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技術 窒化珪素焼結体切削工具および被覆窒化珪素焼結体切削工具

出願人 株式会社タンガロイ
発明者 吉川弘
出願日 2004年6月30日 (15年8ヶ月経過) 出願番号 2004-192470
公開日 2006年1月19日 (14年2ヶ月経過) 公開番号 2006-015410
状態 拒絶査定
技術分野 バイト、中ぐり工具、ホルダ及びタレット セラミック製品
主要キーワード 試験形態 オンブロック 摩擦摺動面 面最大 化学摩耗 鋳鉄用 機械的摩耗 高靱性化
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年1月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

近年、切削工程における高能率化、省人化の要求の高まりとともに、高速切削シフトしている。そこで、従来よりも長寿命窒化珪素焼結体切削工具および被覆窒化珪素焼結体切削工具の提供を目的とする。

解決手段

Y2O3:1.2〜1.8重量%と、Al2O3:0.3〜0.8重量%と、Si3N4:残りとからなり、鋳鉄との摩擦係数は0.6以下であり、熱伝導率は40W/mK以上である窒化珪素焼結体切削工具およびその表面に被膜被覆した被覆窒化珪素焼結体切削工具は、鋳鉄の高速切削において、従来の窒化珪素焼結体切削工具よりも長寿命を実現する。

概要

背景

窒化珪素焼結体の従来技術として、組成が、Y2O3:1.5〜3.0重量%、Al2O3:0.1〜1.0重量%、ただし、Y2O3/Al2O3重量比2.5以上、Si3N4:残部、であり、かつ密度が3.0g/cm3以上である窒化珪素質焼結体がある(例えば、特許文献1参照。)。

特開昭63−185863号公報

概要

近年、切削工程における高能率化、省人化の要求の高まりとともに、高速切削シフトしている。そこで、従来よりも長寿命窒化珪素焼結体切削工具および被覆窒化珪素焼結体切削工具の提供を目的とする。Y2O3:1.2〜1.8重量%と、Al2O3:0.3〜0.8重量%と、Si3N4:残りとからなり、鋳鉄との摩擦係数は0.6以下であり、熱伝導率は40W/mK以上である窒化珪素焼結体切削工具およびその表面に被膜被覆した被覆窒化珪素焼結体切削工具は、鋳鉄の高速切削において、従来の窒化珪素焼結体切削工具よりも長寿命を実現する。

目的

窒化珪素焼結体は、高温強度が高いなど優れた特性を持つため鋳鉄用切削工具などに用いられている。近年、切削工程における高能率化、省人化の要求の高まりとともに、高速切削にシフトしているが、従来の窒化珪素焼結体切削工具はこうした要求に十分応えられないという問題が生じてきた。本発明は従来よりも長寿命の窒化珪素焼結体切削工具および被覆窒化珪素焼結体切削工具の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

焼結助剤:1.5〜2.6重量%と、Si3N4:残りとからなり、鋳鉄との摩擦係数は0.6以下である窒化珪素焼結体切削工具

請求項2

焼結助剤は、Y2O3:1.2〜1.8重量%と、Al2O3:0.3〜0.8重量%とからなる請求項1に記載の窒化珪素焼結体切削工具。

請求項3

窒化珪素焼結体切削工具の熱伝導率は40W/mK以上である請求項1または2に記載の窒化珪素焼結体切削工具。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載された窒化珪素焼結体切削工具の表面に、周期律表4a、5a、6a族元素、Al、Siの金属、炭化物、窒化物酸化物およびこれらの相互固溶体ダイヤモンドダイヤモンド状カーボン立方晶窒化硼素硬質窒化硼素の中から選ばれた少なくとも1種からなる膜厚0.5〜20μmの被膜被覆された被覆窒化珪素焼結体切削工具

技術分野

0001

本発明は窒化珪素焼結体切削工具に関するものであり、その中でも特に高速切削に適した窒化珪素焼結体切削工具に関するものである。

背景技術

0002

窒化珪素焼結体の従来技術として、組成が、Y2O3:1.5〜3.0重量%、Al2O3:0.1〜1.0重量%、ただし、Y2O3/Al2O3重量比2.5以上、Si3N4:残部、であり、かつ密度が3.0g/cm3以上である窒化珪素質焼結体がある(例えば、特許文献1参照。)。

0003

特開昭63−185863号公報

発明が解決しようとする課題

0004

窒化珪素焼結体は、高温強度が高いなど優れた特性を持つため鋳鉄用切削工具などに用いられている。近年、切削工程における高能率化、省人化の要求の高まりとともに、高速切削にシフトしているが、従来の窒化珪素焼結体切削工具はこうした要求に十分応えられないという問題が生じてきた。本発明は従来よりも長寿命の窒化珪素焼結体切削工具および被覆窒化珪素焼結体切削工具の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は、従来よりも長寿命の窒化珪素焼結体切削工具を得ることを目的に研究を行ってきた。その結果、窒化珪素焼結体切削工具の鋳鉄に対する摩擦係数を小さくすると耐摩耗性が向上するという知見を得て本発明を完成させた。

0006

具体的には、まず窒化珪素焼結体と鋳鉄(FC250)との摩擦係数に及ぼす窒化珪素焼結体の焼結助剤添加量の影響について調べた。その結果、焼結助剤添加量の増加に伴い鋳鉄との摩擦係数が大きくなることが分かった。摩擦試験において窒化珪素焼結体の粒界相は鋳鉄と反応して摩擦摺動面反応生成物を形成し、摩擦係数が大きくなると考えられる。このことは窒化珪素焼結体および鋳鉄の摩擦摺動面に反応生成物が認められることから確認できる。窒化珪素焼結体の粒界相量は焼結助剤添加量に比例するため、焼結助剤添加量が多い窒化珪素焼結体ほど摩擦係数は大きくなるものと考えられる。

0007

窒化珪素焼結体切削工具を用いて鋳鉄(FC250)を切削したところ、鋳鉄(FC250)との摩擦係数が小さい窒化珪素焼結体切削工具ほど摩耗量は少なくなるという結果が得られた。摩擦係数が大きい窒化珪素焼結体切削工具ほど、摩耗量が増加するのは摩擦係数の増加とともに窒化珪素焼結体切削工具の刃先温度が高くなって窒化珪素焼結体の硬さは減少し、その結果、窒化珪素焼結体切削工具の機械的摩耗拡散摩耗および化学摩耗を増大させると考えられる。従って摩耗量を少なくするためには窒化珪素焼結体切削工具と鋳鉄との摩擦係数を小さくすることが重要となる。上述のように焼結助剤添加量が少ないほど摩擦係数は小さくなるので、窒化珪素焼結体切削工具の焼結助剤添加量は焼結可能な必要最低限とすることが好ましい。

0008

しかし、焼結助剤添加量を必要以上に減少させると焼結性が低下して窒化珪素焼結体が緻密化しない。本発明者は実験を行い、Si3N4の分解を防ぐためN2雰囲気にて圧力883kPa以上に加圧して焼結するガス圧焼結を行うと焼結助剤添加量が1.5〜2.6重量%であっても焼結でき量産上問題がないことを確認した。そこで本発明窒化珪素焼結体切削工具の焼結助剤添加量を1.5〜2.6重量%とした。焼結助剤添加量が1.5重量%未満であると緻密化不足から摩耗量が増加するとともに欠損しやすくなり、焼結助剤添加量が2.6重量%を超えると摩擦係数が大きくなり摩耗量が増加する。

0009

本発明窒化珪素焼結体切削工具の焼結助剤としては、Sc、Y、ランタニド原子番号57〜71)、Al、Ca、Mg、Hfの酸化物、Alの窒化物、Alの酸窒化物の中から選ばれた少なくとも1種が窒化珪素焼結体の緻密化に寄与し特性を向上させるため好ましく、具体的には、Al2O3、AlON、AlN、MgO、CaO、Y203、Yb2O3、Dy2O3、La2O3、HfO2などを挙げることができる。

0010

本発明窒化珪素焼結体切削工具の焼結助剤の中でもAl2O3とY2O3がさらに好ましい。これは、Al2O3を添加するとSi3N4の一部はSiAlONになり優れた耐摩耗性が得られるとともに焼結性を向上させ、Y2O3を添加すると、Y2O3自身の融点が高く高温において安定でSi3N4をα相からβ相へ相転移を促進し焼結体高靱性化するためである。焼結助剤としてAl2O3とY2O3を用いると、焼結後にはAl,Si,Y,N,Oを含む粒界相が生成する。

0011

本発明窒化珪素焼結体切削工具において、Al2O3の添加量が0.3重量%未満であると窒化珪素焼結体の緻密化は十分でなく、逆に0.8重量%を超えると焼結性は向上するものの熱伝導率が大幅に低下し摩擦係数が大きくなる。Al2O3の添加量を0.3〜0.8重量%とすると好ましい。Y2O3の添加量が1.2重量%未満では窒化珪素焼結体の緻密化は十分でなく、1.8重量%を超えるとY2O3は非晶質のガラス相となり摩擦係数の増大を招く。したがって、本発明窒化珪素焼結体切削工具の焼結助剤は、Y2O3:1.2〜1.8重量%と、Al2O3:0.3〜0.8重量%とからなると、さらに好ましい。

0012

上述のように摩擦係数の大きい窒化珪素焼結体切削工具ほど切削加工において摩耗量が大きくなるのは、刃先温度が高くなり焼結体の硬さが減少し、機械的摩耗、拡散摩耗、化学摩耗を増大させるためと考えられる。そこで切削工具の熱伝導率を大きくして、切削により発生した熱を刃先から切削工具全体、工具ホルダーに拡散させて、刃先温度の上昇を防ぐと好ましいと考えられる。すなわち本発明窒化珪素焼結体切削工具の熱伝導率を40W/mK以上とすると耐摩耗性は向上するため好ましく、その中でも、50W/mK以上がさらに好ましく、その中でも60W/mK以上がさらに好ましい。

0013

本発明窒化珪素焼結体切削工具は、窒化珪素焼結体中の焼結助剤の添加量、種類の最適化により、鋳鉄との摩擦係数を小さくし、熱伝導率を向上させることで、切削加工における摩耗量を低減させるものである。摩擦係数の大きい窒化珪素焼結体切削工具ほど摩耗量が大きくなるのは、摩擦係数が大きいほど刃先温度が高くなり硬さが減少し、機械的摩耗、拡散摩耗、化学摩耗を増大させるからである。熱伝導率が小さい場合には切削により発生した熱を刃先から切削工具全体、工具ホルダーに拡散できないため刃先温度が上昇し、上述のように摩耗量が増加する。したがって、摩耗量を少なくするためには、窒化珪素焼結体切削工具と鋳鉄との摩擦係数を小さく、窒化珪素焼結体切削工具の熱伝導率を高めることが重要となる。

0014

本発明窒化珪素焼結体切削工具は、鋳鉄用として用いられると寿命延長の効果が高いため好ましく、その中でも切削時に刃先温度が高温になる切削速度500m/min以上の高速切削用として用いられると、さらに好ましい。

発明の効果

0015

上述のような構成を有する本発明窒化珪素焼結体切削工具は、鋳鉄との摩擦係数が小さいため刃先温度が上昇しにくく耐摩耗性に優れ寿命が長い。さらに窒化珪素焼結体の焼結助剤をY2O3:1.2〜1.8重量%と、Al2O3:0.3〜0.8重量%とすると、SiAlON形成および高靱性化を促進するため寿命延長に寄与し、さらに熱伝導度を高くすると切削加工により発生した熱を刃先から切削工具全体、工具ホルダーにすみやかに拡散するため、刃先温度が上昇しにくく耐摩耗性が向上し寿命が延長するという効果を発揮する。

0016

平均粒径0.7μmのSi3N4、平均粒径0.2μmのAl2O3、平均粒径0.5μmのY2O3の各種市販の粉末を用いて表1に示す割合に配合し、ウレタンポッド中でヘキサン溶媒にSi3N4ボールにより72時間粉砕する。こうして得られた混合物成型助剤として10重量%のパラフィンワックスを添加し、金型を用いて147MPaの成型圧力成型した。この成形体を脱ワックスした後、N2中、圧力883kPaに加圧して、表1に示す焼結条件焼結温度×焼結時間)で焼結を行った。さらに1700℃、圧力120MPaのN2中でHIP処理して、発明品1〜5及び比較品1〜3の窒化珪素焼結体を得た。

0017

0018

発明品1〜5および比較品1〜3を東測精密工業製リングオンブロック摩擦試験機型式AFT−11)により表2に示す条件で摩擦試験を行った。なおリングオンブロック型摩擦試験の概略を図1に示す。リングオンブロック型摩擦試験は相手材(FC250)の円筒側面試料押し付け、接線方向の摩擦力Fを測定し(式1)に従い摩擦係数μを算出する。なお相手材のリングおよび試料は、#230の研削砥石表面仕上げを行い摩擦試験に使用した。
(式1)摩擦係数μ=摩擦力F(N)/試験荷重P(N)

0019

0020

さらに発明品1〜5および比較品1〜3の熱伝導率を真空理工製熱伝導率測定装置(TC−300)を用いて、JIS−R1611に従って測定した。また各試料をSNGN120412(チャンファーホーニング:0.20mm×−25°付き)の工具形状に加工し、下記の条件で60分間の切削試験を行い摩耗量(境界摩耗量)を測定した。これらの結果を表3に示した。

0021

切削試験
試験形態:表面フライス切削加工(刃数1枚)
被削材:FC250黒皮外径φ200×内径φ80×30mmのリング状)
切削条件:切削速度Vc=600m/min、
切り込みap=3.0mm、
当り送り量fz=0.1mm/tooth、
乾式

0022

0023

発明品1〜5の摩擦係数は全て0.6よりも小さい。発明品1〜5の60分切削後の境界摩耗量は、比較品1〜3に比べて少なく耐摩耗性に優れていることが分かる。比較品1は緻密化していないため摩耗量が多い。比較品3は、40分後、欠損により試験中止となった。

0024

実施例2で得た発明品1〜3および比較品2の窒化珪素焼結体切削工具を基材として用いて、それぞれの表面に従来のCVD法でもって、表4に示す膜構成になるように被膜を基材表面側から第1層、次に第2層、次に第3層の順に被覆して、発明品6〜8および比較品4の被覆窒化珪素焼結体切削工具を得た。さらに発明品6〜8および比較品4を用いて実施例1と同一条件の切削試験を行い、60分切削後の逃げ面最大摩耗量を測定し、表4に併記した。

0025

0026

発明品6〜8の60分切削後の逃げ面最大摩耗量は、比較品4に比べて少なく耐摩耗性に優れていることが分かる。

図面の簡単な説明

0027

リングオンブロック型摩擦試験の概略を示す。

符号の説明

0028

ブロック
2 リング

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