図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2005年10月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題・解決手段

重量平均分子量(Mw)が3,000ダルトン以下であり、数平均分子量が400ダルトン以上であり、オキソ水酸化第二鉄と安定に結合した水素化デキストリンを含んでなる鉄欠乏性貧血治療用鉄デキストリン化合物デキストリンの分子量は狭くなければならないので、本発明のもう一つの重要な特徴は、最高分子量を有するデキストリンの10%画分の平均分子量が4,500ダルトン未満であり且つデキストリンの90%の分子量が3,000ダルトン未満であることである。最低分子量を有する10%画分の平均分子量が340ダルトン以上であることも更に重要である。

概要

背景

概要

重量平均分子量(Mw)が3,000ダルトン以下であり、数平均分子量が400ダルトン以上であり、オキソ水酸化第二鉄と安定に結合した水素化デキストリンを含んでなる鉄欠乏性貧血治療用鉄デキストリン化合物デキストリンの分子量は狭くなければならないので、本発明のもう一つの重要な特徴は、最高分子量を有するデキストリンの10%画分の平均分子量が4,500ダルトン未満であり且つデキストリンの90%の分子量が3,000ダルトン未満であることである。最低分子量を有する10%画分の平均分子量が340ダルトン以上であることも更に重要である。

目的

生成物の製造に関する上記進展にも拘わらず、鉄欠乏性貧血の治療または予防のための組成物の調製に用いることができる鉄化合物であって、デキストランと本来的に結合する問題を提供しない鉄化合物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

オキソ水酸化第二鉄と安定に結合した水素化デキストリンからなる鉄デキストリン化合物であって、上記水素化デキストリンの重量平均分子量(Mw)が3,000ダルトン以下であり、数平均分子量が400ダルトン以上であり、最高分子量を有する上記水素化デキストリンの10%画分の重量平均分子量が4,500ダルトン未満であり且つデキストリンの90%の分子量が3,500ダルトン未満であり、最低分子量を有する上記水素化デキストリンの10%画分の重量平均分子量が340ダルトン以上であることを特徴とする、鉄デキストリン化合物。

請求項2

上記デキストリンのMwが約1,000ダルトンである、請求項1に記載の鉄デキストリン化合物。

請求項3

鉄含量が10-45%(重量/重量)の範囲の粉末である、請求項1に記載の鉄デキストリン化合物。

請求項4

鉄含量が1-30%(重量/容量)の範囲である、請求項1に記載の鉄デキストリン化合物の水溶液

請求項5

鉄含量が5-25%(重量/容量)の範囲である、請求項4に記載の鉄デキストリン化合物の水溶液。

請求項6

(a)澱粉またはデキストリンを加水分解して、加水分解した澱粉またはデキストリンがヨウ素で強く着色した複合体を形成しなくなるまでその分子量を減少させ、(b)生成する加水分解デキストリンを水素化して、官能性アルデヒド基をアルコール基転換し、(c)水素化した加水分解混合物粒度によって分画して、精製画分の重量平均分子量が3,000ダルトン以下であり且つ数平均分子量が400ダルトン以上となるようにし、最高分子量を有する上記水素化デキストリンの10%画分の重量平均分子量が4,500ダルトン未満であり且つこのデキストリンの90%の分子量が3,500ダルトン未満であり、最低分子量を有する上記水素化デキストリンの10%画分の重量平均分子量が340ダルトン以上であり、(d)水溶液としての生成する分画した水素化デキストリンを少なくとも1種類の水溶性第二鉄塩併合し、(e)生成する水溶液に塩基を加えて溶液pH値を7.0より高い値に調整して、水酸化第二鉄を生成し、(f)生成する塩基性溶液を加熱して、水酸化第二鉄を上記デキストリンと結合しているオキシ水酸化第二鉄に転換する段階を含んでなる、請求項1に記載の鉄デキストリン化合物の製造方法。

請求項7

段階(c)における分画を膜法を用いて行う、請求項6に記載の方法。

請求項8

段階(e)において、生成する溶液を上記塩基を用いて8.5より高いpHに調整し、段階(f)において、溶液が黒色または暗褐色コロイド溶液に変化するまで85℃より高い温度で加熱を行った後、0.45μm膜で濾過し、その後安定剤を加え、必要に応じて溶液を乾燥して安定な粉末を得る、請求項6または7に記載の方法。

請求項9

安定剤が有機ヒドロキシ酸の塩である、請求項8に記載の方法。

請求項10

安定剤がクエン酸の塩である、請求項9に記載の方法。

請求項11

段階(b)における上記水素化を水溶液中で水素化ホウ素ナトリウムを用いて行う、請求項6または7に記載の方法。

請求項12

少なくとも1種類の水溶性第二鉄塩が塩化第二鉄である、請求項6〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

請求項1に記載の鉄デキストリン化合物の医薬上有効量を含んでなる動物またはヒト患者鉄欠乏性貧血治療または予防のための医薬組成物であって、治療組成物非経口または経口投与用に調製する、医薬組成物。

請求項14

組成物錠剤カプセルペースト顆粒剤、溶液、混合物、または注射用液体として処方する、請求項13に記載の医薬組成物。

請求項15

組成物が20%(重量/容量)までの鉄含量を有する非経口投与用水溶液である、請求項13に記載の医薬組成物。

請求項16

組成物がヒトでの投与を目的とし且つ1-20%の鉄を含んでなる、請求項15に記載の医薬組成物。

請求項17

組成物が2-10%の鉄を含んでなる、請求項16に記載の医薬組成物。

請求項18

組成物が2、5または10%の鉄を含んでなる、請求項17に記載の医薬組成物。

請求項19

組成物が動物での投与を目的とし且つ1-30%の鉄を含んでなる、請求項13に記載の医薬組成物。

請求項20

組成物が10- 20%の鉄を含んでなる、請求項19に記載の医薬組成物。

請求項21

1種類以上の栄養または医薬上有用な薬剤を更に含んでなる、請求項13〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物。

請求項22

栄養または医薬上有用な薬剤がビタミン、銅、コバルト亜鉛、またはセレンから選択される、請求項21に記載の医薬組成物。

請求項23

水不溶性ビタミンを乳化剤を用いて乳化する、請求項21に記載の医薬組成物。

請求項24

鉄デキストリン化合物を水性液体に溶解または分散させることを含む、請求項13に記載の医薬組成物の製造方法。

請求項25

生成する溶液または分散液を濾過滅菌した後、予め滅菌しておいたアンプルまたはバイアル充填する、請求項24に記載の方法。

請求項26

生成する溶液または分散液をアンプルまたはバイアルに充填した後、充填したアンプルまたはバイアルをオートクレーブ処理する、請求項24に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、新規鉄デキストリン化合物、およびその製造方法に関する。更に、本発明は、ヒトまたは家畜鉄欠乏性貧血治療用医薬組成物の製造のための鉄デキストリンの使用に関する。

0002

発明の背景
鉄欠乏性貧血は、世界的な立場に立ってみるとヒトの中で最もよく見られる(恐らくは、最もよく見られる)病理学的症状の一つとして報告されている。また、ブタや他の家畜の近代的な飼育場での飼育において、鉄欠乏性貧血は適当予防手段を執らなければ、問題である。

0003

鉄欠乏性貧血は鉄を含む製剤の経口投与によって予防または治療することができることが多いが、非経口投与可能な鉄製剤を用いて経口投与のバイオアベイラビリティーの変動を回避し、効果的に投与を行うようにすることが、多くの場合に好ましい。

0004

従って、皮下、筋肉内または静脈内投与を意味する非経口用の鉄を含む製剤は、多年にわたって動物またはヒトの医療実施者の裁量に任されてきた。

0005

様々な鉄を含む物質が鉄欠乏性貧血の非経口投与可能な製剤の成分として用いられまたは示唆されてきたが、今日受け容れられている最もよく見られる製剤は、デキストラン会合したオキシ水酸化第二鉄(または水酸化第二鉄)の配合生成物を含んでなるものである。デキストランは、微生物Leuconostoc mesenteroidesによって産生されるポリマー性炭水化物である。

0006

デキストランは多くの方法において望ましい化合物であるが、これはヒトの体内で限定された程度でしか代謝されないという欠点を有している。更に、デキストランは、非経口投与すると、アナフィラキシー反応を生じることがある。

0007

非経口投与用の鉄を含む製剤は、ヘモグロビン合成のための鉄が容易に入手可能であり、局所または全身副作用がなく、保管時に安定であり周囲温度で十分な保管寿命を得ることができるなどいくつかの要件を明らかに満たすべきである。

0008

鉄製剤を経口投与するのが望ましいことが多いが、これは受容者にとって極めて好都合であるからである。鉄製剤の経口投与後によく見られる欠点は、消化が損なわれることである。良好な鉄製剤は消化管で体内に鉄を制御された方法で提供し、腸上皮を介して十分な鉄を吸収し、それ自体では消化に悪影響を及ぼさないものである。

0009

英国特許第1,076,219号明細書には、鉄欠乏性貧血の予防または治療のための鉄、低分子デキストリンまたはデキストラン、およびソルビトールを含む複合体の製造方法が開示されている。

0010

米国特許第4,927,756号明細書には、鉄デキストラン化合物の製造手順であって、デキストランの分子量が2000-4000の範囲である手順が開示されている。分子量が1000ダルトンを下回るデキストランおよび糖類は反応条件で分解して毒性生成物を生じることも述べられている。

0011

WO9900160号明細書には、重量平均分子量が700-1400であり且つ数平均分子量が400-1400ダルトンであり、オキシ水酸化第二鉄と安定に結合しているデキストランからなる鉄デキストランが開示されている。開示されている鉄デキストラン複合体では、アナフィラキシー副作用の発生数が減少する。

0012

鉄欠乏性貧血の治療用のもう一つの鉄製剤は、鉄-スクロースおよび鉄-グルコネート化合物などが知られている。これらの化合物は鉄を余り強く結合しておらず、結果として遊離のFe3+イオンの濃度が一層高くなり、非経口投与したときに鉄化合物の毒性が増加し、または経口投与するときに消化を妨げることがある。

0013

Banthu人では、鉄欠乏性貧血の発生率が極めて低く、反対の鉄過剰負荷の発生率が多く見られることが報告されている。鉄は、鉄製ポットでのトウモロコシオートミール食の伝統的調製の結果として、主として食事によって供給される。直接的な証拠は何もないが、鉄はの酸媒質によって可溶化され、加水分解した食用澱粉由来の糖と混合した後、小腸に運ばれ、糖と鉄がリッチ巨丸(bolus)を中和して鉄の可溶性炭水化物複合体を形成すると考えられる。これらの可溶性糖複合体腸管によって容易に輸送されて吸着し、粘膜による障害は全く見られない(Spiro and Saltman.「鉄の多核複合体、およびそれらの生物学的関係:構造および結合(Polynuclear complexes of and their biological Implications: Structure and bonding)」 pp. 116-156)。

0014

鉄生成物の製造に関する上記進展にも拘わらず、鉄欠乏性貧血の治療または予防のための組成物の調製に用いることができる鉄化合物であって、デキストランと本来的に結合する問題を提供しない鉄化合物を提供するのが望ましい。

0015

発明の説明
本発明の目的は、鉄欠乏性貧血の治療のための新規な鉄製剤であって、
経口投与したときに、消化による問題を引き起こすことなく腸で吸着するための鉄の有用性が高く、
腸で容易に吸着する形態の鉄を提供し、
非経口投与したときに、鉄の有用性が高く、Fe3+の局所濃度が高いことによって引き起こされる毒性の危険性がなく、
アナフィラキシー反応と結合せず、
多量の鉄を含んでなり、
多量の鉄を含んでなる上記鉄製剤の安定な溶液であって、医薬組成物の基本要件を満たす、すなわち好ましくはオートクレーブ処理によって滅菌することができ、且つ周囲温度で長期間の保管中安定な溶液を形成することができる
要件を総て満足する鉄製剤を提供することである。

0016

本発明者らは、意外なことには、総ての上記要件が本発明による鉄デキストリン化合物によって満たされることを理解した。

0017

本発明によれば、鉄(III)-デキストリン化合物が提供される。

0018

デキストリン化合物は、澱粉の加水分解によって調製される。デキストリンは、主としてα-1,4-グルコシド結合によって互いに結合したグルコース単位から構成される糖類である。

0019

デキストリンは、通常は酸、塩基または酵素のような既知解重合手段を用いる澱粉の解重合によって作製される。供給源によっては、澱粉はポリグルコース鎖の分岐点に位置した少数のα-1,6-グルコシド結合も含む。従って、デキストリンは、α-1,6-グルコシド結合を同様な低画分で含むこともある。澱粉の解重合の条件を調節することによってα-1,4-グルコシド結合またはα-1,6-グルコシド結合の開裂を促進して、これらの種類の結合の比を出発澱粉と調製されたデキストリンとの間で異なるようにすることができることがある。

0020

澱粉とデキストリンの特徴的な特性の一つは、それらのゲル化特性である。デキストランとは対照的に、澱粉および高級デキストリンは余り大きくない濃度でもゲル化し、処理が一層困難になる。

0021

澱粉および高級デキストリンのゲル化特性は、加水分解によって分子量を減少させることによって減少させることができるが、糖および小デキストリンは会合複合体で鉄と併用すると毒性の問題を生じることがあることが知られているので、加水分解は徹底的に行うべきではない。

0022

澱粉は、それがヨウ素で強く着色した複合体を形成しなくなるまで加水分解することが好ましい。その範囲まで加水分解した澱粉の溶液は所望な分子の大きさの範囲のデキストリンを多量に含んでなり、溶液の処理を容易且つ正確にするのに十分低い粘度を有する。

0023

本発明によれば、澱粉の分子量は、好ましくは硫酸リン酸または塩酸のような無機強酸を用いる酸加水分解として行われる。塩酸は、澱粉の加水分解に好ましい酸である。

0024

更に、本発明者らは、デキストリンを狭い分子量分布に精製して、更に均一な鉄-デキストリン複合体を得るのが望ましいことを理解した。

0025

従って、デキストリンを適当な低分子量まで加水分解し、狭い範囲の分子量に分画して高分子量デキストリンおよび低分子糖類を回避することが、本発明の重要な特徴である。

0026

本発明により鉄と併用するデキストリンとの重量平均分子量(Mw)は3000ダルトン未満でなければならず、数平均分子量(Mn)は400ダルトンより高くなければならない。

0027

デキストリンの分子量は分布が狭くなければならないので、最高分子量を有するデキストリンの10%画分の平均分子量が4500ダルトン未満であり且つデキストリンの90%の分子量が3000ダルトン未満であることが本発明のもう一つの重要な特徴である。最低分子量を有する10%画分の重量平均分子量が340ダルトン以上であることも重要である。

0028

好ましい態様では、最高分子量を有するデキストリンの10%画分の平均分子量が4000ダルトン未満であり、これらのデキストリンの90%の分子量が3000ダルトン未満であり、最低分子量を有する10%画分の重量平均分子量は800ダルトン以上である。

0029

本発明者らは、意外なことには、このようなデキストリン画分の粘度が十分低く、デキストリンの溶液を容易且つ高い信頼性で処理することができ、更にこのようなデキストリン画分は極めて均一な大きさの鉄との会合複合体を提供することを見出した。

0030

分画化は、原則として狭い範囲の分子量に分画するのに適当なオリゴ糖類の分画化のための既知の手続きを用いて行うことができる。このような手続きとしては、クロマトグラフィー精製イオンクロマトグラフィー法、および膜法による精製が好ましい場合には膜分離技術を用いる精製が挙げられる。カットオフ値が340-800ダルトンの範囲の膜を用いる膜法を用いて低分子量糖類を除去するのが特に好ましい。

0031

膜法を用いる分画化とは対照的に、沈澱に基づく伝統的に用いられてきた分画化の手法は、おそらく得られるデキストリン画分が十分に狭くないので、本発明の適当な分画化手法ではない。従って、伝統的な沈澱によって分画されたデキストリンを用いて調製した鉄デキストリン化合物は、本発明による鉄デキストリン化合物の有用な特性を持たない。

0032

鉄と結合させる前に、デキストリンの還元能を除去する。これは、デキストリンの末端アルデヒド基水素化してアルコールとすることによって行うことができる。この還元は、周知の手続きを用いて行うことができる。水素化ホウ素ナトリウムを用いる水素化が好ましい。

0033

水素化の後に、デキストリンの還元能は、第二銅酸化法を用いて測定したときには3.0%未満であるべきである。

0034

水溶液としての精製して水素化したデキストリンを少なくとも1種類の水溶性第二鉄塩と結合させ、生成する溶液に塩基を加えて水酸化第二鉄を形成し、生成する混合物を加熱して、水酸化第二鉄をデキストリンとの会合化合物としてのオキシ水酸化第二鉄に転換させる。

0035

水溶液第二鉄塩の好ましい例は、塩化第二鉄である。

0036

この方法の好ましい態様は、
(i)精製した水素化デキストリンと少なくとも1種類の水溶性第二鉄塩を含んでなる水溶液を調製し、
(ii)上記水溶液のpHを、塩基を添加することによって7より高い値に調整し、
(iii)混合物を、黒色または暗褐色コロイド溶液に変化し0.45μmフィルター濾過することができるようになるまで85℃より高い温度で加熱を行い、
(iv)濾過、加熱および膜法、および1種類以上の安定剤を用いて更に精製および安定化を行い、場合によっては溶液を乾燥して所望な鉄-デキストリン化合物を安定な粉末として得る
ことを含んでなる。

0037

段階(ii)の水溶液のpHは、塩基を添加することによって8.5より高い値に調整するのが更に好ましい。

0038

有機ヒドロキシ酸の塩、好ましくはクエン酸塩を添加することによって、適当に安定化が起こる。

0039

好ましい態様では、本発明は、50%(重量/重量)までの鉄を含んでなる水溶性粉末である鉄デキストリン化合物に関する。好ましくは、粉末の鉄含量は10- 50%(重量/重量)の範囲であり、更に好ましくは20-45%(重量/重量)の範囲であり、更に一層好ましくは30-42%(重量/重量)の範囲である。

0040

従って、本発明は、望ましくない副作用の頻度が極めて低く、水溶液として滅菌および保管の際にも十分に安定であり、非経口または経口投与による動物またはヒト患者鉄欠乏症の予防または治療のための医薬組成物の成分として用いることができる鉄-デキストリン化合物であって、オキシ水酸化第二鉄との安定な会合において、水素化デキストリンの重量平均分子量(Mw)が3,000ダルトン未満であり、好ましくは約1,000ダルトンであり、数平均分子量(Mn)が400ダルトン以上であることを特徴とする鉄-デキストリン化合物に関する。

0041

あるいは、乾燥操作を省略し、注射用液体を、精製溶液からその中間乾燥なしに製造する。

0042

更に好ましい態様では、デキストリンの水素化は水溶液中で水素化ホウ素ナトリウムによって行う。

0043

本発明者らは、意外なことには、本発明による鉄デキストリン化合物が以前に知られていた鉄デキストリン化合物と比較して有意な利点を有することを見出した。

0044

第一に、本発明による方法を用いて、鉄と全鉄デキストリン複合体との比として計算した鉄含量が極めて高い鉄デキストリンを調製することができる。

0045

第二に、本発明による鉄デキストリン化合物は水溶性が高く、鉄の量が極めて高い本発明による鉄デキストリンの水溶液を調製することができる。これらの溶液は安定であり、ゲル化または沈澱などにより保管により変性しない。

0046

更に、本発明による鉄デキストリン化合物の溶液は、オートクレーブ処理により溶液の実質的な物理的変化なしに滅菌することができる。従って、この溶液を、複合体の分子量または溶液の粘度を有意に変化させることなくオートクレーブ処理を行うことができる。

0047

従って、本発明による鉄デキストリン化合物は、質量単位当たり鉄を極めて多量に含んでなる医薬組成物であって、オートクレーブ処理可能であり且つ周囲温度で長期間安定であるような医薬組成物についての総ての要件を満たしている組成物を調製することの可能性を提供する。

0048

例えば、20%の鉄を含んでなる注射用液体を本発明によって調製することができる。鉄を多量に含んでなるこのような注射用液体は、治療を受ける患者に投与する必要がある液体の量が少なくて済むという利点があり、これは治療を受ける患者にとってもまた治療を行う人にとっても同様に好都合である。

0049

従って、もう一つの態様では、本発明は、本発明による鉄デキストリン化合物を含んでなる水溶液であって、鉄含量が35%までである水溶液を提供する。好ましくは、鉄含量は1-35%の範囲であり、更に好ましくは5-35%の範囲であり、更に一層好ましくは5-30%の範囲であり、最も好ましくは10-25%の範囲である。1、2、5、10、20、25または30%の鉄を含んでなる水溶液も、本発明の好ましい態様である。

0050

水溶液は、オートクレーブ処理、滅菌条件下での0.2-0.5μmフィルターによる濾過、または防腐剤の添加のような任意の認知された保存手法を用いて保存することができる。防腐剤の一例としては、0.5%フェノールを挙げることができる。

0051

オートクレーブ処理は、本発明による水溶液を保存するための好ましい方法である。特に好ましいものは、121-135℃の温度での5-40分間のオートクレーブ処理である。水溶液のpHが7.5より低ければ、溶液を40分間未満の時間オートクレーブ処理することが好ましい。

0052

更に好ましい態様では、上記水溶液は医薬組成物である。

0053

医薬組成物という用語は、本明細書では広義に理解すべきであり、ヒト個人または家畜のような動物の鉄欠乏性貧血の治療または予防用の組成物含んでなる。

0054

本発明による鉄デキストリン化合物を含んでなる医薬組成物は、当業者には周知の手続きを用いて調製することができる。

0055

一態様では、注射用液体は、本発明による鉄デキストリンの水溶液を提供し、所望ならば、適当な溶媒希釈し、pHを調製し、濾過滅菌を行い、予め滅菌しておいたアンプルまたはバイアル充填することによって調製される。

0056

もう一つの態様では、注射用液体は、本発明による鉄デキストリンの水溶液を提供し、所望ならば、適当な溶媒で希釈し、pHを調製し、濾過滅菌を行い、予め滅菌しておいたアンプルまたはバイアルに充填した後、充填したアンプルまたはバイアルのオートクレーブ処理による滅菌を行うことによって調製される。

0057

本発明の一つの好ましい態様は、注射用液体の質量単位当たり1-20%の鉄を含んでなるヒトでの投与を目的とする注射用液体を提供する。

0058

本発明のもう一つの態様は、注射用液体の質量単位当たり10-30%の鉄を含んでなる動物での投与を目的とする注射用液体を提供する。

0059

経口使用の製剤は、当業者に周知の手続きを用いて製造することができる。経口使用の製剤の例としては、錠剤カプセルシロップペーストおよび混合物を挙げることができる。

0060

本発明による鉄デキストリン化合物を含んでなる医薬製剤は、ビタミン、好ましくは水溶性ビタミン微量金属、例えば、コバルト、銅、亜鉛またはセレンのような微量栄養、またはチロシンのような抗生物質などの追加の栄養または薬学的に有用な薬剤を用いて処方することができる。水に不溶性のビタミンも、適当な乳化剤を用いて本発明による鉄デキストリン化合物を含んでなる水溶液に乳化することもできる。

0061

熟練者であれば、デキストランとは対照的に、アナフィラキシーの問題はデキストリンには関係しないことの利点を理解されるであろう。これは、高分子量分子の除去が目的としたより効率的でないとしても、受容者での副作用の誘発の危険性は極めて少なくなるが、これは総ての分子量のデキストリンが安全であり、アナフィラキシー反応を誘発し難いからである。

0062

意外なことには、本発明による鉄デキストリンは炭水化物の重合単位当たり等量以上の鉄を結合することができ、且つ従来技術による鉄デキストリンと比較して一層可溶性であることができる。更に、デキストリンは糖基の6位に位置した第一アルコール基を含み、この第一アルコール基のプロトン塩基性条件下で除去することができる。理論によって束縛しようとするものではないが、上記第一アルコール基の結合特性は、デキストリンがデキストランとは異なるやり方で鉄に結合するという事実に関与していると考えられる。

0063

従来の既知の鉄デキストリン化合物と比較して、本発明による鉄デキストリン化合物は一層可溶性であり、製造および保管中にゲル化する傾向が少ない。

0064

本発明による鉄デキストリン化合物を薬学上効率的な用量で経口投与すると、腸における吸収のための鉄の十分な有用性が消化時の副作用なしに提供される。

0065

本発明を、下記の非制限的例によって更に説明する。

0066


デキストリンの加水分解および水素化
Mw>3000のゼラチン形成デキストリンを、pH 1.5で95℃の温度で加水分解した。反応は、試料採取して、これらをゲル透過クロマトグラフィーを用いてクロマトグラフィーによって分析することによって観察した。

0067

デキストリンの分子量が所望な値、すなわち3000ダルトン未満の重量平均分子量に達したならば、加水分解を冷却および中和によって終了した。

0068

加水分解によって、低分子量デキストリンおよびグルコースが生成する。

0069

低温の中和したデキストリン溶液にカットオフ値が340-800ダルトンの膜精製法を行って加水分解中に生成したグルコースおよび小さめのデキストリンを除去した後、デキストリンの含量を屈折計を用いて測定し、還元糖を第二銅酸化を用いて測定した。

0070

還元能(RC)は、水素化ホウ素ナトリウムで処理することによって減少した。水素化ホウ素ナトリウム処理の後に、還元能は3.0 %未満であった。

0071

次に、溶液を中和して、pH<7.0とした後、脱イオン化した。平均分子量および分子量分布は、デキストランを標準として用いてクロマトグラフィーにより決定した。

0072

例2
鉄デキストリン化合物の調製
上記の方法で製造したデキストリン溶液Akgを、水溶液中でBkgのFeCl3・6H2Oと混合した。この攪拌混合物に、Na2CO3 のCkgを飽和水溶液として加え、次にpHを濃NaOH水溶液(27%(重量/容量))(約25 l)を用いて10.0に上げた。

0073

このようにして得た混合物を、黒色または暗褐色コロイド溶液となるまで85℃より高い温度で加熱し、これは0.45μmフィルターで濾過した後に、冷却することができた。冷却後、溶液を濃塩酸(約2-5 l)を用いてpH 5.8に調整した。溶液中の塩化物含量が、5%(重量/容量)の鉄を含む溶液に基づいて計算して0.15%未満となるまで、溶液を膜法を用いて精製した。

0074

溶液の塩化物含量が所望より少ない場合には、塩化ナトリウムを加え、pH値を塩酸または水酸化ナトリウムを用いて5.6に調整し、溶液を0.45μm膜フィルターで濾過した。

0075

最後に、溶液を噴霧乾燥して、鉄-デキストリン粉末を生成した。

0076

A、B、Cの値については、後記表を参照されたい。

0077

例3
鉄-デキストリンクエン酸塩化合物の調製
例1と同様に調製したデキストリン溶液Akgを、水溶液中でBkgのFeCl3・6H2Oと混合した。この攪拌混合物に、Na2CO3 のCkgを飽和水溶液として加え、次にpHを濃NaOH水溶液(27%(重量/容量))(約25 l)を用いて10.0に上げた。

0078

このようにして得た混合物を、黒色または暗褐色コロイド溶液となるまで85℃より高い温度で加熱し、これは0.45μmフィルターで濾過した後に、冷却することができた。冷却後、溶液を濃塩酸(約2-5 l)を用いてpH 5.8に調整した。溶液中の塩化物含量が、5%(重量/容量)の鉄を含む溶液に基づいて計算して0.15%未満となるまで、溶液を膜法を用いて精製した。

0079

Dkgの量のクエン酸を加え、pHを水酸化ナトリウムを用いて8.0より高く調整し、温度を100℃より高い温度に60分間上げることによって、溶液を安定化した。

0080

次いで、pH値を塩酸を用いてpH 5.6に調整した。溶液の塩化物含量が所望より少ない場合には、これを塩化ナトリウム用いて調整した。

0081

その後、溶液を0.45μm膜フィルターで濾過し、噴霧乾燥して鉄デキストリン粉末を生成した。

0082

0083

例4
調製した鉄デキストリン化合物の分析
鉄デキストリン製剤を、化学組成について分析した。結果を、下表IIに示す。

0084

更に、生成した複合体の分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定した。遊離鉄は、複合体を含んでなる溶液には検出されなかった。

0085

0086

例5
鉄デキストリン製剤の毒性試験
2%のFe(III)を含む水溶液として調製した表Iに開示した製剤を120℃でオートクレーブ処理することができたが、悪影響はなかった。

0087

更に、最終製剤を水溶液として調製したときには、USP24に準じて行った異常毒性についての試験合格した。

0088

例6
表IIIに示す鉄デキストリンは、下記の一般的手続きを用いて調製した。

0089

一般的手続き
例1と同様に調製した還元能(RC)が1.05%のデキストリン溶液(バッチT02013-1)A kgを、水溶液中でB kgのFeCl3・6H2Oと混合した。攪拌混合物に飽和水溶液としてのNa2CO3 のCakgを加え、次にpHを濃NaOH(27%(重量/容量))Cblを加えることによって10まで上げた。

0090

このようにして得た混合物を、黒色または暗褐色コロイド溶液となるまで85℃より高い温度で加熱し、これは0.45μmフィルターで濾過した。冷却後に、溶液を濃塩酸を用いてpH 約6.0 (5.0-7.0)に調整した。溶液中の塩化物含量が、5%(重量/容量)の鉄を含む溶液に基づいて計算して0.15%未満となるまで、溶液を膜法を用いて精製した。

0091

D kgの量のクエン酸を加え、pHを水酸化ナトリウムを用いて8.0より高い値に調整し、温度を100℃より高い温度に60分間上げることによって溶液を安定化した。

0092

次いで、pH値を塩酸を用いて約7.5 (6.0-9. 0)に調整した。溶液の塩化物含量が所望より少ない場合には、これを塩化ナトリウム用いて調整した。

0093

次に、溶液を0.45μm膜フィルターで濾過し、噴霧乾燥して鉄デキストリン粉末を生成した。

0094

0095

同様な鉄デキストリンを、クエン酸なしを除き同一量の成分を用いて調製した(データーは示さず)。

0096

例7
例6からの鉄デキストリン製剤を、化学組成について分析した。結果を下表IVに示す。

0097

更に、生成した複合体の分子量をゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定した。遊離鉄は、複合体を含んでなる、溶液には検出されなかった。

0098

0099

例8
例6で調整した鉄デキストリン化合物を用いて、100mgの鉄(III)/ml(10%)および200mg鉄(III)/ml(20%)を含む水溶液を調製した。これらの溶液を、121℃でのオートクレーブ処理の前および20および40分後に分析した。鉄デキストリン溶液は、オートクレーブ処理の後には変化しないと思われる。結果を、下表V-VIIIに示す。

0100

0101

0102

0103

0104

更に、これらの製剤は、USP24に準じて行った異常毒性についての試験に合格することができた。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ