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課題・解決手段

顕著な炎症性要素を有する神経障害治療および予防するための方法を開示する。本発明の方法は、患者から血液を抽出すること、生体外において血液を、酸化的環境熱ストレスおよびUV光線からなる群から選択される少なくとも1つのストレス因子曝すこと、次いでその血液を患者に再投与し、それによって炎症を低下させることからなる。

概要

背景

炎症性要素が顕著である神経障害重症筋無力症、GBSCIDP、および多発性硬化症を含む)をもたらす事象は明らかではないが、以下の一連のステップは重要なようである。(1)寛容の不成立サイトカイン分子擬態、または超抗原が、以前アネルギー性であったT細胞に神経の自己抗原を認識させることにおいて役割を果たすことができるプロセス)。(2)T細胞受容体複合体による抗原認識および主要な組織適合性複合体クラスIまたはIIによる抗原プロセッシング。(3)共刺激因子、特にB7およびB7結合タンパク質(CD28、CTLA−4)および細胞間接着分子ICAM−1)およびその白血球機能関連(LFA)−1リガンド。(4)セレクチン白血球インテグリン(LFA−1、Mac−1、非常に遅く活性化する(Very late activating)抗原(VLA)−4)を含む一連の接着分子および内皮細胞上のそれらのカウンターレセプター(ICAM−1、血管細胞接着分子VCAM))を介した血液−脳または血液−神経バリアを越える活性化T細胞の移動。(5)活性化T細胞、マクロファージまたは特異的な自己抗体が、グリア細胞ミエリン、軸策、カルシウムチャンネルまたは筋肉上でそれらの抗原標的を発見するときの組織の損傷。

特異的な免疫療法の設計において、免疫応答のそれぞれのステップと関連がある主要な要素を考慮する必要がある。神経性疾患の特異的な療法の標的には、(a)抗原認識または刺激を妨げるかあるいはそれと競合する、(b)共刺激シグナルまたはサイトカインを阻害する、(c)活性化細胞の組織への移動を阻害する、および(d)標的器官中の抗原認識部位介入する、作用物質および治療剤がある。

活性酸素種(ROS)は活性化した形の酸素であり、スーパーオキシドアニオン(O2・・)およびヒドロキシルラジカル(HO・)および過酸化水素(H2O2)、ならびに脂質過酸化のさまざまな不安定な中間体を含む。活性酸素種は、好気性代謝の結果として生成される。脳神経組織は、その多大な酸素の消費およびその限られた抗酸化的防御系による酸化損傷を特に受けやすい。活性酸素種の形成は、シナプス可塑性、細胞のシグナル、および老化プロセスに対して影響があると考えられる。老化と関連がある活性酸素種生成の増大が実証されており(Martin他、2000)、活性酸素種が蓄積することにより、末梢LPS投与の結果として、海馬が増大することも示されている(Vereker他、2000a)。これはIL−1β投与に似た症状を呈する(Vereker他、2000b)。O’Donnellおよび同僚(2000)は、活性酸素種の形成とIL−1β生成の並行した変化を報告しており、活性酸素種の形成はIL−1β生成の増大を引き起こすことが示され、一方IL−1βには反応性酸素種の形成を誘導する能力があり、したがって細胞に害を与えている可能性がある明白なフィードバックループの存在が示唆される。

IL−1βの高濃度は、神経の退化とも密接に関連してきている(Mogi他、1996;Tenneti他、1998)。

ストレス活性キナーゼc−JunNH2−末端キナーゼ(JNK)の高い活性は、細胞の退化および死と関連があり(Park他、1996;Maroney他、1998)、過酸化水素、活性酸素種生成の誘導物質、およびプロ炎症性サイトカインを含めたいくつかの作用物質によって、海馬中で活性化されることが示されている。

IL−1βおよびLPSによって誘導される脳神経の欠損の他の例は、海馬中での長期増強作用(LTP)の欠陥である(Vereker他、2000a;Murray and Lynch、1998)。LTPは、認知機能障害と関連があり特に退化しやすい脳領域である海馬において本来記載されたシナプス可塑性の1つの形である。このことおよび他の観察結果に基づいて、LTPは学習および記憶に関する生物学的基質として提案されている(Bliss and Collingridge、1993)。

ダウン症候群(Layton他、Kedziora他、Schuchmann他)、てんかん、脳の外傷(たとえば衝撃などの脳への物理傷害)(Layton他、Wildburgur他、Trembovler他)、およびハンチントン病舞踏病)(Green)などのいくつかの脳神経障害は、障害根本的な病因重要な要素として、脳細胞の炎症と関連があることが現在理解されている。この炎症は、脳細胞または脳組織の他の要素における、IL−1βおよびTNF−αなどの過剰量の炎症性サイトカインの生成などの1つまたは複数のさまざまな生物学的プロセスの結果である可能性があり、おそらくこれは脳組織中の高濃度の活性酸素種の存在と関連があり、高度の組織障害または疾患の悪化と相関関係がある。活性酸素種は、脳組織などの組織の炎症の作用因子の1つである。

顕著な炎症性要素を有する他の神経障害には、ギランバレー症候群(GBS)、慢性炎症脱髄性多発ニューロパシー(CIDP)、重症筋無力症(MG)、皮膚筋炎多発性筋炎封入体筋炎、術後脳卒中(post stroke)、神経サルコイドーシス血管型痴呆閉鎖頭部外傷血管痙攣クモ膜下出血副腎白血球ジストロフィー蓄膿症)、封入体皮膚筋炎、最小認知障害、およびデュシェンヌ型筋ジストロフィーがある。

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(CIDP)は、脚および腕のゆっくりと進行する衰弱および感覚機能障害によって特徴付けられる神経障害である。ときに慢性再発性多発ニューロパシーと呼ばれるこの障害は、末梢神経ミエリン鞘へのダメージによって引き起こされる。CIDPは、あらゆる年齢において両方の性で発生し、若い成人においてより一般的であり、女性より男性に一般的である。初期の症状は、上脚および下脚に影響を与える、ゆっくりと進行する筋肉の衰弱および感覚機能障害を含む。他の症状は疲労、バーニングしびれおよび/またはヒリヒリする痛み(つま先および指から始まる)を含めた異常な感覚、腕および/または脚の麻痺深部腱反射が弱っているかあるいはないこと(無反応症)、およびさまざまな筋肉群に影響を与えるうずくような痛みを含むことがある。

CIDPは、ギラン−バレー症候群(GBS)として知られている、より一般的な急性の脱髄性神経障害と密接に関連している。CIPDは、急性疾患であるGBSの慢性の相当物であるとみなされる。CIDPは、主に臨床過程および予後によってGBSと区別される。しかしながら、両方の障害には類似した臨床的特徴があり、両方共多病性の炎症節性脱髄の病的異常およびCSFタンパク細胞解離があり、関連する神経伝達の特徴が脱髄を反映している。

ギラン−バレー症候群(GBS)は、重度四肢不全麻痺をもたらす可能性があり、20〜30%の患者において人工呼吸が必要とされる、突発的に回復する急性の主な運動性多発ニューロパシーである。この症状の根底にある疾患は、急性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(AIDP)、最も一般的な型の急性運動性および知覚軸策の神経障害(AMSAN)、および急性の運動性軸策の多発神経炎(AMAN)として分類されてきている。フィッシャー症候群は、眼筋麻痺運動失調、および無反応症を特徴的に生じる脳神経に関するGBSの変形である。Campylobacterjejuni(最も一般的である)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインバー・ウイルスまたはMycoplasma pneumoniaeの感染が、GBSに先行することが多い。

自己免疫性重症筋無力症(MG)は、変動的な衰弱および異常な疲労をもたらす神経筋伝達の障害である。衰弱は、自己抗体の循環、次に局所的な補体活性化およびアセチルコリン受容体破壊による、神経筋終板におけるアセチルコリン受容体(AChR)の阻害に原因がある(Stangel他、J.Neurol.Sci.153(2):203〜14(1998))。AChRは再生される筋芽細胞上で発現されるが、正常な成体の筋肉中では、AChRは運動性の終板においてのみ発現される。初期にMGが発症する患者では、しかしながら、胸腺髄質リンパ節様T細胞および胚中心によって湿潤され、胸腺髄質にはAChRを発現する筋芽細胞様の筋様体細胞が存在する。したがって、これらの細胞によるあるいは筋芽細胞によるAChR抗原提示は、この疾患のプロセスと関連がある可能性がある(Curnow他、J.Neuroimmunol.115(1〜2):127〜134(2001))。実験的な自己免疫性重症筋無力症(EAMG)の研究では、ThIサイトカインINF−γは、疾患の進行と関連があることが示されており、これらはクラスIおよびIIの主要な組織適合性抗原の筋芽細胞、AChRおよびICAM−1による生成を誘導することができることが報告されている。IL−1は、EAMGにおいて役割を果たすことも示されており、この場合、IL−1β遺伝子の破壊が、アセチルコリン受容体誘導型応答を低下させることが示された(Garcia他、J.Neuroimmunol120(1〜2):103〜11(2001);Stegall他、J.Neuroimmunol.119(2):377〜386(2001))。

炎症性筋疾患である皮膚筋炎、多発性筋炎および封入体筋炎(IBM)の原因は知られていないが、しかし、免疫機構が強く関係している。臨床的および免疫病理学的には異なるが、これらの疾患は3つの主要な組織学的特徴:炎症、線維症、および筋線維損失共有している。皮膚筋炎では、筋内膜の炎症および筋線維の破壊に、血漿タンパク質補体系の活性化および筋内膜の細管への膜溶解攻撃複合体の堆積が先行する(Dalakas、Curr.Opin.Pharmacol.1(3):300〜306(2001))。この攻撃が、真皮の血管とも関連がある可能性があるという証拠が存在する(Dalakas他、Curr.Opin.Pharmacol.9(3):235〜239(1996))。形質転換成長因子β(皮膚筋炎では筋周囲の結合組織において過剰に発現することが示されている)は、首尾良い免疫療法、炎症および線維症の低下の後に下方調節される(Dalakas、Arch.Neurol.55(12):1509〜1512(1998))。

多発性筋炎およびIBMでは、疾患はCD8+T細胞の活性化で始まる。これらの細胞毒性T細胞が筋内膜の柔組織に達して、筋線維上の主要な組織適合性抗原(MHC)Iの上方調節と関連がある筋肉抗原を認識する。自己侵襲性T細胞は、そのT細胞受容体(TCR)の遺伝子の再編成を示し、特異的に選択され、これまで以前に知られていない抗原によってin situでクローンとして広がる。筋肉細胞は正常ではMHCIおよびIIは発現しないが、多発性筋炎およびIBMの場合は、MHCの過剰発現は、炎症から離れた領域においても検出することができる初期事象である。MHCを誘導するサイトカインINFγおよびTNFαは、活発な多発性筋炎を有する患者において発見されてきている(Dalakas、Curr.Opin.Pharmacol.1(3):300〜306(2001))。

炎症性筋疾患を有する患者ではアポトーシス徴候は検出されていないが、実際には、2つの強力な抗アポトーシス分子が、筋線維中で発現していることが近年見出された。1つはFas関連死ドメイン様IL−1転換酵素阻害剤タンパク質FLIP)であり、もう1つはヒトIAP(アポトーシス・タンパク質の阻害剤)様タンパク質である。失敗したアポトーシスによる炎症細胞の除去の結果は、おそらく持続的な慢性細胞毒性の筋線維ダメージの原因となる(Vattemi他、J.Neuroimmunol.111(1〜2):146〜151(2000))。

サルコイドーシスは、原因が知られておらず世界的に広まっているマルチシステム慢性障害である。神経サルコイドーシスは、炎症に関するサルコイドーシスと神経系の組織中の異常な堆積の合併症である。突然の一過性顔面麻痺は、脳神経VIIとの関連で一般的である。他の症状発現には、無菌性髄膜炎水頭症中枢神経系の実質炎末梢神経障害および筋疾患がある。頭蓋内のサルコイドは、神経放射線イメージングに基づいて、髄膜腫リンパ腫、および神経こう腫などの癌性および頭蓋内の塊の病巣を含めた髄膜炎のさまざまな形に似た症状を呈する。腰椎穿刺によって炎症の徴候が示されることがある。高レベルアンギオテンシン転換酵素を、血液またはCSF中で発見することがある。療法は免疫抑制剤およびコルチコステロイドからなる(Nowak他、J.Neurol.248(5):363〜372(2001);Stern他、Arch.Neurol.42(9):909〜917(1985))。

血管型痴呆(VaD)は、脳梗塞脳内出血または皮質下白質虚血性変化などの、血管起源器質的病巣によって引き起こされる痴呆に関する一般的な語である。患者の約20%および80を超える被験者の50%を占めるAD後の痴呆の最も頻度の高い原因である(Dib、Arch.Gerontol.Geriatr.33(1):71〜80(2001);Parnetti他、Int.J.Clin.Lab Res.24(1):15〜22(1994))。ADとVaDの間の臨床的区別は困難である可能性があり、調査研究に関する標準的なガイドラインが存在する。VaDとADは、「混合型の痴呆」として共存することができ、この場合、脳血管性疾患の存在がアルツハイマー痴呆を悪化させる可能性がある。伝統的にADは、神経学検査による通常の知見に鑑みて、記憶損失の潜行性の発症、次に痴呆の漸進的な進行によって特徴付けられる。一方VaDは、神経学的検査による局所欠損を伴う脳卒中の症状の発見およびコンピュータ断層撮影(CI)または磁気共鳴映像法による脳卒中の証拠によって明確にされる段階的な認知の低下によって特徴付けられる(Jagust、Lancet358(9299):2097〜2098(2001))。脳卒中および血管性疾患に関する危険因子は、VaDに関する危険因子でもあると考えられる。これらは高血圧症喫煙糖尿病肥満心臓リズム障害高脂血症高コレステロール血症、および高ホモシステイン血症を含む。アポリポタンパク質E4の遺伝子型も、VaD、ADおよび虚血性脳卒中に関する危険因子としてみなされる(Dib、Arch.Gerontol.Geriatr.33(1):71〜80(2001))。血管型痴呆の現在の治療には、抗血小板物質および/または手術、および認知症状の治療がある(Parnetti他、Int.J.Clin.Lab Rews.24(1):15〜22(1994))。

頭部の外傷は、虚血、血液−脳関門(BBB)の高い透過性水腫壊死、および運動性および記憶の機能不全などのさまざまな生理学的および細胞現象と関連がある(Moor他、Neurosci.Lett.316(3):169〜172(2001);Shohami他、J.Neuroimmunol.72(2):169〜177(1997))。初期脳傷害によって引き起こされる虚血によって、一連の二次的な事象、およびグルタミン酸およびアスパラギン酸などの興奮性アミノ酸(EAA)の放出が誘導される。イオンおよび神経調節物質のレベルが変わることによって、酸化および細胞膜へのダメージ、および最終的には細胞死がもたらされる(Stahel他、Brain Res.Rev.27(3):243〜256(1998))。ラットにおいて進行する閉鎖頭部障害(CHI)に関する実験モデルによって、ラット脳内でのIL−1、IL−6およびTNF−α遺伝子のmRNA転写の空間的および時間的誘導、およびIL−6およびTNF−α活性の誘導が示される(Shohami他、J.Neuroimmunol.72(2):169〜177(1997))。IL−1βが放出されることも示されており、BBBの完全性の破壊をもたらすのは、これらのサイトカインの存在および内皮細胞へのダメージである。

TNF−αは、いくつかの病的状態の脳中で同定されており、デキサナビノール(HU−211)などのTNF−αの阻害剤によって、CHIに続く神経学的転帰が改善されることが示されている(Shohami他、J.Neuroimmunol.72(2):169〜177(1997))。

脳血管痙攣は、突発性動脈瘤クモ膜下出血(SAH)の後にクモ膜下腔に残った血栓に応答する遅発性大脳動脈縮小である(Ogihara他、Brain Res.889(1〜2):89〜97(2001))。脳血管痙攣は、主要な実質外大脳動脈の持続的な管腔の縮小として血管造影法によって特徴付けられ、大脳微小循環に影響を与え、脳血流量CBF)の低下および遅発型虚血性神経欠損を引き起こす。多くの研究によって、SAH後の大脳動脈の形態学的変化が実証されている。平滑筋細胞は、密な胴体ミトコンドリアの退化、凝縮したリソソームおよび核物質の溶解、細胞残骸出現などの壊死的変化を示した(Sobey他、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.25(11):867〜876(1998))。SAH後に起こる拡張筋の障害および収縮筋機構の増大は、クモ膜下腔においてNOを不活性化させる赤血球によって生成されるオキシヘモグロビンによって引き起こされる可能性がある。あるいはそれは、大脳血管中のcGMPの低い基底レベル、したがってNOに対する低い反応をもたらす可溶性グアニル酸シクラーゼの減少した活性によるものである可能性がある(Ogihara他、Brain Res.889(1〜2):89〜97(2001))。SAHに続く脳脊髄液中でのIL−6およびIL−8の生成も実証されている。IL−6は、イヌ大脳動脈の誘導型血管収縮と同様に、血管痙攣において特定の役割を果たしている可能性があると考えられている(Osuka他、Acta Neurochir140(9):943〜951(1998))。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、幼少期の最も一般的な、遺伝性の、致死的障害の1つである。DMDは、男性3500人のうちの1人を冒すX染色体関連の神経筋疾患である。進行性の筋肉衰弱は2才と5才の間で始まり、最終的には20代半ば〜後半の間に呼吸不全または心不全による早死をもたらす。約30%の症例は、ジストロフィン遺伝子の突発性突然変異によるものであるが、残りは遺伝性のものである(Spencer他、Neuromuscul.Disord.11(6〜7):556〜564(2001))。したがってDMD患者は、細胞骨格細胞外マトリックスに結合させるタンパク質複合体中の必要な結合体であるタンパク質ジストロフィン欠けている(Alderton他、TrendsCardiovascular Med.10(6):268〜272(2000))。遺伝子療法はDMDの唯一治癒法であるが、免疫介入によって疾患の進行を遅らせることができると考えられる。この理由は、免疫細胞のジストロフィン欠損筋肉との相互作用は、ジストロフィン異常症において細胞死に貢献することができるという証拠が存在することによる。ジストロフィー筋肉中の免疫細胞の個体群は、機械的に損傷を受けた組織を侵襲することが分かっている細胞と異なるだけでなく、多発性筋炎などの炎症性疾患において見られる細胞と類似していることも示されている。近年の研究によって、ジストロフィン欠損の病状においてT細胞が役割を果たしている可能性があり、T細胞が一般的な抗原によって活性化される疾患に対する自己免疫要素が存在する可能性があることが示されている(Spencer他、Neuromuscular.Disord.11(6〜7):556〜564(2001))。

米国特許第5,834,030号(Bolton)は、末梢血管疾患対処するために患者を治療する方法であって、患者血液アリコートを抽出し、その血液アリコートを体外で、酸化的環境(オゾン/酸素ガス混合物をその中で泡立てる)、入射UV光線および高温などのストレス因子で処理することを含む方法を記載している。

米国特許第5,980,954号(Bolton)は、哺乳動物患者自己免疫性疾患を治療するための、類似の方法を記載している。

Stangel他、J.Neurol.Sci.153(2):203〜14(1998)
Curnow他、J.Neuroimmunol.115(1〜2):127〜134(2001)
Garcia他、J.Neuroimmunol120(1〜2):103〜11(2001)
Stegall他、J.Neuroimmunol.119(2):377〜386(2001)
Dalakas他、Curr.Opin.Pharmacol.1(3):300〜306(2001)
Dalakas、Curr.Opin.Pharmacol.9(3):235〜239(1996)
Dalakas、Arch.Neurol.55(12):1509〜1512(1998)
Vattemi他、J.Neuroimmunol.111(1〜2):146〜151(2000)
Nowak他、J.Neurol.248(5):363〜372(2001)
Stern他、Arch.Neurol.42(9):909〜917(1985)
Dib、Arch.Gerontol.Geriatr.33(1):71〜80(2001)
Parnetti他、Int.J.Clin.Lab Res.24(1):15〜22(1994)
Jagust、Lancet358(9299):2097〜2098(2001)
Moor他、Neurosci.Lett.316(3):169〜172(2001)
Shohami他、J.Neuroimmunol.72(2):169〜177(1997)
Stahel他、Brain Res.Rev.27(3):243〜256(1998)
Ogihara他、Brain Res.889(1〜2):89〜97(2001)
Sobey他、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.25(11):867〜876(1998)
Spencer他、Neuromuscul.Disord.11(6〜7):556〜564(2001)
Osuka他、Acta Neurochir140(9):943〜951(1998)
Alderton他、TrendsCardiovascular Med.10(6):268〜272(2000)
米国特許第5,834,030号(Bolton)
米国特許第5,980,954号(Bolton)
Muellerに付与された米国特許第4,968,483号

概要

顕著な炎症性要素を有する神経障害を治療および予防するための方法を開示する。本発明の方法は、患者から血液を抽出すること、生体外において血液を、酸化的環境、熱ストレスおよびUV光線からなる群から選択される少なくとも1つのストレス因子に曝すこと、次いでその血液を患者に再投与し、それによって炎症を低下させることからなる。

目的

本発明の目的は、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシーおよびギラン−バレー症候群などの、顕著な炎症性要素を有する神経障害の新規な治療または予防を提供することである。

効果

実績

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請求項1

哺乳動物患者神経疾患炎症性要素および炎症的状況を予防的または治療的に処置する薬剤の調製における、酸化的環境熱ストレスおよび電磁放射線からなる群より選択される少なくとも2つのストレス因子で、生体外で処理した適合性のある哺乳動物血液のアリコートの使用であって、そのアリコートを患者投与することによって、前記患者の神経細胞または組織中の活性酸素種の濃度が低下し、それと共にその有害な炎症的影響が低下する前記アリコートの使用。

請求項2

酸化的環境が酸化剤をアリコートに施すことを含む、請求項1に記載の使用。

請求項3

酸化剤がオゾン・ガスを含む、請求項2に記載の使用。

請求項4

酸化剤がオゾン・ガスと医療用酸素の混合物を含み、オゾン・ガスが約300μg/mlまでの濃度で混合物中に含まれる、請求項2に記載の使用。

請求項5

オゾン・ガスが約30μg/mlまでの濃度で混合物中に含まれる、請求項4に記載の使用。

請求項6

オゾン・ガスが約13.5μg/ml〜約15.5μg/mlの濃度で混合物中に含まれる、請求項5に記載の使用。

請求項7

混合物を約0.33リットル/分までの流量でアリコートに施す、請求項4、請求項5または請求項6に記載の使用。

請求項8

混合物を約0.21リットル/分〜約0.27リットル/分の流量でアリコートに施す、請求項7に記載の使用。

請求項9

電磁放射線が1つまたは複数のUV−C帯の波長を有する紫外光線を含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の使用。

請求項10

アリコートの少なくとも一部分の温度が−5℃〜55℃の範囲内となるように、温度ストレス因子を施す、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の使用。

請求項11

アリコート中の血液の平均温度が37℃〜44℃の範囲内である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の使用。

請求項12

アリコート中の血液の平均温度が0℃〜36.5℃の範囲内である、請求項11に記載の使用。

請求項13

温度が42.5±1℃である、請求項11に記載の使用。

請求項14

アリコートの体積が約400mlまでである、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の使用。

請求項15

アリコートの体積が5〜15mlである、請求項15に記載の使用。

請求項16

アリコートを60分までの時間ストレス因子に曝す、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の使用。

請求項17

アリコートを約3分の時間ストレス因子に曝す、請求項16に記載の使用。

請求項18

ストレス因子すべてをアリコートに同時に施す、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の使用。

請求項19

請求項20

脳神経障害が慢性炎症脱髄性多発ニューロパシーまたはギランバレー症候群である、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の使用。

技術分野

0001

本発明は、哺乳動物患者脳障害炎症性要素を処理するため、より詳細には、活性酸素種根本的な炎症病状に重要な役割を果たしている脳神経障害治療するための方法に関する。

背景技術

0002

炎症性要素が顕著である神経障害重症筋無力症、GBSCIDP、および多発性硬化症を含む)をもたらす事象は明らかではないが、以下の一連のステップは重要なようである。(1)寛容の不成立サイトカイン分子擬態、または超抗原が、以前アネルギー性であったT細胞に神経の自己抗原を認識させることにおいて役割を果たすことができるプロセス)。(2)T細胞受容体複合体による抗原認識および主要な組織適合性複合体クラスIまたはIIによる抗原プロセッシング。(3)共刺激因子、特にB7およびB7結合タンパク質(CD28、CTLA−4)および細胞間接着分子ICAM−1)およびその白血球機能関連(LFA)−1リガンド。(4)セレクチン白血球インテグリン(LFA−1、Mac−1、非常に遅く活性化する(Very late activating)抗原(VLA)−4)を含む一連の接着分子および内皮細胞上のそれらのカウンターレセプター(ICAM−1、血管細胞接着分子VCAM))を介した血液−脳または血液−神経バリアを越える活性化T細胞の移動。(5)活性化T細胞、マクロファージまたは特異的な自己抗体が、グリア細胞ミエリン、軸策、カルシウムチャンネルまたは筋肉上でそれらの抗原標的を発見するときの組織の損傷。

0003

特異的な免疫療法の設計において、免疫応答のそれぞれのステップと関連がある主要な要素を考慮する必要がある。神経性疾患の特異的な療法の標的には、(a)抗原認識または刺激を妨げるかあるいはそれと競合する、(b)共刺激シグナルまたはサイトカインを阻害する、(c)活性化細胞の組織への移動を阻害する、および(d)標的器官中の抗原認識部位介入する、作用物質および治療剤がある。

0004

活性酸素種(ROS)は活性化した形の酸素であり、スーパーオキシドアニオン(O2・・)およびヒドロキシルラジカル(HO・)および過酸化水素(H2O2)、ならびに脂質過酸化のさまざまな不安定な中間体を含む。活性酸素種は、好気性代謝の結果として生成される。脳神経組織は、その多大な酸素の消費およびその限られた抗酸化的防御系による酸化損傷を特に受けやすい。活性酸素種の形成は、シナプス可塑性、細胞のシグナル、および老化プロセスに対して影響があると考えられる。老化と関連がある活性酸素種生成の増大が実証されており(Martin他、2000)、活性酸素種が蓄積することにより、末梢LPS投与の結果として、海馬が増大することも示されている(Vereker他、2000a)。これはIL−1β投与に似た症状を呈する(Vereker他、2000b)。O’Donnellおよび同僚(2000)は、活性酸素種の形成とIL−1β生成の並行した変化を報告しており、活性酸素種の形成はIL−1β生成の増大を引き起こすことが示され、一方IL−1βには反応性酸素種の形成を誘導する能力があり、したがって細胞に害を与えている可能性がある明白なフィードバックループの存在が示唆される。

0005

IL−1βの高濃度は、神経の退化とも密接に関連してきている(Mogi他、1996;Tenneti他、1998)。

0006

ストレス活性キナーゼc−JunNH2−末端キナーゼ(JNK)の高い活性は、細胞の退化および死と関連があり(Park他、1996;Maroney他、1998)、過酸化水素、活性酸素種生成の誘導物質、およびプロ炎症性サイトカインを含めたいくつかの作用物質によって、海馬中で活性化されることが示されている。

0007

IL−1βおよびLPSによって誘導される脳神経の欠損の他の例は、海馬中での長期増強作用(LTP)の欠陥である(Vereker他、2000a;Murray and Lynch、1998)。LTPは、認知機能障害と関連があり特に退化しやすい脳領域である海馬において本来記載されたシナプス可塑性の1つの形である。このことおよび他の観察結果に基づいて、LTPは学習および記憶に関する生物学的基質として提案されている(Bliss and Collingridge、1993)。

0008

ダウン症候群(Layton他、Kedziora他、Schuchmann他)、てんかん、脳の外傷(たとえば衝撃などの脳への物理傷害)(Layton他、Wildburgur他、Trembovler他)、およびハンチントン病舞踏病)(Green)などのいくつかの脳神経障害は、障害の根本的な病因重要な要素として、脳細胞の炎症と関連があることが現在理解されている。この炎症は、脳細胞または脳組織の他の要素における、IL−1βおよびTNF−αなどの過剰量の炎症性サイトカインの生成などの1つまたは複数のさまざまな生物学的プロセスの結果である可能性があり、おそらくこれは脳組織中の高濃度の活性酸素種の存在と関連があり、高度の組織障害または疾患の悪化と相関関係がある。活性酸素種は、脳組織などの組織の炎症の作用因子の1つである。

0009

顕著な炎症性要素を有する他の神経障害には、ギランバレー症候群(GBS)、慢性炎症脱髄性多発ニューロパシー(CIDP)、重症筋無力症(MG)、皮膚筋炎多発性筋炎封入体筋炎、術後脳卒中(post stroke)、神経サルコイドーシス血管型痴呆閉鎖頭部外傷血管痙攣クモ膜下出血副腎白血球ジストロフィー蓄膿症)、封入体皮膚筋炎、最小認知障害、およびデュシェンヌ型筋ジストロフィーがある。

0010

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(CIDP)は、脚および腕のゆっくりと進行する衰弱および感覚機能障害によって特徴付けられる神経障害である。ときに慢性再発性多発ニューロパシーと呼ばれるこの障害は、末梢神経ミエリン鞘へのダメージによって引き起こされる。CIDPは、あらゆる年齢において両方の性で発生し、若い成人においてより一般的であり、女性より男性に一般的である。初期の症状は、上脚および下脚に影響を与える、ゆっくりと進行する筋肉の衰弱および感覚機能障害を含む。他の症状は疲労、バーニングしびれおよび/またはヒリヒリする痛み(つま先および指から始まる)を含めた異常な感覚、腕および/または脚の麻痺深部腱反射が弱っているかあるいはないこと(無反応症)、およびさまざまな筋肉群に影響を与えるうずくような痛みを含むことがある。

0011

CIDPは、ギラン−バレー症候群(GBS)として知られている、より一般的な急性の脱髄性神経障害と密接に関連している。CIPDは、急性疾患であるGBSの慢性の相当物であるとみなされる。CIDPは、主に臨床過程および予後によってGBSと区別される。しかしながら、両方の障害には類似した臨床的特徴があり、両方共多病性の炎症節性脱髄の病的異常およびCSFタンパク細胞解離があり、関連する神経伝達の特徴が脱髄を反映している。

0012

ギラン−バレー症候群(GBS)は、重度四肢不全麻痺をもたらす可能性があり、20〜30%の患者において人工呼吸が必要とされる、突発的に回復する急性の主な運動性多発ニューロパシーである。この症状の根底にある疾患は、急性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(AIDP)、最も一般的な型の急性運動性および知覚軸策の神経障害(AMSAN)、および急性の運動性軸策の多発神経炎(AMAN)として分類されてきている。フィッシャー症候群は、眼筋麻痺運動失調、および無反応症を特徴的に生じる脳神経に関するGBSの変形である。Campylobacterjejuni(最も一般的である)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタインバー・ウイルスまたはMycoplasma pneumoniaeの感染が、GBSに先行することが多い。

0013

自己免疫性重症筋無力症(MG)は、変動的な衰弱および異常な疲労をもたらす神経筋伝達の障害である。衰弱は、自己抗体の循環、次に局所的な補体活性化およびアセチルコリン受容体破壊による、神経筋終板におけるアセチルコリン受容体(AChR)の阻害に原因がある(Stangel他、J.Neurol.Sci.153(2):203〜14(1998))。AChRは再生される筋芽細胞上で発現されるが、正常な成体の筋肉中では、AChRは運動性の終板においてのみ発現される。初期にMGが発症する患者では、しかしながら、胸腺髄質リンパ節様T細胞および胚中心によって湿潤され、胸腺髄質にはAChRを発現する筋芽細胞様の筋様体細胞が存在する。したがって、これらの細胞によるあるいは筋芽細胞によるAChR抗原提示は、この疾患のプロセスと関連がある可能性がある(Curnow他、J.Neuroimmunol.115(1〜2):127〜134(2001))。実験的な自己免疫性重症筋無力症(EAMG)の研究では、ThIサイトカインINF−γは、疾患の進行と関連があることが示されており、これらはクラスIおよびIIの主要な組織適合性抗原の筋芽細胞、AChRおよびICAM−1による生成を誘導することができることが報告されている。IL−1は、EAMGにおいて役割を果たすことも示されており、この場合、IL−1β遺伝子の破壊が、アセチルコリン受容体誘導型応答を低下させることが示された(Garcia他、J.Neuroimmunol120(1〜2):103〜11(2001);Stegall他、J.Neuroimmunol.119(2):377〜386(2001))。

0014

炎症性筋疾患である皮膚筋炎、多発性筋炎および封入体筋炎(IBM)の原因は知られていないが、しかし、免疫機構が強く関係している。臨床的および免疫病理学的には異なるが、これらの疾患は3つの主要な組織学的特徴:炎症、線維症、および筋線維損失共有している。皮膚筋炎では、筋内膜の炎症および筋線維の破壊に、血漿タンパク質補体系の活性化および筋内膜の細管への膜溶解攻撃複合体の堆積が先行する(Dalakas、Curr.Opin.Pharmacol.1(3):300〜306(2001))。この攻撃が、真皮の血管とも関連がある可能性があるという証拠が存在する(Dalakas他、Curr.Opin.Pharmacol.9(3):235〜239(1996))。形質転換成長因子β(皮膚筋炎では筋周囲の結合組織において過剰に発現することが示されている)は、首尾良い免疫療法、炎症および線維症の低下の後に下方調節される(Dalakas、Arch.Neurol.55(12):1509〜1512(1998))。

0015

多発性筋炎およびIBMでは、疾患はCD8+T細胞の活性化で始まる。これらの細胞毒性T細胞が筋内膜の柔組織に達して、筋線維上の主要な組織適合性抗原(MHC)Iの上方調節と関連がある筋肉抗原を認識する。自己侵襲性T細胞は、そのT細胞受容体(TCR)の遺伝子の再編成を示し、特異的に選択され、これまで以前に知られていない抗原によってin situでクローンとして広がる。筋肉細胞は正常ではMHCIおよびIIは発現しないが、多発性筋炎およびIBMの場合は、MHCの過剰発現は、炎症から離れた領域においても検出することができる初期事象である。MHCを誘導するサイトカインINFγおよびTNFαは、活発な多発性筋炎を有する患者において発見されてきている(Dalakas、Curr.Opin.Pharmacol.1(3):300〜306(2001))。

0016

炎症性筋疾患を有する患者ではアポトーシス徴候は検出されていないが、実際には、2つの強力な抗アポトーシス分子が、筋線維中で発現していることが近年見出された。1つはFas関連死ドメイン様IL−1転換酵素阻害剤タンパク質FLIP)であり、もう1つはヒトIAP(アポトーシス・タンパク質の阻害剤)様タンパク質である。失敗したアポトーシスによる炎症細胞の除去の結果は、おそらく持続的な慢性細胞毒性の筋線維ダメージの原因となる(Vattemi他、J.Neuroimmunol.111(1〜2):146〜151(2000))。

0017

サルコイドーシスは、原因が知られておらず世界的に広まっているマルチシステム慢性障害である。神経サルコイドーシスは、炎症に関するサルコイドーシスと神経系の組織中の異常な堆積の合併症である。突然の一過性顔面麻痺は、脳神経VIIとの関連で一般的である。他の症状発現には、無菌性髄膜炎水頭症中枢神経系の実質炎末梢神経障害および筋疾患がある。頭蓋内のサルコイドは、神経放射線イメージングに基づいて、髄膜腫リンパ腫、および神経こう腫などの癌性および頭蓋内の塊の病巣を含めた髄膜炎のさまざまな形に似た症状を呈する。腰椎穿刺によって炎症の徴候が示されることがある。高レベルアンギオテンシン転換酵素を、血液またはCSF中で発見することがある。療法は免疫抑制剤およびコルチコステロイドからなる(Nowak他、J.Neurol.248(5):363〜372(2001);Stern他、Arch.Neurol.42(9):909〜917(1985))。

0018

血管型痴呆(VaD)は、脳梗塞脳内出血または皮質下白質虚血性変化などの、血管起源器質的病巣によって引き起こされる痴呆に関する一般的な語である。患者の約20%および80を超える被験者の50%を占めるAD後の痴呆の最も頻度の高い原因である(Dib、Arch.Gerontol.Geriatr.33(1):71〜80(2001);Parnetti他、Int.J.Clin.Lab Res.24(1):15〜22(1994))。ADとVaDの間の臨床的区別は困難である可能性があり、調査研究に関する標準的なガイドラインが存在する。VaDとADは、「混合型の痴呆」として共存することができ、この場合、脳血管性疾患の存在がアルツハイマー痴呆を悪化させる可能性がある。伝統的にADは、神経学検査による通常の知見に鑑みて、記憶損失の潜行性の発症、次に痴呆の漸進的な進行によって特徴付けられる。一方VaDは、神経学的検査による局所欠損を伴う脳卒中の症状の発見およびコンピュータ断層撮影(CI)または磁気共鳴映像法による脳卒中の証拠によって明確にされる段階的な認知の低下によって特徴付けられる(Jagust、Lancet358(9299):2097〜2098(2001))。脳卒中および血管性疾患に関する危険因子は、VaDに関する危険因子でもあると考えられる。これらは高血圧症喫煙糖尿病肥満心臓リズム障害高脂血症高コレステロール血症、および高ホモシステイン血症を含む。アポリポタンパク質E4の遺伝子型も、VaD、ADおよび虚血性脳卒中に関する危険因子としてみなされる(Dib、Arch.Gerontol.Geriatr.33(1):71〜80(2001))。血管型痴呆の現在の治療には、抗血小板物質および/または手術、および認知症状の治療がある(Parnetti他、Int.J.Clin.Lab Rews.24(1):15〜22(1994))。

0019

頭部の外傷は、虚血、血液−脳関門(BBB)の高い透過性水腫壊死、および運動性および記憶の機能不全などのさまざまな生理学的および細胞現象と関連がある(Moor他、Neurosci.Lett.316(3):169〜172(2001);Shohami他、J.Neuroimmunol.72(2):169〜177(1997))。初期脳傷害によって引き起こされる虚血によって、一連の二次的な事象、およびグルタミン酸およびアスパラギン酸などの興奮性アミノ酸(EAA)の放出が誘導される。イオンおよび神経調節物質のレベルが変わることによって、酸化および細胞膜へのダメージ、および最終的には細胞死がもたらされる(Stahel他、Brain Res.Rev.27(3):243〜256(1998))。ラットにおいて進行する閉鎖頭部障害(CHI)に関する実験モデルによって、ラット脳内でのIL−1、IL−6およびTNF−α遺伝子のmRNA転写の空間的および時間的誘導、およびIL−6およびTNF−α活性の誘導が示される(Shohami他、J.Neuroimmunol.72(2):169〜177(1997))。IL−1βが放出されることも示されており、BBBの完全性の破壊をもたらすのは、これらのサイトカインの存在および内皮細胞へのダメージである。

0020

TNF−αは、いくつかの病的状態の脳中で同定されており、デキサナビノール(HU−211)などのTNF−αの阻害剤によって、CHIに続く神経学的転帰が改善されることが示されている(Shohami他、J.Neuroimmunol.72(2):169〜177(1997))。

0021

脳血管痙攣は、突発性動脈瘤クモ膜下出血(SAH)の後にクモ膜下腔に残った血栓に応答する遅発性大脳動脈縮小である(Ogihara他、Brain Res.889(1〜2):89〜97(2001))。脳血管痙攣は、主要な実質外大脳動脈の持続的な管腔の縮小として血管造影法によって特徴付けられ、大脳微小循環に影響を与え、脳血流量CBF)の低下および遅発型虚血性神経欠損を引き起こす。多くの研究によって、SAH後の大脳動脈の形態学的変化が実証されている。平滑筋細胞は、密な胴体ミトコンドリアの退化、凝縮したリソソームおよび核物質の溶解、細胞残骸出現などの壊死的変化を示した(Sobey他、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.25(11):867〜876(1998))。SAH後に起こる拡張筋の障害および収縮筋機構の増大は、クモ膜下腔においてNOを不活性化させる赤血球によって生成されるオキシヘモグロビンによって引き起こされる可能性がある。あるいはそれは、大脳血管中のcGMPの低い基底レベル、したがってNOに対する低い反応をもたらす可溶性グアニル酸シクラーゼの減少した活性によるものである可能性がある(Ogihara他、Brain Res.889(1〜2):89〜97(2001))。SAHに続く脳脊髄液中でのIL−6およびIL−8の生成も実証されている。IL−6は、イヌ大脳動脈の誘導型血管収縮と同様に、血管痙攣において特定の役割を果たしている可能性があると考えられている(Osuka他、Acta Neurochir140(9):943〜951(1998))。

0022

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、幼少期の最も一般的な、遺伝性の、致死的障害の1つである。DMDは、男性3500人のうちの1人を冒すX染色体関連の神経筋疾患である。進行性の筋肉衰弱は2才と5才の間で始まり、最終的には20代半ば〜後半の間に呼吸不全または心不全による早死をもたらす。約30%の症例は、ジストロフィン遺伝子の突発性突然変異によるものであるが、残りは遺伝性のものである(Spencer他、Neuromuscul.Disord.11(6〜7):556〜564(2001))。したがってDMD患者は、細胞骨格細胞外マトリックスに結合させるタンパク質複合体中の必要な結合体であるタンパク質ジストロフィン欠けている(Alderton他、TrendsCardiovascular Med.10(6):268〜272(2000))。遺伝子療法はDMDの唯一治癒法であるが、免疫介入によって疾患の進行を遅らせることができると考えられる。この理由は、免疫細胞のジストロフィン欠損筋肉との相互作用は、ジストロフィン異常症において細胞死に貢献することができるという証拠が存在することによる。ジストロフィー筋肉中の免疫細胞の個体群は、機械的に損傷を受けた組織を侵襲することが分かっている細胞と異なるだけでなく、多発性筋炎などの炎症性疾患において見られる細胞と類似していることも示されている。近年の研究によって、ジストロフィン欠損の病状においてT細胞が役割を果たしている可能性があり、T細胞が一般的な抗原によって活性化される疾患に対する自己免疫要素が存在する可能性があることが示されている(Spencer他、Neuromuscular.Disord.11(6〜7):556〜564(2001))。

0023

米国特許第5,834,030号(Bolton)は、末梢血管疾患対処するために患者を治療する方法であって、患者血液アリコートを抽出し、その血液アリコートを体外で、酸化的環境(オゾン/酸素ガス混合物をその中で泡立てる)、入射UV光線および高温などのストレス因子で処理することを含む方法を記載している。

0024

米国特許第5,980,954号(Bolton)は、哺乳動物患者の自己免疫性疾患を治療するための、類似の方法を記載している。

0025

Stangel他、J.Neurol.Sci.153(2):203〜14(1998)
Curnow他、J.Neuroimmunol.115(1〜2):127〜134(2001)
Garcia他、J.Neuroimmunol120(1〜2):103〜11(2001)
Stegall他、J.Neuroimmunol.119(2):377〜386(2001)
Dalakas他、Curr.Opin.Pharmacol.1(3):300〜306(2001)
Dalakas、Curr.Opin.Pharmacol.9(3):235〜239(1996)
Dalakas、Arch.Neurol.55(12):1509〜1512(1998)
Vattemi他、J.Neuroimmunol.111(1〜2):146〜151(2000)
Nowak他、J.Neurol.248(5):363〜372(2001)
Stern他、Arch.Neurol.42(9):909〜917(1985)
Dib、Arch.Gerontol.Geriatr.33(1):71〜80(2001)
Parnetti他、Int.J.Clin.Lab Res.24(1):15〜22(1994)
Jagust、Lancet358(9299):2097〜2098(2001)
Moor他、Neurosci.Lett.316(3):169〜172(2001)
Shohami他、J.Neuroimmunol.72(2):169〜177(1997)
Stahel他、Brain Res.Rev.27(3):243〜256(1998)
Ogihara他、Brain Res.889(1〜2):89〜97(2001)
Sobey他、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.25(11):867〜876(1998)
Spencer他、Neuromuscul.Disord.11(6〜7):556〜564(2001)
Osuka他、Acta Neurochir140(9):943〜951(1998)
Alderton他、TrendsCardiovascular Med.10(6):268〜272(2000)
米国特許第5,834,030号(Bolton)
米国特許第5,980,954号(Bolton)
Muellerに付与された米国特許第4,968,483号

発明が解決しようとする課題

0026

本発明の目的は、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシーおよびギラン−バレー症候群などの、顕著な炎症性要素を有する神経障害の新規な治療または予防を提供することである。

0027

本明細書で使用する「免疫調節療法」という語は、自己由来末梢血液を少なくとも2つの物理化学的ストレス因子、すなわち熱、オゾン処理などの酸化ストレス紫外線などの電磁放射線、の組合せに曝すこと、およびその後処理した血液を、適切には筋肉内注射によって患者に投与することを含む、生体外での治療プロトコルである。このような免疫調節療法が接触過敏症を抑制するという最近の証拠が存在し(Shivji他、2000)、自然発生高血圧ラットにおける拘束ストレスに対する弱い高熱反応も実証されており(Kouame他、1997)、したがって考えられる保護的役割が示唆される。このことを支持するのは、このような免疫調節療法の後に、プロ炎症性TH1細胞の相対数の減少、およびTH2細胞の増大がヒト中で観察され、炎症性の応答の低下が示された、という報告である(Rabinovitch他、1998)。

0028

本発明は、このような免疫調節療法は、特に哺乳動物皮質組織中で、哺乳動物患者の血液−脳関門を越えて、明らかに、活性酸素種の蓄積を大幅に減少させ、TNF−αなどの関連のある炎症性サイトカインを大幅に下方調節することによって有益な抗炎症効果を発揮することができるという驚くべき予期せぬ発見に関する。したがってこの療法は、このような炎症の進行または発現において役割を果たす活性酸素種の発生または活性を仲介することによる、ダウン症候群、てんかん、ハンチントン病および脳の外傷などの脳神経疾患の炎症性要素の予防または治療処置に適している。

課題を解決するための手段

0029

本発明は、そのような疾病にかかっていると診断されたかあるいはその危険がある哺乳動物患者の神経疾患の炎症性要素および炎症的状況を予防的または治療的処置をするための方法であって、酸化的環境、熱ストレスおよび電磁放射線からなる群より選択される少なくとも2つのストレス因子で生体外において処理した血液アリコートを、前記患者に投与することを含み、前記患者の神経細胞または組織中の活性酸素種の濃度を低下し、それと共にその有害な炎症的影響を低下する方法を提供する。

0030

他の見地から、本発明は、ダウン症候群、ハンチントン病、てんかんおよび脳の外傷などの過剰な活性酸素種(反応性酸素種および酸化力のあるフリーラジカル)と関連がある顕著な炎症性要素を有する脳神経障害の症状を軽減するための方法であって、酸化的環境、熱ストレスおよび電磁放射線からなる群より選択される少なくとも2つのストレス因子で生体外において処理した血液アリコートを患者に投与することによって、前記哺乳動物患者の脳から活性酸素種を除去することを含む方法を提供する。

0031

したがって本発明は、ギラン−バレー症候群(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、重症筋無力症(MG)、皮膚筋炎、多発性筋炎、封入体筋炎、術後脳卒中、神経サルコイドーシス、血管型痴呆、閉鎖頭部外傷、血管痙攣、クモ膜下出血、副腎白血球ジストロフィー(蓄膿症)、封入体皮膚筋炎、最小認知障害およびデュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの顕著な炎症性要素を有する神経障害の発症および進行に対する軽減、予防、またはそれらを妨げるための予備調整の方法でもあり、前記方法は、このような障害で苦しんでいるか、あるいはそれにかかる危険があり、障害のある内皮機能を有する患者を治療し、正常な内皮機能の回復に向けて、血液−脳関門または血液−神経関門における内皮機能の性能を改善することを含む。これは、神経障害を処理および治療するための新規で革新的な手法である。

発明を実施するための最良の形態

0032

本発明の好ましい方法の1つでは、活性酸素種によって仲介される顕著な炎症性要素を有する脳神経疾患状態の患者、またはこのような脳神経疾患が進行している危険がある患者を、最初に識別する。このような患者は、たとえば以前の外傷、遺伝的徴候などの結果として、平均的個体群の危険性よりも大幅に高い危険性を有している可能性がある。次に、活性酸素種の濃度を低下させることによって、このような疾患状態または疾患状態の危険を効果的に治療することができるかどうかを判定するために、このような患者を評価する。主治医見解で、活性酸素種の濃度の低下、およびそれと関連した神経学的炎症の減少がこのような神経疾患の予防的または治療処置に適していると思われる場合、免疫調節療法を前記患者に施す。

0033

したがって、その好ましい態様の1つにおいて、本発明は、顕著な炎症性要素を有し活性酸素種によって少なくとも部分的に仲介される脳神経疾患の、炎症関連の状況を予防的または療法的に治療するための方法に関する。この方法は以下のことを含む:
(a)脳神経疾患状態を有するか、あるいは顕著な炎症性要素を有し活性酸素種によって仲介される脳神経疾患状態が進行している危険がある患者を識別すること、
(b)活性酸素種の濃度を低下させることによって、このような疾患状態または疾患状態の危険を効果的に治療することができるかどうかを判定するために、前記(a)で識別した患者を評価すること、および
(c)活性酸素種の濃度の低下がこのような疾患の予防的または治療処置に適している場合、次いで
(d)酸化的環境、熱ストレスおよび電磁放射線からなる群より選択される少なくとも2つのストレス因子で生体外において処理した血液アリコートを前記患者に投与することであって、
このような投与の後に、前記患者の脳神経組織の炎症および/またはその脳神経組織中の活性酸素種の濃度が低下する。
患者は哺乳動物であり、ヒトであることが好ましい。

0034

血液アリコートは、血液を変性させることが分かっているストレス因子に曝すことによって処理する。本発明にしたがって、血液アリコートは、血液、または血液の分離細胞または非細胞画分、または血液の分離細胞および/または非細胞画分の混合物を、温度ストレス因子、電磁放射線および酸化的環境、またはこれらのストレス因子の任意の組合せから選択されるストレス因子に、同時または順次に曝すことによって、変性させることができる。

0035

本発明に関して、以下の用語を定義する。
「治療処置」は、処置がその疾患の症状を低下させるかあるいは除去する、疾患の処置を指す。
予防処置」または「予防」は、疾患の進行を防止または妨害することを指す。
本明細書で使用する「アリコート」、「血液アリコート」という語、または類似の語は、全血血小板を含めた血液の分離細胞画分、血漿を含めた血液の分離非細胞画分、およびこれらの組合せを含む。

0036

方法
本発明の方法によって、活性酸素種によって仲介される脳神経疾患の予防的または療法的な処置が提供される。この方法では、このような疾患状態を有する患者または活性酸素種によって仲介されるこのような疾患状態を有している危険がある患者を最初に識別する。次いで、活性酸素種の濃度を低下させることによって、このような疾患状態または疾患状態の危険を効果的に治療することができるかどうかを判定するために、このような患者を評価する。このような評価は、治療される疾患およびその疾患の進行に基づいて、主治医によってなされる。このような要因は充分に当技術分野の技量の範囲内ものである。主治医の見解で、活性酸素種の濃度の低下がこのような神経疾患の予防的または治療処置に適していると思われる場合、患者には、酸化的環境、熱ストレスおよび電磁放射線からなる群から選択される少なくとも2つのストレス因子で生体外において処理した血液アリコートを投与する。血液アリコートの生体外での処理は、以下に記載する。この方法によって、前記患者中での活性酸素種の濃度の低下がもたらされる。

0037

この好ましい方法では、活性酸素種の濃度を低下させることによって、脳神経疾患状態または脳神経疾患状態の危険を効果的に治療することができるかどうか、たとえば活性酸素種の濃度を低下させることによって、活性酸素種の存在と関連があるその炎症性要素を効果的に低下させることができるかどうかを判定するために、患者を評価する。この点で、活性酸素種の減少は、活性酸素種の減少が疾患を効果的に治療するとき(予防的あるいは療法的に)、患者中で低下する。

0038

活性酸素種の濃度は、当技術分野で知られているさまざまな方法によって測定することができる。たとえばそれは、患者の血液中抗酸化性酵素グルタチオンカタラーゼ)の枯渇の測定から決定することができる(Layton他を参照のこと)。1つの代替法は、抗−oLDLELISA免疫アッセイを使用して、酸化低密度リポタンパク質に関して患者の血清試験することである(Wilburgur他を参照のこと)。血漿中のチアバルビツール酸およびその誘導体などの脂質過酸化生成物を測定すること、あるいは患者の血液中のアラキドン酸酸化生成物を測定することもできる。

0039

処理した血液は、動脈内注射、筋肉内注射、静脈内注射皮下注射腹腔内注射、および経口、中または直腸投与からなる群から選択される、予防接種に適した方法によって哺乳動物に投与する。筋肉内注射が好ましい。

0040

生体外での血液の処理
本発明の好ましい方法に従って、血液アリコートを哺乳動物被験者、好ましくはヒトから抽出し、その血液アリコートを、以下にさらに詳細に記載するように、いくつかのストレス因子で生体外において処理する。ストレス因子の影響は、アリコート中に含まれている血液および/またはその細胞または非細胞画分を変性させることである。次いで変性したアリコートを、予防接種に適した任意の経路によって被験者の身体に再導入する。

0041

本発明の方法に従って生体外で血液アリコートを曝すストレス因子は、温度ストレス(体温を超えるかあるいはそれ未満の血液温度)、酸化的環境および電磁放射線から、個別あるいは任意の組合せで、同時あるいは順次に選択される。適切にはヒト被験者においては、アリコートは、被験者の身体中に再導入されると、活性酸素種仲介型障害の少なくとも部分的な軽減が被験者中で行われるのに充分な体積を有する。

0042

アリコートの体積は約400mlまで、好ましくは約0.1〜約100ml、より好ましくは約5〜約15ml、さらに好ましくは約8〜約12ml、最も好ましくは約10mlであり、これと共に抗凝血剤、たとえば2mlのクエン酸ナトリウムが含まれる。

0043

本発明に従って、前述した3つのストレス因子すべてを治療においてアリコートに同時に加えて、血液の適切な変性を確実にすることが好ましい。本発明のいくつかの実施形態では、前述のストレス因子の任意の2つを施すこと、たとえば温度ストレスと酸化的ストレス、温度ストレスと電磁放射、あるいは電磁放射と酸化的ストレスを施すことも好ましい。適切なレベルのストレス因子を使用して、それによって血液を効果的に変性させ、被験者の活性酸素種仲介型障害を軽減するように注意を払わなければならない。

0044

温度ストレス因子によって、処理されるアリコートは正常な体温より高い温度に温められるか、あるいはアリコートは正常な体温未満に冷却される。温度ストレス因子がアリコート中に含まれる血液の過剰な溶血反応を引き起こさないように、かつ処理したアリコートを被験者に注射すると活性酸素種仲介型障害の軽減が行われるように、温度を選択する。温度ストレス因子は、アリコートの全体または一部分の温度が約55℃まで、より好ましくは約−5℃〜約55℃の範囲であるように、施されることが好ましい。

0045

本発明のいくつかの好ましい実施形態では、アリコートの平均温度が約55℃、より好ましくは約40℃〜約50℃、さらに好ましくは約40℃〜約44℃、最も好ましくは約42.5±1℃の温度を超えないように、アリコートの温度を通常の体温より高く上昇させる。

0046

他の好ましい実施形態では、アリコートの平均温度が約−5℃〜約36.5℃、より好ましくは約10℃〜約30℃、さらに好ましくは約15℃〜約25℃の範囲内であるように、アリコートを通常の体温未満に冷却する。

0047

酸化的環境というストレス因子は、固体液体または気体酸化剤をアリコートに施すことである。医療用酸素とオゾン・ガスの混合物にアリコートを曝すことが好ましく、最も好ましくは、アリコート中に前述の温度範囲で、少量成分としてオゾンを含む医療用酸素ガスの流れを泡立てる。気体流オゾン含有量および気体流の流量は、単独あるいは他のストレス因子と組み合わせて血液アリコートに導入される一定量のオゾンによって、過剰なレベルの細胞損傷が生じて治療が無効になってしまうことがないように選択することが好ましい。

0048

気体流は、約300μg/mlまで、好ましくは約100μg/mlまで、より好ましくは約30μg/mlまで、さらに好ましくは約20μg/mlまで、特に好ましくは約10μg/ml〜約20μg/ml、最も好ましくは約14.5±1.0μg/mlのオゾン含有量を有することが適切である。気体流は、STPにおいて約2.0リットル/分まで、好ましくは約0.5リットル/分まで、より好ましくは約0.4リットル/分まで、さらに好ましくは約0.33リットル/分まで、最も好ましくは約0.24±0.024リットル/分の割合でアリコートに供給されることが適切である。気体流の流量の下限は0.01リットル/分を下回らないことが好ましく、より好ましくは0.1リットル/分を下回らず、0.2リットル/分を下回らないことがさらに好ましい。

0049

電磁放射線というストレス因子は、アリコートを前述した温度に保ちながら、酸素/オゾン・ガス混合物をアリコート中で泡立てながら、電磁放射線の源から治療下のアリコートを照射することによって施されることが適切である。好ましい電磁放射線は、光子放射線、より好ましくはUV、可視および赤外光線、さらに好ましくはUV光線から選択される。最も好ましいUV源は、主にUV−C帯の波長、すなわち約280nmより短い波長を放射するUVランプである。このようなランプは、多量の可視および赤外光線も放射することができる。標準的なUV−A(約315〜約400nmの波長)、およびUV−B(約280〜約315の波長)源に対応する紫外光線を使用することもできる。たとえば、前述した温度および酸化的環境というストレス因子と同時に施される、このようなUV光線の適切な線量は、約15〜約25ワットの複合電気出力を有するランプから得ることができ、これらのランプはアリコートを保持しているサンプル容器を囲むように配置されており、それぞれのランプは1メートルの距離で約45〜65mW/cm2の強度を与える。サンプル容器を囲み、253.7nmで15〜25ワットの複合出力を有し、血液の表面に約0.025〜約10ジュール/cm2、好ましくは約0.1〜約3.0ジュール/cm2の合計UV光線エネルギー送達させるために一定の強度で操作される、8つまでのこのようなランプを、有利に使用することができる。4つのこのようなランプを使用することが好ましい。

0050

アリコートがストレス因子に曝される時間は、通常では約60分までの時間範囲内である。この時間は、選択した電磁放射線の強度、温度、酸化剤の濃度、および酸化剤がアリコートに供給される割合にある程度依存する。ひとたび他のストレス因子レベルを設定した後、実験者の側で、最適温度確立するためのいくらかの実験が必要である。大部分のストレス因子の条件下では、好ましい時間は約2〜約5分、より好ましくは約3〜約3.5分の概算範囲であろう。最初の血液温度、および血液を所定温度まで温めるかあるいは冷却することができる速度は、被験者ごとに変わる傾向がある。このような処理によって、被験者に注射する用意ができている変性した血液アリコートが与えられる。

0051

本発明の好ましい方法を実施する際には、Muellerに付与された米国特許第4,968,483号に記載されたタイプの装置を使用して、血液アリコートをストレス因子で処理することができる。アリコートは、機器に備えられた、適切な滅菌済みのUV光線透過型容器中に置かれる。気体流をアリコートに施す前に、UVランプに一定時間スイッチを入れ、これによって酸化的ストレスがもたらされて、UVランプの出力を安定化させることができる。典型的には、アリコートの温度を所定の値、たとえば42.5±1℃に調整しながら、UVランプにスイッチを入れる。次いで、組成が知られており流量が調節されている酸素/オゾン・ガス混合物を、アリコートが3つすべてのストレス因子を同時に経験するように、前に論じたように約60分まで、好ましくは2〜5分、最も好ましくは約3分という所定の時間だけアリコートに施す。このようにして、本発明に従って血液を適切に変性させて、所望の効果を得る。

0052

被験者は一連の治療を受けることが好ましく、このような個別の治療は血液アリコートを取り出すこと、前に記載したようにそれを処理すること、およびその処理したアリコートを被験者に再投与することを含む。一連のこのような治療は、処理した血液アリコートを数日続けて毎日投与することを含んでよく、あるいは指定の時間毎日治療する第1の行程の後、休止期間、次いで毎日治療する1つまたは複数の行程を含んでよい。

0053

好ましい一実施形態では、処理した血液の4〜6アリコートを投与することを含む最初の治療行程を被験者に施す。他の好ましい実施形態では、処理した血液の2〜4アリコートを投与することを含む最初の治療行程を被験者に施すことであり、この場合任意の連続アリコートの一対を連日投与するか、あるいは患者にアリコートをまったく投与しない1〜21日の休止期間を隔て、その休止期間が約3〜15日間選択した連続アリコートの一対を隔てるようにする。より具体的な好ましい実施形態では、最初の一連の治療の投与計画は合計3アリコートからなり、第1および第2のアリコートは連日投与し、第2アリコートと第3アリコートの投与の間に、11日の休止期間を設ける。

0054

最初の治療行程の後に、追加的な治療行程を次いで施すことが好ましい。以後の治療行程は、最初の治療行程の終了の少なくとも約3週間後に施すことが好ましい。特に好ましい一実施形態では、最初の治療行程の終了後の6カ月間、30日毎に処理血液の1アリコートを投与することからなる第2の治療行程を被験者に施す。

0055

連続する治療行程の間の間隔は、本発明の治療の明確な効果が保たれるようなものでなければならず、それは個々の被験者の観察される反応に基づいて決定し得ることは理解されるであろう。

0056

倫理的承認された手順およびプロトコルに従って、ウィスター・ラットに行った以下の動物実験によって、本発明が実証され例示される。
実験によって、末梢血液を免疫調節療法に曝す予備処理の、ラットの海馬組織中でのLTPのLPS誘導型障害に関する影響を調べた。ROSの蓄積、サイトカインTNFαおよびIL−10の濃度、およびIL−1受容体I型の濃度、およびストレス活性化型タンパク質キナーゼJNKの活性に対する免疫調節療法の結果を探求するために、皮質組織中の予備研究も行った。

0057

実験手順
動物
グループの8匹のオスのウィスター・ラット(300〜350g;BioResources Unit、Trinity College Dublin、アイルランド共和国)を、これらの実験では使用した。12時間光を当てるスケジュールの下で動物を4グループに収容し、周囲温度は22℃と23℃の間に調節し、ラットは獣医監督下に保った。

0058

治療プロトコル
全血を心臓穿刺によってドナーのラットから得て、クエン酸ナトリウムを用いて抗凝固した(血液10ml+3.13%クエン酸ナトリウム溶液2ml)。抗凝固した血液を2つのアリコート;擬似治療用に使用するための2ml、および免疫調節療法を施すための10mlに分けた。免疫調節療法に関しては、10mlの血液凝固した血液を、注文製で滅菌済みの、低密度ポリエチレン使い捨て血液容器(Vasogen Inc、Toronto、ON、カナダ)に移し、医療機器(Vasogen Inc)中で、制御した物理化学的ストレス因子の組合せに曝した。

0059

処理中、血液の温度を42.5℃に上昇させ、この時間中、血液をUV光線(254nmで最大発光スペクトル)に曝した。この温度に達したときに、医療用酸素中にオゾンが14.5±1.0μg/mlである気体混合物を、1分間当たり240±24mLの流量で3分間血液中で泡立て、その時間の後、熱およびUVC光源を遮断した。血液中での気体の泡立てによって引き起こされた発泡作用によって、UVC光線に曝される表面積が増大した。次いで血液を血液容器の底部に落ち着かせた後、使用できるように準備した。2グループの16匹のラットを、150μLの処理血液または未処理血液(擬似治療)を用いて、筋肉内注射によって治療した。LPS投与/LTPの誘導の14日、13日および1日前に注射を施した。

0060

生体内での貫通路顆粒細胞シナプスにおけるLTPの誘導
ウレタン(1.5g/kg)を腹腔内注射することによって、ラットに麻酔をかけた。ラットすべてにLPS(100μg/kg)または生理食塩水腹腔内に与え、3時間監視した。双極性刺激電極および単極性記録電極を、貫通路中(Lambda(ラムダ)の4.4mm側面)、および歯状回背部細胞領域(Bregma(プレグマ)の2.5mm側面および3.9mm後方)にそれぞれ置き、強力な刺激の10分前、および40分後に、0.033Hzの試験用ショックを与えた(3連の刺激は30秒間隔、250Hzで200ミリ秒送達した(McGahon and Lynch、1996))。骨頭切除術によってラットを殺傷した;十字に刻んだ切片(350×350μm)を歯状回、内嗅皮質、海馬および皮質から作製し、解離細胞を作製するために使用し(以下参照)、あるいは10%ジメチルスルホキシドを含むクレブス溶液中で別々に凍結させ(Haan and Bowen、1981)、−80℃で保存した。分析用に、ホモジェネートまたは粗シナプトソームペレットP2を調製する前に、切片を急速に解凍させ、新鮮酸素処理したクレブス溶液中ですすいだ(McGahon and Lynch、1996))。

0061

活性酸素種形成の分析
活性酸素種の形成を、非蛍光プローブ、2’,7−ジクロロフルオレセインジアセテート(DCFH−DA;Molecular Probes、USA;LeBel他、1992)からの、蛍光性が強い2’,7−ジクロロフルオレセイン(DCF)の形成を分析することによって評価した。皮質から作製したシナプトソームのペレットP2を、1mLの氷冷40mM Trisバッファー(pH7.4)に再懸濁させ、DCFH−DA(10μL;最終濃度5μM;メタノール中500μMのストック溶液からのもの)と共に37℃で15分間インキュベートし、4℃で8分間、13,000×gでの遠心分離によって反応を停止させた。ペレットを1.5mLの氷冷40mM Trisバッファー、pH7.4に再懸濁させ、37℃での蛍光性に関して監視した(励起、488mm;発光、525nm)。活性酸素種形成は、メタノール中のDCFの標準曲線から定量した(範囲0〜5μM)。タンパク質濃度を決定し(Bradford、1976)、結果はnmol/タンパク質mg/分として表した。

0062

TNFαおよびIL−10濃度の分析
商業的に入手可能な酵素免疫検定法を使用して、皮質のTNFαを分析し(Biosource International Inc.)、IL−10 Cytoset Antibody Pair(Biosource International Inc.)を使用して、皮質のIL−10を測定した。それぞれの組織を、5%ウシ胎児血清およびカクテル酵素阻害剤(100mMのアミノn−カプロン酸、10mMのNa2EDTA、5mMのベンズアミドHCl、0.2mMのフェニルメチルスルフォニルフルオリド)を含む、1mLのlscoveの培養液に加えた。組織を均質化し、4℃で10分間、10,000rpmで遠心分離した。上澄みを取り出し、ELISAを使用してTNFαについて分析した。タンパク質濃度を決定し(Bradford、1976)、結果はpg/タンパク質mgとして表した。

0063

NK活性およびIL−1 Receptor Type I濃度の分析
皮質組織から作製したサンプルにおいて、JNK活性およびIL−1 Receptor Type I濃度を、ウエスタンブロット技法を使用して分析した。組織ホモジェネートを希釈して、タンパク質濃度を均一にし(Bradford、1976)、10μLのアリコート(1mg/mL)を5μLのサンプル・バッファー(0.5mMのTris−HCl、pH6.8、10%グリセロール、10%SDS、5%b−メルカプトエタノール、0.05%ブロモフェノールブルー、w/v)に加え、5分間沸騰させた。ウエスタン・ブロットを実施するまで、サンプルは凍結させた。10μLのそれぞれのサンプルを、それぞれの分析用にゲル(10%SDS)上に載せた。32mAの一定電流を25〜30分間施すことによってタンパク質を分離させ、ニトロセルロース細片に移し(75分間225mA)、適切な抗体を用いて免疫ブロット法を施した。JNK活性を評価するために、室温で2時間、リン酸化JNKを特異的に標的にする抗体(Santa Curz Biotechnology、Inc;TBS、および1%BSAを含む0.1%Tween20中に1:100)を用いて、タンパク質に免疫ブロット法を施した。

0064

IL−1 Receptor Type I濃度を、マウス由来のIL−1RIカルボキシ末端にあるエピトープに対して産生したウサギポリクローナル抗体(Santa Curz Biotechnology、Inc;2%脱脂粉乳を含むPBSおよび0.1%Tween20およびPBSの中に1:2000)を用いて、室温で45分間および37℃で45分間、タンパク質に免疫ブロット法を施すことによって評価した。ニトロセルロース製細片を洗浄し、二次抗体と共にインキュベートした(JNKの場合は、ペルオキシド結合抗マウスIgG;1:300希釈(Sigma)と共に室温で2時間、またIL−1 Receptor Type Iの場合は、HRP結合抗ウサギ抗体;1:2000希釈(Amersham、UK)と共に室温で60分間、および37℃で30分間)。SuperSignal West Dura Extended Duration Substrate(Pierce、USA)を使用して、リン酸化JNKの視覚化を行った。免疫ブロット試料基質中に5分間浸し、その後1秒間フィルム感光させた。IL−1 Receptor Type Iのタンパク質複合体はECL検出器(Amersham、UK)によって視覚化し、免疫ブロット試料を4℃で一晩、フィルムに感光させた。いずれの場合も、Fuji x線フィルム処理装置を使用してフィルムを処理した。タンパク質バンドの定量は、2つのソフトウェアパッケージ、Grab It(Grab It Annotating Grabber、version2.04.7、Synotics;UVP Ltd)およびGelworks(Gelworks ID、version2.51;UVP Ltd)、をフォトグラフィーおよびデンシトメトリー用にそれぞれ使用して、デンシトメトリーによる分析によって行った。Gelworksによって、それぞれのブロット試料の密度を表す1つの値(任意単位)が与えられる。

0065

グルタミン酸(塩)放出の分析
歯状回から得た不純なシナプトソームの調整物P2中の、グルタミン酸(塩)放出を評価した;新鮮に作製した組織を使用したか、あるいは、電気生理学的記録を行ったラットから得た歯状回の凍結切片から、P2を作製した(McGahon and Lynch、1996))。いずれの場合も、P2調製物を2mMのCaCl2を含む酸素処理したクレブス溶液に再懸濁させ、前に記載したように(McGahon他、1996)、グルタミン酸(塩)放出を評価した。簡潔には、シナプトソーム組織を各Milliporeフィルター(0.45μm)上に等分し、真空下ですすぎ濾過物を捨てた。次いでシナプトソームを250μlの酸素処理したクレブス溶液中で、40mMのKC1の存在または不在下において37℃で3分間インキュベートし、濾過物を回収し、記載したような分析(Ordonneau他、1991)用に保存した。いくつかの実験では、シナプトソームをIL−1β(1ng/ml)を含むクレブス溶液中で、Vasoactive Intestinal Peptide(VIP;1μM)の存在または不在下において、37℃で20分間インキュベートした。三連サンプル(50μl)またはグルタミン酸(塩)標準(50μl;100mMのNaH2PO4バッファー、pH8.0中で調製した25nM〜1μM)を、グルタルアルデヒド被覆96ウエルプレートに加え、37℃で60分間インキュベートし、100mMのNaH2PO4バッファーで洗浄した。エタノールアミン(250μl;100mMのNaH2PO44バッファー中に0.1M)を使用して未反応アルデヒドを結合させ、ロバ血清(200μl;PBS−T中に3%)を加えて、非特異的結合ブロックした。サンプルを抗グルタミン酸(塩)抗体(ウサギにおいて産生;100μl;PBS−T中に1:5,000;Sigma、UK)の存在下において4℃で一晩インキュベートし、洗浄し、二次抗体(抗ウサギ・ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)−結合二次抗体;100μl;PBS−T中に1:10,000;Amersham、UK)と、60分間室温で反応させた。3.3’,4.4’−テトラメチルベンジジン液体基質色原体として加え、室温で正確に60分間インキュベートし続け、このときH2SO4(4M;30μl)によって反応を停止させた。マルチウェル・プレート読み取り装置を使用して、450nmでの光学濃度を決定し、標準曲線を参照して値を計算し、タンパク質に関して補正し(Bradford、1976)、μmolグルタミン酸(塩)/mgタンパク質として表した。

0066

IL−1β濃度の分析
海馬中のIL−1β濃度を、ELISAによって分析した(R and D Systems、UK)。抗体被覆(100μl;最終濃度1.0μg/ml、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.3に希釈、ヤギ抗ラットIL−1β抗体)96=ウェル・プレートを室温で一晩インキュベートし、0.05%Tween20を含むPBSで数回洗浄し、300μlのブロッキング・バッファー(5%スクロース、1%ウシ血清アルブミン(BSA)、および0.05%NaN3を含むPBS、pH7.3)を用いて室温で1時間ブロックした。数回洗浄した後、プレートをIL−1β標準(100μl;1%BSAを含むPBS中に0〜1000pg/ml)、またはサンプル(2mMのCaCl2を含むクレブス溶液中に均質化したもの)と共に2時間室温でインキュベートした。サンプルは二次抗体(100μl;1%BSAおよび2%の正常ヤギ血清を含むPBS中で最終濃度350ng/ml;ビオチン化ヤギ抗ラットIL−1β抗体)と共に2時間室温でインキュベートし、洗浄し、検出剤(100μl;ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジン;1%BSAを含むPBS中に1:200希釈)中において、20分間室温でインキュベートした。基質溶液(100μl;H2O2とテトラメチルベンジジンの1:1混合物)を加え、サンプルを暗所において1時間室温でインキュベートし、その後50μlの1M H2SO4を使用して、反応を停止させた。450nmでの吸光度読み取り、値をタンパク質に関して補正し(Bradford、1976)、pgIL−1β/mgタンパク質として表した。

0067

TUNEL染色
新鮮な海馬の切片の酵素的および機械的消化によって、解離細胞を調製した。切片をPBS中において30分間室温でコラゲナーゼ(0.125%)と共にインキュベートし、PBSで洗浄してコラゲナーゼ消化を停止させ、次いでナイロンメッシュのフィルターに通して組織塊を除去する前に、ガラスパスツールピペットを用いて軽く砕いた。次いで細胞をサイトスピンで処理し、ガラス製の顕微鏡スライド上に塗沫し、メタノールを用いて固定し、使用するまで保存した。

0068

断片DNAを用いて核(アポトーシス細胞の特徴的なもの)を識別する、TUNEL(末端デオキシヌクレオチド転移酵素(TdT)仲介dUTP Nick−End標識)染色を、製造者の教示書に従って行った。簡潔には、サイトスピンにかけて固定した細胞を洗浄し、浸透処理した。細胞をバッファー(200mMのカコジル酸カリウム(25℃でpH6.6)、25mMのTris−HC1(25℃でpH5.5)、0.2mMのDTT、0.25mg/mlのBSA、2.5mMのCoCl2)中において5分間室温で平衡状態にし、TdT反応混合物(30μl;98μlの平衡化バッファー、1μlのビオチン化ヌクレオチド混合物、1μlのTdT酵素)中において、37℃で1時間インキュベートした。100μlの2×SCC(1:10;2×SCC:脱イオン水)を加えることによって反応を停止させ、内因性ペルオキシダーゼを、H2O2(100μl;PBS中に0.3%)と共に5分間室温でインキュベートすることによってブロックし、洗浄した細胞はストレプトアビジンHRP溶液(100μl;PBS中で1:500)中において30分間室温でインキュベートして、ビオチン化ヌクレオチドに結合させた。ジアミノベンジジン溶液を洗浄した細胞に加え、インキュベートは10分間室温で進行させた。細胞を脱イオン水で洗浄し、等級品エタノールによって脱水し、次いでキシレンで不要物を除去し、その後スライドをDPX装着媒体に装着させ、カバー・ガラスで覆った。TUNEL陽性細胞は、全体のパーセンテージとして表した。

0069

統計的分析
必要に応じて、独立した平均値に関してスチューデントt検定を使用し、あるいは一元配置分散分析ANOVA)を使用し、次にStudent Newman Keuls検定を使用する事後分析によってデータを分析した。

0070

結果
A:海馬
平均体重、麻酔を誘導するために投与したウレタンの用量、およびepspスパイクを生じさせるために必要とされる刺激の強さを計算した。体重(図1A)または免疫調節療法により投与したウレタン濃度(図1B)におけるグループ間で著しい違いはなかった。

0071

図1によって、免疫調節療法が体重(a)、または麻酔を誘導するために投与するウレタンの用量(b)を著しく変えることはないことが実証される。しかしながら、活動電位(c)を誘導するために必要とされる振幅は増大する。データは、平均値および標準誤差として表す。

0072

LPSの腹腔内注射の3時間後に貫通路に送達されるテタヌス刺激によって、個体群の興奮性シナプス後電位(epsp)の平均勾配の増大がもたらされた。テタヌス刺激の直後2分間の平均パーセンテージの変化(±SEM;テタヌス刺激の直前5分間と比較する)は114.49(±2.79)であったが、これは維持されず、実験の最後の5分間で、個体群のepsp勾配の平均パーセンテージの変化は、90.32(±2.42)であった。生理食塩水で処理した対照ラットの対応する値は、それぞれ170.15(±10.16)および121.28(±1.20)であった(図2)。LTPのLPS誘導型阻害は、予備処理および免疫調節療法によってブロックされた。

0073

図2は、LTPのLPS誘導型障害が、予備処理および免疫調節療法によって阻害されたことを実証するものである。テタヌス刺激直後の平均した個体群のepsp勾配は、LPS処理したラットでは生理食塩水処理したラットと比較して低下し、40分のテタヌス後記録期の終りにはベースラインに近づいた。LTPに対するLPSの阻害的影響は、予備処理および免疫調節療法によってブロックされ、それが生理食塩水を投与したラットにおいて著しい効果を発揮することはなかった。示したデータは、それぞれの処理グループの7〜8試料の観察結果の平均値である。

0074

テタヌス刺激の直後2分間の、個体群のepsp勾配(±SEM)の平均パーセンテージの変化は、免疫調節療法によって予備治療し、LPSを投与したグループの147.44(±5.84)と比較して、疑似予備処理、生理食塩水を投与したグループでは166.85(±4.54)であった。実験の最後の5分間では、この値はそれぞれ121.96(±0.85)および128.07(±1.46)であった(n=7〜8)。

0075

新鮮な海馬組織から調製した解離細胞は、暗い色に染色された核を示す細胞、すなわちTUNEL陽性細胞、の数の増大によって証拠付けられるように、LPS注射後にアポトーシス細胞の数の増大を示した。これは、生理食塩水処理したラット、および免疫調節療法によって治療したラットの海馬から調製した細胞とは対照的である。免疫調節療法による治療によって、TUNEL陽性染色を示す細胞の数の減少によって示されたように、LPSの効果が反対になった。TUNEL陽性細胞のパーセンテージは、対照の処理グループと比較して、LPS処理したグループで大幅に増大し(pが0.01以下;ANOVA)、これによって免疫調節療法により、LPSの変性効果が反対になったことが実証される(pが0.01以下;ANOVA)。

0076

B.皮質
前に記載したように、動物に免疫調節療法または擬似治療を施し、皮質中のROSの蓄積、TNF−αおよびIL−10レベルの測定を行った。これらの実験は、動物のLPS刺激なしで行った。

0077

図3は、免疫調節療法によって、皮質中の活性酸素種の蓄積が大幅に低下することを示す(pは0.05未満;独立した平均値に関するスチューデントのt検定、n=7〜8)。データは、平均値および標準誤差として表す。

0078

プロ炎症サイトカイン、TNFαの濃度は、免疫調節療法の結果として皮質中で大幅に低下する(pは0.01未満;独立した平均値に関するスチューデントのt検定、図4a)。対照的に、IL−10の濃度は大幅に増大する(pは0.01未満;独立した平均値に関するスチューデントのt検定)(図4b)。図4aおよび4bは、免疫調節療法によって、皮質中では、TNFα濃度が大幅に低下し(a)、IL−10濃度が大幅に増大する(b)ことを示す(pは0.01未満;独立した平均値に関するスチューデントのt検定、n=7〜8)。データは、平均値および標準誤差として表す。

0079

図5は、リン酸化した形のJNKの減少によって示されるように、免疫調節療法がJNK活性を低下させたことを示す。デンシメトリーによる分析から得た平均値のデータを分析することによって、免疫調節商標)療法はキナーゼ活性を大幅に低下させたことが示された(pは0.05未満;独立した平均値に関するスチューデントのt検定)。図5は、免疫調節療法が皮質中でのJNK活性を大幅に低下させることを示す(pは0.05未満;独立した平均値に関するスチューデントのt検定、n=7〜8)。データは、平均値および標準誤差として表す。

0080

皮質組織中におけるIL−1 Receptor Type Iの濃度に関しては、パイロットワークによって、免疫調節療法がIL−1 Receptor Type Iの発現を低下させることが示される(図6)。リガンドであるプロ炎症IL−1βそのものの濃度は低下すると予想され、これは調査中である。図6は、免疫調節療法がIL−1 Receptor Type Iの濃度を低下させることを示す(予備データ;n=3)。データは、平均値および標準誤差として表す。

0081

これらのラットから得た強縮および非強縮組織から作製したシナプトソーム中での内因性グルタミン酸(塩)の放出を分析することによって、LPS注射の著しい影響が明らかになった。40mMのKClを、生理食塩水処理した対照ラットから得た非強縮歯状回から作製したシナプトソームに加えることによって、グルタミン酸(塩)の放出が、わずかな程度であるが、明らかに増大した(pは0.05未満;対の平均値に関するスチューデントのt検定)。この免疫調節療法によって、非強縮歯状回中でのKC1刺激型グルタミン酸(塩)放出のLPS誘導型のブロッケージが反対になり、強縮組織中ではさらに大きな程度で逆転した(pは0.01未満;対平均値に関するスチューデントのt検定)。この免疫調節療法は、このLPS誘導型のシグナル事象を妨げる作用をさせることによって、その保護効果をsyncystic機能に対して発揮することができる。

0082

(参考文献)

図面の簡単な説明

0083

具体的な実験項に記載した本発明の好ましい実施形態に従った治療の、試験動物の体重に対する影響のグラフ図である。
実験項に記載したLTPのLPS誘導型障害を試験した結果のグラフ図である。
実験項に記載した活性酸素種蓄積の測定値のグラフ図である。
実験項に記載した試験動物の皮質中の炎症性サイトカインTNF2の測定値および抗炎症性サイトカインIL−10の測定値のグラフ図である。
実験項に記載したように治療した実験動物の皮質中のc−Jun NH2−末端キナーゼ(JNK)活性の測定値のグラフ図である。
実験項に記載したように治療した試験動物の皮質組織中におけるIL−1 Receptor Type I濃度の測定の結果のグラフ図である。

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