図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2005年12月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題・解決手段

本発明は、補体系活性化できる融合タンパク質、即ちレクチン-補体経路活性化タンパク質またはその機能的相同体由来の第一のポリペプチド配列;およびコレクチンまたはその機能的相同体由来の第二のポリペプチド配列(ここで該補体活性化タンパク質はコレクチンではない)を含む融合タンパク質に関する。好ましい融合タンパク質は、図1のL-フィコリン配列のアミノ酸および図2に示すMBL配列のアミノ酸を含む。融合タンパク質は、作成、再構成、補体系のオプソニンおよび/または殺菌活性の促進および/または刺激、すなわち、微生物病原菌を認識および死滅させる免疫防御能力の促進からなる治療において使用に適当である。従って、本発明は、融合タンパク質を含む医薬、該融合タンパク質を産生する方法および疾患特に感染症を治療する方法に関する。

概要

背景

概要

本発明は、補体系活性化できる融合タンパク質、即ちレクチン-補体経路活性化タンパク質またはその機能的相同体由来の第一のポリペプチド配列;およびコレクチンまたはその機能的相同体由来の第二のポリペプチド配列(ここで該補体活性化タンパク質はコレクチンではない)を含む融合タンパク質に関する。好ましい融合タンパク質は、のL-フィコリン配列のアミノ酸およびに示すMBL配列のアミノ酸を含む。融合タンパク質は、作成、再構成、補体系のオプソニンおよび/または殺菌活性の促進および/または刺激、すなわち、微生物病原菌を認識および死滅させる免疫防御能力の促進からなる治療において使用に適当である。従って、本発明は、融合タンパク質を含む医薬、該融合タンパク質を産生する方法および疾患特に感染症を治療する方法に関する。

目的

本発明の詳細な説明
本発明の目的は、疾患、特に感染症の予防または治療を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

i)レクチン補体経路活性化タンパク質またはその機能的相同体由来の第一のポリペプチド配列、およびii)コレクチンまたはその機能的相同体由来の第二のポリペプチド配列、ここで、該補体活性化タンパク質はコレクチンではない、を含む融合タンパク質

請求項2

該第一のポリペプチド配列は、レクチン補体経路を活性化することができる、請求項1の融合タンパク質。

請求項3

該第一のポリペプチド配列は、MASPタンパク質の少なくとも1つと結合ができる、請求項1の融合タンパク質。

請求項4

該第一のポリペプチド配列は、MASP-1、MASP-2 および MASP-3またはそれらの機能的相同体もしくは変異体からなる群から選択されたMASPと結合することができる、請求項1の融合タンパク質。

請求項5

補体活性化タンパク質がフィコリンである、請求項1の融合タンパク質。

請求項6

フィコリンが、L-フィコリン、H-フィコリン および M-フィコリンからなる群から選択される、請求項5の融合タンパク質。

請求項7

フィコリンがL-フィコリンである、請求項5の融合タンパク質。

請求項8

第一のポリペプチド配列が、補体活性化タンパク質またはそのタンパク質と少なくとも70%、80%など、例えば90%、95%などの同一性を有する配列の、少なくとも10、少なくとも12など、例えば少なくとも15、少なくとも20など、例えば少なくとも25、少なくとも30など、例えば少なくとも35、少なくとも40など、例えば少なくとも50の連続アミノ酸を含む、請求項1から7の何れかに記載の融合タンパク質。

請求項9

第一のポリペプチド配列がフィコリンまたはその機能的相同体もしくは変異体のコラーゲン様領域を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項10

第一のポリペプチド配列がL-フィコリンのコラーゲン様領域を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項11

第一のポリペプチド配列がフィコリンまたはその機能的相同体のシステインリッチ領域を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項12

第一のポリペプチド配列がL-フィコリンのシステインリッチ領域を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項13

第一のポリペプチド配列がフィコリンまたはその機能的相同体もしくは変異体のシステインリッチ領域およびコラーゲン様領域を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項14

第一のポリペプチド配列がL-フィコリンのシステインリッチ領域およびコラーゲン様領域を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項15

第一のポリペプチド配列が配列番号1のアミノ酸1-77を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項16

第二のポリペプチド配列が1以上の炭水化物と結合することができる、請求項1の融合タンパク質。

請求項17

コレクチンが、MBL(マンノース-結合レクチン)、SP-A(肺サーファクタントプロテインA)、SP-D(肺サーファクタントプロテインD)、BK(またはBC、ウシコングルチニン) および CL-43 (コレクチン-43)からなる群から選択される、請求項1の融合タンパク質。

請求項18

コレクチンがMBLである、請求項17の融合タンパク質。

請求項19

第二のポリペプチド配列が、コレクチンまたはそのタンパク質と少なくとも70%、80%など、例えば90%、95%などの同一性を有する配列の、少なくとも10、少なくとも12など、例えば少なくとも15、少なくとも20など、例えば少なくとも25、少なくとも30など、例えば少なくとも35、少なくとも40など、例えば少なくとも50の連続アミノ酸を含む、請求項1から18の何れかに記載の融合タンパク質。

請求項20

第二のポリペプチド配列がコレクチンまたはその機能的相同体もしくは変異体のCRDドメインを含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項21

第二のポリペプチド配列がMBLのCRDドメインを含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項22

第二のポリペプチド配列がMBLのネック領域を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項23

第二ポリペプチド配列がMBLのコラーゲン様領域を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項24

第二のポリペプチド配列がMBLのネック領域およびCRDドメインを含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項25

第二のポリペプチド配列がMBLのコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項26

第二のポリペプチド配列が配列番号2のアミノ酸80-228を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項27

融合タンパク質が、L-フィコリンのシステインリッチ領域およびコラーゲン様領域、およびMBLのCRDドメインを含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項28

融合タンパク質が、L-フィコリンのシステインリッチ領域、およびMBLのコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項29

融合タンパク質が配列番号3で定義されるアミノ酸配列、またはその機能的相同体を含む、請求項1の融合タンパク質。

請求項30

融合タンパク質が、配列番号3で定義されるアミノ酸配列からなる、請求項1の融合タンパク質。

請求項31

請求項1から30の何れかの融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸

請求項32

請求項31の核酸配列を含むベクター

請求項33

請求項32のベクターを含む細胞

請求項34

細胞が哺乳類細胞である、請求項33の細胞。

請求項35

細胞が非哺乳類細胞である、請求項33の細胞。

請求項36

医薬として使用するための請求項1から30の何れかの融合タンパク質。

請求項37

臨床症状の治療の必要がある個体におこなう治療方法であって、請求項1から30の何れかの融合タンパク質を当該個体に投与することを含む、当該方法。

請求項38

臨床症状が感染である、請求項37の方法。

請求項39

個体がヒトである、請求項37の方法。

請求項40

個体が、感染症にかかる危険性の高いヒトである、請求項37の方法。

請求項41

個体が、血清MBLレベルが正常よりも低いヒトである、請求項37の方法。

請求項42

個体が、血清MBLレベルが正常であるヒトである、請求項37の方法。

請求項43

臨床症状の治療の必要がある個体におこなう該治療用の医薬の製造のための、請求項1から30の何れかの融合タンパク質の使用。

請求項44

臨床症状が感染である、請求項43の使用。

請求項45

個体がヒトである、請求項43の使用。

請求項46

個体が、感染症にかかる危険性の高いヒトである、請求項43の使用。

請求項47

個体が、血清MBLレベルが正常よりも低いヒトである、請求項43の使用。

請求項48

個体が、血清MBLレベルが正常であるヒトである、請求項43の使用。

請求項49

請求項1から30の何れかの融合タンパク質を含む、治療または予防の必要がある個体の、臨床症状の該治療または予防用の医薬。

請求項50

臨床症状が感染である、請求項49の医薬。

請求項51

個体がヒトである、請求項49の医薬。

発明の詳細な説明

0001

技術分野
本発明は、補体系活性化できる融合タンパク質、該融合タンパク質の作成方法、および該融合タンパク質を含む医薬組成物および該融合タンパク質による疾患、特に感染症治療方法に関する。

0002

背景技術
動物は、感染症から自己を保護するため種々の複雑なストラテジーを作り出してきた。免疫応答は主なグループに分けることができる。それは、適応が生じ、細胞が主要な役割をする適応性免疫反応、および即座に機能し、体液中に存在する分子に主に依存する先天性免疫反応である。先天性免疫系は誕生と同時に機能し、対照的に、適応性免疫防御では幼年期においてのみ体の防御能は最大となる(Janeway et al., 1999)。

0003

粘膜表面や損傷した皮膚から体に進入する細菌はコレクチン(微生物の表面上に存在するが、多細胞生体の細胞には存在しない固有炭水化物配置(distinctive carbohydrate configuration)を認識する可溶性タンパク質ファミリー)により直ちに認識される。そのため、コレクチンは、先天性免疫系のパターン認識レセプター(pattern recognition receptor)の群であって巨大で多様な群に属する。ヒトでは、3つのコレクチンが知られているが、他のコレクチンも存在する:例えば、ウシではより多くのコレクチンを保有する。コレクチンは、ある粒子(particles)を標的とし、食細胞による取り込みかまたは補体カスケードの活性化の何れかを行うために該粒子と結合する。このように、コレクチンは該粒子の破壊仲介し得る。

0004

コレクチンはすべて、以下の構造を有する:コレクチンは鎖間ジスルフィド結合を形成すると思われるシステインリッチ領域N末端にあり、そしてコラーゲン様領域、α-ヘリカルコイルドコイル領域、そして最後にはパターン認識領域であり炭水化物認識ドメイン(CRD)と呼ばれるC型レクチンドメインへと続く。コレクチンという名前は、コラーゲンおよびレクチンドメインの両方が存在することに由来する。α-ヘリカルコイルドコイル領域では各ポリペプチド三量体化が開始され、コラーゲントリプルコイルが形成され、それにより、3つのポリペプチドからなる各コレクチンサブユニットが形成される。その一方、N末端領域は、サブユニットのオリゴマーの形成を仲介する。種々のコレクチンは、特有高次構造、典型的にはサブユニットの四量体またはサブユニットの六量体の何れかの構造を有する。多数の結合ドメイングループ化により、各CRDと炭水化物との親和性は比較的低いにもかかわらず、コレクチンは細菌性細胞壁と高親和性で結合する。

0005

C型CRDは、系統および機能の両方の観点において、広範にタンパク質中で見られる。種々のコレクチンの種々のCRDにより、種々の微生物上にある一連の固有の微生物表面コンポーネントが認識され得る。末端のCRDは、結合部位提示するドメイン標的表面の3つすべてが約53Aの間隔を有するように分布する(Sheriff et AL., 1994; Weis & Drickamer, 1994)。「パターン認識」のこの特徴は、更に、微生物表面の選択的結合に関連し得る。コラーゲン領域、または恐らくはコレクチンN-末端テイルは、食細胞の特異的レセプターにより認識され、かつそれらはCRDドメインと標的との結合における補体カスケードの開始を活性化する関連プロテアーゼの結合部位である。

0006

マンノース結合レクチンまたはマンノース結合タンパク質としても称せられるマンナン結合レクチン(MBL)は、先天性免疫系の重要部分として非常に興味もたれるコレクチンである。MBLは、細菌、酵母寄生原虫およびウイルスを含む一連の微生物の表面に見られる特定の炭水化物構造物と結合し、そして、末端の溶菌性補体コンポーネント(terminal, lytic complement components)の活性化を介する死滅または食菌作用の促進により抗菌活性を示すことが判った。MBL欠損は、幼少期、可能性として成人となってからも、種々の微生物による頻繁な感染症への罹患と関連する。

0007

MBLのCRDは、マンノース、グルコース、N-アセチルマンノサミンおよびN-アセチルグルコアミン(N-acetyl glucoseamin)などの、エクアトリアル性3-および4-OH基を有するヘキソースを選択的に認識する。その一方、ガラクトースおよびD-フコースなどの、立体的必要条件は満たさない炭水化物には結合しない(Weis et al., 1992)。炭水化物選択性は、MBLによる自己/非自己識別の点で明かに重要であり、微生物表面におけるマンノースおよびN-アセチルグルコセアミン残基分布率(prevalence)の違いが恐らく関連する。1つの例として、Saccharomyces cerevisiae および Candida albicansなどの酵母の細胞壁におけるマンノースの高含有率がある。哺乳類タンパク質のグリコシル化における炭水化物構造は、通常シアル酸終結しており、これによってMBLとこれら炭水化物のオリゴマーとの結合が阻止され、それにより、「自己」表面のMBL認識を抑制する。また、各MBLサブユニットの三量体構造は、標的認識に重要となり得る。

0008

補体は、感染後の体内防御を目的とする血漿および組織液中に存在する一群のタンパク質である。補体系は少なくとも3つの経路により活性化される。それらは、古典的経路、第二経路、およびMBLectin経路(Janeway et al., 1999)である。古典的経路は、補体因子1(C1)が表面結合免疫グロブリンを認識するとき開始される。C1複合体は、2つのタンパク質分解酵素、C1rおよびC1s、および非酵素部分、免疫グロブリン認識ドメインを含むC1qから構成される。C1qおよびMBLは構造的特長が共通しており、その両分子は電子顕微鏡で見ると花束のように見える。また、C1qのように、MBLは、2つのタンパク質分解酵素、マンナン結合レクチン結合プロテアーゼ(mannan-binding lectin associated proteases)(MASP)との複合体となる。上記3つの経路は全て、補体因子3(C3)コンベルターゼを生じ、その酵素は、C3bと、活性化表面、すなわち標的病原菌の表面との結合を確実なものとする。表面結合C3bへのC3の変換は、食菌作用または溶菌による病原菌排除プロセスの中枢となる(Janeway et al., 1999)。

0009

サルモネラの、ある0-抗原特異的オリゴサッカライドは、C4欠損モルモット血清中の補体を活性化すると報告されており、サルモネラ血清グループCは、後に、MBLと反応し、MBLectin経路により補体を活性化することが判った。その経路は補体活性化のMBL経路またはレクチン経路とも呼ばれる。

0010

先天性免疫系は、感染または予防接種後の抗体反応により説明されるように、特異的免疫反応の発生において適応性免疫系と共同し得ると、しばらくの間考えられていた。Fearonのグループは、遺伝子工学の融合により、補体因子C3のC3フラグメントタンパク質抗原との結合により抗原の免疫原性が1000倍以上となり得ることを証明した。この技術の実用化、または多くの改良が期待されている。

0011

正常な免疫反応のためには補体系が重要であることをPepysが最初に示唆した。彼は、コブラ毒因子によりC3が減少したマウスにおいてヒツジ赤血球(胸腺依存抗原)に対する抗体反応が低下することを発見した。先天性免疫と適応性免疫とがリンクするという考えは、C4、C2およびC3が欠損した患者および実験動物において、胸腺依存抗原に対する一次抗体が低下し、IgMからIgGへのスイッチングが低下するという報告により支持されていた。その機構には、抗原または抗原を有する複合体がBリンパ球または抗原提示細胞上の補体レセプターと結合するため、C3-誘導性リガンドが生ずることが含まれ得る。そのため、特異的抗CR1および抗CR2抗体または可溶性レセプタータンパク質を有するマウスではCR1 (CD35) および CR2 (CD21)のブロッキングにより、免疫化のための抗体反応が減少した。CR1およびCR2欠損のノックアウトマウスによる実験では、胸腺依存抗原に対する反応ためにこれらのレセプターが必要であることが判る。更に、CD11/CD18粘着分子CR3を欠く白血球粘着不全(leucocyte adhesion deficiency)の患者では、抗体反応が低下し、IgMからIgGへのスイッチが欠損していることが示されている。上記のようなC3-誘導性フラグメントC3d、特異的CR2リガンドでは、強力な用量依存アジュバンド作用が見られる。

0012

古典的補体経路の欠損(C1、C2、C4 および C3)は、被包性細菌による感染と関連する。この主な理由は、恐らく、補体機能不全が原因のオプソニンおよび細菌防御機構の効率低下である。しかし、ポリサッカライド抗原に対する免疫反応の低下もまた考えられ得る。胸腺非依存抗原に対する反応に対する補体の影響について大規模に研究されているわけではなく、入手し得る情報に矛盾がある。そのため、胸腺非依存抗原に対する抗体反応の低下が、C3-欠損マウスおよびC3-欠損イヌで明らかにされた。一方で、C3-欠損患者は、ポリサッカライドワクチンによる免疫に正常に反応するようであるという報告もある。

0013

MBLのようなフィコリンは、コラーゲン様領域を含むレクチンである。しかし、MBLとは異なり、それらは、フィブリノーゲンβ-およびγ-鎖に類似するフィブリノーゲン様ドメインを有する。フィコリンはまた構造サブユニットのオリゴマーを形成し、それらはそれぞれ、3つの同一の35kDaポリペプチドからなる。それぞれのサブユニットは、アミノ末端のシステインリッチ領域、Gly-Xaa-Yaaの3組の配列(ここで、XaaおよびYaaは任意のアミノ酸を示す)のタンデムリピートからなるコラーゲン様領域、ネック領域およびフィブリノーゲン様ドメインからなる。フィコリンのオリゴマーは、2つ以上のサブユニットを含み、特に、フィコリンの四量体形態が観察されている。

0014

フィコリンには、実質的にMBLと同様の方法で補体系を活性化するものもある。補体系のこの活性化により、上記のような新規セリンプロテアーゼ(MASP)が活性化されることとなる。

0015

幾つかのレクチンのフィブリノーゲン様ドメインは、MBLを含むC-型レクチンのCRDと同様の機能を有し、それにより、パターン認識レセプターとして機能し、自己と病原体とを識別する。

0016

血清フィコリンは、GlcNAc (N-アセチル-グルコサミン)、エラスチンまたはGalNAc (N-アセチル-ガラクトサミン)に対する共通の結合特異性を有する。フィブリノーゲン様ドメインは炭水化物結合を生ずる。ヒト血清では、L-フィコリン(P35、フィコリンL、フィコリン2またはフコリン(hucolin))およびH-フィコリン(Hakata抗原、フィコリン3または熱不安定性b2-マクログリコプロテイン)として知られる2つのタイプのフィコリンが同定されており、それらは2つともレクチン活性を有する。L-フィコリンはGlcNAcを認識し、H-フィコリンはGalNAcを認識する。M-フィコリンとして知られる他のフィコリン(P35-関連タンパク質、フィコリン1またはフィコリンA)は血清タンパク質とは考えられてはおらず、白血球およびで見られる。L-フィコリンおよびH-フィコリンはMASPと関連するレクチン補体経路を活性化する。M-フィコリン、L-フィコリンおよびH-フィコリンはカルシウム非依存レクチン活性を有する。

0017

MASP-1、MASP-2およびMASP-3を含むMASP(MBL-結合セリンプロテアーゼ)は、レクチン経路の活性化をになうタンパク質分解酵素である。MASPの構造は全体的に、典型的な補体経路中の第一因子の2つのタンパク質分解コンポーネント、C1rおよびC1sに似ている。そのレクチン経路は、MBL、またはMASP-1、MASP-2、MASP-3 および sMAPと結合するフィコリンが例えば細菌、酵母、寄生原虫およびウイルスの表面の炭水化物構造物と結合すると、開始される。MASP-2は、古典的経路におけるC1のように補体コンポーネントC4およびC2を切断し、C3コンベルターゼC4bC2a(レクチン-および古典的-経路活性化経路の両方に共通する)を形成する酵素コンポーネントである。

0018

MASP-1、MASP-2、MASP-3 および sMAPは2つの遺伝子によりコードされている。sMAPはMASP-2のトランケート型であり、MASP-3は選択的スプライシングによりMASP-1遺伝子から産生される。MASP-1遺伝子は、MASP-1およびMASP-3に共通のH-鎖コード化領域を有し、その領域に、MASP-3およびMASP-1に特異的なプロテアーゼドメインコード化領域のタンデムリピートが続く。

0019

MASPファミリーは、2つの系統、TCN型およびAGY型系統に区分される。該TCN型系統(MASP-1を含む)は、活性部位セリンをコードするTCNコドン(ここでNはA、G、CまたはTを意味する)を有しており、ヒスチジンループおよびジスルフィド結合が存在し、幾つかのエキソンに分かれている。対照的に、AGY型系統(MASP-2、MASP-3、C1R および C1sを含む)は活性部位のセリンをコードするAGYコドン(ここでYはCまたはTを示す)により特徴付けられ、ヒスチジンループはなく、エキソンはたった1つである。

0020

MASP-1、MASP-2、MASP-3、C1r および C1sは6つのドメイン:2つのC1r/C1s/Uegf/骨形成タンパク質1 (CUB)ドメイン、1つの上皮細胞増殖因子(EGF)-様ドメイン、2つの補体制御タンパク(CCP)またはショートコンセンサスリピート(short consensus repeat)(SCRs)、および1つのセリン-プロテアーゼドメインからなる。ヒスチジン(H)、アスパラギン酸(D)およびセリン(S)残基は、セリンプロテアーゼドメイン活性中心の形成に必須である。MASP-1のみが、トリプシンおよびキモトリプシン中にあるようなヒスチジンループジスルフィド結合(S-S)を形成する2つのシステイン残基軽鎖中に更に有している。病原体の表面の炭水化物とMBLおよびフィコリンとの結合において、プロ酵素型MASPは2番目のCCPとプロテアーゼドメインとの間で切断され、重鎖および軽鎖(A鎖およびB鎖としても知られる)の2つのポリペプチドからなる活性型となる。

0021

本発明の要約
本発明は、補体系を活性化できる融合タンパク質に関連する。従って、本発明は、レクチン補体経路活性化タンパク質(補体活性化タンパク質)またはその機能的相同体由来の第一のポリペプチド配列、およびコレクチンまたはその機能的相同体由来の第二のポリペプチド配列を含む融合タンパク質に関連する。ここで、該補体活性化タンパク質はコレクチンではない。

0022

融合タンパク質は、補体系の作成、再構成、その系のオプソニン性および/または細菌性活性の促進および/または刺激、すなわち、微生物性病原体を認識し死滅させるための免疫防御能の促進からなる治療における使用に適する。従って、本発明は、融合タンパク質を含む医薬に関する。

0023

また、他の態様として、本発明は、臨床症状の治療の必要がある個体におこなう治療方法であって、上記のような融合タンパク質を当該個体に投与することを含む、当該方法に関する。

0024

他の態様として、本発明は、治療または予防の必要がある個体におこなう、感染症のような臨床症状の該治療または予防の方法であって、構造ユニット(structural units)のオリゴマーを形成することができるタンパク質由来の第一のポリペプチド配列およびマンノース-結合レクチン(MBL)由来の第二のポリペプチド配列を有する融合タンパク質を該個体に投与することを含む該治療または予防の方法に関する。ここで、該第一のポリペプチド配列および該第二のポリペプチド配列は同一のタンパク質由来ではなく、該融合タンパク質はマンノース結合セリンプロテアーゼ(mannose-associated serine protease)(MASP)と結合することができる。第一のポリペプチド配列は、好ましくは、構造ユニットの四量体、五量体および/または六量体を形成し得るタンパク質由来である。好ましい実施態様では、第一のポリペプチド配列および第二のポリペプチド配列を以下に記載する。

0025

更なる態様では、本発明は、臨床症状で治療が必要な個体の該治療用の医薬の製造のための、上記のような融合タンパク質の使用に関する。

0026

更に、本発明は、融合タンパク質、および該融合タンパク質をコードする単離核酸配列、該配列を有するベクターおよび該ベクターを有する細胞の作成方法に関する。

0027

図面
図面1はLフィコリンの配列を示す。図2はMBLの配列を示す。図3は融合タンパク質の例を示す。図4−8は実施例1に記載のプラスミドを示す。図9は実施例1で記載の融合タンパク質のアラインメントを示す。図10は実施例2で考察する2つのウエスタンブロットを示す。

0028

定義
コレクチン:マンナン結合レクチン(MBL)およびサーファクタントプロテインAおよびDを含む、先天性免疫の炭水化物認識タンパク質に構造的に関連するファミリー。その名前は、コラーゲン様領域およびC型レクチンドメインが存在することを表している。

0029

補体:感染後の体内防御を目的とする血漿および組織液中に存在する一群のタンパク質。補体は、外来細胞を破壊し、体内の激突領域(the area of conflict)へ食細胞を誘引することに関与している。

0030

複合化(Conjugated):2つの化合物間で形成される結合、例えば、免疫原決定基とコレクチンおよび/またはコレクチン相同体間、または免疫原決定基およびサッカライド間である。該結合は、例えば、共有結合のような化学結合の形成により生ずる物理的結合である。

0031

CRD:炭水化物認識ドメイン、コレクチンのC末端で見られるC型レクチンドメイン。

0032

免疫原決定基:宿主生体の免疫系を刺激し、分泌性体液性および/または細胞性抗原特異的反応を生ずる1以上のエピトープを含む、分子またはその部分、または脊椎中で免疫原などを作り出すことのできるDNA分子

0033

免疫反応:免疫原決定基を含む免疫原組成物との反応。免疫反応には、宿主内における、投与されたある組成物またはワクチンに対する細胞性および/または体液性免疫反応の発生が含まれる。免疫反応には、一般的に、i)生じた抗体、ii)B細胞、iii)ヘルパーT細胞、iv)サプレッサーT細胞、v)細胞障害性T細胞、およびiv)投与された免疫原組成物中に存在する免疫原決定基へ特異的または非特異的に向かう補体のうちの1以上のものの作用が含まれる。

0034

レクチン:炭水化物に特異的に結合するタンパク質。

0035

MASP:マンノース結合セリンプロテアーゼ。

0036

MBL:マンナン結合レクチンまたはマンノース結合レクチン。

0037

サブユニット複合体=構造ユニット:MBLおよびフィコリンについて、上記考察したサブユニット複合体のような3種類の融合タンパク質の複合体。

0038

本発明の詳細な説明
本発明の目的は、疾患、特に感染症の予防または治療を目的とする、補体系を活性化することができる融合タンパク質を提供することである。

0039

融合タンパク質は、レクチン補体経路活性化タンパク質(=補体活性化タンパク質)またはその機能的相同体由来の第一のポリペプチド配列、およびコレクチンまたはその機能的相同体由来の第二のポリペプチド配列からなる。ここで、該補体活性化タンパク質はコレクチンではない。

0040

レクチン補体経路活性化タンパク質由来のポリペプチド配列と、コレクチン由来のポリペプチド配列とを組み合わせることにより、種々の炭水化物、好ましくは細菌性およびウイルス性炭水化物との結合親和性を有し、同時に、補体系活性化機能(complement system activating activity)を有する融合タンパク質を設計することが可能である。

0041

第一のポリペプチド配列
第一のポリペプチド配列は、いずれのレクチン補体経路活性化タンパク質由来であってよい。該レクチン補体経路活性化タンパク質は、天然で生ずるレクチン補体経路活性化タンパク質および該レクチン補体経路活性化タンパク質の変異体または相同体であり得、ここで、該変異体または相同体では、レクチン補体経路活性化機能は維持されている。

0042

融合タンパク質は、上記のような3種類の融合タンパク質からなるサブユニット複合体を形成できることが好ましい。

0043

また、第一のポリペプチド配列は、好ましくは、他の融合タンパク質の第一のポリペプチド配列とのオリゴマー複合体を形成できる。ここで、該他の融合タンパク質は該第一の融合タンパク質と同一種であり得る。それにより、2以上の融合タンパク質または2以上のサブユニット複合体のオリゴマー複合体が提供され得る。ここで、該オリゴマー複合体は、細菌性またはウイルス性炭水化物に対して、単量体融合タンパク質よりも高い結合活性を有する。好ましい実施態様では、オリゴマー複合体は二量体サブユニット複合体、より好ましくは三量体サブユニット複合体、より好ましくは四量体サブユニット複合体である。

0044

好ましい実施態様では、レクチン補体経路活性化タンパク質は上記のようなフィコリンである。該フィコリンはL-フィコリン、H-フィコリンまたはM-フィコリンまたはそれらの変異体または相同体であり得る。好ましい実施態様では、レクチン補体経路活性化タンパク質はL-フィコリンである。

0045

他の実施態様では、第一のポリペプチド配列は、レクチンのフィブリノーゲンドメイン、および/またはフィコリンまたはその相同体または変異体のようなレクチンのネック領域を含む。

0046

第一のポリペプチド配列が、フィコリン、またはフィコリンの変異体または相同体由来である場合、第一のポリペプチド配列はフィコリン由来またはフィコリンの変異体または相同体由来のコラーゲン様領域を含むことが好ましい。他の実施態様では、第一のポリペプチド配列はフィコリン由来またはフィコリンの変異体または相同体由来のシステインリッチドメインを含むことが好ましい。第一のポリペプチド配列は、フィコリン由来またはフィコリンの変異体または相同体由来のコラーゲン様領域およびシステインリッチドメインを含むことがより好ましい。

0047

第一のポリペプチド配列はL-フィコリン由来またはL-フィコリンの変異体または相同体由来のコラーゲン様領域を含むことがより好ましい。他の実施態様では、第一のポリペプチド配列はL-フィコリン由来またはL-フィコリンの変異体または相同体由来のシステインリッチドメインを含むことがより好ましい。第一のポリペプチド配列は2つのシステインアミノ酸残基を含むL-フィコリンのN末端領域を含むことがより好ましい。

0048

第一のポリペプチド配列はL-フィコリンまたはL-フィコリンの変異体または相同体由来のコラーゲン様領域およびシステインリッチドメインを含むことがより好ましい。

0049

特に好ましい実施態様では、フィコリンは、データベースおよび受け入れ番号により参照される以下に列挙の配列のうちの1つを有する。それぞれの配列において、システインリッチ領域およびコラーゲン様領域が記載されている。

0050

第一のポリペプチドは、補体活性化タンパク質または該タンパク質の変異体または相同体の、少なくとも10、少なくとも12など、例えば少なくとも15、少なくとも20など、例えば少なくとも25、少なくとも30など、例えば少なくとも35、少なくとも40など、例えば少なくとも50の連続アミノ酸残基を含む。その変異体または相同体は、該補体活性化タンパク質と少なくとも70%、80%など、例えば90%、95%などの同一性を有するのが好ましい。

0051

融合タンパク質の第一のポリペプチド配列は、好ましくは、細菌またはウイルスのような標的に直接または間接的に結合すると、レクチン補体経路を活性化することができる。好ましい実施態様では、第一のポリペプチド配列は、MASP-1、MASP-2およびMASP-3またはその機能的相同体または変異体からなる群から選択されるMASPタンパク質のような、少なくとも1つのMASPタンパク質と結合できる。特に、第一のポリペプチドは、融合タンパク質の一部であるとき、先のMASPの少なくとも1つと結合することができる。それによって、第一のポリペプチド配列は、補体系活性化機能を有する融合タンパク質を提供することができる。

0052

特に好ましい実施態様では、第一のポリペプチド配列は、図1のL-フィコリン配列の1-54、図1のL-フィコリン配列の1-55など、図1のL-フィコリン配列の1-69など、図1のL-フィコリン配列の1-77など、図1のL-フィコリン配列の1-90など、図1のL-フィコリン配列の1-93など、図1のL-フィコリン配列の1-131など、図1のL-フィコリン配列の1-207などに相当するアミノ酸残基を少なくとも含む。特に、第一のポリペプチド配列は、図1のL-フィコリン配列の1-55、図1のL-フィコリン配列の1-54、図1のL-フィコリン配列の1-50、または1-77から選択されるアミノ酸残基を含む。より好ましい実施態様では、第一のポリペプチド配列は、図1のL-フィコリン配列の1-55、図1のL-フィコリン配列の1-54、図1のL-フィコリン配列の1-50、または1-77から選択されるアミノ酸残基を含む。他の実施態様では、第一のポリペプチド配列は、図1のL-フィコリン配列の60-90、図1のL-フィコリン配列の55-90など、図1のL-フィコリン配列の54-92などに相当するアミノ酸残基を少なくとも含む。

0053

第一のポリペプチド配列および第二のポリペプチド配列は、好ましくは連続配列においてモチーフX-X-G-X-X-Gを少なくとも5つ、例えば少なくとも7つを含むように選択されることが好ましい。前記のモチーフがモチーフX-X-G-X-Gによって、一度、置換されるように、第一のポリペプチド配列および第二のポリペプチド配列を選択するのがより好ましい。モチーフにおいて、Xは、グリシンではない任意のアミノ酸を意味し、Gはグリシンを意味する。

0054

第二のポリペプチド配列
第二のポリペプチド配列は、好ましくは1以上の炭水化物と結合できる。これは、少なくとも、あるコレクチンの炭水化物認識ドメインを組み込むことにより生じ得る。従って、第二のポリペプチド配列は、好ましくは、コレクチンまたはその相同体または変異体のCRDドメインを含む。

0055

好ましくは、コレクチンは、MBL(マンノース-結合レクチン)、SP-A(肺サーファクタントプロテインA)、SP-D(肺サーファクタントプロテインD)、BK(またはBC、ウシコングルチニン) および CL-43 (コレクチン-43)からなる群から選択される。最も好ましくは、コレクチンはMBLである。

0056

特に好ましい実施態様では、コレクチンは、データベースおよび受け入れ番号により参照される以下に列挙の配列のうちの1つを有する。

0057

コレクチン
列番号42

0058

配列番号43

0059

配列番号45

0060

配列番号47

0061

配列番号48

0062

配列番号49

0063

配列番号50

0064

配列番号51

0065

配列番号52

0066

配列番号53

0067

配列番号44

0068

配列番号46

0069

配列番号54

0070

配列番号55

0071

配列番号56

0072

配列番号57

0073

配列番号58

0074

配列番号59

0075

配列番号60

0076

配列番号61

0077

配列番号62

0078

配列番号63

0079

配列番号64

0080

配列番号65

0081

配列番号66

0082

配列番号67

0083

配列番号68

0084

配列番号69

0085

配列番号70

0086

配列番号71

0087

配列番号72

0088

配列番号73

0089

配列番号74

0090

配列番号75

0091

配列番号76

0092

配列番号77



肺サーファクタントプロテイン

0093

配列番号78

0094

配列番号79

0095

配列番号80

0096

配列番号81

0097

配列番号82

0098

配列番号83

0099

配列番号84

0100

配列番号85

0101

配列番号86

0102

配列番号87

0103

配列番号88

0104

配列番号89

0105

配列番号90

0106

配列番号91

0107

配列番号92

0108

配列番号93

0109

配列番号94

0110

配列番号95

0111

配列番号96

0112

配列番号97

0113

配列番号98

0114

配列番号99

0115

配列番号100

0116

配列番号101

0117

配列番号102

0118

配列番号103

0119

配列番号104

0120

配列番号105

0121

配列番号106

0122

配列番号107

0123

配列番号108

0124

配列番号109

0125

配列番号110

0126

配列番号111

0127

配列番号112

0128

配列番号113

0129

配列番号114

0130

配列番号115

0131

配列番号116

0132

配列番号117



マンノース結合レクチン

0133

配列番号1

0134

配列番号2

0135

配列番号3

0136

配列番号4

0137

配列番号5

0138

配列番号6

0139

配列番号7

0140

配列番号8

0141

配列番号9

0142

配列番号10

0143

配列番号11

0144

配列番号12

0145

配列番号13

0146

配列番号14

0147

配列番号15

0148

配列番号16

0149

配列番号17

0150

配列番号18

0151

配列番号19

0152

配列番号20

0153

配列番号21

0154

配列番号22

0155

配列番号23

0156

配列番号24

0157

配列番号25

0158

配列番号26

0159

配列番号27

0160

配列番号28

0161

配列番号29

0162

配列番号30

0163

配列番号31

0164

配列番号32

0165

配列番号33

0166

配列番号34

0167

配列番号35

0168

配列番号36

0169

配列番号37

0170

配列番号38

0171

配列番号39

0172

配列番号40

0173

配列番号41

0174

第二のポリペプチド配列は、好ましくは、コレクチンまたはそのタンパク質の変異体または相同体の少なくとも10、少なくとも12など、例えば少なくとも15、少なくとも20など、例えば少なくとも25、少なくとも30など、例えば少なくとも35、少なくとも40など、例えば少なくとも50の連続アミノ酸残基を含む。その変異体または相同体は、好ましくは、コレクチンと少なくとも70%、80%など、例えば90%、95%などの同一性を有する。

0175

好ましい実施態様では、第二のポリペプチド配列は、MBLのCRDドメインまたはMBLのネック領域またはMBLのコラーゲン様領域を含む。より好ましくは、第二のポリペプチドは、MBLのネック領域およびCRDを含む。最も好ましい実施態様では、第二のポリペプチド配列は、MBLのコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む。MBLは上記の通りである。

0176

好ましくは、第二のポリペプチド配列は、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも170-200、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも160-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも150-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも140-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも130-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも120-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも110-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも100-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも90-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも80-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも70-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも60-200など、図2に示すMBL配列のアミノ酸の少なくとも80-228などを含む。

0177

好ましくは、第二のポリペプチド配列は配列番号2のアミノ酸80-228を含む。

0178

好ましい実施態様では、第二のポリペプチド配列は、MASP-1、MASP-2およびMASP-3またはその機能的相同体または変異体からなる群から選択されるMASPタンパク質のような、少なくとも1つのMASPタンパク質と結合できる。特に、第二のポリペプチドは、融合タンパク質の一部であるとき、先のMASPの少なくとも1つと結合することができる。それによって、第二のポリペプチド配列は、補体系活性化機能を有する融合タンパク質を提供することができる。好ましい実施態様では、第二のポリペプチド配列は、配列番号2の56-228、配列番号2の55-228、配列番号2の54-228、および配列番号2の50-228から選択されるアミノ酸配列を含む。好ましい実施態様では、第二のポリペプチド配列は、配列番号2の56-228、配列番号2の55-228、配列番号2の54-228、および配列番号2の50-228から選択されるアミノ酸を有する。

0179

他の実施態様では、第二のポリペプチドは、コレクチンのN末端領域のような、コレクチンのシステインリッチ領域を含む。

0180

融合タンパク質
融合タンパク質は、所望によりリンカー領域を介し、互いに連結する第一および第二のポリペプチドを含む。好ましい実施態様では、第一のポリペプチド配列は、融合タンパク質のN末端に位置し、第二のポリペプチド配列はC末端に位置する。

0181

融合タンパク質のコンポーネントの特定の例は、
L-フィコリンのシステインリッチ領域およびコラーゲン様領域およびMBLのCRDドメインを含む融合タンパク質、
L-フィコリンのシステインリッチ領域およびMBLのコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む融合タンパク質、
H-フィコリンのシステインリッチ領域およびMBLのコラーゲン様領域およびCRDドメインを含む融合タンパク質、
H-フィコリンのシステインリッチ領域およびMBLのコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む融合タンパク質、
M-フィコリンのシステインリッチ領域およびコラーゲン様領域およびMBLのCRDドメインを含む融合タンパク質、
M-フィコリンのシステインリッチ領域およびMBLのコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む融合タンパク質、
MBLのシステインリッチ領域、およびフィコリンのCRDドメインを含む融合タンパク質、
MBLのシステインリッチ領域、およびフィコリンのコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む融合タンパク質、
L-フィコリンのシステインリッチ領域およびコラーゲン様領域および肺サーファクタント結合プロテインDのCRDドメインを含む融合タンパク質、
L-フィコリンのシステインリッチ領域および肺サーファクタント結合プロテインDのコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む融合タンパク質、
フィコリンのシステインリッチ領域およびコラーゲン様領域およびコレクチン-43のCRDドメインを含む融合タンパク質、
フィコリンのシステインリッチ領域およびコレクチン-43のコラーゲン様領域、ネック領域およびCRDドメインを含む融合タンパク質、
である。

0182

図3に示す配列により定義されるようなアミノ酸配列、またはその機能的相同体を含む融合タンパク質、好ましくは、図3に示すアミノ酸配列からなる融合タンパク質である。他の実施態様では、融合タンパク質は図1に示すアミノ酸のアミノ酸配列1-50および図2に示すアミノ酸配列のアミノ酸配列54-228を有する。

0183

上記考察のように、融合タンパク質は、好ましくは、サブユニット複合体およびサブユニット複合体のオリゴマーを形成することができる。好ましくは、融合タンパク質は、融合タンパク質のより均一な組成物を得るために、実質的に三量体、四量体、五量体および六量体サブユニットオリゴマーのみ、三量体、四量体、および五量体サブユニットオリゴマーなど、三量体または四量体サブユニットオリゴマーなど、より好ましくは実質的に四量体サブユニットオリゴマーのみを形成する。

0184

相同体
本明細書において、相同体または変異体または機能的相同体なる用語は同義語として使用される。ここで、タンパク質の相同体では1以上のアミノ酸残基の1以上の置換、欠失および/または付加が見られる。フラグメント群とは相同体のサブグループであり、それらはタンパク質をトランケーションしたものである。

0185

タンパク質の相同体は、1以上の保存アミノ酸置換、少なくとも2の保存アミノ酸置換など、例えば少なくとも3の保存アミノ酸置換、少なくとも5の保存アミノ酸置換など、例えば少なくとも10の保存アミノ酸置換、少なくとも20の保存アミノ酸置換など、例えば少なくとも50の保存アミノ酸置換、少なくとも75の保存アミノ酸置換など、例えば少なくとも100の保存アミノ酸置換を含み得る。本発明において意味する保存アミノ酸置換とは、事前に決定したアミノ酸グループのうちの1のアミノ酸を、その事前に決定したグループ内であって類似または実質的に類似の特徴を有する他のアミノ酸に置換することをいう。その事前に決定したグループは、例えば、極性側鎖(Asp、Glu、Lys、Arg、His、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、およびCys)、非極性側鎖(Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Trp、Pro、およびMet)、脂肪族側鎖(Gly、Ala、Val、Leu、Ile)、環状側鎖(Phe、Tyr、Trp、His、Pro)、芳香族側鎖(Phe、Tyr、Trp)、酸性側鎖(Asp、Glu)、塩基性側鎖(Lys、Arg、His)、アミド側鎖(Asn、Gln)、水酸基側鎖(Ser、Thr)、硫黄含有側鎖(Cys、Met)、およびモノアミノ-ジカルボン酸またはモノアミノ-モノカルボン酸-モノアミドカルボン酸(monoamino-monocarboxylic-monoamidocarboxylic acids)のアミノ酸(Asp、Glu、Asn、Gln)である。

0186

存置換は、好ましいタンパク質の任意の位置に導入され得る。しかし、非保存置換を導入することが望ましい場合もある。非保存置換は、タンパク質の相同体であって、該タンパク質の機能に類似する機能を発揮できるタンパク質が形成されるようにするべきである。その置換は、例えば、i)実質的な疎水性相違、例えば、Arg、Lys、TrpまたはAsnなどの親水性残基に置換される疎水性残基(Val、Ile、Leu、PheまたはMet)、またはThr、Ser、His、Gln、Asn、Lys、Asp、GluまたはTrpなどの疎水性残基に置換される親水性残基、および/またはii)他の残基へのProまたはGlyの置換またはProまたはGlyへの置換のようなポリペプチドバックボーン方向(polypeptide backbone orientation)における実質的な作用の相違、および/またはiii)荷電の実質的な相違、例えば、GluまたはAspのような陰性荷電残基の、Lys、HisまたはArgのような陽性荷電残基への置換(およびその逆)、および/またはiv)立体障害となる大きさ(steric bulk)の実質的相違、例えば、His、Trp、PheまたはTyrのような巨大残基(bulky residue)の、小さな側鎖を有するもの、例えば、Ala、GlyまたはSerへの置換(およびその逆)であり得る。

0187

更なる実施態様では、本発明は好ましいタンパク質の相同体に関する。ここで、その相同体は、以下の親水性またはヒドロパシー指標を有する置換アミノ酸を含む。置換されたアミノ酸の値においてその指標は、+/-2.5の範囲内、例えば、+/-2.3の範囲内、+/-2.1の範囲内など、例えば、+/-2.0の範囲内、+/-1.8の範囲内など、例えば、+/-1.6の範囲内、+/-1.5の範囲内など、例えば、+/-1.4の範囲内、+/-1.3の範囲内など、例えば、+/-1.2の範囲内、+/-1.1の範囲内など、例えば、+/-1.0の範囲内、+/-0.9の範囲内など、例えば、+/-0.8の範囲内、+/-0.7の範囲内など、例えば、+/-0.6の範囲内、+/-0.5の範囲内など、例えば、+/-0.4の範囲内、+/-0.3の範囲内など、例えば、+/-0.25の範囲内、+/-0.2の範囲内などになる。

0188

相互作用性の生体機能をタンパク質に付与する上で親水性およびヒドロパシーアミノ酸の指標の重要性は、当分野において十分に理解されている(Kyte & Doolittle, 1982 およびHopp, 米国特許番号4,554,101、それぞれ引用により本明細書に含める)。

0189

本明細書で使用するアミノ酸ヒドロパシー指標の値は、イソロイシン(+4.5) ;バリン(+4.2) ;ロイシン(+3.8) ;フェニルアラニン(+2.8) ;システイン/シスチン(+2.5) ;メチオニン(+1.9) ;アラニン(+1.8) ;グリシン(-0.4) ;トレオニン(-0.7);セリン(-0.8) ;トリプトファン(-0.9) ;チロシン(-1.3) ;プロリン(-1.6) ;ヒスチジン(-3.2) ;グルタミン酸(-3.5) ;グルタミン(-3.5) ;アスパラギン酸(-3.5) ;アスパラギン(-3.5) ;リシン(-3.9) ; およびアルギニン(-4.5)である(Kyte & Doolittle, 1982)。

0190

アミノ酸親水性値は、アルギニン(+3.0) ;リシン(+3.0) ;アスパラギン酸(+3.0. +-.1);グルタミン酸(+3.0. +-.1);セリン(+0.3) ;アスパラギン(+0.2) ;グルタミン(+0.2) ;グリシン(0);トレオニン(-0.4) ;プロリン(-0.5.+-.1) ;アラニン(-0.5) ;ヒスチジン(-0.5) ;システイン(-1.0) ;メチオニン(-1.3) ;バリン(-1.5) ;ロイシン(-1.8) ;イソロイシン(-1.8) ;チロシン(-2.3) ;フェニルアラニン(-2.5) ;トリプトファン(-3.4)である(米国4,554,101)。

0191

そのため、ある実施態様では、アミノ酸の置換は、疎水性および親水性値ならびに荷電、大きさなどを含むアミノ酸側鎖置換基類似性に基づき得る。前述の種々の特性を考慮した典型的なアミノ酸置換は当業者既知であり、アルギニンとリシン、グルタミン酸とアスパラギン酸、セリンとトレオニン、グルタミンとアスパラギン、ならびにバリン、ロイシンおよびイソロイシンの置換が含まれる。

0192

更に、相同体は、アミノ酸の付加または欠失を含み得、例えば、2から100アミノ酸、2から50アミノ酸など、例えば、2から20アミノ酸、2から10アミノ酸など、例えば2から5アミノ酸、2から3アミノ酸などの付加または欠失である。しかし、100を超えるアミノ酸の付加、100から500のアミノ酸の付加もまた本発明内に含まれる。

0193

好ましいタンパク質と少なくともある程度相同性のあるタンパク質は、該好ましいタンパク質と少なくとも約40%相同性または好ましくは同一性、少なくとも50%相同性または好ましくは同一性など、例えば、少なくとも60%相同性または好ましくは同一性、少なくとも約70%相同性または好ましくは同一性など、例えば、少なくとも約75%相同性または好ましくは同一性、少なくとも約80%相同性または好ましくは同一性など、例えば、少なくとも約85%相同性または好ましくは同一性、少なくとも約90%相同性または好ましくは同一性など、例えば、92%相同性または好ましくは同一性、少なくとも94%相同性または好ましくは同一性など、例えば少なくとも95%相同性または好ましくは同一性、少なくとも96%相同性または好ましくは同一性など、例えば97%相同性または好ましくは同一性、少なくとも98%相同性または同一性など、例えば少なくとも99%相同性または好ましくは同一性のとき、本発明の範囲内にあるといえる。

0194

好ましいタンパク質は、コレクチンおよびレクチンおよびそれらの相同体を含む補体活性化タンパク質である。

0195

コレクチンの相同体
本発明の範囲内のMBLを含むコレクチンの相同体は、コレクチンの機能に類似する機能を有し、上記の1以上の変異体を含み得る任意のタンパク質として理解すべきである。特にその機能は、1以上の炭水化物への結合の際の補体の活性化能である。

0196

本明細書で使用するコレクチンの機能的相同体という用語は、機能的均等物または事前に決定したアミノ酸配列を含むコレクチンのフラグメントに関連し、その相同体は、A)単独または上記のような複合化したサブユニットであるときの何れかにおいてピラノース環(すなわち、Man、Glc、FucまたはGlcNAc)の3-および4-ヒドロキシル基に糖を含むグルカンリポホスホグリカンおよびグリコイノシトールホスホリピッドを認識およびそれらに結合できるアミノ酸配列を含む相同体および/またはb)単独または上記のような複合化したサブユニットであるときの何れかにおいてMASP-1、MASP-2、MASP-3および/またはsMAPに結合する(該結合はレクチン/MBL経路を活性化する)ようなレクチン/MBL経路のコンポーネントと結合を形成し得るアミノ酸配列を含む相同体、および/またはc)2以上のサブユニット(サブユニットは、システインリッチ領域、コラーゲン様領域、ネック領域および炭水化物認識ドメインの3つの同一のポリペプチドを含む)のオリゴマー構造を形成するコラーゲン様領域による、可能性あるアミノ酸配列を含む相同体と定義される。

0197

レクチンの相同体
本発明の範囲内のフィコリンを含むレクチンの相同体は、レクチンの機能に類似する機能を有し、上記の1以上の変異体を含み得る任意のタンパク質と理解すべきである。特に、その機能は、1以上の炭水化物との結合の際に補体を活性化する能力である。

0198

本明細書で使用するレクチンの機能的相同体という用語は、事前に決めたアミノ酸配列を含むレクチンのフラグメントの機能的均等物に関し、その相同体は、a)単独または上記のような複合化したサブユニットであるときの何れかにおいてN-アセチル-グルコサミン(GlcNAc)、またはN-アセチル-ガラクトサミン(GalNAc)、またはエラスチンを認識およびそれらに結合できるアミノ酸配列を含む相同体、および/またはb)単独または上記のような複合化したサブユニットであるときの何れかにおいてMASP-1、MASP-2、MASP-3および/またはsMAPに結合する(該結合はレクチン/MBL経路を活性化する)ようなレクチン/MBL経路のコンポーネントと結合を形成し得るアミノ酸配列を含む相同体、および/またはc)2以上のサブユニット(サブユニットは、システインリッチ領域、コラーゲン様領域、ネック領域およびフィブリノーゲン様ドメインの3つの同一のポリペプチドを含む)のオリゴマー構造を形成するコラーゲン様領域による、可能性あるアミノ酸配列を含む相同体と定義される。

0199

レクチン/MBL経路の活性化、すなわち、補体系を活性化する融合タンパク質の活性は、融合タンパク質またはそのサブユニット複合体もしくは複合体のオリゴマーのC4切断作用を評価し、その後、融合タンパク質を事前に決定した量およびMASP-1、MASP-2またはMASP-3を事前に決定した量含むサンプルを適用すること、少なくとも1つの補体因子をサンプルに適用すること、切断した補体因子の量を検出すること、切断した補体因子の量を融合タンパク質の量と相関させること、および融合タンパク質の活性を測定することを含む方法を行うことにより評価し得る。

0200

本発明の方法において好ましくは使用する補体因子は、C4などのMBL/MASP-2複合体により切断可能な補体因子である。しかし、補体因子はまた、C3およびC5から選択され得る。

0201

切断した補体因子は、種々の手段により、その切断した補体因子に対する抗体によるなどの手段により検出され得る。

0202

そのアッセイは、典型的な補体活性化経路および他の補体活性化経路からの障害を最小化または排除する条件で行う。

0203

好ましくは、コレクチンおよび/またはレクチンの相同体は、上記の2つの機能、より好ましくは上記の3つの機能を有する。

0204

融合タンパク質の作成
融合タンパク質は当業者に既知の任意の適当な方法により作成され得る。以下に、融合タンパク質を作成するための方法を幾つか記載するが、その記載は本発明を限定するものではない。

0205

合成的な作成
特に融合タンパク質の大きさに関して適当であれば、融合タンパク質は合成的に作成され得る。ペプチドの合成的作成の方法が当分野に既知である。合成ペプチドの作成のための詳細および実施上のアドバイスとしてSynthetic Peptides: A User's Guide (Advances in Molecular Biology), Grant G. A. ed., Oxford University Press, 2002、またはPharmaceutical Formulation : Development of Peptides and Proteins, Frokjaer and Hovgaard eds., Taylor and Francis, 1999があり得る。

0206

組み換え的な作成
本発明の融合タンパク質は、好ましくは組み換えDNA技術を使用することにより作成される。融合タンパク質の各部分をコードするDNA配列は、全長タンパク質をコードするDNA配列(ゲノムDNAまたはcDNA)のフラグメント化により作成され得、そしてその融合タンパク質の部分は標準的なプロトコール(Sambrook et al., Molecular cloning : A Laboratory manual. 2 rd ed., CSHLPress, Cold Spring Harbor, NY, 1989)に従いDNAase Iを用いることにより得られる。融合タンパク質のそれぞれの部分をコードする、得られたDNA配列を互いに融合し得る。

0207

DNA配列は、例えば、米国特許番号4,683,202またはSaiki et al., 1988, Science 239: 487-491に記載のように、特定のプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応によっても作成され得る。

0208

本発明の融合タンパク質をコードするDNA配列は、確立された標準的方法、例えば、Beaucage and Caruthers, 1981, Tetrahedron Lett. 22: 1859-1869に記載のホスホアミジン法、またはMatthes et al., 1984,EMBO J. 3: 801-805に記載の方法により、合成的に作成され得る。ホスホアミジン法によると、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成機で合成され、精製され、アニール化され、ライゲーションされ、適当なベクター中にクローニングされる。

0209

次いで、該DNA配列は、組み換え発現ベクター中に挿入される。ここで、そのベクターは、組み換えDNA作成に都合のよい任意のものである。ベクターの選択は、時折、導入する宿主細胞に依存する。それ故、そのベクターは自己複製ベクター、すなわち、染色体外に存在するベクターであり得、その複製は染色体複製に非依存であり、例えば、プラスミドである。他に、そのベクターは、宿主細胞中に導入したとき宿主細胞ゲノム中に組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであり得る。

0210

該ベクターにおいて、融合タンパク質をコードするDNA配列は、操作可能なように適当なプロモーター配列に連結すべきである。該プロモーターは、選択した宿主細胞中で転写活性があり、そして該宿主細胞にとって同種的かまたは異種的の何れかのタンパク質をコードする遺伝子から得ることができる任意のDNA配列であり得る。哺乳類細胞中のコーディングDNA配列の転写に適当なプロモーターの例はSV40プロモーター(Subramani et al., 1981, Mol. Cell Biol. 1: 854-864)、MT-1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiter et al., 1983, Science 222: 809-814)またはアデノウイルス2主要後期プロモーター(adenovirus 2 major late promoter)である。昆虫細胞での使用に適当なプロモーターはポリドリンプロモーター(Vasuvedan et al., 1992, FEBSLett. 311: 7-11)である。酵母宿主細胞における使用に適当なプロモーターには、酵母糖分解遺伝子(Hitzeman et al., 1980, J. Biol. Chem. 255: 12073- 12080; Alber and Kawasaki, 1982, J. Mol. Appl. Gen. 1: 419-434)由来のプロモーターまたはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(Young et al., 1982, in Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals, Hollaender et al, eds. , Plenum Press, New York)、またはTPI1(米国特許番号4,599,311)またはADH2-4c(Russell et al., 1983, Nature 304: 652-654)プロモーターである。糸状菌宿主細胞における使用に適当なプロモーターは、例えば、ADH3プロモーター(McKnight et al., 1985,EMBO J. 4: 2093-2099)またはtpiAプロモーターである。

0211

コーディングDNA配列はまた、ヒト成長ホルモンターミネーター(Palmiter et al., op. cit.)などの適当なターミネーター、または(菌類宿主では)TPI1(Alber and Kawasaki, op. cit.)またはADH3(McKnight et al., op. cit.)プロモーターに操作可能なように連結され得る。ベクターは、更に、ポリアデニル化シグナル(例えば、SV40またはアデノウイルス5 Elb領域由来)、転写促進配列(例えば、SV 40エンハンサー)および翻訳促進配列(例えば、アデノウイルスVA RNAをコードするもの)などのエレメントを含み得る。

0212

組み換え発現ベクターは、更に、関連の宿主細胞中でベクターが複製し得るDNA配列を含み得る。その配列の例(宿主細胞が哺乳類細胞であるとき)は、SV40の複製起点である。ベクターはまた、選択マーカー、例えば、宿主細胞の欠損を相補する産物の遺伝子、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)をコードする遺伝子または薬物、例えばネオマイシンヒドロマシンまたはメトトレキサートに対する耐性供与する遺伝子など、を含み得る。

0213

融合タンパク質をコードするDNA配列、プロモーターおよびターミネーター、それぞれのライゲーションに使用する手順およびそれらの遺伝子を適当なベクター(複製に必要な情報を含む)に挿入する手順は、当業者に既知である(例えば、Sambrook et al., op. cit.参照)。

0214

組み換え融合タンパク質の合成は、インビトロまたはインビボ培養の使用により行う。宿主細胞培養物は、好ましくは、真核宿主細胞培養物である。本明細書では、真核細胞培養物形質転換とは、組み換えDNAが細胞中に導入されることを意味する。その過程で使用される発現コンストラクトは、ヒト遺伝子およびそれと非常に似た遺伝子、例えばチンパンジー由来の遺伝子などを含む哺乳類遺伝子から選択されるコード領域を有することを特徴とする。使用される発現コンストラクトは、更に、ウイルスまたは哺乳類細胞および昆虫細胞を含む真核生物の遺伝子から選択されるプロモーター領域により特徴付けられる。

0215

本発明の組み換えMBLを産生する方法は、宿主細胞培養物が好ましくは真核、例えば哺乳類細胞培養物である点が特徴的である。好ましい宿主細胞培養物はヒト腎細胞の培養物であり、より好ましい形態では、宿主細胞培養物は、組み換えヒトMBLの産生のための、ヒト胚腎細胞(HEK細胞)、HEK 293細胞系などの培養物である。「HEK 293細胞系」とは、ヒト胚腎臓組織由来の何れかの細胞系、American Type Culture Collectionに番号CRL-1573およびCRL-10852として寄託されている細胞系など(これに限らない)を意味する。

0216

他の細胞には、ヒヨコ繊維芽細胞ハムスター卵細胞仔ハムスター腎細胞、ヒト子宮頚癌細胞、ヒト黒色腫細胞、ヒト腎細胞、ヒト臍帯血内皮細胞、ヒト脳内皮細胞、ヒト口腔腫瘍細胞サル腎細胞、マウス繊維芽細胞、マウス腎細胞、マウス結合組織細胞、マウスオリゴ樹状細胞(oligodendritic cell)、マウスマクロファージ、マウス繊維芽細胞、マウス神経芽腫細胞、マウスプレB細胞、マウスBリンパ腫細胞、マウスプラズマ細胞腫細胞、マウス奇形癌細胞、ラット星状細胞腫細胞、ラット乳房上皮細胞、COS、CHO、BHKVERO、HeLa、MDCK、W138、およびNIH 3T3細胞があり得る。

0217

他に、菌類細胞(酵母細胞を含む)は宿主細胞として使用し得る。適当な酵母細胞の例には、Saccharomyces spp.またはSchizosaccharomyces spp.の細胞が含まれ、特にSaccharomyces cerevisiaeの株が含まれる。他の菌類細胞の例には、糸状菌、例えば、Aspergillus spp.またはNeurospora spp.の細胞、特にAspergillus oryzaeまたはAspergillus nigerの株が含まれる。タンパク質の発現におけるAspergillus spp.の使用が例えばEP 238 023に記載されている。

0218

更に、宿主細胞株は、挿入配列の発現をモジュレートするか、または特定の望ましい形態に遺伝子産物を修飾およびプロセッシングするように、選択し得る。タンパク質産物のその修飾(例えば、グリコシル化)およびプロセッシング(例えば、切断)は該タンパク質の機能に重要であり得る。別の宿主細胞では、タンパク質および遺伝子産物の翻訳後プロセッシングおよび修飾に特徴的で特別の機構を有する。適当な細胞系または宿主系は、発現した外来タンパク質の修飾およびプロセッシングが正確となるように選択され得る。この目的のために、遺伝子産物の一次転写、グリコシル化、およびリン酸化という適当なプロセッシングための細胞機構を保有する真核性宿主細胞を使用し得る。上記列挙の哺乳類細胞型は、適当な宿主細胞としての役割を果たし得るものである。

0219

哺乳類細胞のトランスフェクトおよび細胞に導入されるDNA配列の発現の方法は、例えば、Kaufman and Sharp, J. Mol. Biol. 159, 1982, PP. 601-621 ; Southern and Berg, 1982, J. Mol. Appl. Genet. 1: 327-341; Loyter et al., 1982, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79: 422-426; Wigler et al., 1978, Cell 14: 725; Corsaro and Pearson, 1981, Somatic Cell Genetics 7, p. 603; Graham and van der Eb, 1973, Virol. 52 : 456; および Neumann et al., 1982,EMBO J. 1: 841-845に記載されている。

0220

トランスジェニック植物または動物における融合タンパク質の産生など、他の真核性産生系も本発明で想定されている。

0221

他の態様では、本発明は、融合タンパク質をコードする上記のような遺伝子発現コンストラクトを作成すること、該コンストラクトで宿主細胞培養物を形質転換すること、宿主細胞培養物を培養し、それによって、ポリペプチドを発現させ、培養培地分泌させ、その後、組み換え融合タンパク質を含む培養培地を得ること、そして該融合タンパク質を精製することにより、融合タンパク質を作成する方法を提供する。

0222

細胞の培養に用いる培地は、哺乳類細胞の増殖に適当な任意の培地、適当な添加物を含んでいる血清含有または非含有培地など、または昆虫、酵母または菌類細胞の増殖に適当な培地であり得る。適当な培地は、市場販売者から入手可能であり、また、刊行されているレシピにより調製し得る(例えば、American Type Culture Collectionのカタログ)。培養培地の例は、例えば、インシュリントランスフェリンセレニウムおよび胎児ウシ血清を加えたRPMI-1640またはDMEMである。

0223

次いで、細胞により組み換え的に産生される融合タンパク質は、遠心分離または濾過により宿主細胞を培地から分離すること、塩、例えば硫酸アンモニウムによりその上清または濾液のタンパク質コンポーネントを沈殿させること、種々のクロマトグラフィー法、例えばHPLCイオン交換クロマトグラフィーアフィニティークロマトグラフィーなどによる精製を含む通常の方法により培養培地から回収され得る。

0224

好ましい実施態様では、融合タンパク質は、上記のような炭水化物親和性クロマトグラフィーを使用することにより精製する。本発明の好ましい実施態様では、親和性クロマトグラフィーは、マンノース、ヘキソースまたはN-アセチル-グルコセアミン誘導マトリクスのマトリクス(親和性クロマトグラフィーに適当なものである)により行う。特に、マトリクスがマンノースで誘導体化されているアフィニティークロマトグラフィーを用いる。

0225

本明細書では、精製した組み換え融合タンパク質は、例えば、炭水化物親和性クロマトグラフィーを用いることにより、細胞培養物の上清または体液またはトランスジェニック動物由来の組織から精製した組み換え融合タンパク質であると理解される。

0226

培養培地の適用後、カラムは、好ましくは、融合タンパク質は溶出させることなくタンパク質を除去する組成物、pHおよびイオン強度を有する非変性緩衝液を用いることにより、洗浄する。その緩衝液はTBSであり得る。融合タンパク質の溶出は、融合タンパク質を効率的に溶出できる選択的吸着剤EDTA(例えば5 mM)またはマンノース(例えば50 mM)などの吸着剤を含むTBSなどで行い、融合タンパク質を回収する。

0227

医薬組成物および治療
本発明により得られる融合タンパク質は、種々の疾患または病状の予防および/または治療のための医薬組成物の製造に使用し得る。本明細書では、医薬組成物という用語は医薬と同義的に使用する。

0228

融合タンパク質に加えて、医薬組成物は、医薬的に許容される担体物質および/またはビヒクルを含み得る。

0229

特に、安定化剤は、融合タンパク質を安定化するために加えられ得る。該安定化剤は糖アルコール、サッカライド、タンパク質および/またはアミノ酸であり得る。安定化剤の例はアルブミンまたはマルトースであり得る。

0230

他の都合のよい添加物も、例えば投与形態に依存して医薬組成物に添加され得る。

0231

ある実施態様では、該医薬組成物は注射に適した形態である。通常の担体物質、等張性生理食塩水などを使用し得る。

0232

他の実施態様では、医薬組成物は、肺投与(pulmonal administration)に適当な形態、吸入用パウダーなど、または局所適用クリームもしくは液体の形態を有する。

0233

本明細書において、治療は、例えば、ヒトなどで作用する機能単位を有するヒトおよび動物による免疫系および生殖系治癒および/または予防を含み得る。治療される病状とは、治療の必要があると現在判っている病状を必ずしも意味するものではないが、治療の現在の必要性および/または必要になるとの予測と関連する任意の病状、または正常な状態の向上と関連する任意の病状が一般的に含まれる。特に、該治療は、レクチンの欠損、MBL欠損などの病状の治療である。

0234

本発明の他の態様では、例えば、ヒトなどで作用する機能単位を有するヒトおよび動物による免疫系および生殖系の疾患および異常の治癒および/または予防を含む病状の治療を目的とした融合タンパク質の医薬組成物からなる医薬の製造を提供する。

0235

本発明の化合物による治療の必要な該疾患、異常および/または病状には、例えば、MBL欠損の病状の治療、免疫抑制化学療法と関連する癌および感染症(癌治療による病状または器官移植および/または移植手術と関連することが判っている特定の感染症を含む)の治療が含まれる。本発明はまた、再発性流産と関連する病状の治療を含む。

0236

そのため、特に医薬組成物は、感染症、MBL欠損、癌、感染症のような化学療法と関連する異常、ヒト免疫疾患ウイルス(HIV)と関連する疾患、先天性または後天性の免疫疾患と関連する疾患から選択される臨床症状の治療および/または予防に使用され得る。より特に、慢性炎症脱髄多発性神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)(CIDP)、多病性運動性(Multifocal motoric neuropathy)、多発性硬化症重症筋無力症、Eaton-Lambert's症候群、Opticus神経炎てんかん;原発性抗リン脂質症候群(Primary antiphospholipid syndrome);リュウマチ性関節炎全身性紅斑性狼瘡全身性硬皮症脈管炎、Wegner's肉芽腫症、Sjogren's症候群、若年性リュウマチ性関節炎;自己免疫好中球減少症、自己免疫法血性貧血、好中球減少症;クローン病潰瘍性大腸炎(Colitis ulcerous)、セリアック病;喘息敗血性ショック症候群、慢性疲労症候群乾癬毒性ショック症候群糖尿病静脈洞炎拡張性心筋症心内膜炎アテローム性動脈硬化症、一般変異型免疫不全症、Wiskott-Aldrich症候群および重症複合免疫不全症(SCID)を含む原発性低/無ガンマグロブリン血症慢性リンパ性白血病(CLL)および多発性骨髄腫の患者における二次性低/無ガンマグロブリン血症、急性および慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、同種骨髄移植(BTM)、川崎病、およびGuillan-Barre's症候群。

0237

投与経路は、任意の適当な経路であり得、静脈筋肉内、皮下または皮内などであり得る。また、肺または局所投与が本発明では想定されている。

0238

特に、融合タンパク質を投与し、先天性または後天性MBL疾患に関連する症状を有しまたはその症状が進行する危険性を有する患者における感染症を予防および/または治療し得る。化学療法または他の細胞毒性治療、癌、AIDS、遺伝的気質慢性感染症および好中球減少症など、様々な病状により、MBL欠損の個体で感染症の罹患率が高まり得る。

0239

そのため、医薬組成物は、化学療法などの開始前および少なくとも化学療法中に投与され得る。

0240

融合タンパク質は、化学療法前の一般的な「ブースター」として投与され得るか、またはMBL欠損が進行する危険性がある者にのみ投与され得る。その危険性の高い患者のグループにおいて、治療前MBLレベルを測定し、事前に測定したレベルよりMBLレベルの低い患者のみを治療し得る。

0241

融合タンパク質を適当な用法・用量で投与し、特に、通常、適当な間隔、例えば、化学療法の間に週に一度または二度、投与する。

0242

通常、用量あたり1-100mg、2-10mgなど、最も好ましくは用量あたり5-10mgを投与する。最も好ましくは約0.1 mg/kg体重を投与する。

0243

更に、本発明の態様では、他の医薬を更に含むキットの一部として本発明の組み換え組成物を使用する。特に、その他の医薬は、抗微生物性医薬、抗菌剤などであり得る。

0244

流産に関しては、患者のMBLの血漿レベルが低くなりやすくなると報告されている。でなければ、流産の再発の説明がつかない。それが、そのような場合に組み換えMBLを投与することによりMBLレベルが上昇し流産の確率は低下するという背景である。

0245

本発明の化合物の特性に関して、広範の意味においては、本発明は、オプソニンとして作用し得る、すなわち、該化合物とマクロファージとの間で直接相互作用か、または標的表面の補体沈着を介するか何れかでマクロファージの取り込みを促進し得る化合物に関するといえる。

0246

実施例
実施例1
FCNMBL-r1、-r2、-r3、-r4、-r5、-r6および-r7のプラスミドクローニング
1.1 要約
一連のプラスミドは、組み換えヒトマンノース結合レクチン2遺伝子(rhMBL)とヒトフィコリン2 (FCN2)との間でのタンパク質融合の哺乳類細胞内での発現用に構築した。ベクターは、多コピー数のColE1に基づくプラスミドから得られ、哺乳類系でタンパク質発現できるように設計されたものである。該融合タンパク質の発現は、構成的な発現を促進するヒトサイトメガロウイルス(CMV)初期(immediate early)プロモーターにより行われる。選択は、原核のβ-ラクタマーゼプロモーターのコントロールのもとアンピシリン耐性遺伝子により細菌中で行われ得る。ネオマイシン耐性遺伝子は、哺乳類細胞中でG418により安定な選択が提供され、SV40初期プロモーターにより駆動される。

0247

1.2コントラストおよび実験
フィコリン2とMBLの融合タンパク質を発現するために、一連のプラスミドを設計し構築した。その新しい組み換えプラスミドは、先にクローニングしたpcDNA2001-cintMBLcDNAに基づいている。このプラスミドはヒトMBL用のcDNAと供に合成イントロンを含む。

0248

以下の融合物を設計した(アンダーライン部分は融合タンパク質のFCN2を示し、イタリック部分はMBL部分を示す)。

0249

FCN2MBLr1(配列番号118):

0250

FCN2MBLr2(配列番号119):

0251

FCN2MBLr3 (配列番号120):

0252

FCN2MBLr4 (配列番号121):

0253

FCN2MBLr5 (配列番号122):

0254

FCN2MBLr6 (配列番号123) :

0255

FCN2MBLr7 (配列番号124) :

0256

全ての構築に用いる親プラスミド:
・pcDNA2003-cintMBLcDNA
・Invitrogen Genestorm clone RG000632 (Cat. No. H-K1000 INVITROGEN)
構築は、BDのBD In-FusionTMPCRCloning Kit(Cat. No. 631774)を用い、組み換えにより行った。BD In-Fusion Kitは、ベクターとPCR産物との間の2x15bpの相同領域のみに基づきPCR産物をクローニングし得る。このキットでクローニングするときはリガーゼまたはホスファターゼは必要ない。In-Fusion酵素がDNAフラグメント末端を捕捉し、ベクターと挿入物を結合する。

0257

PCR反応に使用するプライマーを表1に示す。
組み換えのためのPCR反応およびベクターの直鎖化
PCR反応は、Bstz171 (N135-20B)で消化したプラスミド"Genestorm RG000632" batch N135-15Cで行った。プライマー対を下記のように使用した。PCR反応用のキット: PfuUltraTM HotstartPCRMaster Mix Stratagene #600630。PCR反応チューブは、表2に示す温度プロファイルを用いBioRADi-cyclerで行った。

0258

組み換え反応の場合、ベクターpcDNA2001-cintMBLcDNAを、以下に列挙の酵素で制限酵素消化することにより直鎖化した。

0259

FCN2MBLr1 :
PCRに使用するプライマー: Pr1-xho-MBLFCN + Pr4-Xmn-FCNMBL-rev (産物463 bp)
pcDNA2001-cintMBLcDNAの消化: XhoI + XmnI (部分的)

0260

FCN2MBLr2:
PCRに使用するプライマー: Pr1-xho-MBLFCN + Pr5-Xmn-FCNMBL-rev
pcDNA2001-cintMBLcDNAの消化: XhoI + XmnI (部分的)

0261

FCN2MBLr3:
PCRに使用するプライマー: Pr1-xho-MBLFCN + Pr6-b-Bsp-FCNMBL-rev
pcDNA2001-cintMBLcDNAの消化: XhoI + BspEI

0262

FCN2MBLr4:
PCRに使用するプライマー: Pr1-xho-MBLFCN + Pr2-apa-FCNMBL-rev
pcDNA2001-cintMBLcDNAの消化: XhoI + ApaI

0263

FCN2MBLr5:
PCRに使用するプライマー: Pr1-xho-MBLFCN + Pr3-apa-FCNMBL-rev
pcDNA2001-cintMBLcDNAの消化: XhoI + ApaI

0264

FCN2MBLr6:
PCRに使用するプライマー: Pr8-BstAP-MBLFCN + Pr6-b-Bsp-FCNMBL-rev
pcDNA2001-cintMBLcDNAの消化: 部分的にBstAPI + BspEI

0265

FCN2MBLr7:
PCRに使用するプライマー: Pr7-AIw-MBLFCN + Pr6-b-Bsp-FCNMBL-rev
pcDNA2001-cintMBLcDNAの消化: 部分的にAIwNI + BspEI

0266

In-FusionPCR組み換え反応
In-Fusion PCR 組み換え反応は、Quiagen Mineluteで精製した直鎖状pcDNA2001-cintMBLcDNA 50-100 ngと共に、Quiagen Mineluteで精製したPCR産物約50-100 ngを用い開始した。

0267

組み換え反応物の1/10を、MAX efficiency DH5αコンピテントセル(INVITROGEN Cat. No. 18258-012)に形質転換した。それぞれの形質転換体の1/10から9/10を、200 μg/mlアンピシリンを含む別々のLBプレートに広げた。プレートは37℃で一夜インキュベートした。

0268

陽性クローンスクリーニング
それぞれの実験プレートから少なくとも6クローンミニプレッププラスミドDNA単離のためピックした。挿入物の存在の確認のため、DNAは、酵素PstIによる制限酵素消化分析により分析した。反応ごとに陽性クローンを3つずつ選択し、その後の操作に用いた。

0269

制限酵素分析
最初のスクリーニング後に、選択した各組換えプラスミドを確認するため、単離プラスミドDNAに、強力な制限酵素消化分析を行った。組み換え体のプラスミドDNAは表3に示す酵素で消化した。予測されるフラグメントもまた該表に列挙する。被検組み換え体クローンにおいては全て、予測されるパターンが見られた。EcoRIによる消化は予想と異なった。更なるフラグメントが組み換え体および親プラスミドの両方の消化において観察された。その矛盾は親プラスミドにおける更なるEcoRI部位により説明できる。

0270

結果
得られた組み換えプラスミドを、図4から8でコンストラクトr1、-r2、-r3、-r4、および-r5として図示する。

0271

実施例2
ヒトMBLおよびヒトFCN2の組み換え融合タンパク質の一過性発現の実験
2.1 要約
HEK293およびPer. C6細胞内での組み換えヒト融合タンパク質FCNMBLr1、FCNMBLr4、FCNMBLr5およびMBLの発現を報告する。一過性トランスフェクション実験での細胞系は、MBLオリゴマー型3および4に主に類似する構造を有する活性オリゴマーアセンブルした融合タンパク質FCNMBLr4およびFCNMBLr5を少なくとも産生し得ることが判った。融合タンパク質FCNMBLr4 および FCNMBLr5は、炭水化物表面への結合および補体カスケードの活性化においてMBLのような役割をする。

0272

2.2 導入
本研究の目的は、ヒトのフィコリン2のコラーゲン部分とヒトのマンノース結合レクチン(MBL)からなるハイブリッドタンパク質が作成できることを示すことであった。更に、その分子が、複合体炭水化物構造体に対する結合能を依然として保有するか、そして依然として補体を活性化することができるかを明らかにすることが目的であった。

0273

2つの真核細胞系、ヒト起源のHEK293およびPer. C6を、それぞれの発現プラスミドによる一過性トランスフェクションの宿主細胞系として使用した。転写は、CMV-IEプロモーターエンハンサーにより行った。

0274

2.3実験
材料および方法
トランスフェクション実験に用いるプラスミド
pME607-FCNMBL-r1、-r2、-r3、-r4、-r5、-r6 および-r7 (実施例1に記載)

0275

使用する細胞のオリジン
PerC6細胞はCrucellから得た。
HEK 293 Freestyle細胞はInVitrogenから得た。

0276

培養培地
PerC6細胞は、血清の入っていない培地中で単層で保持され、37℃10%(vol/vol)CO2で培養した。
HEK 293 Freestyleは、InVitrogen Freestyle培地中で懸濁で保持され、37℃8%(vol/vol)CO2で培養した。

0277

培地のトランスフェクションおよび回収
血清含有培地中のPer. C6細胞は、トランスフェクション試薬Lipofectamineを用い、DNAでトランスフェクションした。トランスフェクションして1日後、培地を、血清の入っていない培地で交換した。
血清の入っていないFreestyle培地中のHEK293細胞は、トランスフェクション試薬293fectを用い、DNAでトランスフェクトした。トランスフェクション後、約4日インキュベーションし、培地を回収した。

0278

MBLの定量
マンナン被覆プレートまたはmAb-131-01被覆プレートを用いる組み換え体MBLアッセイ(TRIMA)
MBLの定量では、時間分解免疫蛍光測定(time-resolved immunofluorometry)を行った。

0279

SDS-PAGEおよびウェスタンブロット分析
SDS-PAGEし、その後、タンパク質をポリビニリデンジフオリド膜に電気的にトランスファーし、モノクローナル抗MBL抗体を用いMBL検出を行った。

0280

C4アッセイ
該アッセイは、補体系のMBLレクチン経路を開始するMBLおよびrMBLの能力を測定するように設計される。MBLと結合した、MBL結合セリンプロテアーゼ(MASP 2)は、補体因子C4を切断し、C4a および C4bを放出する。マンナン被覆ELISAプレート上のC4bの沈着を、C4bに対するビオチン標識化抗体およびユーロピウム標識化ストレプトアビジンで検出する。

0281

2.4 結果
ここで記載の実験では、血清の入っていない条件下で、HEK293およびPer. C6細胞の両方において一過性にFCN2MBLr4、FCN2MBLr5 および MBLを発現することができた。

0282

融合タンパク質のオリゴマー型
オリゴマー型融合タンパク質を非還元型の変性SDS PAGEで試験し、その後、ウエスタンブロットで試験した。検出抗体は、MBLのCDR部分を認識する(およびコイルコイル領域部分であり得る)。結果を図10に示す。融合タンパク質FCN2MBLr4およびFCN2MBLr5の最も顕著な型は約250 kDaであり、それは、3つの単一タンパク質鎖(24 kDa)からなる3-または4-mereのサブユニットに相当することが図からわかる。オリゴマー型の出現は、使用する宿主細胞に依存するわけではない。MBLは広範囲のオリゴマー型で産生された。

0283

結合特性
融合タンパク質は、マンナン表面に結合することによるMBL炭水化物結合ドメインの機能について、MBLのCRD部分を認識する(およびコイル−コイル領域の部分であり得る)抗体による検出により試験した。表4に結果を示す。FCN2MBLr4およびFCN2MBLr5、およびMBLが宿主細胞中で発現され、融合タンパク質がマンナン表面に結合すると結論づけることができる。

0284

MASP-2結合およびC4切断
融合タンパク質を、MASP-2結合能およびMASP-2のセリンプロテアーゼの活性化に関し更に試験した。これは、融合タンパク質とマンナン表面との結合におけるMASP-2基質補体因子C4の切断を測定することにより行った。結果を表5に示す。これらの結果から、融合タンパク質FCN2MBLr4およびFCN2MBLr5は、MASP-2との結合能およびそれを活性化する能力を保持していると結論づけることができる。

0285

考察
本明細書に記載の結果により、以下の特徴を有するFCN2およびMBLの融合タンパク質を構築することが可能であることが明らかとなる。
1. 融合タンパク質のオリゴマー構造は、MBLタンパク質の場合よりも単純である。
2. 融合タンパク質は、密集した炭水化物構造との結合における補体カスケードのMBL活性化の本質的特性を保持する。

0286

表1.PCR反応に使用するプライマー
太字の配列は、ベクター中への組み込みに必要な15 bpの相同配列を示す。

図面の簡単な説明

0287

図1はLフィコリンの配列を示す。
図2はMBLの配列を示す。
図3は融合タンパク質の例を示す。
図4は実施例1に記載のプラスミドを示す。
図5は実施例1に記載のプラスミドを示す。
図6は実施例1に記載のプラスミドを示す。
図7は実施例1に記載のプラスミドを示す。
図8は実施例1に記載のプラスミドを示す。
図9−1は実施例1で記載の融合タンパク質のアラインメントを示す。
図9−2は実施例1で記載の融合タンパク質のアラインメントを示す。
図10は実施例2で考察する2つのウエスタンブロットを示す

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ