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技術 防水工事用ブローンアスファルト及びその製造方法

出願人 JXTGエネルギー株式会社
発明者 中村好和塚越徹
出願日 2004年7月9日 (16年5ヶ月経過) 出願番号 2004-203598
公開日 2006年1月26日 (14年11ヶ月経過) 公開番号 2006-022274
状態 特許登録済
技術分野 タール、ピッチの処理 高分子組成物
主要キーワード 規格項目 施工作業員 温度チャート 長さ試験 空気吹込量 クリーブランド開放式引火点試験 防水工事用 ゲル浸透クロマトグラフ分析
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課題

防水工事用ブローンアスファルト高温加熱溶融する際に発生する臭気や煙を抑制し、かつ作業性および貯蔵性に優れた防水工事用として適切なブローンアスファルトを提供する。

解決手段

軟化点が100〜120℃、針入度が25〜35、油じみ性が3以下、低温折り曲げ性が1℃以下、粘度が100mPa・sとなる温度が220℃以下、粘度が60mPa.sとなる温度が240℃以下であることを特徴する防水工事用ブローンアスファルト。

概要

背景

防水工事用ブローンアスファルトは、日本工業規格(JIS K 2207)に用途別に1種から4種まで分類されており、最も汎用されているのは3種である。これらの製造方法については特に規定されていないが、一般には石油減圧蒸留残渣油減圧残油)に減圧蒸留留出油を適宜組み合わせて原料とし、ブローンアスファルト製造装置により、200℃〜300℃の温度下で空気を吹き込み製造される。この空気の吹き込み工程はブローイングと称され、原料に触媒が添加されてブローイングを行う場合は触媒ブローンと称される。こうして製造されたブローンアスファルトは当然のことながらJIS規格合格しているが、ユーザーとしては規格項目満足しているだけでは十分ではなく、規格にはない実用上の性能を重要視している(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、最近ではブローンアスファルトを使用した防水工事現場において、その使用の際に、加熱溶融する過程において発生する煙や臭いの問題についての対応が求められている。
一般に、防水工事作業に供されるブローンアスファルトの粘度は60mPa・s〜100mPa・sの範囲で行われている場合が多いが、この粘度範囲を得るために、ブローンアスファルトはしばしば280℃程度まで加熱することを余儀なくされているのが実状である。
特開2000−053866号公報

概要

防水工事用ブローンアスファルトを高温で加熱溶融する際に発生する臭気や煙を抑制し、かつ作業性および貯蔵性に優れた防水工事用として適切なブローンアスファルトを提供する。軟化点が100〜120℃、針入度が25〜35、油じみ性が3以下、低温折り曲げ性が1℃以下、粘度が100mPa・sとなる温度が220℃以下、粘度が60mPa.sとなる温度が240℃以下であることを特徴する防水工事用ブローンアスファルト。 なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

軟化点が100〜120℃、針入度が25〜35、油じみ性が3以下、低温折り曲げ性が1℃以下、粘度が100mPa・sとなる温度が220℃以下、粘度が60mPa.sとなる温度が240℃以下であることを特徴する防水工事用ブローンアスファルト

請求項2

さらに、引火点が280℃以上、フラースぜい化点が−15℃以下、だれ長さが8mm以下、250℃における加熱安定性試験後のだれ長さが15mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の防水工事用ブローンアスファルト。

請求項3

減圧残油鉱油の混合物ブローイングして得られるブローンアスファルトワックス加熱混合することにより得られることを特徴とする請求項1または2に記載の防水工事用ブローンアスファルト。

請求項4

減圧残油、鉱油およびワックスの混合物をブローイングすることにより得られることを特徴とする請求項1または2に記載の防水工事用ブローンアスファルト。

請求項5

減圧残油70〜83質量%および鉱油17〜30質量%の混合物をブローイングして得られるブローンアスファルト100質量部に対し、ワックス3〜10質量部を配合して加熱混合することを特徴とする請求項1、2または3に記載の防水工事用ブローンアスファルトの製造方法。

請求項6

減圧残油70〜83質量%と鉱油17〜30質量%の混合物100質量部に対し、ワックスを3〜10質量部配合してブローイングすることを特徴とする請求項1、2または4に記載の防水工事用ブローンアスファルトの製造方法。

技術分野

0001

本発明は防水工事用ブローンアスファルト及びその製造方法に関し、詳しくは防水工事用ブローンアスファルトを高温加熱溶融する際に臭気や煙の発生を抑制し、かつ作業性に優れた防水工事用として適切なブローンアスファルトに関するものである。

背景技術

0002

防水工事用ブローンアスファルトは、日本工業規格(JIS K 2207)に用途別に1種から4種まで分類されており、最も汎用されているのは3種である。これらの製造方法については特に規定されていないが、一般には石油減圧蒸留残渣油減圧残油)に減圧蒸留留出油を適宜組み合わせて原料とし、ブローンアスファルト製造装置により、200℃〜300℃の温度下で空気を吹き込み製造される。この空気の吹き込み工程はブローイングと称され、原料に触媒が添加されてブローイングを行う場合は触媒ブローンと称される。こうして製造されたブローンアスファルトは当然のことながらJIS規格合格しているが、ユーザーとしては規格項目満足しているだけでは十分ではなく、規格にはない実用上の性能を重要視している(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、最近ではブローンアスファルトを使用した防水工事現場において、その使用の際に、加熱溶融する過程において発生する煙や臭いの問題についての対応が求められている。
一般に、防水工事作業に供されるブローンアスファルトの粘度は60mPa・s〜100mPa・sの範囲で行われている場合が多いが、この粘度範囲を得るために、ブローンアスファルトはしばしば280℃程度まで加熱することを余儀なくされているのが実状である。
特開2000−053866号公報

発明が解決しようとする課題

0003

上記のように製造された防水工事用ブローンアスファルトはそのまま加熱溶融状態ルーフィング工場等に運ばれてアスファルトルーフィング等に加工されるか、または、紙袋等に充填の上、冷却・固化され、使用する際に改めて加熱溶融される。ブローンアスファルトを二次加工する際には、加工に適した粘度まで加熱してやる必要があるが、温度の上昇とともにブローンアスファルト中に含まれる比較的軽質な成分が蒸発するようになり、煙や臭いとして感知されるようになる。
このような軽質分吸着除去できる設備を備えている場合は問題ないが、例えば、マンション等の屋上においてアスファルト防水工事を行う場合、アスファルトルーフィングを接着するために、アスファルトケットル簡易な設備で接着用ブローンアスファルトを280℃程度まで加熱するが、こういう状態では煙や臭いの発生量が多くなり、マンションに住んでいる住民等に迷惑をかけるケースが多々あり、都市の住宅の過密化と共にその対策が強く求められている。

課題を解決するための手段

0004

本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、軟化点針入度、油じみ性、低温折り曲げ性、粘度が100mPa・sおよび60mPa・sとなる温度が所定の性状を有するブローンアスファルトが、高温で加熱溶融する際の臭気や煙の発生を抑制し、かつ作業性に優れる防水工事用ブローンアスファルトとなることを見出し、本発明を完成するに至った。

0005

即ち、本発明は、軟化点が100〜120℃、針入度が25〜35、油じみ性が3以下、低温折り曲げ性が1℃以下、粘度が100mPa・sとなる温度が220℃以下、粘度が60mPa.sとなる温度が240℃以下であることを特徴とする防水工事用ブローンアスファルトに関する。
また本発明は、さらに、引火点が280℃以上、フラースぜい化点が−15℃以下、だれ長さが8mm以下、250℃における加熱安定性試験後のだれ長さが15mm以下であることを特徴とする前記記載の防水工事用ブローンアスファルトに関する。

0006

また本発明は、減圧残油と鉱油の混合物をブローイングして得られるブローンアスファルトにワックス加熱混合することにより得られることを特徴とする前記記載の防水工事用ブローンアスファルトに関する。
また本発明は、減圧残油、鉱油およびワックスの混合物をブローイングすることにより得られることを特徴とする前記記載の防水工事用ブローンアスファルトに関する。

0007

また本発明は、減圧残油70〜83質量%および鉱油17〜30質量%の混合物をブローイングして得られるブローンアスファルト100質量部に対し、ワックス3〜10質量部を配合して加熱混合することを特徴とする前記記載の防水工事用ブローンアスファルトの製造方法に関する。
さらに本発明は、減圧残油70〜83質量%と鉱油17〜30質量%の混合物100質量部に対し、ワックスを3〜10質量部配合してブローイングすることを特徴とする前記記載の防水工事用ブローンアスファルトの製造方法に関する。

0008

以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防水工事用ブローンアスファルト(以下、本発明のブローンアスファルトともいう。)の軟化点は100℃以上であることが必要であり、好ましくは110℃以上、より好ましくは115℃以上である。軟化点が低すぎると、だれが生じやすくなって漏水の原因になったり、取扱性や作業性が低下したりするので好ましくない。したがって軟化点は高い方が望ましいが、高すぎると溶融温度が高くなるため工事がし難くなるという難点が生じるので、上限は120℃以下であることが必要である。
なお、ここでいう軟化点は、JIS K 2207「石油アスファルト軟化点試験方法」により測定される値である。

0009

本発明のブローンアスファルトの針入度は25〜35であることが必要である。針入度は低すぎると、弾力性が悪化し、ひび割れしやすくなるので、27以上が好ましく、28以上がより好ましい。一方、針入度は高すぎると、軟らかくなり過ぎて、だれやすくなるので、34以下が好ましく、33以下がより好ましい。
なお、ここでいう針入度は、JIS K 2207「石油アスファルト−針入度試験方法」により測定される25℃における針入度(1/10mm)のことをいう。

0010

本発明のブローンアスファルトの油じみ性は3以下であることが必要であり、2以下であることが好ましく、1以下がさらに好ましい。油じみとは、気温の高い夏場にルーフィング製品を製造後倉庫内等に保管しておくと、アスファルト中の油分がルーフィングの表面にしみ出す現象のことをいう。油分がしみ出すと、時間の経過とともにルーフィングの色が黒ずむなど汚染の原因となる。
なお、ここでいう油じみ性とは、試料5gを表面積12.6cm2の容器採取し、その下に適当な大きさに加工したタイプ用紙10枚を重ね、荷重100gを加えて、60℃の空気恒温槽で120時間静置後、油分がしみ出した紙の枚数のことをいう。

0011

本発明のブローンアスファルトの低温折曲げ性は、1℃以下であることが必要であり、0℃以下が好ましく、−1℃以下がより好ましい。冬季において、巻物状になったルーフィング製品を施工時に開巻して使用する際、芯の近くの部分にひび割れが起こったり、施工後の収縮によりひびが入ったりする現象が見られ、これはアスファルトの低温における撓み易さの問題に起因する。また、ひび割れしたルーフィング製品は、漏水の直接の原因になるので、低温における撓みやすさの指標である低温折曲げ性(耐折温度)は低いほど好ましい。
なお、ここでいう低温折り曲げ性は、JIS A 6013「改質アスファルトルーフィングシート」に規定される「折曲げ性能」に準拠して測定した。すなわち、エタノールと水の混合液(70:30)中で直径22cmの支持ローラマンドレルにより3点曲げ試験を行う(供試体寸法は長さ100mm、幅40mm、厚さ1mm)。3点曲げ試験結果より、折り曲げ可能な最低温度を低温折曲げ性(耐折温度)として定義した。

0012

本発明のブローンアスファルトは、粘度100mPa・sとなる温度が220℃以下であること、かつ粘度60mPa・sとなる温度が240℃以下であること必要である。通常、ブローンアスファルトの粘度は60〜100mPa・sが施工上使用しやすいといわれており、この粘度を達成するための温度が重要となる。また、一般的に高温での粘度が低いものほど低温で施工でき、結果的に発生する煙、臭気を低減することができる。上述の事柄を鑑み、粘度100mPa・sとなる温度および粘度60mPa・sとなる温度が高すぎると、施工時の加熱溶融温度上昇により取り扱い性や作業上の危険性が増加し、煙や臭気の発生により施工作業員周辺住民の健康への影響が懸念されるため望ましくない。従って、粘度100mPa・sとなる温度は、好ましくは215℃以下である。また、粘度60mPa・sとなる温度は、好ましくは230℃以下である。
なお、ここでいう粘度100mPa・sにおける温度および粘度60mPa・sにおける温度とは、石油学会法 JPI−5S−54−99「アスファルト−回転粘度計による粘度試験方法」に基づいて測定される異なる2つ以上の温度における粘度から、粘度−温度チャートを作成し、粘度100mPa・s、粘度60mPa・sに相当する温度を各々読み取った値のことをいう。

0013

本発明のブローンアスファルトの引火点は、低すぎると加熱溶融する際に引火の危険性が生じるので、280℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、320℃以上がさらに好ましい。
なお、ここでいう引火点は、JIS K 2265「原油及び石油製品−引火点試験方法クリーブランド開放式引火点試験方法」により測定される値である。

0014

本発明のブローンアスファルトのフラースぜい化点は、高すぎると低温環境下で脆くなり耐久性が悪化することから、−15℃以下が好ましく、−17℃以下がより好ましく、−19℃以下がさらに好ましい。
なお、ここでいうフラースぜい化点は、JIS K 2207「石油アスファルト−フラースぜい化点試験方法」により測定される値である。

0015

本発明のブローンアスファルトのだれ長さは、ルーフィング材の貼り付け施工後の立ち上がり部分がだれ易くなることに起因する漏水を防止する観点から8mm以下が好ましく、6mm以下がより好ましく、5mm以下がさらに好ましい。
なお、ここでいうだれ長さは、JIS K 2207「石油アスファルト−だれ長さ試験方法」により測定される70℃におけるだれ長さのことをいう。

0016

本発明のブローンアスファルトの250℃における加熱安定性試験後のだれ長さは、大きすぎると、取り扱い性や作業性の悪化を引き起こすだけでなく漏水の原因ともなるので望ましくないため、15mm以下が好ましく、12mm以下がより好ましい。
なお、ここでいう250℃における加熱安定性試験とは、JIS K 2207「石油アスファルト−加熱安定性試験方法」に準拠するが、JIS規格の加熱温度を300℃から実際の加熱溶融温度に近い250℃に変更して行う試験のことをいう。また、加熱安定性試験後のだれ長さは、上述の250℃における加熱安定性試験終了後のブローンアスファルトをJIS K2207「石油アスファルト−だれ長さ試験方法」で測定することによって得られる値(mm)のことをいう。

0017

本発明のブローンアスファルトは、減圧残油、鉱油およびワックスを原料として用いることにより得ることができる。特に、減圧残油と鉱油の混合物をブローイングして得られるブローンアスファルトにワックスを加熱混合することにより得られるものが好ましい。あるいはまた、減圧残油、鉱油およびワックスの混合物をブローイングすることにより得られるものが好ましい。

0018

本発明のブローンアスファルトの製造方法については特に制限はないが、本発明のブローンアスファルトにおける所定の性状を満足させる好適な方法として、減圧残油70〜83質量%および鉱油17〜30質量%の混合物をブローイングして得られるブローンアスファルト100質量部に対し、ワックス3〜10質量部を配合して加熱混合する方法、あるいは減圧残油70〜83質量%と鉱油17〜30質量%の混合物100質量部に対し、ワックスを3〜10質量部配合してブローイングする方法を挙げることができる。

0019

本発明において減圧残油とは、原油を常圧蒸留装置常圧蒸留した後に得られる常圧蒸留装置塔底油常圧蒸留残油)をさらに減圧蒸留装置で減圧蒸留した後に残る減圧蒸留装置塔底油のことをいう。原油の種類は、特にこれに制限されるものではないが、アラビアヘビー、アラビアンミディアムカフジ、クウェート、イラニアンヘビーなど中東系の重質、中質あるいはそれらを混合した原油、マヤ原油などナフテン系の原油を用いることが望ましい。なかでもアラビアンヘビー原油、カフジ原油を好適に用いる。また、本発明のブローンアスファルトの諸性状を容易に達成できる点から、減圧残油の針入度は200以下が好ましく、180以下がより好ましく、150以下であることがさらに好ましい。
なお、ここでいう針入度は、JIS K 2207「石油アスファルト−針入度試験方法」により測定される25℃における針入度(1/10mm)の値である。

0020

本発明に用いる鉱油は、特に限定されるものではないが、パラフィン系鉱油アロマ系鉱油、ナフテン系鉱油であることが好ましい。本発明のブローンアスファルトの製造に用いる鉱油はパラフィン系鉱油であることが好ましい。なかでも、ブローイング反応中に起きる酸素等との結合による重縮合反応を適度に抑制でき、本発明のブローンアスファルトの低粘度化をより促進できる点でパラフィン系鉱油の使用が特に好ましい。
パラフィン系、アロマ系、ナフテン系鉱油は、各々選択する原油の種類に影響を受けるがその製法は特に制限されるものではない。例えば、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出水素化分解溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製硫酸洗浄白土処理等を適宜組み合わせて精製した留分を使用できる。特に原油を減圧蒸留して得られる潤滑油留分を、フルフラールを用いて潤滑油留分中の芳香族化合物レジン分をとり除くフルフラール抽出などの溶剤抽出、減圧蒸留残渣油から液体プロパンを用いて潤滑油留分を抽出し、アスファルト分樹脂分を分離するプロパン脱れきなどの溶剤脱れき、MEK等の溶剤を用いてろう分を除去するMEK脱ろうなどの溶剤脱ろう、及び水素化精製を組み合わせて得られる高粘度高潤滑油成分ブライトストック)などが好適に用いられる。

0021

本発明の鉱油を製造する際に用いる原油は求められる鉱油の種類にあわせて選択される。例えば、ペンシルベニヤ原油、ミナス原油、大慶原油等のパラフィン基原油カリフォルニア原油、テキサス原油、ベネズエラ原油等のナフテン基原油ミッドコンチネント原油、アラビア原油、ガッチサラン原油、カフジ原油、マヤ原油、ニュートラルゾーンスペシャル原油、フート原油、クェート原油、ラタウェー原油、アルライアン原油、エオシン原油、ソリューシュ原油等の混合基原油等が好ましく使用できる。

0022

本発明に用いられるワックスは、特に限定されるものではないが、その製造法により一般重合型、変性型、分解型等の製造法により得られるポリオレフィンワックスフィッシャートロプシュ(Fischer-Tropsch)合成により得られるフィッシャー・トロプシュワックスFTワックス)等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスは、例えば、オレフィンモノマーを原料とし、ラジカル触媒チーグラーナッタ系触媒メタロセン触媒等で重合させる製造方法、ポリマーを分解して製造する方法等で得ることができる。代表的なものとしては、ポリエチレンワックスポリプロピレンワックス等が挙げられる。ポリオレフィンワックスは、その構造から高密度タイプと低密度タイプに分類され、アスファルトの各種の性能面から低密度タイプが適しており、GPC分析による数平均分子量が1000程度のものがさらに好ましい。
FTワックスは、例えば、天然ガス、石油系重質残油ガス化等により生成した一酸化炭素水素とをFT触媒を用いて合成(FT合成)することで製造できる。

0023

上述の減圧残油と鉱油の混合物をブローイングする方法、または、減圧残油と鉱油とワックスの混合物をブローイングする方法は、特に限定されるものではなく公知の方法を適用することができる。例えば、ブローイング温度は170〜300℃、空気吹込量は20〜40L/hr/Kgが好ましく適用される。ブローイング時間は、ブローイング温度、空気吹込量により左右されるため一概には決められないが、通常10〜15時間とすることが好ましい。

発明の効果

0024

本発明の防水工事用ブローンアスファルトは、従来の防水工事用アスファルトと比較して、同等あるいはそれ以上の性能を有し、特に粘度が100mPa・sとなる温度および60mPa・sとなる温度が共に低いので、施工時における加熱溶融温度を通常の使用温度よりさらに下げることができ、施工時に発生する臭気や煙を抑制することができる。また、夏季保管時における油分のしみ出しの抑制、冬季保管時におけるひび割れ防止性能に優れている。

0025

次に、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。

0026

実施例1〜9および比較例1〜6に用いた減圧残油、鉱油の性状を表1に、ワックスの性状を表2に示す。また、実施例および比較例の原料油配合割合、ブローンアスファルトの性状および評価結果を表3に示す。
なお、実施例および比較例で用いた減圧残油、鉱油およびワックスとしては、以下に示すものを使用した。
(1)減圧残油
減圧残油A:新日本石油(株)根製油所製のストレートアスファルト60-80
減圧残油B:新日本石油(株)根岸製油所製のストレートアスファルト80-100 減圧残油C:新日本石油(株)水島製油所製のストレートアスファルト150-200
(2)鉱油
パラフィン系鉱油:新日本石油(株)根岸製油所製 N460
アロマ系鉱油:新日本石油(株)根岸製油所製 コーモレックス700
ナフテン系鉱油:三共油化工業(株)社製 SHN440
(3)ワックス
ポリオレフィンワックスA:三井化学(株)製ハイワックス110P
ポリオレフィンワックスB:三井化学(株)製 ハイワックス420P
ポリオレフィンワックスC:三井化学(株)製 ハイワックス100P
ポリオレフィンワックスD:三井化学(株)製 ハイワックス400P
FTワックス:サゾールワックス社製パラフリントワックスC80

0027

表1の性状のうち、減圧残油の密度、針入度、軟化点はJIS K2207、引火点はJIS K2265、鉱油の密度はJIS K2249、引火点はJIS K2265、動粘度および粘度指数はJIS K2283、n−d−M分析はASTMD−3238−90により測定した。
表2の性状のうち、ワックスの密度はJIS K7112「プラスチック−非発泡プラスチックの密度および比重測定方法B法(ピクノメーター法)」で測定した23℃における密度をいい、分子量はGPC分析(ゲル浸透クロマトグラフ分析)によって測定される重量平均分子量(Mw)、軟化点、針入度はJIS K2207で測定した軟化点、25℃における針入度のことをいう。
表3のブローンアスファルトの性状のうち、軟化点、針入度、針入度指数、フラースぜい化点、だれ長さ、加熱安定性試験は、いずれもJIS K 2207またはJIS K 2207に準拠した方法により測定した。引火点はJIS K2265、粘度はJPI−5S−54−99、特定の粘度相当の温度はJPI−5S−54−99に準拠する方法で測定した.

0028

なお、表3に記載のブローンアスファルトの評価方法は次のとおりである。
(1)溶融時の煙発生評価
ブローンアスファルト2Kgを250℃にて加熱溶融させ、その際に発生する煙の量を目視し、下記の判断基準で煙発生を評価した。
・ほとんど気にならないレベルの煙発生:○
・やや煙る程度のレベルの煙発生:△
背景見えなくなるほど煙るレベルの煙発生:×
(2)臭気評価
ブローンアスファルト試料1gを250℃に加熱したステンレス製の板上に置き、その試料から出る臭いをニオイセンサ(新コスモス電機(株)製ポータブルニオイセンサXP−329型)にて1分間測定し、その間に得られたデータの最大値の比較を行った。比較例1を基準として臭気の改善効果を求めた。100%より小さい値は比較例1より臭気の改善効果があることを意味し、100%を超える値は改善効果が無いことを意味する。なお、ニオイセンサのベース実験室雰囲気を200として調整した。
(3)耐候性試験
ASTMD1169に準拠して、アルミ板(150×70×1mm)上に加熱したブローンアスファルトを厚さが1mm程度になるように加熱プレスし供試体を作製する。次に、供試体をサンシャインキセノンロングライフウェザーメータ(スガ試験機(株)製WEL−6XS−HC、光源水冷式キセノンロングライフアークランプ6.0kW1灯)にて、光照射(51分間)、光照射および射水(9分間)、射水温度:7±3℃で供試体の表面に亀裂(ひび)が入る時間(hr)を測定した。
亀裂の有無は、導通液(水:93%、エタノール:5%、塩化ナトリウム:2%)を供試体表面に塗布し、導通液とアルミ板との電気的導通テスターで測定することにより確認を行なった。なお、耐候時間は、長いほどひび割れが発生し難いことを意味する。

0029

(実施例1)
減圧残油C:80質量%とパラフィン系鉱油:20質量%の混合物を反応温度175〜245℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、9時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを3質量部、195℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0030

(実施例2)
減圧残油C:75質量%とパラフィン系鉱油:25質量%の混合物を反応温度180〜250℃、空気気吹込量35L/hr/Kgで、10時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを5質量部、200℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0031

(実施例3)
減圧残油C:70質量%とパラフィン系鉱油:30質量%の混合物を反応温度175〜260℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、8時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを10質量部、200℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0032

(実施例4)
減圧残油C:75質量%とパラフィン系鉱油:25質量%の混合物を反応温度175〜240℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、12時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスBを5質量部、210℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0033

(実施例5)
減圧残油C:75質量%とパラフィン系鉱油:25質量%の混合物を反応温度180〜250℃、空気吹込量35L/hr/Kgで、8時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスCを5質量部、195℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0034

(実施例6)
減圧残油C:75質量%とパラフィン系鉱油:25質量%の混合物を反応温度175〜240℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、12時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスDを5質量部、200℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0035

(実施例7)
減圧残油B:75質量%とパラフィン系鉱油:25質量%の混合物を反応温度175〜245℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、9時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを5質量部、195℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0036

(実施例8)
減圧残油C:75質量%とパラフィン系鉱油:25質量%の混合物100質量部に対して、ポリオレフィンワックスA:5質量部を配合したものを反応温度170〜240℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、14時間ブローイングしてブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0037

(実施例9)
減圧残油C:75質量%とパラフィン系鉱油:25質量%の混合物を反応温度180〜240℃、空気吹込量25L/hr/Kgで、12時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、FTワックスを5質量部、200℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0038

(比較例1)
減圧残油C:65質量%とパラフィン系鉱油:35質量%の混合物を反応温度170〜240℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、14時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを5質量部、195℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0039

(比較例2)
減圧残油C:85質量%とパラフィン系鉱油:15質量%の混合物を反応温度180〜240℃、空気吹込量25L/hr/Kgで、12時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを5質量部、200℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0040

(比較例3)
減圧残油C:75質量%とアロマ系鉱油:25質量%の混合物を反応温度190〜235℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、10時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを5質量部、195℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0041

(比較例4)
減圧残油C:75質量%とナフテン系鉱油:25質量%の混合物を反応温度195〜255℃、空気吹込量24L/hr/Kgで、15時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを5質量部、185℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0042

(比較例5)
減圧残油A:75質量%とパラフィン系鉱油:25質量%の混合物を反応温度185〜240℃、空気吹込量30L/hr/Kgで、10時間ブローイングして得られたブローンアスファルト100質量部に対して、ポリオレフィンワックスAを5質量部、200℃で加熱混合してブローンアスファルトを得た。その性状を表3に示す。

0043

(比較例6)
減圧残油C:80質量%とパラフィン系鉱油:20質量%の混合物を反応温度180〜240℃、空気吹込量24L/hr/Kgで、11時間ブローイングして得られた。その性状を表3に示す。

0044

表3から明らかなように、実施例1〜9で得られた本発明のブローンアスファルトは比較例1〜6で得られるブローンアスファルトと比較すると、所定の性状をすべて満足させることにより、加熱溶融時の煙発生量および臭気の発生が少なくなっていることが分かる。
また、実施例1と比較例6の耐候性試験結果より、本発明のブローンアスファルトは耐候性にも優れていることが分かる。

0045

0046

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