従来技術は、他にレーザー切断による方法がある(例えば特許文献3、特許文献4)。図3にレーザー切断による方法を用いた太陽電池の製造工程を示す。(1)まず透明基板311上に透明電極301を堆積形成する。(2)レーザー321を走査し、透明電極301を切断する。(3)半導体層302を堆積形成する。(4)レーザー321を走査し、半導体層302を切断する。(5)裏面電極303を堆積形成する。(6)レーザー321を走査し、裏面電極303を切断する。前記図3(1)から(6)でパターニングは完成する。

0011

レーザー切断による方法の問題点は、レーザー切断装置が高価なことである。レーザー切断装置にはレーザー光源とレーザーを走査する機構が必要である。レーザーを走査する機構にはXYステージレーザー光反射鏡を動かす機構等がある。レーザー切断装置は複雑、高価である。
特開平10−12904
特開2001−177136
特開平10−27918
特開2000−252360

発明が解決しようとする課題

0012

太陽電池製造工程を簡素化し、工程で消費する材料、光熱費を少量に抑える。そして製造装置の簡素化及び低価格化を目的とする。具体的には、パターニング専用の高価な装置及び工程を省くことを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本特許による方法は、基板上に半導体層を形成する時、基板の端を折り込むことによって基板自体をマスクとし、パターニングする方法である。基板は、搬送途中にある補助ローラーだけで基板端を折り曲げることができる。パターニング専用の高価な装置及び工程は不要である。

0014

まず、基板端を基板裏面側に折り込む方法のパターニングを図4に示す。図4は基板の断面図を表している。基板401に於いて、堆積膜を飛来させる方向に曝した面を表面411、反対側の面を裏面412とする。図4(1)は基板401の基準状態とする。図4(1)に於いて、第一の工程として、基板端aをAの位置で裏面側に折り曲げる。すると図4(2)の状態になる。そして第一の堆積膜402を堆積形成し、図4(3)の状態になる。第二の工程では、まず基板端aを基準状態に戻す。すると図4(4)の状態になる。そして第二の堆積膜403を堆積形成する。結果、図4(5)の状態になる。図4に示す方法により基板401上bA間に第一の堆積膜402、ba間に第二の堆積膜403を堆積形成することができる。

0015

次に基板端を基板表面側に折り込む方法のパターニングを図5に示す。図5(1)は基板501の基準状態とする。まず基板501を、図5(1)の状態から、Aの位置で基板端aを表面側に折り曲げ、図5(2)の状態にする。基板端aは基板上a’の位置に重なる。そして第一の堆積膜502を堆積形成し、図5(3)の状態にする。次に基板端aを基板の基準状態まで戻し、図5(4)の状態にする。そして第二の堆積膜503を堆積形成し、図5(5)にする。図5に示す方法によりba’間に第一の堆積膜502、ba間に第二の堆積膜503を堆積形成することができる。

0016

図4図5に示した、基板端を折り込む方法のパターニングを用いることによって、マスクを用いる方法や、レーザーを用いる方法に見られるようなマスクの製作、高価な装置等は不要になる。

0017

本特許による方法のパターニングは、太陽電池と導線の接続部分に於いて、太陽電池出力電流の漏れが発生しないことを図6に示す。前記導線は各電極と接続し、太陽電池出力を外部に取り出すためのものである。太陽電池と導線の、一般的な接続状態図6(1)に示す。裏面電極用導線611は裏面電極602に、透明電極用導線612は透明電極604に、それぞれ直接接続している。次に、前記各導線を基板601側に圧着した状態を図6(2)に示す。裏面電極用導線611は、裏面電極602に圧着しても、電極より下部は基板601が存在するだけである。基板601に絶縁物を使用した場合、電気的接続に影響を与えない。また、透明電極604と裏面電極用導線611は離れており接触しない。よって透明電極604と裏面電極602は短絡せず、漏れ電流は発生しない。透明電極用導線612は、圧着すると透明電極604を突き破り半導体層603、更に基板601にまで到達する可能性がある。しかし到達した場合でも、裏面電極602との間は高抵抗の半導体層603でと隔てられている。半導体層の厚さ621に比べて、裏面電極602と透明電極用導線612の距離622は十分長く取ることができ、漏れ電流は発生しない。

発明の効果

0018

本特許による方法は、基板上に半導体層を形成する時、基板の端を折り込むことによって基板自体をマスクとし、パターニングする方法である。本特許である製造方法及び製造装置により、メタルマスクやレーザー等、パターニング専用の高価な装置及び工程は不要となる。本特許である製造方法及び製造装置により、パターニングは、太陽電池基板搬送装置中に設置する補助ローラーだけで基板端を折り曲げ、実施することができる。また、装置群の簡素化により設備償却費は削減できる。そして太陽電池製造原価も大幅に下げることができる。結果、本特許である製造方法及び製造装置により、安価な太陽電池の製造が容易になる。

発明を実施するための最良の形態

0019

図4に示した、基板端を裏面側へ折り込む方法のパターニングを用いることによって作製する薄膜太陽電池の形態が、実用的である。

0020

本特許による方法で、帯状基板を用いて薄膜太陽電池を作製する方法を図7に示す。前記帯状基板は可撓性基板を使用する。図7は帯状基板の短尺側断面図を表している。

0021

図7(1)に示す基板701の状態を基板の基準状態とする。基板701の紙面上方を基板表面711、下方を裏面712とする。まず、Aの位置で基板右端aを裏面712側へ折り込み図7(2)の状態とする。そして裏面金属電極702を堆積形成し、図7(3)の状態とする。 次に基板左端bを、Bの位置で裏面712側へ折り込み、図7(4)の状態とする。そしてn型半導体層703を堆積形成し、図7(5)の状態とする。今度は基板右端aのみを基準状態の位置まで戻し、図7(6)の状態とする。その後i、p型半導体層704及び透明電極705を堆積形成し、図7(7)の状態とする。最後に基板左端bを基準状態の位置まで戻し、図7(8)の状態とする。図7に示したように、基板端を折り込み、太陽電池基板自体をマスクとする方法によるパターニングを用いることによって太陽電池が完成する。

0022

尚、本実施例では基板と反対面から光を入射する薄膜太陽電池構造を示したが、基板701に透明基板を使用した場合、基板側から光を入射する薄膜太陽電池構造にしても良い。この場合、裏面金属電極702の代わりに透明電極を形成する。

0023

また、本実施例ではn型半導体層703とi、p型半導体層704の堆積順で太陽電池の作製方法を示したが、n型とp型の導電型を入れ換え、p型半導体層を703の位置に、i、n型半導体層を704の位置に堆積形成しても太陽電池は作製できる。

0024

本特許による方法のパターニングで作成した太陽電池は、直列接続が容易にできる。前記太陽電池を直列接続して作製した太陽電池群図8に示す。

0025

非単結晶シリコン薄膜太陽電池は半導体層のpin接合一段当たり、太陽光下開放電圧が0.5V〜0.9V程度である。最適な電流を出力する場合、電圧は更に低くなる。この為バッテリーとの接続等実用上は太陽電池を直列接続し、太陽電池群として高い出力電圧で使用する場合が多い。

0026

図8は、可撓性基板上に作成した太陽電池を直列接続した太陽電池群を示す。直列接続の終端に当たる太陽電池841の裏面電極側に裏面電極側取り出し用導線831を、他方の終端に当たる太陽電池843の透明電極側に透明電極側取り出し用導線832を、それぞれ接続する。太陽電池841と太陽電池842の接続部分は、留め具821によって接続する。また、太陽電池842と太陽電池843の接続部分は、ボルト822によって接続する。
留め具821やボルト822は例として挙げたものであるから全接続箇所に留め具を用いても、また全接続箇所にボルトを用いても良い。電極については、前記留め具821によって接続した部分で、太陽電池841の透明電極804aと太陽電池842の裏面電極802bを接続する。同様に、前記ボルト822によって接続した部分で、太陽電池842の透明電極804bと太陽電池843の裏面電極802cを接続する。

0027

図8に示す太陽電池群の漏れ電流を説明する。留め具821を強力に留めても、太陽電池841における透明電極804aと裏面電極802a、太陽電池842における透明電極804bと裏面電極802bはそれぞれ接触することはない。つまり各太陽電池で発生した電位差は失われず、漏れ電流は発生しない。また、太陽電池842と太陽電池843の接続部分は、ボルト822によって接続している。前記接続部分では各太陽電池の電極層、半導体層と基板に穴を開けて接続しているが、太陽電池842における透明電極804bと裏面電極802b、太陽電池843における透明電極804cと裏面電極802cはそれぞれ接触することはない。つまり各太陽電池で発生した電位差は失われず、漏れ電流は発生しない。更に、各取り出し用導線部分には外部から応力がかかる場合が多い。しかし本特許による方法のパターニングで作成した太陽電池構造では、各太陽電池における透明電極と裏面電極の接触が起こることはなく、出力特性は良好である。

0028

図8には示していないが、太陽電池群の耐候性を高めるために、透明電極側にガラス板を、基板側に防湿板を設置し、前記二枚の板で太陽電池を封止すると良い。

0029

本特許による方法のパターニングを用いた太陽電池製造装置を図9に示す。前記装置は、長尺の可撓性基板上に非単結晶シリコン薄膜太陽電池を形成する装置である。前記装置の基板搬送機構は、ロール状に巻かれた帯状基板を、そのロールから引き出し、引き出した前記帯状基板をロール状に巻き取るロールツーロール方式である。図9は帯状基板表面側から見たものである。図9では帯状基板巻き出し装置及び帯状基板巻き取り装置は省略している。帯状基板は帯状基板搬入側端921から帯状基板搬出側端922に向かって搬送する。

0030

帯状基板搬入側端921から帯状基板を搬送する。931aの位置での基板断面形状は931bの様になる。まず、断面形状変更ローラー912及び補助ローラー911、913を使用し、基板右端を基板裏面側へ折り込む。932aの位置での基板断面形状は932bの様になる。そして裏面電極形成用スパッタ装置901により、裏面電極アルミニウム薄膜を形成する。ここで、断面形状変更用ローラー914を使用し、基板左端を基板裏面側へ折り込む。933aの位置での基板断面形状は933bの様になる。次に、前記裏面電極アルミニウム薄膜上に、非単結晶シリコン薄膜形成用CVD装置902により、n型非単結晶シリコン薄膜を形成する。ここで、断面形状変更用ローラー915を使用し、基板右端の折り込みを元の位置へ戻す。934aの位置での基板断面形状は934bの様になる。そして非単結晶シリコン薄膜形成用CVD装置903により、i型非単結晶シリコン薄膜を形成する。同様に、非単結晶シリコン薄膜形成用CVD装置904により、p型非単結晶シリコン薄膜を形成する。更に透明電極形成用スパッタ装置905により、透明電極酸化スズ薄膜を形成する。最後に、断面形状変更用ローラー916を使用し、基板左端の折り込みを元の位置へ戻す。935aの位置での基板断面形状は935bの様になり、帯状基板搬出側端922から帯状基板を搬出、太陽電池は完成する。

0031

本実施例に於ける太陽電池製造装置で分かるように、ロールツーロール方式の装置を使用し、基板搬送機構の一部である補助ローラー形状を工夫するだけで薄膜のパターニングを行うことができる。更に、長尺の可撓性基板上に太陽電池を作製することができる。つまり、本特許による方法のパターニングを用いた太陽電池製造装置に於いては、パターニング専用の高価な装置及び工程は不要である。

0032

安価な太陽電池製造装置を提供できることにより太陽電池の設備投資において経済効果が大きい。

図面の簡単な説明

0033

一般的な薄膜太陽電池の断面図
パターニングの従来技術、マスクによる方法
パターニングの従来技術、レーザー切断による方法
基板端を基板裏面側に折り込む方法のパターニング
基板端を基板表面側に折り込む方法のパターニング
太陽電池と導線の接続部分に於ける太陽電池出力電流の漏れ
本特許による方法を用いて基板上に薄膜太陽電池を形成する方法
太陽電池を直列接続して作製した太陽電池群
本特許による太陽電池製造装置

符号の説明

0034

101:基板102:裏面電極103:半導体層104:透明電極105:光入射方向106:裏面電極と透明電極の間の電位差
111:裏面電極側取り出し電極112:絶縁物113:透明電極側取り出し電極
201:透明電極 202:樹脂203:半導体層 204:裏面電極
211:透明基板
221:メタルマスク222:メタルマスク
301:透明電極 302:半導体層 303:裏面電極 311:透明基板
321:レーザー
401:基板 402:第一の堆積膜403:第二の堆積膜
411:基板表面 412:基板裏面
501:基板 502:第一の堆積膜 503:第二の堆積膜
601:基板 602:裏面電極 603:半導体層 604:透明電極
611:裏面電極側取り出し電極 612:透明電極側取り出し電極
621:半導体層の厚さ 622:裏面電極と透明電極用導線の距離
701:基板 702:裏面電極 703:n型半導体層 704:i、p型半導体層 705:透明電極
711:基板表面 712:基板裏面
801a:基板 802a-c:裏面電極 803a:半導体層 804a-c:透明電極
821:留め具822:ボルト
831:裏面電極側取り出し用導線 832:透明電極側取り出し用導線
841:太陽電池一単位(1) 842:太陽電池一単位(2) 843:太陽電池一単位(3)
901:裏面電極形成用スパッタ装置902:非単結晶シリコン薄膜形成用CVD装置、n層用 903:非単結晶シリコン薄膜形成用CVD装置、i層用 904:非単結晶シリコン薄膜形成用CVD装置、p層用905:透明電極形成用スパッタ装置
911:補助ローラー912:断面形状変更用ローラー913:補助ローラー 914:断面形状変更用ローラー 915:断面形状変更用ローラー 916:断面形状変更用ローラー 917:補助ローラー
921:帯状基板搬入側端922:帯状基板搬出側端
931a,932a,933a,934a,935a:基板上の位置
931b,932b,933b,934b,935b:基板断面形状

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