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技術 気象予測システム及び気象予測方法

出願人 株式会社東芝
発明者 水谷文彦和田将一
出願日 2004年7月26日 (14年1ヶ月経過) 出願番号 2004-217608
公開日 2006年2月9日 (12年7ヶ月経過) 公開番号 2006-038583
状態 特許登録済
技術分野 気象学 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 品質管理処理 同化処理 データ同化 モデル領域 気象予測システム 風速ベクトル 地域気象観測システム 予測対象地域
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年2月9日)のものです。
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図面 (4)

課題

雨水量レーダデータ同化を終了した後に予測計算を継続しても、モデル領域内での降雨状況模擬し続けられるようにする。

解決手段

気象予測モデルに対して雨水量のレーダデータ同化を行って雨水量を算出した後(S21)、モデル領域内のある定義点の周囲に同化された雨水量が既定値以上存在する(水蒸気豊富に存在する)かどうかの水蒸気量の推定計算を行い(S22)、周囲にレーダ同化された雨水が存在するか否かを判定する(S23)。この判定で、雨水が存在すると判定された場合には、水蒸気ボーガスを作成してモデル内にデータ同化する(S24)。これにより、モデル領域内でレーダデータ同化された雨水が直ちに落下しても、空中に漂う水蒸気をモデル領域に残すことができる。降雨地点は周囲も含めて擾乱が激しいので、その水蒸気が凝結してや雨を生成することが期待され、モデル領域内で「雨を降り続かせる」ことが可能になる。

概要

背景

現在、水平領域500kmの気象予測モデルでは、水平領域が数千kmの広域気象予測モデルの予測データ初期値として計算を実行している。また、気象レーダにおいて観測される雨水量風速ベクトルデータ同化して将来の予測計算を行うオプションが付加されている(例えば特許文献1参照)。

ところで、上記気象レーダの雨水量データを気象予測モデルにデータ同化して予測計算の実験多岐に渡って行った結果、レーダデータ同化期間内での雨水量予測アメダスAMeDAS:Automated Meteorological Data Acquisition System地域気象観測システム雨量データとよい一致をみせることが多い。しかしながら、レーダデータ同化を終了した後にそのまま予測計算を続けると、モデル内で現れていた雨が直ちにやんでしまい、観測との一致が見られなくなる現象が生じている。
特開2003−090888号公報

概要

雨水量のレーダデータ同化を終了した後に予測計算を継続しても、モデル領域内での降雨状況模擬し続けられるようにする。気象予測モデルに対して雨水量のレーダデータ同化を行って雨水量を算出した後(S21)、モデル領域内のある定義点の周囲に同化された雨水量が既定値以上存在する(水蒸気豊富に存在する)かどうかの水蒸気量の推定計算を行い(S22)、周囲にレーダ同化された雨水が存在するか否かを判定する(S23)。この判定で、雨水が存在すると判定された場合には、水蒸気ボーガスを作成してモデル内にデータ同化する(S24)。これにより、モデル領域内でレーダデータ同化された雨水が直ちに落下しても、空中に漂う水蒸気をモデル領域に残すことができる。降雨地点は周囲も含めて擾乱が激しいので、その水蒸気が凝結してや雨を生成することが期待され、モデル領域内で「雨を降り続かせる」ことが可能になる。

目的

本発明は上記の問題を解決し、雨水量のレーダデータ同化を終了した後に予測計算を継続しても、モデル内での降雨状況を模擬し続け、これによって雨水量に関して高精度な予測が可能な気象予測システム及び気象予測方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

気象予測モデル気象レーダ雨水量データ同化する雨水量同化手段と、前記雨水量データ同化の結果、周囲に同化された雨水量が既定値以上存在する地点を判定する判定手段と、前記雨水量が既定値以上存在する地点について水蒸気ボーガスを作成して前記気象予測モデル内に同化する水蒸気ボーガス同化手段とを具備し、前記水蒸気ボーガス同化手段は、前記雨水量が既定値以上存在する地点についてデータ同化前のモデル内で表現されている水蒸気量と同点の気温気圧で求められる飽和水蒸気量とを比較しナッシング処理して飽和水蒸気量に近づけることを特徴とする気象予測システム

請求項2

前記ナッシング処理は、qvassim = qvmod * (1-alpha) + qvsat * alphaqvassim:同化後の水蒸気量(未知量)qvmod:同化前の(モデルで計算される)水蒸気量(既知量)qvsat:定義点の飽和水蒸気量(既知量)alpha:重み付けパラメータ(0<alpha<1)により同化後の水蒸気量をqvassim を求めることを特徴とする請求項1記載の気象予測システム。

請求項3

前記ナッシング処理を実行するために、水蒸気量同化を行う際に周囲のレーダ同化された雨水の検索範囲検索する雨水量のしきい値、水蒸気量同化の際の重み付けパラメータを予め決定しておくことを特徴とする請求項2記載の気象予測システム。

請求項4

気象予測モデルに気象レーダの雨水量データを同化する雨水量同化ステップと、前記雨水量データ同化の結果、周囲に同化された雨水量が既定値以上存在する地点を判定する判定ステップと、前記雨水量が既定値以上存在する地点について水蒸気ボーガスを作成して前記気象予測モデル内に同化する水蒸気ボーガス同化ステップとを具備し、前記水蒸気ボーガス同化ステップは、前記雨水量が既定値以上存在する地点についてデータ同化前のモデル内で表現されている水蒸気量と同点の気温と気圧で求められる飽和水蒸気量とを比較しナッシング処理して飽和水蒸気量に近づけることを特徴とする気象予測方法。

請求項5

前記ナッシング処理は、qvassim = qvmod * (1-alpha) + qvsat * alphaqvassim:同化後の水蒸気量(未知量)qvmod:同化前の(モデルで計算される)水蒸気量(既知量)qvsat:定義点の飽和水蒸気量(既知量)alpha:重み付けパラメータ(0<alpha<1)により同化後の水蒸気量をqvassim を求めることを特徴とする請求項4記載の気象予測方法。

請求項6

前記ナッシング処理を実行するために、水蒸気量同化を行う際に周囲のレーダ同化された雨水の検索範囲、検索する雨水量のしきい値、水蒸気量同化の際の重み付けパラメータを予め決定しておくことを特徴とする請求項5記載の気象予測方法。

技術分野

背景技術

0002

現在、水平領域500kmの気象予測モデルでは、水平領域が数千kmの広域気象予測モデルの予測データ初期値として計算を実行している。また、気象レーダにおいて観測される雨水量風速ベクトルデータ同化して将来の予測計算を行うオプションが付加されている(例えば特許文献1参照)。

0003

ところで、上記気象レーダの雨水量データを気象予測モデルにデータ同化して予測計算の実験多岐に渡って行った結果、レーダデータ同化期間内での雨水量予測はアメダスAMeDAS:Automated Meteorological Data Acquisition System地域気象観測システム雨量データとよい一致をみせることが多い。しかしながら、レーダデータ同化を終了した後にそのまま予測計算を続けると、モデル内で現れていた雨が直ちにやんでしまい、観測との一致が見られなくなる現象が生じている。
特開2003−090888号公報

発明が解決しようとする課題

0004

以上述べたように、従来の気象レーダの雨水量データを利用した気象予測モデルによる気象予測システムでは、レーダデータ同化を終了した後にそのまま予測計算を続けると、モデル内で現れていた雨が直ちにやんでしまい、観測との一致が見られなくなる現象が生じている。

0005

本発明は上記の問題を解決し、雨水量のレーダデータ同化を終了した後に予測計算を継続しても、モデル内での降雨状況模擬し続け、これによって雨水量に関して高精度な予測が可能な気象予測システム及び気象予測方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記問題を解決するために、本発明に係る気象予測システム及び気象予測方法は、気象予測モデルに気象レーダの雨水量データを同化する雨水量同化手段(ステップ)と、前記雨水量データ同化の結果、周囲に同化された雨水量が既定値以上存在する地点を判定する判定手段(ステップ)と、前記雨水量が既定値以上存在する地点について水蒸気ボーガスを作成して前記気象予測モデル内に同化する水蒸気ボーガス同化手段(ステップ)とを具備し、前記水蒸気ボーガス同化手段(ステップ)は、前記雨水量が既定値以上存在する地点についてデータ同化前のモデル内で表現されている水蒸気量と同点の気温気圧で求められる飽和水蒸気量とを比較しナッシング処理して飽和水蒸気量に近づけることを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明によれば、雨水量のレーダデータ同化を終了した後に予測計算を継続しても、モデル内での降雨状況を模擬し続け、これによって雨水量に関して高精度な予測が可能な気象予測システム及び気象予測方法を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。

0009

図1は本発明が適用される気象予測システムの概略構成を示すブロック図である。図1において、通信処理部11は、通信インターフェース12を通じてネットワークNTに接続され、当該ネットワーク上の例えば気象庁等の気象データサーバDS0から配信される全国規模気象観測データ(以下GPV(Grid Point Value)データと記す)と、予測対象地域及びその周辺レーダサイト等のデータサーバDS1,DS2,…から提供される局所的な気象観測データを入手する。この通信処理部11で入手された気象観測データは観測データ格納部13に格納され、気象予測モデル演算部14からの要求に応じて選択的に演算部14に送られる。また、この演算部14で求められた気象予測データは予測データ格納部15に蓄積される。

0010

上記気象予測モデル演算部14は、まず観測データ格納部13からGPVデータを取り込んで初期値とし、気象予測モデルを演算した後、レーダサイト等の局所的な気象観測値を観測値格納部13から取り込んで気象予測モデルの空間格子点に内挿し、データ同化処理を行って予測値補正を行う。補正後の予測値(予測データ)は予測データ格納部15に格納される。次に、予測データ格納部15から前回の計算された予測データを取り込み、これを初期値として気象予測モデルを演算する。以後、新たなGPVデータが得られるまで、補正後の予測値を初期値として用い、気象予測モデルを更新する。

0011

上記気象予測モデル演算部14のデータ同化処理の流れを図2に示す。図2において、まず観測値と予測値を取り込み、品質管理処理を行う(S11)。ここでは、観測値と予測値を比較することにより、品質の悪いデータを同化から除外する。

0012

次に、観測値と予測値の統計的な誤差特性をもとに別途計算された内挿重み算出値を用いて、品質管理後の観測値を空間的に気象予測モデルの格子点に内挿する(S12)。このとき、最初のモデル計算では、初期値にGPVデータを用い、次のモデル計算からは補正後の予測データを用いる。

0013

内挿重み算出処理後、データ同化処理を行う(S13)。このデータ同化処理は、内挿した結果を数値モデルに時間的に連続して取り込む。予測値とこの内挿した観測値を比較し、予測値を補正する。

0014

上記システムにおいて、気象レーダの雨水量データをデータ同期して予測計算を行った場合、データ同化期間内での雨水量予測は実際の観測データとほぼ一致した値が得られるが、データ同期を終了した後にそのまま予測計算を続けると、モデル内で現れていた雨が直ちに止んでしまい、観測との一致がみられなくなってしまう。

0015

この要因としていくつか考察されるが、「雨水量のみをデータ同化しており、雨を生成する水蒸気をデータ同化していない」ことがデータ同化終了後に直ちに雨が止んでしまう主要因であると考えられる。すなわち、雨水量のみをデータ同化したとしても、雨水は有意な落下速度を持ち、直ちに地表落ちてしまうことにより、落下後はモデル内に殆ど影響を及ぼさないと考えられ、その後もモデル内で「雨を降り続かせる」ためには、雨水を作る物質、つまり水蒸気が欠かせないと考えられる。

0016

そこで、水蒸気量同化を目的として様々な試みを行ったが、水蒸気の生の観測データを手に入れてモデルにデータ同化することは問題が多い。特に、GPS(Global Positioning System:衛星測位システム)衛星等による水蒸気データの同化手法は、データ蓄積を行っているが、実運用のためのルーチンデータを入手できないため、現状では非常に難しい。そこで、本発明は「気象レーダデータを用いた水蒸気ボーカス」を提案する。この「水蒸気ボーカス」とは、レーダデータから水蒸気量を推定し、モデル内にデータ同化することを意味する。以下、図3に本発明に係る水蒸気ボーカスを用いた水蒸気量データ同化処理のフローチャートを示してその処理内容を説明する。

0017

まず、気象レーダにおける雨水量のデータ同化を行うことで、同化される雨水量を算出する(S21)。雨水量データの同化を行った後、水蒸気量の推定計算を行う(S22)。この「水蒸気量の推定計算」は、モデル計算領域内のある定義点の周囲に同化された雨水量が既定値以上存在すれば、その点では周囲の雨水を生成した水蒸気が飽和水蒸気量を上限として豊富に存在するという考えを基本とする。

0018

水蒸気量の推定計算の結果、周囲にレーダ同化された雨水が存在するか否かを判定する(S23)。この判定で、存在しない場合にはそのまま雨水量データ同化処理を終了する。存在すると判定された場合には、水蒸気ボーガスを作成してモデル内にデータ同化する(S24)。

0019

具体的には、その定義点においてデータ同化前のモデル内で表現されている水蒸気量と同点の気温と気圧で求められる飽和水蒸気量とを比較し、以下の式を用いてナッシングすることで飽和水蒸気量に近づける、つまり水や雨水を生成しやすくする推定方法をとる。

0020

qvassim = qvmod * (1-alpha) + qvsat * alpha
qvassim:同化後の水蒸気量(未知量)
qvmod :同化前の(モデルで計算される)水蒸気量(既知量)
qvsat :定義点の飽和水蒸気量(既知量)
alpha :重み付けパラメータ(0<alpha<1)
但し、上記の方法では、以下の3点をパラメータ実験によって予め決定する必要がある。
・水蒸気量同化を行う際に周囲のレーダ同化された雨水の検索範囲
検索する雨水量のしきい値
・水蒸気量同化の際の「重み付けパラメータ」
上記の処理を実行することにより、レーダデータ同化された雨水は直ちに落下してモデル領域内に影響を残さないが、空中に漂う水蒸気をモデル領域に残すことができる。雨が降っている地点は周囲も含めて擾乱激しく、水蒸気量を同化させることによりよ、その水蒸気が凝結し、雲や雨を生成することが期待される。これにより、モデル内で「雨を降り続かせる」ことが可能になると考えられる。

0021

したがって、上記構成による気象予測システムでは、雨水量のレーダデータ同化を終了した後に予測計算を継続しても、モデル内での降雨状況を模擬し続けることができ、これによって雨水量に関して高精度な予測が可能となる。

0022

尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

図面の簡単な説明

0023

本発明が適用される気象予測システムの概略構成を示すブロック図。
図1のシステムの気象予測モデル演算部のデータ同化処理の流れを説明するためのフローチャート。
図1のシステムに適用される、本発明の特徴となる水蒸気量のデータ同化処理過程を説明するためのフローチャート。

符号の説明

0024

11…通信処理部、
12…通信インターフェース、
13…観測データ格納部、
14…気象予測モデル演算部、
15…予測データ格納部、
NT…ネットワーク、
DS0…気象データサーバ、
DS1,DS2…レーダサイトデータサーバ。

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