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技術 希土類焼結磁石の製造方法、焼結磁石用原料合金粉の粉砕方法

出願人 TDK株式会社
発明者 榎戸靖坂本篤司伊村正明石坂力増田健
出願日 2005年6月24日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2005-184751
公開日 2006年2月9日 (14年9ヶ月経過) 公開番号 2006-041501
状態 特許登録済
技術分野 金属質粉又はその懸濁液の製造 粉末冶金 硬質磁性材料 コア、コイル、磁石の製造
主要キーワード アルゴンガスフロー 不規則変化 高圧窒素ガス 微粉砕条件 累積体積比率 粉砕作業 所望寸法 荷重点
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

潤滑剤の添加量をなるべく抑制し、高強度の成形体、高い磁気特性焼結磁石を得ることのできる希土類焼結磁石の製造方法、焼結磁石用原料合金粉粉砕方法を提供することを目的とする。

解決手段

希土類焼結磁石を製造するに際し、原料合金粗粉砕して得た粗粉砕粉末に425μm以下の粒径を有した潤滑剤を添加し、ジェットミル粉砕し、微粉砕粉末を得る。そして、この微粉砕粉末を磁場中成形して成形体を形成し、この成形体を焼結することで希土類焼結磁石を得る。潤滑剤を、425μm以下の粒径とするには、潤滑剤を冷凍した状態で粉砕し、これを分級するのが好ましい。

概要

背景

希土類焼結磁石(以下、単に焼結磁石と称する)は高性能磁石として広く使用されており、各種電子デバイスの小型化、また、自動車における電子デバイスの増加に伴いますますその需要増している。一般に磁石は、その配向度が高いほど高い残留磁束密度を示す。このため成形時には原料粉に磁場を与え、原料粉を配向させたまま圧縮成形を行うことが多い(いわゆる磁場中成形)。
このとき磁場に対する原料粉の配向性を向上させるため、原料粉に潤滑剤が加えられることがある。
また、上記のように磁場中成形を行うに先立ち原料合金気流式粉砕機ジェットミル)等で粉砕して原料合金粉を得る工程で、粉砕性を向上させるために潤滑剤を加えることがある(例えば、特許文献1参照。)。

特開平8−111308号公報(特許請求の範囲)

概要

潤滑剤の添加量をなるべく抑制し、高強度の成形体、高い磁気特性の焼結磁石を得ることのできる希土類焼結磁石の製造方法、焼結磁石用原料合金粉の粉砕方法を提供することを目的とする。 希土類焼結磁石を製造するに際し、原料合金を粗粉砕して得た粗粉砕粉末に425μm以下の粒径を有した潤滑剤を添加し、ジェットミルで粉砕し、微粉砕粉末を得る。そして、この微粉砕粉末を磁場中成形して成形体を形成し、この成形体を焼結することで希土類焼結磁石を得る。潤滑剤を、425μm以下の粒径とするには、潤滑剤を冷凍した状態で粉砕し、これを分級するのが好ましい。

目的

本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、潤滑剤の添加量をなるべく抑制し、高強度の成形体、高い磁気特性の焼結磁石を得ることのできる希土類焼結磁石の製造方法、焼結磁石用原料合金粉の粉砕方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

原料合金粉に、425μm以下の粒径を有した潤滑剤粒子を添加して前記原料合金粉を粉砕し、粉砕粉を得る工程と、前記粉砕粉に磁場を印加し、かつ加圧成形することにより成形体を得る工程と、前記成形体を焼結する工程と、を備えることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。

請求項2

前記原料合金粉とともに前記潤滑剤粒子を気流式粉砕機投入し、前記原料合金粉を粉砕することを特徴とする請求項1に記載の希土類焼結磁石の製造方法。

請求項3

前記粉砕粉の平均粒径が2.5〜10μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の希土類焼結磁石の製造方法。

請求項4

前記潤滑剤粒子の粒径が、5μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。

請求項5

前記潤滑剤は、一般式R1−CONH2またはR1−CONH−R3−HNCO−R2で示される化合物Aと、R4−OCO−R5、R4−OH、(R4−COO)nMからなる群のうちいずれか一種で示される化合物B(R1〜4はCnH2n+1またはCnH2n−1。R5はH、CnH2n+1またはCnH2n−1。Mは金属。nは整数。)とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。

請求項6

前記潤滑剤は、一般式R1−CONH2またはR1−CONH−R3−HNCO−R2で示される化合物Aと、R4−OCO−R5、R4−OH、(R4−COO)nMからなる群のうちいずれか一種で示される化合物B(R1〜4はCnH2n+1またはCnH2n−1。R5はH、CnH2n+1またはCnH2n−1。Mは金属。nは整数。)とが炭化水素を介して結合した化合物Dであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の希土類焼結磁石の製造方法。

請求項7

粒径425μm以下の潤滑剤粒子を形成する工程と原料合金粉と前記潤滑剤粒子を粉砕機に投入し、前記原料合金粉を粉砕して粉砕粉を得る工程と、を備えることを特徴とする焼結磁石用原料合金粉の粉砕方法

請求項8

前記潤滑剤粒子を形成する工程では、潤滑剤を冷凍した後、前記潤滑剤を粉砕して前記潤滑剤粒子を得ることを特徴とする請求項7に記載の焼結磁石用原料合金粉の粉砕方法。

請求項9

前記潤滑剤粒子の粒径が、5μm以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の焼結磁石用原料合金粉の粉砕方法。

技術分野

0001

本発明は、Nd−Fe−B系に代表される希土類焼結磁石の製造方法、焼結磁石原料合金粉粉砕方法に関する。

背景技術

0002

希土類焼結磁石(以下、単に焼結磁石と称する)は高性能磁石として広く使用されており、各種電子デバイスの小型化、また、自動車における電子デバイスの増加に伴いますますその需要増している。一般に磁石は、その配向度が高いほど高い残留磁束密度を示す。このため成形時には原料粉に磁場を与え、原料粉を配向させたまま圧縮成形を行うことが多い(いわゆる磁場中成形)。
このとき磁場に対する原料粉の配向性を向上させるため、原料粉に潤滑剤が加えられることがある。
また、上記のように磁場中成形を行うに先立ち原料合金気流式粉砕機ジェットミル)等で粉砕して原料合金粉を得る工程で、粉砕性を向上させるために潤滑剤を加えることがある(例えば、特許文献1参照。)。

0003

特開平8−111308号公報(特許請求の範囲)

発明が解決しようとする課題

0004

粉砕工程における原料合金の粉砕性の向上、磁場中成形工程における原料粉の配向性向上のためには、潤滑剤の添加量を増やすのが好ましい。しかしながら、添加する潤滑剤の量が増えると、得られる焼結磁石の磁気特性の低下に繋がる。
また、ただ添加するだけでは潤滑剤の凝集粒子が残っており、焼結後、焼結体にこの凝集粒子に起因する空隙が形成されてしまう。さらに、添加した潤滑剤により、成形体の強度が低下する。そして、成形体に剥がれや亀裂が発生し、所望寸法精度の焼結体を得ることが困難であることも知られている(例えば、特許文献2参照。)。

0005

特開平7−240329号公報(発明が解決しようとする課題)

0006

本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、潤滑剤の添加量をなるべく抑制し、高強度の成形体、高い磁気特性の焼結磁石を得ることのできる希土類焼結磁石の製造方法、焼結磁石用原料合金粉の粉砕方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を解決すべく鋭意検討を行う過程で、本発明者は、気流式粉砕機を用いた粉砕工程において、原料合金に対する潤滑剤の分散性に着目した。本発明者は、当初、潤滑剤も気流式粉砕機により十分に粉砕されるものと考えていた。しかし、焼結磁石の原料合金ようには潤滑剤は粉砕されないことが判明した。そこで、原料合金に対する潤滑剤の分散性を向上させるには、潤滑剤の粒径を小さくするのが有効ではないか、と考えるに至った。
このようにしてなされた本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、原料合金粉に、425μm以下の粒径を有した潤滑剤粒子を添加して原料合金粉を粉砕し、粉砕粉を得る工程と、粉砕粉に磁場を印加し、かつ加圧成形することにより成形体を得る工程と、成形体を焼結する工程と、を備えることを特徴とする。
このように、細かい粒径の潤滑剤粒子を用いて原料合金粉を粉砕することで、潤滑剤が、より均一に分散する。これにより、粉砕工程における原料合金の粉砕性、および磁場中成形工程における粉砕粉の配向性を向上させることができる。また、潤滑剤の分散性が向上することで、従来より少ない量の潤滑剤で、同等の潤滑効果が期待できる。
ここで、原料合金粉の粉砕は、いかなる方式で行っても良いが、例えば気流式粉砕機を用いることができる。この場合、原料合金粉とともに潤滑剤粒子を気流式粉砕機に投入して、原料合金粉を粉砕する。このような場合、粉砕粉の平均粒径は、2.5〜10μm、原料合金粉の粒径は、100〜1000μmであるのが好ましい。また、潤滑剤の粒径は、5μm以上であることが好ましい。

0008

本発明において、潤滑剤の材質は特に制限はないが、一般式R1−CONH2またはR1−CONH−R3−HNCO−R2で示される化合物Aと、R4−OCO−R5、R4−OH、(R4−COO)nMからなる群のうちいずれか一種で示される化合物B(R1〜4はCnH2n+1またはCnH2n−1。R5はH、CnH2n+1またはCnH2n−1。Mは金属。nは整数。)とを含む混合物とすることが好ましい。また、一般式R1−CONH2またはR1−CONH−R3−HNCO−R2で示される化合物Aと、R4−OCO−R5、R4−OH、(R4−COO)nMからなる群のうちいずれか一種で示される化合物B(R1〜4はCnH2n+1またはCnH2n−1。R5はH、CnH2n+1またはCnH2n−1。Mは金属。nは整数。)とが炭化水素を介して結合した化合物Dとすることも好ましい。

0009

また、本発明は、粒径425μm以下の潤滑剤粒子を形成する工程と、原料合金粉と潤滑剤粒子を粉砕機に投入し、原料合金粉を粉砕して粉砕粉を得る工程と、を備えることを特徴とする希土類焼結磁石用原料粉体の粉砕方法として捉えることもできる。
ところで、粒径425μm以下の潤滑剤粒子は、いかなる方法で形成しても良い。例えば、スプレードライ法等で所望の粒径の潤滑剤粒子を得ることができる。また、潤滑剤を冷凍して凝固させ、この状態で潤滑剤を粉砕することで、所望の粒径の潤滑剤粒子を得ても良い。

発明の効果

0010

本発明によれば、細かい粒径の潤滑剤を添加することで、粉砕工程における原料合金の粉砕性、および磁場中成形工程における粉砕粉の配向性を確保したうえで、成形体の強度、および最終的に得られる焼結磁石の磁気特性を高いものとすることが可能となる。また、より少ない量の潤滑剤で、従来と同等の成形体強度、あるいは磁気特性を得ることが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本発明は、例えば、希土類焼結磁石、特にR−T−B系焼結磁石に適用することができる。
このR−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜37wt%含有する。ここで、本発明におけるRはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの1種または2種以上から選択される。Rの量が25wt%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR2T14B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが37wt%を超えると主相であるR2T14B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜37wt%とする。望ましいRの量は28〜35wt%、さらに望ましいRの量は29〜33wt%である。

0012

また、このR−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を4.5wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
このR−T−B系焼結磁石は、Coを2.0wt%以下(0を含まず)、望ましくは0.1〜1.0wt%、さらに望ましくは、0.3〜0.7wt%含有することができる。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相耐食性向上に効果がある。

0013

また、このR−T−B系焼結磁石は、AlおよびCuの1種または2種を0.02〜0.5wt%の範囲で含有することができる。この範囲でAlおよびCuの1種または2種を含有させることにより、得られる焼結磁石の高保磁力化高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Alを添加する場合において、望ましいAlの量は0.03〜0.3wt%、さらに望ましいAlの量は、0.05〜0.25wt%である。また、Cuを添加する場合において、望ましいCuの量は0.15wt%以下(0を含まず)、さらに望ましいCuの量は0.03〜0.12wt%である。
さらに、このR−T−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を5000ppm以下、さらには3000ppmと以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。

0014

本発明は、上記したようなR−T−B系焼結磁石に限らず、他の希土類焼結磁石に適用することも可能である。例えば、R−Co系焼結磁石に本発明を適用することもできる。
R−Co系焼結磁石は、Rと、Fe、Ni、MnおよびCrから選ばれる1種以上の元素と、Coとを含有する。この場合、望ましくはさらにCuまたは、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVから選ばれる1種以上の元素を含有し、特に望ましくはCuと、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVから選ばれる1種以上の元素とを含有する。これらのうち特に、SmとCoとの金属間化合物、望ましくはSm2Co17金属間化合物を主相とし、粒界にはSmCo5系を主体とする副相が存在する。具体的組成は、製造方法や要求される磁気特性等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、R:20〜30wt%、特に22〜28wt%程度、Fe、Ni、MnおよびCrの1種以上:1〜35wt%程度、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVの1種以上:0〜6wt%、特に0.5〜4wt%程度、Cu:0〜10wt%、特に1〜10wt%程度、Co:残部の組成が望ましい。
以上、R−T−B系焼結磁石、R−Co系焼結磁石について言及したが、本発明は他の希土類焼結磁石への適用を妨げるものではない。

0015

以下、本発明による希土類焼結磁石の製造方法を工程順に説明する。
原料合金は、真空または不活性ガス、望ましくはアルゴン雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、原料金属アルゴンガス雰囲気などの非酸化雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1〜50μmの均質組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。なお、溶解後の偏析を防止するため、例えば水冷銅板傾注して凝固させることができる。また、還元拡散法によって得られた合金を原料合金として用いることもできる。
R−T−B系焼結磁石を得る場合、R2T14B結晶粒を主体とする合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含む合金(高R合金)とを用いる所謂混合法を本発明に適用することもできる。

0016

原料合金は粉砕工程に供される。混合法による場合には、低R合金および高R合金は別々にまたは一緒に粉砕される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。
まず、粗粉砕工程では、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕し、粗粉砕粉末(原料合金粉)を得る。粗粉砕は、スタンプミルジョークラッシャーブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行うことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行うことが効果的である。水素放出処理は、希土類焼結磁石として不純物となる水素を減少させることを目的として行われる。水素放出のための加熱保持の温度は、200℃以上、望ましくは350℃以上とする。保持時間は、保持温度との関係、原料合金の厚さ等によって変わるが、少なくとも30分以上、望ましくは1時間以上とする。水素放出処理は、真空中またはアルゴンガスフローにて行う。なお、水素吸蔵処理、水素放出処理は必須の処理ではない。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。

0017

粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。
このとき、微粉砕工程における粉砕性の向上を目的として、潤滑剤を添加するのが好ましい。この潤滑剤としては、脂肪酸または脂肪酸の誘導体、例えばステアリン酸系オレイン酸系であるステアリン酸亜鉛ステアリン酸カルシウムステアリン酸アミドオレイン酸アミド等がある。この潤滑剤は、成形時の潤滑および配向性を向上する機能を兼ねることができる。

0018

潤滑剤としては、一般式R1−CONH2またはR1−CONH−R3−HNCO−R2で示される化合物Aと、R4−OCO−R5、R4−OH、(R4−COO)nM(Mは金属、nは整数)からなる群のうちいずれか一種で示される化合物B(R1〜4はCnH2n+1またはCnH2n−1。R5はH、CnH2n+1またはCnH2n−1で表される)を含む混合物を用いることが好ましい。

0019

化合物Aとは、例えば脂肪酸アミドのようにアミド基を有する化合物もしくは脂肪酸ビスアミドのようにアミド結合を有する化合物である。R1、R2は炭素数7以上21以下の直鎖状飽和炭化水素であることが好ましい。このような化合物Aの具体例としてステアリン酸アミド(C17H35−CONH2)、エチレンビスステアリン酸アミド(C17H35−CONH−(CH2)2−NHCO−C17H35)、ベヘン酸アミド(C21H43−CONH2)およびカプリル酸アミド(C7H15−CONH2)を挙げることができ、この中でもステアリン酸アミドが特に好ましい。本発明において化合物Aは1種類のみの化合物を用いてもよいが、複数の化合物を組み合わせて用いるものであってもよい。

0020

化合物Bとは、例えば脂肪酸化合物アルコールであり、具体的には炭素数が10以上の高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩高級アルコール等が挙げられる。この中でも化合物Bは、R4が炭素数17および18の炭化水素である化合物が好ましく、具体例としてステアリン酸(C17H35−COOH)、モノステアリン酸グリセリン(C17H35−COO−C3H7O2)、ステアリン酸亜鉛((C17H35−COO)−2Zn2+)およびステアリルアルコール(C18H37−O−H)を挙げることができる。この中でもステアリン酸とモノステアリン酸グリセリンがさらに好ましく、特に好ましいのはステアリン酸である。化合物Bとしては1種類のみの化合物を用いてもよいが、複数の化合物を用いてもよい。

0021

さらにこの他、化合物A、化合物Bが炭化水素を介して結合した化合物Dであってもよい。例えば、アミド結合とエステル結合を有する化合物を挙げることができ、R6−CONH−R7−OCO−R6(R6、R7は炭化水素)で示される化合物である。具体的にはR6がCnH2n+1(nが12以上17以下)で表される化合物であり、この中でもRの炭素数が17のステアリン酸から成るステアロイドエチルステアレート(C17H35CONH(CH2)2OCOC17H35)を潤滑剤とすることも好ましい。

0022

粗粉砕粉末の粒径が100〜1000μmである場合、潤滑剤は、その粒径が425μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。ただし、潤滑剤の粒径が小さすぎると、以下のような不具合が懸念される。すなわち、微粉砕を気流式粉砕機で行うと、潤滑剤が気流とともに系外に排出され、所望の効果を得るためには多量の潤滑剤を添加する必要がある。また、気流式粉砕機のフィルタ目詰まりが助長され、安定した粉砕作業を行う支障となる。さらに、粒径の小さな潤滑剤を得るためには、相当のコストが必要となる。以上を考慮すると、潤滑剤の粒径は、5μm以上であることが好ましい。

0023

潤滑剤を、上記粒径とするには、潤滑剤を粉砕し、等で分級するのが好ましい。潤滑剤を粉砕するには、潤滑剤を、例えば液体窒素を用いて冷凍し、その状態のまま、粉砕ミル等で粉砕するのが好ましい。
潤滑剤の添加量は、粉砕性を向上させるという点からすれば、なるべく多くするのが好ましいが、磁気特性および成形体の強度の観点からすれば、なるべく少なくするのが好ましい。したがって、潤滑剤の添加量は、0.01〜1.0wt%とするのが好ましく、0.05〜0.1wt%とするのがより好ましい。潤滑剤の粗粉砕粉末への混合は、例えばナウターミキサー等により5〜30分間ほど行う程度でよい。

0024

さて、微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粗粉砕粉末を微粉砕することで、平均粒径2.5〜10μm、望ましくは3〜5μmの微粉砕粉末(粉砕粉)を得る。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速ガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突ターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。

0025

混合法による場合、2種の合金の混合のタイミングは限定されるものではないが、微粉砕工程において低R合金および高R合金を別々に粉砕した場合には、微粉砕された低R合金粉末および高R合金粉末を窒素雰囲気中で混合する。低R合金粉末および高R合金粉末の混合比率は、重量比で80:20〜97:3程度とすればよい。低R合金および高R合金を一緒に粉砕する場合の混合比率も同様である。

0026

ここで、以上で得られた微粉砕粉末を造粒して顆粒を作製することもできる。
これには、微粉砕粉末を含むスラリをスプレードライすることにより、微粉砕粉末を一次粒子とする顆粒に造粒する。
スプレードライヤにおける造粒は、不活性ガス雰囲気で行うことが望ましい。顆粒の酸化を防止して、ひいては磁気特性の劣化を防止するためである。酸化防止を目的とする不活性ガスの種類は問わないが、コストの点を考慮すると窒素ガスを用いることが望ましい。また、この造粒工程における酸素量の増加を抑制するために、造粒用のスラリを構成するバインダとして、有機バインダ等を用いるのが好ましい。
もちろん、この顆粒作製工程を省略することも可能である。

0027

以上のようにして得られた顆粒状の造粒粉(顆粒作製工程を省略する場合には微粉砕粉末)は、金型キャビティ充填され、磁場中成形に供される。
磁場中成形における成形圧力は0.3〜3ton/cm2(30〜300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力は成形開始から終了まで一定であってもよく、漸増または漸減してもよく、あるいは不規則変化してもよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常、50〜60%である。
また、印加する磁場は、12〜20kOe(960〜1600kA/m)程度とすればよい。また、印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状の磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。

0028

磁場中成形により得られた成形体には、潤滑剤を除去するための処理(潤滑剤除去処理)が施される。炭素残留による磁気特性低下を防止するためである。この潤滑剤除去処理は、水素雰囲気中で、所定の熱処理条件で行うのが好ましい。有機バインダを用いて顆粒を作製した場合には、潤滑剤除去処理により有機バインダを除去することもできる。

0029

潤滑剤除去処理後、成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、真空中で、1000〜1200℃で1〜10時間程度焼結すればよい。また、潤滑剤除去処理を、焼結の昇温過程で行うことが効率的である。

0030

さて、焼結後には、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行う場合には、750〜1000℃、500〜700℃での所定時間の保持が有効である。750〜1000℃での熱処理を焼結後に行うと、保磁力が増大するため、混合法においては特に有効である。また、500〜700℃の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行う場合には、500〜700℃の時効処理を施すとよい。

0031

ここで、微粉砕工程で添加する潤滑剤の粒径の影響を調べたのでその結果を実施例1として示す。
原料合金の組成は、24.5wt%Nd−6.0wt%Pr−1.8wt%Dy−0.5wt%Co−0.2wt%Al−0.07wt%Cu−1.0wt%B−Fe.balとした。原料となる金属あるいは合金を前記組成となるように配合し、ストリップキャスト法により原料合金薄板を溶解、鋳造した。得られた原料合金薄板を水素粉砕した後、ブラウンミルにて機械的粗粉砕を行い、粗粉砕粉末を得た。
この粗粉砕粉末に、潤滑剤として、オレイン酸アミドを添加した。次いで、気流式粉砕機(ジェットミル)を使用し、高圧窒素ガス雰囲気中で微粉砕を行い、微粉砕粉末を得た。

0032

微粉砕に際して添加する潤滑剤として、市販(日本精化株式会社製ニュートロン)のオレイン酸アミドを用い、この潤滑剤を、液体窒素を用いて冷凍した後、粉砕ミルにて粉砕した。粉砕した潤滑剤を、篩により分級し、以下の7種類の潤滑剤を得た。
(1)粒径2μm未満
(2)粒径45μm未満
(3)粒径100μm未満
(4)粒径100μm以上150μm未満
(5)粒径150μm以上300μm未満
(6)粒径300μm以上425μm未満
(7)粒径425μm以上
このようにして分級された潤滑剤の写真図1に示す。図1(a)は粒径が425μm以上の潤滑剤、図1(b)は粒径が100μm未満の潤滑剤を示す写真である。

0033

このようにして作製された潤滑剤を、粗粉砕粉末に添加し、気流式粉砕機により同じ微粉砕条件粉砕ガス圧7kg/cm2、投入速度40g/min)で粉砕した。得られた微粉砕粉末の粒径(D50=累積体積比率が50%になる粒径、以下同様)を図2の同粉砕条件の欄に示す。ここで、潤滑剤の粗粉砕粉末に対する添加量は、0.03、0.06、0.1wt%の3通りとした。
また、(1)から(7)のそれぞれの粒径の潤滑剤において、微粉砕により得られた微粉砕粉末の粒径が、表1に示すように、4.40μm以上4.90μm未満となるよう、微粉砕条件を調整した微粉砕粉末も作製した。
図2は、このときの潤滑剤添加量と微粉砕粉末の粒径(D50:同粉砕条件)の関係を示す図である。

0034

0035

この図2に示すように、粒径が100μm未満までは潤滑剤の粒径が細かいほど、また、潤滑剤を多く入れるほど、微粉砕粉末の粒径D50が小さくなった。これは粉砕効率が向上したことを意味している。すなわち、微粉砕される際に添加された潤滑剤は微粉砕の過程で原料合金粉末と衝突を繰り返すことにより消費され、原料合金粉末の表面に被覆されるに至るが、潤滑剤の粒径が細かいほど微粉砕粉末における潤滑剤の分散状態が良くなるのである。ただし、潤滑剤の粒径が45μm未満になると、潤滑剤の粒径が100μm未満と微粉砕粉末の粒径が同等レベルとなる。さらに、潤滑剤の粒径が2μm未満になると、潤滑剤が微細すぎて系外に排出されるために粉砕効果を十分に得ることができず、潤滑剤の粒径が425μm未満の場合と同等の微粉砕粉末の粒径しか得られない。

0036

続いて、微粉砕条件を調整して作製した微粉砕粉末を磁場中成形した。具体的には、15kOeの磁場中で137MPaの圧力で成形を行い、20mm×18mm×6mmの成形体を得た。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。
得られた成形体の強度として抗折強度を以下の方法で測定した。抗折強度測定は、日本工業規格JIS R 1601に準じて行った。具体的には、図7に示すように、20mm×18mm×6.5mm形状の成形体11を丸棒状の2本の支持具12,13の上に載置し、成形体11上の中央位置に丸棒状の支持具14を配置して荷重を加えた。抗折圧を加える方向はプレス方向とした。丸棒状の支持具12,13,14の半径は3mm、支点間距離は10mm、荷重点移動速度は0.5mm/分とした。成形体11の長手方向と支持具14とを互いに平行となるように配置した。サンプル数nは10個で測定を行った。なおここで、成形体強度は粒子径依存性があるため、粒径(D50)を4.40μm以上4.90μm未満に揃えた微粉砕粉末を用いて成形体を形成し、その強度を測定した。 その結果を表1に示すとともに、潤滑剤添加量と成形体強度の関係を図3に示す。

0037

この図3に示すように、潤滑剤の粒径が細かいほど、また、潤滑剤を多く入れるほど、成形体強度は低下した。潤滑剤は潤滑性があるため、成形体強度を下げてしまうという特徴があり、その結果潤滑剤の分散が良くなると強度は低下することが確認された。

0038

さらに、上記と同様にして形成した成形体を1030℃で4時間焼成し、焼結体を得た。
焼結体の炭素量を測定した。表1にその結果を示すとともに、図4に潤滑剤添加量と焼結体炭素量の関係を示す。図4に示すように、潤滑剤の粒径が細かいほど、残留する炭素の量が少なくなる傾向にあり、特に潤滑剤の粒径が2μm未満になるとその傾向が顕著となる。
また、得られた焼結体を時効処理(条件:900℃×1時間、540℃×1時間)し、焼結磁石を得た後、この焼結磁石の磁気特性(Br)をB−Hトレーサにより測定した。表1にその結果を示すとともに、図5に潤滑剤添加量と残留磁束密度(Br)の関係を示す。図5に示すように、潤滑剤の粒径が細かいほど、また、潤滑剤を多く入れるほど、残留磁束密度(Br)が向上した。これは、潤滑剤の粒径が細かいほど、また、潤滑剤を多く入れるほど、潤滑剤の分散が良くなり、磁気配向が容易になることによる。ただし、潤滑剤の粒径が2μm未満になるとその効果は減少する。
以上の図4図5に示す結果より、潤滑剤の粒径は、5μm以上とすることが好ましい。

0039

図6は、図3の成形体強度と、図5の磁気特性との関係を示すものである。
図6に示すように、より細かい粒径の潤滑剤を用いた方が、より高い磁気特性と成形体強度を併せ持つことが確認された。つまり、ある磁気特性(Br)を満足したいとき、より細かい潤滑剤を使えばその添加量をより少なくすることができ、その結果、より高い成形体強度が得られることが明らかである。

0040

このようにして、微粉砕工程で、所定以下の粒径とした細かい潤滑剤を添加することで、粉砕工程における原料合金の粉砕性、および磁場中成形工程における原料粉の配向性を確保したうえで、成形体の強度、および最終的に得られる焼結磁石の磁気特性を高いものとすることが可能となる。言い換えれば、従来より少ない量の潤滑剤で、従来と同等の成形体強度、あるいは磁気特性を得ることが可能となることが判明した。

0041

実施例1と同様にして粗粉砕粉末を作製した。粗粉砕粉末に潤滑剤(粉砕助剤)として、表2に示す化合物Aと化合物Bをそれぞれ0.05wt%づつ、または化合物A、化合物Bを各々0.1wt%添加した。なお、潤滑剤(化合物A、化合物B)は、いずれも粒径が300μm未満である。次いで、気流式粉砕機を使用して高圧窒素ガス雰囲気中で平均粒径D50=4.1μmとなるように微粉砕を行い、希土類合金粉を得た。

0042

0043

得られた微粉砕粉末を磁場中成形し、所定の形状の成形体を得た。磁場中成形では、微粉砕粉末を15kOeの磁場中において、成形圧150MPaで成形した。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。成形体の寸法は、20mm×18mm×6.5mm(成形体a)と20mm×18mm×13mm(成形体b)との2種類を得た。そして成形体aを用いて成形体強度を実施例1と同様にして測定した。その結果を表3に示す。

0044

成形体bを1030℃で4時間焼結した後、900℃で1時間、530℃で1時間の時効処理を行った。得られた焼結体表面を研削直方体試料とした。この試料を、BHトレーサを用いて磁気特性を評価した。その結果を表2に示す。

0045

表2に示すように、化合物Aのみを添加した場合、成形体強度は1.05MPa以上であったが、Brは13.2kGを下回り、化合物Bのみを添加した場合、Brは13.2kGを上回ったが成形体強度が0.9MPaを下回った。すなわち、化合物Aのみを添加した場合には、高い成形体強度を得ることができるものの磁気特性が低く、化合物Bのみを添加した場合には、高い時期特性が得られるものの成形体強度が低くなった。
これに対し、化合物A、化合物Bの双方を添加した場合、Brは13.2kGを上回り、成形体強度も1.05MPaを上回った。すなわち、化合物A、化合物Bを複合添加することで、高い成形体強度と高い磁気特性を兼ね備えることができることが確認された。しかも、得られる成形体強度、磁気特性は、化合物Aを単独添加した場合の成形体強度、化合物Bを単独添加した場合の磁気特性と同等以上であることがわかる。

0046

潤滑剤として、化合物Aのステアリン酸アミドと化合物Bのステアリン酸の混合比率を表3に示す割合で混合し、合計0.1wt%となるように添加した以外は実施例2と同様にして試料を作製し、成形体と焼結磁石を得て、強度および磁気特性の評価を行った。結果を表3に示す。

0047

0048

表3に示すように、化合物Bの配合比が75%以上となると、成形体強度が1.05MPaを下回る。したがって、化合物Aと化合物Bの混合比率は重量ベースで9:1〜1:2となるように混合するのが好ましいと言える。また、13.25kG以上という高いBrが得られることから、化合物Aと化合物Bの混合比率のさらに好ましい範囲は、9:1〜1:1、特に好ましいのはほぼ1:1である。

0049

潤滑剤として、化合物Aのステアリン酸アミドと化合物Bのステアリン酸の混合比率を1:1とし、添加量を表4に示す量として添加した以外は実施例2と同様にして試料を作製し、成形体と焼結磁石を得て、強度および磁気特性の評価を行った。結果を表4に示す。

0050

0051

表4に示すように、化合物Aと化合物Bがほぼ1:1で混合される場合、潤滑剤の添加量が合計で0.075〜0.1wt%の範囲で、Brが13.2kG以上であり、かつ成形体強度が1.05MPaとなることがわかる。これにより、化合物Aと化合物Bがほぼ1:1で混合される場合、潤滑剤の添加量は合計で0.075〜0.1wt%とすることが好ましいと言える。

0052

潤滑剤として、化合物Aのステアリン酸アミドと化合物Bのステアリン酸の粒径を表6に示す粒径のものを用い、ステアリン酸アミドとステアリン酸の混合比率を1:1、合計添加量を0.1wt%として添加した以外は実施例2と同様にして試料を作製し、成形体と焼結磁石を得て、強度および磁気特性の評価を行った。結果を表5に示す。

0053

0054

表5に示すように、潤滑剤の粒径が1000μm以下であればBrが13.25kG以上となり、また潤滑剤の粒径が100μm以上であれば成形体強度が1.10以上となることがわかる。このように、潤滑剤の粒径(平均粒径)を小さくすることで、磁気特性、成形体強度ともに特に高めることができることが確認された。

0055

原料合金粗粉に添加する潤滑剤としてステアロイドエチルステアレートを0.1wt%添加した以外は実施例2と同様に試料を作製して成形体と焼結磁石を得て評価を行った。得られた結果を表6に示す。

0056

0057

表6に示すように、ステアロイドエチルステアレートを添加した場合においても、実施例2〜5に示したように化合物A、Bを複合添加した場合と同様、Brが13.2kG以上であり、かつ成形体強度が1.05MPaとなることが確認された。

0058

このように、微粉砕工程において原料合金に潤滑剤を添加することで、粉砕工程における原料合金の粉砕性や磁場中成形工程における粉砕粉の配向性を確保しつつ、成形体の強度が高く、さらに最終的に得られる焼結磁石の磁気特性が高いものを得ることができた。

図面の簡単な説明

0059

本実施の形態における潤滑剤粒子を示す写真であり、(a)は粒径425μm以上の潤滑剤粒子、(b)は粒径100μm未満の潤滑剤粒子の写真である。
潤滑剤粒子の粒径を変化させたときの、潤滑剤添加量と微粉砕粉末の粒径の関係を示す図である。
同、潤滑剤添加量と成形体強度の関係を示す図である。
同、潤滑剤添加量と焼結体炭素量の関係を示す図である。
同、潤滑剤添加量と磁気特性の関係を示す図である。
同、磁気特性と残留磁束密度(Br)の関係を示す図である。
成形体の抗折強度の測定方法を示す図である。

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