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技術 磁気記録媒体

出願人 TDK株式会社
発明者 添野佳一田上勝通高井充海津明政嶋川和也
出願日 2004年7月12日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2004-205311
公開日 2006年2月2日 (12年11ヶ月経過) 公開番号 2006-031756
状態 拒絶査定
技術分野 磁気記録担体
主要キーワード 円弧軌道 改良手法 加工用ガス ヘッド加工 リターンパス トラック形状 FRP ディスク形
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

多数の記録要素に分割された記録層を有し、記録磁界広がりが抑制され、記録磁界が記録対象の記録要素に効率良く印加される磁気記録媒体及びこのような磁気記録媒体を備える磁気記録再生装置を提供する。

解決手段

磁気記録媒体12は、垂直記録型のディスクリートトラックタイプの磁気ディスクで、基板22と、基板22の上に形成された軟磁性層24と、表面に垂直な方向に磁気異方性を有するように配向されて軟磁性層24の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素26Aに分割された記録層26と、を含み、凹凸パターンの凹部28が軟磁性層24の厚さ方向の途中まで形成されている。

概要

背景

従来、ハードディスク等の磁気記録媒体は、記録層を構成する磁性粒子微細化、材料の変更、ヘッド加工の微細化等の改良により著しい面記録密度の向上が図られている。又、表面に対して垂直な方向に磁気異方性を有するように記録層を配向し、更に記録層の下に軟磁性層を形成することで面記録密度を高めるようにした垂直記録型の磁気記録媒体も実用化されつつあり、今後も一層の面記録密度の向上が期待されている。尚、軟磁性層は、磁気ヘッド記録ヘッド記録磁界引き込む効果と、記録ヘッドの主磁極から記録層に印加される記録磁界がリターン磁極に戻るためのリターンパスを構成する効果を有する。即ち、軟磁性層は、記録層に印加される記録磁界を実質的に強める効果がある。

しかしながら、磁気ヘッドの加工限界、磁気ヘッドの記録磁界の広がりに起因する隣接トラックへの記録、再生時のクロストークなどの問題が顕在化し、これら従来の改良手法による面記録密度の向上は限界にきているため、一層の面記録密度の向上を実現可能である磁気記録媒体の候補として、記録層を所定の凹凸パターンで形成してなるディスクリートトラック媒体パターンド媒体等の磁気記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなディスクリートトラック媒体やパターンド媒体も、面記録密度を高めるため、垂直記録型とすることが好ましい。尚、磁気ヘッドの浮上安定性の観点から、凹部を非磁性材充填し、媒体表面を平坦化することが望ましい(例えば、特許文献2参照)。

特開平7−129953号公報
特開2000−195042号公報

概要

多数の記録要素に分割された記録層を有し、記録磁界の広がりが抑制され、記録磁界が記録対象の記録要素に効率良く印加される磁気記録媒体及びこのような磁気記録媒体を備える磁気記録再生装置を提供する。磁気記録媒体12は、垂直記録型のディスクリートトラックタイプの磁気ディスクで、基板22と、基板22の上に形成された軟磁性層24と、表面に垂直な方向に磁気異方性を有するように配向されて軟磁性層24の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素26Aに分割された記録層26と、を含み、凹凸パターンの凹部28が軟磁性層24の厚さ方向の途中まで形成されている。

目的

本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、多数の記録要素に分割された記録層を有し、記録磁界の広がりが抑制され、記録磁界が記録対象の記録要素に効率良く印加される磁気記録媒体及びこのような磁気記録媒体を備える磁気記録再生装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

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請求項1

基板と、該基板の上に形成された軟磁性層と、表面に垂直な方向に磁気異方性を有するように配向されて前記軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層と、を含み、前記凹凸パターンの凹部が前記軟磁性層の厚さ方向の途中まで形成されたことを特徴とする磁気記録媒体

請求項2

請求項1において、前記軟磁性層における前記凹部の底部を構成する部分は、該軟磁性層の全厚の50%以上の厚さを有することを特徴とする磁気記録媒体。

請求項3

請求項1又は2において、前記軟磁性層における前記凹部の深さが3nm以上であることを特徴とする磁気記録媒体。

請求項4

請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記軟磁性層における前記凹部の深さが25nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。

請求項5

請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に対してデータの記録/再生を行うための磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする磁気記録再生装置

技術分野

0001

本発明は、記録層が所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された磁気記録媒体及び磁気記録再生装置に関する。

背景技術

0002

従来、ハードディスク等の磁気記録媒体は、記録層を構成する磁性粒子微細化、材料の変更、ヘッド加工の微細化等の改良により著しい面記録密度の向上が図られている。又、表面に対して垂直な方向に磁気異方性を有するように記録層を配向し、更に記録層の下に軟磁性層を形成することで面記録密度を高めるようにした垂直記録型の磁気記録媒体も実用化されつつあり、今後も一層の面記録密度の向上が期待されている。尚、軟磁性層は、磁気ヘッド記録ヘッド記録磁界引き込む効果と、記録ヘッドの主磁極から記録層に印加される記録磁界がリターン磁極に戻るためのリターンパスを構成する効果を有する。即ち、軟磁性層は、記録層に印加される記録磁界を実質的に強める効果がある。

0003

しかしながら、磁気ヘッドの加工限界、磁気ヘッドの記録磁界の広がりに起因する隣接トラックへの記録、再生時のクロストークなどの問題が顕在化し、これら従来の改良手法による面記録密度の向上は限界にきているため、一層の面記録密度の向上を実現可能である磁気記録媒体の候補として、記録層を所定の凹凸パターンで形成してなるディスクリートトラック媒体パターンド媒体等の磁気記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなディスクリートトラック媒体やパターンド媒体も、面記録密度を高めるため、垂直記録型とすることが好ましい。尚、磁気ヘッドの浮上安定性の観点から、凹部を非磁性材充填し、媒体表面を平坦化することが望ましい(例えば、特許文献2参照)。

0004

特開平7−129953号公報
特開2000−195042号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、記録層が記録要素に分割されていても、記録層の下に連続して形成された軟磁性層により、記録磁界は記録対象の記録要素だけでなく、記録対象の記録要素に隣接する凹部にも引き込まれる。即ち、記録磁界の広がりが大きくなるので、記録層を記録要素に分割することによる面記録密度の向上効果減殺されることとなる。

0006

本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、多数の記録要素に分割された記録層を有し、記録磁界の広がりが抑制され、記録磁界が記録対象の記録要素に効率良く印加される磁気記録媒体及びこのような磁気記録媒体を備える磁気記録再生装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、記録層を多数の記録要素に分割する凹凸パターンの凹部を記録層の下の軟磁性層の厚さ方向の途中まで形成することにより上記目的を達成するものである。

0008

発明者らは、本発明に想到する過程で当初、記録層と共に軟磁性層も分割することを試みた。即ち凹凸パターンの凹部を軟磁性層の基板側の面まで形成することを試みた。このようにすることで、記録磁界を実質的に強める効果を維持しつつ、記録磁界の広がりを抑制できると考えたためである。

0009

しかしながら、実際に軟磁性層を分割してみたものの、記録磁界を記録対象の記録要素に効率良く印加することはできなかった。これは、凹部の底部に軟磁性層が存在せず、凹部が存在する方向に記録磁界のリターンパスが構成されないためであると考えられる。

0010

そこで、発明者らは更に鋭意検討を重ねた結果、記録層を分割する凹凸パターンの凹部を軟磁性層の厚さ方向の途中まで形成するという本発明を完成するに至った。

0011

このように凹凸パターンの凹部を軟磁性層の厚さ方向の途中まで形成することにより、記録磁界の広がりが抑制され、軟磁性層の凸部上の記録要素に磁気ヘッドの記録磁界を引き込むことができる。又、軟磁性層における凹部の底部を構成する部分により凹部が存在する方向にも記録磁界のリターンパスが構成され、磁気ヘッドの記録磁界を記録対象の記録要素に効率良く印加することができる。

0012

即ち、次のような本発明により、上記課題の解決を図ることができる。

0013

(1)基板と、該基板の上に形成された軟磁性層と、表面に垂直な方向に磁気異方性を有するように配向されて前記軟磁性層の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層と、を含み、前記凹凸パターンの凹部が前記軟磁性層の厚さ方向の途中まで形成されたことを特徴とする磁気記録媒体。

0014

(2) (1)において、前記軟磁性層における前記凹部の底部を構成する部分は、該軟磁性層の全厚の50%以上の厚さを有することを特徴とする磁気記録媒体。

0015

(3) (1)又は(2)において、前記軟磁性層における前記凹部の深さが3nm以上であることを特徴とする磁気記録媒体。

0016

(4) (1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記軟磁性層における前記凹部の深さが25nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。

0017

(5) (1)乃至(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に対してデータの記録/再生を行うための磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする磁気記録再生装置。

0018

尚、本出願において、「凹凸パターンで多数の記録要素に分割された記録層」とは、凹凸パターンの凹部が基板側の面まで形成されている記録層であって、記録要素同士が完全に分割された記録層の他、記録要素同士が凹部以外の(凸部の)領域において部分的に連続している記録層、螺旋状の渦巻き形状の記録要素のように基板上の一部に記録要素が連続して形成された記録層も含む意義で用いることとする。

0019

又、本出願において「磁気記録媒体」という用語は、情報の記録、読み取り磁気のみを用いるハードディスク、フロッピー登録商標ディスク磁気テープ等に限定されず、磁気と光を併用するMO(Magneto Optical)等の光磁気記録媒体、磁気と熱を併用する熱アシスト型の記録媒体も含む意義で用いることとする。

発明の効果

0020

本発明によれば、多数の記録要素に分割された記録層を有し、記録磁界の広がりが抑制され、磁気ヘッドの記録磁界が記録対象の記録要素に効率良く印加される磁気記録媒体を実現することができる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して詳細に説明する。

0022

図1に示されるように、本実施形態に係る磁気記録再生装置10は、磁気記録媒体12と、磁気記録媒体12に対してデータの記録/再生を行うための磁気ヘッド14と、を備え、磁気記録媒体12の構成に特徴を有している。他の構成については、本発明の理解のために特に必要とは思われないため、説明を適宜省略することとする。

0023

尚、磁気記録媒体12はチャック16に固定され、該チャック16と共に回転自在とされている。又、磁気ヘッド14は、アーム18の先端近傍に装着され、アーム18はベース20に回動自在に取付けられている。これにより、磁気ヘッド14は磁気記録媒体12の径方向に沿う円弧軌道で磁気記録媒体12の表面に近接して可動とされている。

0024

磁気記録媒体12は、垂直記録型のディスクリートトラックタイプの磁気ディスクで、図2に示されるように、基板22と、基板22の上に形成された軟磁性層24と、表面に垂直な方向に磁気異方性を有するように配向されて軟磁性層24の上に形成され、且つ、所定の凹凸パターンで多数の記録要素26Aに分割された記録層26と、を含み、凹凸パターンの凹部28が軟磁性層24の厚さ方向の途中まで形成されたことを特徴としている。

0025

基板22は、軟磁性層24側の面が鏡面研磨されている。基板22の材料としては、ガラス、NiPで被覆したAl合金、Si、Al2O3等の非磁性材料を用いることができる。

0026

基板22及び軟磁性層24の間には、下地層31及び軟磁性層24に径方向の磁気異方性を付与するための反強磁性層32が形成されている。下地層31は、厚さが2〜40nmである。下地層31の材料としてはTa等を用いることができる。反強磁性層32は、厚さが5〜50nmである。反強磁性層32の材料としてはPtMn合金、RuMn合金等を用いることができる。

0027

軟磁性層24は、厚さが50〜300nmである。軟磁性層24の材料としては、Fe(鉄)合金、Co(コバルトアモルファス合金フェライト等を用いることができる。尚、軟磁性層24は、軟磁性を有する層と、非磁性層と、の積層構造であってもよい。軟磁性層24における凹部28の底部を構成する部分は、該軟磁性層24の全厚の50%以上の厚さを有していることが好ましい。又、軟磁性層24における凹部28の深さは、3nm以上、25nm以下であることが好ましい。

0028

凹凸パターンの凹部28は、記録層26における基板22と反対側の面まで非磁性材30で充填されている。非磁性材30の材料としては、SiO2、Al2O3、TiO2、フェライト等の酸化物、AlN等の窒化物、SiC等の炭化物等を用いることができる。

0029

軟磁性層24及び記録層26の間には、記録層26に厚さ方向(表面に垂直な方向)の磁気異方性を付与するための配向層34が形成されている。配向層34は、厚さが2〜40nmである。配向層34の具体的な材料としては、非磁性のCoCr合金、Ti、Ru、RuとTaの積層体、MgO等を用いることができる。

0030

記録層26は、厚さが5〜30nmである。記録層26の材料としては、CoCrPt合金等のCoCr系合金、FePt系合金、これらの積層体、SiO2等の酸化物系材料の中にCoPt等の強磁性粒子マトリックス状に含ませた材料等を用いることができる。記録要素26Aは、データ領域において径方向に微細な間隔の同心円状のトラック形状で形成されている。又、記録要素26Aは、サーボ領域において所定のサーボ情報パターン形状で形成されている。

0031

記録要素26A及び非磁性材30の上には保護層36、潤滑層38がこの順で形成されている。保護層36は、厚さが1〜5nmである。保護層36の材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン呼称される硬質炭素膜等を用いることができる。尚、本出願において「ダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」という)」という用語は、炭素を主成分とし、アモルファス構造であって、ビッカース硬度測定で2×109〜8×1010Pa程度の硬さを示す材料という意義で用いることとする。又、潤滑層38は、厚さが1〜2nmである。潤滑層38の材料としては、PFPE(パーフロロポリエーテル)やフォンブリン潤滑剤等を用いることができる。

0032

磁気ヘッド14は、図3に示されるように、記録ヘッド40を備えている。記録ヘッド40は、主磁極42と、リターン磁極44と、を有して構成されている。尚、磁気ヘッド14は、再生ヘッドも備えているが、図3では再生ヘッドは省略している。又、図3は、磁気ヘッド14と磁気記録媒体12の配置の理解のため、磁気記録媒体12について記録要素26A、軟磁性層24だけを図示している。

0033

次に、磁気記録再生装置10の作用について説明する。

0034

磁気記録媒体12は、凹凸パターンの凹部28が軟磁性層24の厚さ方向の途中まで形成されているので、図2に示されるように、磁気ヘッド14の記録ヘッド40の主磁極42からの記録磁界の広がりが抑制され、主磁極42からの記録磁界は、軟磁性層24の凸部上の記録対象の記録要素26Aに引き込まれる。又、軟磁性層24は、記録要素26Aの下の部分が記録要素26Aの長手方向(周方向)に記録磁界のリターンパスを構成すると共に、更に、図2に示されるように、軟磁性層24における凹部28の底部を構成する部分が凹部28の方向にも記録磁界のリターンパスを構成するので、磁気ヘッド14の記録磁界が記録対象の記録要素26Aに効率良く印加される。尚、記録磁界は、リターンパスを介してリターン磁極44へ還流する。

0035

又、磁気記録媒体12は、記録要素26Aの間の凹部28が非磁性材30で充填されているので、表面の凹凸が小さく磁気ヘッド14の浮上高さが安定し、この点でも良好な記録/再生特性が得られる。

0036

又、磁気記録媒体12は、記録要素26Aが、データ領域においてトラック形状で形成されているので面記録密度が高くても記録対象のトラックに隣接するトラックへの記録や再生時のクロストーク等の問題が生じにくい。

0037

更に、磁気記録媒体12は、記録要素26A同士が分割され、記録要素26A間の凹部28には記録層26が存在しないので凹部28からノイズが発生することがなく、この点でも良好な記録/再生特性が得られる。

0038

尚、上記実施形態において、非磁性材30として、SiO2を用いているが、非磁性の材料であれば、非磁性材30の具体的な材料は特に限定されない。

0039

又、上記実施形態において、記録要素26Aの間の凹部28は非磁性材30で充填されているが、磁気ヘッド14の良好な浮上特性が得られれば、凹部28を空隙部としてもよい。

0040

又、上記実施形態において、基板22と、軟磁性層24と、の間に下地層31及び反強磁性層32が形成されているが、基板22と、軟磁性層24と、の間の層の構成は、磁気記録媒体の種類やニーズに応じて適宜変更すればよい。又、下地層31及び反強磁性層32を省略し、基板22上に軟磁性層24を直接形成してもよい。同様に、軟磁性層24と、記録層26と、の間の層の構成も、特に限定されず、例えば、配向層34を省略し、軟磁性層24上に記録層26を直接形成してもよい。

0041

又、上記実施形態において、磁気記録媒体12は、基板22の片面に記録層26等が形成されているが、基板の両面に記録層等が形成された両面記録式の磁気記録媒体についても本発明は適用可能である。

0042

又、上記実施形態において、磁気記録媒体12はデータ領域において記録要素26Aがトラックの径方向に微細な間隔で並設されたディスクリートトラックタイプの磁気ディスクであるが、記録要素がトラックの周方向(セクタの方向)に微細な間隔で並設された磁気ディスク、トラックの径方向及び周方向の両方向に微細な間隔で並設された磁気ディスク、トラックが螺旋形状をなす磁気ディスクについても本発明は当然適用可能である。又、MO等の光磁気ディスク、磁気と熱を併用する熱アシスト型の磁気ディスク、更に、磁気テープ等ディスク形状以外の凹凸パターンの記録層を有する他の磁気記録媒体に対しても本発明を適用可能である。

0043

上記実施形態のとおり、磁気記録媒体12を作製した。作製した磁気記録媒体12の具体的な構成を以下に示す。

0044

基板22は直径が約25.4mm(1インチ)で材料はガラスである。又、基板22における軟磁性層24側の面の算術平均粗さRaは0.2〜0.3nmであった。軟磁性層24は、厚さが約100nmで、材料はCoZrNb合金である。配向層34は、厚さが約10nmで、材料はRuである。記録層26は、厚さが約15nmで、材料はSiO2とCoPt結晶粒子混晶相であり、垂直磁気異方性磁界Hcは、約600kA/mであった。非磁性材30の材料はSiO2である。保護層36は、厚さが約4nmで、材料はDLCである。潤滑層38は、厚さが約1nmで、材料はフォンブリン系潤滑剤である。

0045

この磁気記録媒体12を作製した具体的な方法について簡単に説明すると、まず、基板22の上に、下地層31、反強磁性層32、軟磁性層24、配向層34、連続記録層(未加工の記録層26)、第1マスク層、第2マスク層をこの順でスパッタリング法により形成し、更にレジスト層スピンコート法で塗布した。尚、第1マスク層は、厚さが約100nmで、材料はCである。又、第2マスク層は、厚さが約5nmで、材料はNiである。レジスト層は、厚さが約100nmである。

0046

次に、レジスト層に、データ領域において、凸部の幅が約100nm、凹部の幅が約50nm、トラックピッチが約150nmの凹凸パターンをナノインプリント法により転写し、O2ガス反応ガスとする反応性イオンエッチングにより、凹部の底部のレジスト層を除去した。

0047

次に、加工用ガスとしてArガスを用いたイオンビームエッチングにより、凹部の底部の第2マスク層を除去し、更に、O2ガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより、凹部の底部の第1マスク層を除去した。

0048

次に、加工用ガスとしてArガスを用いたイオンビームエッチングにより、凹部の底部の配向層34、記録層26を厚さ方向に完全に除去して記録要素26Aに分割された記録層26を形成すると共に軟磁性層24を約10nmの深さまで除去した。

0049

次に、スパッタリング法により、非磁性材30を表面に成膜し、記録要素26Aの間の凹部28を充填した。更に、被加工体を回転させながら、加工用ガスとしてArガスを用いたイオンビームエッチングにより、Arガスを斜方から照射しつつ記録層26上の余剰の非磁性材30を除去し表面を平坦化した。

0050

更に、CVD法により保護層36を成膜し、ディッピング法により潤滑層38を成膜することにより、上記磁気記録媒体12を得た。

0051

このようにして得られた磁気記録媒体12に、主磁極42の材料がFeCo合金で、主磁極幅Mwが約120nm、飽和磁束密度が約2.3テスラの記録ヘッドでデータを記録した。尚、主磁極幅Mwとは、図3に示されるように、主磁極42における磁気記録媒体12に近接する部分の磁気記録媒体12の径方向に沿う幅である。又、記録密度は400kFRPIとした。又、巨大磁気抵抗効果GMR)を利用した、再生トラック幅が約110nmの再生ヘッドでデータを再生し、再生信号のS/N比を測定した。

0052

[比較例]
上記実施例に対し、凹部28を記録層26の基板22側の面まで形成し、軟磁性層24には凹部28を形成していない磁気記録媒体を作製し、上記実施例と同様に再生信号のS/N比を測定した。

0053

表1に比較例の再生信号のS/N比を0dBとして、実施例及び比較例の再生信号のS/N比の測定結果を対比して示す。

0054

0055

表1より、実施例は比較例に対し、再生信号のS/N比が著しく大きく、比較例よりも記録/再生特性が良好であることが確認された。

0056

[シミュレーション例1]
上記実施形態と同様の形態の8種類のシミュレーションモデルを作成した。尚、これらのシミュレーションモデルは、凹部の深さが相互に異なる構成とし、他の構成は等しくした。これらのシミュレーションモデルの具体的な構成を表2に示す。尚、凹部の深さについては表3に示す。尚、表2中の、主磁極厚Mtとは、図3に示されるように、主磁極42における磁気記録媒体12に近接する部分の磁気記録媒体12の周方向に沿う厚さである。

0057

0058

0059

これらのシミュレーションモデルについてシミュレーションを実行し、凹部の深さと、磁界の広がりと、の関係を算出したところ表3及び図4に示されるような結果が得られた。尚、ここで、凹部の深さは、記録要素の上面から凹部底面までの深さである。又、磁界の広がりは、記録要素の上面のトラック幅方向の端部を基準位置とし、記録要素の上面のトラック幅方向の中央部分における記録磁界強度に対し、記録磁界強度が30%となる位置の、基準位置からのトラック幅方向の距離で示す。

0060

表3及び図4より、凹部が深い程、磁界の広がりが小さくなる傾向があることが確認された。又、図4より、凹部の深さが40nm以下で、軟磁性層には凹部が形成されていなくても、凹部が深い程、磁界の広がりが小さくなる傾向があるが、軟磁性層に凹部が形成されると、磁界の広がりがより小さくなる。さらに、凹部が43nmよりも深くなり、軟磁性層に3nm程度の深さの凹部が形成されることで、磁界の広がりが著しく低減されることが確認された。即ち、軟磁性層における深さが僅かであっても、軟磁性層まで凹部を形成することで、記録磁界の広がりを抑制する効果が著しく高くなり、軟磁性層に3nm以上の深さで凹部を形成すれば、記録磁界の広がりを著しく抑制する効果が確実に得られることが確認された。一方、軟磁性層における凹部の深さが25nm程度となると、それ以上凹部を深くしても記録磁界の広がりは殆ど変化しない。又、凹部が過度に深いと、リターンパスを構成する効果が減殺されると共に、凹部を形成する工程や非磁性材により凹部を充填する工程における生産効率がそれだけ低下するため、軟磁性層における凹部の深さの上限は25nm程度とすることが好ましい。

0061

[シミュレーション例2]
上記シミュレーション例1の8種類のシミュレーションモデルについてシミュレーションを実行し、軟磁性層の全厚に対する、軟磁性層における凹部の底部を構成する部分の厚さの比率と、記録要素上面における記録磁界の強度と、の関係を求めたところ表3及び図5に示されるような結果が得られた。尚、ここで記録磁界の強度とは、記録要素の上面のトラック幅方向の中央部分における記録磁界の強度であり、その大きさは、凹部が形成されていないシミュレーションモデルにおける記録層上面における記録磁界を1として、これとの比で表すこととする。

0062

表3及び図5に、これらのシミュレーションモデルの軟磁性層の全厚に対する、軟磁性層における凹部の底部を構成する部分の厚さの比率と、記録要素上面における記録磁界の強度と、の関係を示す。表3及び図5より、軟磁性層の全厚に対する、軟磁性層における凹部の底部を構成する部分の厚さの比率が低い程、記録要素上面における記録磁界の強度が低下する傾向があることがわかる。これは、軟磁性層における凹部の底部を構成する部分による記録磁界のリターンパスを構成する効果が低下することによるものと考えられる。図5より、軟磁性層の全厚に対する軟磁性層における凹部の底部を構成する部分の厚さの比率が50%以下となるとこの傾向が著しくなることがわかる。言い換えれば、記録要素上面における記録磁界の強度の低下を抑制するためには、軟磁性層の全厚に対する、軟磁性層における凹部の底部を構成する部分の厚さの比率が50%以上とすることが好ましいことが確認された。

0063

本発明は、例えば、ディスクリートトラック媒体、パターンド媒体等の、記録層が所定の凹凸パターンで多数の記録要素に分割された磁気記録媒体に利用することができる。

図面の簡単な説明

0064

本発明の実施形態に係る磁気記録再生装置の要部の概略構造を模式的に示す斜視図
同磁気記録再生装置の磁気記録媒体の構造を拡大して模式的に示す側断面図
同磁気記録再生装置の磁気ヘッドの構造を模式的に示す斜視図
同磁気記録媒体の軟磁性層の凹部の深さと、磁界の広がりと、の関係を示すグラフ
同磁気記録媒体の軟磁性層の全厚に対する軟磁性層における凹部の底部を構成する部分の厚さの比率と、記録要素上面における記録磁界の強度と、の関係を示すグラフ

符号の説明

0065

10…磁気記録再生装置
12…磁気記録媒体
14…磁気ヘッド
16…チャック
18…アーム
20…ベース
22…基板
24…軟磁性層
26…記録層
26A…記録要素
28…凹部
30…非磁性材
31…下地層
32…反強磁性層
34…配向層
36…保護層
38…潤滑層
40…記録ヘッド
42…主磁極
44…リターン磁極

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