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技術 液滴の輸送方法及び装置

出願人 株式会社島津製作所
発明者 鷲津正夫軍司昌秀中西博昭
出願日 2004年6月28日 (16年0ヶ月経過) 出願番号 2004-189147
公開日 2006年1月12日 (14年5ヶ月経過) 公開番号 2006-007120
状態 特許登録済
技術分野 マイクロマシン 供給、排出、か焼、融解、ガス発生 物理的、化学的プロセスおよび装置
主要キーワード ストリップ状電極 集合点 強電解 変形サイクル 表面疎水処理 変形振動 輸送電極 電気的結線
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この項目の情報は公開日時点(2006年1月12日)のものです。
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図面 (3)

課題

単純な1配線で作製可能な電極系での液滴の輸送を可能にする。

解決手段

平面基板1上に、中心線Xに対して一方が+45度、他方が−45度となるように一対の櫛歯状電極2がパターンニングされ、絶縁層3でコートされ、その上に表面疎水処理4が施されている。初期状態においては、液滴はほぼ球形に近い形6をとる。交流電圧印加すると、液滴表面に誘導電荷が生じ、これと印加電界相互作用する結果、液滴は変形を受け、液滴が右側に移動する。

概要

背景

チップ上での微小液体の操作技術は、特にマイクロ化学分析システムマイクロ化学合成装置において、微小液体の混合や、試料となる液体の目的の分析装置への輸送などに用いられる重要な技術である。

従来のチップ上での液体操作技術としては、閉じた流路を形成してその中で加圧電気浸透流を利用して液体を駆動するものがある。しかし、この方法では開放系での操作が行えない、連続した流路の中での流体の一部だけを動かすことが困難である、デッドボリュームがさけられないなどの欠点がある。

そこで、このような問題点を解決するものとして、流路で完全に覆ってしまわない形、すなわち半開放系で液体を液滴の形として扱う技術がある。この方法については、基板上のストリップ状電極電圧印加して液体に働く誘電泳動力により電極に沿った動きを作り、これにより液体の駆動・液滴化や、混合を行う手段が開発されている(非特許文献1参照。)。しかしこの方法には、試料の導電率が高くなると発熱が大きくなり、駆動が困難になるという問題点がある。

また、エレクトロウエティング(Electrowetting)を利用し、タイル状に作られた電極配列に順次電圧を印加してX−Y平面上の任意の位置に液滴を移動させる手法(非特許文献2参照。)や、表面を疎水化した多相電極を基板上に配列し、表面上に電圧を順次印加していくことにより液滴がころがるように移動させていく手法(非特許文献3参照。)も開発されている。しかし、これらの方法は電気的結線が複雑になり、多層配線技術を用いる必要があるという問題点がある。
T. B. Jones, M. Gunji, M. Washizu and M. J. Feldman: "Dielectrophoretic liquid actuation and nanodroplet formation", JAP, Vol. 89, No.2, p.1441-1448 (2001)
J. Lee, H. Moon, J. Fowler, T. Schoellhammer and C.-J. Kim, "Electrowetting on Dielectric for Microscale Liquid Handling," Sensors and Actuators A, 2002, vol. 95, pp. 259-268.
Masao Washizu: "Electrostatic Actuation of Liquid Droplets for Micro-Reactor Applications",IEEE Transaction IA, Vol.34, No.4, p.732-737 (1998)

概要

単純な1配線で作製可能な電極系での液滴の輸送を可能にする。平面基板1上に、中心線Xに対して一方が+45度、他方が−45度となるように一対の櫛歯状電極2がパターンニングされ、絶縁層3でコートされ、その上に表面疎水処理4が施されている。初期状態においては、液滴はほぼ球形に近い形6をとる。交流電圧を印加すると、液滴表面に誘導電荷が生じ、これと印加電界相互作用する結果、液滴は変形を受け、液滴が右側に移動する。

目的

本発明は、単純な1層配線で作製可能な電極系での液滴の輸送方法及び装置の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板上にパターニングされた輸送電極が形成され、その輸送電極上が絶縁膜で被われ、その絶縁膜上を液滴が輸送される液滴の輸送装置であって、前記輸送電極は液滴進行方向に沿って液滴よりも小さい間隔をもって両側に配置された一対の電極からなり、各電極は液滴進行方向に対して90度よりも小さい角度をもち、液滴よりも小さい間隔で互いに平行に配置された導体パターンを有し、前記輸送電極には交流電圧印加されることを特徴とする液滴の輸送装置。

請求項2

前記輸送電極は櫛歯状電極である請求項1に記載の液滴の輸送装置。

請求項3

前記輸送電極は液滴進行方向に対して10度から80度の角度をもって設置された請求項1又は2に記載の液滴の輸送装置。

請求項4

前記絶縁膜の膜厚は0.1μmから100μmである請求項1から3のいずれかに記載の液滴の輸送装置。

請求項5

液滴を形成する液体と接触する基板側の表面に疎水処理を施した請求項1から4のいずれかに記載の液滴の輸送装置。

請求項6

2以上の輸送電極列を進行方向に1点で集合するように配置し、その集合点に複数の液滴を集合させることにより、液滴の混合を行なわせる請求項1から5のいずれかに記載の液滴の輸送装置。

請求項7

請求項1から6のいずれかに記載の液滴の輸送装置を用い、前記交流電圧の印加により液滴に変形振動を引き起こし、その振動により液滴を移動させる液滴の輸送方法

請求項8

印加電圧周波数が、液滴粒子固有振動数共振するように選ばれた請求項1に記載の液滴の輸送装置。

技術分野

0001

本発明は、マイクロ化学分析装置マイクロ化学合成装置など、基板上で数マイクロリットルからナノリットルオーダーの微量な移動操作を行なう分野に関するものである。

背景技術

0002

チップ上での微小液体の操作技術は、特にマイクロ化学分析システムやマイクロ化学合成装置において、微小液体の混合や、試料となる液体の目的の分析装置への輸送などに用いられる重要な技術である。

0003

従来のチップ上での液体操作技術としては、閉じた流路を形成してその中で加圧電気浸透流を利用して液体を駆動するものがある。しかし、この方法では開放系での操作が行えない、連続した流路の中での流体の一部だけを動かすことが困難である、デッドボリュームがさけられないなどの欠点がある。

0004

そこで、このような問題点を解決するものとして、流路で完全に覆ってしまわない形、すなわち半開放系で液体を液滴の形として扱う技術がある。この方法については、基板上のストリップ状電極電圧印加して液体に働く誘電泳動力により電極に沿った動きを作り、これにより液体の駆動・液滴化や、混合を行う手段が開発されている(非特許文献1参照。)。しかしこの方法には、試料の導電率が高くなると発熱が大きくなり、駆動が困難になるという問題点がある。

0005

また、エレクトロウエティング(Electrowetting)を利用し、タイル状に作られた電極配列に順次電圧を印加してX−Y平面上の任意の位置に液滴を移動させる手法(非特許文献2参照。)や、表面を疎水化した多相電極を基板上に配列し、表面上に電圧を順次印加していくことにより液滴がころがるように移動させていく手法(非特許文献3参照。)も開発されている。しかし、これらの方法は電気的結線が複雑になり、多層配線技術を用いる必要があるという問題点がある。
T. B. Jones, M. Gunji, M. Washizu and M. J. Feldman: "Dielectrophoretic liquid actuation and nanodroplet formation", JAP, Vol. 89, No.2, p.1441-1448 (2001)
J. Lee, H. Moon, J. Fowler, T. Schoellhammer and C.-J. Kim, "Electrowetting on Dielectric for Microscale Liquid Handling," Sensors and Actuators A, 2002, vol. 95, pp. 259-268.
Masao Washizu: "Electrostatic Actuation of Liquid Droplets for Micro-Reactor Applications",IEEE Transaction IA, Vol.34, No.4, p.732-737 (1998)

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、単純な1層配線で作製可能な電極系での液滴の輸送方法及び装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、基板上にパターニングされた輸送電極が形成され、その輸送電極上が絶縁膜で被われ、その絶縁膜上を液滴が輸送される液滴の輸送装置であって、前記輸送電極は液滴進行方向に沿って液滴よりも小さい間隔をもって両側に配置された一対の電極からなり、各電極は液滴進行方向に対して90度よりも小さい角度をもち、液滴よりも小さい間隔で互いに平行に配置された導体パターンを有し、前記輸送電極には交流電圧が印加されることを特徴とする液滴の輸送装置に関するものである。

0008

基板上に、液滴を輸送しようとする方向の中心線を境に、進行方向に対し一方が+θ1、他方が−θ2の角度を持つような多数の電極を配置し、液滴をそれらの電極の一端の中心線上付近に置く。ここでθ1とθ2は等しくても異なっていてもよい。電極に交流電圧を印加すると、交流電圧のピーク付近では電気力により液滴が扁平化し、電圧が0になる瞬間付近では変形が解放されるような振動を生ずる。扁平化の生じるサイクルでは、電極のエッジの作る電界集中により、電極形状を越えた変形が生じにくいのに対し、解放されるサイクルでは等方的に球形に近い形に戻る。電極形状が進行方向の前後に対して非対称な形をしているため、変形サイクルが生ずるたびに、液滴は移動しやすい方向へと移動していくことになる。すなわち、このインチワームメカニズムにより、液滴は一方向へと輸送されることになる。

0009

前記輸送電極は、液滴進行方向に対して10度から80度の角度をもって配置されていることが好ましい。
そのような電極の好ましい形状は櫛歯状電極である。
前記絶縁膜の膜厚は0.1μmから100μmであることが好ましい。
液滴を形成する液体と接触する基板側の表面に疎水処理がされている液滴の輸送装置であることが好ましい。
2以上の輸送電極列を進行方向に1点で集合するように配置し、その集合点に複数の液滴を集合させることにより、液滴の混合を行なわせる液滴の輸送装置とすることができる。
本発明の輸送方法は、前記記載の液滴の輸送装置を用い、前記交流電圧の印加により液滴に変形振動を引き起こし、その振動により液滴を移動させる方法である。
印加電圧周波数が、液滴粒子固有振動数共振するように選ばれた液滴の輸送装置とすることが好ましい。

発明の効果

0010

本発明の装置は、一対の電極により構成されるため、単純な1層のプロセスにより作製が可能である。そのため、信頼性の高い作製及び運転が可能で、かつ低コストであるため、チップ自体のディスポーサブル化も可能である。また、駆動のための電源系の単純化ローコスト化も実現できる。

0011

電極を櫛歯状にすることによって電源装置への接続を簡単にすることができ、構成を単純化できる。
液滴と接触する基板側の表面に疎水処理を施すことによって、交流電圧0付近では液滴をより球形に近い形状にすることができ、交流電圧のピーク付近での扁平形状との間の形状変形量を大きくすることができて、液滴の移動量を大きくすることができる。
印加電圧の周波数が、液滴粒子の固有振動数と共振するように選ぶことによって、液滴の移動量をより大きくすることができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明の一実施例を詳細に説明する。
図1に示すように、平面基板であるガラス基板1上に、進行方向Xの中心線に対して一方が+45度、他方が−45度となるように一対の櫛歯状電極2a,2bがパターンとして形成され、検出部が対向するように配置されている。電極2a,2bはその上が絶縁層3でコートされている。絶縁層3の上には表面疎水処理層4が施されている。櫛歯状電極2は電源5につながれる。
絶縁層3としてはSiO2膜、疎水処理層4としてはアモルファステフロン登録商標)のスピンコート膜、電源としては50Hzの周波数で170Vの電源5を用いる。
電極2は、基板1上に銅やアルミニウムなどの導電膜を形成し、写真製版エッチングによりパターニングして形成することができる。

0013

本発明は前記記載の絶縁層、処理方法などに限定されず、電極形状としても角度45度の直線的な櫛歯状電極以外に、30度、60度など45度以外の直線的な櫛歯状電極や、曲線的な櫛歯状の電極、スパイラル状の電極など、電極間に交流電圧を印加した際に液滴に一定方向の重心移動を伴う振動を生じさせることができるものなら、任意の形状を用いることができる。

0014

図1において、電極2a,2bの一端に2つの電極2a,2bをまたぐように液滴6を配置し、電源5により電極2a,2bを励起すると、交流電圧のピーク付近では電気力により液滴6が扁平化し、電圧が0になる瞬間付近では変形が解放されるような振動を生ずる。
ここで、扁平化の生じるサイクルでは、櫛歯状電極2a,2bのエッジの作る電界集中により櫛歯を越えた変形が生じにくいのに対し、扁平化の解放されるサイクルでは、等方的に球形に近い形に戻る。この結果、液滴は図1に示す右側である液滴進行方向Xに移動していく。

0015

液滴移動のメカニズムをさらに詳細に説明したのが図2である。図2a)に示すように、液滴の変形を生じない初期状態においては、疎水性表面処理のため、液滴はほぼ球形に近い形7をとる。
周波数fの交流電圧を印加すると、液滴の誘電率又は導電率が周囲の媒質の誘電率又は導電率と異なる場合には、液滴表面に誘導電荷が生じ、これと印加電界相互作用する結果、液滴には周波数2fの電気力が働き、それにより液滴は変形を受ける。

0016

変形が最大になった状態を模式的に表したのが図2b)である。電気力線8により、液滴は基板に引きつけられて扁平になるような変形9を受ける。このとき、斜めに設けられた櫛歯状電極のエッジと液滴の表面が平行に接するようになる部位10では、エッジ部の強電解が液滴を引きつけるため、このエッジを越えて液体が移動することが困難になる。そのため部位10では、液滴の表面が電極エッジと平行になるような変形をするのに対し、電極エッジと液滴表面が直行する部位11ではそのような制限はなく、電極に沿って広がって変形する。

0017

液滴の変形は図2b)に示すように、図中右上及び右下により広がる非対称なものになり、その重心位置は変形前よりも図中右側にシフトしたものになる。電気力は周波数2fで0とピーク値の間を変化しているため、印加周波数の1/2周期後には図2c)に示すように変形が解放されるが、この際、液滴は非対称に変形した時の重心を中心として、球状化13する。従って変形の1サイクルを減るごとに、液滴は図中右方向に距離14ずつ移動することになる。

0018

このメカニズムによる移動距離は、(1ステップあたりの移動距離)×(変形サイクル数)によって決まり、1ステップあたりの移動距離は、変形の大きさに依存し、電極ピッチ整数倍となる。変形が小さい場合は移動は起こらないが、大きな変形の場合には電極ピッチ1つ以上の移動を生ずることも可能である。この変形を大きくとるには、液滴の固有振動と共振するように印加周波数を選ぶこと、すなわち、(電源周波数)=(液滴の固有周波数)÷2、となるように選ぶことが有効である。
ここで、液滴の固有振動数とは、液滴を構成する液体の表面張力と質量による生じる、液体表面の変形の自由振動の固有振動数のことで、空間中に孤立した直径1mmの水滴の扁平化と偏長化を繰り返すモードに対しては、固有振動数は約340Hzとなる。

0019

本発明は、マイクロ化学分析やマイクロ化学合成装置などに用いることができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の一実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)はそのA−A’線位置での断面図である。
(a)〜(c)は同実施例の動作説明図であり、いずれも左図は平面図、右図はその液滴位置での断面図である。

符号の説明

0021

1基板
2電極
3絶縁層
4表面疎水処理
5電源
6 液滴
7 液滴の初期位置及び形状
8電気力線
電界印加による変形した液滴
10電極エッジと液滴表面が接する部位
11 電極エッジと液滴表面が直交する部位
12 b)における変形時の液滴形状
13 変形が戻った時の液滴位置
14 1サイクル中の液滴の移動距離

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