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技術 車両用表示装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 辛島輝彦吉田一郎
出願日 2004年8月9日 (16年4ヶ月経過) 出願番号 2004-231833
公開日 2006年2月16日 (14年10ヶ月経過) 公開番号 2006-044596
状態 未査定
技術分野 車両外部の荷台、物品保持装置 光学的視認装置 閉回路テレビジョンシステム
主要キーワード 切り取り加工 ディスプレイ形状 切り取り操作 Y座標 エンターテイメント情報 シート姿勢 切り取り範囲 測定基準点
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年2月16日)のものです。
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図面 (9)

課題

映し出されている画像が、どの方向のものであるのかを運転者が瞬時かつ直感的に把握し易いように構成された、死角削減効果の高い車両用表示装置を提供する。

解決手段

本発明の車両用表示装置100は、車両41の周辺撮像する車外カメラ11と、運転席着席した運転者の視点の空間的な位置を認識する視点認識器21と、運転者の視界を遮るサイドピラードア等の遮蔽物が透明であるとした場合に運転者の目に映るべき車外景色を、車外カメラ11によって得られた周辺画像データを視点認識器21の認識結果に応じて加工することにより生成する画像データ処理装置23と、画像データ処理装置23が生成する画像を表示するディスプレイ31〜38を備える。ディスプレイ31〜38は、ピラー等の遮蔽物に取り付けられている。

概要

背景

従来から、運転者死角カメラ撮像し、ディスプレイホログラムに表示する試みがなされている(下記特許文献1〜4)。
特開平6−227318号公報
特開平7−17328号公報
特開平7−223487号公報
特開2000−71877号公報

概要

映し出されている画像が、どの方向のものであるのかを運転者が瞬時かつ直感的に把握し易いように構成された、死角削減効果の高い車両用表示装置を提供する。 本発明の車両用表示装置100は、車両41の周辺を撮像する車外カメラ11と、運転席着席した運転者の視点の空間的な位置を認識する視点認識器21と、運転者の視界を遮るサイドピラードア等の遮蔽物が透明であるとした場合に運転者の目に映るべき車外景色を、車外カメラ11によって得られた周辺画像データを視点認識器21の認識結果に応じて加工することにより生成する画像データ処理装置23と、画像データ処理装置23が生成する画像を表示するディスプレイ31〜38を備える。ディスプレイ31〜38は、ピラー等の遮蔽物に取り付けられている。

目的

本発明の課題は、ディスプレイ等に映し出されている画像が、どの方向のものであるのかを運転者が瞬時かつ直感的に把握し易いように構成された、死角削減効果の高い車両用表示装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
6件

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請求項1

車両の周辺撮像する撮像手段と、運転席着席した運転者視点の空間的な位置を認識する視点認識手段と、前記運転者の視界を遮るピラードア等の遮蔽物が透明であるとした場合に前記運転者の目に映るべき車外景色の画像を、前記撮像手段によって得られた周辺画像データを前記視点認識手段の認識結果に応じて加工することにより生成する画像生成手段と、前記画像生成手段が生成する画像を前記遮蔽物の位置に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする車両用表示装置

請求項2

前記視点認識手段は、前記運転者を正面から撮像するために車室内に設けられた車内カメラと、その車内カメラが取得する画像データから前記運転者の視点の3次元座標における位置を算出する視点認識器と、を含むものである請求項1記載の車両用表示装置。

請求項3

前記視点認識手段は、前記車内カメラを作動して前記運転者を撮像する際に、前記視点認識器から前記運転者に視点を安定させるための指示を取得し、音声等の識別情報によって前記運転者に視点を安定させるための案内を行なう対話制御器を備えた請求項2記載の車両用表示装置。

請求項4

前記遮蔽物は複数あり、前記表示手段はそれら遮蔽物に個別に取り付けられたディスプレイであり、前記視点認識手段は、前記運転者が一つ一つの前記ディスプレイに視線を移すときの動作または移した後の姿勢視線移動時の画像データとして収集する処理を行なうように構成され、その画像データを記憶する記憶部が設けられる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用表示装置。

請求項5

前記表示手段は、前記遮蔽物に取り付けられたディスプレイとされ、前記画像生成手段は、前記ディスプレイの設置位置を3次元座標上で特定する設置位置データと、前記ディスプレイの形状を特定する形状データとを予め記憶しておく記憶部を有し、前記視点認識手段によって求められた前記運転者の視点位置と、前記記憶部から読み出される前記設置位置データと、同じく前記形状データとから、前記運転者から見たときに前記遮蔽物によって遮られる像のみを抽出する形で、前記撮像手段によって得られた前記周辺画像データの切り取り加工を行なうように構成される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用表示装置。

請求項6

前記撮像手段は、魚眼レンズを備えたデジタル方式車外カメラとされ、前記画像生成手段は、前記車外カメラから得られる画像を座標変換によって変形する処理を行なうとともに、前記遮蔽物によって視界が遮られる範囲を算出し、その遮られる範囲のピクセルデータを前記車外カメラから得られる画像から抽出して前記ディスプレイ用のグラフィックメモリにセットする処理を行なう請求項5記載の車両用表示装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の周囲を撮像して車室内ディスプレイに表示することにより、運転者死角を削減することができる車両用表示装置に関する。

背景技術

0002

従来から、運転者の死角をカメラで撮像し、ディスプレイやホログラムに表示する試みがなされている(下記特許文献1〜4)。
特開平6−227318号公報
特開平7−17328号公報
特開平7−223487号公報
特開2000−71877号公報

発明が解決しようとする課題

0003

従来の表示装置では、たとえば車両後方の画像がダッシュボードに配置されたディスプレイに映し出されたりする。つまり、ディスプレイの配置と運転者の死角の方向とが一致しないため、運転者にしてみれば表示された画像がどこを映し出しているものなのか、瞬時に把握しづらい。

0004

本発明の課題は、ディスプレイ等に映し出されている画像が、どの方向のものであるのかを運転者が瞬時かつ直感的に把握し易いように構成された、死角削減効果の高い車両用表示装置を提供することにある。

課題を解決するための手段および発明の効果

0005

上記課題を解決するために本発明の車両用表示装置は、車両の周辺を撮像する撮像手段と、運転席着席した運転者の視点の空間的な位置を認識する視点認識手段と、運転者の視界を遮るサイドピラードア等の遮蔽物が透明であるとした場合に運転者の目に映るべき車外景色の画像を、撮像手段によって得られた周辺画像データを視点認識手段の認識結果に応じて加工することにより生成する画像生成手段と、画像生成手段が生成する画像を遮蔽物の位置に表示する表示手段と、を備えたことを主要な特徴とする。

0006

上記本発明の車両用表示装置は、サイドピラーやドアといった死角を生む遮蔽物にディスプレイ等の表示手段を設置し、それらの遮蔽物があたかも透明であるかのごとく、車外の景色を表示させるものである。遮蔽物にディスプレイを取り付ける他にも、ホログラムで表示する方法も考え得る。こうした車両用表示装置の技術的なハードルの一つに、実際にフロントガラスウインドウガラスを通じて映る景色と、遮蔽物の位置に映しだされる画像とを一致させることが挙げられる。上記本発明では、運転者の視点位置を予め求めておき、撮像手段で得た画像を、その視点位置に応じて加工する方式を採用している。このような構成によれば、現実の運転者の視点が基準となるため、実際にフロントガラスやウインドウガラスを通じて映る景色と、遮蔽物の位置に映しだされる画像とのズレを、どのような体格の運転者に対しても柔軟に解消できる。これにより、違和感を生じさせること無く全ての運転者の死角を効果的に減じることができ、いち早い危険察知や安全運転に寄与し得る車両用表示装置を実現することが可能となる。

0007

具体的に、上記した視点認識手段は、運転者を正面から撮像するために車室内に設けられた車内カメラと、その車内カメラが取得する画像データから運転者の視点の3次元座標における位置を算出する視点認識器とを含むものとして構成することができる。このように、運転者の視点を3次元座標上で特定すれば、ピラー等の遮蔽物によって遮られる範囲を求める処理も容易である。

0008

また、視点認識手段は、車内カメラを作動して運転者を撮像する際に、視点認識器から運転者に視点を安定させるための指示を取得し、音声等の識別情報によって運転者に視点を安定させるための案内を行なう対話制御器を備えるものとして構成することができる。車内カメラで運転者を撮像するタイミングで、運転者が運転時の姿勢を保ってくれるとは限らない。この場合、運転者の視点を認識する処理がスムーズに行なくなる恐れがある。したがって、対話制御器を用いた音声案内等により、視点認識のための処理に協力を促すようにするとよい。

0009

また、遮蔽物としては、左右のサイドピラー、運転席や助手席のドア、ダッシュボードなど、複数あることが考え得る。こうした場合、遮蔽物を擬似的に透明化する表示手段として薄型ディスプレイを採用し、それら遮蔽物に個別に取り付けることができる。そして、視点認識手段は、運転者が一つ一つのディスプレイに視線を移すときの動作または移した後の姿勢を視線移動時の画像データとして収集する処理を行なうように構成することができ、その画像データを記憶する記憶部がさらに設けられる。すなわち、運転中の運転者の動作を常時撮像するようにし、予め記憶してある視線移動時の動作を運転者が行なったか否かの判断を行なうようにすれば、全てのディスプレイに常時車外画像を表示させるのではなく、運転者の視界に入っているディスプレイのみに選択的に車外画像を表示させるといった処理が可能になる。

0010

他の一つの好適な態様において、表示手段は遮蔽物に取り付けられたディスプレイとされ、画像生成手段は、ディスプレイの設置位置を3次元座標上で特定する設置位置データと、ディスプレイの形状を特定する形状データとを予め記憶しておく記憶部を有し、視点認識手段によって求められた運転者の視点位置と、記憶部から読み出される設置位置データと、同じく形状データとから、運転者から見たときに遮蔽物によって遮られる像のみを抽出する形で、撮像手段によって得られた周辺画像データの切り取り加工を行なうように構成することができる。このような構成によれば、フロントガラスやウインドウガラスを通じて映る景色と、遮蔽物の位置に映しだされる画像とのズレを、スムーズに解消できる。

0011

また、撮像手段には、魚眼レンズを備えたデジタル方式車外カメラが好適である。たとえば、魚眼レンズを2台使用すれば、車両の全周囲を撮像できるようになる。また、画像生成手段は、車外カメラから得られる画像を座標変換によって変形する処理を行なうとともに、遮蔽物によって視界が遮られる範囲を算出し、その遮られる範囲のピクセルデータを車外カメラから得られる画像から抽出してディスプレイ用のグラフィックメモリにセットする処理を行なうように構成することができる。魚眼レンズを用いれば、少ない台数のカメラで車両の全周囲を撮像できる。デジタル方式の画像データから、必要な部分のピクセルデータのみを抽出する処理は比較的高速に行なえるので、ディスプレイに映し出される画像に遅れが生じる恐れも皆無に等しい。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明にかかる車両用表示装置の構成を示すブロック図である。図2は、その車両用表示装置の設置例を示す車両模式図である。図1に示すごとく、車両用表示装置100は、車両の周辺を撮像する車外カメラ11と、運転席に着席した運転者の視点の空間的な位置を認識する視点認識器21と、車外カメラ11によって得られた画像を加工する画像データ処理装置22と、画像データ処理装置22で加工された画像を表示するディスプレイ31〜38とを備える。運転者の視界を遮るピラーやドアに取り付けられたディスプレイ31〜38には、それらピラーやドアがあたかも透明であるように画像が表示される。これにより、運転者の死角を減じることができる。

0013

図2に示すごとく、車外カメラ11は、車両41の前端部に設置してある。車外カメラ11は、魚眼レンズを取り付けたCCDカメラである。CMOS−ICを使用したデジタルカメラなど、他種類のデジタル方式のカメラも採用可能である。魚眼レンズを用いることにより、進行方向の立体角2πの範囲を撮像できるようになる。魚眼レンズには、たとえば等距離射影方式(fθ)、平射影方式(2f・tan(θ/2))、等立体角射影方式(2f・sin(θ/2))、正射影方式(f・sinθ)などいずれを使用してもよい。実績コスト面からすれば等距離射影方式がよい。また、等距離投影方式などは画面周辺における情報量がつぶれてしまうのに対し、平射影方式だと周辺部における情報量が欠落しないため、鮮明な画像を得るのに適している。なお、こうした車外カメラ11を複数台設けることも可能である。たとえば、前端部と後端部との対角位置に1対の車外カメラ11を設けることにより、車両の前方のみならず後方も鮮明に撮像できるようになる。

0014

車外カメラ11によって撮像された画像は、車外カメラ制御器15に送られる。車外カメラ制御器15は、車両用表示装置100を構成するものである。また、車外カメラ11は車外の環境(温度、湿度等)を検出するセンサを備えており、鮮明な画像が得られるように自身の光学系、CCDの温度、カバーくもり除去等を行なう機能を有する。車外カメラ制御器15は車外カメラ11から画像を受け取りデジタルデータに変換して画像データ処理装置23に送る。あるいは、車外カメラ制御器15のメモリ(図示省略)にデジタル変換した画像データを記憶し、画像データ処理装置23が処理のために画像データを取りにくるようにしてもよい。この場合、車外カメラ制御器15は定期的にデジタルデータを書きかえるため、外部からデジタルデータが取られない場合、過去のデータは捨てられる(消去される)ことになる。

0015

一方、車内にはダッシュボード、左右のサイドピラー、左右のドア、後部シートの各々にディスプレイ31〜38が設置されている。ディスプレイ31〜38には、フレキシブル基板を用いた有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイを好適に採用することができる。これらのディスプレイ31〜38は、各々が別々の画像を表示することができる。車外カメラ11によって得られた画像は、これらディスプレイ31〜38に映し出される。たとえば、右ピラーディスプレイ32には、その運転席側のサイドピラーによって遮られた景色が映し出されるようになっている。なお、後部座席背もたれ越しに車両後方が完全に視認できないような場合、天井からスクリーン状のディスプレイを吊るすようにして、そのディスプレイに表示を行なうようにしてもよい。

0016

また、車内には運転者を撮像できる位置、たとえばルームミラーに隣接する位置に車内カメラ13が設置してある。その車内カメラ13によって得られる画像を鮮明化したり、外部からの命令を受けて車内カメラ17に車内を撮像させたりする車内カメラ制御器17が、車両用表示装置100の一部として設けられる。車内カメラ制御器17は、車内の照度を検出する照度センサ、車内の温度を検出する温度センサ等のセンサ19の検出データが入力され、車内の画像が鮮明に撮像できる車内環境を作るための制御もあわせて行なう。

0017

また、運転席のシート43には、運転者の着席の有無を検出する着座センサ25が備え付けられている。こうした着座センサ25は、公知の荷重センサリミットスイッチで構成されるものである。運転席43に運転者が着席すると、運転席43に設置してある着座センサ25によって運転者の着席が検出される。その検出結果が視点認識器21に送られ、これを契機に運転者の視点位置が計測される。運転者の視点位置は、適切な位置に原点が定められた3次元座標上で特定される。この3次元座標は、図2に示すごとく、車幅方向をX軸、車長方向をY軸、車高方向をZ軸として定義されている。車内カメラ13、車内カメラ制御器17および視点認識器21は、この3次元座標において運転者の視点の位置を測定する。

0018

運転者の視点位置を測定する方法を詳しく説明する。図3に示すのは、視点認識器21が行なう制御のフローチャートである。視点認識器21は、運転席に運転者が着席しているか否かを着座センサ25の出力を検出することによりチェックする(S1)。運転者が運転席に着席している場合、車内カメラ13を作動させる命令を車内カメラ制御器17に出力する(S11)。この命令出力を機に、視点認識器21および車内カメラ制御器17は、運転者を撮像するモードに移る(S12)。

0019

運転者撮像モードに移ると、運転者の動作が安定しているかどうかをチェックする(S13)。たとえば、着座センサ25を荷重センサで構成し、運転者がシート34に及ぼす圧力変動を見るようにすれば、運転者が静止しているか否かをある程度正確に判断することができる。また、シートベルト着用を以って運転者が静止したと判断するようにしてもよい。このように、運転者の動作が安定したかどうかの判断は、予め基準を設定しておくことで行なえる。

0020

運転者の動作が設定時間以上安定しないとき、視点認識器21は、対話制御器27(エージェント)に、運転者に動作を安定させるための指示出力依頼する(S17)。この依頼に応じて対話制御器27は、運転者へ音声案内等による問いかけを行ない、しばらくの間静止するように促す。たとえば、「視点位置を測定するのでしばらく静止してください」といった音声案内を行なうことにより、運転者の視点位置を高精度に測定できるようになる。

0021

また、運転者に対し、見たいディスプレイ(視界を遮られたくない位置にあるディスプレイ)が、ダッシュボードディスプレイ31、左右のピラーディスプレイ32,33、前部ドアディスプレイ34,36、後部ドアディスプレイ35,37、後部座席ディスプレイ38のいずれであるのか選択する入力を対話制御器27からの音声案内によって促すようにしてもよい。運転者から入力を受け付けることによって画像データ処理装置23は、有効化する(運転者の死角の画像を表示する)ディスプレイと、無効化する(画像を表示しない)ディスプレイとを区別して認識し、有効化されたディスプレイにのみ車外カメラ11で得られた画像を加工して表示させる。

0022

このようにして、運転者の動作が安定すると車内カメラ13によって運転者が正面から撮像され、図4(a)(b)に示すような運転者画像が得られる。求めるべき運転者の視点位置Eは、たとえば両目の中心とする。この視点位置Eの座標は、次のようにして特定することができる。まず、図4で示した運転者画像の解析を行なう。運転者画像の解析では、運転者の複数の特徴点(両目、関節など)を得る。一方、視点認識器21には、図4に示す運転席のシート43の形状データを表すものとして複数の測定基準点が記憶されている。そして、それら測定基準点と運転者画像の解析で得られる運転者の特徴点とから、視点位置Eの座標(x,y,z)が算出されて記録される(S15,S16)。

0023

視点位置Eの座標(x,y,z)の算出手順をさらに詳しく説明する。図4(a)に示すように、測定基準点A(ヘッドレストの角)や測定基準点B(シートの角)の座標は予め分かっているので、これら測定基準点と特徴点の差を求めれば、視点位置Eの座標(x,y,z)を求めることができる。まず、測定基準点Aの実座標を(x1,y1)、測定基準点Bの実座標を(x2,y2)とする。測定基準点Aと測定基準点Bとの間で形成される長方形の高さ方向の画素数をNy、横方向の画素数をNxとし、測定基準点Aの画素を(1,1)とすると、測定基準点Bの画素は(Nx,Ny)である。

0024

一方、車内カメラ13の撮影画像から左目の位置Elを目の虹彩位置で測定し、そのElの座標を画素A点から右、下方向に数えて(Elx,Ely)(ここでElxとElyは整数)を求める。右目も同様にして(Erx,Ery)である。すると、視点位置Eは、((Elx+Erx)/2,(Ely+Ery)/2)となる。これを画素数Nx,Nyで正規化すると((Elx+Erx)/(2Nx),(Ely+Ery)/(2Ny))となる。さらに、これを実座標に変換することにより視点位置Eの座標(Ex,Ey)が求まる。
Ex=x1+(x2−x1)(Elx+Erx)/(2Nx)
Ey=y1+(y2−y1)(Ely+Ery)/(2Ny)

0025

あるいは、次のような手順も採用できる。まず、図4の運転者画像の解析(パターン認識等)を行ない、運転者の視点位置EのX−Z平面内での位置を特定する。一方、運転席のシート43には前後方向の移動量、背もたれの角度を計測する変位センサ(図示省略)が取り付けられている。この変位センサによってシート移動量、背もたれ角などのシート姿勢が検出され、視点認識器21に入力される。変位センサの検出結果から、シート43の位置・姿勢を知ることができ、運転者の頭が前後方向(Y軸方向)のどのあたりに位置するのか概ね正確に特定できる。すなわち、視点位置EのY座標を特定することができる。このようにして、視点位置Eの3次元座標が既知となる。求めた視点位置Eの座標は、車外カメラ11で得られる画像を、運転者の視点から見た画像に変換するための(視点の変換のための)データとして用いられる。

0026

また、上記のごとく運転者の視点を測定する際に、対話制御器27(エージェント)を使って運転者に対し、「左ピラーを見てください」「右ピラーを見てください」というように、各ディスプレイ31〜38の方向を個別に向かせ、運転者の視線方向に応じた複数の視点位置Eを測定することも可能である。運転者が右ピラー方向を見るとき、左ピラー方向を見るとき、後部ドア方位を見るときなど、目の向く方向によって視点位置Eは変化すると考えられる。したがって、ディスプレイ31〜38に個別に対応する形で、視点位置Eの座標データを記憶しておき、車外カメラ11から得られる画像の切り取りを行なう際には、各ディスプレイ31〜38に対応した視点位置Eの座標データを使用するとよい。このようにすれば、全てのディスプレイ31〜38にズレの少ない死角画像を映せるようになる。

0027

たとえば、左右のそれぞれの目の虹彩の位置を測定することにより、視線をより詳細に計測できる。運転者が首を左右に振った場合、目の位置は正面を向いた場合に比べ目の位置は左右対称からずれる。両目がまっすぐ前を向いた場合と、首を曲げた場合の目の位置のずれの量から、首(顔)の回転角を計算する。次に、顔のほぼ正面方向に設置したカメラにて左右のそれぞれの黒目の位置を測定し、首を曲げた状態で、目がどちらの方向を見ているかを計測する。通常、黒目が中央にあれば、視線方向は正面にあり、黒目が右にずれると視線は右方向、逆の場合は視線は左方向になる。なお、視線位置個人差があるため、首を曲げた状態で見る位置にある複数のディスプレイ(ピラーディスプレイ32,33やドアディスプレイ34,36)にマーカやエージェント等のキャラクタを表示し、運転者が首を曲げてそれらのキャラクタを注視するときの視線のキャリブレーションを行ない、そのキャリブレーション結果を各ディスプレイに映し出す画像の加工・生成に反映させてもよい。

0028

また、運転者がどのような動作で左右のピラーディスプレイ32,33を見るかを画像として記録しておくことも好適である。この画像データから、運転者が正面から左右や後方を向くタイミングを予測すれば、そのタイミングに応じて運転者が向いた方向のディスプレイにのみ選択的に、車外カメラ11で得た画像を表示するといった制御を行なえるようになる。

0029

以上のようにして運転者の視点位置Eを測定したら、その視点位置Eの座標データと、ディスプレイ31〜38の設置位置データおよび形状データから、車外カメラ11から得られる画像のうち、ディスプレイ31〜38に表示すべき部分の切り取り範囲が決定される。以下、画像データ処理装置23の詳細な制御について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。

0030

画像データ処理装置23は、車外カメラ制御器15から車外カメラ11の画像データが送られてきたか否かを判断する(S1)。画像データが送られてきたらその画像データを記憶する(S2)。次に、運転者の視点位置を示すデータ(視点位置データ)が視点認識器21に記憶されているかチェックする(S3)。先に説明したように、視点認識器21は、視点位置Eの座標データを記憶している。画像データ処理装置23は、視点位置Eの座標データを視点認識器21から取得して記憶する(S4)。あるいは、視点位置Eの測定の際に、視点認識器21から画像データ処理装置23へ視点位置Eの座標データを渡すようにしておくこともできる。

0031

なお、先に説明したごとく、視点位置Eは単一とは限らず、右ピラー方向、左ピラー方向、後部左方向、後部右方向…というように、ディスプレイ31〜38に個別に対応する形で測定できる。したがってこの場合には、画像データ処理装置23には、ディスプレイ31〜38と視点位置Eとの対応関係が記憶される。

0032

次に、ディスプレイ31〜38の属性データを読み出す。ここでいう属性データは、ディスプレイ31〜38の設置位置(設置範囲)を特定する座標データであり、画像データ処理装置23に予め設定されている。たとえば、ディスプレイがサイドピラーにあわせた4角形であれば、その4隅の3次元座標を属性データとして設定する。また、ディスプレイ31〜38は、ID、表示サイズ、ディスプレイ形状といった属性データも持っている。IDは、各ディスプレイにユニークなIDと車両に紐付けされたローカルなIDとを含む。ユニークなIDを属性データとして持つことで、複数のディスプレイ31〜38に異なる画像を表示させることができる。また、表示サイズを選択できる場合は、複数の表示サイズを属性データとして持つようにしてもよい。ディスプレイの位置や形状は、運転者の視点位置Eと同じ3次元座標上の複数の点で表すことができる。

0033

図5のフローチャートのS5で、ディスプレイの属性データを読み出した後、ディスプレイの属性データと、運転者の視点位置Eの座標データとから、サイドピラー等の遮蔽物に取り付けられたディスプレイ31〜38を運転者が見る場合に、それら遮蔽物によって車外のどの領域が隠されるかが計算される。そして、その隠される部分を表す多角形(たとえば4角形)の領域が記録される。こうして運転者の死角となる領域を求める。

0034

一方、車外カメラ11で得られる画像をディスプレイ31〜38の形にあわせて表示するために必要な変換を行なう(S6)。図7に示すごとく、魚眼レンズの結像イメージは、左右が縮小されたものとなる。実際の3次元座標は、図7中の式によって魚眼レンズのX,Y座標に変換される。ここでX,Yは−1から1までの範囲をとるようにしている。物体までの距離zがわかっていれば、X,Yからx、yが計算できる。

0035

上記のようにして車外カメラ11からの画像データの座標変換を行なって歪みをなくした画像を得たのち、先に求めた死角となる領域のみを残す形で画像データの切り取り操作を行ない、切り取った画像(ピクセルデータ)を表示制御装置29に送る(S6,S7)。この結果、表示制御装置29の受け取る画像データがグラフィックメモリにセットされ、ディスプレイ31に表示する画像が生成される。

0036

なお、座標変換を行なった画像データを運転者の死角となる領域を示す座標データとともに表示制御装置29に送り、表示制御装置29で死角以外の領域の切り取り操作を行ない、切り取った画像(ピクセルデータ)をディスプレイ31〜38のグラフィックメモリにセットするようにしてもよい。表示制御装置29は、ディスプレイ31〜38の描画性能に応じてデータセットタイミングを調整する。本実施形態のように、運転者の死角を減ずるためのディスプレイ31〜38が複数設けられている場合には、各ディスプレイについてこうした処理を行なうことになる。

0037

なお、魚眼レンズイメージから直接画像を切り取る方法としては、運転者の視点位置Eに対応する画素を直接ディスプレイに送るようにしてもよい。この方法によれば、表示が高速化できる。運転者の視点に応じて対応する画素は、運転者の目の高さによって変化するようになっている。

0038

図6に、車両用表示装置100の動作状況と、その状況に対応した運転席のイメージを示す。上図に示すごとく、車両41が上方向に向かって停止、あるいは徐行しているとき前方を物体1が横切り、物体2が車両の右側方に存在する状況を仮定している。このとき、運転席のイメージは下図に示すようになる。右ピラーディスプレイ32とダッシュボードディスプレイ31には、運転者の視点から見た物体1が表示され、透過像表示イメージになる。また、物体2もドアディスプレイ34に表示された像により透過したように見える。

0039

このように、ダッシュボードディスプレイ31によって車両前部の死角を見渡せるようにすれば、安全確認に威力を発揮する。特に、トラックバスワゴン車など、ボンネットの突出が無い若しくは小さい車両の場合には、ボンネットの突出が大きい乗用車に比べ、運転者に違和感を生じさせることなく視界を広くすることが可能である。

0040

次に、本発明の応用例を説明する。図8に示すように、運転席と後部座席とを隔てるようにディスプレイ39を設け、そのディスプレイ39の一方の面側には(前部座席側)後方視点の画像を表示するとともに、他方の面側(後部座席側)には映画等のエンターテイメント情報を表示する。この場合、後部座席のドア下部のディスプレイ35,37等にもエンターテイメント情報を表示すれば、大画面臨場感のある表示が行なえる。また、運転者には説明してきたように、周囲が見えるため安全な運転支援が行なえる。なお、大画面スクリーン役割を持つディスプレイ39を天井に収納できるようにすれば、後部座席の搭乗者と運転者とがコミュニケーションを図るのに便利である。

図面の簡単な説明

0041

本発明の車両用表示装置の構成を示すブロック図。
図1の車両用表示装置の設置例を示す車両模式図。
視点認識器の制御フローチャート
車内カメラによって撮像される運転者のイメージ図。
画像データ処理部の制御フローチャート。
運転席のイメージ図。
魚眼レンズの結像イメージ図。
本発明の車両用表示装置の別設置例を示す車両模式図。

符号の説明

0042

11車外カメラ
13車内カメラ
21視点認識器
23画像データ処理装置
27対話制御器
29表示制御装置
31〜39ディスプレイ
41,51 車両
43シート
100 車両用表示装置

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