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技術 生物活性物質とコポリマーとの適合性を評価する試験系

出願人 アボットゲーエムベーハーウントカンパニーカーゲー
発明者 ブライテンバッハ,ヨーグリーポルド,ベルント
出願日 2003年3月19日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2003-577945
公開日 2005年9月22日 (15年7ヶ月経過) 公開番号 2005-528591
状態 特許登録済
技術分野 特有な方法による材料の調査、分析 医薬品製剤
主要キーワード 気候帯 押出し形状 事前混合物 溶融形成 試験溶媒 ビニルピロリドン単位 溶解度値 沸騰点
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

生物活性物質とN−ビニルピロリドンコポリマーとの適合性を、簡単な方法で予測することの可能な試験系提示することにある。

解決手段

生物活性物質とN−ビニルピロリドン・コポリマーとの適合性を評価する試験溶液剤、試験系および評価方法を開示する。

概要

背景

固体分散系、すなわち、2種以上の固形物の均一なミクロ分散相および特別な場合としてのいわゆる固溶体分子分散系)、および製剤技術におけるその使用が一般的に知られている(非特許文献1参照)。

固溶体は溶融方法によるか、または溶液法により製造することができる。かかる固体分散系または固溶体を製造するためのポリマー賦形剤として特に適当なのは、N−ビニルピロリドンコポリマー、すなわち、N−ビニルピロリドンとさらにエチレン性不飽和を有するモノマーとのコポリマーである。かかるコポリマーにもとづく生物学的に活性物質の固溶体は、特に有利に、例えば溶融押出しにより製造し得る(特許文献1参照)。

しかし、溶融押出し物を産生するために使用する量には、最小限にという要件がある。比較的少量の活性成分しか利用し得ない場合には、活性成分が選択したコポリマーと固溶体を形成するかどうかの確度予測することができない。しかし、新規の活性成分にもとづいて医薬品を開発しようとする場合、多くの場合に比較的少量の活性成分しか利用し得ないというのがまさに現実であり、そのため、簡単な試験系により予測可能であることが切に要望されている。

同様に、固溶体または固体分散系の安定性に関しても、予測し得ることが望ましい。これは活性成分とコポリマーとの適合性によっては、当初均一な分散相であったものが不均一となるか、または活性成分が再結晶化する可能性があるからである。かかる相分離または再結晶化は、均一性の変化およびそれと関連する放出特性の故に望ましくない。

また、特許文献2は固体分散系における生物学的活性成分ポリビニルピロリドンとの適合性を評価する試験系を開示している。

欧州特許公開EP−A240904号公報
欧州特許公開EP−A0987549号公報
Chiou and Riegelman, J. Pharm. Sci., 60, 1281−1300 (1997)

概要

生物活性物質とN−ビニルピロリドン・コポリマーとの適合性を、簡単な方法で予測することの可能な試験系を提示することにある。生物活性物質とN−ビニルピロリドン・コポリマーとの適合性を評価する試験溶液剤、試験系および評価方法を開示する。

目的

本発明の目的は、生物活性物質とN−ビニルピロリドン・コポリマーとの適合性を、簡単な方法で予測することの可能な試験系を提示することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

液体混合物であって、a)1,3−ビスピロリドン−1−イルブタン、およびb)式(I)で示される少なくとも1種の化合物(式中、QはCH2−Z、CH2−CH2−ZまたはCHZ−C1−C4−アルキルであり;nは0、1、2または3であり;また、Z基はC1−C20−アルキルカルボニルオキシカルボキシル、C1−C20−アルキルオキシカルボニル、C2−C4−ヒドロキシアルキルオキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ−C2−C4−アルキルオキシカルボニルまたはトリ(C1−C4−アルキル)アンモニウム−C2−C4−アルキルオキシカルボニルである)を含有してなる液体混合物。

請求項2

成分b)が1,4−ジアセトキシブタンである請求項1記載の混合物

請求項3

成分a)およびb)が10:1〜1:10の重量比で存在する請求項1または2記載の混合物。

請求項4

試験系であって、請求項1〜3のいずれかに記載の液体混合物および少なくとも1種の生物活性物質とを含み、かつ生物活性物質と、以下に示すコポリマー;N−ビニルピロリドン単位および式(II)で示される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー単位(式中、Rは水素またはメチルであり、Z′は請求項1にてZについて示したと同じ意味を有する)とを含むコポリマーとの、適合性を評価するための試験系。

請求項5

10〜70重量%の生物活性物質を含んでなる請求項4記載の試験系。

請求項6

少なくとも1種の製剤助剤をさらに含んでなる請求項4または5記載の試験系。

請求項7

評価方法であって、a)1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタンをXVPの重量比で、また、式(I):で示される化合物(式中、QはCH2−Z、CH2−CH2−ZまたはCHZ−C1−C4−アルキルであり;nは0、1、2または3であり;また、Z基はZ′基に同一かつ相当する)をXMの重量比で含んでなる試験溶媒を調製する工程;b)生物活性物質を該試験溶媒と接触させる工程;およびc)混合物の相挙動および/または該試験溶媒の生物活性物質の溶解度を測定する工程;からなり、生物活性物質と、以下に示すN−ビニルピロリドン・コポリマー;N−ビニルピロリドン単位をXVPの重量比で含みかつ少なくとも1種の式(II):(式中、Rは水素またはメチルであり、Z′はC1−C20−アルキルカルボニルオキシ、カルボキシル、C1−C20−アルキルオキシカルボニル、C2−C4−ヒドロキシアルキルオキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ−C2−C4−アルキルオキシカルボニルまたはトリ(C1−C4−アルキル)アンモニウム−C2−C4−アルキルオキシカルボニルである)で示されるエチレン性不飽和モノマー単位をXMの重量比で含むN−ビニルピロリドン・コポリマーとの、適合性を評価する評価方法。

請求項8

該混合物の相挙動を目視により、分光学的に、および/または熱分析により調べる請求項7記載の評価方法。

請求項9

生物活性物質と試験溶媒との混合物を140℃までの温度に加熱する請求項7または8記載の評価方法。

技術分野

0001

本発明は試験溶媒として役立つ液体混合物に関し、また、生物活性物質とN−ビニルピロリドンコポリマーとの適合性を該液体混合物の使用により評価する試験系および評価方法に関する。

背景技術

0002

固体分散系、すなわち、2種以上の固形物の均一なミクロ分散相および特別な場合としてのいわゆる固溶体分子分散系)、および製剤技術におけるその使用が一般的に知られている(非特許文献1参照)。

0003

固溶体は溶融方法によるか、または溶液法により製造することができる。かかる固体分散系または固溶体を製造するためのポリマー賦形剤として特に適当なのは、N−ビニルピロリドン・コポリマー、すなわち、N−ビニルピロリドンとさらにエチレン性不飽和を有するモノマーとのコポリマーである。かかるコポリマーにもとづく生物学的に活性物質の固溶体は、特に有利に、例えば溶融押出しにより製造し得る(特許文献1参照)。

0004

しかし、溶融押出し物を産生するために使用する量には、最小限にという要件がある。比較的少量の活性成分しか利用し得ない場合には、活性成分が選択したコポリマーと固溶体を形成するかどうかの確度予測することができない。しかし、新規の活性成分にもとづいて医薬品を開発しようとする場合、多くの場合に比較的少量の活性成分しか利用し得ないというのがまさに現実であり、そのため、簡単な試験系により予測可能であることが切に要望されている。

0005

同様に、固溶体または固体分散系の安定性に関しても、予測し得ることが望ましい。これは活性成分とコポリマーとの適合性によっては、当初均一な分散相であったものが不均一となるか、または活性成分が再結晶化する可能性があるからである。かかる相分離または再結晶化は、均一性の変化およびそれと関連する放出特性の故に望ましくない。

0006

また、特許文献2は固体分散系における生物学的活性成分ポリビニルピロリドンとの適合性を評価する試験系を開示している。

0007

欧州特許公開EP−A240904号公報
欧州特許公開EP−A0987549号公報
Chiou and Riegelman, J. Pharm. Sci., 60, 1281−1300 (1997)

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、生物活性物質とN−ビニルピロリドン・コポリマーとの適合性を、簡単な方法で予測することの可能な試験系を提示することにある。

課題を解決するための手段

0009

驚くべきことに、N−ビニルピロリドン・コポリマーの溶解性は、1,3−ビスピロリドン−1−イルブタンと、コポリマーに存在するコモノマー単位構造的類似性を有するある種化合物との、液体混合物により模擬化し得ることが判明した。

0010

従って、本発明は液体混合物であって、
a)1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタン、および
b)式(I)で示される少なくとも1種の化合物

0011

0012

(式中、QはCH2−Z、CH2−CH2−ZまたはCHZ−C1−C4−アルキルであり;
nは0、1、2または3であり;また、
Z基はC1−C20−アルキルカルボニルオキシカルボキシル、C1−C20−アルキルオキシカルボニル、C2−C4−ヒドロキシアルキルオキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ−C2−C4−アルキルオキシカルボニルまたはトリ(C1−C4−アルキル)アンモニウム−C2−C4−アルキルオキシカルボニルである)
を含有してなる液体混合物に関する。

発明の効果

0013

本発明の試験系により、コポリマー・マトリックス中の第一の生物活性物質の溶解度に対する賦形剤の影響、または該溶解度に対する第二のもしくはさらなる生物活性物質の存在の、溶解度増効力もしくは溶解度低下効力について検討することが可能である。この目的のために、試験すべき生物活性物質に加えて、これらの賦形剤、例えば、可溶化剤、またはさらなる生物活性物質を加える。次いで、熱力学的飽和溶解度および/または最大溶解度を再度測定することが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0014

式(I)に存在するZ基はすべて同一であることが好ましい。「液体混合物」は本発明の目的として、該混合物が少なくとも僅かな上昇温度、例えば、45℃で、さらに好ましくは室温においても液体の形状にあることを意味するものとする。

0015

該液体混合物はN−ビニルピロリドン・コポリマーの溶解性を模擬化する試験溶媒として役立つ。該液体混合物は通常成分a)とb)を含み、その比は重量で10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5である。

0016

本発明はさらに、請求項1〜3のいずれかに記載の液体混合物および少なくとも1種の生物活性物質とを含み、かつ
生物活性物質と、以下に示すコポリマー;N−ビニルピロリドン単位および式(II)

0017

0018

で示される少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー単位(式中、Rは水素またはメチルであり、Z′は請求項1にてZについて示したと同じ意味を有する)とを含むコポリマーとの、適合性を評価するための試験系に関する。

0019

本発明はさらに、
a)1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタンをXVPの重量比で、また、式(I):

0020

0021

で示される化合物(式中、QはCH2−Z、CH2−CH2−ZまたはCHZ−C1−C4−アルキルであり;nは0、1、2または3であり;また、Z基はZ′基に同一かつ相当する)をXMの重量比で含んでなる試験溶媒を調製する工程;
b)生物活性物質を該試験溶媒と接触させる工程;および
c)混合物の相挙動および/または該試験溶媒の生物活性物質の溶解度を測定する工程;からなり、
生物活性物質と、以下に示すN−ビニルピロリドン・コポリマー;N−ビニルピロリドン単位をXVPの重量比で含みかつ少なくとも1種の式(II):

0022

0023

(式中、Rは水素またはメチルであり、Z′はC1−C20−アルキルカルボニルオキシ、カルボキシル、C1−C20−アルキルオキシカルボニル、C2−C4−ヒドロキシアルキルオキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ−C2−C4−アルキルオキシカルボニルまたはトリ(C1−C4−アルキル)アンモニウム−C2−C4−アルキルオキシカルボニルである)で示されるエチレン性不飽和モノマー単位をXMの重量比で含むN−ビニルピロリドン・コポリマーとの、適合性を評価するための評価方法に関する。

0024

XVPは一般に10〜90重量%、通常30〜70重量%である。XMは一般に90〜10重量%、通常70〜30重量%である。式(II)で示されるモノマーが1種を超えて存在する場合、種々モノマーXM1、XM2、…の個々の寄与はXMで表す。

0025

基ZおよびZ′は、好ましくは、C1−C4−アルキルカルボニルオキシ、カルボキシル、C1−C4−アルキルオキシカルボニルまたはC2−C4−ヒドロキシアルキルオキシカルボニルである。ZまたはZ′がトリ(C1−C4−アルキル)アンモニウム−C2−C4−アルキルオキシカルボニルである場合、それらは1当量の医薬的に許容し得るアニオン、例えば、水酸化物硫酸化物、重硫酸化物、炭酸化物重炭酸化物ハロゲン化物取分け、塩化物イオン、また有機酸アニオン、例えば、酢酸乳酸フマル酸イオンなどを伴う。ZまたはZ′がカルボキシルである場合、該カルボキシル基は全体として、または部分的に中和されていてもよく、その場合の適切な電荷平衡維持カチオンは医薬的に許容し得るカチオン、例えば、ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、または置換もしくは非置換のアンモニウムイオン、例えば、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエタノールアンモニウムなどである。

0026

1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタンは、N−ビニルピロリドンを酸性反応条件下に二量化させ、次いで生成する1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブテンを水素化して1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタンとすることにより得られる(参照:Breitenbach et al., Naturwissenschaften 42, 955, 155; 440)。1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタンは無色油状の液体で、その沸点は205〜215℃(0.2ミリバール)である。

0027

一般式(I)で示される化合物は市販品として入手し得るか、または簡単な方法で製造し得る。例えば、式(I)の化合物として1,3−ジアセトキシブタンと、取分け1,4−ジアセトキシブタンの使用が成功につながった。一般式(I)で示される化合物は、例えば、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールまたは1,3,5−ペンタントリオールなどのポリオールを、酢酸またはその誘導体エステル化するか、またはグルタール酸またはアジピン酸などのポリカルボン酸を適切なアルコールでエステル化することにより入手し得る。

0028

生物活性物質との適合性を本発明の試験系により評価し得る適切なコポリマーは、N−ビニルピロリドンと式(II):

0029

0030

(式中、Rは水素またはメチルであり、Z′はC1−C20−アルキルカルボニルオキシ、カルボキシル、C1−C20−アルキルオキシカルボニル、C2−C4−ヒドロキシアルキルオキシカルボニル、ジ(C1−C4−アルキル)アミノ−C2−C4−アルキルオキシカルボニルまたはトリ(C1−C4−アルキル)アンモニウム−C2−C4−アルキルオキシカルボニルである)
で示されるエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーである。

0031

列挙し得る式(II)のモノマーは、酢酸ビニルもしくはプロピオン酸ビニルといったC1−C20−アルカンカルボン酸ビニルエステルアクリル酸もしくはメタクリル酸アクリル酸メチルメタクリル酸メチルアクリル酸エチルメタクリル酸エチルといったアクリル酸もしくはメタクリル酸のC1−C20−アルキルエステルアクリル酸ヒドロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸C2−C4−ヒドロキシアルキル;アクリル酸ジメチルアミノプロピルといった(メタ)アクリル酸ジ(C1−C4−アルキル)アミノ−C2−C4−アルキル;または塩化アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムといった(メタ)アクリロイルオキシ−C2−C4−アルキルトリ(C1−C4−アルキル)アンモニウム塩などである。

0032

好適なコポリマーはN−ビニルピロリドンと酢酸ビニルのもの、取分けその重量比が70:30〜30:70のもの;およびN−ビニルピロリドンとメタクリル酸メチルとのコポリマーであって、その重量比が20:80〜55:45のものである。

0033

該コポリマーは一般に10〜110、特に20〜80のフィケントシャー(Fikentscher)K値をもつ。

0034

式(I)の化合物における基Zは模擬化するコポリマーのコモノマーにおける基Z′に従って選択する。従って、例えば、1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタンと1,4−ジアセトキシブタンとの混合物は、N−ビニルピロリドン/酢酸ビニル・コポリマーの溶解性を模擬化する役割を果たす。勿論、模擬化するコポリマーが式(II)で示される2種以上の異なるモノマーを含有することも可能である。次いで、成分b)として適切に選択した基Zの式(I)で示される2種以上の異なる化合物を用いて試験溶媒を調製する。

0035

適合性とは、本願の目的上、N−ビニルピロリドン・コポリマーと均一で安定な固体分散系を形成する物質の能力を意味するが、この固体分散系は取分け固溶体、すなわち互いの成分の分子分散系である。該試験系は原理的にすべての活性な医薬成分作物保護剤食物補助剤または化粧料活性成分に適している。そのコポリマーとの適合性のについては洗剤または色素についても検討し得る。それ自体は生物活性をもたない製剤助剤、例えば、糖類、糖アルコール界面活性剤などの溶解剤、またはその他のポリマー助剤の影響についても検討し得る。

0036

本発明の評価方法は、先ず試験溶媒を調製することにより実施する。試験溶媒は1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタンと式(I)の化合物とを含んでなり、その重量比は模擬化するコポリマー中のN−ビニルピロリドンとコモノマーとの比に対応する。次いで、該液体混合物中の検討すべき生物活性物質の溶解性を規定温度、通常室温で評価する。該溶解性は定量的に、例えば、試験溶媒と生物活性物質の重量にもとづき、重量%で測定し得る。多くの場合、溶解度が特定の値よりも大きいか小さいかを示すことで十分である。この目的のために、既定量の生物活性物質を試験溶媒と接触させる。原則的に、定量比は任意に選択することができる。しかし、試験系の濃度範囲は、押出し形状に典型的な活性成分含有量、すなわち、一般には試験系の全重量にもとづき生物活性物質が0.1〜70重量%、好ましくは10〜30重量%に対応するように選択するのが得策である。

0037

該生物活性物質は通常重量測定し、試験溶媒と混合し、好ましくは混和、例えば、実験用マグネチックスターラーにより5〜2000rpmで撹拌するか、または超音波もしくはボルテックスホモジナイザーにより処理する。溶解は試験系を加熱することによっても加速することができる。加熱は、好ましくは、加熱速度が溶融形成の速度、すなわち、0.5〜5℃/分の速度におよそ相当するような方法で行われる。試験系は、好ましくは、最大140℃、例えば、45〜140℃の範囲、または110〜140℃の範囲の温度に加熱する。しかし、液体混合物を沸騰点まで加熱することも個々の場合に可能である。次いで、試験系を規定の温度、通常は室温に放冷する。

0038

次いで、該混合物の相挙動を評価する;すなわち、生物活性物質が液体混合物と均一相を形成し得るかどうか、生成した混合物を目視により、分光学的におよび/または熱分析により検討して確立する。

0039

目視観察は、例えば、通常の光学顕微鏡などの顕微鏡を使用して行われる。この場合、澄明溶液が形成されたかどうかを確立する。目視観察の外に、試験系の分光学的検討も適している。例えば、該試験系は共焦点ラマンスペクトル法によってその無定形特性を検討することができる。また、示差走査熱量測定法も適している。均一相の存在から、生物活性物質の溶解度が、溶解試験における物質の濃度よりも大きいと結論することができる。逆に、溶解度の低いことは相分離の発生で結論し得る。

0040

溶解度の定量的測定は、例えば、以下の方法により可能である:
a)並行試験において種々濃度の生物活性物質を一定量の試験溶媒と接触させることにより濃度系列を調製する。所定の温度で一定時間以上、好ましくは混和しながら、例えば、24時間撹拌するか、または30分間超音波処理することにより平衡とした後、澄明な溶液の得られる最高濃度見出す。生物活性物質の溶解度は、その濃度で澄明な溶液が得られるが、次の濃度では澄明な溶液の得られないその濃度の間にある。
b)完全溶解には不十分な試験溶媒量をある量の生物活性物質に加えるか、またはさらなる量の生物活性物質を、添加した量が完全には溶解しなくなるまで加える。所定の温度で一定時間以上、好ましくは混和しながら、例えば、24時間撹拌するか、または30分間超音波処理することにより平衡化時間を経た後、澄明な上清サンプルを採る。この目的には、予め混合物を、例えば、遠心分離機により8,000〜12,000rpmで遠心分離する。澄明な上清のサンプルの生物活性物質濃度を、例えば、高圧液体クロマトグラフィーHPLC)により測定する。測定値は生物活性物質の溶解度に相当する。

0041

上記の方法により、平衡条件にもとづき、熱力学的飽和溶解度または最大(動力学的)溶解度を測定することが可能である。

0042

室温(22℃±2℃)24時間後に認められる溶解度は、本質的に生物活性物質の熱力学的飽和溶解度に相当する。この溶解度値は室温におけるコポリマー・マトリックス中での、生物活性物質の熱力学的飽和溶解度の測定値である。生物活性物質の固溶体は、活性成分負荷がマトリックス中での生物活性物質の熱力学的飽和溶解度を下回る場合、熱力学的に安定である。

0043

しかし、固溶体中の活性成分負荷(active ingredient loading)はエネルギーの供給により大きく増加し得る。所定のコポリマー・マトリックス中で達成し得る最大活性成分負荷は、上記方法a)またはb)のいずれかに従い、生物活性物質の溶解度を測定することによる本発明の試験系により予測可能である;その場合の平衡化は、例えば、140℃の温度、特に110〜140℃に加熱するか、または超音波処理により実施する。

0044

本発明の試験系は、再結晶挙動の予測も可能とする。特に、熱力学的飽和溶解度よりも高い活性成分負荷がエネルギー供給により、例えば、加熱または超音波処理により設定されている試験系では、エネルギー供給停止後または室温冷却後の再結晶挙動が重要な指標となる。生物活性物質が直ぐには再結晶しない試験系は、長期安定性について検討する。そのためには、例えば、以下の条件を使用することが可能である:
− 24時間室温に放置する;
− 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の間、気候帯2(25℃、60%相対湿度)もしくは気候帯4(20℃、70%相対湿度)に保存する;または
− 40℃、75%相対湿度で、最大6ヶ月までの間ストレス保存する。

0045

本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。

0046

実施例1:N−ビニルピロリドンと酢酸ビニル(60:40)のコポリマーのマトリックスにおけるロピナビル(lopinavir)の熱力学的飽和溶解度

0047

6:4重量比の1,3−ビス(ピロリドン−1−イル)ブタンと1,4−ジアセトキシブタンの混合物によりコポリマーを模擬化した。

0048

方法a)
並行試験において、活性成分をガラス瓶量し、試験溶媒により下記表に示した濃度に調整した(濃度はすべて重量/重量)。7種のサンプルすべてに磁気撹拌バーを入れ、室温で24時間撹拌した。活性成分が24.1%までは澄明溶液を形成したことを目視観察により確定した;26.0%での試験は溶解が不完全であることを示した。従って、飽和溶解度は24.1重量%と26.0重量%の間にあった。

0049

0050

方法b)
代替定量法においては、ロピナビル150mgを試験溶媒350mgと混合し、室温で24時間撹拌した。次いで、サンプルを12,000rpmで1分間遠心分離した。澄明な上清をHPLCにより検討した。溶解度は24.9重量%であることが判明した。

0051

方法c)
最大溶解度は、ロピナビル60mgと試験溶媒140mgとを混合し、室温で30分間超音波処理することにより決定した。次いで、10,000rpmで10分間遠心分離した。澄明な上清のサンプルをHPLCにより検討した。最大溶解度は39.72重量%であることが判明した。残量のサンプルは室温で4週間貯蔵した。次いで、さらなる上清サンプルを採り、HPLCにより検討した。濃度は28.87重量%であることが判明した。

0052

実施例2:トリヒドロキシステアリンポリオキシエチレングリセロールクレモホア(Cremophor)RH40;登録商標)影響下でのロピナビルの熱力学的飽和溶解度

0053

下記表に示した濃度を用い、また5重量%のクレモホアRH40を含有する試験溶媒を用いる以外は同じ条件で、実施例1a)を繰り返した。飽和溶解度は22.0%と26.0%の間にあることが判明した。

0054

0055

5重量%のクレモホアRH40を含有する試験溶媒を用いる以外は同じ条件で実施例1b)を繰り返した。溶解度は22.8%であることが判明した。
本発明の試験系により、クレモホアRH40がロピナビルの熱力学的飽和溶解度を低下させることを示すことができた。

0056

実施例3:リトナビル(ritonavir)影響下でのロピナビルの熱力学的飽和溶解度

0057

予め4:1の重量比で混合した上記2種類の活性成分の混合物を調製した。この活性成分混合物を用いて、実施例1a)を繰り返した;濃度は下記表のとおりである。

0058

0059

上記の活性成分事前混合物を用いて、実施例1b)を繰り返した。HPLCにより澄明上清中に21.3重量%のロピナビルを確認した。本発明の試験系により、リトナビルの存在がロピナビルの熱力学的飽和溶解度を低下させることを示すことが可能であった。

0060

実施例4:リトナビルおよびクレモホアRH40の影響下におけるロピナビルの熱力学的飽和溶解度

0061

下記表に示した濃度を用い、10重量%のクレモホアRH40含有の試験溶媒を用いて、実施例3a)を繰り返した。濃度系列の目視判定により活性成分混合物の熱力学的飽和溶解度が23.6%と28.0%の間であることが示された。HPLC測定はロピナビルについて21.7%であるとの結果を示した。

0062

0063

実施例5:溶融押出し

0064

18.7重量部のロピナピル、4.7重量部のリトナビル、10.0重量部のクレモホアRH40および100重量部のN−ビニルピロリドン/酢酸ビニル・コポリマー(60:40)を含有する製剤を溶融押出し用に調製した。加熱した双スクリュー押出機によりこの製剤を溶融押出した結果、安定な固溶体を得た。押出し物を室温に8ヶ月間貯蔵した後、X線による検討に付した。両活性成分はX線上無定形、すなわち、活性成分の再結晶化は起こらなかった。試験系の予測によると、活性成分の安定な固溶体が存在する。

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