図面 (/)

技術 セラミックススペーサおよび平面型表示装置

出願人 ソニー株式会社
発明者 田中正長
出願日 2004年7月28日 (16年5ヶ月経過) 出願番号 2004-219585
公開日 2006年2月9日 (14年10ヶ月経過) 公開番号 2006-040740
状態 特許登録済
技術分野 陰極線管用うつわ,導入線,付属装置 各種表示用陰極線管と蛍光面
主要キーワード 平均粒径φ アルミナ平均粒径 材料粒 抵抗値低下 チタニウム酸化物 アレニウスの式 製品信頼性 アルミナ粒
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年2月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

平面型表示装置におけるパネル間ギャップを確保するためのセラミックススペーサの特性を安定させること。

解決手段

本発明は、一対のパネル11、12間のギャップを設定する構造体であり、主成分となるセラミックス導電性付与材料が添加されたセラミックススペーサ10において、セラミックスの平均粒径が0.35μm以上、5μm以下となっているものである。また、セラミックスの平均粒径として、このセラミックスの抵抗特性における温度依存性と平均粒径との関係から温度依存性が8%/℃以下となり、しかも構造体が一対のパネル11、12間でギャップを設定するのに必要な耐加圧を満たす値となっているものである。また、このセラミックススペーサ10を用いた平面型表示装置1である。

概要

背景

平面型表示装置の一つであるFED(Field Emission Display)は、一対のパネルである発光部(フェースプレート)と電子線供給部(カソードプレート)との間隔を適正に保つために、スペーサが配置されている。このスペーサは、適度に導電性をもつことが望まれ、半導体セラミックスを用い方法等が知られている(例えば、特許文献1参照)。

特表2003−524280号公報

概要

平面型表示装置におけるパネル間ギャップを確保するためのセラミックススペーサの特性を安定させること。本発明は、一対のパネル11、12間のギャップを設定する構造体であり、主成分となるセラミックス導電性付与材料が添加されたセラミックススペーサ10において、セラミックスの平均粒径が0.35μm以上、5μm以下となっているものである。また、セラミックスの平均粒径として、このセラミックスの抵抗特性における温度依存性と平均粒径との関係から温度依存性が8%/℃以下となり、しかも構造体が一対のパネル11、12間でギャップを設定するのに必要な耐加圧を満たす値となっているものである。また、このセラミックススペーサ10を用いた平面型表示装置1である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

一対のパネル間ギャップを設定する構造体であり、主成分となるセラミックス導電性付与材料が添加されたセラミックススペーサにおいて、前記セラミックスの平均粒径が0.35μm以上、5μm以下となっていることを特徴とするセラミックススペーサ。

請求項2

一対のパネル間のギャップを設定する構造体であり、主成分となるセラミックスに導電性付与材料が添加されたセラミックススペーサにおいて、前記セラミックスの平均粒径として、このセラミックスの抵抗特性における温度依存性と平均粒径との関係から前記温度依存性が8%/℃以下となり、しかも前記構造体が前記一対のパネル間でギャップを設定するのに必要な耐加圧を満たす値となっていることを特徴とするセラミックススペーサ。

請求項3

前記セラミックスはアルミナから成ることを特徴とする請求項1記載または2記載のセラミックススペーサ。

請求項4

前記導電性付与材料はモリブデンから成ることを特徴とする請求項1記載または2記載のセラミックススペーサ。

請求項5

前記導電性付与材料はチタニウム酸化物から成ることを特徴とする請求項1記載または2記載のセラミックススペーサ。

請求項6

前記導電性付与材料として、ニオブ酸化物タングステン酸化物ニッケル酸化物アルミニウム窒化物マグネシウム酸化物ベリリウム酸化物のうち、少なくとも1種類が含まれることを特徴とする請求項1記載または2記載のセラミックススペーサ。

請求項7

請求項1〜請求項6に記載のセラミックススペーサを用いることを特徴とする平面型表示装置

請求項8

請求項1〜請求項6に記載のセラミックススペーサを用い、前記一対のパネルの一方を発光側パネル、他方を電子線供給側パネルとすることを特徴とする平面型表示装置。

技術分野

0001

本発明は、一対のパネル間ギャップを設定する構造体を有するセラミックススペーサおよび平面型表示装置に関する。

背景技術

0002

平面型表示装置の一つであるFED(Field Emission Display)は、一対のパネルである発光部(フェースプレート)と電子線供給部(カソードプレート)との間隔を適正に保つために、スペーサが配置されている。このスペーサは、適度に導電性をもつことが望まれ、半導体セラミックスを用い方法等が知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

特表2003−524280号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、スペーサの材料として用いられる半導体セラミックスは、一般に抵抗特性が温度に依存する。この依存性が大きすぎると以下の問題が発生する。
(1)低温抵抗が高くなりすぎ、スペーサ表面チャージアップが発生。スペーサ周囲電子ビーム軌道を変化させ、画像上に特異点を生じる。
(2)高温:抵抗が低下→発熱量上昇→更に温度上昇→抵抗が更に低下…というスパイラル、いわゆる熱暴走に陥りやすくなる。

0005

上記の観点から、FEDに用いるセラミックススペーサの温度依存性は極力低いことが望まれるが、従来のセラミックススペーサにおいては適正な温度依存性を考慮した材料の設定は行われておらず、特性(温度依存性)のばらつきを起こす原因となっている。したがって、このようなセラミックススペーサを用いて平面型表示装置を製造すると、上記のような低温側、高温側での問題が発生し、品質の低下や故障を招いてしまうことになる。

課題を解決するための手段

0006

本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、一対のパネル間のギャップを設定する構造体であり、主成分となるセラミックス導電性付与材料が添加されたセラミックススペーサにおいて、セラミックスの平均粒径が0.35μm以上、5μm以下となっているものである。また、セラミックスの平均粒径として、このセラミックスの抵抗特性における温度依存性と平均粒径との関係から温度依存性が8%/℃以下となり、しかも構造体が一対のパネル間でギャップを設定するのに必要な耐加圧を満たす値となっているものである。また、本発明は、このセラミックススペーサを用いた平面型表示装置である。

0007

このような本実施形態では、セラミックスの平均粒径を制御することでセラミックスの温度依存性を実用上十分な値に抑制できるとともに、構造体がパネル間キャップを設定するのに必要な耐加圧を満たすセラミックススペーサを安定して提供できるようになる。

発明の効果

0008

したがって、本発明によれば次のような効果がある。すなわち、抵抗の温度依存性が低減されたセラミックススペーサを提供することが可能となる。また、低温下でのスペーサのチャージアップを低減することができるとともに、高温下での抵抗値低下による平面型表示装置の熱暴走を抑制することが可能となる。さらに、セラミックスススペーサを作製する前からセラミックスの平均粒径を制御することで、必要な温度依存特性のスペーサを容易に設計できるようになる。これらによって、温度特性の安定した平面型表示装置を高品質で提供することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1は、本実施形態に係るセラミックススペーサを用いる平面型表示装置の概略構成を説明する分解斜視図である。この平面型表示装置1は、主としてFED(Field Emission Display)からなるもので、第1のパネル11と第2のパネル12とが真空層を挟んで対向して配置され、第1のパネル11と第2のパネル12とのギャップを一定にするため、パネル周縁部に枠体13が設けられている。また、パネル中央部分となる有効領域S(図中斜線領域)でのギャップを一定に保つため、有効領域S内に本実施形態のセラミックススペーサ10が配置されている。セラミックススペーサ10は薄板状の構造体であり、高さ方向はパネル間ギャップと等しく、複数個が所定の間隔で配置されている。

0010

FEDから成る平面型表示装置1では、例えば第1のパネル11を発光部(フェースプレート)、第2のパネル12を電子線供給部(カソードプレート)として構成し、両パネル間に高電圧印加される。カソードプレートとなる第2のパネル12の有効領域Sには微小電子線放出素子マトリクス状に複数形成されており、各電子線放出素子から出射される電子線がフェースプレートである第1のパネル11の有効領域Sに設けられた画素毎の蛍光体照射され、蛍光体の発光によって画像を表示することになる。

0011

FEDからなる平面型表示装置1に用いられるセラミックススペーサ10としては、パネル間のギャップを的確に保つために必要な耐加圧を満たす構造体であることはもちろん、パネル間に印加される高電圧の影響を考慮して、適度な導電性を持つことも望まれている。したがって、セラミックススペーサ10に導電性を持たせるため、主成分となるセラミックスに所定の導電性付与材料を添加している。

0012

ここで、導電性付与材料を添加したセラミックスには一般的に抵抗特性が温度に依存する温度依存性(以下、「TCR」と言う。)が存在する。このTCRが大きすぎると、低温側では抵抗値が高くなりすぎ、スペーサ表面のチャージアップが発生し、スペーサ周囲の電子ビームの軌道を変化させ、画像上に特異点を生じさせるという問題が生じる。また、高温側では抵抗値が低下して発熱量が上昇し、更に温度上昇、抵抗の更なる低下…というスパイラルが発生し、いわゆる熱暴走に陥りやすくなるという問題が生じる。

0013

本実施形態では、このような低温側、高温側、両方での問題を発生させないようにするため、平面型表示装置1のパネル間ギャップを設定するセラミックススペーサ10のTCRを制御し、平面型表示装置1に用いた場合の製品信頼性および品質を向上させる点に特徴がある。

0014

具体的には、TCRがセラミックスの平均粒径に依存すること、およびセラミックスの平均粒径は、セラミックスに添加される導電性付与材料の粒径相関関係があることを利用して、セラミックスのTCRを制御している。

0015

なお、TCRの値は、次のように算出される式で求めることができる。

0016

一般に半導体セラミックスの体積固有抵抗率Rは近似的に、温度Tに対して、アレニウスの式に従って変化することが知られている。
アレニウスの式:R=A*exp(B/T)
ここで、AとBは半導体セラミックスに固有常数で、実験的に求められる値である。

0017

一方で、温度による抵抗の変化率:TCRは、以下の式で表わせる。
TCR=(dR/dT)*(1/R)

0018

このRに、前述のアレニウスの式を適用すると、TCRは以下のようになる。
TCR=B/T^2

0019

この式が示す様に、実験により近似の常数Bを求めれば、ある温度におけるTCRを求めることができる。

0020

なお、本件ではTCR算出に、T=273Kを用いた。

0021

図2は、セラミックススペーサの主成分であるセラミックスとして用いられるアルミナ(Al2O3)に導電性付与材料である酸化チタン(TiO2)とモリブデン(Mo)を添加した場合のTCRとアルミナ平均粒径との関係を示す図である。この図のように、アルミナの平均粒径が大きくなるほどTCRが小さくなることが分かる。

0022

FEDから成る平面型表示装置のセラミックススペーサとして求められるTCRは、いかなる駆動条件であっても8%/℃を上回ると、上記のような低温側での問題および高温側の問題を解決することが極めて困難となるか、全く解決できないことが想定される。したがって、図2に示す関係より、TCRが8%/℃以下となるアルミナの平均粒径0.35μmをアルミナの平均粒径の下限としている。

0023

さらに、駆動エネルギーを45W程度と想定すると、高温の問題(熱暴走)を解決するためには、TCRは6.1%/℃以下(常温下の比抵抗5.7GΩ・cm以上)にする必要があることが確認されている。したがって、この条件を満足するためにはアルミナの平均粒径を1.5μm以上にする必要がある。

0024

また、さらに高い駆動エネルギー下でも問題を解決する、あるいは、設計製造許容量を増すためには、TCRを5%/℃以下にすることが望ましい。これを実現させるには、アルミナの平均粒径を2.1μm以上にすれば良い。

0025

一方で、アルミナの平均粒径が大きくなりすぎると、セラミックスの焼結密度が下がることにより、セラミックススペーサとしての構造体の強度や絶縁性欠陥が生じてしまう。そこで、アルミナの平均粒径は5μmを超えないようにすることが必要となる。

0026

上記のような値にアルミナの平均粒径を制御するため、本実施形態ではアルミナに添加する導電性付与材料の材料粒径を制御している。図3は、導電性付与材料であるモリブデン(Mo)の平均粒径とアルミナ(Al2O3)の平均粒径との関係を示す図である。このように、モリブデンの平均粒径とアルミナの平均粒径には正の相関関係があることが分かる。

0027

一般に複合材料焼成において、第1相の平均粒径が、第2相の平均粒径と体積率相関をもつ、Zenerの関係に従う場合がある。

0028

Zenerの関係の引用文献としては、C.S.Smith:Trans.Metall.Soc.AIME,175,15-51(1948)が挙げられる。

0029

Zenerの関係によれば、第1相の平均粒径Gが次式に従う。
Zenerの関係:G=k*rp/fp
ここで、G:第1相(本実施形態ではAl2O3)の平均粒径、k:常数、rp:第2相(本実施形態ではMo)の平均粒径、fp:第2相(本実施形態ではMo)の体積率である。

0030

なお、この関係に従うものであれば、第2相の素材は、モリブデンに限定されることはない。第2相は、チタニウム酸化物ニオブ酸化物タングステン酸化物ニッケル酸化物アルミニウム窒化物マグネシウム酸化物ベリリウム酸化物であっても良い。

0031

本実施形態では、上記の関係に基づき添加する導電性付与材料の粒径制御によってセラミックスの平均粒径を調整できるため、設計の段階から完成後のセラミックスの平均粒径を制御できることになる。

0032

次に、本実施形態で適用する材料の平均粒径の求め方について説明する。先ず、図4に示すように、セラミックスの表面を、SEM走査型電子顕微鏡)を用いて写真撮影する。SEMの反射電子像では重い元素ほど明るく見えるため、写真コントラストから各粒子材質判別することができる。図4では、セラミックスとしてアルミナ(Al2O3)、導電性付与材料として酸化チタン(TiO2)およびモリブデン(Mo)が写し出されている。

0033

次に、このSEM写真の画像を解析して、平均粒径を求める。本実施形態では、市販の画像処理解析ソフトウェア(例えば、株式会社ニレコ製、”LUZEXAPver1.30”)を用いて平均粒径の算出を行う。例えば、アルミナ粒子の平均粒径を求める場合、次のような手順で処理する。なお、モリブデン等の平均粒径も同様に求めることができる。

0034

先ず、SEM写真の画像のコントラストからアルミナ粒子のみを選択する。図5は、SEM写真からアルミナ粒子のみが選択された場合の画像を示している。次に、選択した粒子の面積を求め、次の式に基づいて粒径φに換算する。

0035

φ=√(4・S/π)
ここで、Sは各粒子の面積である。

0036

次いで、上記の式によって各々のアルミナ粒子の粒径φを求め、平均粒径を算出する。なお、粒径は図6に示すような対数軸に対して正規分布となる場合が多い。そこで、平均粒径を求める時には、データを対数化してから平均値をとり、その結果を通常の粒径の単位を持った値に戻すようにする。すなわち平均粒径φ'は以下のように表わされる。
φ'=10^(Σlogφ/n)
ここで、n:アルミナ粒子の総数、Σlogφ:全てのアルミナ粒径を対数化した値の総和を示す。

0037

例えば、解析範囲に3つの粒子があり、それぞれの粒径が1μm、2μm、4μmであったとすると、平均粒径φ’は以下のようになる。

0038

φ’=10a、ここで、a=(log1+Log2+log4)/3=0.30103
したがって、φ’=100.30103=2μmとなる。

0039

以上説明したように、セラミックスの平均粒径を制御することで設計の段階からTCRをFEDに対して実用上十分な値に抑制でき、また、セラミックススペーサの構造体としてパネル間キャップの設定に必要な耐加圧を満たすよう設計することが可能となる。これにより、セラミックススペーサを安定して提供できるようになる。なお、本実施形態のセラミックススペーサは、FED以外の平面型表示装置であってもパネル間に高電圧が印加されるスペーサであれば適用可能である。また、セラミックスとしてはアルミナ以外のものであっても適用可能である。

図面の簡単な説明

0040

本実施形態に係るセラミックススペーサを用いる平面型表示装置の概略構成を説明する分解斜視図である。
セラミックスのTCRとアルミナ平均粒径との関係を示す図である。
モリブデン(Mo)の平均粒径とアルミナ(Al2O3)の平均粒径との関係を示す図である。
セラミックス表面のSEM写真を示す図である。
SEM写真の画像からアルミナ粒子を選択した状態を示す図である。
平均粒径の求め方を説明する図である。

符号の説明

0041

1…平面型表示装置、10…セラミックススペーサ、11…第1のパネル、12…第2のパネル、13…枠体

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ