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技術 制震ブロック壁構造

出願人 株式会社竹中工務店
発明者 池田崇伊東正宿里勝信三谷貴志宮内靖昌金子洋文
出願日 2004年7月28日 (16年6ヶ月経過) 出願番号 2004-220096
公開日 2006年2月9日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2006-037548
状態 特許登録済
技術分野 耐力壁、カーテンウオール 異常な外部の影響に耐えるための建築物 防振装置
主要キーワード 伝達治具 鋼製ブロック 鋼板ブロック 補強箇所 接合鋼板 ブロック壁 新築建物 ガゼットプレート
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

建物の柱・梁架構の面内に、人力運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材とを組み合わせて成るブロック壁が組み込まれた制震ブロック壁構造を提供する。

解決手段

ブロック壁は、人力で運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材との組み合わせで構成されており、上段下段との間の少なくとも一段に低降伏点鋼ブロック部材が配置されている。ブロック壁は、左右の側辺と柱との間に低降伏点鋼ブロック部材が鋼製ブロック部材より大きく変形するのに十分なクリアランスを設けて建物の架構面内に組み込まれ、その上下の辺がそれぞれ梁と接合されている。

概要

背景

建物の柱・梁架構の面内に、耐震壁を組み込んで耐震壁構造とする補強技術は従来から実施されている。

しかし、耐震壁を既存建物架構へ組み込もうとしても、耐震壁として採用される鋼板が一枚ものであると、重量物で大掛かりな揚重機を必要とし、補強箇所が既存建物の外周に限定される問題点を有していた。

そこで、耐震壁を人力運搬可能な大きさにブロック化した鋼製ブロック部材を個々に搬入し、柱・梁架構の面内に前記鋼製ブロック部材から成るブロック壁を組み込んでブロック壁構造とする技術も開発されている(特許文献1、2)。

ところで、最近では耐震壁の一部に履歴系のエネルギー吸収部材低降伏点鋼)を組み込むことで、耐震効果だけでなく、制震効果も発揮させることができる制震壁も開発されている(特許文献3)。

特開平9−144374号公報
特開平11−293950号公報
特開平5−163772号公報

概要

建物の柱・梁架構の面内に、人力で運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材とを組み合わせて成るブロック壁が組み込まれた制震ブロック壁構造を提供する。 ブロック壁は、人力で運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材との組み合わせで構成されており、上段下段との間の少なくとも一段に低降伏点鋼ブロック部材が配置されている。ブロック壁は、左右の側辺と柱との間に低降伏点鋼ブロック部材が鋼製ブロック部材より大きく変形するのに十分なクリアランスを設けて建物の架構面内に組み込まれ、その上下の辺がそれぞれ梁と接合されている。

目的

本発明の目的は、上段と下段の間の少なくとも一段に低降伏点鋼ブロック部材を配置したブロック壁を、左右の側辺と柱との間に前記低降伏点鋼ブロック部材が変形するのに十分なクリアランスを設けて、建物の柱・梁で形成される架構面内に組み込むことで、前記低降伏点鋼ブロック部材を大きく変形させることができる構成とし、大きな制震効果を発揮させることができる、制震ブロック壁構造を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

ブロック壁は、人力運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材との組み合わせで構成されており、上段下段との間の少なくとも一段に前記低降伏点鋼ブロック部材が配置されていること、前記ブロック壁は、左右の側辺と柱との間に前記低降伏点鋼ブロック部材が鋼製ブロック部材より大きく変形するのに十分なクリアランスを設けて建物架構面内に組み込まれ、その上下の辺がそれぞれ梁と接合されていることを特徴とする、制震ブロック壁構造

請求項2

ブロック壁が組み込まれる既存建物架構における上下の内周面にあと施工アンカーが設けられており、この上下の内周面と相対峙するように、フランジスタッドを有するCT鋼材がそのウエブ内方に向けて配置され、架構の内周上面又は内周下面とCT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタルコンクリート等が充填され、前記CT鋼材はブロック壁の上下の固定治具として設けられていること、ブロック壁の上辺は前記上側のCT鋼材のウエブと接合され、下辺は下側のCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする、請求項1に記載した制震ブロック壁構造。

請求項3

ブロック壁が組み込まれる既存建物の下階梁上に間隔をあけて新設柱が構築され、各新設柱の上端部が相互に新設梁で連結され新設架構が形成されていること、前記新設架構における内周上面にスタッドを介してCT鋼材がブロック壁の上側の固定治具として、そのウエブを内方に向けて設けられていること、新設架構における内周下面にあと施工アンカーが設けられ、同下面と相対峙するように、フランジにスタッドを有するCT鋼材がそのウエブを内方に向けて配置され、前記新設架構の内周下面とCT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタル・コンクリート等が充填され、前記CT鋼材はブロック壁の下側の固定治具として設けられていること、ブロック壁の上辺は前記上側のCT鋼材のウエブと接合され、下辺は下側のCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする、請求項1に記載した制震ブロック壁構造。

請求項4

ブロック壁が組み込まれる架構における上下の内周上面及び内周下面にスタッドを介してCT鋼材がブロック壁の上下の固定治具として、そのウエブを内方に向けて設けられていること、ブロック壁の上辺は前記上側のCT鋼材のウエブと接合され、下辺は下側のCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする、請求項1に記載した制震ブロック壁構造。

請求項5

ブロック壁が組み込まれる架構における左右の内周側面と相対峙するように、フランジにスタッドを有し架構の高さと略等しい長さのCT鋼材がそのウエブを内方に向けて配置され、前記架構の内周側面とCT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタル・コンクリート等が充填され、前記CT鋼材はせん断力伝達治具として設けられていること、ブロック壁の左右の辺に、架構の高さと略等しい長さのCT鋼材のウエブが接合されており、同CT鋼材のフランジの上下端部には外方に向けてガゼットプレートが設けられていること、前記ガゼットプレートは、架構に設けたCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した制震ブロック壁構造。

請求項6

ブロック壁が組み込まれる架構における左右の内周側面にスタッドを介して架構の高さと略等しい長さのCT鋼材がせん断力伝達治具として、そのウエブを内方に向けて設けられていること、ブロック壁の左右の辺に、架構の高さと略等しい長さのCT鋼材のウエブが接合されており、同CT鋼材のフランジの上下端部には外方に向けてガゼットプレートが設けられていること、前記ガゼットプレートは、架構に設けたCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする、請求項1又は3若しくは請求項4に記載した制震ブロック壁構造。

技術分野

0001

この発明は、建物の柱・梁架構の面内に、人力運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材とを組み合わせて成るブロック壁が組み込まれた制震ブロック壁構造の技術分野に属する。

背景技術

0002

建物の柱・梁架構の面内に、耐震壁を組み込んで耐震壁構造とする補強技術は従来から実施されている。

0003

しかし、耐震壁を既存建物架構へ組み込もうとしても、耐震壁として採用される鋼板が一枚ものであると、重量物で大掛かりな揚重機を必要とし、補強箇所が既存建物の外周に限定される問題点を有していた。

0004

そこで、耐震壁を人力で運搬可能な大きさにブロック化した鋼製ブロック部材を個々に搬入し、柱・梁架構の面内に前記鋼製ブロック部材から成るブロック壁を組み込んでブロック壁構造とする技術も開発されている(特許文献1、2)。

0005

ところで、最近では耐震壁の一部に履歴系のエネルギー吸収部材低降伏点鋼)を組み込むことで、耐震効果だけでなく、制震効果も発揮させることができる制震壁も開発されている(特許文献3)。

0006

特開平9−144374号公報
特開平11−293950号公報
特開平5−163772号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上記特許文献1、2のブロック壁は、エネルギー吸収部材が組み込まれていないため、制震効果を発揮させることができない。

0008

一方、上記特許文献3の制震壁は、ブロック化されていないので、既存建物のバックヤード等の狭小エリア施工することができない。また、前記制震壁は、柱・梁架構の面内に隙間なく組み込まれており、低降伏点鋼の変形角は前記架構の変形角に依存する構成なので、大きな変形角を稼ぎ出すことができず、制震効果が小さい問題点を有する。特に、既存建物の場合は、躯体が古く架構を大きく変形させることができないので、尚のことである。

0009

本発明の目的は、上段下段の間の少なくとも一段に低降伏点鋼ブロック部材を配置したブロック壁を、左右の側辺と柱との間に前記低降伏点鋼ブロック部材が変形するのに十分なクリアランスを設けて、建物の柱・梁で形成される架構面内に組み込むことで、前記低降伏点鋼ブロック部材を大きく変形させることができる構成とし、大きな制震効果を発揮させることができる、制震ブロック壁構造を提供することである。

0010

本発明の目的は、新築建物だけでなく、既存建物のバックヤード等の狭小なエリアで施工することが可能な、制震ブロック壁構造を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る制震ブロック壁構造は、
ブロック壁は、人力で運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材との組み合わせで構成されており、上段と下段との間の少なくとも一段に前記低降伏点鋼ブロック部材が配置されていること、
前記ブロック壁は、左右の側辺と柱との間に前記低降伏点鋼ブロック部材が鋼製ブロック部材より大きく変形するのに十分なクリアランスを設けて建物の架構面内に組み込まれ、その上下の辺がそれぞれ梁と接合されていることを特徴とする。

0012

請求項2記載の発明は、請求項1に記載した制震ブロック壁構造において、
ブロック壁が組み込まれる既存建物の架構における上下の内周面にあと施工アンカーが設けられており、この上下の内周面と相対峙するように、フランジスタッドを有するCT鋼材がそのウエブ内方に向けて配置され、架構の内周上面又は内周下面とCT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタルコンクリート等が充填され、前記CT鋼材はブロック壁の上下の固定治具として設けられていること、
ブロック壁の上辺は前記上側のCT鋼材のウエブと接合され、下辺は下側のCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする。

0013

請求項3記載の発明は、請求項1に記載した制震ブロック壁構造において、
ブロック壁が組み込まれる既存建物の下階梁上に間隔をあけて新設柱が構築され、各新設柱の上端部が相互に新設梁で連結され新設架構が形成されていること、
前記新設架構における内周上面にスタッドを介してCT鋼材がブロック壁の上側の固定治具として、そのウエブを内方に向けて設けられていること、
新設架構における内周下面にあと施工アンカーが設けられ、同下面と相対峙するように、フランジにスタッドを有するCT鋼材がそのウエブを内方に向けて配置され、前記新設架構の内周下面とCT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタル・コンクリート等が充填され、前記CT鋼材はブロック壁の下側の固定治具として設けられていること、
ブロック壁の上辺は前記上側のCT鋼材のウエブと接合され、下辺は下側のCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする。

0014

請求項4記載の発明は、請求項1に記載した制震ブロック壁構造において、
ブロック壁が組み込まれる架構における上下の内周上面及び内周下面にスタッドを介してCT鋼材がブロック壁の上下の固定治具として、そのウエブを内方に向けて設けられていること、
ブロック壁の上辺は前記上側のCT鋼材のウエブと接合され、下辺は下側のCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする。

0015

請求項5記載の発明は、請求項1又は2に記載した制震ブロック壁構造において、
ブロック壁が組み込まれる架構における左右の内周側面と相対峙するように、フランジにスタッドを有し架構の高さと略等しい長さのCT鋼材がそのウエブを内方に向けて配置され、前記架構の内周側面とCT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタル・コンクリート等が充填され、前記CT鋼材はせん断力伝達治具として設けられていること、
ブロック壁の左右の辺に、架構の高さと略等しい長さのCT鋼材のウエブが接合されており、同CT鋼材のフランジの上下端部には外方に向けてガゼットプレートが設けられていること、
前記ガゼットプレートは、架構に設けたCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする。

0016

請求項6記載の発明は、請求項1又は3若しくは請求項4に記載した制震ブロック壁構造において、
ブロック壁が組み込まれる架構における左右の内周側面にスタッドを介して架構の高さと略等しい長さのCT鋼材がせん断力伝達治具として、そのウエブを内方に向けて設けられていること、
ブロック壁の左右の辺に、架構の高さと略等しい長さのCT鋼材のウエブが接合されており、同CT鋼材のフランジの上下端部には外方に向けてガゼットプレートが設けられていること、
前記ガゼットプレートは、架構に設けたCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明に係る制震ブロック壁構造は、上段と下段の間の少なくとも一段に低降伏点鋼ブロック部材を配置したブロック壁を、側辺と左右の柱との間に低降伏点鋼ブロック部材が変形するのに十分なクリアランスを設けて建物の架構面内に組み込んでいるので、前記低降伏点鋼ブロック部材が局部的に大きく変形しても、ブロック壁の側辺が柱に接触することがなく、低降伏点鋼ブロック部材の変形角は建物の架構の変形角に依存しない。そのため、低降伏点鋼ブロック部材に変形を集中させて大きな制震効果を発揮させることができる。よって、架構の変形が小さくても大きな制震効果を発揮させることができ、古い既存建物に好適に採用することができる。

0018

特に、請求項5及び6に係る発明によれば、地震などによってブロック壁が変形しても、同変形によるせん断力の鉛直成分の全てが梁に伝達されず、柱にも伝達される構成となるので、必要以上に梁を補強する必要がない。そのため、コストの削減や工期の短縮化に寄与できる。

0019

もちろん、ブロック壁は人力で運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材とを主要部材として構成するので、新築建物だけでなく、既存建物のバックヤード等の狭小なスペースに各部材を搬入し、組み込むことが容易にできる。

発明を実施するための最良の形態

0020

ブロック壁は、人力で運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材との組み合わせで構成されており、上段と下段との間の少なくとも一段に前記低降伏点鋼ブロック部材が配置されている。前記ブロック壁は、左右の側辺と柱との間に前記低降伏点鋼ブロック部材が鋼製ブロック部材より大きく変形するのに十分なクリアランスを設けて建物の架構面内に組み込まれ、その上下の辺がそれぞれ梁と接合されている。

0021

請求項1、2及び請求項5に記載した発明に係る制震ブロック壁構造の実施例を、図1図6に基づいて説明する。本実施例の制震ブロック壁構造は、通例のブロック壁構造と同様に、ブロック壁1が既存建物の柱2と梁3とで形成される架構4の面内に組み込まれ、その上下の辺がそれぞれ梁3、3と接合された構成とされている。

0022

前記ブロック壁1は、人力で運搬可能な大きさに形成された溝形鋼から成る鋼板ブロック部材5と、板状に形成された低降伏点鋼ブロック部材6との組み合わせで構成されており、上2段と下2段に前記鋼製ブロック部材5が配置され、その間の2段に低降伏点鋼ブロック部材6が配置されている(図1を参照)。

0023

前記各々の鋼製ブロック部材5及び低降伏点鋼ブロック部材6は、補強リブ縦横格子状に形成されるように、上下方向には前記鋼製ブロック部材5及び低降伏点鋼ブロック部材6の横寸法と略等しい長さの接合鋼板7とCT鋼材8を用いて接合され、左右方向にはブロック壁1の高さ寸法と略等しい長さのCT鋼材9を用いて接合されている。

0024

上下方向に並ぶ鋼製ブロック部材5、5は、図2(A)、(B)に示すように、鋼製ブロック部材5のフランジ5bの上に新たな鋼製ブロック部材5のフランジ5bが載置されるように積み重ねられ、前記フランジ5bと5bが接合されている。そして、表側及び裏側に並ぶ二組の前記上下方向に接合された鋼製ブロック部材5、5と5、5は、双方のウエブ5aと5aが対峙するように配置され、低降伏点鋼ブロック部材6との接合鋼板7の上下一方の端部が挟み込まれ相互に接合されている。

0025

上下方向に並ぶ低降伏点鋼ブロック部材6、6は、図2(C)に示すように共通のCT鋼材8を用いて接合されている。すなわち、前記低降伏点鋼ブロック部材6と6の間に、CT鋼材8のウエブ8aが面外方向に突き出るように配置され、下側の低降伏点鋼ブロック部材6の上端部と上側の低降伏点鋼ブロック部材6の下端部が、それぞれCT鋼材8のフランジ8bと接合されている。そして、前記下側の低降伏点鋼ブロック部材6の下端部は下方で鋼製ブロック部材5と5に挟み込まれた接合鋼板7の上端部と接合され、同じく上側の低降伏点鋼ブロック部材6の上端部は上方で鋼製ブロック部材5と5に挟み込まれた接合鋼板7の下端部と接合されている。

0026

左右方向に並ぶ鋼製ブロック部材5、5と5、5は、図3(A)、(B)に示すように共通のCT鋼材9を用いて接合されている。すなわち、前記鋼製ブロック部材5、5と5、5の間に、CT鋼材9のウエブ9aが面外方向に突き出るように配置され、同ウエブ9aの左右の鋼製ブロック部材5、5と5、5の隣り合う側部が、それぞれ各鋼製ブロック部材5、5のウエブ5a、5aに挟み込まれたCT鋼材9のフランジ9bと接合されている。

0027

左右方向に並ぶ低降伏点鋼ブロック部材6、6も、図4(A)、(B)に示すように上記CT鋼材9を用いて接合されており、ウエブ9aの左右の低降伏点鋼ブロック部材6、6の隣り合う側部が、それぞれCT鋼材9のフランジ9bと接合されている。

0028

上記構成のブロック壁1は、人力で運搬可能な大きさの鋼製ブロック部材5と低降伏点鋼ブロック部材6を主要部材として構成するので、既存建物のバックヤード等の狭小なスペースに各部材を搬入し、組み上げることが容易にできる。

0029

しかも、縦横に格子状の補強リブが、鋼製ブロック部材5のフランジ5bとCT鋼材8(9)のウエブ8a(9a)で形成されるので剛強な構成となり、十分な耐震効果を発揮させることができる。

0030

このブロック壁1は、左右の側辺と柱2との間に、すなわち図示例では後述する柱2にせん断伝達治具として設けられたCT鋼材14と、ブロック壁1の側辺に接合されたCT鋼材17との間に、上記低降伏点鋼ブロック部材6が鋼製ブロック部材5より大きく変形するのに十分なクリアランスTを設けて既存建物の柱2と梁3で形成される架構4の面内に組み込まれ、その上下の辺が梁3、3と接合されている(図1を参照)。

0031

具体的には、図1及び図2(A)、(B)等に示すように、架構4における上下の内周面、すなわち上階梁3の下面3aと下階梁3の上面3bにあと施工アンカー10が設けられている。前記上階梁3の下面3aと対峙するように、フランジ11bにスタッド12を有するCT鋼材11がそのウエブ11aを内方に向けて配置されている。前記上階梁3の下面3aとCT鋼材11のフランジ11bとの間に無収縮モルタル・コンクリート13が充填され、同CT鋼材11はブロック壁1の上側の固定治具として設けられている。同じく下階梁3の上面3bと対峙するように、フランジ11bにスタッド12を有するCT鋼材11がそのウエブ11aを内方に向けて配置されている。前記下階梁3の上面3bとCT鋼材11のフランジ11bとの間に無収縮モルタル・コンクリート13が充填され、同CT鋼材11はブロック壁1の下側の固定治具として設けられている。

0032

ブロック壁1の横寸法は、図1に示すように、低降伏点鋼ブロック部材6が変形するのに十分なクリアランスTを柱2との間に確保するべく、架構4の横寸法より若干短く形成されており、同ブロック壁1の上端部は、上段の鋼製ブロック部材5、5のウエブ5a、5aで挟み込まれた上側のCT鋼材11のウエブ11aと接合されている(図2(B)等を参照)。ブロック壁1の下端部は、具体的な図示は省略するが、上端部と同じく、下段の鋼製ブロック部材5、5のウエブ5aと5aで挟み込まれた下側のCT鋼材11のウエブ11aと接合されている(請求項2記載の発明)。

0033

したがって、図5に示すように、上2段の鋼製ブロック部材5…及び下2段の鋼製ブロック部材5…を殆ど変形させず、その間の2段の低降伏点鋼ブロック部材6…を局部的に大きく変形させても、ブロック壁1の側辺が柱2に接触することがなく、低降伏点鋼ブロック部材6の変形角は既存建物の架構4の変形角に依存しない。そのため、低降伏点鋼ブロック部材6に変形を集中させて大きな制震効果を発揮させることができる。よって、架構の変形が小さくても大きな制震効果を発揮させることができ、古い既存建物に好適に採用することができる。

0034

ちなみに、図6は、鋼製ブロック部材5(SS400)と低降伏点鋼ブロック部材6(LY100)との変形量の違いを示している。低降伏点鋼ブロック部材6が局部的に大きく変形し、大きな制震効果を発揮していることがわかる。

0035

図1のブロック壁1は、更に側辺の上下端部が柱2と接合されている。
具体的には、図1図3(C)、図4(C)に示すように、架構4における左右の内周面、すなわち、左右に隣接する柱2、2の向かい合う側面2a、2aと相対峙するように、フランジ14bにスタッド15を有し、架構4の高さと略等しい長さのCT鋼材14がそのウエブ14aを内方に向けて配置されている。前記CT鋼材14のフランジ14bと柱2の側面2aとの間に無収縮モルタル・コンクリート16が充填され、同CT鋼材14はせん断力伝達治具として設けられている。

0036

ブロック壁1の左右の列において、表側で上下に並ぶ鋼製ブロック部材5…と裏側で上下に並ぶ鋼製ブロック部材5…とで、架構4の高さと略等しい長さのCT鋼材17のウエブ17aが挟み込まれて(接合されて)おり、同CT鋼材17のフランジ17bの上下端部には外方に向けてガゼットプレート18が設けられている。

0037

このガゼットプレート18は、架構4に設けたCT鋼材14のウエブ14aと接合されている(請求項5記載の発明)。その結果、地震などによってブロック壁1が変形しても、同変形によるせん断力の鉛直成分の全てが梁3に伝達されず、柱2にも伝達されるので、必要以上に梁3を補強する必要がない。そのため、コストの削減や工期の短縮化に寄与できる。

0038

上記実施例1の制震ブロック壁構造は、既存建物の柱2と梁3とで形成された架構4の面内に組み込んでいるが、この限りでない。すなわち、柱2と梁3とで架構が形成されていないバックヤード等のスペースにブロック壁1を組み込む場合は、既存建物に新設架構19を形成しその面内に組み込んでも良い。

0039

具体的には、図7及び図8に示すように、ブロック壁1を組み込むべく、既存建物の下階梁3に間隔をあけて新設柱20、20が構築され、両新設柱20、20の上端部が相互に新設梁21で連結され新設架構19が形成されている。この新設架構19の内周における下面、すなわち下階梁3の上面3bにあと施工アンカー10が設けられ、新設梁21の下面21aにはスタッド22を介してCT鋼材23がブロック壁1の上側の固定治具として、そのウエブ23aを内方に向けて設けられている。

0040

前記下階梁3の上面3bと相対峙するように、フランジ24bにスタッド25を有するCT鋼材24がそのウエブ24aを内方に向けて配置され、同下階梁3の上面3bとCT鋼材24のフランジ24bとの間に無収縮モルタル・コンクリート26が充填され、前記CT鋼材24はブロック壁1の下側の固定治具として設けられている。

0041

ブロック1の上端部は、上段の鋼製ブロック部材5、5のウエブ5a、5aで挟み込まれた上側のCT鋼材23のウエブ23aと接合され、同じく下端部は、下段の鋼製ブロック部材5、5のウエブ5aと5aで挟み込まれた下側のCT鋼材24のウエブ24aと接合されている(請求項3記載の発明)。

0042

なお、図7のブロック壁1も、側辺の上下端部が新設柱20と接合されている。
具体的には、新設架構19における左右の内周面、すなわち、左右に隣接する新設柱20、20の向かい合う側面20a、20aに、スタッド27を介して架構19の高さと略等しい長さのCT鋼材28がせん断力伝達治具として、そのウエブ28aを内方に向けて設けられている。

0043

ブロック壁1の左右の列において、表側で上下に並ぶ鋼製ブロック部材5…と裏側で上下に並ぶ鋼製ブロック部材5…とで、新設架構19の高さと略等しい長さのCT鋼材29のウエブ29aが挟み込まれて(接合されて)おり、同CT鋼材29のフランジ29bの上下端部には外方に向けてガゼットプレート30が設けられている。

0044

このガゼットプレート30は、新設架構19のCT鋼材28のウエブ28aと接合されている(請求項6記載の発明)。

0045

上記実施例1、2の制震ブロック壁構造は既存建物の補強部材として組み込まれているが、新築建物の補強部材として組み込んでも良い。

0046

具体的には、図9及び図10に示すように、上側の新設梁31の下面31a及び下側の新設梁32の上面32aにスタッド33を介してCT鋼材34がブロック壁1の上下の固定治具として、そのウエブ34aを内方に向けて設けられている。

0047

そして、上記実施例1及び2と略同様に、前記ブロック壁1の上辺は上側のCT鋼材34のウエブ34aに接合され、下辺は下側のCT鋼材34のウエブ34aに接合されている(請求項4記載の発明)。

0048

なお、上記図1図7図9の制震ブロック壁構造は、左右の辺の上下端部と柱2(20)とを接合しているが、梁3が剛強な場合は接合しなくても良い。

0049

また、上記実施例では低降伏点鋼ブロック部材6が中段の2段に組み込まれているが、上段、下段以外であれば、何処に組み込んでも良い。

0050

鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材の鋼材種の組合せにおいては、普通鋼と極低降伏点鋼の組合せや、高張力鋼と普通鋼の組合せなど、前者よりも後者が降伏点が低い材種を用いれば、効果は発揮される。

0051

鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材の形状は、いずれか、または両方が溝形鋼でもよく、板状でもよく、形状に制限はない。

図面の簡単な説明

0052

実施例1の制震ブロック壁構造を示した正面図である。
Aは図1のA−A矢視断面図である。B、Cは図2(A)を部分的に拡大して示した図である。
Aは図1のB−B矢視断面図である。B、Cは図3(A)を部分的に拡大して示した図である。
Aは図1のC−C矢視断面図である。B、Cは図4(A)を部分的に拡大して示した図である。
制震ブロック壁構造の変形状態概念的に示した図である。
鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材との変形角の違いを示した図である。
実施例2の制震ブロック壁構造を示した正面図である。
図7のD−D矢視断面図である。
実施例3の制震ブロック壁構造を示した正面図である。
図9のE−E矢視断面図である。

符号の説明

0053

1ブロック壁
2 柱
3 梁
4架構
5鋼製ブロック部材
6低降伏点鋼ブロック部材
10 あと施工アンカー
11CT鋼材
11aウエブ
11bフランジ
12スタッド
13無収縮モルタル・コンクリート
14 CT鋼材
14a ウエブ
14b フランジ
15 スタッド
16 無収縮モルタル・コンクリート
17 CT鋼材
17a ウエブ
17b フランジ
18ガゼットプレート
19 架構
20新設柱
21 新設梁
22、25 スタッド
23、24 CT鋼材
23a、24a ウエブ
24b フランジ
26 無収縮モルタル・コンクリート
27 スタッド
28 CT鋼材
28a ウエブ
29 CT鋼材
29a ウエブ
29b フランジ
30 ガゼットプレート
31、32 新設梁
33 スタッド
34 CT鋼材
34a ウエブ

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