図面 (/)

技術 広帯域波長合分波フィルタ

出願人 古河電気工業株式会社
発明者 奈良一孝占部晴樹
出願日 2004年6月25日 (16年6ヶ月経過) 出願番号 2004-188365
公開日 2006年1月12日 (14年11ヶ月経過) 公開番号 2006-011062
状態 特許登録済
技術分野 光集積回路 回折格子、偏光要素、ホログラム光学素子 光集積回路 回折格子、ホログラム光学素子
主要キーワード 接続中心 複数波長光 位相部分 広帯域波長光 特性シミュレーション 設定長 マイクロオプ 伝送スピード
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年1月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

解決手段

2つのマッハツェンダ光干渉回路13a,13bを完全点対称に接続した第1の点対称接続光干渉計回路5を光入力側回路1とし、その第1の光導波路11の光入力端17は複数波長光の入力部と成し、該第1の光導波路11の出力端スルーポート18、光入力側回路1の第2の光導波路12の出力端はクロスポート19と成す。スルーポート18には第1の点対称接続光干渉計回路5と同一機能構成の第2の点対称接続光干渉計回路7から成る第1の光出力側回路2を接続し、クロスポート19には、第1と第2の点対称接続光干渉計回路5,7を形成するマッハツェンダ光干渉計回路13a,13bと異なる長さ構成のマッハツェンダ光干渉計回路13c,13dを1つ以上有する第2の光出力側回路3を接続する。

概要

背景

近年、インターネット一般家庭にも普及し、ADSLやFTTHによる常時接続メガクラスの伝送スピード月額数千円といった高速かつ低価格なサービス浸透し、ブロードバンドならではの大容量コンテンツ配信やビデオチャット等が普及しつつある。

このようなブロードバンド化に向けて、ピーク時100Mbps高速データ通信と最大500chの多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるB-PONシステムITU-Tにて世界標準とされた。このシステムの構成例を以下の図11に示す(例えば、非特許文献1、参照)。

なお、同図において、通信局40は、通信用の光ファイバ45を介してお客様宅41に接続されている。図中、B−ONUはデータ系宅内装置WDM光カプラ、V−ONUは映像系宅内装置、NE−OSSはデータ系監視制御装置、B−OLTはデータ系所内装置EMDXは、Ether多重分離装置、V−OLTは映像系所内装置を示す。

このシステムの大きな特徴は、新しい光波長配置により高速データ通信の送受信で使用している2つの波長に加え、さらにもう1つの光波長を重畳して、多チャンネルの映像配信を同時に視聴できる点である。通常は、送受信する高速データ通信波長は下りが1.49μm帯(1.48〜1.50μm)、上りが1.31μm帯(1.26〜1.36μm)であり、EDFAの増幅帯である1.55μm帯(1.55〜1.56μm)で映像分配を行う。

B-PONシステムでは1心の光ファイバを用いて3種類の波長の光信号伝送するため、光合分波機能複数波長合波および分波)を有する波長合分波機能と、映像信号を等しい光強度で分配する機能が必要である。従来、波長合分波機能を有する光部品としては、誘電体多層膜フィルタが適用されている。波長合分波機能を有する光部品には、今後、広帯域の波長の合分波特性と、例えば25dBを越える高アイソレーション特性とが要求されつつあり、広帯域波長光合分波フィルタの開発が望まれる。

なお、広帯域の波長の合分波特性を有する光部品の例として、図2に示すような構成の回路が知られている(例えば非特許文献2、参照。)。

この回路は、第1の光導波路11と該第1の光導波路11と間隔を介して並設された第2の光導波路12とにより方向性結合器6を光導波路長手方向に互いに間隔を介して形成した2つの同一のマッハツェンダ光干渉計回路13(13a,13b)を、その接続中心点Aに対し、完全点対称縦列接続した点対称接続光干渉計回路である。

つまり、2つのマッハツェンダ光干渉計回路13(13a,13b)の方向性結合器6の配列ピッチが互いに等しく形成されて、一方側のマッハツェンダ光干渉計回路13aの位相部分9は第1の光導波路11の長さが第2の光導波路12の長さより予め決められた長さ分、長く形成され、他方側のマッハツェンダ光干渉計回路13bの位相部分9は第2の光導波路12の長さが第1の光導波路11の長さより前記予め決められた長さ分、長く形成されている。

B−PONシステムの概要NTT−AS研ホームページ
Jinguji,et al., ”Two-port opticalwavelength circuits composed of cascaded Mach-Zehnder interferometers withpoint-symmetrical configurations”, J. LightwaveTechnol., vol.14, no.10, pp.2301-2310(1996).

概要

広帯域の波長の合分波特性と高アイソレーション特性とが共に良好な広帯域波長合分波フィルタを提供する。 2つのマッハツェンダ光干渉計回路13a,13bを完全点対称に接続した第1の点対称接続光干渉計回路5を光入力側回路1とし、その第1の光導波路11の光入力端17は複数波長光の入力部と成し、該第1の光導波路11の出力端スルーポート18、光入力側回路1の第2の光導波路12の出力端はクロスポート19と成す。スルーポート18には第1の点対称接続光干渉計回路5と同一機能構成の第2の点対称接続光干渉計回路7から成る第1の光出力側回路2を接続し、クロスポート19には、第1と第2の点対称接続光干渉計回路5,7を形成するマッハツェンダ光干渉計回路13a,13bと異なる長さ構成のマッハツェンダ光干渉計回路13c,13dを1つ以上有する第2の光出力側回路3を接続する。

目的

本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、広帯域の波長の合分波特性と高アイソレーション特性とが共に良好で、多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるシステムの低コスト化を図ることができる広帯域波長合分波フィルタを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

基板上に、2つの同一のマッハツェンダ光干渉回路を完全点対称縦列接続した第1の点対称接続光干渉計回路を設け、該第1の点対称接続光干渉計回路を1つ以上縦列接続して光入力側回路を形成し、該光入力側回路の第1の光導波路光入力端複数波長光の入力部と成して該第1の光導波路の出力端スルーポートと成し、前記光入力側回路の第2の光導波路の出力端はクロスポートと成し、前記スルーポートには前記第1の点対称接続光干渉計回路と同一機能構成の第2の点対称接続光干渉計回路を1つ以上縦列接続して成る第1の光出力側回路を接続し、前記クロスポートには、前記第1と第2の点対称接続光干渉計回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路と異なる長さ構成のマッハツェンダ光干渉計回路を1つ以上有する第2の光出力側回路を接続して形成されている広帯域波長合分波フィルタ

請求項2

第2の光出力側回路はn段(nは2以上の整数)のマッハツェンダ光干渉計回路を有し、第1段のマッハツェンダ光干渉計回路の第2の光導波路の光出力側に第2段のマッハツェンダ光干渉計回路の第1の光導波路の光入力側が接続され、前段のマッハツェンダ光干渉計回路の第2の光導波路の光出力側に後段のマッハツェンダ光干渉計回路の第1の光導波路の光入力側が接続され、前記第1段のマッハツェンダ光干渉計回路の第1の光導波路の光入力側が前記光入力側回路のクロスポートに接続され、前記光入力側回路のスルーポートには第1の光出力側回路の第1の光導波路の光入力側が接続されていることを特徴とする請求項1記載の広帯域波長合分波フィルタ。

請求項3

第2の光出力側回路は、第1の点対称接続光干渉計回路と同一機能構成の第3の点対称接続光干渉計回路を有して形成したことを特徴とする請求項2記載の広帯域波長合分波フィルタ。

請求項4

光入力側回路の第1の光導波路の光入力端から入力された複数波長光のうちスルーポートから出力された光は第1の光出力側回路の第1の光導波路を通ってその光出力側から出力され、前記複数波長光のうち光入力側回路のクロスポートから出力された光は第2の光出力側回路を形成するn段接続の回路のうち、第1段の回路の第1の光導波路から入力されて最後段の回路の第2の光導波路の光出力側から出力される構成としたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の広帯域波長合分波フィルタ。

請求項5

第1の光導波路と第2の光導波路のうち一方側の光導波路から入力されて該光導波路から出力される光をスルー伝搬光とし、前記一方側の光導波路から入力されて他方側から出力される光をクロス伝搬光としたとき、点対称接続光干渉計回路はスルー伝搬光の損失が小さいスルー損失小波長帯を1つ以上有し、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路の少なくとも1つはクロス伝搬光の損失が前記1つ以上のスルー損失小波長帯のうち少なくとも1つの波長帯内に極大値を有するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の広帯域波長合分波フィルタ。

請求項6

点対称接続光干渉計回路はクロス伝搬光の損失が小さいクロス損失小波長帯を1つ以上有し、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路の少なくとも1つはクロス伝搬光の損失が前記1つ以上のクロス損失小波長帯のうち少なくとも1つの波長帯内に極大値を有するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の広帯域波長合分波フィルタ。

請求項7

基板上に、請求項1乃至請求項6の少なくとも1つの広帯域波長合分波フィルタを複数アレイ状に配設したことを特徴とする広帯域波長合分波フィルタ。

技術分野

0001

本発明は、例えば光通信分野に用いられる広帯域波長合分波フィルタに関するものである。

背景技術

0002

近年、インターネット一般家庭にも普及し、ADSLやFTTHによる常時接続メガクラスの伝送スピード月額数千円といった高速かつ低価格なサービス浸透し、ブロードバンドならではの大容量コンテンツ配信やビデオチャット等が普及しつつある。

0003

このようなブロードバンド化に向けて、ピーク時100Mbps高速データ通信と最大500chの多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるB-PONシステムITU-Tにて世界標準とされた。このシステムの構成例を以下の図11に示す(例えば、非特許文献1、参照)。

0004

なお、同図において、通信局40は、通信用の光ファイバ45を介してお客様宅41に接続されている。図中、B−ONUはデータ系宅内装置WDM光カプラ、V−ONUは映像系宅内装置、NE−OSSはデータ系監視制御装置、B−OLTはデータ系所内装置EMDXは、Ether多重分離装置、V−OLTは映像系所内装置を示す。

0005

このシステムの大きな特徴は、新しい光波長配置により高速データ通信の送受信で使用している2つの波長に加え、さらにもう1つの光波長を重畳して、多チャンネルの映像配信を同時に視聴できる点である。通常は、送受信する高速データ通信波長は下りが1.49μm帯(1.48〜1.50μm)、上りが1.31μm帯(1.26〜1.36μm)であり、EDFAの増幅帯である1.55μm帯(1.55〜1.56μm)で映像分配を行う。

0006

B-PONシステムでは1心の光ファイバを用いて3種類の波長の光信号伝送するため、光合分波機能複数波長合波および分波)を有する波長合分波機能と、映像信号を等しい光強度で分配する機能が必要である。従来、波長合分波機能を有する光部品としては、誘電体多層膜フィルタが適用されている。波長合分波機能を有する光部品には、今後、広帯域の波長の合分波特性と、例えば25dBを越える高アイソレーション特性とが要求されつつあり、広帯域波長光合分波フィルタの開発が望まれる。

0007

なお、広帯域の波長の合分波特性を有する光部品の例として、図2に示すような構成の回路が知られている(例えば非特許文献2、参照。)。

0008

この回路は、第1の光導波路11と該第1の光導波路11と間隔を介して並設された第2の光導波路12とにより方向性結合器6を光導波路長手方向に互いに間隔を介して形成した2つの同一のマッハツェンダ光干渉計回路13(13a,13b)を、その接続中心点Aに対し、完全点対称縦列接続した点対称接続光干渉計回路である。

0009

つまり、2つのマッハツェンダ光干渉計回路13(13a,13b)の方向性結合器6の配列ピッチが互いに等しく形成されて、一方側のマッハツェンダ光干渉計回路13aの位相部分9は第1の光導波路11の長さが第2の光導波路12の長さより予め決められた長さ分、長く形成され、他方側のマッハツェンダ光干渉計回路13bの位相部分9は第2の光導波路12の長さが第1の光導波路11の長さより前記予め決められた長さ分、長く形成されている。

0010

B−PONシステムの概要NTT−AS研ホームページ
Jinguji,et al., ”Two-port opticalwavelength circuits composed of cascaded Mach-Zehnder interferometers withpoint-symmetrical configurations”, J. LightwaveTechnol., vol.14, no.10, pp.2301-2310(1996).

発明が解決しようとする課題

0011

ところで、従来、B−PONシステムに適用されてきた誘電体多層膜フィルタは、一般に広帯域の波長合分波機能を有しているものの、図12に示すように、例えば特性線aに示す透過光透過帯域に対する、特性線bに示す反射光の非反射帯域アイソレーションは高い(図12のA参照)が、その逆に、反射光の反射帯域に対する透過光の非透過帯域のアイソレーションが大きく劣化する(図12のB参照)ことが知られており、今後要求されつつある、高アイソレーション特性を満足することができない。

0012

また、誘電体多層膜フィルタは、モジュール化の際に、レンズ系を用いたマイクロオプティックス技術が適用されるため、部品コストが下がらず、低コスト化が困難である場合があった。

0013

さらに、図2に示したような点対称接続光干渉計回路は、広帯域の波長の合分波特性を有する構成として提案されているものの、高アイソレーション特性を得ることは難しいと考えられる。

0014

本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、その目的は、広帯域の波長の合分波特性と高アイソレーション特性とが共に良好で、多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるシステムの低コスト化を図ることができる広帯域波長合分波フィルタを提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、基板上に、2つの同一のマッハツェンダ光干渉計回路を完全点対称に縦列接続した第1の点対称接続光干渉計回路を設け、該第1の点対称接続光干渉計回路を1つ以上縦列接続して光入力側回路を形成し、該光入力側回路の第1の光導波路の光入力端複数波長光の入力部と成して該第1の光導波路の出力端スルーポートと成し、前記光入力側回路の第2の光導波路の出力端はクロスポートと成し、前記スルーポートには前記第1の点対称接続光干渉計回路と同一機能構成の第2の点対称接続光干渉計回路を1つ以上縦列接続して成る第1の光出力側回路を接続し、前記クロスポートには、前記第1と第2の点対称接続光干渉計回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路と異なる長さ構成のマッハツェンダ光干渉計回路を1つ以上有する第2の光出力側回路を接続して形成されている構成をもって課題を解決する手段としている。

0016

また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、前記第2の光出力側回路はn段(nは2以上の整数)のマッハツェンダ光干渉計回路を有し、第1段のマッハツェンダ光干渉計回路の第2の光導波路の光出力側に第2段のマッハツェンダ光干渉計回路の第1の光導波路の光入力側が接続され、前段のマッハツェンダ光干渉計回路の第2の光導波路の光出力側に後段のマッハツェンダ光干渉計回路の第1の光導波路の光入力側が接続され、前記第1段のマッハツェンダ光干渉計回路の第1の光導波路の光入力側が前記光入力側回路のクロスポートに接続され、前記光入力側回路のスルーポートには第1の光出力側回路の第1の光導波路の光入力側が接続されている構成とした構成をもって課題を解決する手段としている。

0017

さらに、第3の発明は、上記第2の発明の構成に加え、前記第2の光出力側回路は、第1の点対称接続光干渉計回路と同一機能構成の第3の点対称接続光干渉計回路を有して形成した構成をもって課題を解決する手段としている。

0018

さらに、第4の発明は、上記第2または第3発明の構成に加え、前記光入力側回路の第1の光導波路の光入力端から入力された複数波長光のうちスルーポートから出力された光は第1の光出力側回路の第1の光導波路を通ってその光出力側から出力され、前記複数波長光のうち光入力側回路のクロスポートから出力された光は第2の光出力側回路を形成するn段接続の回路のうち、第1段の回路の第1の光導波路から入力されて最後段の回路の第2の光導波路の光出力側から出力される構成とした構成をもって課題を解決する手段としている。

0019

さらに、第5の発明は、上記第1乃至第4のいずれか1つの構成に加え、前記第1の光導波路と第2の光導波路のうち一方側の光導波路から入力されて該光導波路から出力される光をスルー伝搬光とし、前記一方側の光導波路から入力されて他方側から出力される光をクロス伝搬光としたとき、点対称接続光干渉計回路はスルー伝搬光の損失が小さいスルー損失小波長帯を1つ以上有し、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路の少なくとも1つはクロス伝搬光の損失が前記1つ以上のスルー損失小波長帯のうち少なくとも1つの波長帯内に極大値を有するように構成されていることを特徴とする。

0020

さらに、第6の発明は、上記第5の発明の構成に加え、前記点対称接続光干渉計回路はクロス伝搬光の損失が小さいクロス損失小波長帯を1つ以上有し、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路の少なくとも1つはクロス伝搬光の損失が前記1つ以上のクロス損失小波長帯のうち少なくとも1つの波長帯内に極大値を有するように構成されている構成をもって課題を解決する手段としている。

0021

さらに、第7の発明は、上記第1乃至第6の発明のうち少なくとも1つの広帯域波長合分波フィルタを複数アレイ状に配設した構成をもって課題を解決する手段としている。

発明の効果

0022

本発明によれば、基板上に光導波路の回路を形成して広帯域波長合分波フィルタを形成することにより、以下のような回路構成によって、容易に設計通り波長特性を有する広帯域波長合分波フィルタを形成することができる。

0023

つまり、本発明における光導波路の回路は、2つの同一のマッハツェンダ光干渉計回路を完全点対称に縦列接続した第1の点対称接続光干渉計回路を有しており、この点対称接続光干渉計回路は、例えば前記非特許文献2等にも示されているように、広帯域の波長の合分波特性を有する。

0024

そして、この点対称接続光干渉計回路を1つ以上縦列接続して光入力側回路を形成し、該光入力側回路の第1の光導波路の光入力端は複数波長光の入力部と成すことにより、光入力側回路によって、広帯域の複数波長の光を的確に分波して、光入力側回路を形成する第1の光導波路の出力側と第2の光導波路の出力側からそれぞれ出力することができる。

0025

なお、本発明者は、点対称接続光干渉計回路を複数縦列接続すると、クロス伝搬光(第1の光導波路と第2の光導波路のうち一方側の光導波路から入力されて他方側の光導波路から出力される光)の通過波長帯透過波長帯)に対するスルー伝搬光(第1の光導波路と第2の光導波路のうち一方側の光導波路から入力されて該光導波路から出力される光)の通過波長帯(透過波長帯)のアイソレーション特性を向上できることを、シミュレーション等による検討によって明らかにしている。

0026

したがって、本発明によれば、光入力側回路の第1の光導波路の出力端はスルーポートと成して、該スルーポートに前記点対称接続光干渉計回路と同一機能構成の点対称接続光干渉計回路を1つ以上縦列接続して成る第1の光出力側回路を接続することにより、広帯域の波長の分波機能を維持したまま、さらに、クロス伝搬光の通過波長帯に対するスルー伝搬光のアイソレーションを高くすることができる。

0027

また、本発明によれば、前記光入力側回路の第2の光導波路の出力端はクロスポートと成して、該クロスポートには、前記点対称接続光干渉計回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路と異なる長さ構成のマッハツェンダ光干渉計回路を1つ以上有する第2の光出力側回路を接続することにより、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路の構成により生じる特性によって、スルー伝搬光の通過波長帯に対するクロス伝搬光のアイソレーションを高くすることができる。

0028

なお、マッハツェンダ光干渉計回路の接続により形成されている本発明の光入力側回路、第1、第2の光出力側回路は、いずれも、光の入力方向を逆にすることにより、上記分波とは逆に合波機能を果たすことができる。

0029

したがって、本発明によれば、広帯域の波長光低損失で合分波でき、かつ、高アイソレーション特性が良好な広帯域波長合分波フィルタを実現でき、それにより、多チャンネル映像配信を1心の光ファイバで同時に提供できるシステムの低コスト化を図ることができる。

0030

また、本発明において、第2の光出力側回路はn段(nは2以上の整数)のマッハツェンダ光干渉計回路を有して、前段のマッハツェンダ光干渉計回路の第2の光導波路の光出力側に後段のマッハツェンダ光干渉計回路の第1の光導波路の光入力側が接続されている構成や、第2の光出力側回路は第1の点対称接続光干渉計回路と同一機能構成の第3の点対称接続光干渉計回路を有して形成した構成によれば、第2の光出力側回路を上記のようにn段接続の回路により構成することにより、上記効果を奏する広帯域波長合分波フィルタを的確に形成できる。

0031

そして、上記n段接続の回路を有して、複数波長光のうち光入力側回路のクロスポートから出力された光が、第2の光出力側回路を形成するn段接続の回路のうち、第1段の回路の第1の光導波路から入力されて最後段の回路の第2の光導波路の光出力側から出力される構成とすることにより、光入力側回路のクロスポートから出力される光が、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路等を、第1の光導波路から入力されて第2の光導波路から出力する(クロス伝搬する)動作を1回以上繰り返して出力するようにすることができる。

0032

したがって、第2の光出力側回路を形成する各マッハツェンダ光干渉計回路等の構成によるクロス伝搬光の通過波長帯特性設定によって、より一層確実に、光入力側回路のスルー伝搬光に対するクロス伝搬光のアイソレーションを高くすることができ、上記効果を発揮できる。

0033

さらに、本発明において、点対称接続光干渉計回路はスルー伝搬光の損失が小さいスルー損失小波長帯を1つ以上有し、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路はクロス伝搬光の損失が前記1つ以上のスルー損失小波長帯のうち少なくとも1つの波長帯内に極大値を有する構成によれば、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路の構成によって、前記スルー損失小波長帯におけるクロス伝搬光の損失を大きくできるので、広帯域波長合分波フィルタのスルー伝搬光の通過波長帯に対するクロス伝搬光のアイソレーション特性をさらにより一層確実に高めることができる。

0034

さらに、本発明において、点対称接続光干渉計回路はクロス伝搬光の損失が小さいクロス損失小波長帯を1つ以上有し、第2の光出力側回路を形成するマッハツェンダ光干渉計回路の少なくとも1つはクロス伝搬光の損失が前記1つ以上のクロス損失小波長帯のうち少なくとも1つの波長帯内に極大値を有する構成によれば、前記マッハツェンダ光干渉計回路によって、点対称接続光干渉計回路のクロス損失小波長帯内の損失を大きくできるので、広帯域波長合分波フィルタのスルー伝搬光の通過波長帯に対するクロス伝搬光のアイソレーション特性を、さらにまた、より一層確実に高めることができる。

0035

さらに、本発明において、基板上に、上記構成のうちの少なくとも1つの広帯域波長合分波フィルタを複数アレイ状に配設した構成によれば、上記優れた効果を発揮できる広帯域波長合分波フィルタを複数配設することにより、より多くの波長の光の合分波を高アイソレーションで的確に行える広帯域波長合分波フィルタを実現できる。

発明を実施するための最良の形態

0036

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。

0037

図1には、本発明に係る広帯域波長合分波フィルタの第1実施形態例が示されている。本実施形態例の広帯域波長合分波フィルタは、基板15上に、同図に示すような光導波路の回路を形成して成り、この回路は、光入力側回路1と、第1の光入力側回路2と、第2の光出力側回路3とを有している。

0038

光入力側回路1は、第1の光導波路11と該第1の光導波路11と間隔を介して並設された第2の光導波路12とにより方向性結合器6を光導波路長手方向に互いに間隔を介して形成したマッハツェンダ光干渉計回路13(13a,13b)を2つ直列接続した接続回路を有している。

0039

この接続回路は、図2に示した回路であり、本実施形態例の第1の点対称接続光干渉計回路5としている。この回路において、2つのマッハツェンダ光干渉計回路13(13a,13b)の方向性結合器6の配列ピッチが互いに等しく形成されて、一方側のマッハツェンダ光干渉計回路13aの位相部分9は第1の光導波路11の長さが第2の光導波路12の長さより設定長さ(ここではΔLc)分長く形成され、他方側のマッハツェンダ光干渉計回路13bの位相部分9は第2の光導波路12の長さが第1の光導波路11の長さより前記設定長さ(ここではΔLc)分長く形成されている。

0040

なお、上記設定長さΔLcは、第1の点対称接続光干渉計回路5を形成するマッハツェンダ光干渉計回路13a,13bを含め、以下に説明するそれぞれのマッハツェンダ光干渉計回路13において適宜設定されるものである。

0041

また、図1に示すように、光入力側回路1の第1の光導波路11の光入力端17は複数波長光の入力部と成している。この入力部(IN port)に対し、入力部(光入力端17)が形成されている第1の光導波路11の出力端はスルーポート(Through port)18と成し、光入力側回路1の光入力部が形成されてない第2の光導波路12の出力端はクロスポート(Cross port)19と成している。

0042

光入力側回路1のスルーポート18には前記第1の光出力側回路2が接続されている。該第1の光出力側回路2は、前記第1の点対称接続光干渉計回路5と同一機能構成の第2の点対称接続光干渉計回路7により形成されている。

0043

一方、光入力側回路1のクロスポート19には前記第2の光出力側回路3が接続されている。該第2の光出力側回路3は、前記第1と第2の点対称接続光干渉計回路5,7を形成するマッハツェンダ光干渉計回路13(13a,13b)とは異なる長さ構成のマッハツェンダ光干渉計回路13(13c,13d)を有している。マッハツェンダ光干渉計回路13c,13dは、マッハツェンダ光干渉計回路13a,13bと長さ構成が異なることにより波長合分波特性を異にしている。

0044

これらのマッハツェンダ光干渉計回路13c,13dは、n段(nは2以上の整数であり、この例ではn=2)に接続されており、第1段のマッハツェンダ光干渉計回路13cの第2の光導波路12の光出力側に第2段のマッハツェンダ光干渉計回路13dの第1の光導波路11の光入力側が接続されている。そして、前記第1段のマッハツェンダ光干渉計回路13cの第1の光導波路11の入力側が前記光入力側回路1のクロスポート19に接続されている。

0045

そして、前記光入力側回路1の第1の光導波路11の光入力端17から入力された複数波長光のうち、前記クロスポート19から出力された光は、前記第2の光出力側回路3の第1段のマッハツェンダ光干渉計回路13cの第1の光導波路11から入力されて最後段(ここでは第2段)のマッハツェンダ光干渉計回路13dの第2の光導波路12の光出力側(クロスポート31)から出力される構成と成している。

0046

また、前記光入力側回路1のスルーポート18には第1の光出力側回路2の第1の光導波路11が接続されており、前記光入力側回路1の第1の光導波路11の光入力端17から入力された複数波長光のうち、前記スルーポート18から出力された光は、前記第1の光出力側回路2の前記第1の光導波路11を通ってその光出力側(スルーポート28)から出力される構成と成している。

0047

ところで、マッハツェンダ光干渉計回路13を有するような波長合分波回路において、第1の光導波路と第2の光導波路のうち一方側の光導波路から入力されて該光導波路から出力される光をスルー伝搬光といい、前記一方側の光導波路から入力されて他方側から出力される光をクロス伝搬光という。例えば、第1の光導波路11の光入力側から入力されて該第1の光導波路11の光出力側から出力される光はスルー伝搬光、前記第1の光導波路11の光入力側から入力されて第2の光導波路12の光出力側から出力される光はクロス伝搬光という。

0048

第1の点対称接続光干渉計回路5において、クロスポート19から出力される光(つまり、クロス伝搬光)の透過率TCRは、以下の式(数1)、(数2)、(数3)で与えられる。

0049

0050

0051

0052

ここで、ΔLcは、それぞれのマッハツェンダ光干渉計回路13の位相部分9における光路長差、Kは方向性結合器6の結合効率、neffはコア(光導波路)の等価屈折率、λは波長である。

0053

例えば、波長1.31μm帯、1.49μm帯、1.55μm帯の光を第1の点対称接続光干渉計回路5の光入力端17から入力し、そのうち、スルーポート18から波長1.31μm帯、1.49μm帯の光信号を、クロスポート19から波長1.55μm帯の光信号を取り出すものとする。なお、これらの波長帯は、図11に示したような、B−PONシステムで現在用いられている波長帯である。

0054

この場合、上記3つの波長帯のうち、2つの波長帯のそれぞれの中心波長に対し、C=0とすると、これらの波長に対してはTCR=0となるので、これらの波長の光がスルーポート18から出力される光透過率は1−TCR=1となり、指定した2波長がスルーポート18より取り出せる。

0055

ここで、2つの波長に対し、C=0とするために、(数2)の、cos2(ΔΨ/2)=0となるようにする。例えば、波長1.31μmでΔΨ/2=(2m+3)π、かつ、波長1.49μmで(2m+1)πを満たすようにΔLCを決定する。

0056

次に、波長1.55μmでTCR=1とし、かつ、クロスポート19を広帯域にするため、この波長1.55μmに対し、Cを約0.5とする。これを満たすように、方向性結合器6のKを数値計算により決定する。

0057

最後に、波長1.31μm帯がもっとも透過帯域が広いため、その中心波長である1.31μmでKを約0、もしくは1(100%)、とすることにより広帯域化を行う。

0058

この条件のもと、例えば比屈折率差Δ=0.45%、7.5×7.5μmの石英系光導波回路を作製した場合、上記の手順により求められる解は、ΔLC=7.71μm、波長1.31μmでの方向性結合器の結合効率Kは約0、もしくは1、波長1.55μmでの方向性結合器の結合効率Kは約0.77となる。

0059

上記条件を満たす方向性結合器6は何種類かあるが、一般に、その結合部長の短い方が作製誤差は少ないことがわかっているので、図3に示すような方向性結合器6の結合部長を短く決定することが好ましい。

0060

つまり、上記条件を満たす方向性結合器6の結合部長の例として、924μmと2184μmとがあり、例えば図4の(a)、(b)に示すように、方向性結合器6の結合部長を924μmとしても(図4の(a))、方向性結合器6の結合部長を2184μmとしても(図4の(b))、上記条件を満たすことになるが、この場合、方向性結合器の結合部長を924μmとするほうが、作製誤差が小さいと予測されるので好ましい。

0061

そこで、本実施形態例では、第1の点対称接続光干渉計回路5は、方向性結合器6の結合部長を924μmに形成しており、図4の(a)の波長特性より、波長1.31μmで方向性結合器6の結合効率Kを約1とし、かつ、結合効率Kの波長1.55μmに対する微分係数dK/dλ<0を満たすようにしている。

0062

上記の議論により、点対称接続光干渉計回路は、広帯域波長合分波機能を発揮できるものであり、上記検討に基づき本実施形態例に適用している第1の点対称接続光干渉計回路5および、第1の点対称接続光干渉計回路5と同一機能構成を有する第2の点対称接続光干渉計回路7は、スルー伝搬光の通過波長帯特性(光透過特性)が図5の特性線aに示すような特性となる。

0063

また、この特性線aから明らかなように、例えば1.31μm帯(1.26〜1.36μm)と1.49μm帯(1.48〜1.50μm)においてスルー伝搬光の損失が小さくなっており、つまり、点対称接続光干渉計回路5,7は、スルー伝搬光の損失が小さいスルー損失小波長帯(言い換えればスルー伝搬波長)を1つ以上有している。

0064

また、第1、第2の点対称接続光干渉計回路5,7のクロス伝搬光の通過波長帯特性(光透過特性)が図5の特性線bに示すようになり、点対称接続光干渉計回路5,7は、1.55μm帯(1.55〜1.56μm)を含め、クロス伝搬光の損失が小さいスルー損失小波長帯(言い換えればクロス伝搬波長)を1つ以上有している。なお、これら特性線a、bは、シミュレーションにより求めたものである。

0065

したがって、第1の点対称接続光干渉計回路5(つまり、本実施形態例における光入力側回路1)の光入力端(複数波長光の光入力端17)から、例えば、波長1.31μm帯、1.49μm帯、1.55μm帯の光を入力すると、波長1.31μm帯、1.49μm帯の光は、スルーポート18から低損失で出力することができ、波長1.55μm帯の光は、クロスポート19から低損失で出力できることになる。

0066

なお、上記と逆に、スルーポート18から波長1.31μm帯、1.49μm帯を、クロスポート19から波長1.55μm帯の光を入力した場合は、上記と逆の経路を通って、これらの波長帯の光が合波されて光入力端から低損失で出力される。

0067

しかしながら、図5の特性線a、bから明らかなように、波長1.31μm帯(1.26〜1.36μm)、1.49μm帯(1.48〜1.50μm)、1.55μm帯(1.55〜1.56μm)のそれぞれにおいて、帯域で見た場合、アイソレーションは15dB程度であり、このままではアイソレーションが十分に高いとは言い難い。

0068

そこで、本実施形態例では、光入力側回路1を形成する第1の点対称接続光干渉計回路5のスルーポート18に、第1の点対称接続光干渉計回路5と同一機能構成を有する第2の点対称接続光干渉計回路7の第1の光導波路11を接続し、前記第1の点対称接続光干渉計回路5のスルーポート18から出力されるスルー伝搬光を、第2の点対称接続光干渉計回路7の第1の光導波路11を通してその出力端であるスルーポート28から出力させることにしている。

0069

図6の特性線aに、光入力側回路1の光入力端17から入力されて、第1の光出力側回路2のスルーポート28から出力される光(本実施形態例の広帯域波長合分波フィルタのスルー伝搬光)の光透過特性例を示す。また、図6の特性線a’は、第1の点対称接続光干渉計回路5から成る光入力側回路1のスルー伝搬光の光透過特性を示す。なお、図6の各特性線はシミュレーションにより求めた。

0070

これらの特性線a、a’からも明らかなように、第1の点対称接続光干渉計回路5から成る光入力側回路1のスルーポート18に、第1の点対称接続光干渉計回路5と同一機能構成の第2の点対称接続光干渉計回路6から成る第1の光出力側回路2を接続することにより、広帯域の波長の分波機能を維持したまま、スルー伝搬光の損失大の波長領域(波長1.55μm帯)の損失をより大きくできる。

0071

このスルー伝搬光の損失大の波長領域である1.55μm帯は、本実施形態例の広帯域波長合分波フィルタのクロス伝搬光の通過波長帯であり、つまり、上記第1、第2の点対称接続光干渉計回路5,7の接続構成により、クロス伝搬光の通過波長帯に対するスルー伝搬光のアイソレーションを高くすることができる。

0072

また、クロス伝搬光の通過波長帯である波長1.55μm帯は、帯域は狭いが、広い波長帯域において高アイソレーション特性が要求されるため、第1、第2の点対称接続光干渉計回路5,7を構成するマッハツェンダ光干渉計回路13a,13bと異なる長さ構成の(この長さ構成によって異なる特性を有する)マッハツェンダ光干渉計回路13c,13dを多段接続して第2の光出力側回路とし、光入力側回路1を形成する第1の点対称接続光干渉計回路5のクロスポート19に接続した。

0073

上記マッハツェンダ光干渉計回路13c,13dの少なくとも1つ(ここでは両方)は、そのクロス伝搬光の損失が、前記点対称接続光干渉計回路5における前記スルー損失小波長帯のうち、少なくとも1つの波長帯内に極大値を有するように構成されている。

0074

具体的には、第1段のマッハツェンダ光干渉計回路13cは、クロス伝搬光の光透過特性が図7の特性線b’に示すようになり、前記スルー損失小波長帯である波長1.49μm帯(1.48〜1.50μm)内と波長1.31μm帯(1.26〜1.36μm)とに損失の極大値を有する。なお、図7の特性線はシミュレーションにより求めている。

0075

また、第2段のマッハツェンダ光干渉計回路13dは、クロス伝搬光の光透過特性が図7の特性線b”に示すようになり、前記スルー損失小波長帯の1つである波長1.31μm帯(1.26〜1.36μm)内に損失の極大値を有し、マッハツェンダ光干渉計回路13dは、この極大値近傍の損失値が大きい。

0076

さらに、図7の特性線Bに示すように、点対称接続光干渉計回路5は、前記の如く、クロス伝搬光の損失が小さいクロス損失小波長帯を1つ以上有しており、マッハツェンダ光干渉計回路13dのクロス伝搬光の損失の極大値がある波長1.27μm付近は、点対称接続光干渉計回路5のクロス損失小波長帯の1つの波長帯内である。言い換えれば、マッハツェンダ光干渉計回路13dのクロス伝搬光の損失は、点対称接続光干渉計回路5のクロス損失小波長帯のうち少なくとも1つの波長帯内に極大値を有するように構成されている。

0077

これらのマッハツェンダ光干渉計回路13c,13dを設けて第2の光出力側回路3を形成することにより、以下の効果を奏する。つまり、マッハツェンダ光干渉計回路13c,13dのクロス伝搬光が共に波長1.49μm帯内に損失の極大値を有することから、本実施形態例の広帯域波長合分波フィルタは、図7の特性線bに示すように、波長1.49μm帯におけるクロス伝搬光の損失が25dBを越える値となる。すなわち、本実施形態例の広帯域波長合分波フィルタは、波長1.49μm帯において、スルー伝搬光に対するクロス伝搬光の高アイソレーション特性を有することができる。

0078

また、波長1.31μm帯において、第1の点対称接続光干渉計回路5のクロス伝搬光の損失は小さいので、第1の点対称接続光干渉計回路5のみでは波長1.31μm帯におけるスルー伝搬光に対するクロス伝搬光のアイソレーションを高くすることができないが、マッハツェンダ光干渉計回路13c,13dの接続により、波長1.31μm帯におけるスルー伝搬光に対するクロス伝搬光のアイソレーションを高くすることができる。

0079

つまり、マッハツェンダ光干渉計回路13c,13dのクロス伝搬光が共に波長1.31μm帯内に損失の極大値を有し、特に第2段のマッハツェンダ光干渉計回路13dは、点対称接続光干渉計回路5のクロス損失が小さい1.27μm付近に損失の極大値を有することから、本実施形態例の広帯域波長合分波フィルタは、波長1.31μm帯におけるクロス伝搬光の損失を、25dBを越える値とすることができる。

0080

(実施例1)
上記第1実施形態例の実施例として、以下のようにして広帯域波長合分波フィルタを作製した。つまり、まず、火炎加水分解堆積法を用いてシリコン基板上に石英系ガラスアンダークラッド膜とTiO2ドープのコア膜を形成した。このとき、コアのクラッドに対する比屈折率差Δ=0.4%とし、コア膜厚を7.5μmとした。

0081

続いて、上記図1で示した広帯域波長合分波フィルタの回路が描かれたフォトマスクを介してフォトリソグラフィー反応性イオンエッチング法にてコアに光回路パターン転写した。その後、再度、火炎加水分解堆積法を用いて石英系ガラスのオーバークラッド膜を形成し、図1の回路構成をコアの光導波路により形成した広帯域波長合分波フィルタを作製した。

0082

なお、光導波回路を形成するコアの幅は7.5μmとした。点対称接続光干渉計回路5,7は、方向性結合器のΔLC=7.71μm、方向性結合器6のピッチ図3に示すように、第1の光導波路11の中心と第2の光導波路12の中心との距離)は、11.1μm、方向性結合器の結合部長は、924μmとした。

0083

また、マッハツェンダ光干渉計回路13cは、方向性結合器のΔLC=11.82μm、方向性結合器6のピッチ(図3に示すように、第1の光導波路11の中心と第2の光導波路12の中心との距離)は、11.1μm、方向性結合器の結合部長は、167μmとした。

0084

マッハツェンダ光干渉計回路13dは、方向性結合器のΔLC=2.18μm、方向性結合器6のピッチ(図3に示すように、第1の光導波路11の中心と第2の光導波路12の中心との距離)は、11.1μm、方向性結合器の結合部長は、167μmとした。

0085

この実施例1の広帯域波長合分波フィルタの特性は、図8の特性線a、bに示すようになった。なお、特性線aは、スルー伝搬光の特性、つまり、光入力端17から入力されてスルーポート28から出力される光の特性の実測値であり、特性線bは、クロス伝搬光の特性、つまり、光入力端17から入力されてクロスポート31から出力される光の特性の実測値である。

0086

これらの特性線a、bから明らかなように、波長1.31μm帯(1.26〜1.36μm)における挿入損失は約2.5dB、アイソレーション>27dB、波長1.49μm帯(1.48〜1.50μm)における挿入損失は約1.5dB、アイソレーション>25dB、波長1.55μm帯(1.55〜1.56μm)における挿入損失は1.5dB、アイソレーション>25dBとなった。

0087

これらの結果から明らかなように、この実施例は、ほぼ設計値通りの特性を示しており、設計の妥当性が示され、本発明の有効性が示された。

0088

次に、本発明に係る広帯域波長合分波フィルタの第2実施形態例について説明する。第2実施形態例は、図9に示す回路構成を有しており、上記第1実施形態例とほぼ同様に構成されている。第2実施形態例が上記第1実施形態例と異なる特徴的なことは、第2の光出力側回路3が第1段のマッハツェンダ光干渉計回路13cの代わりに、第1の点対称接続光干渉計回路5と同一機能構成の第3の点対称接続光干渉計回路8として形成したことである。

0089

なお、マッハツェンダ光干渉計回路13dは、波長1.31μm帯でクロス伝搬光の損失の極大値を有するように形成されている。

0090

(実施例2)
上記第2実施形態例の実施例として、上記実施例1と同様の方法により、広帯域波長合分波フィルタを形成した。なお、実施例2においては、コアのクラッドに対する比屈折率差Δ=0.3%とし、コア膜厚を8.0μmとし、コアの光回路パターンは、図9に示すパターンを転写して形成した。

0091

なお、光導波回路を形成するコアの幅は8.0μmとした。点対称接続光干渉計回路5,7,8は、方向性結合器のΔLC=10.81μm、方向性結合器6のピッチは、11.6μm、方向性結合器の結合部長は、810μmとした。

0092

また、マッハツェンダ光干渉計回路13dは、方向性結合器のΔLC=11.82μm、方向性結合器6のピッチは、12.0μm、方向性結合器の結合部長は、30μmとした。

0093

この実施例2の広帯域波長合分波フィルタの特性は、図10の特性線a、bに示すようになった。なお、特性線aは、スルー伝搬光の特性、つまり、光入力端17から入力されてスルーポート28から出力される光の特性の実測値であり、特性線bは、クロス伝搬光の特性、つまり、光入力端17から入力されてクロスポート31から出力される光の特性の実測値である。

0094

これらの特性線a、bから明らかなように、波長1.31μm帯(1.26〜1.36μm)における挿入損失は約1.5dB、アイソレーション>40dB、波長1.49μm帯(1.48〜1.50μm)における挿入損失は約1.5dB、アイソレーション>30dB、挿入損失は1.5dB、波長1.55μm帯(1.55〜1.56μm)におけるアイソレーション>30dBとなった。この第2実施例も、ほぼ設計通りの特性を有するものとなり、設計の妥当性が示され、本発明の有効性が示された。

0095

なお、本発明は上記各実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上記実施例1、2では、コアのクラッドに対する比屈折率差Δを0.45%としたり、0.3%としたりしたが、上記比屈折率差Δは例えば0.80%としてもよい。

0096

また、マッハツェンダ光干渉計回路13の方向性結合器6の結合部長やピッチ等も特に限定されるものでなく適宜設定されるものであり、要求される波長合分波特性に対応させて適宜形成すればよい。

0097

さらに、上記各実施形態例では、光入力側回路1、第1の光出力側回路2は、それぞれ、1つの点対称接続光干渉計回路5、7を有する構成としたが、光入力側回路1と第1の光出力側回路2の少なくとも一方を、2つ以上の点対称接続光干渉計回路を縦列接続して形成した回路としてもよい。

0098

さらに、第2の光出力側回路3は、上記第1実施形態例では2段のマッハツェンダ光干渉計回路13c,13dを有し、上記第2実施形態例では1段の点対称接続光干渉計回路8と、その後段に接続したマッハツェンダ光干渉計回路13dを有する構成としたが、第2の光出力側回路3を形成するマッハツェンダ光干渉計回路13の段数や点対称接続光干渉計回路8の段数は特に限定されるものでなく適宜設定されるものである。

0099

さらに、上記各実施形態例では、1つの光入力端17と2つの光出力端を有する広帯域波長合分波フィルタとしたが、本発明の広帯域波長合分波フィルタは、上記各実施形態例に示したような、1つの光入力端17と2つの光出力端を有する広帯域波長合分波フィルタの回路を複数アレイ状に配設し、複数の光入力端17と、該光入力端17の数に対応させた数の光出力端を有する構成としてもよい。

0100

さらに、上記説明は、1つの光入力端17から入力される複数波長の光を分波してスルーポート28とクロスポート31からそれぞれ出力する例について述べたが、上記と逆に、第1の光出力側回路2のスルーポート28と第2の光出力側回路3のクロスポート31からそれぞれ異なる波長帯の光を入力し、上記説明と逆の経路を通して、光入力側回路の第1の光導波路の光入力端を複数波長光の出力部と成すこともできる。

図面の簡単な説明

0101

本発明に係る広帯域波長合分波フィルタの第1実施形態例の回路構成を模式的に示す要部構成図である。
点対称接続光干渉計回路の回路構成を模式的に示す説明図である。
方向性結合器の構成例を模式的に示す説明図である。
第1実施形態例に適用され得る点対称接続光干渉計回路の特性シミュレーション結果例を示すグラフである。
第1実施形態例に適用される点対称接続光干渉計回路のスルーポートとクロスポートからそれぞれ出力される光透過特性シミュレーション結果を示すグラフである。
第1実施形態例の広帯域波長光合分波器フィルタのスルー伝搬光の光透過特性を1つの点対称接続光干渉計回路のスルー伝搬光と比較して示すグラフである。
第1実施形態例の広帯域波長光合分波器フィルタのクロス伝搬光の光透過特性を、第1実施形態例に適用されている点対称接続光干渉計回路、マッハツェンダ光干渉計回路の各クロス伝搬光と比較して示すグラフである。
第1実施形態例の実施例の広帯域波長光合分波器フィルタのスルー伝搬光とクロス伝搬光の光透過特性を示すグラフである。
本発明に係る広帯域波長合分波フィルタの第2実施形態例の回路構成を模式的に示す要部構成図である。
第2実施形態例の実施例の広帯域波長光合分波器フィルタのスルー伝搬光とクロス伝搬光の光透過特性を示すグラフである。
従来のB-PONシステムの構成例を示す説明図である。
誘電体多層膜フィルタの光透過特性と光反射特性の例を示すグラフである。

符号の説明

0102

1光入力側回路
2 第1の光出力側回路
3 第2の光出力側回路
5 第1の点対称接続光干渉計回路
6方向性結合器
7 第2の点対称接続光干渉計回路
8 第3の点対称接続光干渉計回路
9位相部分
11 第1の光導波路
12 第2の光導波路
13,13a,13b,13c,13dマッハツェンダ光干渉計回路
15基板
17光入力端
18スルーポート
19 クロスポート

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • エルジー・ケム・リミテッドの「 ファラデーケージを用いたプラズマエッチング方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】ファラデーケージを用いたプラズマエッチング方法が提供される。プラズマエッチング方法は、プラズマエッチング装置内に、メッシュ部が上面に備えられたファラデーケージを設けるステップと、開口... 詳細

  • 日本電信電話株式会社の「 光導波路」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】作製時の加工誤差に対して等価屈折率が変化しにくい光導波路を提供する。【解決手段】下部クラッド層101の上に形成された、コア103と、スラブ層102とを備える。下部クラッド層101は、基板104... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 光モジュールおよびその製造方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】光モジュールにおいて、光素子に対するダメージを低減し、かつ、良好な接合強度を実現する光モジュールおよびその製造方法を提供する。【解決手段】光モジュールは、第1基板3と、電気信号を光信号に変換す... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ