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課題

糸状菌を用いると乳酸製造コストを低く抑えることができ、生分解性プラスチック原料として必要なL-乳酸製造比率を高くすることができる。しかし従来から使用されている糸状菌では、天然甘味資源であるシュクロースを含む原料からL-乳酸を直接製造することができない。

解決手段

シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセスルキシイによってL-乳酸を製造する。アミロミセス・ルキシイは好ましくは、その標準株であるCBS438.76であることが好ましい。

概要

背景

乳酸は、食品酸味の付与、品質や味の調和保存性の向上のための食品添加物以外に、清酒醸造における清酒酵母健全育成成長促進および酸度調製に不可欠の有機酸である。また、生分解性プラスチックポリ乳酸」の原料としても利用されている。通常は嫌気性乳酸菌が使用されるが、生育にアミノ酸ビタミン類を必要とすることから、使用する培地コスト高となりやすい。そこで、乳酸菌の代わりとして、糸状菌が注目されている。乳酸菌とは異なって糸状菌の培養には空気を通気することが必要であり、乳酸の対糖収率も70〜80%と乳酸菌よりも低い。しかし、糸状菌は糖と無機塩類だけで旺盛に増殖するので、乳酸の製造コストを抑えることができる。また、糸状菌はアミラーゼなどの多糖分解酵素分泌するので、糖化処理することなくデンプンから直接乳酸を生成する。さらに、生成される乳酸はポリ乳酸合成に必須な光学純度の高いL-型である。

糸状菌による乳酸製造についての最近の先行技術としては、特許文献1〜5があるが、いずれも糸状菌としてリゾプス属、特にリゾプスオリゼを使用したものである。
特開2002−238590
特開2000−37196
特開平11−137286
特開平07−155191
特開平06−253871

概要

糸状菌を用いると乳酸の製造コストを低く抑えることができ、生分解性プラスチックの原料として必要なL-乳酸製造比率を高くすることができる。しかし従来から使用されている糸状菌では、天然甘味資源であるシュクロースを含む原料からL-乳酸を直接製造することができない。 シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセスルキシイによってL-乳酸を製造する。アミロミセス・ルキシイは好ましくは、その標準株であるCBS438.76であることが好ましい。

目的

乳酸の製造で、一般的に使用される糸状菌はリゾプス・オリゼで、中でもNRRL395株が優れているとされている。リゾプス・オリゼはデンプンやグルコースなどで旺盛に増殖して乳酸を生成するが、シュクロースを糖源として増殖し、乳酸を生成することができない。近年、バイオマス資源として甜菜およびサトウキビ重要性が増加してきており、これらの植物体から乳酸の発酵生産も有効な活用方法と考えられる。しかし、甜菜およびサトウキビ中の主要な糖はシュクロースであるため、リゾプス・オリゼによってこれらの作物から直接乳酸を製造することはできない。本発明は、糸状菌アミロミセス・ルキシイを使用することにより、シュクロースから乳酸を製造する方法を提供するものである。

効果

実績

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請求項1

請求項2

シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセス・ルキシイによってL−乳酸を製造する乳酸製造方法。

請求項3

前記アミロミセス・ルキシイは、その標準株であるCBS438.76株である請求項1又は2に記載の乳酸製造方法。

請求項4

シュクロースを含む原料から乳酸を生成するための糸状菌アミロミセス・ルキシイを含む乳酸生産培地

請求項5

シュクロースを含む原料から乳酸を生成するための糸状菌アミロミセス・ルキシイを含む乳酸生産用剤。

請求項6

シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセス・ルキシイによってL−乳酸を製造するL−乳酸製造ステップと、前記L−乳酸製造ステップにて製造されたL−乳酸を合成してポリ乳酸を製造するポリ乳酸製造ステップと、を有する乳酸由来材料の製造方法。

請求項7

シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセス・ルキシイによってL−乳酸を製造するL−乳酸製造ステップと、前記L−乳酸製造ステップにて製造されたL−乳酸を合成してポリ乳酸を製造するポリ乳酸製造ステップと、前記ポリ乳酸製造ステップにて製造されたポリ乳酸を利用して生分解性プラスチックを製造する生分解性プラスチック製造ステップと、を有する乳酸由来材料の製造方法。

請求項8

上記のシュクロースを含む原料が、甜菜又は/及びサトウキビからの抽出物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の乳酸製造方法。

請求項9

上記のシュクロースを含む原料が、甜菜又は/及びサトウキビからの抽出物であることを特徴とする請求項6又は7に記載の乳酸由来材料の製造方法。

請求項10

請求項1から3のいずれか一に記載の乳酸製造方法により製造された乳酸を含む食品添加物

請求項11

請求項1から3のいずれか一に記載の乳酸製造方法により製造された乳酸を含む清酒酵母育成剤。

技術分野

0001

本発明は、天然甘味資源であるシュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセスルキシイを使うことによりL-乳酸を製造する方法に関するものである。

背景技術

0002

乳酸は、食品酸味の付与、品質や味の調和保存性の向上のための食品添加物以外に、清酒醸造における清酒酵母健全育成成長促進および酸度調製に不可欠の有機酸である。また、生分解性プラスチックポリ乳酸」の原料としても利用されている。通常は嫌気性乳酸菌が使用されるが、生育にアミノ酸ビタミン類を必要とすることから、使用する培地コスト高となりやすい。そこで、乳酸菌の代わりとして、糸状菌が注目されている。乳酸菌とは異なって糸状菌の培養には空気を通気することが必要であり、乳酸の対糖収率も70〜80%と乳酸菌よりも低い。しかし、糸状菌は糖と無機塩類だけで旺盛に増殖するので、乳酸の製造コストを抑えることができる。また、糸状菌はアミラーゼなどの多糖分解酵素分泌するので、糖化処理することなくデンプンから直接乳酸を生成する。さらに、生成される乳酸はポリ乳酸合成に必須な光学純度の高いL-型である。

0003

糸状菌による乳酸製造についての最近の先行技術としては、特許文献1〜5があるが、いずれも糸状菌としてリゾプス属、特にリゾプスオリゼを使用したものである。
特開2002−238590
特開2000−37196
特開平11−137286
特開平07−155191
特開平06−253871

発明が解決しようとする課題

0004

乳酸の製造で、一般的に使用される糸状菌はリゾプス・オリゼで、中でもNRRL395株が優れているとされている。リゾプス・オリゼはデンプンやグルコースなどで旺盛に増殖して乳酸を生成するが、シュクロースを糖源として増殖し、乳酸を生成することができない。近年、バイオマス資源として甜菜およびサトウキビ重要性が増加してきており、これらの植物体から乳酸の発酵生産も有効な活用方法と考えられる。しかし、甜菜およびサトウキビ中の主要な糖はシュクロースであるため、リゾプス・オリゼによってこれらの作物から直接乳酸を製造することはできない。本発明は、糸状菌アミロミセス・ルキシイを使用することにより、シュクロースから乳酸を製造する方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0005

シュクロースから乳酸を製造するには、シュクロースで旺盛に増殖して乳酸を生成する糸状菌を使用すれば良い。そこで、本発明者らは、鋭意研究した結果、シュクロースを糖源として含む培地で旺盛に増殖する糸状菌アミロミセス・ルキシイが、シュクロースからL−乳酸を生成する能力を備えていることを発見し、本発明を完成させた。

0006

すなわち、第一の発明は、シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセス・ルキシイによって乳酸を製造する乳酸製造方法である。第二の発明は、シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセス・ルキシイによってL−乳酸を製造する乳酸製造方法である。

0007

第三の発明は、第一の発明と、第二の発明を基礎として、前記アミロミセス・ルキシイは、その標準株であるCBS438.76株である乳酸製造方法である。さらに第四の発明は、シュクロースを含む原料から乳酸を生成するための糸状菌アミロミセス・ルキシイを含む乳酸生産培地である。第五の発明は、シュクロースを含む原料から乳酸を生成するための糸状菌アミロミセス・ルキシイを含む乳酸生産用剤である。第六の発明は、シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセス・ルキシイによってL−乳酸を製造するL−乳酸製造ステップと、前記L−乳酸製造ステップにて製造されたL−乳酸を合成してポリ乳酸を製造するポリ乳酸製造ステップと、を有する乳酸由来材料の製造方法である。

0008

第七の発明は、シュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセス・ルキシイによってL−乳酸を製造するL−乳酸製造ステップと、前記L−乳酸製造ステップにて製造されたL−乳酸を合成してポリ乳酸を製造するポリ乳酸製造ステップと、前記ポリ乳酸製造ステップにて製造されたポリ乳酸を利用して生分解性プラスチックを製造する生分解性プラスチック製造ステップと、を有する乳酸由来材料の製造方法である。

0009

第八の発明は、上記のシュクロースを含む原料が、甜菜又は/及びサトウキビからの抽出物であることを特徴とする第一から第三の発明を基礎とした乳酸製造方法である。第九の発明は、上記のシュクロースを含む原料が、甜菜又は/及びサトウキビからの抽出物であることを特徴とする第六又は第七の発明を基礎とした乳酸由来材料の製造方法である。

0010

さらに、第十の発明は、第一から第三のいずれかの乳酸製造方法の発明を利用して製造された乳酸を含む食品添加物である。第十一の発明は、第一から第三のいずれかの発明を利用した乳酸製造方法により製造された乳酸を含む清酒酵母育成剤である。

発明の効果

0011

本発明の乳酸の製造方法によれば、天然の甘味資源であるシュクロースを含む原料から糸状菌アミロミセス・ルキシイによってL-乳酸を製造する方法を提供する。本発明は、北海道で生産される甜菜および九州・縄地域で生産されるサトウキビを有効利用するのに多大な寄与が期待できる。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明について詳細に説明する。本発明でいうアミロミセス・ルキシイとは、アミロミセス・ルキシイに分類される糸状菌であれば、菌株は特に限定はしないものである。特に好ましくは、アミロミセス・ルキシイの標準株であるCBS438.76株(CBS=Centraalbureau voor Schimmelcultures, the Netherland)である。アミロミセス・ルキシイCBS 438.76株はシュクロースを分解し、乳酸を生成させる。乳酸にはL−乳酸とD−乳酸の2種類の光学異性体が存在する。アミロミセス・ルキシイCBS 438.76株から生成される乳酸は、生分解性プラスチックの原料として好ましいL−乳酸の比率が高い(光学純度が高い)ことを特徴とする。

0013

本発明でいうシュクロースを含む原料とは、シュクロースを主要な糖として含むものであれば特に限定はしない。具体的な原料として、甜菜又は/及びサトウキビからの抽出物であることが好ましい。前者には10−17%のシュクロースが、後者には15−20%のシュクロースが含まれている。

0014

本発明において乳酸の発酵は、糖とアミロミセス・ルキシイを含む乳酸生産培地において行われる。乳酸生産培地における培養温度は、25〜40℃が好ましく、さらに好ましくは30〜37℃である。これ以下の温度では増殖が遅く、これ以上では増殖できない。培養期間は4〜7日が好ましく、さらに好ましくは5〜6日である。この範囲以下では増殖が不十分であり、この範囲以上では生成する乳酸濃度が低下する。いずれにしろ、増殖温度、期間などの条件は使用する基質案し、適当に決定すればよい。

0015

本発明によって得られた乳酸から生分解性プラスチックを得る方法を説明する。ポリ乳酸の製造法には、乳酸を直接脱水縮合して目的物を得る直接法と、乳酸から一旦環状ラクチド二量体)を合成し、晶析法などにより精製を行い、ついで開環重合を行う方法がある。重合に用いる触媒としては、通常、周期律表IA族IVA族、IVB族およびVA族からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属または金属化合物が挙げられる。通常得られる乳酸は光学純度が低いため、光学純度を上げる処理をしてから重合を行う必要がある。しかし本発明で得られる乳酸は光学純度が高いため、光学純度を上げる処理に関してコストを下げることができる。このようにして得られたポリ乳酸を繊維、フィルム成型品等に加工、成型して生分解性プラスチックを得る。

0016

また本発明で得られた乳酸は、食品添加物として利用することができる。乳酸は、菓子や飲料などに加え、酸味料防腐剤としての役割を果たす。発酵された乳酸を食品に添加するほかに、食品中で乳酸を発酵させても良い。

0017

また本発明の乳酸製造方法を用いて得られた乳酸を清酒醸造において加えることもできる。清酒に乳酸を加えることにより、雑菌死滅させ、酵母育成及び成長促進環境を整えることができる。また乳酸を加えることにより清酒に爽快な酸味を与えることもできる。清酒醸造工程外で生成された乳酸を醸造中の清酒に添加するほか、清酒醸造中にアミロミセス・ルキシイを混入させ乳酸を生成させることも可能である。このようにすることで、添加物は好まないという近年の消費者志向応えることができ、また清酒本来風味が損なわれることもない。

0018

本発明の実施例1を説明する。糸状菌アミロミセス・ルキシイ(Amylomyces rouxii)CBS438.76を一白金耳かき取ってPDA寒天平板培地(表1)に接種した。25℃、4日間培養後、菌体を剥がして生産培地(表2)に添加し、30℃で毎分120回転させたながら振盪培養した。生産培地に含まれる糖はグルコースあるいはシュクロースのいずれかであり、これら2種類の糖を用いて試験を行った。それぞれの糖を用いた場合のL−乳酸の生成量図1に示す。



注)培養液のpHは6.5〜7.0に合わせ、寒天投入してから加熱溶解させた。そのうちの2mlを12×120mm試験管入れ、120℃、20分間高圧滅菌後、直立させたまま冷却して固化させた。



注)炭酸カルシウムを除く上記培地50mlを300ml三角フラスコに入れ、120℃、20分間高圧滅菌した。冷却後、乾熱滅菌した炭酸カルシウムを添加した。

0019

リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae) NRRL 395をそれぞれ一白金耳かき取ってPDA寒天平板培地(表1)に接種した。その後の試験は実施例1と同様である。2種類の糖についてそれぞれのL−乳酸の生成量を図2に示す。実施例1(図1)および比較例1(図2)ともにグルコースからL−乳酸を生成したが、シュクロースから乳酸を生成したのは実施例1だけであった。

0020

甜菜およびサトウキビの絞のシュクロース濃度を測定し、終濃度10%となるようにした表2の組成の培地を調製した。これに実施例1と同様に糸状菌アミロミセス・ルキシイ(Amylomyces rouxii)CBS438.76(実施例3−1)又はリゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae) NRRL 395(実施例3−2)を添加して5日間培養後のL−乳酸濃度を表3に示した。甜菜およびサトウキビのいずれにおいても、実施例3−1(アミロミセス・ルキシイ)で乳酸が生成しており、実施例3−2(リゾプス・オリゼ)ではわずかしか検出されなかった。

図面の簡単な説明

0021

糸状菌アミロミセス・ルキシイ(Amylomyces rouxii)CBS438.76を用いて乳酸を発酵させたときのL−乳酸生成量の時間変化を示す図。
糸状菌リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae) NRRL 395を用いて乳酸を発酵させたときのL−乳酸生成量の時間変化を示す図。

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